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稀有なる症状を呈せる血清病の一例

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Academic year: 2021

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稀有なる症駿⋮を呈ぜろ雲雨病の一例

東京女子讐學專門學校病院内科︵主任今村教授︶

     西   村

抄鎌、本例は菅旨て今村教授が本校四學年の臨床講義に於て輸演されたる急のにして、 る虚脆症懸に陥り、加ふるに四肢顔面等に知魯〃異常を來せるものなり。 ヂフテリー血尿注射後重篤なる血清病を下し危験た 緒 陶  血清病は一九〇三年潭導鴫ミ、及び即ミ詠雨落に依り、特有の症歌を呈する疾患として初めて詳細に記 載されセるものにして稀有なる疾病にあらす。殊に血清療法の登達と共に血清病も其歎を加へ、現今に於て は何れの成書にも其記載を見るに至りたり。罵りと錐も本甲の如く四肢顔面等に知覧異常を起すことは恐ら く稀有にして多藪の成書には、未だ其記載を見出す能はす。依って僅に一例なりと錐も、左に共詳細を報告 せんとす。 實  験  例 患者 某子 三十四歳 女馨︵主婦︶   西村躍稀有なる症歌を呈せる血清病の一例 一〇九

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   西村H稀有なる症欺を呈せる血清病の一例      =○  家族歴。父系の組父は胃癌、租母は老衰病にて他界し、母系の温父は腎臓疾患、租母は不明の疾患にて死 亡す。父は六十五歳、藪年前擁護血登作出牛身不随にて臥床中、母は健在、同胞二人の内患者は長子にして、 弟は健在。子供は三人ありて、長女が腺病質なる外健康なり。  既往症。生命健康、十歳の時ヂフテリーに罹り、ヂフプリー血清注射を酷く、十三歳の時腸チフスを、二 十二歳の時關節士麻垂斯を病む。二十六歳の時結婚、夫君も馨師。最近の分娩は本年二月六日にして其後胃 腸障碍を起し易き傾向ありと。  圭訴。全身の蒸立、高熱、顔面及び四肢のチアノーゼ、冷戚及び誌面異常、心悸轟轟、呼吸促迫。不安、 恐怖域。  現症の起始と其経過、昭和七年五月二十二日戚冒に罹り、素干三十八度四分、臥床、解熱剃により三十七 度一分に下降。  五月二十三日、子供が登熱痙攣を起し悟る編め、爾蒔絵なるに不拘起床し、其治療を冒し下る故か、悪塞 の後膿温四十度四分に上昇、脹三百三十、依りてバグノン及びインドラミンの注射をなし、三十八度六分に 下降せり。  二十四日、膿温三十八度九分、咽頭痛あり、漉泡性アンギーナーの診断の下にヂフテリー血清三號を右上 搏皮下に足前に分ちて注射せり。之は從來患者がアンギーナーの際、ヂフテリー血清の注射を行ひて、良好 なる結果を得だる多藪の経験上行ひ覚るものなり。同時にインドラミン注射を同じ部位に施せり。間もなく 注射部位に磯疹を生じ多少の熱戚と療痒ありしも其儘放任せしに、暫時にして消失せり。夜に至り、膿温三 十⊥ハ度四分迄下降。

