一一多 元 的 ス テ イ ク ホ ル ダ ー 経 営 へ の 新 た な 視 点 一
22
0
0
全文
(2) 「日本 型CSR経. 営 の 研究」. 米 型 の 株 主 重 視 型 で は な く、顧 客 や 従 業 員 、 地 域 社 会 等 の 多元 的 な ステ イ ク ホル ダ ー を意 識 した 経 営 を行 って きて お り、 そ の 意 味 で は 、 日本 企 業 は この 日本 入 の伝 統 的 な価fl直 観 や共感 能 力 を活 か す こ と に よ っ て 、 現 在 、 求 め られ て い るCSR経. 営 の 確 立 の 可 能 性 をfi張 し て い. る。 具 体 的 に は 、論 文提 出 者 は 、R.E.fYeeman.,J.S.Fiarrison,お. よ びA.C.Wicksの. テ イ ク ホ ル ダ ー ・ア ブ ロー チ等 を参 照 しな が ら、 現 在 、 求 め ら れ て い るCSR経. 多元 的 ス. 説 明 し、 ま た、 そ の 視 点 の 日本 に お け る源 流 と して 江 戸 時 代 のCSR経. 営 の視 点 を. 営 を示 して い る.さ. ら に 、 企 業 の 社 会 的 責iT.や企 業 倫 理 に加 え て 、 「 遊 戯 .」 、 「女 性 的 視 点 」、 「フ ロ ー 理 論 」 と い っ た 側 面 か ら経 営 戦 略 を 分 析 し、 新 た な 視 点 か ら経 営 戦 略 やCSR経 と の 価 値 を 論 じて い る。 加 えて 、 日本 企 業 のCSR経. 営 を策 定 ・実 践 す る こ. 営 の 現 状 と課 題 を指 摘 し、CSRを. 実践. す る こ とに よ って 経 済 的 パ フ ォ ー マ ン ス の 向 上 を達 成 す る た め の 方 策 につ い て 論 証 して い る。 ま た 、 近 年 、 こ の 営 利 企 業 に 社 会 性 を 求 め るCSRの. 潮流 の他 に、社会 的企業 や社 会起 業. 家 の よ う な社 会 に お け る課 題 を 、 営利 を追 求 す る ビ ジ ネ ス 手法 で 解 決 しよ う と い う組 織 や 起 業 家 が 登場 して い る こ と、 さ ら に非 営 利.組織(NPO)の 動 と して 取 り組 ん で い こ う とす る事 業 型NPOと. 中 に は 、 社 会 的 な課 題 解 決 を事 業 活. 呼 ば れ る組 織 も あ る こ と につ い て ふ れ て い. る。 す な わ ち 、 論 文 提 出 者 は 、 企 業 が 公 益 の 領 域 で 活 動 し、NPOが. 私 的 な.市場 領 域 へ 入 る. と い う現 象 にYY目 し、これ まで の ビ ジ ネ ス や 企 業 の あ り方 が 大 き く変 化 す る可 能ratに言 及 し、 企 業 がCSR経. 営 を実 践 す る...ヒ で 、 企 業 自 身 の 社 会 に お け る立 ち位 置 、 つ ま り、他 の 組 織 と. は 異 な る企 業 の 果 た す べ き独 自の 役 罰 に つ い.での 考 察 を試 み 、CSR経. 営 の 目指 す 本 質 的u標. に.つい て 検 討 して い る。. 論 文 提 出 者 は 、 企 業 の 社 会 的 責tr.、企 業 倫 理 や徳 倫 理 、 共 感 、 遊 戯 、 女 性 的 視 点 、 フ ロ ー 体 験 、 ホ ー リズ ム 、 公 共 性 等 の 概 念 を 理 論 的 に検 討 し、 そ れ らの 概 念 か ら、CSR経. 営が 必要. と さ.れる現 代 社 会 に お け る 企 業 の 存 続 、 成 長 の た め の方 策 を究 明 して い る。 ま た、 ア ンケ ー ト調 査 や イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を実 施 し、定 量 的 な 分 析 や 定 性 的 な分 析 を行 っ て い る。 要 す る に、 論 文 提 出 者 は、 企 業 が 果 た す べ き社 会 的責 任 の 範 囲 が 拡大 し、 よ り深 くか つ き め 細 や か な ス テ イ ク ホル ダ ーへ の 配 慮 が 必 要 と され る現 代 の 経 営 環 境 に お い て は、 従 来 の 欧 米 型 の 株 主 の利 益 極 大 化 の た め に 短 期 的 な 経 済 的 利 益 の 追 求 を 目標 とす る経 営 戦 略 か ら脱 却 し、 多 元 的 な ス テ イ ク ホル ダ ー の 多様 で 長 期 的 な 利 益 の 拡 大 を 目指 す 、CSRを 営 戦 略 を策 定 ・実 施 す る こ とが 有 用 で あ る こ と を 明 らか に して い る。. 2.本. 論 文 の構 成. 本 論 文 の 構 成 は 、 以rの. と お りで あ る,1. 一272一. 組 み .入れ た経.
(3) 『日 本 型CSR経. 第1章. 研 究 の 意 図 と フ レー ム ワ ー クー 企 業 と社 会 の 新 た な 関 係一. 第1節. 本 研 究 の 目的. 第2節. 本 論 文 の構 成. 第2章. 営 の研究 』. 多 元 的 ス テ イ クホ ル ダ ー の視 点 とCSR経. 第1節. 営. 問題意識. 第2節CSRに. お け る 多 元 的 ステ イ クホ ル ダ ー の 視 点. 第3節. 企 業 の 社 会 的 責任 論 の歴 史 的変 遷 と理 論. 第4節. 公 共 の 利 益 と自 己利 益 の 関 係. 第5節CSR経. 営 と 公共 性 の 空 間. 第6節. 江 戸 時 代 のCSR経. 第7節. 小. 第3章. 営. 括. 企業の美徳・ 一 「食 の倫 理 」 を主 題 と して 一. 第1節. 問題意識. 第2節. 明治 の 時 代 背 景 と食 文化. 第3節. 明治 の 食 生 活 と 食 の,一門 家 た ち の 視 座. 第4節. 現 代 の 食 の 倫 理 の 問題 点. 第5節. 明治 創 業 の 食 品 企 業 の美 徳 と戦 略. 第6節. 徳 倫 理 と老 舗 の 経 営. 第7節. 小. 第4章CSRの. 括. 制 度 化一CSR経. 営 の 事例 を 中 心 と して 一. 第1節. 問題 意 識. 第2節. 「共 感 」 に基 づ く経 営 戦 略. 第3節CSR経 第4節. 第5章. 小. 営実践 の事例 括. マ ネ ジ メ ン トの遊 戯 論. 第1節. 問題意識. 第2節. 「 遊戯 」の特質. 第3節. 「 遊戯」 の戦略約 マ ネジメン ト. 第4節. 「 遊戯 」の力. 第5節. 小. 括. 一zas一.
(4) ーA,o型CSR経. 第6章. 営 の 研究』. ジ ェ ン ダ ー の 視 点 か らの 経 営 戦 略. 第1節. 問題 意識. 第2節. 先行研 究の検討. 第3節CSRと. ジェンダーの視点. 第4節. 女性ailリ ー ダ ー シ ップ ス タ イル の 特 質 に関 す る調 査. 第5節. 女 性 的 視 点 につ い て の 歴 史 的 考 察. 第6節. 小. 第7章. 括. 企業 の 社 会 的 責 任 論 の 検 討 一 ス ポ ー ツ を事 例 と して 一. 第1節. 問題意 識. 第2節. 企 業 に よ る ス ポ ー ツ支 援 の 正 当性. 第3節. 企 業 の 社 会 的責 任 論 に よ るJリ ーグ 支 援 の 正 当性. 第4節. 企 業 の 社 会 的 責任 の 範 囲 一 コ ー ポ レ ー ト ・フ ィ ラ ン ソ ロ ピ ーの 側 面 か らの 分 析. 第5節. 企 業 の 社 会 的責 任 の 範 囲 一 倫 理 的 側 面 か らの 分 析. 第6節. 小. 第8章. 括. 経 営 戦 略 の 構 築 と実 施 に お け るCSRの. ポ ジ シ ョニ ン グ. ー 「CSRと 利 益 」 との 関 連 に お い て一 第1節. 問題 意 識. 第2節CSRの. レベ ル お よびCSRと. 第3節. 研 究 の 目 的 と方 法. 第4節. 調 査 結 果 と考 察. 第5節CSR活. 動 の成 果 に 影 響 を及 ぼ す 要 因. 第6節. 従 業 員 へ のCSR活. 第7節. 小. 第9章. 収 益 性 との 関係. 動 と利 益 の 増 大 との 関 係. 括. 労 働CSRと. 経 営 戦 略一.フロ ー 理 論 を 巾心 に一. 第i節. 問題意識. 第2節. 資 本 主 義 社 会 と フ ロ ー との 関 係. 第3節. 知 識 労 働 者 の 人 的 資 源 管 理 に お け る フ ロ ーの 果 た す 役 割. 第4節. 仕事 におけ るフローの条件. 第5節. 労 働CSR. 第6節. 小. 括. 一274一.
