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雇用調整助成金は、もともと一時的休業、教育訓練又は出向をさせた場合の措 置であったが、今回、東日本大震災に伴う特例措置が実施された。

2011年3月17日

震災被害に伴う経済上の理由により雇用調整助成金を利用する事業のう ち、当面、特に被害の大きかった青森、岩手、宮城、福島、茨城の 5 県の 災害救助法適用地域に所在する事業所の事業主について、支給要件の緩和 が実施された64。たとえば、

・事業活動縮小の確認期間を1か月に短縮すること(通常は3か月、2012 年3月10日までの措置)

・生産量等が減少見込みの場合でも申請を可能にすること(通常は 5% 以上、2011年6月16日までの措置)

・計画届けの事後提出を可能にすること(通常は事前提出、2011年6月 16日までの措置)

などである。

あわせて、雇用調整助成金の活用事例について事業主に周知された。

また、各種助成金について、災害時における支給申請期限に係る取扱 い(支給申請が可能になった後、一定期間内に支給申請等を行えば期限ま でに支給申請等があったものとして取り扱う)について通知された。

2011年4月5日

東日本大震災等の発生に伴う雇用調整助成金の特例(事業活動縮小の確 認期間の短縮、生産量等が減少見込みでの申請、計画届の事後提出)の対 象が拡充された65

① 従来の5県に加え、栃木県、千葉県、新潟県、長野県のうち災害救助法 の適用を受けた地域に所在する事業所の事業主

② ①の地域に所在する事業所等と一定規模以上の経済的関係を有する事 業所の事業主

③ 計画停電により事業活動が縮小した事業所の事業主についても特例を 適用(②、③については計画届の事後提出の特例を除く)

2011年5月2日

支給限度日数の特例を設け、特例の支給対象期間については、それまでの 支給日数にかかわらず、最大300日の利用を可能とすることになった66

2011年6月16日

日本医師会から民主党(与党)へ要望書を提出した。

雇用調整助成金に係る日本医師会の要望

① 雇用調整助成金の要件である、「休業等」について、休業をしなくとも 一定の要件を満たせば受給できる措置を講ずること。

② 計画届の事後提出の期間の延長措置を講ずること。(現行:6月16日)

③ 雇用調整助成金の上限額を引き上げること。

2012年3月15日

  特例の別枠での300日設置における適用期限が2012年5月1日とされた67

① 特例の支給対象期間(1 年間)においては、これまでの支給日数にかかわ らず、別枠で最大300日の受給を可能とする。

② 通常は対象にならない被保険者期間が6か月未満の従業員も助成金の対象 とする。

表 4.1  特例措置による雇用調整助成金の支給要件 

支給対象事業主 ・ 雇用保険の適用事業の事業主。 ・ ① 青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、

千葉、新潟、長野県のうち災害救助法 適用地域に所在する事業所の事業主の 場合

② ①に該当しない事業所であっても、①の 事業所と一定規模以上(総事業量など に占める割合が3分の1以上)の経済的 関係を有する事業所の事業主の場合

③ ②の事業所と一定規模以上(総事業量 などに占める割合が2分の1以上)に経 済的関係を有する事業所の事業主の場

計画届の提出 ・ 休業等を実施する場合、事前に都道府県 ・ 計画届は事後提出で可。

労働局またはハローワークに計画の届け (2011年6月16日まで)

出をすること。

生産量の ・ 経済上の理由により、最近3か月の生産 ・ 経済上の理由により、最近3か月の生産 確認期間 量、売上高などがその直前の3か月また 量、売上高などがその直前の3か月または

は前年同期比と比べ5%以上減少してい 前年同期比と比べ5%以上、または前々年

ること。 同期と比べ10%以上減少していること。

(2013年3月10日まで)

支給限度日数 ・ 3年間で休業300日に達するまで。 ・ 特例の支給対象期間(1年間)においては、

これまでの支給日数にかかわらず、別枠で 最大300日の受給を可能とする。

(2012年5月1日まで)

対象となる ・ 被保険者期間が6か月未満の労働者につ ・ 被保険者期間が6か月未満の労働者につ

従業員 いても対象となる。 いても対象となる。

(2011年6月30日まで) (2012年5月1日まで)

支給要件(原則) 支給要件(特例措置)

