キーワード:遅延合成構造,PC床版,PRスタッド
※1 〒114-8562 東京都北区滝野川1-3-11 TEL 03-3915-3411 FAX 03-3915-3421
※2 〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町17-8 TEL 072-839-9127 FAX 072-838-6599 図-3 試験体概要
6000
場所打ちPC床版 t=320mm
1000 1000
断面図
端横桁位置 中間横桁位置
1500
コンクリート巻き立て横桁
1700 5400 5400 5400 900
側面図
コンクリート巻き立て横桁 コンクリート巻き立て横桁
C1 C2 C3 C4
遅延合成構造 従来工法
中間横桁 中間横桁
中間横桁
平面図
比較 計測 コンクリート ずれ止め
鋼桁
施工時 樹脂モルタル硬化前
樹脂モルタル硬化後 数ヶ月後
樹脂モルタル
樹脂モルタル
樹脂モルタル が柔らかく、
鋼とコンクリー トはずれ易い
樹脂モルタルが固まり、
鋼とコンクリートは一体で働く 設定した樹脂モルタルの
硬化時期が来ると・・・
図-1 遅延合成構造
図-2 桁端部コンクリート床版応力
コンクリートを巻き 立てた剛な端横桁 プレストレス力
床版上面から見ると 変形が小さい端横桁付近
変形が大きい一般部
遅延合成構造を適用した鋼 2 主桁橋の PC 床版横締め試験(その 1)
○川田工業 正会員 北川 幸二※1 川田工業 フェロー 渡辺 滉※1 川田工業 正会員 橘 吉宏※1 摂南大学工学部 正会員 平城 弘一※2
1.まえがき
著者らは,施工後数ヶ月間は硬化しない遅延硬化性樹脂モ ルタルを使用した遅延合成構造(図-1)を考案した.この合 成構造は,例えば鋼とコンクリートのような材料間に樹脂モ ルタルを設置し,この樹脂モルタルが硬化する時期まで材料 間の合成作用を抑えることができる.ところで,場所打ちコ ンクリート床版に横締めプレストレスを作用させた場合,コ ンクリート巻き立て横桁が変形を拘束するため床版に一様に 圧縮力を導入することは難しい.また近年,剛な横桁付近と 一般部でプレストレス導入やその後のクリープ現象による変 形量の差(図-2)や3辺固定支持された拘束状態で乾燥収縮 による引張応力が生じ,剛な横桁付近のコンクリート床版に 斜めひび割れが発生する可能性が指摘されている1).本文は,
遅延合成構造を利用することにより剛な横桁付近で もコンクリート床版に効率的にプレストレスを導入 できることを確認するために実施した試験について 報告するものである.
2.試験概要 2-1.試験体
試験体(図-3)は4箇所の横桁を有する2主鋼鈑 桁を準備した.まず,両端の横桁のみコンクリート
土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)
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CS4‑022
図-5 端横桁の橋軸直角方向ひずみ(床版支間中央)
-300 -200 -100 0 100
ひずみ[×10-6]
端横桁
※プレストレス2週後の計測値 従来工法
遅延合成構造
で巻き立てた.その後,試験体の半分に遅延合成 構造を採用,すなわち床版コンクリートと接触す る鋼桁上フランジ上面と端横桁コンクリート上面 に樹脂モルタルを塗布しスタッドには樹脂モルタ ルを巻き付けたて遅延合成スタッドとした.比較 のため,残り半分は樹脂モルタルを施工せず,従 来工法のままとした.
2-2.試験方法
上記の試験体のコンクリート床版に,活荷重載 荷を想定して算出した横締めプレストレス力を偏 心配置した PC ケーブルで導入し,導入時のコン クリート床版および端横桁の橋軸直角方向ひずみ の変化を計測した.
3.計測結果
3-1.床版に作用する有効プレストレス
図-4に示すコンクリート床版の橋軸直角方向ひ ずみの分布から,以下のことが確認できる.従来 工法では,端横桁付近のコンクリート床版は一般 部と同様には圧縮変形を生じていない.コンクリ ート床版に作用するプレストレス力は一般部の約 54%である.遅延合成構造では,剛な横桁による 変形拘束が抑えられて端横桁付近でも圧縮変形が 生じている.コンクリート床版に作用するプレス トレス力は一般部の約82%である.なお,従来工 法で端横桁の拘束影響が大きいのは,端横桁から 主桁間隔の1/2程度の範囲である.
3-2.コンクリート巻き立て横桁の影響
図-5に示す端横桁の橋軸直角方向ひずみ分布から,以下のことが確認できる.従来工法では,コンクリー ト床版から端横桁下方までのひずみ分布がほぼ直線であり,端横桁上縁にも圧縮ひずみが生じている.すな わち,コンクリート床版に導入する予定のプレストレス力が端横桁に分配されている.遅延合成構造では,
端横桁には殆どひずみが生じておらず,コンクリート床版のみに大きな圧縮ひずみが発生している.すなわ ち,端横桁に分配されるプレストレス力は少ない.鋼断面の平均ひずみから,端横桁に分配されるプレスト レス力は,遅延合成構造を用いると従来工法の約1/2に抑えられている.
4.まとめ
本研究では,剛な横桁付近の場所打ちPC 床版に対して遅延合成構造が有効に利用できることが確認され た.すなわち,遅延合成構造を用いれば,コンクリートで巻き立てた剛な横桁付近のコンクリート床版も効 果的にプレストレスを導入できる.このとき,遅延合成構造の適用範囲は剛な横桁から主桁間隔の約1/2 以 上とすれば効果が得られることが確認できた.
[参考文献]
1)日本橋梁建設協会,PC床版施工マニュアル 場所打ちPC床版編,2000.5
2)渡辺,橘,北川,牛島,平城,栗田:遅延合成構造の開発と実用化に関する研究,構造工学論文集 Vol.47A,2001.3
3)北川,渡辺,橘,平城:遅延合成スタッド(PRスタッド)の押抜きせん断特性,土木学会第56回年次学術講演会(I),2001.10
図-4 床版の橋軸直角方向ひずみ
-300
-200
-100
0 主鉄筋のひずみ[×10-6]
大
← ひず み
→ 小 床版主鉄筋のひずみ分布(平面)
端横桁の拘束で 床版が圧縮されない
端横桁の拘束が小さく 床版が圧縮されている
床版主鉄筋のひずみ分布(主桁方向)
遅延合成構造 従来工法
プレストレス2週後 主桁外側
プレストレス2週後 床版支間中央
プレストレス直後 主桁外側
プレストレス直後 床版支間中央 端横桁の拘束影響範囲≒主桁間隔÷2
従来工法の場合、
有効プレストレス≒54%
遅延合成構造の場合、
有効プレストレス≒82%
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土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)
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