(5) …1.円 本 型CSR経. 第 正 〔}章. 企 業 の 公 共 性 へ の 接 近 一NPOと. 営 の研 究 』. 企 業一. 第1節. 問題意識. 第2節. ホ ー リ ズ ム の 視 点 か ら の 企 業.一 非 営 利 組 織(NPO>一. 第3節. ミ ッ シ ョ ン に 基 づ く コ ミ ュ ニ テ ィ ・マ ネ ジ メ ン ト. 第4節. 社 会 起 業 家 と 社 会 的 企 .業. 第5節. 小. 第11.章. 結. 市 民.一 一 一 行政. 括. 論. 参考文献. 皿.本. 論 文 の概 要. 本 論.文の.概.要は 以 下 の とお りで あ る 。. 第1章. 「研 究 の 意 図 と フ レ ー ム ワ 甲 クπ 企 業 と社.会の 新 た な 関 係 一 」 で は 、 本 論 文 の 目的. と構 成 に つ い て 述 べ て い る。 日本 企 業 は、 全体 的 に低 リス ク 志 向 で あ り、 収 益 率 が低 く、 国 全体 の レベ ル で も リ ス ク を と る 企 業 の 多 い米 英 仏 とい っ た主 要 国 に比 べ 、 成 長 率 が低 い 傾 向 が あ る とい わ れ る。 こ の 状 況 を 脱 す る に は、 積 極 的 に リス ク を と っ て収 益 率 を高 め て い く姿 勢 が 必 要 と な る が 、 近 年 、 世 界 的 潮 流 と な っ て い るCSR経. 営 に お い て も、 目本 企 業 の場 合 、CSR活. 動 が 「コ ン プ ラ イ. ア ンス ・法 令 遵 守 」 分 野 を中 心 と す る受 動 的 活 動 に偏 っ た もの に な っ て い る。 つ ま り、 論 文 提 出 者 は 、CSRが. リス ク を回 避 す る た め の 予 防 的 な 方 策 と して 活 用 され て い るの で あ り、 そ. の 状 況 は 、 本 来 のCSR経. 営 の 目指 す 、CSRを. 事 業 の 中 核 に 位 置 づ け る べ き 投 資 と と ら え、. 将.来の 競 争 優 位 を獲 得 し よ う とす る能 動 的 な 挑 戦 とす る姿 と は 異 な っ て い る と主 張 して い る、, 日本 企 業 に お け る こ の よ うな 問題 は指 摘 され るが 、他 方 、[.本 企 業 の 「気 配 り.1や 能 力 は、CSR経. 「共 感 」. 営 に お い て 重 要 な役 割 を果 たす と考 え られ 、 ま た 、 欧 米 的 な株 主 とい う単 一...一. の ス テ.イク ホル ダ ー の 利 益 の極 大 化 に 偏 っ た配 慮 と は異 な り、 日本 で は 、 伝 統 的 に顧 客 、 従 業.員、 地 域 社 会 等 多 元 的 な.ステ イ ク ホ ル ダ ーへ の 配 慮 を実 践 して き た傾 向 が あ る こ と を指 摘 して い る。 本 論 文 で は 、 こ の よ うな 前提 の も と、 企 業 が 幅広 く きめ 細 か い#t会 的責 任 が 問 われ る時 代. 一275一.
(6) 『日本 型CSR経. 営 の研 究』. に 目.本.企 業 が競 争 優 位 を獲 得 す る た め のcsx経. 営 の あ り方 を検 討 して い る。. ま た 、 近 年 、 この 営 利 企 業 に 社 会 性 を 求 め るCSRの. 潮 流 の 他 に、 社 会 的 企 業 や 社 会 起 業. 家 の よ うな 社 会 に お け る課 題 を,営 利 を追 求 す る ビ ジ ネ ス 手 法 で 解 決 しよ う とい う組 織 や 起 業 家 が 登 場 して きて い る。 さ らに 、 非 営 利 組 織(NPO)の 活 動 と して 取 り組 ん で い こ う とす る事 業 型NPOと こ の よ う に 、.企業 が 公 益 の領 域 で活 動 し、NPOが. 中 に は、 社 会 的 な 課 題 解 決 を 事 業. 呼 ば れ る組 織 も あ る。 私 的 な 市 場 領 域 へ 入 る とい う現 象 が し. ば しば 起 こ る よ う に な り、 企 業 の 役 割 が 変 化 して きて い る とい う こ と が次 第 に 明 らか に な っ て きt,で. は 、 あ ら た め て 、 企 業 と は何 か 、 そ の よ うな変 化 に よ って 企 業 社 会 が どの よ う に. 変 わ る の で あ ろ う か。 本 論 文 は、 こ れ らの 問 題 意 識 を もち 、 企 業 と社 会 の 関係 の 新 しい 動 き につ い て 考 察 を行 って い る。 第2章. 「多 元 的 ス テ イ ク ホ ル ダ ー の 視 点 とCSR経. 営 」 で は、 まず 、 企 業 に と っ て の ス テ. イ ク ホ ル ダ ー が 意 味 す る 利 害 関 係 者 につ い て 考 察 して い る 。 フ リ ー マ ン(Freeman,R,E.) に よ る と、 ス テ イ ク ホ ル ダ ー とは 、 「 企 業 に よ り影 響 され 、 ま た 企 業 に 影 響 を与 え る個 人 お よ び 集 団 」 で あ る。 つ ま り、 顧 客 、 従 業 員 、 取 引 先 、 競 争 業 者 、 地 球 環 境 、 地域 社 会 、 労 働 組 合 、 業 界 団 体 等 、 多 元 的 な ス テ イク ホ ル ダ ー を想 定 して い る とい え る。 この 多 元 的 な.ステ イ ク ホ ル ダ ーへ の 配 慮 の 姿勢 が 現 在 のCSRの. 根 底 に 流 れ る思 想 と して い る,. 他.方、 ア メ リカ ・イギ リス は、...般的 に、 個 別 利 益 が 優 先 し、 特 に、 企 業 の 株 主 の 利 益 が 重 視 され る.し ば しば 、 企 業 の長 期 的 全 体 利 益 を犠 牲 に して も株 主 は そ の利 益 向 上 を 要 求 す る。 しか し、 この 個 別 主 義 は、 ア メ リカの̲Lン ロ ン や ワ ール ドコ ム等 に み られ る よ う な 大 規 模 な 不 正 事 件 発 生 の 火種 と も な っ て い る 。 しか も、(:SRに 基 づ く経 営 は 、 企 業 を取 り巻 く社 会 、 す な わ ち、 企 業 に よ る ス テ イ クホ ル ダ ー 全 体 へ の 配 慮 を求 め て い る。 ア メ リカ や イ ギ リ ス の 企 業 に と って は、 大 きな 価 値 観 の 転 換 が 求 め られ て い る と 主張 す る。 しか し、 全 て の ス テ イ ク ホル ダ ー を重 視 す.るの は 、 難 しい 。 した が っ て 、CSR経. 営 に おい. て は 、 自 社 が 直面 して い る課 題 を考 慮 し、 戦 略 と の 整 合 性 を鑑 み る こ とに よ って 、 優 先 す べ き.ステ.イク ホ ル ダ ー に 順 位 を つ け 、 どの ス テ イ ク ホ ル ダ ー を特 に重 視 す るか を決 定 す る こ と は 戦 略 上 の 差 別 化 に もつ な が る。 そ の よ う な意 味 で 、CSR経. 営 の企 業 ご との 個 別 性 は 重 要 で. あ る と して い る。 次 に 、 現 在 のCSRに. 至 る ま で に 、 ど の よ う な 経 緯 が あ っ た の か を 日.米の 歴 史 的 変 遷 を比. 較 しな が らた ど って い る。.アメ リカの 場 合 、 主 と して 、 ハ ー バ ー ド大 学 な どの 研 究 者 に よ っ て 、.企.業の 社 会 的 責 任 の 議 論 が 牽 引.され て き た とい う特 徴 が あ っ た 。 ま た、1980年 代 に は、 倫 理 学 者 や 哲 学 者 が 、 ビ ジ ネ.スの 倫 理 を 真 剣 に 考 え る よ うに な る こ と もあ り、90年 代 に は、 企 業 の 社 会 的 責 任 理 論 か ら企 業 倫 理 の 時 代 へ 移 行 した。Fi本 の 場 合 、 江 戸 時 代 の 武.士道 に み られ る最 も厳 格 な 教 訓 と して の 「義 」 の 精 神 に、r世 の た め 、 人 の た め に貢 献 す る こ と」 の 意 味 が 盛 り込 まれ て お り、 商 人 につ い て も、 近 江 商 人 のr一 方 よ し」 にみ られ る よ う に 、 現. 276一.
(7) 『i本 型CSR経. 在 のCSRの. 営 の研究 」. 源 流 と も い え る 、 ス テ イ ク.ホル ダ ー へ の 配 慮 を 中 核 に 据 え た ビ ジ ネ ス 思 想 が 存. 在 し た 。 そ の 後 、1960年. 代 の 公 害 問 題 へ の 対 応 や70年. 題 時 に 、 社 会 的 責 任 論 が 浮 上 す る が 、80年. 代 の石 油 シ ョッ ク 時 の 企 業 行 動 の 問. 代 後.半 か ら90年. 代 前 半 の バ ブル 経 済 期 に は 社 会. 貢 献 活 動 に 関 す る企 業 の 関 心 が高 ま る。 そ の 後 、 企 業 の 様 々 な 不 祥 事 を 受 け て 企 業 倫 理 へ の 本 格 的 な 取 り 組 み がray始 さ れ 、2003年. ご ろ か ら 現 在 のCSRが. 注 目 され る が 、 も と も と 、 そ. れ ま で に 不 祥 事 な ど の 事 件 が 少 な か らず 起 き た こ と か ら 、 リ ス ク ・マ ネ ジ メ ン トや 社 会 の 信 頼 を 回 復 す る た め と い う意 味 合 い でCSRを.と. ら え て い る 人 々 が 多 い と い う こ と が 指 摘 され. て い る。 さ ら に 、 企 業 の 社 会 的 責 任(CSR)と. 企 業 倫 理 の 違 い に つ い て 述 べ られ て い る。 前 者 は 、. 基 本 的 に 、 ス テ イ ク ホル ダ ー の 期 待 に応 え る こ とで あ り、 そ の た め に 、 企 業 活 動 の プ ロ セ ス に 社 会 的 公 正 性 や 倫 理 、 環 境 や 人 権 へ の 配 慮 を 取 り 組 む こ と で あ る 。 特 に 、 現 在 は 、CSRと 一 口にいって も. 、 コ ン プ ラ イ ア ン ス や リス ク ・マ ネ ジ メ ン トか ら 、 社 会 問 題 を 本 業 の 製 品 や. サ ー ビ.スを も っ て 解 決 し た り 、 責 任 の 範 囲 が よ り 広 い も の に な っ て き て い る が 、W .C,フ デ リ ッ.ク(Frederick.W.C.)に. よ るCSRの4分. レ. 類 を 示 し、 年 代 を 追 っ て 、 企 業 の 社 会 的 責. 任 の 範 囲 や 特 徴 が 変 化 して きて い る こ とを 論 じて い る。 ま た 、 企.業倫 理 に つ い て は 、 ま ず 、 倫 理 は 、 善 悪 、 正 義 、 自 由 、 幸 福 な ど に 関 す る 個 人 の 価 値 観 で あ り、 さ らに 、 例 え ば 、 ア メ リカの 資 本 主 義 体 制 の 本 質 や 成 果 が 問 題 と な る よ うな マ ク ロ ・レ ベ .ル、 業 界 や 地 域 レ ベ ル の 集.合行 動 が 対 象 と な る 申 問 レ ベ ル 、 個 別 企 業 の 行 動 が 問 題 と な る 組 織 レ ベ ル 、 企 業 の 個 々 の メ ン バ ー の 行 動 が 問 題 と な る 個 人 レ ベ ル の4つ. に 分類. で き る と して い る 。 も う.一つ の 視 点 と して 、 ど ち ら が ト位 概 念 で あ る の か 、 と い う 議 論 が あ り、 企.業 の 社 会 的 責 任 論 の 一 部 と し て 企 業 倫 理 が あ る 、 と い う 考 え 方 を と る 研 究 者 の...一 人 と し て 、A.B.キ. ャ ロ ル(Carroll,ElrchieB. .)の 経 済 的 責 任 、 法 的 責 任 、 倫 理 的 責 任 、 慈 善 的 責. 任 と い う企 業 の 社 会 的 責 任 の ピ ラ ミ ッ ド を 示 し て い る 、 、 加 え て 、CSRを. 企 業 が 公 共 の 領 域 へ 立 ち 入 り、 そ こ で 利 益 を あ げ な が ら活 動 し て ゆ く 構 図. と 考 え 、 営 利 の 追 求 を そ の ミ ッ シ ョ ン と し な が ら、 公 共 の 利 益 へ 資 す る 行 動 を す る と い う こ と が ど の よ う な 意 味 を も つ の か に つ い て 考 察 し て い る 。 ロ バ ー ト ・N・ ベ ラ ー(Bellah Rober![V.)ら. に よ る19世. 紀 の ア メ リ カ に お け る ビ ジ ネ ス に 携 わ る .入々 に と っ て 自 分 自 身 の. 利 益 の 増 大 と コ ミ ュ ニ テ ィ の 公 共 的 利 益 の 増 大 が 調 和 し て い る 状 況 の 指 摘 や ロ ー ラL・ ッ シ ュ(Nash,LauraL.)の. ,. ナ. ビ ジ.ネス 志 向 的 決 定 と他 者 へ の.責 任 を 動 機 づ け る こ と と を 統 合. す る こ と が 重 要 で あ る 等 の 主 張 を 示 し 、 他 者 志 向 の 価 値 観 と経 営 戦 略 と の 関 係 を 分 析 し て い る。 ま た 、 従 来 、 公 共 性 と い う 概 念 に お い て は 、 「私 」 と 斌 立 し た 形 で. 「公 」 が 存 在 し 、 私 事. を 越 え た 問 題 に 参 加 す る こ と が 公 共 的 関 心 を 示 す こ と で あ っ た が 、 ...1.二 述 の ベ ラ ー に よ る19 世 紀 の ア メ リカ の コ ミュニ テ ィに お け る ビ ジネ ス 等 は、 私 的 な 自 己 実 現 を す る こ と が他 者 に. 一.277一.一.
