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有明海・八代海の生物棲息環境の 評価・保全・再生

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Academic year: 2021

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(1)

有明海・八代海の生物棲息環境の 評価・保全・再生

内野 明徳1・逸見 泰久2・柿本 竜治3・福田  靖4・上村  彰5

1研究代表者  熊本大学理学部教授(沿岸域環境科学教育研究センター長)

2学内共同研究者  熊本大学沿岸域環境科学教育研究センター教授 3学内共同研究者  熊本大学政策創造研究センター助教授

4学外共同研究者  九州ルーテル学院大学教授 5学外共同研究者  熊本県環境生活部自然保護課 

生 物 相 の 把 握 と い う 最 も オ ー ソ ド ッ ク ス な 手 法 を 軸 に , 生 物 棲 息 環 境 の 評 価 ・ 保 全 ・ 再 生 と モ ニ タ リ ン グ の 実 施 を 通 し て ,( 1 )生 物 多 様 性 保 全 の た め の 生 物 棲 息 環 境 の 把 握 と 評 価 ,( 2 )水 産 資 源 の 持 続 的 利 用 の た め の 管 理 技 術 の 確 立 ,( 3 )環 境 と 調 和 し た 防 災 と 開 発 の 3 つ の 課 題 に 取 り 組 ん だ .

生 物 多 様 性 保 全 の た め の 生 物 棲 息 環 境 の 把 握 と 評 価 で は , 熊 本 県 内 の 9 海 岸 を 対 象 に 底 生 動 物 相 の 評 価 方 法 の 検 討 を 行 っ た . そ の 結 果 , 棲 息 環 境 の 評 価 に は , 種 類 数 や 希 少 種 出 現 だ け で な く , よ り 多 く の 項 目 を 検 討 す る 必 要 が あ る こ と が わ か っ た .

水 産 資 源 の 持 続 的 利 用 の た め の 管 理 技 術 の 確 立 で は , ハ マ グ リ の 厳 格 な 資 源 管 理 が 行 わ れ て い る 加 布 里 湾 ( 福 岡 県 ) と ほ と ん ど 資 源 管 理 が 行 わ れ て い な い 白 川 河 口 ( 熊 本 県 ) で 比 較 調 査 を 行 い , 資 源 管 理 技 術 の 確 立 と ブ ラ ン ド 化 に よ る 付 加 価 値 の 可 能 性 を 探 っ た .

環 境 と 調 和 し た 防 災 と 開 発 で は , 堤 防 建 設 地 の 塩 性 植 物 や 貝 類 の 移 植 実 験 を 行 う な ど , 塩 性 生 物 群 落 の 保 全 技 術 の 開 発 を 行 っ た .

1 .   は じ め に  

  現 在 , 有 明 海 ・ 八 代 海 の 水 産 資 源 は 環 境 の 悪 化 に よ り 衰 退 の 一 途 に あ る . ま た , 両 海 域 の 生 物 多 様 性 は 減 少 し , 特 徴 的 で 学 術 的 に も 貴 重 な 種 が 急 速 に 失 わ れ て い る . ま た , 外 来 種 の 侵 入 に よ る 遺 伝 子 汚 染 の 問 題 も 顕 在 化 し て き た . さ ら に , 環 境 へ の 配 慮 に 欠 け る 防 災 工 事 や 埋 立 な ど の 開 発 事 業 が 継 続 さ れ , 生 物 棲 息 環 境 の 悪 化 に 拍 車 を か け て い る .      

(2)

  今 後 , 現 状 に 則 し た 水 産 資 源 の 新 た な 管 理 と 生 物 多 様 性 保 全 技 術 の 開 発 が 急 務 で あ る . ま た , 環 境 と 調 和 し た 防 災 工 事 の 実 施 や , 開 発 事 業 に 対 す る 規 制 ・ 事 業 変 更 の 判 断 基 準 の 確 立 も 不 可 欠 で あ る . し か し , 沿 岸 域 の 環 境 は 陸 域 ・ 海 域 の 影 響 を 強 く 受 け る た め に , 変 動 が 激 し い の に 加 え て , 独 立 し た 小 面 積 の 地 域 と し て 把 握 す る こ と が 難 し い . そ の た め , 河 川 や 里 山 と い っ た 環 境 に 比 べ て , 管 理 技 術 の 確 立 が 遅 れ て い る .   実 効 性 と 持 続 性 の あ る 技 術 の 開 発 に は , 対 象 地 域 の 生 物 相 の 把 握 と 評 価 , ひ い て は 生 態 系 全 体 の 理 解 が 不 可 欠 で あ り , そ れ に は 緻 密 な 現 地 調 査 と 高 度 な 環 境 評 価 能 力 を 要 す る . さ ら に , 水 産 資 源 の 管 理 や 環 境 と 調 和 し た 防 災 事 業 に は , 漁 業 者 や 地 域 住 民 の 合 意 形 成 も 必 要 と な る .

本 プ ロ ジ ェ ク ト は , 生 物 多 様 性 の 保 全 ・ 水 産 資 源 の 持 続 的 利 用 ・ 環 境 に 調 和 し た 防 災 と 開 発 事 業 と い う 3 つ の 柱 を 持 つ . 本 プ ロ ジ ェ ク ト で は , 生 物 相 の 解 明 と 棲 息 環 境 の ラ ン ク 付 け を 基 礎 に , こ れ ら 3 つ の 課 題 を 有 機 的 に 結 合 し て , 政 策 提 言 を 遂 行 し て い く .

2 .   生 物 多 様 性 保 全 の た め の 生 物 棲 息 環 境 の 把 握 と 評 価  

( 1 ) は じ め に

  熊 本 県 は , 有 明 海 ・ 八 代 海 ・ 天 草 灘 と い っ た 恵 ま れ た 海 域 環 境 を 持 つ 県 で あ る . 干 潟 面 積 は 全 国 一 で , 魚 貝 類 に も 恵 ま れ て い る . ま た , 他 県 で は 絶 滅 , あ る い は 激 減 し て し ま っ た 海 岸 生 物 が 比 較 的 豊 富 に 残 っ て い る 県 で も あ る .

  し か し , 近 年 の 相 次 ぐ 埋 立 や 堤 防 建 設 , あ る い は 海 域 環 境 の 悪 化 に よ っ て , 県 内 で も 絶 滅 が 危 惧 さ れ る 生 物 が 続 出 し て い る . ま た , 過 去1 0年 の 間 に , 外 来 種 の 侵 入 ・ 定 着 が 相 次 ぎ , 交 雑 な ど に よ る 遺 伝 子 汚 染 の 問 題 も 顕 在 化 し て き た .

  今 後 , 沿 岸 域 の 生 物 多 様 性 を 保 全 す る た め に は , オ ー ソ ド ッ ク ス な 手 法 で は あ る が , そ れ ぞ れ の 地 域 に お け る 生 物 相 の 把 握 が 不 可 欠 で あ る . さ ら に , そ の 上 で , 生 物 棲 息 環 境 の 評 価 を 行 い , そ れ ぞ れ の 地 域 に 応 じ た 保 全 ・ 再 生 策 や 開 発 に 対 す る 規 制 等 を 検 討 す る の が 効 果 的 で あ る .

  本 研 究 で は , 熊 本 県 内 の 生 物 多 様 性 の 高 い 9 海 岸 を 対 象 に , 最 近 実 施 さ れ た 底 生 動 物 の 現 地 調 査 を 基 に , 生 物 棲 息 環 境 の 評 価 技 術 の 検 討 を 行 っ た .

( 2 ) 調 査 方 法

  調 査 を 行 っ た の は , 干 潟 を 中 心 と し た 以 下 の9地 域 で あ る ( 図 1 ) . そ れ ぞ れ2 0 0 2

〜2 0 0 4年 に 現 地 調 査 を 行 い , 底 生 動 物 相 を 明 ら か に し た . た だ し , 球 磨 川 に つ い て は

十 分 な 調 査 を 行 う こ と が で き な か っ た た め , 和 田 (2 0 0 5) の デ ー タ を 用 い た . な お , 調 査 に 際 し て は , 特 に 希 少 種 や 外 来 種 の 出 現 に 留 意 し た .

( a ) 菊 池 川

  熊 本 県 玉 名 市 . 菊 池 川 の 河 岸 ・ 河 口 の 干 潟 . 河 川 域 で は シ ジ ミ 類 , 河 口 域 で は ア サ リ が 漁 獲 さ れ て い る . 植 生 調 査 地 は , 河 口 か ら3 k m程 上 流 の ヨ シ 原 で あ る . 河 岸 部 に

(3)

は 堤 防 が な く , す ぐ 道 路 に な っ て い た . 松 原 海 水 浴 場 は ア サ リ の 漁 場 で , 大 潮 時 に は

沖 合2 k m程 度 ま で 干 潟 が 干 出 す る . 河 口 近 く の 干 潟 で は , 地 元 市 民 に よ っ て ハ マ グ リ

が 採 集 さ れ て い る .

  な お , 現 地 調 査 は ,2 0 0 4年4月2 2日 に 行 っ た .

