90 ル外傷にて他病院に緊急入院となり,経過観察中,膵 体尾部に嚢胞形成し,穿刺ドレナージ後,紙誌痩閉鎖 を目的として当院に転院し,受傷後74日目に開腹し Letton−Wilson法に準じた手術を施行した.その治療 経過を発表する, 26.PTCD後1年6カ月経過の後,切除しえた肝門 部胆管癌の1例 (都立荏原病院外科) 鏑木 祐二・木下 祐宏・服部 博之・ 長谷川利弘・松井 渉・重松 恭祐・ 川本 潔・鈴木 恵史 症例は60歳女性.主訴は黄疸,食欲不振.昭和60年 5月頃より主訴が出現したため当院受診し入院となっ た.諸検査にて肝南部胆管癌と診断した.患老に治療 すすめるも拒否したためPTCD施行後退院となる,そ の後,外来でfollow upしていたがPTCD tube逸脱 したため再入院となった.CTで肝心葉の萎縮と左葉 の著明な代償性肥大がみられたため血管造影も施行し 手術適応ありと診断し,手術を施行した.手術所見で はBsrl,浸潤型, Stage IVで拡大肝右葉切除,尾状葉 切除,左胆管空腸Roux Y吻合術を施行した.以上健 側肝葉の著明な代償性肥大の割に腫瘍の発育が緩徐な ため手術適応となった肝門部胆管癌の1例を経験した ので報告した. 27.骨盤内臓器全摘術を施行した直腸癌の1例 (社会保険山梨病院外科) 長谷川正治・草野 佐・小沢 俊総・ 久米川 啓・山下由起子・手塚 秀夫 (同病理) 小俣 好作 (東京女子医大消化器病センター外科) 亀岡 信悟・浜野 恭一 症例は54歳男性,昭和61年8月より頻回な水品品, 下血および食欲不振が出現し,9月に入り下腹部痛, 体重減少を認めたため,10月9日当院受診。大腸内視 鏡検査にて直腸癌と診断され入院となった.注腸では RsからRaに渡る陰影欠損を認め著明な狭窄像を呈 し,直面造影では両側の腎孟,腎杯,尿管が拡張し尿 管末端に狭窄像を認めた.また,逆行性膀胱造影およ び骨盤部CTにて直腸癌の膀胱仙骨浸潤を強く疑っ た.術中所見は術前検査所見と同様に壁深達度はAi であり,骨盤内臓器全摘術を施行した.しかし,組織 学的深達度はalで,直腸周囲軟部組織,精嚢腺および 膀胱壁まで炎症像が著明で癌細胞の浸潤を認めなかっ た.若干の文献的考察を加えて報告する. 28.肝硬変症に対するPSEの効果 (谷津保健病院消化器内科) 佐藤 一弘・藤野 信之 (同外科) 藤田 徹・中迫 利明・新井 稔明・ 平山 芳文・糟谷 忍・御子柴幸男・ 平塚 卓 (目的)肝硬変症に伴う脾機能充進に対するPSEの 効果について検討を行なった. (対象)過去2年間,肝硬変症73例中,本法施行13 例を対象とした。
(方法)longtapered modi且ed cathetherを用い, splenic a.にsuperselectiveにcathetherizationし, 塞栓物質はsponzelを使用.脾内分枝の減少を認める までembOlizatiOnした. (結果)本法施行直後よりPLTは増加し1W後に平 均15万/mm3となった.その後やや減少するが,4∼8W にはplateauに達し平均13万/mm3であった.合併症 として発熱,落痛は必発だが重篤な合併症はなかった. (結語)本法は肝硬変症等による脾機能充進に伴う 出血傾向改善に有効である. 29.MTCによる肝生検後の止血および肝癌の治療 (谷津保健病院消化器内科) 藤野 信之・佐藤 一弘 (同外科) 藤田 徹・中迫 利明・新井 言明・ 平山 芳文・隠谷 忍・御子柴幸男 肝生検は各種肝疾患の診断,治療上重要であるが, 合併症として大量出血をきたし,開腹手術もしくは死 亡する場合もある.そこで肝生検後の止血にMicro− wave Tissue Coagulation(MTC)の使用を試みた.
