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「東日本大震災に係る対応―保険診療・地域医療再生基金・災害復旧費補助金・医療法等について(第1報)」について

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東日本大震災に係る対応

保険診療・地域医療再生基金・災害復旧費補助

金・医療法等について(第1報)

定例記者会見

2012 年 3 月 28 日

社団法人 日本医師会

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2011 年 3 月に東日本大震災が発災し 1 年が経過しました。復旧はいまだ道半 ばであり、医療再生もこれからが正念場です。 本稿は、東日本大震災に係る保険診療上の対応、地域医療再生基金、災害復旧 費補助金、医療法上の特例措置等についてまとめたものです。簡略的な内容で はありますが、復旧・復興対策の見直し、および全国で今後の災害対策を検討 していただく一助になればと考え、発災後 1 年を区切りとして、いったんのと りまとめを行ないました。 今後、具体的な提言につなげられるようさらに進化させていく方針です。東日 本大震災に被災された方々をはじめ、全国の方から情報やご意見をお寄せいた だければ幸いです。 2012 年 3 月 社団法人 日本医師会 保 険 医 療 課 地域医療第一課 年 金 ・ 税 制 課 介 護 保 険 課 総合医療政策課 日 医 総 研

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目 次

1. 保険診療上の対応 ... 1 2. 医療機関の災害復旧に係る補助金等 ... 24 2.1. 地域医療再生臨時特例交付金(地域医療再生基金) ... 24 2.2. 医療施設等災害復旧費補助金 ... 31 2.3. 医療施設近代化施設整備事業 ... 33 3. 福祉医療機構の融資条件の見直し ... 34 4. 雇用調整助成金 ... 43 5. 医療法の特例措置など ... 49 5.1. 特例措置に基づくいわゆる「1人訪問看護ステーション」 ... 49 5.2. 復興特区における医療法の緩和 ... 50 6. 総括 ... 54 6.1. 保険診療上の対応について ... 54 6.2. 医療機関の災害復旧への支援について ... 55 7. 参考資料 ... 59 7.1.1. 東日本大震災に関連してこれまでに実施された診療報酬・介護報酬 上の特例措置 ... 60 7.1.2. レセプト受付件数および一部負担金支払免除のレセプト ... 71 7.1.3. 中医協委員による東日本大震災被災地訪問・意見交換会の概要 74

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1. 保険診療上の対応

2011 年 3 月 発災当日、被災者の一部負担金猶予などが決定された。また発災1 週間以 内に、被災した保険医療機関の施設基準の緩和措置もとられた。さらに被災 地への医薬品の供給が課題となり、全国に長期処方の自粛が要請されるなど した。 3 月 11 日 厚生労働省は、被災により被保険者証等を家に残してきたまま避難している等 の理由により、保険医療機関等に提示できない場合であっても、保険診療を受 けることができること1、一部負担金の徴収猶予及び減免、保険料の納期限の延 長及び給付猶予等を行なうこと2などを決定し、全国に連絡した。 3 月 15 日∼17 日 ○ 厚生労働省から、保険診療上の取り扱いについて詳細な通知があった3 ・患者が処方せんを持参せずに調剤を求めてきた場合については、事後的に処 方せんが発行されることを条件として、保険調剤として取り扱って差し支えな いこと ・被災者を受け入れたことにより定数超過入院となった保険医療機関にあって は、当面の間、入院基本料の減額措置を適用しないこと、看護配置について1 割以上の一時的な変動があった場合においても、変更の届出が必要ないこと ○ 厚生労働省は、被災地域への医薬品供給を優先すべく、全国の医療機関に対 し、医薬品の長期処方の自粛や分割調剤を考慮するように求めた4。また、日 本医薬品卸業連合会からは、通常の注文量を大きく超える注文を控えるとと もに、ガソリン消費抑制のため、納品回数を削減するよう依頼があった5

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○ 厚生労働省より、対象者の要件に該当する患者の一部負担金等の支払いにつ いては、当面、5 月末日まで支払いを猶予することとし、医療機関は、患者 負担分を含めた10 割を審査支払機関等へ請求する旨の通知があった6 3 月 18 日 日本医師会は、チラーヂンS錠、チラーヂンS散、チラーヂン(レボチロキシ ンナトリウム)の生産工場が被災し生産が中止されていることから、都道府県 医師会・社会保険担当理事に対し、当該製剤の長期処方の自粛を依頼した7 厚生労働省から、一部負担金の猶予期間が当面 5 月までとされる対象者を追 加したとの連絡があった8 ・地震の発生以後、適用市町村から他の市町村に転入した方、主たる生計維持 者の行方が不明である方、原子力災害対策特別措置法による、避難のための 立退きに係る内閣総理大臣の指示の対象地域であるため避難を行なった方 など 3 月 23 日 日本医師会は、これまでの対応を整理して、定例記者会見で詳しく説明した(次 頁)9

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2011 年 3 月 23 日 社団法人 日本医師会 定例記者会見 平成23 年東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震による 被災者に対する保険診療等の取扱い(抜粋) 1.被災者に対する保険診療の取扱い 被災者は、保険証を提示できなくても、氏名、生年月日の他、被用者保険は事 業所名、国保・後期高齢者医療は住所を申告することで、保険診療を受けるこ とが可能であり、また、公費負担医療の医療券などを提示できない場合でも、 氏名、生年月日、住所等を確認することで、公費負担医療を受けることが可能(緊 急の場合は指定医療機関以外でも可)となります。 2.被災者の一部負担金等の取扱い 災害救助法の適用市町村(東京都を除く)のうち岩手県・宮城県・福島県の全 市町村と、青森県、茨城県、栃木県、千葉県、長野県、新潟県の特定の市町村(※ 別紙一覧参照)に住所を有する被災者で(※地震発生以後、適用市町村から他 の市町村に転入した場合も含まれます) ① 住家が全半壊・全半焼またはこれに準ずる被災をした ② 主たる生計維持者が死亡・重篤な傷病をした ③ 主たる生計維持者が行方不明 ④ 原子力災害対策特別措置法により総理大臣から避難指示がある地域 の旨の申し立てがあれば、現時点で、5月までの診療に係る一部負担金等の支 払いを、5月末まで猶予されることになりました。(一部負担金等には、一部負 担金、入院時食事療養費・入院時生活療養費の標準負担額、訪問看護療養費の 自己負担額が含まれます。) 医療機関は一部負担金等を徴収せず、審査支払機関に10 割請求することとな りました。

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3.医療機関の建物が全半壊した場合の取扱い 医療機関の建物が全半壊等した場合、仮設建物で保険診療が継続できます。 4.診療報酬を請求できない場合の取扱い カルテが流されてしまった、あるけれど汚れてしまった場合や、レセプトコン ピュータが壊れて請求できない場合、さらには請求先の保険者が特定できない 場合など、3月診療分の請求方法につきましては、厚生労働省とその対応につ いて協議する必要があると考えております。(過去に概算請求などの方法があり ました。) 5.医療機関の施設基準など 被災者を受け入れたことで定数超過入院となった場合でも減額されません。 被災地に職員を派遣したことで入院基本料などの施設基準が満たせなくなっ ても変更の届出は不要です。 6.保険調剤の取扱い 保険証の番号など処方せんの記載が不足していても、また、通常の処方せん様 式でなくても、医師の指示を書いた文書で保険調剤が可能です。 処方せんがなくても、お薬手帳や薬歴を基に、事後に処方せんが発行されるこ となどを条件に、保険調剤可能となっています。 7.被災地域以外の医療機関における医薬品の長期処方の自粛や薬局における 分割調剤の考慮(お願い) 被災地域への医薬品供給を優先に考え、被災された患者の方々が必要な医療を 受けられるよう、被災地域以外の医療機関や薬局に対して、当面、医薬品の長 期処方の自粛・分割調剤を考慮するなど、必要最小限の最適な処方・調剤の協 力を要請しています。 また、卸への対応といたしまして、災害医療を遂行する医療機関等に対し、医 薬品の安定供給を図るため、通常の注文量を大きく超える注文を控えるととも

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に、ガソリン不足の深刻化が懸念されるため、ガソリン消費抑制のための納品 回数を削減するなどの配慮をお願いしております。