図 1 調 査 地 位 置 図

( b ) 塩 屋

  熊 本 市 . タ ケ ノ コ カ ワ ニ ナ ・ セ ン ベ イ ア ワ モ チ が 多 産 し , シ イ ノ ミ ミ ミ ガ イ が 見 ら れ た 塩 屋 地 区 の 湿 地 は , 漁 港 の 拡 張 工 事 で 完 全 に 消 失 し た . 調 査 は , 河 内 地 区 か ら 坪 井 川 河 口 の 広 い 範 囲 で 行 っ た . 植 生 調 査 は 坪 井 川 河 口 の ヨ シ 原 で 行 っ た . 坪 井 川 は 小 河 川 で . 河 口 の 干 潟 は 隣 接 す る 白 川 ・ 緑 川 の 影 響 が 大 き い . 河 内 地 区 の 干 潟 は , 主 と し て 砂 泥 地 で , 春 季 を 中 心 に ア サ リ の 漁 獲 が 行 わ れ て い る . 坪 井 川 河 口 の 干 潟 は , 主 に 泥 地 で あ っ た . 坪 井 川 と 白 川 に 囲 ま れ た 干 潟 は , 砂 泥 か ら 泥 で , 干 潟 下 部 で は ア サ リ 漁 場 と な っ て い た .

  な お , 現 地 調 査 は ,2 0 0 4年5月8日 ,5月2 1日 に 行 っ た . ( c ) 緑 川

  熊 本 県 宇 土 市 ・ 熊 本 市 . 有 明 海 東 部 に 注 ぐ 緑 川 河 口 に 広 が る 干 潟 で あ る . ほ と ん ど の 海 岸 部 で 埋 立 ( 干 拓 ) や 護 岸 が 行 わ れ て い る た め , 植 生 ( ヨ シ な ど ) は 河 川 内 の み に 見 ら れ る . 漁 業 の 盛 ん な 地 域 で , ア サ リ ・ ハ マ グ リ ・ マ テ ガ イ な ど の 二 枚 貝 が 漁 獲 さ れ る 他 , 海 苔 養 殖 ( 干 潟 部 で は 支 柱 式 , 沖 で は 浮 流 し 式 ) も 広 く 行 わ れ て い る . 緑 川 か ら 最 も 離 れ た 御 輿 来 に は , 砂 質 〜 砂 泥 質 の 干 潟 が 広 が っ て お り , 緑 川 の 影 響 を 強 く 受 け て は い る も の の , 前 浜 的 性 質 が 強 い . 干 潟 上 部 に は わ ず か に 岩 礁 が あ る . 近 年 ,

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マ リ ー ナ 建 設 の た め に 隣 接 海 岸 部 が 埋 め 立 て ら れ た . 緑 川 河 口 部 の 住 吉 は , 砂 泥 〜 泥 質 の 干 潟 で , ア サ リ の 漁 場 と な っ て い る . 一 方 , 緑 川 河 岸 部 の 多 く は ヨ シ 原 に な っ て お り , ヨ シ 原 下 部 に 泥 〜 軟 泥 の 干 潟 が 発 達 す る

  な お , 現 地 調 査 は ,2 0 0 3年5月5日 に 行 っ た . ( d ) 松 島

  熊 本 県 上 天 草 市 松 島 町 . 永 浦 島 周 辺 に 広 が る 前 浜 干 潟 で , 底 質 は 軟 泥 〜 砂 質 , 砂 礫 質 , 転 石 と 多 様 で あ る . 漁 業 活 動 は ほ と ん ど 行 わ れ て い な い . 調 査 を 行 っ た ヨ シ 原 は 干 潟 と は 道 路 で 隔 て ら れ て お り , 水 路 を 通 し て 海 水 が 出 入 り し て い る . 永 浦 干 潟 は2 0 年 ほ ど 前 ま で は 海 水 浴 場 だ っ た が , 現 在 は 利 用 さ れ て い な い . ク ル マ エ ビ の 養 殖 場 と 温 泉 旅 館 が 隣 接 し て い る . 干 潟 上 部 に は 堤 防 が あ る . 干 潮 時 に は 陸 続 き に な る 横 島 周 辺 の 干 潟 は , 転 石 が 多 い . 底 質 は 砂 礫 ・ 砂 泥 ・ 泥 質 と 多 様 で , 潮 だ ま り も 多 い . 天 草 ビ ジ タ ー セ ン タ ー に 隣 接 す る 干 潟 は , 周 囲 は 岩 礁 , 後 背 地 に は ク ロ マ ツ な ど の 植 生 帯 が 自 然 に 近 い 状 態 で 続 く .

  な お , 現 地 調 査 は ,2 0 0 3年4月2 1日 ,4月3 0日 に 行 っ た . ( e ) 本 渡

  熊 本 県 本 渡 市 . 本 渡 瀬 戸 周 辺 に 点 在 す る 干 潟 群 で あ る . 大 部 分 は 砂 質 の 前 浜 干 潟 で あ る が , 広 瀬 川 ・ 亀 川 河 口 に は 小 規 模 な 河 口 干 潟 が 見 ら れ る . 干 潟 の 大 部 分 は 小 潮 時 に は 干 出 し な い . 干 潟 で は ア サ リ な ど の 二 枚 貝 が 漁 獲 さ れ て い る が , 近 年 , 漁 獲 量 が 激 減 し て い る . 干 潟 群 の 中 央 に 本 渡 港 が あ り , 航 路 確 保 の た め に 海 底 土 砂 が 浚 渫 さ れ て い る . 茂 木 根 は 茂 木 根 川 が 流 入 す る 海 水 浴 場 で あ る が , 流 入 土 砂 は 少 な く , 前 浜 干 潟 の 性 質 が 強 い . 防 波 堤 建 設 な ど , 近 年 , 環 境 の 改 変 が 著 し い . 広 瀬 川 河 口 は 礫 ・ 転 石 の 多 い 干 潟 で あ る が , ア サ リ が 多 く , 潮 干 狩 り が 盛 ん で あ る . 瀬 戸 の 干 潟 は 「 本 渡 干 潟 」 と 呼 ば れ , 市 民 に 親 し ま れ て い る . ま た , 小 規 模 で は あ る が , ガ ザ ミ や ク ル マ エ ビ な ど の 畜 養 が 行 わ れ て い る .

  な お , 現 地 調 査 は ,2 0 0 3年9月2 7日 に 行 っ た . ( f ) 羊 角 湾

  熊 本 県 天 草 郡 河 浦 町 , 牛 深 市 . 羊 角 湾 の 奥 部 に 発 達 し た 干 潟 で , 町 田 川 ・ 早 浦 川 河 口 に は 河 口 干 潟 が 広 が る が , 河 口 か ら 離 れ た 干 潟 は 前 浜 的 で あ る . 植 生 調 査 は , 早 浦 川 河 口 の 小 規 模 な ヒ ト モ ト ス ス キ 群 落 で 行 っ た . 早 浦 川 の 河 口 干 潟 の 潮 上 帯 は 礫 浜 に な っ て い た . 早 浦 川 の 河 口 部 は , 中 止 に な っ た 羊 角 湾 埋 立 計 画 の 名 残 で , 石 積 み が 残 っ て い た .

  な お , 現 地 調 査 は ,2 0 0 4年7月3 1日 に 行 っ た . ( g ) 大 野 川

  熊 本 県 宇 城 市 ( 松 橋 町 , 不 知 火 町 ) . 大 野 川 河 口 に 広 が る 干 潟 で , 不 知 火 干 拓 が あ る た め , や や 閉 鎖 的 環 境 で あ る . 大 野 川 の 他 , 五 丁 川 ・ 砂 川 が 流 入 す る . 漁 業 も 比 較 的 盛 ん で , 二 枚 貝 や エ ビ 類 が 漁 獲 さ れ る 他 , 海 苔 養 殖 が 行 わ れ て い る . 北 部 の 海 岸 は 護 岸 さ れ て い る が , 自 然 が よ く 残 っ て お り , 山 間 部 か ら 淡 水 の 流 入 が あ る た め , 潮 間 帯 上 部 に は ヨ シ ・ フ ク ド な ど の 植 生 が 見 ら れ る . 部 分 的 に は 砂 礫 ・ 転 石 ・ 岩 礁 帯 に な っ て い る が , 潮 間 帯 の 大 部 分 は 泥 〜 軟 泥 質 で あ る . 南 部 の 海 岸 に は 植 生 や 砂 礫 ・ 転 石 ・ 岩 礁 帯 は な い . 干 潟 部 に は , 部 分 的 に カ キ 磯 や ホ ト ト ギ ス ガ イ ベ ッ ド が 見 ら れ る .

(5)

大 野 川 の 河 口 の 大 部 分 は 軟 泥 質 の 干 潟 で , 川 岸 は コ ン ク リ ー ト 護 岸 さ れ て い る . 一 方 , 上 流 部 は 石 垣 程 度 の 護 岸 し か な い た め , 植 生 が 豊 か で あ る . ヨ シ 原 の 下 部 が , 砂 泥 か ら 泥 質 の 干 潟 に な っ て い る

  な お , 現 地 調 査 は ,2 0 0 3年5月2日 ,1 0月8日 ,1 0月1 0日 に 行 っ た . ( h ) 氷 川

  熊 本 県 八 代 郡 竜 北 町 ・ 鏡 町 . 氷 川 河 口 の 河 口 干 潟 . 河 口 の 中 州 に 発 達 す る 植 生 は , ヨ シ を 主 体 と し , フ ク ド , ナ ガ ミ ノ オ ニ シ バ , シ オ ク グ が 散 在 す る . 中 洲 の 北 部 に は 支 流 が 流 れ , 干 潮 時 に は 澪 筋 が 残 る 程 度 で あ っ た . 野 崎 地 先 は , 2k m以 上 沖 合 ま で 砂 泥 質 の 干 潟 が 広 が る . 不 知 火 干 拓 地 先 は . 干 潟 下 部 に は ホ ト ト ギ ス ガ イ が マ ッ ト 状 に 散 在 . 河 岸 ・ 海 岸 部 は す べ て コ ン ク リ ー ト 護 岸 .