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 二十五日、艦温最高三十八度一分、氣分良好。  二十六日より略ぼ卒熱、時々起床し、三十日には午前中診療に從画せるに、全身の倦怠を畳へ、午後より 再び就褥。  三十一日、帥ちヂフタリー血清注射より八日目、艦首三十八度八分越搏頻藪、初め四肢、次に顔面及び全 身に登疹を生す、磯疹は馨麻疹檬にして療痒甚し、約二一二時間にして自然に消失す。  六月一日、臨摸三十九度入分、リソゲ〆氏液の注射を恋す。午後十時頃悪寒戦藻の後膿温四十度八分に上 昇、インドラミンの前傾内注射をなす。その夜の内に三十六度八分迄下降す。此の日は登疹なかりきと。  六月二日、午前中膿温低かウしも登疹は全身に生じ、⊥ハ月一日よりも幸く頭髪の中に迄及びて療痒域甚し くして到底安臥する事能はす、三%.石炭酸水を布に浸し頻りに摩擦せり。襲疹は二三時聞にて清失せり。か るる事は心々反覆せり。患者は食物の申毒による毒麻疹ならんと考へ、ヒマシ油を服用せり。午後十一時頃 悪寒戦標の後気温四十度九分置脈搏百二十、出身倦怠威、食慾訣乏、唾眠障碍あり。リンゲル氏液の注射を 爲す。膿温其の夜の内に三十八度二分蓬下降せり。  ⊥ハ月三日、朝膿温四十度三分頃午前十時頃看護婦脹搏を頑愚せるに殆んど溢れす、驚き診察室に急を告げ だるに夫なる讐師風けつけしに、擁骨動脈は殆ど細れす、ロ唇蒼白全身チアノーゼを呈せるに依り急篠カン フル油の注射数筒、アー3レナリン注射を行ひたり、四肢顔面頭部に冷感とビリぐ域あり。同時に此儘死亡 するが如き恐怖戚に襲れ心悸充進、呼吸促演を起し頻りに強心剤の注射を促す。急ぎ数名の磐師を招き、ヂ 取立ミン、安那加、コラミン、ビタカンフアー等の強心剤及びパ。ヒナ寒川、ストジヒニソの注射、リソゲ川 注射等を爲す一方酸素吸入を行ふ。    西村11瓢⋮有なる症歌を呈せる血怖猜病の一例      一一一

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    11稀看なる症状&呈せる血溝病の一例       一一こ  この朝即ち急鍵の起らざる前に今村教授の往診を求められしに依り、教授は授業の都合上午後三時過ぎ往 診すべきことを約束せられたり。然るに容態が急に悪化せる故病林に侍して專心治療に馬事すべき皇師を同 俘されたしとの希望にて教授は私を伴ひて往診されたウ。  患家に通う見るに、患者はフンゲル注射を受けながら、一方多歎の人に、手足を熱き湯に浸せるタオルに て温めしめつ︾、爾頻りに四肢の冷戚、ピリぐ戚を訴へ、﹁こんなに顔迄シゼレて家ましπから、先生もう 駄目でせう。﹂と言ひて、張星の不安状態なφ。教授は﹁シビレて死んだと言ふ入は未だ聞か鳳。之は嵐の様 なもので心臓さへ耐へたなら豫後は勿論良いのだから。﹂と告げ安心せしめられπり。  暴走、斯る有様にて詳細なる診察は面す能はす、教授は大略の診察をされ、夫君及び私に疑して詳細なる 治療法と注意を指示され党る後蹄宅されしに依り、其後欺陰間附き切ウにて、私の観察せる所を左に述べん とす。  一般所見、身長普通、骨格筋肉皮下脂肪共に登育良好の婦人にして、自動的仰臥位を取る。顔貌苦幡状、 皮層蒼自、多少チアノーゼを現し、黄疸及び登疹を認めす、意識明瞭なるも、精神興奮不安歌風にして、脹 捕爾側同様、頻数百八、規則正しく、緊張良く大さ幾分小、呼吸頻歎五〇、胸腹式呼吸、膿温三十入度七分 なり。  各部所見、頭部異常なく頸部強直なし、顔色多少チアノーゼを呈す。眼瞼結膜輕度の充血あり、瞳孔は左 右同大、星形、鼠算反心正常、至善なし。口唇態度のチアノーゼを呈し乾燥す。菅は白色の舌苔を被るも灘 潤、咽頭極論度の畿赤あるも附着物なし。頸部淋巴腺腫脹なし。胸部諸器官異常なし、腹部は輕度に膨隆し、 心窩部に膨満域を訴ふるも歴痛、抵抗を認めす。上下に多藪の注射の絆創膏卓布しある事目立ち、手指輕度