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3 月 24 日 厚生労働省は、原発事故に伴い避難又は退避を行なっている方等が、保険証な しで受診でき、医療機関で窓口負担を支払う必要がないことが周知されていな いとして、報道機関に周知のための報道を依頼した10 日本医師会は、特に現場で混乱が生じているという声が寄せられた 3 点につ いて、Q&A を発出した11 2011 年 3 月 24 日 日本医師会 震災に関する保険診療上の取扱いについて Q.一部負担金等が猶予される被災者であって、被保険者証がなく、本人が社保 か国保のどちらか分からない場合はどのように対応したらよいか? A.社保か国保が不明なことをカルテに記載の上、一部負担金等を猶予してくだ さい。 Q.診療で支援医薬品を使用した場合の取扱いについては、どのように考えたら よいか? A.明らかに支援医薬品と分かるもの以外は、被災地での医療現場の混乱を最小 限にするために、請求して構いません。 Q.救護所、避難所救護センター等での医療行為は、どこに請求することになる のか? A.救護所、避難所救護センター等は保険医療機関ではなく、災害救助法に基づ く施設であるため、原則、医療に要した費用は県、市町村に請求することに なります。詳細については、県、市町村と相談してください。

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3 月 25 日 厚生労働省から日本医師会に対し、窓口での一部負担金支払いを猶予できるこ と等を保険医療機関へ周知することについて依頼があった12 3 月 29 日 地震により診療録等を滅失又は棄損した保険医療機関等は、2011 年 3 月 11 日以前の診療等分については概算請求できること、災害救助法適用地域(東京 都の区域を除く)の保険医療機関で、2011 年 3 月 12 日以降に診療を行ない、 通常の請求が困難な場合には、3 月分について概算請求できること等が決定した 13

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2011 年 4 月 日本医師会執行部は、2012 年度の診療報酬・介護報酬同時改定の見送り を提案した。定例代議員会(4 月 24 日)では結論が出ず、執行部の判断に 委ねられた。また、発災から 1 か月を経ていたが、一部負担金猶予の周知 が行きわたらず、繰り返し周知徹底が図られた。 4 月 7 日 日本医師会と厚生労働省は共同で、医薬品の長期処方自粛の協力を患者さんに 求めるポスターを作成し、都道府県医師会に送付した14 4 月 15 日 厚生労働省から日本医師会に対し、被災された方々については、被保険者証等 なしでも保険診療が可能であること、被災者の方は窓口での一部負担金等の支 払が不要であることをあらためて周知してほしい旨の依頼があった15 4 月 22 日 一部負担金猶予等の対象者が原子力災害による計画的避難区域等の方にも拡 大され、猶予期間は5 月末までとされた16 災害救助法適用地域(東京都の区域を除く)の保険医療機関で、通常の手続き による請求を行なうことが困難な場合は、2011 年 4 月診療分(5 月提出分)に 係る診療報酬等も概算請求できることになった17

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2011 年 5 月 日本医師会は、被災地に医療を取り戻すことが最優先であるとして、2012 年度診療報酬・介護報酬同時改定の見送りを求めることを決定した。 中医協では医療経済実態調査の準備が進んでいった。 また、国の2011 年度第 1 次補正予算が成立し、一部負担金支払い免除(こ のときまでは「免除」ではなく「猶予」であった)期間は、2012 年 2 月末まで 延長された。 5 月 2 日 2011 年度第 1 次補正予算が成立した。医療保険制度の保険料減免等の特別措 置として、被災した被保険者等について、医療保険の保険料や一部負担金等の 減免等を行なう場合に、保険者の負担を軽減するための財政支援を行なうこと、 および保険者等が円滑に業務を実施できるようにするための支援を行なうため、 864 億円計上された。 被用者保険で、一定の要件に該当する事業所の場合、納付すべき保険料を最長 1 年間免除することができることとなった。また、一部負担金の支払い猶予は 6 月末まで延期されたが、7 月以降は、「一部負担金等免除証明書」を持参しなか った場合、窓口において一部負担金等を徴収することになった18 5 月 12 日 日本医師会は、定例記者会見において、「東日本大震災の被災地における医療 を取り戻すことが優先されるべき」(原中会長)として、診療報酬・介護報酬同 時改定の見送りを求める方針を表明した19 5 月 18 日 中医協では、医療経済実態調査にむけた準備が進んでいた中、鈴木委員が「今 回の医療経済実態調査の実施は、診療報酬改定の第一歩です。これだけの大震 災が現在進行中にもかかわらず、何事もなかったかのように調査を始めてもよ

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いものでしょうか。(中略)この大震災について、中医協として総括を行なうべ きです」と疑問を投げかけた20 5 月 23 日 厚生労働省は、これまで一部負担金の支払いについて「猶予」という表現を用 いていたが、同日の事務連絡で「免除」という表現に修正し、2012 年 2 月末ま で一部負担金等の支払いを免除することとした21 5 月 19 日 日本医師会は、細川律夫厚生労働大臣(当時)に対し、診療報酬・介護報酬同 時全面改定を見送ることを要請した。同時に、地域医療は依然として崩壊の危 機にあることから、部分改定により不合理な診療報酬項目を是正することを要 請した22 5 月 24 日 日本医師会は、中医協森田朗会長に「東日本大震災被災地視察のお願い」 を 発出し、中医協委員の被災地視察をお願いした23

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2011 年 6 月 中医協で「医療経済実態調査」が始まり、東日本大震災の影響を考慮して 調査票を発送しないとしていた医療機関に調査票を誤送付してしまうとい う問題が発生した24。中医協では検証チームを設置して、この問題に対応し た。 6 月 3 日 中医協総会において、厚生労働省から「医療経済実態調査」について説明があ った。今回は、東日本大震災への配慮として、 ① 調査票の発送に当たり日本損害保険協会が甚大な被害を受けたと認定し た全損地域などは除外する。 ② 大震災の影響把握のため、調査票の「自由記載欄」への記載を求める。 ③ 集計・分析に当たっては、全体集計に加え、被災区域を除外した集計な どを行なうほか、メディアス、診療報酬の施設基準の届出状況、医療施 設動態調査など、関連する様々なデータを加味して行う。 こととされた。 厚生労働省の説明後、鈴木委員が、日本医師会が5 月 24 日に中医協森田朗会 長宛に提出した「東日本大震災被災地視察のお願い」という文書を紹介し、「中 医協委員の方々に、被災者の方々や医療関係者の話を聞いていただき、被災地 の実態を踏まえていただきたい」と特段の配慮を求めた。 森田朗会長からは「この提案については真摯に受け止め、中医協として前向き に検討したい」との答弁があった。 さらに、「医療経済実態調査」の実施が改定の実施に直結するものではないこ とが確認され、中医協で「医療経済実態調査」の実施が合意された25

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6 月 10 日 中医協では、東日本大震災による全損地域等の医療機関等に対しては「医療経 済実態調査」の調査票を送付しないこととしていたが、6 月 7 日から始まった送 付作業において、調査票を送付しないとされていた医療機関にも誤送付されて いたことが判明し、厚生労働省が謝罪を行なった26 6 月 14 日 6 月診療分(7 月提出分)からは、原則、すべての保険医療機関が通常の方法 による請求を行なうことになった27 また、2011 年 7 月 1 日以降は、保険者から交付された一部負担金等の免除証 明書を提示した方のみ、窓口での一部負担金等の支払いを免除する取り扱いで あったが、被災 3 県(岩手県、宮城県、福島県)の一部では、当該取り扱い開 始日が延期された28 6 月 21 日 一部負担金免除の対象者に、特定避難勧奨地点に居住しているため避難を行な っている方が追加された29 6 月 22 日 厚生労働省は、6 月 10 日に行なった誤送付についての謝罪の中で、送付施設 数に間違いがあったとして修正し、重ねて謝罪を行なった30 6 月 22 日 中医協総会で、医療経済実態調査の誤送付の問題が報告され、今回の事案に対 する原因究明及び再発防止の観点から、検証を行なうことが確認された31