  な お , 現 地 調 査 は ,2 0 0 3年1 0月8日 ,2 0 0 4年6月2 9日 ,9月1 6日 に 行 っ た . ( i ) 球 磨 川

  熊 本 県 八 代 市 . 球 磨 川 の 河 口 に 広 が る 広 大 な 干 潟 . 球 磨 川 が 急 流 の た め , 上 柳 橋 よ り 上 流 部 は 砂 礫 が 多 い . 植 柳 橋 と 新 金 剛 橋 の 間 に は , ヨ シ を 主 体 と す る 塩 性 湿 地 が 発 達 し て い る . 河 口 部 は , ア サ リ ・ ハ マ グ リ の 漁 場 で あ る が , 近 年 漁 獲 高 が 激 減 し て い る . 底 質 は , 砂 礫 か ら 泥 質 と 多 様 で あ る . な お , 大 部 分 の 海 岸 線 は 人 工 護 岸 化 さ れ て い る .

  な お , 現 地 調 査 は , 和 田 太 一 に よ っ て ,2 0 0 4年8月1 2日 ,1 0月2 4・2 5日 ,1 2月3 1 日 に 行 わ れ た ( 和 田 2 0 0 5) .

( 3 ) 調 査 結 果

  分 類 群 別 出 現 種 数 を 図 2 に 示 す .

図 2 分 類 群 別 出 現 種 数 の 比 較

0 20 40 60 80 100 120 140 160

菊池川 塩屋 緑川 松島 本渡 羊角湾 大野川 氷川 球磨川

多毛類 貝類 甲殻類

種類数 その他

調査地点

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( a ) 菊 池 川

  9 4種 類 ( 多 毛 類2 1種 , 貝 類2 8種 , 甲 殻 類3 1種 , そ の 他1 4種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ れ た . ヨ シ 原 を 中 心 と す る 塩 性 湿 地 で は , オ カ ミ ミ ガ イ ・ ク シ テ ガ ニ ・ チ ゴ ガ ニ が , 次 い で , カ ワ ザ ン シ ョ ウ 類 ・ ヘ ナ タ リ 類 ・ ア リ ア ケ ガ ニ が 多 か っ た . ま た , 僅 か で は あ っ た が , タ イ ワ ン シ ジ ミ が 確 認 さ れ た . 松 原 海 水 浴 場 に は , フ サ ゴ カ イ 類 ・ シ オ フ キ ・ ア ナ ジ ャ コ 類 , 次 い で , マ ル テ ン ス マ ツ ム シ ・ ア サ リ ・ オ サ ガ ニ が 多 か っ た . ま た , ツ バ サ ゴ カ イ ・ ア ン チ ラ サ メ ハ ダ ホ シ ム シ も 確 認 さ れ た . 河 口 部 に は , コ メ ツ キ ガ ニ が 多 く , ハ マ グ リ ・ オ チ バ ガ イ ・ ヒ メ ケ フ サ イ ソ ガ ニ も 確 認 さ れ た . 河 口 上 流 域 に は , チ ゴ ガ ニ , 次 い で , ヤ マ ト オ サ ガ ニ が 多 か っ た . 他 に , コ ウ ロ エ ン カ ワ ヒ バ リ ガ イ ・ ハ ラ グ ク レ チ ゴ ガ ニ ・ ア リ ア ケ ガ ニ ・ ト ビ ハ ゼ ・ ム ツ ゴ ロ ウ も 確 認 さ れ た . ( b ) 塩 屋

  1 2 0種 類 ( 多 毛 類2 5種 , 貝 類3 2種 , 甲 殻 類4 0種 , そ の 他2 3種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ

れ た . ヨ シ 原 は , 大 変 小 規 模 な も の で あ っ た が , ア ズ キ カ ワ ザ ン シ ョ ウ ・ オ カ ミ ミ ガ イ ・ ク シ テ ガ ニ ・ ア リ ア ケ ガ ニ な ど 多 く の 種 が 確 認 さ れ た . 河 内 海 岸 に は , ム ギ ワ ラ ム シ ・ ア サ リ ・ シ オ フ キ , 次 い で , シ マ メ ノ ウ フ ネ ガ イ ( 外 来 種 ) ・ コ ケ ガ ラ ス ・ ト ゲ イ カ リ ナ マ コ が 多 か っ た 他 , ハ イ ガ イ ・ タ イ ラ ギ も 確 認 さ れ た . 坪 井 川 河 口 に は , マ ル テ ン ス マ ツ ム シ ・ ヤ マ ト オ サ ガ ニ , 次 い で , ア サ リ ・ シ オ フ キ ・ マ メ コ ブ シ が 多 か っ た 他 , ア リ ア ケ ケ ボ リ ・ メ ナ シ ピ ン ノ も 確 認 さ れ た . 白 川 河 口 に は , マ ガ キ ・ ア サ リ ・ ヤ マ ト オ サ ガ ニ , 次 い で , コ ウ ロ エ ン カ ワ ヒ バ リ ガ イ ( 外 来 種 ) ・ シ オ フ キ ・ シ ロ ス ジ フ ジ ツ ボ ・ ヤ マ ト オ サ ガ ニ ・ ム ツ ハ ア リ ア ケ ガ ニ が 多 か っ た 他 , ミ ド リ シ ャ ミ セ ン ガ イ ・ サ キ グ ロ タ マ ツ メ タ ・ ゴ マ フ ダ マ が 確 認 さ れ た .

( c ) 緑 川

  1 0 7種 類 ( 多 毛 類2 2種 , 貝 類2 8種 , 甲 殻 類3 7種 , そ の 他2 0種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ

れ た . ヨ シ 原 を 中 心 と す る 塩 性 湿 地 に は , ク ロ ベ ン ケ イ ガ ニ ・ ベ ン ケ イ ガ ニ な ど の イ ワ ガ ニ 類 , オ カ ミ ミ ガ イ ・ ヒ ロ ク チ カ ノ コ な ど の 巻 貝 が 多 か っ た . 御 輿 来 海 岸 に は , マ テ ガ イ が 多 い 他 , イ ソ ギ ン チ ャ ク 類 ・ ゴ カ イ 類 が 多 か っ た . 住 吉 海 岸 に は , ア サ リ ・ ア ナ ジ ャ コ が 多 か っ た 他 , タ イ ラ ギ ・ ヒ メ ヤ マ ト オ サ ガ ニ ・ ミ ド リ シ ャ ミ セ ン ガ イ な ど も 見 ら れ た . 平 木 海 岸 に は , ド ロ ク ダ ム シ の 一 種 ・ チ ゴ ガ ニ ・ ゴ カ イ 類 が 多 く , ア リ ア ケ ガ ニ ・ ア リ ア ケ モ ド キ な ど も 見 ら れ た .

( d ) 松 島

  1 5 3種 類 ( 多 毛 類3 5種 , 貝 類4 3種 , 甲 殻 類4 9種 , そ の 他2 6種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ

れ た . ヨ シ 原 の 生 物 相 は 貧 弱 で , ア シ ハ ラ ガ ニ な ど の イ ワ ガ ニ 類 が 比 較 的 多 く 見 ら れ る 程 度 で あ っ た . 永 浦 干 潟 西 部 は 生 物 相 が 豊 か で , 上 部 に は ハ ク セ ン シ オ マ ネ キ , 中 部 に は ホ ソ ウ ミ ニ ナ ・ ユ ビ ナ ガ ホ ン ヤ ド カ リ な ど が 多 い 他 , 下 部 で は ホ シ ム シ 類 ・ ナ マ コ 類 な ど が 見 ら れ た . 永 浦 干 潟 東 部 に は , ア サ リ ・ マ ガ キ ・ ア ナ ジ ャ コ ・ ス ナ ガ ニ 類 が 多 か っ た . ま た , 転 石 が 多 い た め , ス ガ イ な ど 岩 礁 性 の 生 物 も 見 ら れ た . ビ ジ タ ー セ ン タ ー 下 の 干 潟 に は , ゴ カ イ 類 , コ メ ツ キ ガ ニ ・ オ サ ガ ニ な ど の ス ナ ガ ニ 類 , ト ゲ イ カ リ ナ マ コ な ど の ナ マ コ 類 が 多 か っ た .

( e ) 本 渡

  9 5種 類 ( 多 毛 類2 3種 , 貝 類2 6種 , 甲 殻 類2 1種 , そ の 他2 5種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ

(7)

れ た . 茂 木 根 に は , ム ギ ワ ラ ム シ な ど の ゴ カ イ 類 , ス ナ モ グ リ 類 , ハ ゼ 類 が 多 く , ハ マ グ リ ・ バ カ ガ イ な ど の 二 枚 貝 も 見 ら れ た . 広 瀬 川 に は , ホ ソ ウ ミ ニ ナ , ア サ リ ・ オ キ シ ジ ミ な ど の 二 枚 貝 , ハ ク セ ン シ オ マ ネ キ ・ チ ゴ ガ ニ な ど の ス ナ ガ ニ 類 が 多 く , 転 石 地 で は ヒ ザ ラ ガ イ ・ ヒ ラ イ ソ ガ ニ も 見 ら れ た . 本 渡 瀬 戸 に は , ム ギ ワ ラ ム シ ・ イ ボ キ サ ゴ ・ サ ン シ ョ ウ ウ ニ が 多 く , ウ ミ サ ボ テ ン ・ ツ バ サ ゴ カ イ ・ オ オ ヨ コ ナ ガ ピ ン ノ な ど も 見 ら れ た .

