• 検索結果がありません。

旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境. Author(s). 佐藤, 正三; 岩瀬, 弘典. Citation. 北海道学芸大学紀要. 第二部. B, 生物学,地学,農学編, 11(1・2): 59-7 4. Issue Date. 1960-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5715. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第 11 巻. 第1号. B. 北海道学芸大学紀要 (第二部). 昭和35年8月. 旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境 佐 藤 正 三・岩 瀬 弘 典 北海道学芸大学旭川分校生物学教室. Sh6zo sAr i l・VAHR : r6 ronor , Hi. The larval habi tat s of. to mーosqui Eお in Asahigawa and i ts vi ty cini ,. ln the survey carr i ing four years from l956 to l959 twelve species of ed out dur , i l t mosqu o arvae were obta ined from var ious water bod i ts vicini ty esin Asahigawa and i l l (Tab T h l e l) h b i t t a r e va a as were synecologi ly inves igated by means of the t . cal occurrence p i l i ty method (Ka robab 6 t t ta suda and Yamashi , Ma ,1952), 1‐ v i ′ater bod i i ded into the fol es can be d l i vi owing e ght groups,ln each of whi ch a i i character to assoc iat st ion may bef c mosqui d d 1 orme : ( ) pon andl l ted snow ake (me water)= ground poo l(me l t t ed snow wa er) l ake , (2) pond andl , (3) ground poo , (4) rocky pool d 5 l l ) r o ( u n o o a d o n t g d d t 6 i h p g or ren, ( ) pa y t , t c, (7) gut er (8) ces s pool=. ,. compost seepage poolニニar i f i ia l sma t l l conta iner c . 2. C綿Ze嵩 車馬pze殉8 1 ivesi i f i t i l water bodies n ar c a even speci es , but most of other el i i lve n natural water bod i ie l i b l t f t h h l s s a t t t n o c t l e a e h i b a c a t f 4 L α e a t rva a as o . e e8 JαPo′ zicはs and Ar zo野兎eZes si i ′ ze舵sis are res tr in the natural water bodies in cted wi th Asahi ly found i gawa i f i i t or semi ヒ n the ar i f i ia a l wat ,though they are general c t ar c er bodies in Honsha .. 3 iminat ion between C“加工 pzpze箆s and C“ 蛇 尤 りα α兇s i , The larval discr s made 9 according to the number o f siphonal hair. The larvae belonging・to pまpieルs-t p e l ive y y. in pol luted water and as water becomes c learer populat ion dens i ty of りα9α兇8ーtype , , lincrease than that o shows a gradua f pまp 彰兇s-type, 4,. The f i rst appearance of Aedes e尤crzに!α鵜s and Aeαes esoe兇818 seems to. depend usua l ly upon the me l ing pe t i r od of snow.. 5 though sma l lk i nds of moquito, having atendencytoform a simple association . A1 , inhab i ively sma tin comparat l lk inds of Water bod i d he appearance of mosqui t es a n t e os , i imi t sl ed to a short period their population is ver hi h Su h h h c p enomena are t ought , y g. to be a d i ingu i t s shi ng traitin Asahigawa. 6. C“Ze鯵 刀ばpze邦S 1 s most com mon mosqui to not only in 日onshl l but a l so in Asahigawa and i l l t h b i s a b d t r v a ti l a t f a s a un an y oundin the agricul , l suburbs o tura fthe. Ci ty . B l llaboratory, Hokka i d6 Gakuge (i o ca ogi i Uni i ty igawa ver s , Asah , ,Japan) 一 59 「.

