• 検索結果がありません。

八代海「野坂の浦」におけるアマモの生育環境の現地観測

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "八代海「野坂の浦」におけるアマモの生育環境の現地観測"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

八代海「野坂の浦」におけるアマモの生育環境の現地観測

矢北孝一 水環境専門技術WG

1 はじめに

八代海は,広大な干潟を有し高い閉鎖性,干満差が大きい等の特徴があり,八代海におけるアマモの生育には,

これらが強く影響している.しかし,八代海のアマモの生育環境に関する詳細な観測事例が少ないのが現状であ る.本研究では,八代海東岸に位置する「野坂の浦」で現地調査を実施し,八代海「野坂の浦」におけるアマモ の生育環境条件を検討した.

2 研究内容

野坂の浦は,東西・南北約 1.5km の内湾で,佐敷港と野坂の浦に東西方向約 850m の防波堤が設置されている.

自然アマモが群落を形成する藻場A,アマモが点在する藻場Bで生育環境を調査した(図-1).調査期間は 2012 年 8 月~2013 年 2 月とし,連続観測は,アマモのライフサイクルを考慮し,衰退・発芽期と考えられる 8~9 月,

11~12 月,1~2 月に流況・照度・水温等を観測した(表-1).観測域の地形は,トータルステーション及び錘測 を併用した.錘測値は,佐敷港から北方向約 7km に位置する田浦港潮位で補正し,底面位置は,T.P に換算した

(図-2).藻場Aの地形は,中央に水深 6m 以上の航路がある台形断面となっている.一方,藻場Bの地形は,東 西方向に約 1/250 の勾配となっていることが分かる.アマモは,地下茎で増殖し固体選別が困難であるため,株 密度の測定は 0.25m2のコロラードを用い,目視によって株数をカウントした.株密度と底質の関係を検討するた め 75 地点において,コロラード付近の表層下約 5cm を採泥し,潮下帯以深では,港研式採泥器(容積約 2000cm3) を用い海底面下約 10cm を採集した.採泥地点の位置情報は,携帯 GPS(GARMIN 製 GPSMAP-60CSx:±2.0m)で記 録し,藻場A,B周辺においても採泥を実施した.各観測機器は,生育環境を比較検討するため藻場を中心に設 置し,河川の影響を評価するため河口域には,水温・塩分計を設置した(表-2,図-3).底泥の粒度分析は,レ ーザー粒度分析器(HORIBA 製 LA-950)を使用し,含定率は,粒径 75μm 以下のシルト+粘土の割合とした.Shields 数の算出は,岩垣の手法より土砂の水中比重を 1.65 仮定した.また沈降速度は,一様砂礫を対象とした Rubey の実験式より算出した(図-4).なお,潮位計は,佐敷港への船舶往来の影響を考慮し,野坂の浦に設置した.

流速計(2 成分電磁式),潮位計等は,海底より約 20cm の位置に固定し,流速は 10 分毎,潮位は 60 分毎のデー タを統計処理した(図-5,図-7).岩垣の手法では,摩擦速度が粒径条件より算出されるため,外力である流速 の経時変化より Shields 数の変動を検討した.この場合,摩擦速度の評価が必要となるため,底面より 20cm の 東西・南北方向の合成流速値を代表流速とし対数摩擦法則より評価した(図-8).

3 主要な結論

(1)藻場A・Bでの d50は,0.12~0.28mm,0.05~0.2mm であることが分かり,d50=0.2mm 付近で株密度が最大 値をとることが分かる.含泥率は,20%付近にピークがあり,40%以上ではアマモが生育出来ないことが分かっ た(図-4(a),(b)).

(2)岩垣の手法による Shields 数との関係では,既往の報告にある 0.08~0.2 近傍の 0.06~0.15 との範囲が 生育条件となった.沈降速度 Wf と摩擦速度 u*比の平均値を求めると,藻場Aで 1.355(掃流・浮遊の混在領域), 藻場Bで 1.851(浮遊卓越領域)となり,藻場Bでアマモの群落が形成出来ない要因の一つと考えられる(図 -4(c),(d)).