( f ) 羊 角 湾

  9 3種 類 ( 多 毛 類9種 , 貝 類3 7種 , 甲 殻 類3 5種 , そ の 他1 2種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ れ た . 早 浦 川 河 口 の ヒ ト モ ト ス ス キ な ど が 混 じ る 塩 性 湿 地 に は , ウ ミ ニ ナ ・ フ ト ヘ ナ タ リ ・ フ ナ ム シ ・ ユ ビ ア カ ベ ン ケ イ ・ フ タ バ カ ク ガ ニ が 多 く , オ カ ミ ミ ガ イ ・ オ キ ヒ ラ シ イ ノ ミ ガ イ ・ ウ モ レ ベ ン ケ イ ガ ニ な ど も 確 認 さ れ た . 早 浦 川 の 河 口 干 潟 の 西 端 部 に は , カ キ 礁 が 点 在 し , シ ロ フ ジ ツ ボ が 多 数 付 着 す る 他 , 周 囲 に は , イ ボ ウ ミ ニ ナ ・ ホ ソ ウ ミ ニ ナ ・ シ オ ヤ ガ イ が 多 く , ミ ヤ コ ド リ ・ ユ ウ シ オ ガ イ ・ イ チ ョ ウ シ ラ ト リ ・ ヒ メ ベ ン ケ イ ガ ニ ・ サ メ ハ ダ ホ シ ム シ も 確 認 さ れ た . 中 島 で は , マ ガ キ の 他 , カ ワ ア イ ・ シ オ ヤ ガ イ ・ ヒ メ ヤ マ ト オ サ ガ ニ が 多 か っ た . ま た , カ ニ ノ テ ム シ ロ ・ ム ツ ハ ア リ ア ケ ガ ニ ・ サ メ ハ ダ ホ シ ム シ も 確 認 さ れ た . 早 浦 川 の 河 口 に は , マ ガ キ 周 辺 に , ヒ バ リ ガ イ モ ド キ ・ シ ロ ス ジ フ ジ ツ ボ ・ ユ ビ ナ ガ ホ ン ヤ ド カ リ ・ ケ フ サ イ ソ ガ ニ が 多 か っ た 他 , 泥 地 で は , カ ワ ア イ ・ ヒ メ ヤ マ ト オ サ ガ ニ ・ ア ベ ハ ゼ が 多 か っ た 他 , ハ イ ガ イ も 確 認 さ れ た .

( g ) 大 野 川

  7 9種 類 ( 多 毛 類8種 , 貝 類3 3種 , 甲 殻 類2 9種 , そ の 他9種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ れ た . 不 知 火 町 海 岸 部 の 干 潟 上 部 に は ヘ ナ タ リ 類 が 非 常 に 多 く , 他 に ヤ マ ト オ サ ガ ニ や ム ツ ゴ ロ ウ な ど も 多 く 見 ら れ た 他 , ウ ミ マ イ マ イ も 確 認 さ れ た . 干 潟 下 部 は 部 分 的 に カ キ 磯 や ホ ト ト ギ ス ガ イ ベ ッ ド に な っ て お り , ゴ カ イ 類 が 多 か っ た 他 , ハ イ ガ イ も 確 認 さ れ た . 大 野 川 河 口 部 に も ヘ ナ タ リ 類 ・ ム ツ ゴ ロ ウ が 多 か っ た が , や や 上 流 部 は , ヘ ナ タ リ 類 の 他 , シ オ マ ネ キ な ど の ス ナ ガ ニ 類 が 多 か っ た . ま た , ヨ シ 原 で は , ヒ ロ ク チ カ ノ コ や ヤ ベ カ ワ モ チ な ど が 多 く 棲 息 し て い た .

( h ) 氷 川

  7 1種 類 ( 多 毛 類7種 , 貝 類2 7種 , 甲 殻 類2 8種 , そ の 他9種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ れ た . ヨ シ 原 に は , ヘ ナ タ リ 類 ( シ マ ヘ ナ タ リ な ど ) ・ カ ニ 類 ( ク シ テ ガ ニ な ど ) が 多 か っ た 他 , ア ズ キ カ ワ ザ ン シ ョ ウ ・ ヒ ロ ク チ カ ノ コ ・ ア リ ア ケ ガ ニ な ど も 確 認 さ れ た . ヨ シ 原 下 部 の 干 潟 で は , ヘ ナ タ リ 類 ・ ヤ マ ト オ サ ガ ニ が 多 か っ た 他 , シ オ マ ネ キ ・ ア リ ア ケ モ ド キ ・ ト ビ ハ ゼ ・ ム ツ ゴ ロ ウ も 少 な く な か っ た . 野 崎 地 先 に は , ア サ リ ・ シ オ フ キ ・ マ テ ガ イ ・ オ サ ガ ニ ・ ト ゲ イ カ リ ナ マ コ が 多 か っ た 他 , ア リ ア ケ ケ ボ リ ガ イ ・ ハ イ ガ イ ・ タ イ ラ ギ ・ ミ ド リ シ ャ ミ セ ン ガ イ ・ ア リ ア ケ ヤ ワ ラ ガ ニ ・ ヨ コ ナ ガ モ ド キ ・ ム ツ ハ ア リ ア ケ ガ ニ が 確 認 さ れ た . 不 知 火 干 拓 地 先 上 部 に は , カ ワ ア イ ・ ヤ マ ト オ サ ガ ニ が 多 か っ た . 下 部 に は , ホ ト ト ギ ス ガ イ の マ ッ ト が 散 在 し , ア ラ ム シ ロ ガ イ が 多 か っ た 他 , 1 個 体 で は あ る が コ ケ ガ ラ ス が 採 集 さ れ た ( 八 代 海 初 記 録 ) . ( i ) 球 磨 川

  和 田 (2 0 0 5) に よ っ て ,9 4種 類 ( 多 毛 類6種 , 貝 類4 3種 , 甲 殻 類4 4種 , そ の 他1

(8)

種 ) の 底 生 動 物 が 確 認 さ れ て い る . 植 柳 橋 周 辺 で は , ヒ ロ ク チ カ ノ コ ・ タ ケ ノ コ カ ワ ニ ナ ・ ム シ ヤ ド リ カ ワ ザ ン シ ョ ウ ・ ヤ マ ト シ ジ ミ ・ ヒ メ ケ フ サ イ ソ ガ ニ な ど が 確 認 さ れ て い る . 新 金 剛 橋 付 近 で は , ク ロ ヘ ナ タ リ ・ シ マ ヘ ナ タ リ ・ ク リ イ ロ カ ワ ザ ン シ ョ ウ ・ シ オ マ ネ キ ・ ハ ク セ ン シ オ マ ネ キ な ど が 確 認 さ れ て い る . 平 和 町 地 先 の 干 潟 で は , イ ボ ニ シ ・ ハ イ ガ イ ・ ハ マ グ リ ・ ト リ ウ ミ ア カ イ ソ モ ド キ な ど が 確 認 さ れ て い る .

表 1 熊 本 県 レ ッ ド デ ー タ リ ス ト 掲 載 種 出 現 状 況 ( 絶 滅 危 惧I A・I Bの み )

( 4 ) 考 察

  海 岸 の 埋 立 等 に 先 立 つ ア セ ス メ ン ト で は , 出 現 種 数 な ら び に 希 少 種 の 棲 息 が 重 視 さ れ る こ と が 多 い . 熊 本 県 内 の 生 物 多 様 性 の 高 い 9 海 岸 で , 出 現 種 数 ( 図 2 ) と 希 少 種 の 棲 息 ( 表 1 ) を 比 較 し た と こ ろ , 両 者 に 明 確 な 関 係 は 見 ら れ な か っ た .

  こ れ は 特 に 種 数 は 環 境 の 多 様 性 に 強 く 影 響 さ れ る た め で あ ろ う . 例 え ば , 最 も 種 数 の 多 か っ た 松 島 は , 干 潟 ・ 転 石 ・ 岩 礁 を 含 む 多 様 な 海 岸 で あ る . こ こ で は ,1 5 0種 以 上 の 底 生 動 物 が 確 認 さ れ た が , 熊 本 県 レ ッ ド デ ー タ リ ス ト ( 熊 本 県 2 0 0 4) で 絶 滅 危 惧I A・I Bに 指 定 さ れ て い る 種 は 8 種 し か 出 現 し な か っ た . し か も , そ の う ち 5 種 ( ヒ ナ ノ ズ キ ン ・ オ オ ヨ コ ナ ガ ピ ン ノ ・ マ ゴ コ ロ ガ イ ・ ア リ ア ケ カ ボ リ ・ ツ ル マ ル ケ ボ リ ) が 寄 生 種 で あ り 多 く の ア セ ス メ ン ト で は 見 逃 さ れ が ち な 種 で あ る . 一 方 , 砂 質 か ら 砂 泥 質 の 干 潟 の み か ら な る 本 渡 干 潟 は , 出 現 種 数 ・ 希 少 種 共 に 少 な か っ た . 今 後 , 棲 息 環 境 の 評 価 に は , 種 類 数 や 希 少 種 出 現 だ け で な く , よ り 多 く の 項 目 を 検 討 す る 必

菊池川 塩屋 緑川 松島 本渡 羊角湾 大野川 氷川 球磨川

アリアケヤワラガニ

ヒメヤマトオサガニ

シマヘナタリ

絶滅危惧 ヤベガワモチ

IA類 ウミマイマイ

オキヒラシイノミ

ヒナノズキン 1

種数 1 0 2 2 0 2 3 4 2

ミサキギボシムシ

オオヨコナガピンノ

シオマネキ

アリアケガニ

ツバサゴカイ

イボキサゴ

イボウミニナ

タケノコカワニナ

絶滅危惧 ゴマフダマ

IB類 カニノテムシロ

ナラビオカミミガイ

オカミミガイ

ハイガイ

マゴコロガイ

アリアケケボリ

ツルマルケボリ

イチョウシラトリ

ハマグリ

オオノガイ

種数 7 7 5 6 5 6 5 4 10

合計種数 8 7 7 8 5 8 8 8 12

(9)

要 が あ る と 思 わ れ る . た だ し , す べ て の 項 目 を 調 査 す る こ と は 現 実 的 に 不 可 能 な の で , よ り 簡 便 な 調 査 法 も 含 め て , 評 価 方 法 を 検 討 す べ き と 思 わ れ る .