(8) 『U本 型CSR経. 営 の研 究」. 対 す る気 遣 い 、 配 慮 と な る とい う意 味 で 、 「自 発 支 援 型 の 公 共 性 」 に あ た る とは い え、 現 代 社 会 に お い て は 、 社 会 起 業 家 に よ る事 業 や ソ ー シ ャル ・エ ン タ ー プ ラ イズ の よ うな 組 織 の 活 動 が 同 様 の 価 値 を 生 み 出 して い る例 と し て 指 摘 され て い る。 さ ら に、 江 戸 時 代 に 発 展 した、 山形 県 酒 田 市 の 豪 商 本 間 家 の 事 業 と公.共性 との 関 わ りにつ い て 論 じ られ て い る。. 第3章1企. 業 の 美 徳.一.「 食 の 倫 理 」 をfiと. して 」 で は 、 行 為 者 自 身 が 善 い 人 で あ る と か. 悪 い 人 で あ る と か 、 彼 らの 性 格 的 特 性 が どの よ う な もの で あ る か とい う こ と に注 目 し、 善 き 性 格 を もつ 人、 つ ま り、 徳 を 備 え た 人 に よ る 意 思 決 定 を 重 視 す る 「徳 倫 理 学 」(Virtue Ethics>の. 考 え を 中 心 と して、 こ の 徳 倫 理 学 に お い て徳 を評 価 す る基 準 で あ る 「卓 越 」 の 観. 念 か ら、 明 治 創 業 の食 に 関 わ る企 業 を 分 析 す る こ と を 目的 と して い る, 明 治 時 代 は、 新 しい 食 文 化 や 食 品 が導 入 され 、 それ に 伴 い 、 新 しい ビ ジ ネ ス や企 業 が 登 場 した が 、 人 々 が 企 業 や 食 品 に 穀 して 正 しい 情 報 に ア ク セ スす る こ と が 困 難 な状 況 の な か で、 明 治 時 代 に創 業 した 食 に 関 わ る企 業 が どの よ う に行 動 し、 い か に 長 年 に わ た っ て 事 業 を維 持 ・発 展 して き た か 、 そ の 理 由 を美 徳 の 視 点 か ら究 明 して い る。 卓 越 した能 力 や 性 格 の優 秀 さは 、ail己主 義 的 な行 為 者r人. の利 益 ば か りで な く、 共 同 体 全. 体 の 利 益 へ の 貢 献 欲 求 を創 造 す る,、功 利 主 義 は 、 倫 理 的 利 己 主 義 と異 な り、 公共 の 利 益 を そ の 範 疇 に 人 れ て い る点 が そ の 特 徴 と い え る が 、 徳 倫 理 が 問 題 に す るの は 、 行 為 の 評 価 で は な く、 行 為 者 の 倫 理 的 「心 の 習慣 」 が そ の 基 盤 に あ る か ど う か とい う こ とで あ る 、 、 そ して,そ の 倫 理 的 習慣 の あ る人 が 行 為 を した と き、 そ れ は 、 行 為 者 個 人 の利 益 や 善 と な る だ け で は な く、 共1司体 全 体 へ の 利 益 や 善 と な る こ と が可 能 で あ る。 論 文 提 出 者 は、 こ の善 は 、 共 同 体 主 義 を徳 の 倫 理 学 と して 展 開 しよ う とす る代 表 者 で あ る 、A.マ. ッキ ン タ イア(Maclntyer,A.). が い う と こ ろの 、 実 践 に 参 加 す る)}同 体 の 全 体 に と って の 善 で あ る 「内 的 善 」 で あ る と して い る。 d清 製 粉 の 創 業 者 、 正 田 貞 ・ 郎 に み るa1J治の 企 業 家 の 事 業 へ の 姿 勢 は、:先進 的 な外 国 の工 業 社 会 か ら学 び 、 日本 も それ に 追 い つ き追 い越 す た め に 努 力 す る とい う特 徴 を 持 っ て い る。 と りわ け 、.41一郎 の 特 徴 と して、 国 際 感 覚 が き わ め て 鋭 敏 で あ り、 製 粉 業 の管 理 お よび 技 術 に お い て 常 に 世 界 的 トップ ・レ ベ ル を 目標 と して 努 力 しだ,ま. た 、 「儲 け るだ け で は.神様 が. お許 しに な ら な い。 事 業 をや る以 上 は 社 会 に奉 什 す る、 株 主 の た め に尽 くす 、 社 員 の 幸 福 増 進 に つ い て も ト分 に 考 え て お くべ き もの 」 とい う考 え を も って お り、 品 質 の よ い 製 品 を安 い 価 格 で消 費 者 に提 供 す る た め に 、 積 極 的 に西 洋 の 新 しい機 械 を導 入 した り、 小 麦 の 状 況 を 収 集 した り、 巨額 の 投 資 を して1.場 や 研 究 所 の 建 設 を行 った り した。 この よ うな 積 極 的 意 思 決 定 の 背 景 に は、明 治 時 代 を生 きた 人ffの 、 「 政 府 で はで き な い こ とは 民 間 で 行 う」 と い う 「農 業 社 会 の 公 共 倫 理(世u$の. 倫 理)」 が 、 依 然 と して 存 在 して い た と 考 え られ る 。 さ ら に 、 自. 己 の 新 企 業 の将 来 と 日本 の将 来 が 不 可 分 で あ る と の信 念 、 情n愛. 一278一. 国.主義 、 ナ シ ョナ リズ ム.
(9) 1目 本 型.CSR̀m̲c'F'sの. 研 究』. を当 時 の 企 業 家 が 有 して い た こ と も この 世 話 の 倫 理 が そ れ らの 背 景 と して 存 在 して い た こ と が 一 つ の要 因 と な っ て い た と考 え られ る と して い る 。 「会 社 の た め 」、 「日本 社 会 の た め」 と い う内 的 善 を生 み 出 す 雰 囲 気 は 、.経営 者 が利 己 主義 的 な行 動 を と っ て い た り、 従 業 員 間 で個 人 の利 益 を追 求 す る た め の競 争 を行 う よ う な方 策 が と られ て い た り、 義 務 と して熱 心 な佳 事 ぶ りを 強 要 して い た の で あ っ た な らば 、 生 まれ て こな か っ た で あ ろ う。 貞...・ 郎 の 卓 越 した 品 質 を追 求 し、.努力 を惜 しま な い 姿 に 共 感 を覚 え、 従 業 員 も巻 き込 ん だ 共 同 体 的仕 事 の 場 が そ こ に創 られ た と して い る 。 木 村 屋 総 本 店 の 創 設 者 木 村 安 兵 衛 と そ の 息 子 た ち も、 「[本 全 国 の す べ て の 人 々 にパ ン を 食 べ て も らい た い」 とい う大 きな 夢 の 実 現 を 目指 し.、仕 事 へ の情 熱 、 高 い 志 を も っ て い た 点 は 、 正 田 貞一 郎 と共 通 す る卓 越 を 重 視.した美 徳 の 姿 勢 が あ る。 この ひ た む き さ が品 質 の 保 証 を実 現 し、 食 の 安 心 ・安 全 と い う価 値 を消 費 者 へ 提 供 す る こ と を 可 能 に して い る。 成 功 して も更 な る 目標 を 目指 して 努 力 を続 け る経 営 者 の 徳 倫 理 の存 在 が従 業 員 や 顧 客 との 信 頼 関係 構 築 に貢 献 して い た と して い る。 人形 町 今 半 の 場nは. 、 食 材 に関 わ る リス ク ・マ ネ ジ メ ン トに お い て も、 伝 統 に 培 わ れ た顧. 客 とめ 信 頼 関 係 を 最 重 要 と した 意 思 決 定 ゐミ 成 功 に つ な が っ て い る。 顧 客 第..主 義 の 姿 勢 が 「顧 客 の 声 を 聞 く」 とい う 「心 の 習 慣 」 が この よ うな 環 境 変 化 に 正 し い 対応 を導 き出 し、 知 性 的 徳 を しめ して い る と 考 え られ る伝 統 に 安 住 しな い 謙 虚 な 姿 勢 が 多 角 化 戦 略 を成 功 させ て い る。 ま た、 論 文 提 出者 は 、 ほ ぼ 同 時 代 に活 躍 した 食 の 知 識 人 の 活 動 を と り あ げ、 消 費 者 に対 す る商 人 の 反 倫 理 的 行 動 に対 す る警 告 や.食に 対 す る啓 蒙 活 動 の 重 要 性 を 述 べ て い る。 村 井 弦 斎 は 、 消 費 者 に 食 材 に 関 す る正 しい 情 報 を提 供 して い る。 弦 斎 の 食 に 対 す る視 座 は 、 従 来 の[ 本 人 の 食 生 活 を栄 養 面 か ら見 直 して 、 そ の 欠 陥 を補 うた め に 西 洋 料 理 を 取 り入 れ る とい う こ と を基 盤 と し、.料理 の レ シ ピの 他 、 病 院 の 食物 調 理 法. 食uuの 成 分 分 析 、 食 育 論 等 の 啓 蒙 的. 内 容 と な っ て い る。 北 大 路 魯 山 人 は 、 日本 料 理 を 「美 」 の 世 界 に 結 び つ け 、 お い しい 料 理 を 食 す こ とが 高 い レベ ル の 満 .足を得 る人 生 に お い て い か に重 要 か と い う こ と を示 唆 して い る旨 、 さ らに 、 ブ リ ア ・サ ヴ ァ ラ ン は 、 食 こ そ梢 神 生 活 の 根 源 で あ る と説 き、 魯 山 人 と同 様 に 人iAi の幸 福 の た め の 料 理 の 芸 術 性 に つ いて 述 べ て い る 。 論 文 提 出 者 は 、顧 客 の 健 康 や 生.命に 直 接 、影 響 を.与え る商uAPを扱 う た め に.、様 々 な企 業 の 中 で も顧 客 の 信 頼 を獲 得 す る の が 難 しい と され る 食nnn企業 の 中 に あ って 、 明 治 時 代 に創 業 し 現 在 まで 、 そ の 事 業 を 維 持 し、 成 長 させ て き た.企.業に 共 通 す る の は 、 経 営.者の 有 す る倫 理 的 徳 と知性 的 徳 で あ り、 また 、 自社 の利 益 をR指. しな が ら も、.共同体 全 体 の 利 益 へ の 貢 献 意 欲. も有 して お り、 その 貢 献 意 欲 が ス テ.イク ホル ダ ー との 悶 の 信 頼 関係 構 築 に寄 与 し、 それ を基 盤 と して 自 社 の 利 益 の 獲 得 が 可能 とな る と い う連 鎖 が 存 在 して い る と 主張 .して い る。. 279一.
