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Hepatitis B virus downregulates expression of CIDE-B and CIDE-C, leading to impairment of lipid droplet growth 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 安本 順 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医科学 ) 学 位 記 番 号 医工博甲 第 346 号 学 位 授 与 年 月 日 平成27年9月25日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 人間環境医工学専攻(生体環境学コース)

学 位 論 文 題 名 Hepatitis B virus downregulates expression of CIDE-B and CIDE-C, leading to impairment of lipid droplet growth.

(B 型肝炎ウイルスは CIDE-B と CIDE-C の発現を減弱させ、 脂肪滴形成を阻害する) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 榎本 信幸 委 員 准教授 近藤 哲夫 委 員 准教授 川村 龍吉

学位論文内容の要旨

(研究の目的)

B 型肝炎ウイルス(Hepatitis B Virus:HBV)はエンベロープを有する DNA ウイルスで、ヘパドナ ウイルス科に属し、輸血や性交渉などで主に血液・体液を介して感染する。成人でも持続感染に移行 する場合もあるが、特に出生時の感染は持続感染に移行しやすく、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌を高 率に引き起こす。HBV の感染から発症に至るメカニズムの詳細については不明な点が多く、B 型肝炎 患者に対するより効果的な予防治療方法の開発の障害になっている。本研究では、HBV 感染による感 染細胞内の変化を電子顕微鏡および蛍光顕微鏡観察で捕らえ、HBV 感染・増殖の分子機構を明らかに することを目的とした。 (方法) HBV 感染モデルとして HBV 産生細胞株 HepG2.2.15 細胞および Tet–off HBV 産生誘導株である Hep38.7-Tet 細胞を用いた。HepG2.2.15 細胞の観察では、親細胞株である HepG2 細胞を対照群と した。また、Tetracycline 非含有培地による培養によって Hep38.7-Tet 細胞内における HBV 増殖を 誘導した。透過型/走査型電子顕微鏡用い超微形態を観察した。ミトコンドリア、フィロポディア、 脂肪滴を、それぞれMitoTracker, AlexaFluor 488-phalloidine,BODYPI を用いて染色し、共焦点レ ーザー顕微鏡を用いて観察した。脂肪滴の大きさと数の定量は画像解析ソフトImage-J を用いた。 宿主mRNA、HBV DNA および HBV RNA の定量はリアルタイム定量 PCR および RT-PCR 法を 用いた。脂肪滴融合に機能する分子である Cell-death inducing DFF45-like effect(CIDE)-B およ びCIDE–C に対するノックアウト細胞を CRISPR/Cas9 系を用いて作製し、標的ゲノム領域のシー クセンシングおよび半定量的RT-PCR によって欠損部位の確認を行った。CIDE-C 発現プラスミド

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をトランスフェクションし、一過性にHepG2.2.15 細胞に CIDE-C を発現させ、ウイルス増殖に対 するCIDE-B/C の役割について検討した。 (結果) 電子顕微鏡解析の結果、既報で報告されているHepG2.2.15 細胞の Filopodia およびミトコンドリ アの形態・分布に変化は認められなかった。しかしながら、典型的な楕円状の脂肪滴が HepG2 細胞 で観察されたのに対し、HepG2.2.15 細胞の脂肪滴は不定形で小型化していた。 BODYPI 染色による脂肪滴の定量解析の結果、HepG2.2.15 細胞の脂肪滴の小型化と 1 細胞あた りの脂肪滴数と総面積の減少が認められた。小型脂肪滴の融合により大型脂肪滴に成長し、細胞は脂 肪貯蔵を維持する。脂肪滴融合に機能するCIDE-B および CIDE-C の発現は HepG2.2.15 細胞で有 為に低下し、HBV 増殖に関係なく CIDE-A の発現は認められなかった。Hep38.7-Tet 細胞において、 HBV 発現誘導時に CIDE-B および CIDE-C の発現量が有意に減少し、HBV 発現長期誘導