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のチアノーゼを呈しシビレ戚を訴ふ。恰も長く座せる時シビレπる如き戚じなりと。域畳鈍麻なし、下肢も 同様多藪の注射の痕ありて輕度のチアノーゼを現し、ビリー域あρ。腓腸筋駆痛、關節痛、浄腫登疹を認 めす。膝蓋腱反射、アヒレス腱反射共に輕度に充進、病的反射、足揺搦及びケルニ.ヒ氏症歌なし。  響岩、前述の如く最早種々鷹急治療は鑑され居元り。依りて教授は手足のピソ/\・威は末梢紳経の刺戟症 妖なる故、この刺戟を去らしむる事肝要なるも、廠醇剃は斯る心臓の歌態の落馬密なれば、催眠鎭静剃〃ミ ナール水溶液の○・五を先づ注射し、効なき時.再び0。五を注射す可きを指示され把り。〆ミナー川注射液 は附近の魚店になかうし故︵患家は千住︶日本橋の藥舗より取寄せ、午後六時○・五Gq注射せるに、其作用の 爲めか、恐怖不安は幾分緩解せり。午後六時孕、悪寒の後、膿温四十度一分、賑憂欝三十を算す。アスピリ ン○・五を投與後問もなく嘔氣起り嘔吐三同あり。嘔物は酸性にして泡沫様粘液及び少量の羅馬を混じ一同 量は約二百琵、小黙欺或ひは線歌の血液を混ぜり。同時に曖氣ありて胃部の膨満域多少減す。午後八時頃、 四肢及び頸部に毒麻疹様の登疹を生じ強き療痒を訴ふ。登疹は約一時間にして自然に清退せう。午後九時再 び川ミナi〃○・五㏄注射す。四肢、顔面のビリ/㍉戚漸時に滑失、十時図心%葡萄糖液五〇〇琵の注射を行 ふ。十一時頃より鎭静、睡眠を催レ、翌朝迄に略ぼ三時問睡眠せり。此の日尿に蛋自を認めす。  六月四日、呼吸困難、不安緩解し、午前六時燈温三十九度六分脹搏百二十、呼吸三十二、全身倦怠、強き 疲勢戚、及び口渇を訴ふ。輕度の咳漱、咽頭痛あり咽頭粘膜に輕度の登営腫脹を認む。午前七時冷牛乳五〇 琵及びパイナップル果汁少量を撮取せるに、間もなく嘔面起わ、午前十一時嘔吐一同、吐物は前日と同様な り。午後より睡眠し、膿温漸時下降、呼吸鎮艀、不安全く去り、登疹なし。  尿所見、総量四五〇琵、褐色透明、比重一〇二五、酸性、蛋自中等度陽性糖蜜性、尿沈渣には、赤血球多    西村H稀有なる症朕を呈せる血清病の一例      =三

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   西村11稀有なる症駄を呈せる血清病の一例      一一四 歎、白血球小歎、腎上皮細胞藪個膀胱上皮は極めて少し。  六月五日、磯汗甚しく、膿温緩く李常、尿は荷蛋白輕度陽性、赤血球、自血球あり。  六月六日、膿温正常、尿の蛋自反鷹は痕跡、赤血球一観野中に=一個、自血球及び腎上皮は稀にあるのみ、 此の日初めて血墜を計測せしに最高一〇五、最低五五。  血液所見、⊥欝血七日、槍査、赤血球四二九二、自血球、四八00、血色素含有量⊥黒豆%、自血球百分率。 中性嗜好白血球五二%、内分語語四四・八%、桿型七・二%、エオジン嗜好自血球○・八%、淋巴球四五・六% の中小淋巴球四三。六%、大淋巴球二%にして即ち輕度の白血球滅少症及び相封性淋巴球増加を示せり。  ⊥ハ月八日 尿正常となり、食慾も漸く恢復、其後全身状態漸時恢復十藪日にして画く健康膿となる。 考   按  成書を按ずるに血清病は、初同注射に於ては多くは注射後七日乃至十二日の潜伏期を以って起り、再注射 に於ては速かに現れ殆んど潜伏期なし。  病症は黒道症歌なくして、通常登熱を以って、或ひは皮膚螢疹を以って始まb、時に爾者が同時に現る、 事あり。此の外關節痛、淋巴腺腫脹、脾腫等の霊歌を呈す。多くは以上の諸症歌が全部出現する事なり、登 疹と登熱、或ひは螢疹、磯熱、關節痛とを現す事もあり。之等の症歌の持績は種々なるも通常一乃至三日間 にして、短きは欺時間にして消退するあり、長きは一週聞以上に及べる例もあり。登載は血清病の九〇%に 現る、重要なる症状にして、馨麻疹檬、通常は初め注射部位の近くよφ生じ次で登身に蔓延するものにして、 激しき療痒と赫熱戚を件ひ、歎時間にして消失しては器量に現れ、二三日聞出没するを常とす。同時に解熱 し、熱型は不規則にして、亜熱性なるあり、或ひは四十度以上の事もあり、時としては全く登熱せざる事も