3 .   水 産 資 源 の 持 続 的 利 用 の た め の 管 理 技 術 の 確 立  

( 1 ) は じ め に

  移 動 能 力 の 乏 し い 水 産 資 源 ( 例 え ば 貝 類 な ど ) は , 厳 格 な 管 理 を 行 う こ と で 持 続 的 な 漁 獲 が 可 能 と な り , 漁 獲 総 量 も 増 加 す る こ と が 見 込 ま れ る . 例 え ば , 熊 本 県 緑 川 河 口 で は1 0年 ほ ど 前 か ら ア サ リ の 漁 獲 制 限 が 行 わ れ る よ う に な り , 最 近 に な っ て や っ と 資 源 量 の 増 加 が 観 察 さ れ る よ う に な っ た ( 中 原 ・ 那 須 2 0 0 2) .

  し か し , こ の よ う な 管 理 漁 業 が 行 わ れ て い る の は , 熊 本 県 で は わ ず か の 魚 種 に 過 ぎ な い . 近 年 の 漁 具 漁 法 の 性 能 向 上 と 流 通 の 近 代 化 に よ り , 「 根 こ そ ぎ 採 り , 遠 隔 地 に 高 く 売 る 」 漁 業 が 行 わ れ て い る 漁 場 が 少 な く な い . そ の よ う な 場 所 で 漁 業 資 源 が 枯 渇 す る の は 当 然 で あ る が , 同 時 に 周 辺 の 漁 場 の 資 源 量 に も 悪 影 響 を 及 ぼ し て い る .   本 研 究 で は , ハ マ グ リ を モ デ ル に , 資 源 管 理 の 確 立 と ブ ラ ン ド 化 に よ る 価 値 の 付 加 を 目 指 す . 熊 本 県 は , ハ マ グ リ 生 産 量 日 本 一 の 県 で あ る が , そ の こ と は あ ま り 知 ら れ て い な い . ま た , い ず れ の 漁 場 に お い て も ハ マ グ リ は 乱 獲 状 態 で , 絶 滅 が 危 惧 さ れ る ほ ど 資 源 量 が 減 少 し て い る .

  研 究 方 法 と し て は , ハ マ グ リ の 厳 格 な 資 源 管 理 が 行 わ れ て い る 加 布 里 ( 福 岡 県 前 原 市 ) と 乱 獲 に 近 い 形 で ハ マ グ リ が 漁 獲 さ れ て い る 白 川 河 口 ( 熊 本 市 ) で , ハ マ グ リ の 棲 息 状 況 を 比 較 し , 資 源 管 理 の 効 果 を 明 ら か に す る . さ ら に , 調 査 結 果 を 行 政 関 係 者 や 漁 業 者 に 説 明 し , 資 源 保 護 対 策 に つ い て 協 議 す る . 管 理 型 漁 業 に は 漁 業 者 の 合 意 形 成 と 資 源 管 理 に 対 す る 理 解 が 不 可 欠 で あ る . そ の た め に は , 棲 息 状 況 の 把 握 だ け で な く , 流 通 経 路 や 漁 業 補 償 も 含 め た 総 合 的 な 研 究 を も 目 指 す .

( 2 ) 調 査 方 法

  加 布 里 ( 福 岡 県 前 原 市 , 図3) と 白 川 河 口 ( 熊 本 市 , 図4) で ハ マ グ リ の 棲 息 状 況 を 比 較 し た

( a ) 加 布 里 湾 : 河 川 ( 上 ・ 下 ) ・ 海 域 ( 上 ・ 中 ・ 下 ) に そ れ ぞ れ5 0 c m四 方 の 方 形 区

を1 0カ 所 設 置 し , 中 の 砂 泥 を1 m m目 の 篩 で ふ る っ た . 残 っ た 砂 泥 よ り ハ マ グ リ を 選 別 し て 殻 長 を 測 定 す る と 共 に , 密 度 を 算 出 し た . な お , 調 査 は2 0 0 6年1月

2 9・3 0日 に 行 っ た .

( b ) 白 川 河 口 : 河 川 ( 上 ・ 下 ) ・ 海 域 ( 中 ) に そ れ ぞ れ5 0 c m四 方 の 方 形 区 を2 0カ 所

設 置 し , 中 の 砂 泥 を1 m m目 の 篩 で ふ る っ た . さ ら に , 河 川 は ジ ョ レ ン (1 c m 目 ) を 使 っ て , 海 域 は 熊 手 を 使 っ て 追 加 採 集 を 行 っ た . 残 っ た 砂 泥 よ り ハ マ グ リ を 選 別 し て 殻 長 を 測 定 す る と 共 に , 密 度 を 算 出 し た . な お , 調 査 は2 0 0 6年1月

1 8・1 9日 ,2月 1 ・ 2 日 に 行 っ た .

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図 3 加 布 里 調 査 地

図 4 白 川 調 査 地

( 3 ) 調 査 結 果

  図 5 に 加 布 里 に お け る , 図 6 に 白 川 河 口 に お け る ハ マ グ リ の 殻 長 組 成 と 個 体 密 度 を 示 す .

( a ) 加 布 里 湾 : 1 mあ た り の ハ マ グ リ の 密 度 は , 河 川 内 は1 1 9 . 4 + 5 0 . 9 /m( 平 均 + 標 準 偏 差 ,N = 2 0) , 海 域 上 部 は3 2 . 2 + 1 9 . 1 /m(N = 2 0) , 海 域 下 部 は8 4 . 8 + 7 0 . 9

/m(N = 2 0) と 非 常 に 高 密 度 で あ っ た . ま た , 殻 長3 0 m m未 満 ,3 0〜5 0 m m未 満 ,

5 0 m m以 上 の 割 合 は , 河 川 で7 7 % , 2 2 % , 1 %, 海 域 上 部 で7 0 % , 2 6 % , 4 %, 海 域 下 部 で5 9 % , 2 9 % , 1 %と , 海 域 の 方 が 大 型 個 体 の 割 合 が 高 か っ た .

(11)

図 5 加 布 里 に お け る ハ マ グ リ の 殻 長 組 成

図 6 白 川 河 口 に お け る ハ マ グ リ の 殻 長 組 成

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( b ) 白 川 河 口 : 低 密 度 で あ っ た た め , 河 川 上 部 と 海 域 で は ハ マ グ リ 密 度 は 算 出 で き な か っ た が , ハ マ グ リ の 密 度 は 比 較 的 高 密 度 の 河 川 下 部 で さ え7 . 8 + 8 . 8 /m

(N = 2 0) と 加 布 里 に 比 べ て ず っ と 低 か っ た . ま た , 殻 長3 0 m m未 満 ,3 0〜5 0 m m未

満 ,5 0 m m以 上 の 割 合 は , 河 川 上 部 で9 0 % , 1 0 % , 0 %, 河 川 下 部 で8 0 % , 2 0 % , 0 %, 海 域 で5 5 % , 3 6 % , 9 %と , 加 布 里 に 比 べ て 大 型 個 体 の 割 合 は 低 か っ た . し か し , 海 域 の 方 が 大 型 個 体 の 割 合 が 高 い 傾 向 は 変 わ り な か っ た .

( 4 ) 考 察

  糸 島 漁 協 加 布 里 支 所 で は , 加 布 里 湾 に お い て 厳 格 な ハ マ グ リ 資 源 の 管 理 を 行 っ て い る . 漁 期 は1 1月 か ら 翌 年3月 で , こ れ は ハ マ グ リ の 繁 殖 期 の 夏 季 を 避 け る た め で あ る . 漁 獲 サ イ ズ は , 県 の 条 例 で は 殻 長 4c mで あ る が , 漁 協 独 自 に 殻 長 5c m以 上 と 定 め , そ れ よ り 小 さ な ハ マ グ リ を 漁 獲 し て も 漁 協 で チ ェ ッ ク し , 当 番 を 決 め て 海 に 放 流 し て る . 漁 獲 量 も 1 人 1 日1 0 k gま で で あ る . さ ら に , 泉 川 河 川 内 は 禁 漁 と し , 海 域 も 3 漁 場 に 分 け て , 毎 年 そ の う ち の 1 漁 場 で の み ハ マ グ リ を 漁 獲 し て い る .