(3) . 佐藤正三・岩瀬弘典 言. 緒. 即ち加 本州各地における敷 族幼虫の棲息環境については, 既に数多く の報告がなされて いる, 八甲田にお 1 9 5 4 ) は十和田・ 藤 1950) は仙台近郊にお いて, 佐藤・石村・鳥海・加 ( 藤・鳥海 ( 959a ) は“ヂ勢神宮において いて, 加藤・松田・鳥海 (1955) は宮城県加護坊山にお いて, 榊原(1 それぞれ蚊 族幼虫の棲息環境を調 査し, 蚊族幼 虫が水域によって棲み分けを行っていることを報 1954 ) は松島宮戸村において, 主と して衛生学的見地から, 蚊の発生 告している. 叉, 加藤等 ( 1959b) はf戸勢神宮において生態学的にみ た蚊族 源ならびに蚊族幼虫の群集解析を行い, 榊原 ( 幼虫の群集解析を 行っている. L しかし北 海道の蚊について の研究は主として分類学的な立場からな されたもの が多く ( acasse il950, 佐 々 ・ 加 納 ・ 高 橋 1950, 浅 沼 ・ 加 納 ・ 高 橋 1952, 鈴 木 1959 , 佐 藤 ・岩 瀬 t ・ Yamagu. 9) は大雪山に 棲息する蚊の種類について報 告している. 一方生態学 9), 叉, 佐藤.建脇(195 195 1956,1957) が札幌市及 びその附近における蚊族幼虫 の群集構造につい 的な立場からは, 鈴木 ( 1958) が旭川市神居古 薄 の河原における蚊 族幼虫の棲息環境についてそれぞれ て, 佐藤・青野 ( 述べたものがあるに過 ぎない. 旭川は北 海道のほぼ中央に位置 し, 東に旭岳・十勝岳を 含む大雪山連 峰, 南に夕張山脈, 北に 天塩山脈 でなす上川盆地の中にある. このため大陸性気候を呈し, 年間を通 じて温度変化 が激し い上に, 積雪及び融雪による影響も多く, 叉自然水域から人工 水域までの遷移過程にある水域に 富むこと等, 本州における蚊族幼虫の棲息環境とはかなり異つた状態にある, 筆者等は1956年か ら1959年まで4年間に亘り, 旭川及びその附近における蚊族幼虫の棲息の実体調査を継続 してき た. こ にその結果を報 告し, 併せて旭川地方における蚊 族幼虫の棲息環境の特殊性について論 及する. 稿を進めるにあたり, 調査に協力 された青野弘, 建脇宏安 の両君に深謝の意を表する,. 採集 及び調 査方 法 採集は 1956年 (6~9月), 1957年 (5~6月), 1958年 (5~9月), 1959年 (4~9月) の 4 年 間 に 延べ286の水域にわたって行なわれ た. 調査の対象となった地域は, 旭川市内の川端町, 北門町, 旭町, 春光町, 神楽, 神居な どを中心とし, 更に近女, 豊岡町, 大町, 新富町, 護国神社, 鷹栖 神社, 神楽岡, 台場, 春光台, 半面山, 嵐山, 旭山, 江丹別, 神居古還, 天人峡にわたってい る. 幼 虫 の 採 集 に は, シ ャ モ ジ 叉 は トラ イ ア ン グル ・ デイ ッ パ ー を 用 い た.. 通常は幼虫を調 べて種類を判定したが, 疑問 の種 類があった場合は 実験室で飼育 し, 個体毎に 幼虫, 蛸, 成虫の一貫 した標本を作成して種類を判 定した. 結. 果. と. 考. 察. 1 . 採集された蚊の種類 本 調 査 に よ り確 認 さ れ た 幼 虫 は 第 1 表 に 示 す よ う に12種 類 で あ る.. こ の う ち, ア カ ソヤ ブ カ と. ヤマトハ ポシカ以外の10種は本州 と共通する. 総じて旭 川地方をこ棲息する蚊の種類は多いも ので iorん夢みcた“s) が 全 く z はなく, 特に本州 各地に多数みら〆 る コ ガ タ ア カ イ エ カ (C“Ze尤 tri加e′ 発見されていない ことは注目に値する. 尚最も早い時期に 幼虫が発見 されたのは, 1959年の 4月 9 日に近 女の融雪水 (日陰には残雪が ある) からエ ゾヤブカの 2令幼虫が採集された時 であり, 続いて 4月10日に, 北門町の当学 構内 - 60 -.