(10) 『日本 型CSR経. 第4章. 「CSRの 制 度 化 一CSR経. 営 の而 π究 』. 営 の 事 例 を 中 心 と して 一 一.・ 」 は、CSRを. 経 営に導 入 しよ う. と す る と き、 企 業 は 、 自然 環 境 へ の 配 慮 、 社 会 貢 献 活 動 、 株 主 ・顧 客 ・従 業 員 へ の 配 慮 等 に 対 す る方 針 の規 定 づ く り、 組織 ・機 構 の 設 置 な ど を実 施 す る と 考 え られ る が 、 さ ら に進 化 し て 企 業 内 の 構 成 員 の 間 でCSRに 化 」 の 視 点 で 、CSR経 CSR経. 対 す る意 識 が 定 着 す る こ とに よ って 実 現 す る1.CSRの. 制度. 営 の 実 際 を 考察 す る こ と を 目的 と して い る。. 営 で は 、 ス テ イ クホ ル ダ ーの 期 待 や 要 望 を知 る こ とが 大 切 で あ る。 氾 濫 す る情 報 の. 中 か ら企 業 に と っ て 重 要 と思 わ れ る ス テ イ ク ホ ル ダ ー か らの メ ッセ ー ジ を受 け 取 る た め に は、 「 共 感 」 す る能 力 が 必 要 で あ る と考 え ら れ る。 そ こ で 、 車ず 、 「共 感 」 と は何 か を 論 じて い る。 共 感 の利 他 的 思.考や 行 動 、 お よ び 心 の ネ ッ トワ ー ク構 築 へ の 影 響 力 は 、 企 業 に と っ て マ ー ケ テ ィ ン グ戦 略 やHRM戦. 略 に と っ て 重 要 な要 因 と.なる。己ま た 、 共 感 は、 場 に参 加 す る. 人 々 の 活 動 を 促 進 し、 そ の 絆 を強 くす る役 割 を果 たす と主 張 して い る 。 論 文 提 出 者 は 、C・ ヘ ク シ ャ ー(Heckscher,C.)が. 提 案 す る 、 伝 統 的 な 「組 織 へ の 忠 誠 心 に 支 え られ た コ ミュ ニ. テ ィJの 限 界 か ら、 組 織 と そ こで 働 く人 々 との 新 しい 関 係 で あ る 「目 的 を共 有 す る コ ミュ ニ テ ィ」 を示 して い る 。 こ こで は、 企 業 と労 働 者 が 温 情 的 依 存 関 係 に よ っ て 結 ば れ るの で は な く、 企 業 戦 略 や 競 争環 境 へ の 共 通 の 理 解 をべ 「.スとす る ミ ッ シ ョ ンの共 有 に よ っ て 結 ば れ る の で あ る。 この 新 しい コ ミュ ニ テ ィを もつ 企 業 で は、 労 働 者 は、 現 在 の ミ ッシ ョ ン を達 成 す る こ とに 打 ち込 む 。 そ の 労 働 者 た ち は、 自分 自 身 の プ ロ フ ェ ッシ ョナ ル と して の 知 識 や 技 術 を通 じて 、 企 業 の ミッ シ ョ ンに 共 感 し、 そ の 組 織 の 一.員と して ミッ シ ョン達 成 に貢 献 し よ う とす るの で あ る 。 つ ま り、彼 らの ア イ デ ンテ ィテ ィは 、 彼 ら を雇 用 して い る企 業 の 社 員 とい う意 識 か らで は な く、 彼 らの 職 務 ・役 割 意 識 か ら.生まれ て い る。 さ ら に、 そ の よ う な共 感 能 力 に よ っ て ス テ イ ク ホ ル ダ ーの 期 待 や 要 望 を知 る こ と が で き た ら、 そ の 情 報 を 事 業 活 動 に活 か す仕 組 み が 必 要 とな り、CSR経 され 、 組 織 ・機 構 が 設 置 され る.し 組 織 の 構 成 員 の 間 でCSR経 ま り、CSRの. か し、 真 にCSR経. 営 の た めの.方針 の 規 定 が 作 成. 営 が機 能す るよ うにな るた め には、. 営 の 価 値 観 や 意 義 、 行 動 様 式 な ど が 共 有 され る 必 要 が あ る。 つ. 制 度 化 が 必 要 に な る と指 摘 して い る 。.. 次 に、CSRの. 制 度 化 の 事 例 と して 、 積 水 化 学 工 業 の 事例 を取 り ヒげ て い る。 積 水 化 学T. は 、 環 境 経 営 を 推 進 す る 先端 的 企 業 で あ っ た が 、zoos年 か らCSR経 か 、CS品. 質 、 人 材 分 野 に特 に配 慮 し た事 業 活 動 を通 じて のCSR経. が っ て 、 積 水 化 学 工 業 のCSR経. 営 に 移 行 し、 環 境 の ほ 営 を推 進 して い.る。 した. 営 は 、 従 来 の 環 境 経 営 を 活 か.し、 さ ら に進 化 させ た も の に. な っ て い る。 ま た 、 経 営 理 念 や企 業 行 動 指 針 な ど か ら企業 戦 略 、事 業 戦 略 、 社 会.貢献 活 動 に 至 る ま でCSR経. 営 の な か で 一 貫 した 方 向 性 で 統....・ され 、 明 確 か つ 効 率 的 な もの と な っ て い. る、, これ らCSR経. 営 の た め に 必 要 な 第 一....歩 は 、 ス テ イ ク ホ ル ダ.一の 声 を 聞 き、 そ の 要 望 と期. 待 を 把 握 す る と こ ろ か ら始 ま る。 つ ま り、 共 感 力 が 企 業 に製 品 ・サ ー ビ スの ア イデ ィア や 利. 286一.