  こ れ に 対 し , 白 川 河 口 で は 漁 獲 サ イ ズ ( 3c m以 上 ) の 制 限 し か な い . ま た , 海 域 は 小 島 漁 協 ・ 沖 新 漁 協 が 漁 業 権 を 持 つ が , 河 川 内 に 漁 業 権 は な く , 一 般 市 民 の ハ マ グ リ 採 捕 を 規 制 す る こ と も で き な い . さ ら に , ハ マ グ リ に 関 し て は 共 販 制 度 が な く 漁 協 等 で 管 理 し て い な い た め , 殻 長 制 限 も 違 反 が 多 く , 殻 長 3c m未 満 の ハ マ グ リ も 多 数 漁 獲 さ れ , 市 場 に 出 回 っ て い る . す な わ ち , 白 川 河 口 で ハ マ グ リ は 乱 獲 状 態 で あ り , こ の 状 況 は 隣 接 す る 緑 川 河 口 に お い て も 大 差 な い .

  厳 格 な 管 理 漁 業 と 乱 獲 . こ の 違 い は 資 源 量 の 差 と し て 明 確 に 現 れ て い る . す な わ ち , 加 布 里 で は ハ マ グ リ の 密 度 が 平 均 約8 0個 /mで あ る の に 対 し て , 白 川 河 口 で は 比 較 的 高 密 度 の 河 川 下 部 で さ え1 0分 の 1 程 度 の 平 均7 . 8個 /mに 過 ぎ な か っ た . ま た , 白 川 河 口 で は 殻 長 3c m以 上 の ハ マ グ リ の 割 合 が 低 く , 特 に 殻 長 5c m以 上 の ハ マ グ リ は ほ と ん ど 見 つ か ら な か っ た が , こ れ も 大 型 個 体 が 高 い 漁 獲 圧 に さ ら さ れ て い る た め と 思 わ れ る .

  し か し , 単 に 漁 獲 量 だ け を 比 べ る と , 緑 川 ・ 白 川 河 口 は 加 布 里 の 約 5 倍 あ り , こ れ は ハ マ グ リ に 限 れ ば 全 国 一 の 漁 獲 量 で あ る ( 図 7 ) . 原 因 は , 漁 場 の 広 さ の 違 い に よ る も の で , ハ マ グ リ の 棲 息 面 積 は 正 確 に は 把 握 で き て い な い が , 棲 息 密 度 と 漁 獲 量 か ら 単 純 に 計 算 す る と , 緑 川 ・ 白 川 河 口 は 加 布 里 の5 0倍 程 度 広 い 漁 場 を 持 つ も の と 推 測 さ れ る .

  緑 川 ・ 白 川 河 口 に お い て も 厳 格 な ハ マ グ リ の 漁 獲 制 限 が 実 施 さ れ れ ば , 加 布 里 の よ う に ハ マ グ リ 資 源 を 回 復 す る こ と も 可 能 か も し れ な い . し か し , そ の た め に は , 棲 息 状 況 や 成 長 量 ・ 産 卵 量 な ど の 科 学 的 デ ー タ の 蓄 積 だ け で な く , 漁 業 権 の 設 定 や 漁 業 者 間 の 合 意 形 成 な ど も 必 要 と な る で あ ろ う .

  今 後 , ハ マ グ リ 資 源 を 保 全 す る た め に は , ブ ラ ン ド 化 も 見 据 え て , 大 学 ・ 県 ・ 漁 業 者 ・ 流 通 関 係 者 な ど が 頻 繁 に 協 議 の 場 を 持 つ こ と が 不 可 欠 で あ る .

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図 7 加 布 里 と 白 川 河 口 の 地 図 ( 同 縮 尺 ) な ら び に 棲 息 密 度 と 漁 獲 量

4 .   環 境 と 調 和 し た 防 災 と 開 発  

( 1 ) は じ め に

八 代 海 は , 有 明 海 の ほ ぼ 南 に 位 置 す る 面 積 約 1 2 万 h a の 内 湾 で あ る . 三 角 瀬 戸 , 天 草 松 島 , 本 渡 瀬 戸 を 通 じ て 有 明 海 と , 長 島 海 峡 , 黒 之 瀬 戸 を 通 じ て 東 シ ナ 海 と 通 じ て い る . 湾 奥 部 は 東 岸 に 干 潟 が 発 達 し て 内 湾 性 が 強 く , 湾 中 央 か ら 以 南 は 徐 々 に 外 洋 性 を 帯 び て い る . 現 存 す る 干 潟 は 約 4 , 5 0 0 ha で , 湾 奥 部 は 主 に 泥 質 , 湾 中 央 か ら 以 南 は 主 に 砂 泥 質 で あ る . な お , 隣 接 す る 有 明 海 は 面 積 約 1 7 万 h a で , 約 2 万 h a の 干 潟 が 現 存 す る . 八 代 海 は , 有 明 海 と 地 史 的 に も 密 接 な 関 係 に あ る が , 八 代 海 を 対 象 と し た 研 究 は , 有 明 海 に 比 べ て 少 な い . 生 物 相 に 関 す る 報 告 も 少 な く , 八 代 海 全 域 を 対 象 と し た も の は , 潮 下 帯 に お け る 底 生 動 物 の 群 集 組 成 の 報 告 ( 菊 池 1 9 8 3) と , カ イ ア シ 類 c o p e p o d sの 分 布 報 告 ( 弘 田 1 9 8 6) が あ る に 過 ぎ な い .

  た だ し , 近 年 に な っ て , 八 代 海 で も 生 物 相 の 本 格 的 調 査 が 行 わ れ る よ う に な っ て き た . そ し て そ の 結 果 , 八 代 海 の 干 潟 生 物 は , 有 明 海 と 類 似 性 が 高 く , 生 物 多 様 性 が 実 に 高 い こ と が わ か っ て き た ( 逸 見 2 0 0 2 , 山 下 2 0 0 4) . 特 に , 宇 土 半 島 南 岸 と 大 野 川 ・ 氷 川 の 塩 性 湿 地 ・ 干 潟 は 重 要 で , 塩 性 湿 地 は , ヨ シ ・ シ オ ク グ ・ フ ク ド な ど か ら

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な る 植 生 に , ア ズ キ カ ワ ザ ン シ ョ ウ ・ ヤ ベ ガ ワ モ チ ・ ク ロ ヘ ナ タ リ ・ シ マ ヘ ナ タ リ ・ オ カ ミ ミ ガ イ ・ ア リ ア ケ ガ ニ な ど の 希 少 種 が 多 数 棲 息 し て い る . ま た , 干 潟 に は , ウ ミ マ イ マ イ ・ ハ イ ガ イ ・ シ オ マ ネ キ ・ ム ツ ゴ ロ ウ な ど が 多 く 見 ら れ る . こ れ ら の 種 の 多 く は , 有 明 海 を 始 め と す る 他 の 海 域 で は 絶 滅 も し く は 激 減 し て い る 種 類 で あ り , 保 全 の 必 要 が あ る ( 和 田 他 1 9 9 6) .

  し か し , 八 代 海 北 部 で は , 近 年 , 護 岸 改 修 工 事 が 相 継 ぎ , 棲 息 環 境 の 消 失 ・ 悪 化 が 著 し い . 特 に ,1 9 9 9 年 の 台 風 1 8 号 に よ る 高 潮 ・ 高 波 災 害 以 降 , 八 代 海 湾 奥 部 で は 護 岸 改 修 工 事 や 水 門 の 増 設 が 盛 ん に 行 わ れ る よ う に な り , 塩 性 湿 地 や 周 辺 の 干 潟 の 消 失 ・ 悪 化 が 続 い て い る . 防 災 の 重 要 性 は 言 う ま で も な い が , そ の た め に 生 物 多 様 性 が 犠 牲 に な る こ と は , 可 能 な 限 り 避 け な く て は な ら な い .

  本 研 究 で は , 護 岸 改 修 工 事 や 水 門 の 増 設 が 塩 性 湿 地 生 物 群 集 へ 与 え る 影 響 を 最 小 限 に 留 め る た め に , 塩 性 湿 地 生 物 群 集 の 現 状 把 握 と 再 生 ・ 創 出 ( 具 体 的 に は , 塩 性 湿 地 生 物 群 集 の 移 植 技 術 開 発 と 人 工 シ ェ ル タ ー に よ る 貝 類 群 集 棲 息 環 境 改 善 ) を 行 っ た .

( 2 ) 調 査 方 法

  調 査 は , 熊 本 県 宇 城 市 不 知 火 町 桂 原 (3 2 º 3 8 ’ 1 7 ” N,1 3 0 º 3 8 ’ 2 2 ” E) で 行 っ た ( 図 8 ) . こ こ は , 小 河 川 が 流 入 す る 小 さ な 入 り 江 で あ る ( 図 9 ) . 汽 水 域 に は , 有 明 海 ・ 八 代 海 特 有 の 動 植 物 が 多 く 棲 息 し て い る . 高 所 で は 塩 性 湿 地 植 物 の ヨ シ , フ ク ド が 繁 茂 し , シ オ ク グ , ホ ソ バ ハ マ ア カ ザ が 点 在 す る 中 に , シ マ ヘ ナ タ リ , フ ト ヘ ナ タ リ , ヒ ラ ド カ ワ ザ ン シ ョ ウ , シ オ マ ネ キ な ど の 底 生 動 物 が 棲 息 す る . 一 方 , 海 岸 に は , ナ ガ ミ ノ オ ニ シ バ , ハ マ マ ツ ナ , ハ マ サ ジ が 見 ら れ , ハ ク セ ン シ オ マ ネ キ な ど が 棲 息 す る .

図 8 調 査 地 位 置 図

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図 9 調 査 地 写 真 . 左 は 2 0 0 1 年 5月 撮 影 . 右 は 2 0 0 5 年 1 2月 撮 影 . 右 の 写 真 の 赤 枠 が 今 回 の 堤 防 工 事 区 域 . 右 の 写 真 で は 堤 防 が 完 成 し , ヨ シ 原 が 大 幅 に 減 っ て い る .