(4) . 旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境 Table l:Spec i t es of mosqui oes . Spec i Number of wat es er bodi es A’のがzde r s ルンγcm7 z ′ ss z メ卿 感s (シ ナ ハ マ ダ ラ カ) … …… …… …… …… … …26 i“伽細メ ゾロPo〃 月“oが殻e 〆 c s (ヤマ トハ マ ダ ラ カ) … … …… …… …… …1I s/ ′ r Cmβ C瑠璃) 伊仙2 ず〆お ・マ ダ ラ ウ ス カ) …… …… … … …… …… …… …54 -( Cz r迄【(Cm”の りαgmz s(ス ジア シイ エカ) … … … … …… …… …… …… ……40. Cm& 芯(Cmどり P必定′ sPα〃の格(アカイ エカ) …… …… …… …… …… ……86 z Cm& 【 (駈けJ c !海洋) γ どののぞ s雌 (エ ゾウ ス カ) …… …… …… …… …… …… ……13 Cz Z i / f s畔” (C諺海””) 瓦のmy” s s(ミ ス ジ ハ ボ シカ) …… …… …… …… … 5 ’ ’だj ! C”産s鐸α (C r ′ ”臨 昭”) “妙ゑ鯛z c” (ヤマ ト ハ ボ シカ) …… …… …… …… …… 6 Ae虎s(葬i川 砂α) ダリo f c r f s(ヤ マ トヤ ブ カ) …… …… …… …… …… …… …17 ′ i A司ど / Z s(oc ero加盤”s ) 綴じ畑c如〃s(ア カ ソ ヤ ブ カ) …… …… …… …… ……19 ? Aご免s (月飼おz ! (キ ソイ ロ ヤ ブ カ) …… … … … …50 ) 泥 靴隔 離Ppo〃! orP膚! s A ぬs(AばB )e S so e ′符海 (エ ゾヤ ブカ) …… …… … … …… …… …… …… ……49. の 池 か ら ア カ ソヤ ブ カ の 2 令 幼 虫 が 発 見 さ れ た. こ の こ と か ら 推 し て 両 種 と も お そ ら く は 3月 ,. 下旬, 叉は 4月上旬に醇化 したものと思われる, 195 9年の融雪時期は例年′ よりも約1ヶ月 より 早かっ たので, 当地方としては珍しく早いこの時期に幼虫が出 現したものであろう . 2 , 調杏 した水域 幼虫が発見された水域 を, 便宜上次の11種類に区分 した (第2表及び図版1 =) , . Table 2: Larva l habi t t l at s of m osqui oes .. l. 2. 3. 4. 5. 6.. vva t er bodi es Pond andl ake (me l t t ed snow wa ) 池沼 (融雪水) ・ er Pond andlake 池 沼 Ground poo l (me l t ed snow wat ) グ ラ ウ ン ドプール (副ー雪 水) er Ground pool ク Rocky poo l 岩 の 凹所. ラウンドプール. 一. Nun nber 13 19 8. 1 5 0. 21 Ground poo la l ong t orrent 僕 流 々 域 7 7. Paddy di t ch 水 田 ・ 摺 源 溝 …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… ……”・6 8. Gut ter 下 水 …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… …… ……31 9. Ces s pool 肥 料 溜 … 8 10. Con tseepage pool 堆 肥 什溜 ・pos 6 i f i ia lsma l lcont 11. Art i c a ner 人工的 小容 器 …… …… …… …… …… …… …… ……39. 「池沼 (融雪水)」 というのは, 池沼を被っている雪が 融けてきたものや 融雪水が流入してい , る 池沼 の こ と で あ り, 4 月から 5 月 上 旬 に か け て み ら れ る 「池 沼」 と は い わ ゆ る 一 般 的 な 池 , , , 沼であって, 積雪期以外は常に水を満たしているものを指す, 「グラウ ン ドプトル (融雪水)」 は, 融雪水が地表 の凹所 や轍などに溜ってでき六}・ 一時的な水域であり, 「グラウンドプ←ル」 は, 雨水, 湧水などが地表の凹所 や轍などに溜ってできた一時的な水域である 「岩の凹み」 とは, , 主と して河岸にみられるよう な岩石の凹 みや亀裂部に水が溜ったものをいう 「渓流々域」 とは . 渓流岸の砂で隔離された静的な水溜りや, 小渓のよどみのような 幾分動的な水溜 りをいう 「水 , 田・濯獄溝」 というのは水田 や濯灘用の溝のことであるが, 旭川地方ではこの種の水域に蚊の幼 虫が発見されることは極めて少な い. 「下水」 というのは, 一般家庭の流 し水溜りや それに続 , く道路わきの溝 (どぶ) などであり, 共に著しく汚 染された水域である 「肥料溜」 というのは . , 肥料用の人糞尿を一時土製, 叉はコ ンクリート製の容器に溜めてあるもので 旭川附近では土製 , , 叉は土製のものに板囲いをしてあるものが多く, 本州にみられるようなコ ンクリ←ト製の肥料溜 - 61 -.

