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織布強化ゴム製止水板の有限要素解析と精度検証 ○九州大学大学院

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Academic year: 2022

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(1)I‑045. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 織布強化ゴム製止水板の有限要素解析と精度検証 ○九州大学大学院. 1.. 学生会員. 上坂. 隆志. 九州大学大学院. 正会員. 浅井. 光輝. 九州大学大学院. 正会員. 園田. 佳巨. シバタ工業株式会社. 正会員. 西本. 安志. シバタ工業株式会社. 非会員. 西野. 好生. はじめに 近年の地球温暖化による影響か,各地でゲリラ豪雨. による浸水被害が後を絶たない.下水管は毎時 50mm 程度の雨量を想定し設計,敷設されていたのに対し, ゲリラ豪雨時の雨量は毎時 100mm を上回ることから, 瞬間的に洪水状態が形成され浸水被害を引き起こして いる.また,都心部には地下鉄や地下街などの地下空. 図-1. 間が広範囲に広がっており,一旦浸水してしまうと甚. 防水扉(鋼鉄製). 止水板(強化ゴム製). 大な被害となることが危惧されている.このような浸 水被害を未然に防ぐためには,下水管の再構築,ある いは地下空間の入り口に止水構造物(図-1)を設置する 対策法があるが,コスト面から下水管の再構築は現実 的ではない.また,既往の鋼鉄製の止水構造物は設置 にかかる労力から瞬発性の高いゲリラ豪雨対策として は向いていないことから,設置が容易なゴム製止水板 が見直されている.. 図-2. 織布強化ゴムの平織り構造. 本研究では,止水板の材料である織布強化ゴムに関. S 2. する非線形力学特性のモデル化を行い,数値解析を援 用した止水板の構造設計指針の確立を目指す.その基. (1). 本研究では,ひずみエネルギ関数 W は等方性成分. 礎段階として,構築した数値解析技術の精度検証を行. Wiso と異方性成分 Wani に加算分解されるものとし,等. った. 2.. W C. 方的な成分はゴムの非線形モデリングとして実績のあ. 織布強化ゴムの的力学特性モデリング. る Mooney-Rivlin 体を使用し,異方性成分は Itskov モ. 図-2 に示す織布強化ゴムは,ナイロン繊維を平織り. デル[1]を参考に,次式に示すひずみエネルギ関数を使. した織布をゴム中央に混入することで剛性・強度を強. 用することにした.. 化した材料であり,その力学挙動はゴムに起因する大. W ani  μ1 ( J 1. 変形特性・繊維に起因する異方性を示す.本研究では, ゴムの構成モデルとしての実績のある超弾性体に異方.  μ2 ( J 2. 性を考慮したモデルへと発展させることにした. 2.1. 1 2. 1.  1)  1 ( K1.  1)   2 ( K 2.  1) 2.  1)  . (2). ここで,同定すべき材料パラメータは μi, ηi, ii であ. 異方性超弾性モデル. り,Ji, Ki は繊維方向を示す単位ベクトル ni により決定. 超弾性体とは,ひずみエネルギ関数 W をひずみによ. できる変形テンソル C の不変量である.. り微分すれば対応する応力が評価できるモデルの総称. Ji=ni・C ni,Ki= ni・(detC) C-1 ni. である.S,C をそれぞれ第 2 ピオラ・キルヒホッフ応. (3). 力,右コーシー・グリーン変形テンソルとすると次の. また, ζ は初期応力をゼロとするための調整項であ. ように応力が評価できる.. り,材料パラメータに対応して一意に求まる値であ る.. ‑89‑.

(2) I‑045. 3.. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 一軸引張試験による構成モデルの検証 図-3(a)に,縦糸方向,横糸方向,45 度回転時の 3. つの試験片による一軸引張り試験結果を示す.同図に は解析結果も併せて示すが,異方性の強い非線形材料 挙動を十分な精度で再現できている.また,同様の材 料パラメータを用い,繊維配向角度を 30 度回転させた 際の実験と計算の比較を図-3(b)に示す.本研究で構成 したモデルにより繊維配向角度の影響を的確に表現可 能であることを確認した.. (a). 4. 止水板実験と FEM 解析の検証 4.1. 図-3. (b). 一軸引張試験と解析の比較. 止水板構造と実験の概要. 図-4 に示す止水板はゴムシートに水圧が作用して変. 吊り下げ棒. 吊り下げ棒. 形し,次にゴムシートが縦支柱,横桟部材に接触する. ゴムシート. ことで格子構造全体に力が伝達する仕組みとなってい る.実験では止水板背面に設置した水槽に高さ 1m まで 注水し,縦支柱およびゴムシートのひずみを計測した. 4.2. プッシュピン. 解析と検証. 汎用構造解析ソフト MSC.Marc を使用し,前項までに. 縦支柱. 縦支柱. 示した構成モデルを導入し,パーツ間の接触を考慮し. 図-4. た非線形有限要素解析を行った.解析結果の変形図を. 止水板構造の図. 図-5 に示す.同図はミーゼスの相当応力分布を示す. また図-6 には,2 箇所の計測点のひずみ値と解析結果 との比較を示す.ここで,A 点は支柱下部の箇所であ り鉛直縦方向のひずみ, B 点ではゴムシートの長手方 向のひずみをそれぞれ計測した. 鋼製支柱に取り付けた点 A については試験と解析で 良好な一致を示した.一方,ゴムシートの点 B につい. (A). ては,解析により実験時の変形の様子は追えているも. (B). のの,ひずみ値はおよそ 2 倍の誤差があった.ここで, 図-5. 実験で使用したひずみゲージについては,ゴムの大変. 解析結果のミーゼスのコンター図. 形に追随してひずみを正確に測定できていたか疑いが あることから,早急にひずみゲージのキャリブレーシ ョンを実施する予定である. 5.今後の展望 独自の構成則を導入した解析により,止水板の挙動 をある程度の精度で再現できることがわかった. 今後,まずは早急にゴムシートに設置したひずみゲ ージの精度を確認することで解析精度を保証する.そ の後,支柱間隔や本数,ゴム厚さを設計変数とし,FEM (A). 解析を援用した構造設計を実施する予定である. 図-6. ‑90‑. (B). 止水板実験と解析のひずみ値の比較.

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