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2011 年 7 月 医薬品等の供給ルートが確保されつつあることから、長期処方の自粛依頼 が終了した。また一部負担金の免除を受ける際には、原則として、証明書 を提示しなければならなくなるなど、少しずつではあるが発災前の姿に戻 り始めた。 7 月 1 日 5 月 2 日の厚生労働省通知にもとづき、7 月以降、一部負担金の免除を受ける 方は、「一部負担金等免除証明書」を持参しなければならなくなった。 7 月 12 日 厚生労働省から、一部の医薬品を除いて長期処方の自粛及び分割調剤の考慮 に係る要請を7 月 31 日で終了するとの連絡があった32 7 月 22 日 入院時食事療養費及び入院時生活療養費の標準負担額の免除期間は 8 月末ま でとされていたが、「平成23 年 9 月以降も当面、支払いを免除すること」にな った33

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2011 年 8 月 中医協委員の被災地視察を経て、診療報酬上の特例措置にむけての検討が具体 化した。なお、被災地からは加算の要望もあったが、患者負担増になること等 から見送られた。 8 月 1∼3 日 中医協委員による被災地視察が実現した。視察後、中医協森田朗会長は「被災 地を見る前と実際に見た後では、考え方がかなり変わった。今はまだ心を動か されている状態だ。今回学んだことを咀嚼して、少し冷静になってから中医協 の議論に臨みたい」34と述べられた。 8 月 24 日 中医協総会で、被災地訪問・意見交換会の報告が行なわれた。被災地からは、 診療報酬に関して、特例加算の導入を希望する声があったことが紹介された35 そして、森田朗会長と事務局が協議した結果、以下2 点が提案された。 ・算定要件の緩和については、中医協における議論、関係者との調整を踏ま え、可能なものについて速やかに実施する ・被災地における特例加算については、補助金や補償との役割分担を踏まえ て、財源も含めて改定時までに検討する 特例加算の新設については、患者さんや被災地の保険者の負担増につながるこ となどから、補助金等で手当てすべきという意見が出され、1 号側、2 号側とも に意見に違いはなく、2 つの提案は了承された。しかし、総会に出席した大塚耕 平厚生労働副大臣(当時)は、「特例加算をすると、患者さんの負担が増えるか らという、そのロジックだけでこの議論にふたをしないでいただきたい」との 発言があった36 中医協総会で、「医療経済実態調査の調査票誤送付等の責任検証に関するワー

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キンググループ報告書」が報告され、今般事案の発生原因は明らかであり、受 託者及び委託者の双方において再発防止及び改善方策を講じ、着実に実施して いくことが必要であると総括された37 8 月 24 日 日本医師会は、定例記者会見において、被災地の医療復興のための特例措置の 継続に鋭意取り組んでいくことをあらためて表明した。また、中医協委員の被 災地視察で特区の要望があったことについて、日本医師会は、被災地の医療再 生の緊急性、重大性を鑑みれば当然の要望であるとしつつも、政府が復興特区 と民間資本の導入を抱き合わせで進めようとしていることに対し、懸念を表明 した38 また、大塚耕平厚生労働副大臣(当時)が中医協総会で、特例加算について議 論をしてほしいと発言したことに関して、日本医師会・中川副会長は「被災地 の医療の復興は、診療報酬上の加算ではなく、地方の負担なしの補助金で急ぎ 行なうべきである。復興が遅々として進まない被災地の声を速やかに集約し、 第3 次補正予算で大胆に速やかに復興財源を投入すべきである」と述べた39

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2011 年 9 月 中医協委員の被災地視察において、被災地の医療機関からとくに要望があ った診療報酬上の要件緩和が実現した。 9 月 6 日 厚生労働省は被災地の医療機関等に対する診療報酬上の緩和措置を決定、全国 に連絡するとともに、翌9 月 7 日の中医協総会で説明した40

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2011 年 9 月 6 日 厚生労働省 被災地の医療機関等に対する診療報酬上の緩和措置(概要) 1.入院診療関連 (1)看護職員の不足に対する措置 通常時 緩和措置 月平均入院患者数 直近1年間の平均値 直近1年間の平均値又は 震災後、患者数が減少し た後の平均値 必要な看護職員数など 1割以内かつ1月以内の 変動は可能 2割以内の変動は可能 看護職員の月平均夜勤時 間数 1割以内かつ3月以内の 変動は可能 2割以内の変動は可能 (2)退院の受け皿となる後方病床の不足に対する措置 通常時 緩和措置 月平均在院日数 1割以内かつ3月以内の 変動は可能 2割以内の変動は可能 (3)保険医療機関の全壊等に伴う入院機能の移転に対する措置 従来の入院患者等を移動させ、他の医療機関を利用して入院診療を行う場合、 外来を開いていない場合であっても、保険医療機関として認める。 2.外来診療関連 患者の住居の周囲にあった保険医療機関が全て機能していない場合や、最寄り の医療機関までの交通手段の無い仮設住宅に入居した場合には、14 日処方制限 を緩和。

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3.在宅医療関連

① 在宅訪問診療料における算定回数の緩和措置

② 在宅患者訪問看護・指導料、訪問看護基本療養費の算定回数の緩和措置 ③ 在宅医療のみを行う保険医療機関の指定

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2011 年 10 月 診療報酬改定率の決定を2 か月以内に控え、日本医師会は、被災地等の 人員や施設に関する基準を緩和すること、次回改定で施設基準等を要件と する新たな診療報酬項目を創設しないことを各方面に要請した。 10 月 12 日 日本医師会は、定例記者会見で「不合理な診療報酬項目の見直しにむけての基 本方針」を発表し、被災地では、患者、医療従事者が大きく移動しており、人 員配置基準を満たせなくなっている医療機関が少なくないので、今回改定では、 人員や施設に関する基準の緩和を実施し、施設基準等を要件とする新たな診療 報酬項目は創設しないように要望した41 また、日本医師会は、政界各方面に対しても強力な働きかけを行なった。

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2011 年 11 月 11 月 15 日 東日本大震災の影響により、やむを得ず入院が長期化し、入院期間が 180 日 を超える患者については、選定療養の適用除外とし、入院基本料等の減額を行 なわないことになった42 2011 年 12 月 12 月 16 日 宮城県医師会から、日本医師会に対し、保険診療に係る一部負担金の免除期間 の延長について要望があった43 12 月 27 日 福島県医師会から、保険診療に係る一部負担金の免除期間の延長について要望 があった44 2012 年 1 月 一部負担金の免除が2012 年 9 月末まで延長された。 1 月 31 日 東京電力福島原発事故による警戒区域等のすべての住民は2013 年 2 月 28 日 まで、東日本大震災による被災区域の住民で、国民健康保険、後期高齢者医療 制度及び全国健康保険協会の被保険者は2012 年 9 月 30 日まで医療機関等での 一部負担金は免除となった45。また、国民健康保険、後期高齢者医療制度及び全 国健康保険協会の被保険者の免除証明書は、2012 年 3 月以降も引き続き使用可 能となった。

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2012 年 2 月 被災地における診療報酬上の特例措置が、2012 年 9 月末まで延長されること が決定した。 2 月 10 日 中医協総会で、次回診療報酬改定で、被災地における診療報酬の特例措置が 2012 年 9 月 30 日まで延長されることになった。保険医療機関からは、毎年、7 月1 日時点の施設基準の状況の報告が行なわれている。中医協では、2012 年 7 月 1 日時点の報告と併せて、全国の保険医療機関に対して一連の特例措置のこ れまでの利用状況を含めて調査を行ない、利用状況を把握した上で、その後の 措置のあり方を検討する予定になっている46

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2012 年 3 月 診療報酬改定の下、厚生労働省から被災地における診療報酬の特例措置延期 が通知されることになった47 2012 年 3 月 23 日 厚生労働省 被災地における診療報酬の特例措置延期(概要) (1)月平均夜勤時間 被災者を受け入れたことにより入院患者が一時的に急増等したため、入院 基本料の施設基準のうち月平均夜勤時間(72 時間以下)について 2 割以内 の変動なら、当面変更の届出は不要。 (2)看護配置 被災者を受け入れたことにより入院患者が一時的に急増等したため、1 日 当たり勤務する看護師・准看護師・看護補助者(以下「看護要員」)の数、 看護要員の数と入院患者の比率、看護師・准看護師の数に対する看護師の比 率について、2 割以内の変動なら、当面、変更の届出は不要。 (3)平均在院日数 被災地の医療機関において、平均在院日数が入院基本料等の施設基準を満 たさなくなった場合にも、2 割以内の変動の場合は届出は不要で、特例的に 従来の入院基本料等を算定できる。 (4)外来機能の閉鎖 入院医療や在宅医療を行う保険医療機関において、外来機能を閉鎖しても よい。

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(5)在宅患者訪問診療料等 在宅患者訪問診療料や在宅患者訪問看護・指導料、訪問看護療養費につい て週3 日を超えて算定できる。 (6)180 日超入院 住居の損壊、その他の東日本大震災に起因するやむを得ない事情により保 険医療機関からの退院に著しい困難を伴う患者は、入院期間が180 日を超え た場合も、入院基本料の減額を行わない。

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2. 医療機関の災害復旧に係る補助金等

2.1.

