Title
Effects of long-term treatment with caffeine on the ultrastructure
of the golden hamster parathyroid gland and tibia( 内容の要旨
(Summary) )
Author(s)
マルジャン・ジャマリ
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第424号
Issue Date
2000-03-24
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14686
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 マルジャン・ジャマリ(イラン) 博 士(医学) 甲第 424 号 平成12 年 3 月 24 日 学位規則第4条第1項該当
Effects ofIong-term treatment With caffeine on the uItrastructure of the goIden hamster parathyroid gland and tibia
(主査)教授 正
村
静
子 (副査)教授 伊 藤 和 夫 教授 森 秀 樹 論 文 内 容 の 要 旨 最近の研究では老年期の女性においてカフェイン摂取と骨組鞍症との問の特別な関連性が示唆されている。カ ルシウム代謝の調節は哺乳類においては主に上皮小体ホルモンの分泌により行っている。カフェイン摂取と骨粗 鞍症との関連は,カフェイン摂取後に尿中カルシウム上昇があらわれることにより説明されている。 本研究でほ,カフェイン投与がハムスターの上皮小体ならびに骨の微細構造に影響があるかどうかを電子顕微 鏡を用いて追求した。 材料および方法 生後3カ′月臥平均体重137gの雌ハムスターを42匹用い,21匹ずつの2群に分けた。さらに各群を7匹ずつに分 け.蒸留水0.5ml/100g休重投与した対照群と体重100g当たり2.5mgもしくは10mgのカフェインを含む溶液0.5 mlを1日1回経口投与したカフェイン投与群とを区別した。実験期問は17日間と32日間とした。ベントパルビター ル麻酔下ですべての動物から血液を採取し血清カルシウム濃度を測定したこ摘出した上皮小体を2.5%グルター ルアルデヒドと2%オスミウム酸を含む固定液で1時間固定後,アセトン上昇系列にて脱水を行い,エポキシ樹脂 に包埋した。超薄切片に酢酸ウラニル,鉛塩で二重染色を施し,日立H-800型電子顕微鏡で観察した。各動物の 上皮小体において種々の領域から最終倍率22,000倍の電子顕微鏡写真20枚を無作為に選択し,粗面小胞体,ミト コンドリア,ゴルジ装置,分泌果私 大型空胞の面積を点計数法により計測した。 また,実験初日と17日目,32日目にDXA法にて全身の骨塩量(BMC)と骨密度(BMD)を計測した。骨の 試料は脛骨の近位で骨幹端直下から採取した。骨は5.25%次亜塩素酸ナトリウム液中で有機物を除去し,アセト ンにて脱水し,真空乾燥した。骨内膜の表面は骨膜の表面より変化が著しいことが報告されているため,今回の 研究では骨内膜の表面をJEOLJSM-T300走査電子顕微鏡で観察した。血管孔の面積は点計数法により計測した。 得られたすべてのデータは一元配置分散分析法により有意差を検定し,さらにFisherの多重比較検定を用いて 統計学的に評価した。なお,P<0.05で有意差ありと判定した。 結 果 血清カルシウム濃度に関しては,各群間に有意差は認められなかった。 カフェイン投与群と対照群それぞれの上皮小体を観察した結果,細胞の輪郭および細胞質基質については同様 の形状を示した。細胞小器官と細胞内封入体についてはt対照群において粗面小胞体は槽状構造が平行に配列さ れ,細胞内に散在していた。ゴルジ装置は2∼3層のゴルジ槽,ゴルジ小胞,ゴルジ空胞からなる。ミトコンドリ アについてはt 数・形において多様性があり,また豊富であった。分泌果粒は断面が円形あるいは楕円形で,径 は150∼350nmであった。大型空胞の径は350∼750nmで.細胞内に時折観察された。 すべてのカフェイン投与群において,ゴルジ装置が発達しており,豊富な分泌果粒を伴っていた。また,粗面-11-小胞体の有意な増加が認められた。分泌果粒は対照群と比較して減少していたが・細胞膜付近に分泌果粒が多数 集まる細胞が観察された。各群問で大型空胞に関して有意差は認められなかった。ミトコンドリアは17日間・32 日間カフェイン投与群共に高濃度(10mg)投与群において対照群よりも豊富に観察された0 体重と骨塩量は日齢とともに増加するが,17日間カフェイン投与群においては・低濃度および高濃度投与群共 に骨密度・体重それぞれに対照群との間に有意差は認められなかった0高濃度の32日間カフェイン投与群の骨塩 量・休重増加率は対照群に比して少なく,長期・多量のカフェイン投与による影響を示唆した。 骨の走査電顕像については,カフェイン投与群と対照群の問で骨内膜表面の骨細胞による圧痕の数や血管孔の 占める面積の割合に有意差は認められなかった。 考 察 本実験では.血清カルシウム値に変化はみられなかった0カフェイン投与によりカルシウムが尿中へ放出され・ その結果短期間の低カルシウム血症を引き起こし●上皮小休の機能が元進したことが考えられる0それ故に・カ フェイン最終投与後24時間を経た時点では血清カルシウムは上皮小体ホルモンによってすでに回復していたと推 測される。 電顕像においては,カフェイン投与群におけるゴルジ装置・粗面小胞体・ミトコンドリアの増加が上皮小休機 能克進を示している。 活性化された主細胞において,分泌果拉は細胞膜付近に集まる傾向のあることが報告されているが・カフェイ ン投与群ではこの像がしばしば観察された。 32日間カフェイン投与群にみられた体重減少は,代謝率の上昇ならびに遊離脂肪酸の動員がカフェイン投与に ょり増加することを報告したヒトにおける結果と一致する。 32日間カフェインを投与されたハムスターは骨塩量が減少していた。骨塩量の変化は体重の変化と正の相関関 係にあり,体重減少については骨密度減少,すなわち骨領域からのカルシウム吸収が原因であるとの報告がある。 このように,骨塩量不足はカフェイン摂取による体重減少と関係があると考えられる○ 骨内膜の形態計測においては,各群に有意差は認められなかった0カフェイン投与による骨粗髭症的変化が発 現するには,本実験期間が短かったことが考えられるが,慢性のカフェイン投与は・上皮′ト体の形態学的変化と 分泌活性の上昇に作用すると推論できる。 論文審査の結果の要旨 申請者MarjanJamaliは日常的に噂好品として摂取されるカフェインと骨粗髭症発症の関係に注目し・実験 動物を用いてカフェインの慢性的投与下の骨組織と.カルシウム代謝における主要ホルモン産生器官である上皮 小体の形態学的変化を電子顕微鏡で追求した○その結果一高濃度・長期間のカフェイン摂取は骨粗髭症の症状が 現れる以前に上皮小体の微細構造レベルで変化をきたし,上皮小体ホルモン分泌機能に元進の現れることが示唆 された。本研究は骨代謝と上皮小休機能の解析に解剖学的立場から寄与するものと認める0 [主論文公表誌] Effectsoflong-termtreatmentWithcaffeineontheultrastruCtureOfthegoldenhamster parathyroidgland andtibia 平成12年5月発行予定 OkajimasFoliaAnatomicaJaponica77(1)