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京女子瞥學卑門學按病院川 . 1 ⋮ F﹁.一二 一,. r 一 一= 一 さ .〆 「 一 , O 麿白凶  一  . τ 亀 0 λ ノ  . 、 L σ ‘ 登白ゆ . ダ ・皿 r﹂㌣− 見 σ 一 ダ ’ ﹁﹂ 、●5一. 抽 ノ タ 三二︵ .多  ‘1角μ ■ 1 、■ 白つ 3 ノ .. ・十.ほ肌 1 ’   .、9‘ ↓F . 讐  .− タ−’ ■4.し7 況 ∠ 漢養 一 , . ﹂● . ド ノ .茸 一﹃ ﹂ 、,, 婦 ノ 嘉.  一 脚 一 ﹂層 .一..一.讐● 0 を 1 、し璽 錘− T 〃 一 ● 2 .. ◎ 一 . ﹁︽ ● ご. ・霊山. 韓.︸. . 偉、 乃 7噛 声粛画 薩解. ・,,写 ﹁.  . 9 . .↑  ・i ⋮ O  F 弐、. ﹁、1., hド. .賃 , ・  . 1    . ﹂、.. 一 1 μ ㎝  , .  曽   . .,1 @.r昏1 ﹃ I  l ,  ,  一 層   i l 「 一.

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   西村11稀有なる症歌を呈せる血浩⋮病の一例       一一六 あり。關節痛、關節腫脹は、膝關節、肩肝關節.掌腕二曲等に好襲し、爲めに關節の蓮動障碍を際し、燭る﹀ に激痛あり、而もこの疹痛は、ナソテール酸捌の影響を慮り受けざるを特有とす。淋巴腺腫脹は、初め注射 部位附近の局部淋巴腺に起り、而も大多歎は登疹及び全身症歌に先行す。又口腔咽頭、顎下腺舌下腺扁桃腺、 耳下腺等の腫脹を陣し、脾臓腫脹等も比較的多く見らる\ものなb。約一〇%に於て俘腫を見、浄腫は腎臓炎 の如く眼瞼に現る、事多し。以上の主症歌の外各個入の素質によりて、時としては、賑々頻歎、チアノ1ぜ、呼 吸困難等の激烈なる虚脱症歌を呈し、危瞼に溢する事もあり、然れども之が霞め死亡するが如き事は極めて稀 なり。荷血液は白血球減少症を示し、血屡は低下す。稀に強き過敏症を有する入に於ては、嘔吐、下痢、蛋白 尿、胸内苦悶、不安、精紳完走、憂欝等を來す事あるも何れも一過性にして、一鞭日中に消失するものなり。  以上の諸年歯は初同注射時よりも再注射時の方著明に現るものにして、即ち第一同注射より再注射迄の期 問六日以内の時は何等の反懸起らす、之を無反鷹と早し、二三週乃至七八週迄の問なる時は、注射薬歎分渥 くも二十四時間以内に症歌出現す、之を郎時三鷹と早し、前記の女陰なる虚脱霊歌を呈するは、多くはこの 場合なり。初風注射より七魚取以上三年位の問は初同注射時と同様の症歌を現はす、之を促進溢血と言ふ。 蓋し此の場合の潜伏期は五日乃至七日に短縮せるを以てなり。  本訴は前記の経過に依りて、直ちに血清病忙る事明かなるも特有とする所は四肢、顔面等のピソー威、 帥ち知畳異常にして、多くの成書には未だ官記蔵を見す、且叉高度の循環障碍、不安、恐怖及びシヨソクも 稀とする所なり。 終りに臨み御懇篤なる御指導と細密なる御校閲を賜りたる今村教授に謹みて感謝し、 がに夫君の理解ある御厚意を深謝す。 樹報告を快諾せられ、種々便宜を興へられたる先輩並

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東京女醤學會第:六.圖総會演劇. 113,,

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