地域医療再生臨時特例交付金(地域医療再生基金)

地域医療再生基金は、そもそも、地域における医師確保や救急医療の確保など、 地域の医療課題の解決を図ることを目的として、2009 年度補正予算で創設され た基金であり、都道府県に対し「地域医療再生臨時特例交付金」として交付さ れることになっていた。 当初、都道府県は、2011 年 5 月 16 日までに厚生労働省に地域医療再生計画(案) を提出し、地域医療再生臨時特例交付金の交付を申請する予定であった48 2011 年 3 月 11 日、東日本大震災が発災した。厚生労働省は、岩手県、宮城 県及び福島県の地域医療再生計画の提出期限を11 月 16 日を目途に延長するこ ととし、金額についてもそれぞれ上限(120 億円)まで確保したことを、4 月 15 日に通知した49 2010 年度補正予算による地域医療再生臨時特例交付金 (地域医療再生基金)50 事業概要 ○対象地域 都道府県単位(三次医療圏)※一次・二次医療圏を含む広域医療圏 ○対象事業 地域の実情に応じて自由に事業を決定 ○計画期間 平成 25 年度までの 4 年間 ○予算総額 2,100 億円(15 億円×52 地域、加算額 1,320 億円)(上限120 億円) ○計画の評価・助言は、厚生労働省に設置する有識者による会議で実施

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2011 年 4 月 28 日、厚生労働省は、岩手県、宮城県、福島県への基礎額 15 億 円について、当初12 月中旬を目途に交付予定であったが、前倒しで交付するこ とも可能である旨を通知した51 日本医師会では、地域医療再生基金について、被災 3 県医師会、都道府県医 師会に対して情報提供を行なった。その際、各都道府県医師会に対し、地域医 療再生計画(案)の作成への関与、各都道府県行政との折衝・調整等の適切な 対応をお願いした52 地域医療再生計画は、地域の実情に応じて事業を決定して良いということであ ったが、対象地域が都道府県単位(三次医療圏単位)とされていたため、被災 地からは、硬直的で個々の医療機関の災害復旧の支援にならないとの声が上が った。 そこで、日本医師会は、2011 年 5 月 11 日に、地域医療再生基金の活用につ いて具体例をあげて示し、柔軟な活用を訴えた。このことは、後に、2011 年度 第 3 次補正予算による地域医療再生基金に活かされ、厚生労働省から、弾力的 な運用が行なえるよう配慮したいという発言を引き出した。

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2011 年 5 月 11 日 社団法人 日本医師会 定例記者会見 「東日本大震災からの地域医療再生に向けての日本医師会の要望―地域医療 再生基金の活用について―」 今回の東日本大震災による被災地の医療の再生、復興支援のためには、大規模 な予算措置が求められる。日本医師会は、その一環として、地域医療再生基金 の活用の見直しと、新たな基金の創設を要望する。 1.地域医療再生基金の柔軟な活用 (1)被災地の県に対しては、交付上限額を超えて十分な財源を投入すること。 (2)被災地の県においては、対象地域の医療圏に限定せず、また事業内容が 限定されることなく、柔軟に個別の医療機関に対する復興支援に活用でき るようにすること。 2.被災地の医療の復興と全国の医療機関の防災対策のための基金の創設 (1)地域医療の確実な再生を図るため、相当の予算規模を確保し、かつ中長 期的な期間にわたり活用できるようにすること。 (2)被災地以外の都道府県においても、防災対策のために活用できるように すること。 (参考)地域医療再生基金の活用例 −被災地の要望を踏まえた日本医師会の提案 ● 被災地において医療従事者を確保するための費用(生活支援を含む) ● 被災地に派遣する医師確保のための費用 ● 被災地の医療機関に勤務する従事者に対する特別手当、住宅整備や住宅 手当 ● 被災地の医療機関から臨時診療所等へ出務する際の手当および自院の休

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業補償 ● 医療機関の建物の再建・修繕、医療機器・器具および医薬品・医療材料 の再取得にかかる費用(廃棄費用を含む) ● 被災地や避難による人口急増地域、新たに建設されるコミュニティに医 師会等が開設・運営する(仮設)診療所・病院の費用 ● 被災地等の医療連携のための情報システム整備費用 ● 被災地の患者受入れ、被災医療機関の後方支援のため、一時的に機能を 拡充、転換する医療機関の整備費用(被災地においては地域医療計画に こだわらず、当面の間、柔軟な体制をとることができるようにする) ● 診療再開が困難な医療機関の医師の再就職支援(医師バンク等) ● その他

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2011 年 11 月 21 日、2011 年度第 3 次補正予算が成立し、被災地に地域医療 再生臨時特例交付金を上乗せして交付されることになった53 この頃、復興特区の議論が俎上に上がるなどしており、その中で、地域医療再 生基金も、個々の被災医療機関に対してではなく、全県的な事業に活用すべき だとの意見が出てくるなどした。 そこで、日本医師会は早急に被災地の医療を建て直すべく、より柔軟な活用を すべきだとして、厚生労働省に働きかけを行なった。そうした中で、厚生労働 省から11 月 30 日に、岩手県、宮城県、福島県に対し、「国としては、(略)で きる限り弾力的な運用が行なえるよう配慮したいと考えている。地域医療再生 基金の運用等に当たっての疑義等が生じた場合には、随時、相談していただき たい」との通知が発出された54 2011 年度第 3 次補正予算による地域医療再生臨時特例交付金 (地域医療再生基金) ○対象地域 岩手県(釜石、久慈、気仙、宮古)、宮城県(石巻、気仙沼、仙台)、 福島県(いわき、相双) ○復興計画 平成 27 年度(2015 年度)末までの 5 年間以内。 対象地域の医療の復興を目的とした計画であり、急性期から慢性期 に至るまでの医療機関の機能分化と医療機能の集約・連携等を推進 し、その強化・効率化を図ることにより、地域全体の医療提供体制 の再構築を目指す。 ○予算総額 岩手県、宮城県には、各県が策定した医療の復興計画(案)の内容 を踏まえて交付基準額を決定し、交付決定。福島県には、福島第一 原子力発電所の事故を踏まえた福島再生・復興のための独自の基金 造成活用のため150 億円を交付基準額とする。

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2010 年度補正予算による地域医療再生臨時特例交付金(被災 3 県それぞれ 120 億円) 被災3 県に対する基礎額それぞれ 15 億円は、2011 年 8 月 18 日に宮城県、10 月6 日に岩手県及び福島県に交付が決定した。 ○ 岩手県 2011 年 4∼5 月に医療機関の被災状況の調査を実施し、調査結果から要望を 取りまとめ、プレハブ建設による仮設診療所あるいは賃貸による仮設診療所に ついて、建物や医療機器などを県の所有として、無償で被災医療機関に貸し出 す手法を取った。配分額は、県と県医師会が各医療機関の整備状況を元に決定 し、12 月中に支払いを終了した。 ○ 宮城県 県保健福祉部長、県医師会長連名ですべての医療機関に通知し、2011 年 9 月 末まで要望を受け付けた。その後、県医師会で配分額を決定し、10 月中に被災 医療機関に対する振込みを開始した。 ○ 福島県 補助要綱策定後、2011 年 12 月初旬に医療機関に通知した。補助の対象とな る医療機関は、主に国の補助対象外の政策医療を行なっていない民間の医療機 関である。基礎額15 億円の配分額は、県が「医療施設災害復旧事業」として医 療機関の申請に基づき決定した。事業終了後、各医療機関からの報告を受けて 随時振込みを行なった。 残りの105 億円のうち、50 億円程度までは、簡便な事業内容を交付申請書に 記載することにより、申請を行なうことが可能とされた55 岩手県では、105 億円の申請につき 2012 年 2 月 24 日に交付が決定し、3 月 13 日に振込まれた。宮城県からは、まず 10 億円の申請があり、2011 年 12 月 12 日に交付が決定し、翌 2012 年 1 月 5 日に振り込まれた。残り 95 億円は 3