  本 地 域 に お い て は ,2 0 0 5年5月 末 か ら7月 末 に , 入 り 江 内 の 堤 防 増 設 工 事 が 行 わ れ た . そ れ に 先 立 ち , 工 事 予 定 地 の ヨ シ と 貝 類 を ,2 0 0 5年5月2 8日 か ら6月5日 に 移 植 し た ( 図1 0,1 1) . ま た , 堤 防 建 設 に よ っ て 裸 地 化 し た 地 域 の 貝 類 を 保 全 す る た め ,

2 0 0 5年9月2 1日 に 人 工 シ ェ ル タ ー を 設 置 し , 貝 類 の す み か を 造 成 し た .

図1 0 工 事 区 域 と 移 植 地 . 図 中 の 数 字 は 潮 位 に 換 算 し た 高 度 .

図1 1 移 植 の 様 子

(16)

( a )ヨ シ と 貝 類 ( ヘ ナ タ リ 類 ) の 移 植

工 事 予 定 地 の ヨ シ と 貝 類 ( ヘ ナ タ リ 類 ) を ,2 0 0 5 年 5 月 2 8 日 か ら 6 月 5 日 に 移 植 し た ( 図 1 0,1 1) . 移 植 は , ヨ シ や 貝 類 に ダ メ ー ジ を 与 え な い よ う に 手 作 業 で 行 い , ヨ シ を 深 さ 3 0〜4 0 c m ま で 掘 り 起 こ し , 貝 類 を 土 壌 表 面 に 残 し た ま ま で 行 っ た . 移 植 先 は , 工 事 予 定 地 に 隣 接 す る 裸 地 で , 高 度 の 異 な る 4 ラ イ ン ( 上 か ら A , B , C , D ラ イ ン と す る ) に 分 け て 行 っ た . な お , 移 植 後 に は ヨ シ の 根 本 に 移 植 元 の 土 壌 を 被 せ た .

  そ の 後 , ヨ シ と 貝 類 の 動 態 の 追 跡 調 査 を 月1〜2回 行 っ た .

( b )人 工 シ ェ ル タ ー の 設 置

  堤 防 建 設 に よ っ て 裸 地 化 し た 地 域 の 貝 類 を 保 全 す る た め ,2 0 0 5 年 9 月 2 1 日 に 人 工 シ ェ ル タ ー を 設 置 し , 貝 類 の す み か を 造 成 し た . 人 工 シ ェ ル タ ー に は , ブ ロ ッ ク (2 0 c m × 4 0 c m × 厚 1 0 c m) , 木 板 (2 0 c m × 4 0 c m × 厚 1 c m) , 瓦 (3 1 c m × 3 0 c m

× 高 5 . 5 c m) を 各 2 0 個 用 い , 干 潟 上 に 格 子 状 に 配 置 し た ( 図 1 2,1 3) . 瓦 の み 底

面 積 が 異 な る が , 今 後 , よ り 多 く の 場 所 で 人 工 シ ェ ル タ ー が 利 用 さ れ る た め に は , 簡 便 性 が 重 要 と な る と 考 え , 購 入 し た 瓦 を そ の ま ま 使 用 し た . ま た , 木 板 に は レ ン ガ の 重 り を 付 け , 瓦 は 二 枚 重 ね で 使 用 し た . な お , 人 工 シ ェ ル タ ー 設 置 の 際 は , 人 工 シ ェ ル タ ー 下 の 貝 類 を す べ て 取 り 除 い た .

図1 2 人 工 シ ェ ル タ ー . 左 上 : ブ ロ ッ ク , 左 下 : 木 板 , 右 : 瓦 .

図 1 3 人 工 シ ェ ル タ ー 設 置 の 様 子

(17)

  追 跡 調 査 は ,1 2 月 1 9 日 に 行 っ た . 方 法 は , 人 工 シ ェ ル タ ー の 下 に 集 ま っ た 貝 類 を デ ジ タ ル カ メ ラ で 撮 影 し , そ の 後 , P C 上 で 貝 類 の 種 名 と 個 体 数 を 判 定 し た . ま た , 人 工 シ ェ ル タ ー 周 辺 の 裸 地 に 2 5 c m x 2 5 c m の コ ド ラ ー ト を 2 0 カ 所 設 置 し て , そ の 中 の 貝 類 の 種 名 と 個 体 数 を 判 定 し , 人 工 シ ェ ル タ ー と 比 較 し た .

( 3 ) 調 査 結 果

( a )ヨ シ と 貝 類 ( ヘ ナ タ リ 類 ) の 移 植

  移 植 直 後 に , す べ て の ヨ シ の 地 上 部 は 枯 死 し た . し か し , 地 下 茎 は 生 き 残 っ て お り , そ の 後 新 た に 出 芽 し ,1 0月 頃 ま で 成 長 し , そ の 後 再 び 枯 死 し た ( 図1 4) . 成 長 は 個 体 差 が 大 き か っ た が , C,Dラ イ ン の 中 で も 高 度 の 低 か っ た コ ド ラ − ト 1 の 個 体 は ,9 月 ま で に 枯 死 し た .

図1 4 生 存 ヨ シ 数 の 季 節 変 化

  図1 5に1 0月 初 旬 に お け る 各 ラ イ ン の す べ て の ヨ シ の 生 存 数 と 枯 死 数 を 示 す . こ の よ う に ,C,Dラ イ ン の ヨ シ は1 0月 頃 ま で に ほ ぼ 枯 れ た が ,A,Bラ イ ン の ヨ シ は ,1 1月 に な っ て も 生 存 し て い る 個 体 が 多 く 見 ら れ た .

図1 5 各 ラ イ ン に お け る ヨ シ の 全 生 存 数 と 全 枯 死 数

(18)

  図 1 6 に 移 植 地 の 各 ラ イ ン の ヘ ナ タ リ 類 3 種 の 個 体 密 度 を 示 す . フ ト ヘ ナ タ リ と シ マ ヘ ナ タ リ は A ラ イ ン と B ラ イ ン に 多 く , ク ロ ヘ ナ タ リ は D ラ イ ン に 多 か っ た . ま た , 図 1 7 に 移 植 地 と 自 然 植 生 A の ヘ ナ タ リ 類 3 種 の 個 体 密 度 を 示 す . フ ト ヘ ナ タ リ と シ マ ヘ ナ タ リ は 移 植 地 の 方 が 多 く , ク ロ ヘ ナ タ リ は 自 然 植 生 の 方 が 多 か っ た が , 有 意 差 は 見 ら れ な か っ た .

図 1 6 各 ラ イ ン に お け る ヘ ナ タ リ 類 3種 の 個 体 密 度

図1 7 移 植 地 と 自 然 植 生 に お け る ヘ ナ タ リ 類 3 種 の 個 体 密 度

  図 1 8 に 移 植 地 と 移 植 地 周 辺 の 裸 地 に お け る ヘ ナ タ リ 類 3 種 の 個 体 密 度 を 示 す . フ ト ヘ ナ タ リ は 裸 地 に は 少 な く , シ マ ヘ ナ タ リ は 裸 地 で は 見 ら れ な か っ た . 一 方 , ク ロ ヘ ナ タ リ は , B , C , D ラ イ ン の 周 辺 に 多 く 見 ら れ た .

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図 1 8 移 植 地 と 移 植 地 周 辺 の 裸 地 に お け る ヘ ナ タ リ 類 3 種 の 個 体 密 度

( b )人 工 シ ェ ル タ ー の 設 置

  人 工 シ ェ ル タ ー で は , ヒ ラ ド カ ワ ザ ン シ ョ ウ と ア ズ キ カ ワ ザ ン シ ョ ウ が 多 数 見 ら れ た ( 図 1 9) . 人 工 シ ェ ル タ ー の 種 類 間 で は 有 意 差 は な か っ た が , 裸 地 で は ほ と ん ど 両 種 の カ ワ ザ ン シ ョ ウ は 出 現 せ ず , 有 意 差 が あ っ た ( 図 2 0) .

図1 9 各 シ ェ ル タ ー に お け る カ ワ ザ ン シ ョ ウ 2 種 の 個 体 数 . 左 よ り 木 板 ,

瓦 , ブ ロ ッ ク .

(20)

図2 0 シ ェ ル タ ー と 周 辺 の 裸 地 に お け る カ ワ ザ ン シ ョ ウ 類 の 個 体 数

( 4 ) 考 察

  す べ て の ヨ シ は 移 植 後 に 地 上 部 が 枯 れ た が , こ れ は 移 植 時 期 が 6 月 で 高 温 で あ っ た た め で あ ろ う . 工 事 の 開 始 時 期 と の 関 係 も あ り , や む を 得 な い 部 分 も あ る が , 移 植 は 可 能 な 限 り , 低 温 期 に 行 う べ き で あ る . ま た , ヨ シ の 生 存 は , 高 所 ( 潮 位 に し て 3 3 2

〜3 3 8 c m) で は よ く , 低 所 (3 0 2 c m) で は 悪 か っ た . し た が っ て , ヨ シ の 移 植 に 際 し

て は ,3 3 0 c m程 度 は 土 砂 を 入 れ る こ と が 望 ま し い . な お , 一 度 地 上 部 が 枯 死 し た に も か か わ ら ず , ヨ シ は 再 び 出 芽 し た . 来 年 度 以 降 の 調 査 結 果 次 第 で あ る が , 今 後 , 高 所 で は ヨ シ が 根 付 く 可 能 性 は 高 い .