対象は肝疾患患者26例で,腹腔鏡下品生検後MTC施 行し,全例完全止血が得られ,さらに従来の止血法で は5分以上要したのに比し,MTCでは40∼60秒目短 縮され,術後の安静時間も約1時間(従来は24時間) となった.また,腹腔鏡下およびUSガイド下に肝癌に 対しMTCを施行.切除標本では完全な凝固壊死像で viable ce11は全く認められなかった.今後MTCは肝 癌に対して強力な治療法となり得ることが示唆され た. 30.稀有なる形態を呈した肝細胞癌の1例 (丹羽病院) 舟橋 英昭・宮村 正廣・大久保公雄・ 新谷 卓弘・南 康平・高山 欽哉 一460一
91 肝細胞癌は,肉眼所見から一般に,びまん型,結節 型および塊状型に分けられる.今回我々は,最終病理 診断でHCCと確守された巨大血腫を内包する症例を 経験したので報告する.症例は,76歳女性,1年前に 肝腫瘍(Hemangiopericytoma)の診断で,肝部分切 除を受けている.夜間右季肋部痛で来院し超音波検査 で肝前葉にソフトボール大の腫瘤を指摘され入院と なった.臨床的に初回手術の再発と考え各種術前診断 を行ない肝右葉切除術を施行した.標本割面は11×8× 6cm大の被膜に覆れた血腫であったが病理診断は, HCCであった.その後初回の標本を再検した所やはり HCCとの返信であった.このように臨床診断病理診 断共に,非常に興味ある症例を報告する. 31.臨床からみたHBV感染症の経過の全貌 (国立横浜病院消化器科) 林 直諒・進藤 仁・屋代 尋人・ 久保井 宏・秋本真寿美・清水 京子 e抗体陽性肝疾患(キャリア,慢性肝炎,肝硬変, 肝細胞癌,急性肝炎)について経過,HBVマーカー (HBV−DNA, DNA−P,δ抗体を含む),肝組織所見を 検討し,HBV持続感染症の経過について述べた.すな わち,成人感染における一過性急性肝炎をプロトタイ プとすると,キャリアは潜伏期にあたり,血清学的に はs,e抗原陽性, HBV−DNA等陽性(但しanti・HBc は高い),キャリア発症は急性肝炎の発症期にあたる (s,e抗原陽性).この時期は1∼2ヵ月で,一部は慢 性期に移行するが,この間すでに,e抗体持続陽性でか つウイルス増殖を示すものもある,治療期は,正常か ら肝硬変,肝癌まであるが,s抗原(一), anti HB(一) 又は低値,となる. 32.門脈圧尤進症に対するSSPの有用性 (日本医科大学第1外科) 梅原 松臣・山田 和人・鄭 淳・ 金 徳栄・田尻 孝・山下 精彦・ 恩田 昌彦 教室では昭和61年4月よりscintiphoto splenopor・ tography(SSP)を導入し,門脈循環動態の解明をお こなっている,対象は未治療の門脈圧充進症患者のう ち血管撮影を施行しえた21例である.方法は柏木らの 手技に準じた.柏木らの分類を適用すると,Ila型が12 例と最も多かった.胃冠状静脈の描出のされ方をみる と,求雨性が2例,遠心性が15例,判定不能が4例で あった.判定不能はSSPで脾静脈,門脈が描出されな かった症例であり,血管撮影にて遠肝性,求肝性がそ れそれ2例と判定された.またSSPと血管撮影で所見 の異なる症例が2例あった.SSPはシャント率と平均 通過時間の計測が可能で,治療法の選択やその効果判 定にも有用である.現在まで合併症もなく,外来でも 安全に施行できる検査法である. 33..Endoscopic varicerographyによる食道静脈 瘤側副路の検討 (筑波大学臨床医学系外科) 近森 文夫・高瀬 靖広・小林 幸雄・ 青柳 啓之・渋谷 進・折居 和雄・ 岩崎 洋治 1981年10月∼1985年9月までに当施設において内視 鏡的栓塞療法施行時に,明瞭なendoscopic varicero− graphyの得られた食道静脈瘤症例126例を対象として 食道静脈瘤を介する門脈側副血行路の検討を行った. その結果,左胃静脈,噴門静脈叢,短胃静脈などの血 液供給路と,食道静脈瘤以外の血液排出路である食道 外シャントに大きく分類された.造影頻度は,左胃静 脈52.4%,噴門静脈叢47.6%,短胃静脈8.7%,食道外 シャント14.3%であった.以上からendoscopic var− icerographyにより食道静脈瘤に関与する血行路を薬 剤注入量のコントロールに必要な範囲内で十分判定し うると思われた. 34.消化器術後縫合不全例の検討 (濁協医科大学第2外科) 門脇 淳・門馬 公経・田島 芳雄 最近8年間の当教室における消化管手術後の縫合不 全例を対象に主として熱型と予後につき検討した.縫 合不全発生例は33例で,手術術式は胃切除10例,低位 前方切除8例,胃全摘6例,その他9例であった.こ れらを術後の熱型により分類すると,1解熱上昇型 (34%),II高熱持続型(24%), III微熱持続型(24%), IV高低型(6%), V無熱型(6%), V砥高型(3%), 田解熱型(3%)の7型に分類できた.予後はII型が 最も悪く死亡率は50%であった.これらの熱型はさら に大きくII, III, IV, VI型のようにはじめから熱の持 続するタイプと1,V, VII型のように無熱又は後期に なって熱の出るタイプの二つに大別され,これによる と,縫合不全の発生の仕方には臨床的に二つの型があ ることが示唆された. 35.ピッツバーグ大における肝移植見学記 (東京女子医大消化器センター外科) 膏油 高穂 1986年10月,米国Pittsburgh大(Starzl教授)にて 一46!一