(11) i̲i本型CSR経. 営 の 研 究1. 益 の 源 泉 を企 業 に もた らす こ と を主 張 して い る。. 第5章 R.カ. 「マ ネ ジ メ ン トの 遊 戯 論 」 で は 、 ま ず 、 「遊 戯 」 を 考 察 し て い る 、 」.ホ イ ジ ン ガ 、. イ ヨ ワ(Caillois,R.)、M.チ. ク セ ン ト ミハ イ(Csikszentmehaiyi,M.〉. の3人. の研 究 者の. 所 説 の 特 徴 を明 らか に して い る。 ホ イ ジ ン ガ は、 遊 戯 を 総 括 して. 「「本 気 で そ う して い る 」 の で は な い も の 、 日 常 生 活 の 外. に あ る と感 じ ら れ て い る も の だ が 、 そ れ に も か か わ らず 遊 ん で い る 人 を 心 の 底 ま で す っ か り 捉 え て し ま う こ と も 可 能 な.一つ の 自 由 な 活 動 で あ る 、 と 呼 ぶ こ と.がで き る 」 と し て 、 遊 戯 の 本質 を. 「そ れ 以 上 根 源 的 な 観 念 に 還 元 させ る 二 と が で き な い も の で あ る. 「面 白 さ 」.1と 指 摘. して い る。 また 、 自 由 な 行 動 、 日常 生 活 と は 異 な る一 時 的 な 活 動 領 域 、 完 結 性 、 限 定 性 、 秩 序 とい っ た、 遊 戯 の 形 式 的特 徴 を示 して い る 。 カ イ ヨ ワは 、 ホ イ ジ ン ガ の示 し た遊 戯 の領 域 に、 賭 け と偶 然 の 領 域 、 お よび 物 真 似 と演 技 の 領 域 を 付 け 加 え、 ま た 、 遊 戯 に お い て は 、 競 争(Agon)、..偶 眩 輩(Minx)の. 然(Alea)、. 模 擬(Mimicry>、. 四 つ の い ず れ か の 役 割 が 優 位 を 占 め て い る と した 。. チ ク セ ン ト ミハ.イ は 、 「フ ロ ー 」 と い う 、 活 動 自 体 を 行 な う理.由 が 、 「楽 し い 」 か ら と い う よ う な 内 発 的 報 酬 を 得 る た め の 活 動 で あ る 場 合.、つ ま り 、 自 己 目 的 的 活 動 を 行 な う 場 合 に 感 じる、 自 分 が 一 つ の. 「流 れ 」 で あ る と い う 認 識 を 提 唱 して い る。 そ し て 、 こ の フ ロ ー は 、 そ. の 活 動 を して い る こ と 自 体 が 楽 し く、 目的 と な って い る、 .「自.己 目 的 的 経 験1と. して い る。. 論 文 提 出 者 は 、 こ れ ら の 遊 戯 の 特 徴 と 力 を 踏 ま え 、 遊 戯 の も つ 、 自 由 、 気 楽 さ 、 楽 し さ.、 明 確 さな ど は、 企 業 活 動 の 中 に 導 入 され る こ と に よ っ て 組 織 文 化 の 形 成 、 人 的 資 源 管 理 、 研 究 開 発 等 の 分 野 で 革 新 的 な 変 化 を も た ら す 可 能 性 が あ る こ と を 論 じ て い る。 さ ら に 、 遊 戯 の 要 素 を 労 働 に 取 り入 れ て 、 労 働 を 自 己 目 的 的 活 動 に す る こ と が で き れ ば 、 労 働 が 楽 し く、 人 々 の'1:rの. 質 を 向..1.=さ せ る こ と が で き.、他 方 で は 仕 事 の 生 産 性 を 向..ヒさ せ. る こ と も 可 能 と な る と して い る 、 最 後 に 、 論 文 提 出 者 は 、 米 国 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 に 本 拠 を お く ア ウ ト ドア ・ア パ レ ル と ア ウ ト ドア 用uPPを 製 造 販 売 し 、 高 い 業 績 を 生 み 出 し て い る パ タ ゴ ニ ア の 事 例 を 取 り あ げ 、CSR経 営 の 精 神 と 経 営 の 実 際 の....イ 列 を 示 し て い る 。 パ タ ゴ ニ ア の 創 業 者 で オ ー ナ ー の イ ヴ ォ ン ・シ ュ イ ナ ー ドは 、 ビ ジ ネ ス を 通 じ て 負 荷 が か か る 自 然 に 対 す る 責 任 を 果 た す た め に 、 で き る だ け 負荷 が か か らな い 製 品 作 りを 目指 して い る 。 ま た、 常 に 、 卓越 し た質 の 高 い 製 品 を製 造 す る た め に 研 究 開 発 に 大 き な 投 資 も 行 っ て い る 。 さ ら に 、 シ ュ イ ナ ー ドは 、 登 山 と い う遊 戯 の 世 界 の 雰 囲 気 を 熟 知 し て い る 。 し た が っ て 、 論 文 提 出 者 は 、 シ ュ イ ナ ー ドは CSR」. の3者. 「仕 事 と 遊 戯 と. を融 合 させ 、それ ぞ れ の 世 界 で大 きな 成 果 を あ げ て い る と指摘 して い る。 ま た 、. パ タ ゴ ニ ア は 、3章. で述べ た. 「美 徳 .」の 精 神 の 息 づ く.Lで. あ る と 謡及 し て い る 。. さ ら に 、 論 文 提 出 者 は 、 シ ュ イ ナ ー ドが 、 持 続 的 に ビ ジ ネ ス を 行 っ て い く た め に は 、 短 期. 一zsi一.
(12) 1..〕 本 型CSR経. 営 の 研 究i. 的 で の 成 果 の 評 価 の 回 避 、 過 剰 生 産 ・過 剰 供 給 ・過 剰 消 費 の サ.イクル に 入 る こ との 回 避 、 ス. 営に. 大 き な示 唆 を与 え て い る と主 張 して い る。. 第6章. 「ジ ェ ン ダ ー の 視 点 か ら の 経 営 戦 略 」 で は 、 ま ず 、 女 性 型 リー ダ ー シ ッ プ ス タ イ ル. と男 性 型 リー ダー シ ッ プ ス タ イル の 差 異 に つ い て 考 察 す る こ と に よ っ て 、 女性 的視 点 と女 性 特 有 の 能 力 の 特 徴 を 明 ら か に して い る 。 女 性 型 リ ー ダ ー シ ッ プ に つ い て は 、 マ リ リ ン ・ロ ー デ ン(Loden,Marilyn)の リ ー ダ ー シ ッ プ(feminineleadership>を. フ ェ ミニ ン ・. 紹 介 し、 女 性 的 リ ー ダ ー シ ップ と男性 的 リー ダ ー. シ ッ プ に よ る 管 理 ス タ イ ル に は 相 違 点 が あ る と い.う こ と 、 そ し て 、 女 性 管 理 職 が 男 性 管 理 職 と 全 く 同 じ よ う に 行 動 した 場 合 と比 べ 、 異 な る 管 理 方 式 が 共 存 し、 互 い に 補 完 し合 う 場 合 に お い て 、 経 営 効 率 を よ り 向 上 させ る こ と が 可 能 と な る こ と を 明 ら か に し て い る 。 ま た 、 男 性 的 リ ー ダ ー シ ッ プ 方 式 と.女性 的 リ ー ダ ー シ ッ プ 方 式 に お い て は 、 仕 事 の 仕 方 、糧 営 管 理 方 式 、 構 築 す る 組 織 構 造 、 仕 事 の 根 本 的 目 的 、.問 題 解 決 方 法 等 に お い て 相 違 点 が あ る こ と を 示 し て い る 。 さ ら に 、 論 文 提 出 者 は 、 ロ ー デ ン が 、 ア メ リ カ.企業 に お い て は 、 従 来 の 男 性 的 リ ー ダ ー シ ップ 方 式 に す ぐに は適 応 で き な い 多 くの 女 性 た ち が い るが 、 彼 女 た ち が有 す る 固 有 の リ ー ダ ー シ ッ プ 能 力 と い う も の が 存 在 し 、 そ れ が 組 織 内 で 十 分 に 活.用 さ れ て こ な か っ た と い う 指 摘 を.し て い る こ と を 示 して い る.さ. ら に 、 諜 長 の 女 性 比 率 及 び 過 去5年. 間 の 女性 管 理 職 の. 増 減 と威 長 性 指 標 と総 合 経 営 判 断 指標 との 問 に は 、 概 ね 密 接 な 関係 が み られ る とい う調 査 結 果 を示 し、 そ の理 由 に つ い て 論 じて い る。 ま た 、 従 来 の 男 性 中 心 主 義 の 発 達 モ デ ル と は.異 な る 女 性 の 道 徳 発 達 理 論 を 意 味 す る ひ と つ の モ デ ル 」 がfiす. る こ と を 指 摘 し て い る キ ャ ロ ル ・ギ リ ガ ン(Gilligan,CaroDに. 「も う よ. る 、 高 い 共 感 能 力 、 他 人 を思 い や る能 力、 高 い 関 係 構 築 能 力 、 文 脈 的 な 判 断 等 ㍉ 女 性 の ジ ェ ン ダ ー 的 特 徴 の 要 素 に 言 及 して い る 。 次 に 、CSR型. 経 営 戦 略 と 女 性 型 リ ー ダ ー.シ ッ プ の 関 係 に つ い て 考.察 し、CSR経. 営 を成功 さ. せ る た め に は 、 共 感 能 力 、 関 係 構 築 能 力 、 他 人 を 思 い や る能 力 等 、 女 性 型 リ ー ダ ー シ ッ プ の 特 徴 と も い え る能 力 が 必 要 と さ れ て お り 、 従 来 の 利 己 的 で 勝 利 至 上fi的. な り一 ダ ー シ ップ. を 補 完 す る た め に も 、女 性 型 リ ー ダ ー シ ッ プ σ)導 入 が 必 要 で あ る と い う こ と を 指 摘 し て い る 。 さ ら に 、 女性 的 視 点 を 企 業 経 営 に 反 映 さ せ る こ と の で き る 可 能 性 が よ り高 い と 考 え ら れ る 管 理 職 の 女 性 た ち へ の イ ン タ ビ ュ ー 調 査 結 果 か ら、 日 本 の 女 性 管 理 職 も ロ ー デ ン や ギ リ ガ ン 等 、 米 国 の 研 究 者 に よ る 女 性 的 特 質 の 研h.結. 果 と 同 様 、 「共 感 能 力.」、 「関 係 性 重 視 」、 「他 人. を 思 い や る 能 力..1、「規 則 に 対 す る 革 新 的 態 度 」、f文 脈 的 考 え 方 」 等 の 特 徴 を も っ て い る こ と 、 ま た 、 「倫 理 性 ・公.it三 性.」 に 対 し て も 高 い 意 識 を 有 し て い る こ と 、CSR型. 一282一. 経 営 に 必 要 と され. ﹁. 物 質 的 に 豊 か な社 会 に お け る ビ ジ ネ ス や生 活 の 変 革 を求 め て お り、 この こ とは 、CSR経. ..}. テ イ ク ホル ダ ーの 満 足 の 重 視 、 ス テ.イク ホ ル ダ ー へ の シ ンプ ル な 生 活 や ビ ジ ネ ス の 推 進 等 、.