  ヨ シ の 存 在 は , 特 に シ マ ヘ ナ タ リ に と っ て 重 要 で あ っ た . そ れ は , ヨ シ の 地 上 部 が 生 存 し て い る か ど う か は 無 関 係 で あ る 可 能 性 が 強 く , し た が っ て , 一 時 的 に 地 上 部 が 枯 れ た と し て も , ヨ シ の 移 植 は シ マ ヘ ナ タ リ の 生 存 に と っ て 有 効 で あ る . 一 方 , 人 工 シ ェ ル タ ー の 設 置 は , カ ワ ザ ン シ ョ ウ 類 の 生 存 に 有 効 で あ っ た . 特 に 護 岸 工 事 等 で 塩 性 湿 地 が 裸 地 化 し た 場 合 の 一 時 的 な 措 置 と し て 期 待 で き る .

  本 研 究 に よ り , ヨ シ の 移 植 や シ ェ ル タ ー の 設 置 が 塩 性 湿 地 に 棲 息 す る 貝 類 に と っ て プ ラ ス で あ る こ と が わ か っ た . 今 後 , 埋 立 な ど の 開 発 行 為 に 際 し て は , 塩 性 植 物 の 移 植 や 湿 地 の 創 生 な ど を 積 極 的 に 提 言 し た い .

5 .   お わ り に  

  今 後 は 以 下 の 項 目 を 中 心 に 研 究 を 進 め , 社 会 に 対 し て 有 効 な 政 策 提 言 が で き る よ う に 努 力 し た い . 以 下 に , 今 後 の 研 究 の 方 向 性 に つ い て 述 べ る .

( 1 ) 生 物 多 様 性 保 全 の た め の 生 物 棲 息 環 境 の 把 握 と 評 価

  今 回 の 調 査 に よ っ て , 底 生 動 物 の 棲 息 環 境 の 評 価 に は , 種 類 数 や 希 少 種 だ け で な く ,

(21)

よ り 多 く の 項 目 を 検 討 す る 必 要 が あ る こ と が わ か っ た . し か し , す べ て の 項 目 を 調 査 す る の は 非 現 実 的 な の で , 今 後 は よ り 簡 便 な 方 法 の 調 査 法 ・ 評 価 法 の 開 発 も 行 い た い . そ の た め に は , 今 回 調 査 を 行 っ た よ う な 底 生 生 物 の 棲 息 環 境 と し て 重 要 な 地 域 だ け で な く , よ り 一 般 的 な 海 岸 も 含 め て 調 査 す る 必 要 が あ る で あ ろ う .

( 2 ) 水 産 資 源 の 持 続 的 利 用 の た め の 管 理 技 術 の 確 立

  今 年 度 は ハ マ グ リ を モ デ ル に 研 究 を 行 っ た が , こ の 後 も ハ マ グ リ の 資 源 管 理 に 関 す る 研 究 を 継 続 す る . 水 産 資 源 の 管 理 に は , 対 象 種 の 生 活 史 や 棲 息 状 況 の 把 握 だ け で な く , 漁 業 者 の 合 意 形 成 や 漁 獲 規 制 の 制 定 な ど が 必 要 で あ る . 今 後 は , 熊 本 県 水 産 研 究 セ ン タ ー と 共 同 研 究 を 推 進 す る こ と に 加 え て , 漁 連 ・ 漁 協 や 県 と の 協 議 を 重 ね て , 有 効 な 政 策 提 言 を 行 え る よ う に し た い .

( 3 ) 環 境 と 調 和 し た 防 災 と 開 発

  今 年 度 は , 八 代 海 北 岸 の 高 潮 堤 防 建 設 に 際 し て , 塩 性 植 物 と 貝 類 の 移 植 を 行 う と い う 「 再 生 タ イ プ の ミ チ ゲ ー シ ョ ン 」 を 行 っ た . 現 在 の と こ ろ , 移 植 は 成 功 し て い る が , 来 年 度 以 降 も 移 植 し た 植 物 と 貝 類 の 棲 息 状 況 を 追 跡 し た い . ま た , 現 在 , 塩 屋 海 岸 で は さ ら な る 埋 立 が 計 画 さ れ て い る . こ の 地 域 は , 既 に 行 わ れ た 埋 立 に よ っ て 塩 性 湿 地 生 物 群 集 が ほ ぼ 消 滅 し た 地 域 で あ る . 現 在 , 熊 本 県 に 対 し て , 今 後 の 埋 立 の 際 に 塩 性 湿 地 を 「 創 生 」 す る こ と を 提 案 し て い る が , 来 年 度 以 降 は , 塩 性 湿 地 の 創 生 , 特 に 浚 渫 土 砂 を 使 っ た 塩 性 湿 地 創 生 に 関 す る 研 究 を 進 め , よ り 現 実 的 な 政 策 提 言 を 県 に 対 し て 行 い た い . な お , 今 後 の 研 究 に つ い て は , 塩 屋 地 区 の 埋 立 計 画 を 県 に 委 託 さ れ て い る ( 株 ) 西 日 本 技 術 開 発 と 共 同 研 究 を 開 始 し て い る .

参 考 文 献

1 ) 和 田 太 一 : 球 磨 川 河 口 底 生 生 物 調 査 , カ ワ セ ミ 1 8,p p . 3 3 - 3 5, 八 代 野 鳥 愛 好 会 , 2 0 0 5 .

2 ) 熊 本 県 : 熊 本 県 の 保 護 上 重 要 な 野 生 生 物 リ ス ト   ̶ レ ッ ド リ ス ト く ま も と 2 0 0 4̶ ,

熊 本 県, 2 0 0 4.

3 ) 中 原 康 智 ・ 那 須 博 史 : 主 要 ア サ リ 産 地 か ら の 報 告 ̶ 有 明 海 熊 本 県 沿 岸,日 本 ベ ン ト

ス 学 会 誌 5 7 , p p . 1 3 9 - 1 4 4 , 2 0 0 2 .

4 ) 菊 地 泰 二 : 不 知 火 海 の ベ ン ト ス 群 集 の 組 成 と 分 布. 山 縣 登 ・ 土 井 陸 雄 ・ 最 首 悟 ・ 田

口 正 ( 編 ). 環 境 汚 染 へ の と り く み – 重 金 属 の 生 物 影 響, p p . 7 1 - 8 4 , 恒 星 社 厚 生 閣, 東 京, 1 9 8 3 .

5 ) 弘 田 禮 一 郎 : 有 明 海 ・ 八 代 海 の 環 境 と 指 標 生 物 ( 動 物 プ ラ ン ク ト ン を 中 心 と し て ).

環 境 管 理 1 5 , p p . 3 9 - 4 3 , 1 9 8 6 .

6 ) 逸 見 泰 久 : 八 代 海 の 干 潟 と 生 物 , 太 和 田 紘 一 編 . 月 刊 海 洋 : 八 代 海 –環 境 と 生 物 の

動 態-,p p . 5 3 - 5 8 , 海 洋 出 版.東 京, 2 0 0 4

7 ) 山 下 博 由 : 不 知 火 海 の 貝 類 相 と 生 物 地 理 学 的 特 性 . 化 石, 7 6 , p p . 1 0 7 - 1 2 1 , 2 0 0 4.

8 ) 和 田 恵 次 ・ 西 平 守 孝 ・ 風 呂 田 利 夫 ・ 野 島 哲 ・ 山 西 良 平 ・ 西 川 輝 昭 ・ 五 嶋 聖 治 ・ 鈴 木

(22)

孝 男 ・ 加 藤 真 ・ 島 村 賢 正 ・ 福 田 宏 : 日 本 に お け る 干 潟 海 岸 と そ こ に 棲 息 す る 底 生 生 物 の 現 状, W W F J a p a n S c i e n c e R e p o r t 3 , 1 9 9 6.

図 3 加 布 里 調 査 地  図 4  白 川 調 査 地 ( 3 )  調 査 結 果    図 5 に 加 布 里 に お け る , 図 6 に 白 川 河 口 に お け る ハ マ グ リ の 殻 長 組 成 と 個 体 密 度 を 示 す . ( a ) 加 布 里 湾 : 1 m 2 あ た り の ハ マ グ リ の 密 度 は , 河 川 内 は 1 1 9
図 6 白 川 河 口 に お け る ハ マ グ リ の 殻 長 組 成
図 7 加 布 里 と 白 川 河 口 の 地 図 ( 同 縮 尺 ) な ら び に 棲 息 密 度 と 漁 獲 量 4 .   環 境 と 調 和 し た 防 災 と 開 発   ( 1 ) は じ め に  八 代 海 は , 有 明 海 の ほ ぼ 南 に 位 置 す る 面 積 約 1 2 万 h a の 内 湾 で あ る . 三 角 瀬 戸 , 天 草 松 島 , 本 渡 瀬 戸 を 通 じ て 有 明 海 と , 長 島 海 峡 , 黒 之 瀬 戸 を 通 じ て 東 シ ナ 海 と 通 じ
図 9 調 査 地 写 真 . 左 は 2 0 0 1 年 5 月 撮 影 . 右 は 2 0 0 5 年 1 2 月 撮 影 . 右 の 写 真 の 赤 枠 が 今 回 の 堤 防 工 事 区 域 . 右 の 写 真 で は 堤 防 が 完 成 し , ヨ シ 原 が 大 幅 に 減 っ て い る .   本 地 域 に お い て は , 2 0 0 5 年 5 月 末 か ら 7 月 末 に , 入 り 江 内 の 堤 防 増 設 工 事 が 行 わ れ た . そ れ に 先 立 ち , 工 事
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