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月7 日に交付が決定し、同月 27 日に振込まれた。福島県では、2012 年 2 月 21 日に交付が決定、3 月 13 日に振込みが行なわれた(表 2.1)。 2011 年度第 3 次補正予算による地域医療再生臨時特例交付金(被災 3 県合計 720 億円) 被災3 県に対する当該交付金は、2012 年 2 月 24 日までに申請を受け付け、3 県とも3 月末までに振込みが行なわれる予定である56 表 2.1 2010 年度・2011 年度補正予算による地域医療再生臨時特例交付金の交付状況 交付申請額 交付申請 交付決定 県への振込日 岩手県 15億円 9月30日 10月6日 11月1日 105億円 2月10日 2月24日 3月13日 宮城県 15億円 8月11日 8月18日 9月2日 10億円 11月28日 12月12日 1月5日 95億円 2月24日 3月7日 3月27日 福島県 15億円 9月29日 10月6日 11月1日 105億円 1月31日 2月21日 3月13日 *出所:厚生労働省医政局指導課作成資料(日本医師会入手)、県医師会の情報 交付申請額 交付申請 交付決定 県への振込日 岩手県 176億円 2月24日 3月13日 3月29日予定 宮城県 394億円 2月24日 3月7日 3月27日 福島県 150億円 2月24日 3月7日 3月30日予定 合計 720億円 *出所:各県医師会からの情報による 2010年度補正予算による地域医療再生臨時特例交付金の交付状況 2011年度第3次補正予算による地域医療再生臨時特例交付金の交付状況

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2.2.

医療施設等災害復旧費補助金

2011 年 5 月 2 日、2011 年度第 1 次補正予算が成立し、東日本大震災のための 財政援助等を行なう特別法が成立した。そして、被災施設の災害復旧に要する 費用に対する「医療施設等災害復旧費補助金」の国庫補助率が引き上げられ た(表 2.2)57 表 2.2 「医療施設等災害復旧費補助金」の国庫補助率 従来 改正58 公的医療機関 1/2 2/3 その他政令で定める医療機関 1/3 1/2 「その他政令で定める医療機関」は、へき地診療所、政策医療実施機関(公的 医療機関を除く救命救急センター、病院群輪番制病院及び共同利用型病院、在 宅当番医制診療所、休日夜間急患センター、災害拠点病院、へき地医療拠点病 院、周産期母子医療センター、小児救急医療拠点病院など)とされた59 対象経費は、診療室(棟)、病棟、処置室等の建物および建物と一体として復 旧を行なう必要のある医療用設備である。 補助金を受けようとする医療機関は、おおむね 6 月末までに都道府県に「医 療施設等災害復旧費協議書」を提出し、実地調査を行なった後、交付申請額が 決定され、交付申請書を提出する流れである。なお、国の現地調査を待たず、 復旧に着手することも一定の条件の下で認められていた。 交付要綱により、国は、申請書が到達してから 2 か月以内に交付決定するこ とが定められているが、振込みが開始されるまでにはさらに時間がかかり、実 際に振込み(第1 回)が開始されたのは 11 月 15 日からであった。 交付決定額は、2012 年 3 月 5 日現在の累計で、岩手県 4.5 億円、宮城県 17.5 億円、福島県19.9 億円である(図 2.1、表 2.3)。

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図 2.1 医療施設等災害復旧費補助金(第 1∼19 次) 医療施設等災害復旧費補助金(第1∼19次) 1.4 445.8 1,754.7 1,992.4 1,482.3 111.9 55.8 5.7 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 青森県 岩手県 宮城県 福島県 茨城県 栃木県 千葉県 新潟県 (百万円) *出所:厚生労働省「平成23年度医療施設等災害復旧費補助金の交付額の内示について」 表 2.3 医療施設等災害復旧費補助金(第 1∼19 次) (百万円) 青森県 岩手県 宮城県 福島県 茨城県 栃木県 千葉県 新潟県 第1次 2011年8月18日 0 7.9 63.5 31.4 0 0 0 0 第2次 9月14日 0 41.1 0 0 0 0 0 0 第3次 9月27日 0 0 45.2 0 59.7 0 0 0 第4次 10月6日 0 0 0 127.1 862.2 0 0 0 第5次 10月17日 1.0 14.5 27.5 5.2 0 0 0 0 第6次 10月27日 0 49.3 23.3 7.7 0 0 0 0 第7次 11月1日 0 0 216.5 10.4 0 0 0 0 第8次 11月15日 0 46.1 40.4 30.4 185.1 36.8 0 0 第9次 11月21日 0 70.3 76.3 22.6 168.9 57.1 0 0 第10次 12月5日 0 51.7 287.7 10.7 71.9 18.0 0 5.7 第11次 12月12日 0 68.4 218.5 44.9 61.5 0 29.5 0 第12次 12月26日 0 0 188.5 1,153.1 0 0 0 0 第13次 2012年1月10日 0 0 257.5 229.1 38.9 0 26.3 0 第14次 1月18日 0 0 143.9 27.4 0 0 0 0 第15次 1月26日 0 0 0 62.5 17.7 0 0 0 第16次 2月10日 0.4 20.8 13.6 71.6 8.5 0 0 0 第17次 2月22日 0 46.6 112.6 89.8 7.8 0 0 0 第18次 2月28日 0 26.6 39.6 0 0 0 0 0 第19次 3月5日 0 2.5 0 68.2 0 0 0 0 合計 1.4 445.8 1,754.7 1,992.4 1,482.3 111.9 55.8 5.7 *出所:厚生労働省「平成23年度医療施設等災害復旧費補助金の交付額の内示について」 医療施設等災害復旧費補助金(第1∼19次)の交付決定日および金額

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2.3.

医療施設近代化施設整備事業

医療施設近代化施設整備事業は、1992 年の医療法改正(1993 年施行)を背景 に、医療資源の効率的な再編及び地域医療の確保に配慮しつつ、病院における 患者の療養環境、医療従事者の職場環境、衛生環境等の改善及びへき地や都市 部の診療所の円滑な承継のための整備を促進し、もって医療施設の経営の確保 を図ることを目的として、1993 年に定められた事業である。 交付対象は、日本赤十字社、全国厚生農業協同組合連合会、社会福祉法人、健 康保険組合及びその連合会、その他厚生労働大臣が適当と認める者(地方公共 団体及び地方独立行政法人を除く)が開設する医療施設である60。厚生労働省が 定める施設の中には、一定の条件はあるが61、民間病院、民間診療所も含まれる 62。例えば、2 次救急(病院群輪番制及び共同利用型施設)に参加している民間 の医療施設である。 従来の補助内容は建替のみであったが、2011 年 5 月 2 日に成立した第 1 次補 正予算により、被災した病院(国公立病院以外)が患者の療養環境の改善等の ための施設整備を行なう場合に要する経費の約 3 分の 1 が補助されることにな った63。医療施設等災害復旧費補助金とは異なり、実際に補助を受けたのは病院 のみであった。 被災医療機関は、おおむね7 月中旬ごろまでに、都道府県に申請し、翌 2012 年1 月 13 日に交付が決定し、同日、宮城県 13.9 百万円、茨城県 29.5 百万円が 振り込まれた(他の被災県からは申請がなかった)。