Hep38.7-Tet 細胞(一ヶ月)において、HBV 非発現細胞に比べ 1 細胞あたりの脂肪滴の総面積が有 意に減少し、小型化が観察された。CIDE-B あるいは CIDE-C ノックアウト HepG2.2.15 細胞で、 細胞内HBV-RNA と培養上清中の HBV-DNA の有意な減少が見られ、CIDE-C の過剰発現によって 細胞内のHBV RNA 量と上清中の HBV DNA 量が有意に増加した。CIDE-B あるいは CIDE-C ノッ クアウトHepG2.2.15 細胞の脂肪滴は 1 細胞あたりの総面積が有意に減少し、小型化が観察された。 (考察) 本研究では、HBV 増殖細胞において CIDE-B および CIDE-C の発現抑制が認められ、脂肪滴の小 型化および減少が観察された。この結果から、HBV 感染によって CIDE-B および CIDE-C が発現抑 制をうけ、脂肪滴の形成不全が誘導されたと考えられた。しかしながら、現時点で、HBV 感染とメ タボリック症候群との関連については明確な結論はでていない。HBV 感染は脂肪肝発症の抵抗性因 子であるとの報告もあり、本研究の結果はそれを支持しているのかもしれない。 CIDE-B/C ノックアウトおよび過剰発現系の結果から、CIDE-B/C は HBV 増殖を調節する因子で あることが示唆された。HBV 持続感染による CIDE-B/C の発現低下は適度な HBV 産生量を維持す ることに必要で、肝組織障害の軽減や宿主免疫からの回避機構に役立っているのかもしれない。HBV 感染におけるCIDE 発現調節の分子機構は不明であるが、今後の重要な研究課題と思われる。 (結論) 本研究で、HBV 増殖によって CIDE-B/C 発現は抑制され、脂肪滴形成が阻害されることが示唆さ れた。これらの結果は、HBV 感染機構および病原性発現機構の解明に重要な知見と思われる。

論文審査結果の要旨

1. 研究の学術的意義。 本研究は、B 型肝炎ウイルスの増殖が CIDE-B と CIDE-C の発現を減弱させ、脂肪滴形成を阻害 することを示し、またCIDE の KO および過剰発現系から CIDE が HBV 増殖の調節因子であるこ

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とを示したもので当該分野において非常に高い学術的意義を有する。 2. 研究の争点、問題点、新しい視点。 本研究では以下の結果が得られており、当該分野に研究における未知の問題の解決に貢献し、新た な視点を提示するものである。すなわち、HBV 増殖細胞においては典型的な楕円状の脂肪滴が不定 形で小型化し、BODYPI 染色による脂肪滴の定量解析では細胞あたりの脂肪滴数と総面積の減少が 認められた。脂肪滴融合に機能するCIDE-B および CIDE-C の発現は HBV 増殖細胞で低下した。 CIDE-B あるいは CIDE-C ノックアウト細胞で、細胞内 HBV-RNA と培養上清中の HBV-DNA の有 意な減少が見られ、CIDE-C の過剰発現によって細胞内の HBV RNA 量と上清中の HBV DNA 量が 有意に増加した。CIDE-B あるいは CIDE-C ノックアウト細胞の脂肪滴は 1 細胞あたりの総面積が 有意に減少し、小型化が観察された。以上の結果から、HBV 感染によって CIDE-B および CIDE-C が発現抑制をうけ、脂肪滴の形成不全が誘導されたと考えられた。CIDE-B/C ノックアウトおよび過 剰発現系の結果から、CIDE-B/C は HBV 増殖を調節する因子であることが示唆された。HBV 持続 感染によるCIDE-B/C の発現低下は適度な HBV 産生量を維持することに必要で、肝組織障害の軽減 や宿主免疫からの回避機構を担っている可能性が示された。HBV 感染における CIDE 発現調節の分 子機構は不明であるが、今後の重要な研究課題である。 3. 実験及びデータの信頼性。 本研究の検討およびデータ解析は綿密かつ妥当、正確に行われており検討結果の信頼性は非常に高 いと判断された。また、研究の遂行は倫理的にも適切になされていると考えられた。 4. 各審査委員の具体的質問内容,それに対する申請者の具体的回答。 (最終試験結果の要旨を参照) 5. 今後の研究に対する展望。 本研究の今後の展開としては以下の点が期待される。すなわち、HBV 増殖における CIDE の役割 が解明されることにより現在根本的な治療法が存在しないB 型肝炎の基本的病態解明および新たな 治療法の開発への展開が期待される。 6. 人物に対する評価等。 安本順 氏は微生物学に関する研究に真摯に取り組んでおり、その一環として本研究における意義 ある結果を見いだした、人格、見識、能力ともに将来を嘱望される人物であり、医学博士としてふさ わしいものと評価された。

参照

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