表 4.2 特例措置による雇用保険失業給付の支給要件 

支給要件 ・ 離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算 ・ 事業所が災害を受けたことにより休止・廃止し して12ヶ月以上あること。 たために休業を余儀なくされ、資金を受けるこ とができない方については、実際に離職して

・ 就職しようとする積極的な意思があり、いつで いなくとも失業給付(雇用保険の基本手当て)

も就職できる能力があるにもかかわらず、本 を受給できる。

人やハローワークの努力によっても職業に就く

ことができない「失業の状態」にあること。 ・ 災害救助法の指定地域にある事業所が、災 害により事業を休止・廃止したために、一時的

・ ハローワークに求職の申込をしていること。 に離職を余儀なくされた方については、事業 再開後の再雇用が予定されている場合であっ ても、失業給付を受給できる。

給付金額 ・ 原則として離職した日の直前の6か月に毎月 ・ 同左 決まって支払われた賃金(残業代含む、賞与

は除く)の合計を180で割って算出した金額の およそ50〜80%(60歳〜64歳については45

〜80%)

上限額(2011年8月1日現在)

30歳未満 6,455円 30歳以上45歳未満 7,170円 45歳以上60歳未満 7,890円 60歳以上65歳未満 6,777円

受給期間 ・ 原則として「離職した日の翌日から1年間(所 ・ 同左 定給付日数330日の方は1年と30日、360日

の方は1年と60日)」

給付日数 ・ 90日から360日で、年齢、雇用保険の被保険 ・ 東日本大震災の特定被災区域に所在する事 者であった期間、離職の理由などにより決定 業所に震災当時雇用されていた労働者のう

ち、当該事業所が震災の被害を受けたために

・ 倒産や解雇などの理由により離職された方 離職を余儀なくされたもの(特定受給資格者

(特定受給資格者)や期間の定めのある労働 及び特定理由離職者(厚生労働省令で定める 契約が更新されなかったことにより離職された 者に限る。))については、震災特例として、個 方で、次の1〜3のいずれかに該当する方につ 別延長給付の延長日数を「60日」から「120 いて、特に再就職が困難だと公共職業安定所 日」に延長(5月2日措置)。

長が認めた場合は、給付日数を60日分延長。

・ 震災被害が大きく特に雇用情勢が厳しい、被 1.受給資格に係る離職日において45歳未満 災3県(岩手・宮城・福島)の沿岸地域などの

の方 市区町村に住む求職者に対して、90日分延

2.雇用機会が不足している地域として指定す 長。期間は2011年10月1日から2012年9月30

る地域に居住する方 日まで(9月27日措置)。

3.公共職業安定所で知識、技能、職業経験そ の他の実情を勘案して再就職支援を計画的に 行う必要があると認められた方 

現   行 特例措置

雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)の特例  事業主

※中小企業(サービス業):資本金5,000万円以下または従業員100人以下

●経済上の理由により、最近3 か月の生産量などがその直前の3か月または

前年同期と比べ 5%以上、または前々年同期と比べ 10%以上減少している 雇用保険適用事業所の事業主が対象

●経済上の理由(例)

・交通手段の途絶により従業員が出勤できない

・原材料の入手や製品の搬出ができない

・来客がない場合

・事業所、設備等が損壊し、修理業者の手配や部品の調達が困難なため早期の 修復が不可能

・計画停電の実施を受けて事業活動が縮小

●事業所の倒壊や生産設備の損壊等地震の直接的な影響によるもの、避難勧告 や待避指示など法令上の制限を理由とするものは対象外(計画的避難区域も 対象外)

●助成

・休業手当(出向は出向元で負担した賃金)に対し、大企業2/3、中小企業 4/5

・最大300日間、1人1日上限7,890円

雇用保険失業給付の特例措置

●事業所が災害を受けたことにより休止・廃止したために、休業を余儀なく され、賃金を受けることができない方については、実際に離職していなく とも失業給付(雇用保険の基本手当)を受給することができる。

●災害救助法の指定地域にある事業所が、災害により事業を休止・廃止した ために、一時的に離職を余儀なくされた方については、事業再開後の再雇 用が予定されている場合であっても、失業給付を受給できる。

●離職した日から1年間、離職する直前の賃金の50〜80%を支給。

●給付日数は、雇用保険の被保険者であった期間及び離職の理由などによっ て異なる。雇用機会が不足する地域として指定された地域等では、原則と して60日延長され(個別延長給付)、さらに、60日延長(5月2日措置)。 9月27日には、上記に加えて90日延長された。