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3. 福祉医療機構の融資条件の見直し

独立行政法人福祉医療機構(以下、福祉医療機構)は、東日本大震災で被 災した民間診療所、民間病院を対象として、災害復旧資金の貸付を行なった。 2011 年 3 月 15 日 福祉医療機構から「平成 23 年東北地方太平洋沖地震災害に伴う災害復旧 貸付の実施及び被害を受けた医療施設の皆さまへの運転資金に係る特別措 置」として、被災した医療機関における災害復旧貸付の利率の引き下げや、 既往貸付に係る返済猶予の実施が行なわれた。 具体的には、病院・診療所の長期運転資金の通常の貸付利率は1.3%だが、 特別措置として、貸付金額 1,000 万円までの利率は 0.4%とされた。また、 既往貸付については、当面6 か月の返済猶予(元利金)の措置などが講じら れた。 2011 年 3 月 16 日 日本医師会は、細川律夫厚生労働大臣(当時)宛に「平成 23 年東北地方 太平洋沖地震に関わる要望」として、福祉医療機構の災害復旧資金(医療貸 付)の拡充(増改築資金の融資率は100%(実額)とする、貸付期間を最長 30 年とする、など)を求めた文書を出した。これらの要望は、2011 年 5 月 2 日の第 1 次補正予算において、部分的(融資率 100%等)に反映された。 2011 年 4 月 1 日 3 月 15 日に実施された「平成 23 年東北地方太平洋沖地震災害に伴う災害 復旧貸付の実施及び被害を受けた医療施設の皆さまへの運転資金に係る特 別措置」の改定が行なわれ、医療貸付については、これまでは診療所だけで あった機械購入(医療機器・備品などの購入)に対する貸付が病院にも実施 された。

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2011 年 5 月 2 日 第1 次補正予算が成立し、福祉医療機構への出資が行なわれた(表 3.1)。 これにより、日本医師会が要望していた、融資率の引き上げ、貸付利子の 軽減、融資限度額の引上げ、償還期間の延長等が行なわれた。 具体的には、融資率が100%(通常 70∼80%)に引き上げられたり、機械 購入資金の償還期間が最長8 年(通常 5 年)に延長されたりするなどの措置 が講じられた。 2011 年 6 月 9 日 日本医師会より、厚生労働大臣、民主党(与党)に対し、「平成23 年東日 本大震災における二重債務問題に関わる要望」を提出し、1 次補正で手当て されなかった二重債務問題に絞って、旧債務が全額免除されるよう必要な措 置を講ずることを要望した。 2011 年 6 月 29 日 日本医師会より厚生労働大臣、民主党(与党)に対し、「東日本大震災にお ける二重債務問題に関わる要望」を提出し、現行の無担保貸付上限額1 千万 円を、診療所3 千万円、病院 1 億円に引き上げること、旧債務を福祉医療機 構の災害復旧資金に借り換え可能となる措置を講じることを要望した。 2011 年 7 月 25 日 第2 次補正予算の成立にともない、医療貸付等について、二重債務問題へ の対処のため、償還期間の延長等の優遇措置が実施された。病院の建築資金 の償還期間を最長39 年(通常は最長 30 年)にしたり、機械購入資金の償還 期間を最長15 年(通常は 5 年)にしたりするなどの措置が講じられた。 2011 年 11 月 21 日 第3 次補正予算が成立し、今後の災害への備えを図るべく、国の政策と連 動した災害対策のための補助金が交付される事業に対して優遇融資が実施 された。厚生労働省の医療施設耐震化臨時特例交付金が交付される病院の耐

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震化整備事業、医療施設等施設整備費補助金が交付される災害拠点病院等の 自家発電設備整備事業および衛星電話等の災害対策機器の整備事業につい ては、貸付利率を優遇する措置がとられた。 なお、2011 年 6 月より、福祉医療機構では、日本医師会からの要請により、 災害復旧資金を利用する方の利便を図ることを目的として、被災県医師会と 福祉医療機構の共催による被災地での個別融資相談会を開催している。

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表 3.1 国の補正予算における福祉医療機構への出資 2011 年度 国の補正予算における福祉医療機構への出資 第1 次補正予算(2011 年 5 月 2 日成立) ・融資条件の優遇100 億円、貸付事業枠確保 1,700 億円(財政融資資金) 被災した医療施設、薬局、社会福祉施設等の復旧の支援として、福祉医 療機構が福祉貸付や医療貸付の貸付利率を一定期間無利子とし、融資率を 100%とする等の優遇を行なうために、必要な利子補給等の資金(100 億 円)を出資した。 第2 次補正予算(2011 年 7 月 25 日成立) ・二重ローン問題対応 40 億円 二重債務問題への対処が行なわれた。被災した医療施設・社会福祉施設 等の再建を支援するため、福祉医療機構が行なう医療・福祉貸付について、 40 億円を追加出資し、同機構の財務基盤が強化された。 第3 次補正予算(2011 年 11 月 21 日成立) ・2 億円 福祉医療機構の災害拠点病院等に対する貸付利率等の優遇の実施に必 要な利子補給等の資金を追加出資するもの。東日本大震災復旧等に係る経 費という名目であるが、被災地以外の災害拠点病院等も優遇される。

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表 3.2 第 1 次・第 2 次補正予算による建築資金の貸付条件 第1次補正予算における措置(2011年5月2日) 建築 耐火 購入 その他 敷金・補助金 権利金 7.2億円まで 7.2億円超 ※当初5年間の貸付利率は貸付金額により異なる 第2次補正予算における措置(2011年7月25日) その他 敷金・補助金 権利金 20年以内償還 15年以内償還 7.2億円まで 無利子 無利子 無利子 無利子 7.2億円超 0.9% 0.6% 0.9% 0.6% 0.9% 0.6% 0.9% 0.6% 1.8% 1.5% 1.8% 1.5% ※当初5年間の貸付利率は貸付金額により異なる ◆二重債務となる方への特別優遇措置 耐火 *出所:福祉医療機構「東日本大震災にかかる災害復旧資金のごあんない」 病院 診療所 所要額の100% 所要額:仮設建物や既設建物の改修費用を含む 償 還 期 間 補助金額を除く所用額の100%(担保評価額)を上限 15年以内(5年以内) 5年以内(2年6か月) 賃借 貸付限度額 30年以内(据置5年以内) 20年以内(据置5年以内) 20年以内(据置5年以内) 15年以内(据置5年以内) 不動産担保(個人に対する貸付に限り、無担保1,000万円まで) 1名以上(個人に対する貸付に限り、利率に+0.2%で不要) 担 保 保証人 建築 購入 20年以内(据置5年以内) 病院 診療所 貸付限度額 所要額の100% 所要額:仮設建物や既設建物の改修費用、解体撤去費を含む 補助金を除く金額。担保評価額までの貸付 8年目以降 貸 付 利 率 6・7年目 貸 付 利 率 契約から 5年 6・7年目 8年目以降 償 還 期 間 賃借 耐火 担 保 不動産担保(個人に対する貸付に限り、無担保1,000万円まで) 保証人 1名以上(個人に対する貸付に限り、利率に+0.2%で不要) 30年以内償還 契約から 5年 20年以内償還 20年以内(据置5年以内) 15年以内償還 30年以内(据置5年以内) 15年以内(据置5年以内) 15年以内(据置5年以内) 15年以内(5年以内) 5年以内(2年6か月) 0.7% 0.7% 1.6% 無利子 1.0% 1.0% 1.9% 無利子 病院 診療所 償還(据置)期間 39年以内(5年以内) 30年以内(5年以内)

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表 3.3 第 1 次・第 2 次補正予算による機械購入資金の貸付条件 第1次補正予算における措置(2011年5月2日) ① 医療機器・備品(1品30万円以上) ② 高額医療機器(1品5千万円以上) 7.2億円まで 7.2億円超 第2次補正予算における措置(2011年7月25日) ① 医療機器・備品(1品30万円以上) ② 高額医療機器(1品5千万円以上) 7.2億円まで 7.2億円超 ◆二重債務となる方への特別優遇措置 *出所:福祉医療機構「東日本大震災にかかる災害復旧資金のごあんない」 償還期間 対象機械 8年以内(据置2年6か月以内) (据置2年6か月以内) 貸付限度額、担保評価額のうちもっとも低いものが貸付限度額 貸 付 限度額 病院 診療所 補助金を除く所要額の100% 高額医療機器のうち先進医療に 医療機器・備品(1品10万円以上) 5千万円 8年以内(据置2年6か月以内) ① 2億円 ② 14.4億円 15年以内(5年以内) 15年以内(5年以内) 償還(据置)期間 無利子 0.3% 0.3% 0.4% 契約から 5年 6・7年目 対象機械 貸 付 利 率 不動産担保(個人に対する貸付に限り、無担保1,000万円まで) 1名以上(個人に対する貸付に限り、利率に+0.2%で不要) 担 保 保証人 0.3% 0.4% 8年目以降 貸 付 限度額 所要額の100% 0.3% 病院 診療所 償還期間 8年以内(据置2年6か月以内) 8年以内(据置2年6か月以内) 無利子 0.3% 0.3% 8年目以降 0.4% 0.4% 担 保 不動産担保(個人に対する貸付に限り、無担保1,000万円まで) 保証人 1名以上(個人に対する貸付に限り、利率に+0.2%で不要) 貸 付 利 率 契約から 5年 無利子 0.3% 6・7年目 担保評価額までの貸付。 所要額の100% 担保評価額までの貸付。 係る機械は償還期間13年以内 補助金を除く金額。 補助金を除く金額。 病院 診療所 無利子 医療機器・備品(1品10万円以上)