(13) 頂 本R2?CSR経. 営 の 研究』. る 、 「共 感 力 」、 「社 会 性 」、 「創 造 性 ・主 体 性 」 の 能 力 を備 え て い る こ と、 加 え て 、 女 性 管 理 職 は女 性 特 有 の 能 力 を発 揮 す る リー ダ ー シ ップ ・ス タ イル を と ろ う とい う よ り、 男性 型 リー ダ ー シ ッ プ ス タイ ル を会 得 す る 努 力 を して い る こ と が フ ァ イ ン デ ィ ング ス と.して示 され て い る. .ま た 、 論 文提 出 者 は 、 イ ン タ ビ ュ ー 調 査 を通 じて 、 目本 企 業 に お け る女 性 管 理 職 た ち が 、 他 者 へ の 配慮 を行 う行 動 特 性 を もち 、 倫 理 性 ・公 正 性 に優 れ 、 革 新 的 志 向性 が あ る こ とか ら、 女性 型 リー ダ ー シ ップや 女性 特有 の パ ー ソナ リテ ィ は、CSRを. 中核 に す えた 経 営 戦 略 を展 開. す る際 に 、 重 要 な役 割 を 果 た す 可 能 性 が あ る が 、 現 在 の 企 .業の な か で は 女性 の 特 性 を 企 業 の 業 績 向...Lや 成 長 に 貢 献 す る も の と し.て評 価 され な い場 合 も 多 い こ とか ら、男 性 役 .員、管 理 職 、 社 員 の 意 識 改 革 及 び 企 業 文 化 の 革 新 の 必 要 性 に つ い て指 摘 して い る. 最 後 に、CSRの. 源 流 が 存 在 した と い わ れ る江 戸 時 代 の大 店 の 女 性 た ち を 中 心 に 、 日本 の ビ. ジ ネ ス の 現 場 に お い て 女 性 的 視 点 が こ れ まで どの よ うに 生 か され て きた の か につ い て 考 察 し て い る。 ビ ジ ネ ス に お け る 女性 の 役 割 は歴 史 的 にみ て も大 き く、.三井 家 と住 友 家 とい う江 戸 時 代 か ら続 く商 家 の 女 性 た ち に 共 通 す る 、 女 性 特 有 の道 徳 性 に基 づ く顧 客 や 従 業 員 に 対 す る きめ 細 や か な 心遣 い や 他 人 を 思 い や る能 力 は そ の 家 の 家風 や 商 売 の仕 方 に 生 か され 、 代 々 伝 え られ 、彼 女 た ち の 教 えが こ れ ま で に 会 社 の 支 柱 の7つ. 第7章. とな.って き た と こ と を指 摘 して い る。. 「企 業 の社 会 的 責 任 論 の検 討 一 ス ポ ー ツ を事 例 と して.…」 で は 、 企 業 が ス ポ ー ッ と. の 関 わ り、 特 に 主 に 、 企 業 に よ るJリ ー グ(サ. ッカ 皆 の プ ロ フ ェ ッシ ョナ ル リ ー グ)へ の 支. 援 活 動 を 通 じて 、.ステ イ ク ホル ダ ー との'O,に ど の よ う.に信 頼 関 係 を構 築 し、 新 た な価 値 を生 み 出 して い るの か を、 企 業 の 社 会 的 貴 任 論 の 観 点 か ら考 察 して い る。 論 文 提 出者 は 、 企 業 が 」 リー グ参 加 チ ー ム.の親 会 社 と して 支 援 す る活 動 は 、 経 済 的 責 任 、 受 託 者 責 任 、 コ ー ポ レー ト ・フ.イラ ン ソ ロ ピ ー とい う社 会 的 責 任 の3類 型 の 中 の 、 コ ー ポ レ ー ト ・フ ィ ラ ン ソ ロ ピ ー と して と ら え る こ とが で き る と して い る. 。. ま た 、 この フ ィラ ン ソ ロ ピ ー活 動 に は 、 企 業 が そ の よ うな こ と をす べ き で は な い 、 とい う 否 定 論 と、 す るべ き で あ る肯 定 論 が あ る と し、 次 の よ う に述 べ て い る。 前.者を 支 持 す る 意 見 は 、 「株 主 の た め に最 大 限 の利 潤 を上 げ る こ と以 外 に 企 業 の 社 会 的.責任 は存 在 し.ない 」、 「企 業 の 経 営 者 や 従 業 員 が 専 門 外 の 社 会 活 動 を行 う こ とに よ る社 会 的 役 割 分#Lの 混 乱 の も と に な る.1、r企業 の パ ワ ーの 拡 大 に 対 す る警 告 」、 「フ ィ ラ ン ソ ロ ピ ー活 動 の 実 績 と効 果 を 測 定 す る こ と が 困 難 で あ る」、「ス テ イ クホ ル ダ ー 間 の 公 平 を考 慮 す る必 要 が あ る」 と い う もの で あ る。 他 方 、 肯 定 論 の ほ う は 、 「企 業 の 社 会 的 影 響 力 の 拡 大 に 伴 な い 社 会 環 境 を改 善 す る た め の 貢 献 義 務 が 生 じ る」、 「財 政 的 問 題 等 に よ り政 府 や 自治 体 が従 来 ほ ど 社 会 問 題 解 決 に有 効 な機 能 を発 揮 で き な くな って い るの に対 し、.Fは 発 さ れ た 自 己利 益Jの. 有 効 な経 営 資 源 や シ ステ ム を有 して い る .1、「「 啓. 考 え 方 に よ り、企 業 が 自 己 利 益 の追 求 と 公益 の 向 上 に 貢 献 す る こ と が. 一283一.
(14) 『目本 型CSR経. 相 反 す る概 念 で は な いJと. 営 の研究』. す る もの で あ る と して い る 。. さ らに 、 コ ー ル バ ー グの 道 徳rrの 発 達 理 論 に よ っ て 、 企 .業の 道 徳 性 を説 明 して い る。 道 徳 性 の 発 達 の第 五 ・第 六 段 階 で あ る 「公 正 と福 祉 の 原 理 志 向 の段 階 」 に到 達 す る こ と に よ っ て 、 企 業 は 、.ステ イ ク ホ ル ダ ー と の 「信 頼..1関係 も築 く こ と が で き る。 特 に 、 第 六 段 階 の 道 徳 性 で は、 相 互 的 な 公 正 、 他 者 の 立 場 に な っ て 考 え る役 割 取 得 、 人 格 の 尊 重 が 道 徳 的義 務 を規 定 し て い る,メ. セ ナ と して 開 始 し た 支 援 活 動 も、PR効. 果 が な い とい う判 断 が.ドされ た 場 合 、. 撤 退 す る とい う意 思 決 定 が な され る こ と も起 りえ るが 、 そ うな れ ば 、 第 六 段 階 の状 態 で 得 ら れ る、 企 業 に と っ て の ス テ イ ク ホ ル ダ ー との 「信 頼 」 関 係 も築 く こ とが で きな い 。 ま た、 コ ール バ ー グ の い う 「公 正 な社 会 」 に属 す る 人 々 は、 他 の メ ンバ ー と の 問 に集 団 的規 範(他 者 へ の 援 助 等 〉を共 有 して い る とい う感 覚 や お 亙 い に責 任 を もっ て い る とい う感 覚 を強 く持 ち 、 お 互 い が 結 ば れ て い る と感 じて い る。 こ の よ うな道 徳 的 環 境 に 属 す る 人 々 は、 道 徳 性 の 発 達 が よ り促 進 され る と い う調 査 結 果 が あ る と指 摘 して い る 。 道 徳 性 と企 業 の利 益 の 関 係 に つ い て、L.ナ. ッシ ュ はζ 「ビ ジ ネ ス を特 徴 づ け る概 念 を相 互. 利 益 関係 と価 値 創 造 と して理 解 す る な らば 、 道 徳 性 と利 益 の 獲 得 は 、 そ れ ほ ど 矛盾 しな い も の に な る」 と し、こ の よ うな 自己 志 向 前 提 か らの 離 脱 を 「契 約 的 企 業 倫 理 」 と呼 ん で い るが 、 論 文 提 出 者 は 、 こ の 「契 約 的企 業 倫 理 」 が 、 コ ー ル バ ー グ の 道 徳 性 の 発 展 段 階 の 第 六 段 階 に み られ る特 徴 と一 致 して い る こ と を主 張.し、 す べ て の 人 々 をTfに. 尊 重 し、 他 者 の 立 場 に立. っ て他 者 を気 遣 う とい うこ とに よ っ て そ こに 価 値 の創 造 が あ る と い う もの で あ る と言 及 して い る。 さ らに 、CSR経. 営 の 目指 す 、企 業 と社.会のi,乗 的 な 発 展 の た め に は 、 この 「契 約 的 企. 業 倫 理 」 や 「公iF.1を 中 核 にす え た 道 徳 性 が 必 要 で あ る と主 張 して い る.. 第8章. 「経 営 戦 略 の 構 築 と 実 施 に お け るCSRのtジ. 連 に お い て 一 」 の 目 的 は 次 の3つ る 企 業 が 到 達 し て い るCSR経. で あ る 。 第1に. 、CSR分. .E.Porter)と. う 「周 囲 へ の 迷 惑 を 減 ら す 」 と い う ①. 「 戦 略 的CSR」. ラ マ ー(M,12.Kramer)の. 営の レ い. レ ベ ル.、 間 接 的 に 収 益 向 上 を 目指 す ②. 、 社 会 の 問 題 解 決 に 貢 献 しか つ 自社 の 収 益 増 大 に. の3段. 階 を さ す 。 第2に. ら え 方 の 違 い に よ る 成 果 の 違 い に つ い て 考 察 す る 。 第3に. 、 利 益 とCSRと. 、CSR活. 要 因 を 明 ら か に す る 。 以 土 の 点 に つ い て 検 討 す る た め に 、CSR度. の 関係の と. 動 の成 果 に 影 響 を及 ぼ す の 高 い.企業 に 対 す る ア ン ケ. 、 調 査 結 果 か ら 分 析 を 行 っ て い る,、. 結 果 と し て 、 次 の こ と が 明 ら か と な っ た 。 回 答 の あ っ たCSR度 CSR課. 利 益 」.と の 関. 野 で 先 進 的 な 取 り組 み を 行 っ て い. マ ー クR.ク. 「 受 動 的CSR」. 「ス テ イ ク ホ ル ダ ー へ の 倫 理 的 対 応 型CSK」. ー ト調 査 を 実 施 し. 「CSRと. 営 レ ベ ル 、 及 び 今 後 の 方 向 性 を 探 る 。 こ こ で 、CSR経. ベ ル と は 、 マ イ ケ ル ・ポ ー タ ー(M. も直 接 的 に 貢 献 す る③. シ ョニ ン グ ー. の 高 い企業 は、受 動 的. 題 に 成 果 を 出 し て い る 。 ま た 、 全 体 的 な 傾 向 と し て 、 受 動.的CSR課. 題 および ステ イ. ク ホ ル ダ ー へ の 倫 理 的 対 応 へ 熱 心 に 取 り 組 み 、 成 果 を 嵐 し て い る 。 し か しな が ら、 経 営 戦 略. 284.