(3)両藻場における流速変化を st2,st7 を代表点として検討した結果,対象領域での流速は南北方向が卓越 することが分かった.特に 11 月 26 日,12 月上旬での風速の影響を検討した結果,アメダス八代観測点の風向 風速との関連性が示唆された.(図-5,図-6,図-7).

(4)流速値から算出した Shields 数の経時変化で 1.5 以上を超えた場合に,アマモ藻場の形成が困難になるこ と分かった.この期間の Shields 数の平均値は 0.11 と 0.343 である(図-8).

210

(2)

表-1 採泥・株密度観測と連続観測

表-2 連続観測項目と地点名

採 泥 2012年8/1,9/14,10/15,11/16 株密度 2012年9/14,11/16,12/15

2012年8月2日~9月14日 連続観測 2012年11月18日~12月14日

2013年1月16日~2月11日

観測項目 地 点 名

流向・流速・水温 st2,st7

照 度 st1,st2,st3,st4,st5,st6 水温・塩分 st3,st10

水深・水温 st8 潮 位 st9 佐敷川

図-1 野坂の浦

湯 浦 川 野坂の浦

A B

佐敷港 八

代海

図-2 対象領域の地形 DO の空間分布

図-3 観測機器の位置 佐敷港

図-8 対数摩擦法則から算出した Shields 数の経時変化の一例 DO の空間分布

図-6 アメダス八代観測点の風速変化 DO の空間分布

図-7 アマモ場 A・B における流速変化の一例 DO の空間分布

(a)アマモ場 A (b)アマモ場 B

図-5 st9 における水深変化の一例 DO の空間分布

-2 -1 0 1

2 T.P(m) st9_2012_Nov18_Dec14

11/20 12/1 12/10 day -5

0 5

10 E-W

N-S

Windspeed(m/sec)

11/20 12/1 12/10 day

Yatsushiro

-10 0 10 20

E-W N-S

11/20 12/1 12/10 day

st2

Velocity(cm/sec)

-10 0 10 20

11/20 12/1 12/10 day

st7

Velocity(cm/sec)

0 0.5 1 1.5 2

ShieldaNumber

day

11/20 12/1 12/10

st2

0 0.5 1 1.5 2

ShieldaNumber

day

11/20 12/1 12/10

st7

(a)アマモ場 A (b)アマモ場 B

0 2 4

0 20 40 60 80

inside outside

u*/Wf

data

図-4 株密度と底質及び外力との関係 (a)中央粒径

DO の空間分布

(b)含泥率 DO の 空 間 分 布

(c)Shields 数 DO の空間分布

(d)Wf と u*の比 DO の空間分布

0 5 10 15

0 0.1 0.2 0.3

inside outside

株密度(1/0.25m2)

d50(mm)

0 5 10 15

0 20 40 60

mud rate(%) 株密度(1/0.25m2)

0 5 10 15

0 0.1 0.2

Shields number Iwagaki method

株密度(1/0.25m2)

211

参照

関連したドキュメント

自発的な文の生成の場合には、何らかの方法で numeration formation が 行われて、Lexicon の中の語彙から numeration

3000㎡以上(現に有害物 質特定施設が設置されてい る工場等の敷地にあっては 900㎡以上)の土地の形質 の変更をしようとする時..

このような環境要素は一っの土地の構成要素になるが︑同時に他の上地をも流動し︑又は他の上地にあるそれらと

都内の観測井の配置図を図-4に示す。平成21年現在、42地点91観測 井において地下水位の観測を行っている。水準測量 ※5

区部台地部の代表地点として練馬区練馬第1観測井における地盤変動の概 念図を図 3-2-2 に、これまでの地盤と地下水位の推移を図

第76条 地盤沈下の防止の対策が必要な地域として規則で定める地

大気中の気温の鉛直方向の変化を見ると、通常は地表面から上空に行くに従って気温

40m 土地の形質の変更をしようとす る場所の位置を明確にするた め、必要に応じて距離を記入し