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表 3.4 第 1 次・第 2 次補正予算による長期運転資金の貸付条件 第1次補正予算における措置(2011年5月2日) 7.2億円まで 7.2億円超 ※当初5年間の貸付利率は貸付金額により異なる 第2次補正予算における措置(2011年7月25日) 7.2億円まで 7.2億円超 ※当初5年間の貸付利率は貸付金額により異なる *出所:福祉医療機構「東日本大震災にかかる災害復旧資金のごあんない」 0.3% 0.4% 15年以内償還 無利子 0.7% 0.7% 補助金を除く所要額の100% 貸付限度額、担保評価額のうちもっとも低いものが貸付限度額 不動産担保(個人に対する貸付に限り、無担保3,000万円まで) 1名以上(個人に対する貸付に限り、利率に+0.2%で不要) ①10年超15年以内(据置5年以内) ②10年以内(据置2年6か月以内) 0.8% 10年以内償還 無利子 0.3% 0.3% 0.4% 不動産担保(個人に対する貸付に限り、無担保1,000万円まで) 1名以上(個人に対する貸付に限り、利率に+0.2%で不要) 償還期間 原則として、災害の復旧のために必要なもの (人件費や光熱費等に必要な資金) 診療報酬の3か月分 補助金を除く所要額の100% 貸付限度額、担保評価額のうちもっとも低いものが貸付限度額 10年以内(据置2年6か月以内) 無利子 0.3% (人件費や光熱費等に必要な資金) 担 保 保証人 病院・診療所共通 契約から 5年 6・7年目 8年目以降 貸 付 利 率 対象 貸付限度額 原則として、災害の復旧のために必要なもの 診療報酬及び介護報酬の3か月分 8年目以降 担 保 保証人 病院・診療所共通 償還期間 対象 貸付限度額 貸 付 利 率 契約から 5年 6・7年目

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表 3.5 第 3 次補正予算による優遇融資の概要 病院の耐震化整備に対する優遇措置 その他 20年償還 30年償還 当初5年間 0.9% 1.2% 6年目以降 1.4% 1.7% 災害拠点病院等の自家発電設備整備に対する融資 耐火 その他 当初5年間 6年目以降 災害派遣医療チーム(DMAT)が用いる衛星電話等の災害対策機器を整備する事業 に対する優遇融資 *出所:福祉医療機構「平成23年度第3次補正予算の概要」 担 保 不動産担保 保証人 法人代表者1名以上(利率に+0.2%で不要) 償還期間 貸付対象 医療施設等施設整備費補助金が交付される 災害拠点病院等の自家発電整備事業 貸付対象 医療施設等設備整備費補助金が交付される衛星電話等の の整備事業 0.9% 1.4% 貸付金額 所要額の95% 補助金額を除く。担保評価額を上限。 償還 期間 20年以内(据置2年以内) 15年以内(据置2年以内) 貸付対象 医療施設耐震化臨時特例交付金が交付される 病院の耐震化整備事業 担 保 不動産担保 貸付金額 所要額の95% 補助金額を除く。担保評価額を上限。 貸付利率 5年以内(据置6月以内) 貸付金額 30年以内(据置3年以内) 20年以内(据置2年以内) 所要額の95% 補助金額を除く。担保評価額を上限。 償 還 期 間 耐火 20年以内(据置2年以内) 災害対策機器等(1品あたり30万円以上の機器を対象) 保証人 法人代表者1名以上(利率に+0.2%で不要) 貸 付 利 率 0.6% 貸付 利率 担 保 不動産担保 保証人 法人代表者1名以上(利率に+0.2%で不要)

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福祉医療機構による医療貸付事業の災害復旧資金の融資実績は、2012 年 1 月末時点で、施設数334、融資件数 443 件、融資金額 125 億円である(図 3.1)。 図 3.1 福祉医療機構による医療貸付の災害復旧資金実績 施設数の内訳(2012年1月末時点) 31 83 193 20 7 0 50 100 150 200 病 院 一般診療所 歯科診療所 介護老人 保健施設 その他 (施設) *出所:独立行政法人福祉医療機構の調査による 資金種類別の件数(2012年1月末時点) 62 69 312 0 50 100 150 200 250 300 350 建築資金 機械購入資金 長期運転資金 (件) *出所:独立行政法人福祉医療機構の調査による 資金種類別の金額(2012年1月末時点) 2,420 879 9,246 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 建築資金 機械購入資金 長期運転資金 (百万円) *出所:独立行政法人福祉医療機構の調査による

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4. 雇用調整助成金

雇用調整助成金は、もともと一時的休業、教育訓練又は出向をさせた場合の措 置であったが、今回、東日本大震災に伴う特例措置が実施された。 2011 年 3 月 17 日 震災被害に伴う経済上の理由により雇用調整助成金を利用する事業のう ち、当面、特に被害の大きかった青森、岩手、宮城、福島、茨城の 5 県の 災害救助法適用地域に所在する事業所の事業主について、支給要件の緩和 が実施された64。たとえば、 ・事業活動縮小の確認期間を1 か月に短縮すること(通常は 3 か月、2012 年3 月 10 日までの措置) ・生産量等が減少見込みの場合でも申請を可能にすること(通常は 5% 以上、2011 年 6 月 16 日までの措置) ・計画届けの事後提出を可能にすること(通常は事前提出、2011 年 6 月 16 日までの措置) などである。 あわせて、雇用調整助成金の活用事例について事業主に周知された。 また、各種助成金について、災害時における支給申請期限に係る取扱 い(支給申請が可能になった後、一定期間内に支給申請等を行えば期限ま でに支給申請等があったものとして取り扱う)について通知された。 2011 年 4 月 5 日 東日本大震災等の発生に伴う雇用調整助成金の特例(事業活動縮小の確 認期間の短縮、生産量等が減少見込みでの申請、計画届の事後提出)の対 象が拡充された65 ① 従来の 5 県に加え、栃木県、千葉県、新潟県、長野県のうち災害救助法 の適用を受けた地域に所在する事業所の事業主 ② ①の地域に所在する事業所等と一定規模以上の経済的関係を有する事 業所の事業主

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③ 計画停電により事業活動が縮小した事業所の事業主についても特例を 適用(②、③については計画届の事後提出の特例を除く) 2011 年 5 月 2 日 支給限度日数の特例を設け、特例の支給対象期間については、それまでの 支給日数にかかわらず、最大300 日の利用を可能とすることになった66 2011 年 6 月 16 日 日本医師会から民主党(与党)へ要望書を提出した。 雇用調整助成金に係る日本医師会の要望 ① 雇用調整助成金の要件である、「休業等」について、休業をしなくとも 一定の要件を満たせば受給できる措置を講ずること。 ② 計画届の事後提出の期間の延長措置を講ずること。(現行:6 月 16 日) ③ 雇用調整助成金の上限額を引き上げること。 2012 年 3 月 15 日 特例の別枠での300 日設置における適用期限が 2012 年 5 月 1 日とされた67 ① 特例の支給対象期間(1 年間)においては、これまでの支給日数にかかわ らず、別枠で最大300 日の受給を可能とする。 ② 通常は対象にならない被保険者期間が 6 か月未満の従業員も助成金の対象 とする。