(5) . 佐藤正三・岩瀬弘典. 十溜」 というのは, 家畜の糞尿や敷藁な どの堆積物からの浸出液を溜 は殆 どみられない, 「堆 肥テ め て お く も の で, コ ンク リ ー ト 製 の も の も み ら れ る が, 殆 ど は 土 製 の も の で あ る. 「人 工 的 小 容. 器」 というのは, 野ざらしの漬物桶, 玄関前の靴洗い用木製容器, 汚物の入った石油錐な どにで きた水溜りをいう. 以上11種類の水域 のうち, 融雪水を満たした池沼や グラウン ドプール以外は, 一般に本州のそ れと共通するものである. 一方本州では普通にみられる もので」 旭川附近ではみられない水域も うな樹 種に極めて小型 のもの 司はエ ゾヤマザクラ のょ l 多い. 例えば竹の切株は全くみられず, 樹i ・ が み ら れ る こ と も あ る が, こ れ か ら 蚊 の 幼 虫 を 発 見 し た こ と は 一 度 も な く,.叉 コ ンク リ ー ト 製 防. 火水槽も極めて稀であり, 更に後述のように, 墓地内の水域の様相も本州 のそれとは著しく異な っており, 蚊は発見されていない. 従って旭川地方では, 本州に比べて蚊の種 類が少ないばかり でなく, 幼虫の棲息する水域の種類も亦少ないものである といえる. :蚊族群集を つくるか, 各水域に対して さて以上の調査結果から, どのような水域が互に相似六 各種類の蚊が どのような分布密度をもつか, 更に各種類 の蚊の出現には季節的な消長があるか ど うかな どを統計的に検 討するためをご百分率法 (加藤・松田・山下 1952) を用いた. 3 . 水域の部類分け 一定の水域の総発見頻度数と各種類の発見頻度数の割合を百分 率の信頼限界で算 出し, 各水域 毎に図示した (第 1図) , こ れ を, 通 覧 す る と, 池 沼 (融 雪 水) は ア カ ン ヤ ブ カ と エ ゾヤ ブ カ が 棲 息 し て い る こ と に よ り. 特徴づ けられている水域 で, 特にアカソヤブカは他の11種類 の蚊よりもはるかに優占している. ‐ i l i t l of occurr idenceinterva l obab y of ence p Fig es ofthe conf .1: Tabl l f 6 0 l h i r b i t e h l i d f t t e o i b e v e p cent speces o tane rom eac ・a a n i f f i h h l i t k e c ent of T h b r a c o idence a v e e o e w n e ss r g e o e n conf . l t er i 12 spec ed snow wat 8 es ( , , wり me ,3%) . m,s. に . わ / s 2 e sノ リメカた” “ o e P .β ゞ 4 C / ″ 〃 e X メ リ ” タ , 寺 ご 桁 宛 な 〃 7 7 〃 〃 〃 J ′ 2 カ ク 2 2 メ ,〃 / d ; ぶ 2 ″ 0 8 ″ / e 6 e 6 .e. β ′ “‘ qke( o “d&/ .豚. /” 五 G o o ” r o リ “dp . .麻j. . ゼ け アたわ Pod yメ. . i. / C o z ぶ 寺Po t. ご / ダぶ o e ロ eP o o 勿 ク β タ P P. - 62 -. 醐. た市 ″ ″ 打メメi 〃 β α r 卿 ‘ ク ″ r. / o o p.