(15) iH本 型CSR経. とCSRと. 営の 研究』. の 関 係 へ の 姿 勢 で は 、66.4%の 企 業 が1.経 営 戦 略 を策 定 す る際 にCSRを. と回 答 して お り、 今 後 、 戦 略 的CSRレ. 取 り込 む」. ベ ル へ 進 ん で い く可 能 性 も あ る旨,利益 とCSRと. 係 につ い て は 、 「CSRと 利 益 獲 得 は 同 時 に 実 現 され るべ き」 及 び.「CSRに. の関. の っ と っ た誠 実 な. ビ ジ ネ ス を行 え ば、 利 益 はつ い て く る 」 の 回 答 が 多 い が 、 後 者 の よ うに 、 長 期 的 視 点 に1っ た成 果 獲 得 を 目指 して い る企 業 の 方 が成 果 の 創 出 に成 功 す る とい う こ とが 推 測 され る結 果 と な っ た 。 ま た、CSR活. 動 を 行 う期 間 の成 果 へ の 影 響 に つ い て は、 「HRM及. び リ ス ク 予防 」 分. 野 の項 目 につ い て は 、 設 立 して か ら何 年 経 っ て い るの か 、 つ ま り、 長!N3fA5、CSR活 動 を行 っ て い る こ と が成 果 の 大 小 に影 響 を.及ぼ して い る と推 察 され る結 果 を得 た が 、 「ス テ イ ク ホル .ダーへ の 対 応 」 及 び 「業 績 」 分 野 に つ い て は 、 成 果 と よ り長 く活 動 を行 う こ と の 関 係 性 は み られ な い とい う結 果 を得 て い る 。 さ らに 、 長 期 的 にCSRに 理 解 度 の 向 上 がCSR経 CSR項. 取 り組 む 過 程 で 生 じる と考 え られ る従 業 員 のCSR経. 営 に対す る. 営 の成 果 創 出 に 影 響 を及 ぼ して お り、 こ の 理 解 度 の レ ベ ル が 戦 略 的. 目 と一 定 の 関 係 を有 して い る こ と、 ま た、 創 業 者 の 経 営 哲 学 の よ うな 「倫 理 的 プ リ ン. シ プル 」 の 存 在 が従 業 員 の 理 解 度 の 向 上 へ 影 響.を及 ぼ す 要 因 で あ る とい う こ とが 結 果 と して 出 て い る。 加 え て、 ス テ イク ホ ル ダ ー の 中 で も、 従 業 .員へ の 配 慮 が利 益 の増 大 と強 い 関 係 を有 す る こ とが 推 測 され る結 果 も出 て い る。 した が っ て 、 従 業 員 へ のCSR,特 る た め のCSR活. に 、 労 働 意 欲 を向 上 させ. 動 は 、 企:業の利 益 増 大 に貢 献 す る可 能 性 が あ り、 そ の 意 昧 で も労 働CSRの. 重 要 が 必 要 で あ る との 主 張 が され て い る。. 第9章.「 労 働CSRと. 経 営 戦 略 一 フ ロ ー.理論 を 中 心 に一.Jは 、 まず 、 企 業 が活 動 す る 資 本. 主 義 社 会 の 有 す る本 質 的 問 題 点 を明 らか に し、 そ の 問 題 点 と、 第5章. で も取 .上げ た深 い 楽 し. さや 喜 び を伴 う経験 を生 む 包 括 的 感 覚 に 関 す る研 究 を 行 う心 理 学 者 の チ クセ ン ト ミハ イの フ ロ ー との 関 係 を 考 察 して い る。 人 々 は、 資 本 主 義 の.下で 、 努 力 せ ず に 幸 福 を得 よ う と し、 物 質 や金 銭 と い う外 発 的 報 酬 を求 め 、 利 己 的 で 外 発 的 報 酬 を得 る た め の 自Ll目 的 的 で な い 行 為 を行 う こ と に よ り、 不 安 で 不 幸 な状 態 に 陥 る。 ま た、 外.界へ の 関 心 や 外 界 との 積 極 的 な 関 係 を持 つ こ と に よ り、挑 戦 の 機 会 を 得 た り、 内 発 的 にX11づ. け られ る行 為 が.可能 と な っ た りす. る。 ま た 、 自 己 目的 的 な パ ー ソナ リテ ィの確 立 を行 う こ と が で き る。 さ らに 、 外 発 的報 酬 の 重 視 は、 労 働 者 に仕 事 の 楽 しみ が 報 酬 と な る と い う考 え を も たせ る こ と 、 量 にRrり の あ る物 的 な 所 有 物 は いつ か は 枯 渇 す る こ と、 外 発 的 報 酬 に頼 れ ば 頼 る ほ ど 楽 し さが 減 少 す る こ と、 金 銭 的 報 酬 が 減 少 す る と、 人 は罰 を 受 け て い る よ うに 感 ず る こ と、 社 員 の 等級 づ け に な って し ま う こ と、 創 造 性 に富 ん だ 発 想 や 行 動 が 減 少 す る こ と等 につ な が る こ と を述 べ て い る。 次 に 、 知 識 を 中心 と した現 在 の 企 業 活 動 に お い て 、 その 知 識 の 所 有 者 で あ る 知 識 労 働 者 か. 一255一.
(16) 狛 本 型CSR経. 営 の研究」. ら有 益 な 貢 献.を引 き出 し、 彼 らの 生 産 姓 を あ げ る た め に は、 従 来 の 外 発 的 報 酬 の み な らず 、 内 発 的 報 酬 が 重 要 な 役 割.を果 たす とい う仮 説 の も と、 そ の 内 発 的 報 酬 を 生 み1看.1す フ ロ ー と知 識 労 働 者 を 中 心 とす る企 業 の 労 働 者 お よび 彼 らの 仕 事 との 関 係.につ いて 論 じて い る 、, さ らに 、 仕 事 が 楽 し さ を享 受 で き る フ ロ ・ 一体 験 に転 換 され る 条件 につ い て 言 及 して い る。 仕 事 を フ ロ ー体 験 に 転 換 す る た め の 条 件 は、 佳 事 を成 功 裡 に 達 成 す る た め の 能 力 、 十 分 に能 力 を 発 揮 で き る仕 事 で あ る こ と、挑 戦 と成 長 の 機 会 を 含 ん だ 仕 事 で あ る こ と、 従 業 員 に 自 曲 と責 任 を付 与 して い る こ と 、{士事 と余 暇 の バ ラ ン スが 保 た れ.るこ と 、.働く人 々が 自 己 目的 的 パ ー ソナ リテ ィ を備 え て い る こ と、 内 発 的 報 酬 の 獲 得 に結 び つ く よ うなHRM機. 能 が用意 さ. れ て い る こ と 、客 観 的 で 公 正 な 評 価 が 存 在 す る こ と、 公 共 の 利 益 や 社 会 的 価 値 の 創 造 に 寄 与 して い る と い う誇 りや 満 足 感 が 存 在 す る こ と、 能 力 や 独 自 性 を十 分 に 評 価 して くれ る 「顔 の み え る 仲 間 」 が 存 在 す る こ と等 で あ る と して い る 。 最 後 に 、 近 年 、 注 目 され る、CSRの. 中 で も特 に 労働 者 へ の 配 慮 を扱 っ た 「労働CSR」. い て 、 フ ロ ー と の 関 係 か ら検 討 して い る。 欧.州に お け るCSRは っt̲2001年. にEUに. お け るCSRの. 366」 で は 、 経 済 、 環 境 、 社 会 の3側. につ. 当 初 、 労 働 問題 が 中 心 で あ. 基 本 精 神 を ま と め た 提 言 書 で あ る 「グi)一 ンペ ー パ ー 面 に 対 して 企 業 が 自 発 的 に取 り組 む とい う 「ト リプ ル. ボ トム ラ イ ン」 の 概 念 が示 され て い る が 、 それ に加 えて 、 弟 別 の廃 止 と配 慮 、 従 業 員 教 育 に よ る能 力 向.上、 職 場 に お け る健 康 ・安 全 管 理 、 リス トラ に際 して の 十 分 な配 慮 と対 策 とい っ た 「労 働 者 へ の 配 慮 」 が強 調 され て い る。 論 文 提 出 者 は 、 近 年 、 欧 州 で は就 職 志 望 学 生 の 労働 意 識 に 、 働 い て い て誇 りを もて る企 業 で あ る こ と、 自 分 と同 じ価 値 観 を もつ 企 業 で あ る こ と、 地 域 社 会 に 参 加 で きる プ ロ グ ラ ム を も.つ企 業 で あ る こ と.等が 重 視 され 、 この よ う な労 働 意 識 に対 応 す る た.めに は 、 企.業は、 倫 理 的 価f直観 に 支 え られ たCSRイ. ノベ ー シ ョ ン を実 践 して い る必 要 が あ る こ と を指 摘 して い る。. ま た、 企 業 側 に と って は、 長 期 雇 用 の 実 質 的 な意 義 が 意 識 され る よ うに な っ て い る こ と を述 べ て い る。 他 方 、 日本 に お け るCSR経. 営 は 、 コ ン プ ラ イ ア ン ス の 分 野 に 多 くの 企 業 が 注 力. し て お り、 ス テ イ ク ホル ダ ー と して の 労 働 者 へ の 配 慮 は 、 比 較 的 順 位 が低 い 。 若 者 た ち のti 働 意 識 に つ いて は 、自 分 の 能 力 や1固性 が生 か せ る こ と、仕 事 に お も しろ さ を感 じられ る こ と、 技 術 が 覚 え られ る こ と等 、.労働 に 挑 戦 意 欲 を感 じ る こ との で き る もの を 欲 して い る と い う、 仕 事 自 体 に 関 わ る内 花 的 職 務 満 足 要1大1(intrinsicjobsatisfactian)が あ げ られ て い る。 つ ま り、 論 文 提 出者 は 、 「労 働 者 を 巾 心 とす る戦 略 的CSR経. 営 」 は 、.労働 者 に 内 発 的 報 酬. を提 供 す る ば か りで な く、 企 業 に と って も社 会 との つ な が り や信 頼 関 係 を構 築 し、 社 会 的 価 値 の 創 造 と実 現 を図.りつ つ 、 競 争 力 確 立 の た め の 持 続 的 努 力 を 行 う こ との で き る組 織 へ と 自 ら を変 革 す る機 会 を提 供 す る もの とい え る と主 張 して い る.. 第10章. 「.企 業 の 公 共 性 へ の 接 近 一NPOと. 企 業 一 」 で は 、 第2章. 286…. で述 べ た 企 業 に よ る公 共.