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表 4.1 特例措置による雇用調整助成金の支給要件 支給対象事業主 ・ 雇用保険の適用事業の事業主。 ・ ① 青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、 千葉、新潟、長野県のうち災害救助法 適用地域に所在する事業所の事業主の 場合 ② ①に該当しない事業所であっても、①の 事業所と一定規模以上(総事業量など に占める割合が3分の1以上)の経済的 関係を有する事業所の事業主の場合 ③ ②の事業所と一定規模以上(総事業量 などに占める割合が2分の1以上)に経 済的関係を有する事業所の事業主の場 合 計画届の提出 ・ 休業等を実施する場合、事前に都道府県 ・ 計画届は事後提出で可。 労働局またはハローワークに計画の届け (2011年6月16日まで) 出をすること。 生産量の ・ 経済上の理由により、最近3か月の生産 ・ 経済上の理由により、最近3か月の生産 確認期間 量、売上高などがその直前の3か月また 量、売上高などがその直前の3か月または は前年同期比と比べ5%以上減少してい 前年同期比と比べ5%以上、または前々年 ること。 同期と比べ10%以上減少していること。 (2013年3月10日まで) 支給限度日数 ・ 3年間で休業300日に達するまで。 ・ 特例の支給対象期間(1年間)においては、 これまでの支給日数にかかわらず、別枠で 最大300日の受給を可能とする。 (2012年5月1日まで) 対象となる ・ 被保険者期間が6か月未満の労働者につ ・ 被保険者期間が6か月未満の労働者につ 従業員 いても対象となる。 いても対象となる。 (2011年6月30日まで) (2012年5月1日まで) 支給要件(原則) 支給要件(特例措置)

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表 4.2 特例措置による雇用保険失業給付の支給要件 支給要件 ・ 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算 ・ 事業所が災害を受けたことにより休止・廃止し して12ヶ月以上あること。 たために休業を余儀なくされ、資金を受けるこ とができない方については、実際に離職して ・ 就職しようとする積極的な意思があり、いつで いなくとも失業給付(雇用保険の基本手当て) も就職できる能力があるにもかかわらず、本 を受給できる。 人やハローワークの努力によっても職業に就く ことができない「失業の状態」にあること。 ・ 災害救助法の指定地域にある事業所が、災 害により事業を休止・廃止したために、一時的 ・ ハローワークに求職の申込をしていること。 に離職を余儀なくされた方については、事業 再開後の再雇用が予定されている場合であっ ても、失業給付を受給できる。 給付金額 ・ 原則として離職した日の直前の6か月に毎月 ・ 同左 決まって支払われた賃金(残業代含む、賞与 は除く)の合計を180で割って算出した金額の およそ50∼80%(60歳∼64歳については45 ∼80%) 上限額(2011年8月1日現在) 30歳未満 6,455円 30歳以上45歳未満 7,170円 45歳以上60歳未満 7,890円 60歳以上65歳未満 6,777円 受給期間 ・ 原則として「離職した日の翌日から1年間(所 ・ 同左 定給付日数330日の方は1年と30日、360日 の方は1年と60日)」 給付日数 ・ 90日から360日で、年齢、雇用保険の被保険 ・ 東日本大震災の特定被災区域に所在する事 者であった期間、離職の理由などにより決定 業所に震災当時雇用されていた労働者のう ち、当該事業所が震災の被害を受けたために ・ 倒産や解雇などの理由により離職された方 離職を余儀なくされたもの(特定受給資格者 (特定受給資格者)や期間の定めのある労働 及び特定理由離職者(厚生労働省令で定める 契約が更新されなかったことにより離職された 者に限る。))については、震災特例として、個 方で、次の1∼3のいずれかに該当する方につ 別延長給付の延長日数を「60日」から「120 いて、特に再就職が困難だと公共職業安定所 日」に延長(5月2日措置)。 長が認めた場合は、給付日数を60日分延長。 ・ 震災被害が大きく特に雇用情勢が厳しい、被 1.受給資格に係る離職日において45歳未満 災3県(岩手・宮城・福島)の沿岸地域などの の方 市区町村に住む求職者に対して、90日分延 2.雇用機会が不足している地域として指定す 長。期間は2011年10月1日から2012年9月30 る地域に居住する方 日まで(9月27日措置)。 3.公共職業安定所で知識、技能、職業経験そ の他の実情を勘案して再就職支援を計画的に 行う必要があると認められた方 現   行 特例措置

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雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)の特例 事業主 ※中小企業(サービス業):資本金5,000 万円以下または従業員 100 人以下 ●経済上の理由により、最近 3 か月の生産量などがその直前の 3 か月または 前年同期と比べ 5%以上、または前々年同期と比べ 10%以上減少している 雇用保険適用事業所の事業主が対象 ●経済上の理由(例) ・交通手段の途絶により従業員が出勤できない ・原材料の入手や製品の搬出ができない ・来客がない場合 ・事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の 修復が不可能 ・計画停電の実施を受けて事業活動が縮小 ●事業所の倒壊や生産設備の損壊等地震の直接的な影響によるもの、避難勧告 や待避指示など法令上の制限を理由とするものは対象外(計画的避難区域も 対象外) ●助成 ・休業手当(出向は出向元で負担した賃金)に対し、大企業2/3、中小企業 4/5 ・最大300 日間、1 人 1 日上限 7,890 円

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雇用保険失業給付の特例措置 ●事業所が災害を受けたことにより休止・廃止したために、休業を余儀なく され、賃金を受けることができない方については、実際に離職していなく とも失業給付(雇用保険の基本手当)を受給することができる。 ●災害救助法の指定地域にある事業所が、災害により事業を休止・廃止した ために、一時的に離職を余儀なくされた方については、事業再開後の再雇 用が予定されている場合であっても、失業給付を受給できる。 ●離職した日から1年間、離職する直前の賃金の50∼80%を支給。 ●給付日数は、雇用保険の被保険者であった期間及び離職の理由などによっ て異なる。雇用機会が不足する地域として指定された地域等では、原則と して60 日延長され(個別延長給付)、さらに、60 日延長(5 月 2 日措置)。 9 月 27 日には、上記に加えて 90 日延長された。

図 2.1  医療施設等災害復旧費補助金(第 1〜19 次)  医療施設等災害復旧費補助金(第1〜19次) 1.4 445.8 1,754.7 1,992.4 1,482.3 111.9 55.8 5.7 05001,0001,5002,0002,500 青森県 岩手県 宮城県 福島県 茨城県 栃木県 千葉県 新潟県(百万円) *出所:厚生労働省「平成23年度医療施設等災害復旧費補助金の交付額の内示について」 表 2.3  医療施設等災害復旧費補助金(第 1〜19 次)  (百万円) 青森県 岩手県 宮城県
表 3.2  第 1 次・第 2 次補正予算による建築資金の貸付条件  第1次補正予算における措置(2011年5月2日) 建築 耐火 購入 その他 敷金・補助金 権利金 7.2億円まで 7.2億円超 ※当初5年間の貸付利率は貸付金額により異なる 第2次補正予算における措置(2011年7月25日) その他 敷金・補助金 権利金 20年以内償還 15年以内償還 7.2億円まで 無利子 無利子 無利子 無利子 7.2億円超 0.9% 0.6% 0.9% 0.6% 0.9% 0.6% 0.9% 0.6% 1.8%
表 3.3  第 1 次・第 2 次補正予算による機械購入資金の貸付条件  第1次補正予算における措置(2011年5月2日)  ① 医療機器・備品(1品30万円以上)  ② 高額医療機器(1品5千万円以上) 7.2億円まで 7.2億円超 第2次補正予算における措置(2011年7月25日)  ① 医療機器・備品(1品30万円以上)  ② 高額医療機器(1品5千万円以上) 7.2億円まで 7.2億円超 ◆二重債務となる方への特別優遇措置 *出所:福祉医療機構「東日本大震災にかかる災害復旧資金のごあんない」償還期
表 3.4  第 1 次・第 2 次補正予算による長期運転資金の貸付条件  第1次補正予算における措置(2011年5月2日) 7.2億円まで 7.2億円超 ※当初5年間の貸付利率は貸付金額により異なる 第2次補正予算における措置(2011年7月25日) 7.2億円まで 7.2億円超 ※当初5年間の貸付利率は貸付金額により異なる *出所:福祉医療機構「東日本大震災にかかる災害復旧資金のごあんない」 0.3%0.4%15年以内償還無利子0.7%0.7%補助金を除く所要額の100% 貸付限度額、担保評価額のうちも
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参照

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