(17) ∫日本 型CSR経. 営の 研究 』. 性 の 空 閲 に お け る 活 動 と関連 す る が 、 複 雑 化 す る経 営 環 境 の も と で 、 企 業 が そ の 存 続 を.保持 し、 成 長 して い く た め の 一 つ の 指 針 と して 、NPOや. 政 府 、 地 域 社 会 に お け.る市 民 と 協 力 関. 係 を構 築 し、 公 共 分 野 へ 関 わ っ て い る実 態 を考 察 す る こ と を 目的 と して い る。 まず 、 自己 組 織 化 をキ ー ワ ー ドに、 企 業 、NPO、. 地 域 社 会 のi}i"Lt、自治 体 の ネ ッ トワ ー ク. の な か で 、 企 .業が どの よ うな 役 割 を.果た し、 ど の よ うに して 社 会 に価 値 を生 み 出 して い くの か を検 討 して い る 。 企 業 とい うエ ー ジ ェ ン トは、 そ の/7の 限 界 を認 識 し、.孤立 し た り、 支 配 や 管 理 を試 み た りす るの で は な く.企NY(1一. 市民一 一行 政 と.いう よ う.なネ ッ トワ ー ク の. な か で 、 自律 的存 在 で あ りつ つ も ネ ッ トワ ー.クの.一員 と して.の自覚 の も と他 σ)エー ジ ェ ン ト との 協 同 の 過 程 で 意 思 決 定 を行 な い 、 行 動 して い く と い う シ ス テ ム を確 立 す る こ とが 必 要 で あ る と して い る。 また 、 論 文 提 出 者 は 、 企 業 を ホ ー リ.ズムの 視 点 か ら と らえ た 時 、 企 業 の 構 成 員 と して の経 営 者 や 従 業 員 は、 そ れ ぞ れ 全 体 を構 成 す る部 分 と して 活 動 を して い る が 、相 互 作 用 を通 じて 、 部 分 が それ ぞれ 創 造 す る価 値 の 総 和 以 上 の 全 体 と.して の 価 値 を創 造 す る こ とが 可 能 と な る と して い る.つ ま り、 相 互 作 用 が行 わ れ る ネ ッ トワー ク レベ ル で 創 造 され る価 値 を考 え る と以 下 の よ う に な る こ と を指 摘 して い る。 「企 業 一NPO一.市 価 値+NPOが. 民 一 行 政 の ネ ッ トワ 「 ク に お い て 創 造 さ.れる価 値 」.〉 「企 業 が創 造 す る. 創 造 す る価 値+市 民 が 創 造 す る価 値+行. 政 が 創 造 す る価4i直 」. さ ら に、 こ の状 況.ドで は 、 経 営 者 とい え ど も経 営 者 個 人 の も.と.もとの 考 えや 発 想 の み で 意 思 決 定 を行 っ て い る わ けで は な く、 組 織 内 の 常 務 会 や 取 締 役 会 、 様 々 な部 署 の 従 業 員 た ち と の 相b.作 用..が.あ って 最 終 的 な 意 思 決 定 を行 っ て お り、 そ の 意 味 で は 、 例 え.ば、 あ る 企業 の 企 業r理. と い っ た 時 、 そ れ は組 織 全 体 の 倫 理 を 指 して お り、 人 格 の な い 組 織 の 倫 理 性 を 議 輪 す. る こ と の意 味 が 問 わ れ る こ と も あ る が、 多主 体 複 雑 系 理 論 か らす る と、 各 工 一 ジ ェ ン ト同 士 の 相 互 作 用 が 起 き た結 果 と して の 組 織 全体 の 倫 理 と個 人 で あ る経 営 者 の倫 理 は明 らか に 異 な る こ と を主 張 して い る。 ま た、 論文 提 出 者 は、.csx経 営 で は、 企 業 を取 り巻 く ス テ イ ク ホ ル ダ7か. らの要 請 と期 待. を把 握 し、 そ の 課 題 を 自社 の 問 題 と して取 り込 み 、 解 決 して.いく こ とに よ っ て、 新 た な価 値 を創 造 し、 ステ イ ク ホ ル ダ ー と の.間に信 頼 関 係 を構 築 す る こ と が 求 め られ て い る.。これ は、 ま さ.に、 多 主 体 複 雑 系 の 環 境 に お い て 、 企 業 が 他 の エ マ ジ ェ ン ト(ス テ イ ク ホ ル ダ ー)と の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を通 じて 学 習 し、 内 部 モ デ ル を精 緻 化 しな が ら.創 発 を起 こ し、 新 た な 価 値 を創 造 して い く と い う過 程 に他 な らな い と い う こ と を主 張 して い る。 さ らに 、 そ の よ う な協 調 行 動 と して のCSR活. 動 に よ り 、 社 会 の 効 率性 を 高 め る こ とが 可能 とな り、 社 会 の 信. 頼 関 係 、 規 範 、 ネ ッ トワ ー クの よ うな 蓄 積 され た社 会 的 仕 組 み が 構 築 され 、 これ が 企 業 に と っ て の 「.社 会 関 係 資 本(ソ. ー シ ャル ・キ ャ ピ タル:SocialCapital)」. とな る と指 摘 して い る。. 続 い て 、 論 文 提 出 者 は、 米 国 ワ シ ン トン州 シ ア トル に お け る 企 業 とNPOを. 一257一. は じめ とす る.
(18) 『1」 本 型CSR経. 営 の研究 』. 様 々 な コ ミ ュ ニ テ ィ を 構 成 す る 組 織 と の 関 係 を 事 例 と し て 示 し、 企 業 、NPO、. 市 民(個. 人〉. の コ ミ ュ ニ テ ィ と σ)関 わ り 方 が 示 す も の は 、 「.富と 能 力 の 循 環 」 の 発 想 で あ.る と し て い る 。 ま た 、 この 循 環 の シ ス テ ム を機 能 させ て い るの が て個 人 が そ れ ぞ れ 社 会 との 関 わ りの な か で. 「ミ ッ シ ョ ン」 で あ り 、 企 業 、NPO、. 「ミ ッ シ ョ ンJを. そ し. もち 、 そ れ を実 現 す る た め に活. 動 し て い る と主 張 し て い る 。 最 後 に 、 社 会 的 企 業 ・ ソ ー シ ャ ル ・エ ン タ ー プ ラ イ ズ や 社 会 起 業 家 の 活 動 を 取 り あ げ 、 こ れ ら 現 代 の 経 済 の 牽 引 す る 新 た な 主 体 の 登 場 は 、 現 代 の 企 業 やNPOが 的NPOの. 、従 来の企 業や 伝統. 領 域 を 超 え た 活 動 に携 わ る こ と が 期 待 さ れ て い る.こと を 示 して い る とra及. して い. る 。 ま た 、 社 会 的 企 業 の 増 加 は 、 株 主 価 値 の 最 大 化 を 目 指 す 従 来 の 株 式 会 社 の 限.界 が そ の 要 因 の ひ と つ と な っ て い る の で は な い か と い う 指 摘 を 行 っ て い る 。 しか し な が ら 、 社 会 的 企 業 は 、IPOを. 目 指 す 経 営 や 組 織 の 拡 大 化 の 方 向 性 は.と ら れ に く く 、 ま た 、 ミ ッ シ ョ ン の 達 成 も. 利 益 の 追 求 と同 様 に 重 視 す る 組 織 へ の 投 資 は 、.期 待 で き.る リ タ ー ンの 大 き さ や 短 期 的 利 益 を 犠 牲 に し て も長 期 的 な 効 果 を 重 要 視 す る 姿 勢 を と る こ と.か ら.して 、 投 資 家 や 金 融 機 関 に と っ て 魅 力 的 とは い え な い 。 した が っ て 、 社 会 的 事 業 に 対 す る 資 金 的 支 援 は 不 足 が ち と な るが 、 近 年 、 日 本 で もNPOバ り 、SRIの. ン ク に み ら れ る よ う な ソ ー シ ャ ル ・フ ァ イ.ナン ス の 活 動 が 登 場 し た. 他 に 、消 費 者 や 従 業 員 、 あ る い は 投 資 家 な ど の ス テ イ ク ホ ル ダ ー か らの 評 判 を 企. 業 の 重 要 な 資 産 と し て 定 量 化.し よ う と い う 動 き で あ る コ ーtレ (CorporateReputation>の. ー ト ・レ ピ ュ テ ー シ ョ ン. 潮 流 も で て き た り し て お り 、 経 済 性 と社.会性 の 融 合 が ビ ジ ネ ス の. 根 幹 に 存 在 す る こ と を指 摘 して い る。 論 文 提 轟 者 は 、CSR活. 動 や コ ー ポ セ ー ト ・レ ビ ュ テ ー シ.ヨン を 重 視 す る 金 融 機 関 が 増 加 し 、. 社 会 的 企 業 へ 資 金 が 流 れ る よ う に な る こ と は 、.事業 組 織 を 持 続.可能 な 存 在 へ と 変:革 さ せ 、 ひ い て は 社.会 変 革(ソ. ー シ ャ ル ・イ ノ ベ ー シ ョ ン 〉 を 実 現 す る た め に も 必 要 で あ る と 主 張 し て. いる。. 11章. 「結AAAは.、. 日本 企 業 の 多 く が 低 成 長 に 陥 っ て い る現 在 、.企.業は 、 リス ク を 伴 う大. き な 変 革 へ の道 に な ろ う と も、CSRを. 中 核 に据 えた 経 営 戦 略 を構 築 し、 実 施 す る こ と に よ っ. て、 競 争 優 位 を確 立 し、 持 続 的成 長 と社 会 の 発 展 を.目指 す こ と が必 要 で あ る こ と を指 摘 して い る 。 そ の た め に は 、 新 しい 発 想 で 問 題 解 決 に あ た るrrが. 必 要 で あ り、 共 感 能 力 や 遊 戯 の. 力 、 女 性 的 視 点 と い う異 質 なbを 組 織 内 に導 入 す る こ とは 検 討 に 値 す る と主 張 す る。 ま た 、 意 思 決 定 の 指 針 とな る企 業 倫 理 の 確 立 や 知 性 を重 視 し、 誠 実 さや 信 頼 を重 視 す る徳 倫 理 に 着 『す る こ と も必 要 で あ る と述 べ て い る。 さ らに 、ttlofuなどの 感 情.が企 業 経 営 にお い て 重 視 さ れ る 今 「1の状 況 で は 、 ケ ア の 倫 理 に着Hす. る こ と も有 効 とい え る。 さ らに 、 ス テ イ ク ホ ル ダ. ーへ の 配 慮 の う ち、 労 働 者 へ の 配 慮 を実 践 す る こ とがCSR経. 営 の 成 果 創 出 に大 き な影 響 を. 与 え る こ と が 明 らか と な り、 そ の こ とか ら も フ ロ ー体 験 を 生 み 出 す こ と の で き る職 務 麗 発 が. 288一.
関連したドキュメント
また、学位授与機関が作成する博士論文概要、審査要 旨等の公表についても、インターネットを利用した公表
1 Introduction and overview 1.1 Introduction 1.2 Model of the public goods game 2 Expectation of non-strategic sanctioning 2.1 Introduction 2.2 The game and experimental design
Jinxing Liang, Takahiro Matsuo, Fusao Kohsaka, Xuefeng Li, Ken Kunitomo and Toshitsugu Ueda, “Fabrication of Two-Axis Quartz MEMS-Based Capacitive Tilt Sensor”, IEEJ Transactions
Leaning by Expanding An activity-theoretical approach to developmental research.. Cambridge: Cambridge
第3節 チューリッヒの政治、経済、文化的背景 第4節 ウルリッヒ・ツウィングリ 第5節 ツウィングリの政治性 第6節
話教育実践を分析、検証している。このような二つの会話教育実践では、学習者の支援の
クター(SMB)およびバリューファクター(HML)および投資ファクター(AGR)の動的特性を得るために、特
ている。本論文では、彼らの実践内容と方法を検討することで、これまでの生活指導を重視し