(6) . 旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境 叉 池 沼 は ハ マ ダ ラ ウ ス カ と エ ゾヤ ブカ が 棲 息 す る こ と に よ っ て 特 徴 づ け ら れ て い る 水 域 で 特 にノ・ マ ダラ ウ ス カ が 優 占 して い る. こ の よ う に み て い く と, グ ラ ウ ン ドプ ← ル (融 雪 水) は ア カ ソ ヤ ブカ と エ ゾ ヤ ブカ が, グラ ウ ン ドプ ー ル は キ ソイ ロ ヤ ブカ, ハ マ ダ ラ ウ ス カ エ ゾ ヤ ブカ シ ナ , , ハマ ダ ラ カ, ス ジ ア シイ エ カ の 5 種 が, 岩 の 凹 所 は ヤ マ ト ヤ ブ カ と ヤ マ トハ マ ダラ カ が, 渓 流 々 域 は ヤ マ ト ハ マ ダ ラ カ が, 水 田 ・ 漣 概 溝 は ハ マ ダ ラ ウ ス カ と ス ジ ア シイ エ カ が, 下 水 は ア カ イ エ. カとスジアシイエカが, 肥料溜, 堆肥? 十溜, 及び人工的小容器等では共にアカイエカのみが棲息 することにより, それぞれ特徴づけられている水域である. こ れ ら の う ち, 池 沼 (融 雪 水) と グ ラ ウ ン ドプ ー ル (融 雪 水) は, 共 に ア カ ン ヤ ブ カ と エ ゾヤ. ブカが棲息することによって特徴づけられている水域であり, 且つ両水域では総べ ての蚊の種類 の 信 頼 限界 が 重 な る か ら 同 一 の グル ー プ に 入 る も の と み な す こ と が で き る . 池 沼 と グ ラ ウ ン ドプ. ールはもともと異なる範時に入る水域であるにもか. わらず, 早春の融雪の影響を受ける時期に は, このように同一のグループに所属することは興味深い. また肥料溜, 堆肥汁溜, 人工的小容 器の3水域でも, 総べての敷の種類の信頼限界が重なるから, これらの水域は同一のグループに 属しているとみなすことができる, 従って先きに便宜上11区分した水域は次の8群にまとめられ る,. 第1群 第2群. 池沼 (融雪水) =グラウ ン ドプール 幅リ ー雪水) 池沼. 第 3群. グ ラ ウ ン ドプ ー ル. 第 4群. 岩の凹所. 第5群. 渓流のよどみ. 第6群. 水田・濯湖溝. 第7群. 下水. 第8 群. 肥料溜に堆肥汁溜=人工的小容器. この中, 第1群から第5群までは自然水域, 第7 群及び第8 び 群は人工水域であり, 第6群 の水 田・濯綴溝は半人工水域的性格をもっている, 4 . 蚊の棲息水域の比較密度 上述の8群 の水域に各種の蚊がどのような密度で棲息しているかを解析するために, ある水域 における各種の蚊の幼虫の発見頻度数と, その水域における総発見順度数との割合を百分率の信 頼限界で算出し, 蚊の種類毎に図示した (第2図) , こ れ を 通 覧 す る と, シ ナ ハ マ ダラ カ は グ ラ ウ ン ドプ ー ル に 多 く 棲 息 し て い る が そ の 棲 息 密 度 ,. はあまり高いものではない, 本州の平地におい ては, 水田や池沼が本種の顕著な発生源となって 0), 旭川附近に おいては, 水田には全くみられず, 池沼の場合も統計的 いるが (加藤・鳥海 195 には多く棲息しているとはい えない, 本州でも山岳地帯の十和 田・八甲田地域では 本種が湿地 , や地上の小水溜りに圧倒的に多く棲息 しているので (佐藤・石村 ・鳥海・加藤 1954 ), 旭川の場 合はこれに近 い傾向をもっているといえる, ヤマトハマ ダラカの本来の発生水域は渓流のよどみで, 次いで岩の凹 所にも多く棲息している . i 岩のn l所の水溜りは, 本来はヤマトヤブカが圧倒的に 多く棲息する水域であるが, 若干の流れを 有す る 凹 み に は ヤ マ ト ハ マ ダ ラ カ も 侵 入 し 得 る 可 能 性 を 示 し て い る . ハ マ ダラ ウ ス カ は 池 沼 や 水 田 の灘 湖 溝 に 多 く, 次 い で グ ラ ウ ン ドプ ー ル に 多 く 棲 息 し て い る . しか しハ マ ダラ ウ ス カ が 水 田 か ら 発 見 さ れ た の は54回 中 僅 か に 1 回 だ け で あ る こ の 点 , 本州地 , 一 63 -.

(7) . 佐藤正三・岩瀬弘典 ined i l i i t a es obt lof occurrence probab idenceint y ofspec les oftheconf Fig erva .2: Tab i dence lof60percentconf i ight groups ofhab t eve at sinthel . f ron l each the e ‐ ○ ク 0O ○ ′ 0 J ′ ○O O J / ○ ○ 0O J ク り ク ぶ / d占 / ′ をr / ○ ”〆 7 e e ″ 1 .” J ′ 毎 y ′ ザ G ′ 介 ” 餌 ク ガ ′ g “ ″ P タな . d ル d / / 6 o c yd .P cu / 月 / ′ o o 〃 e叉v J / m叫ぶ ‘ C” j 夕 o ゑ exo“em e sノリo / / g 5瀞““ ) ぶ 7 7坪力可 e ; “のみ. Cり / ′ / gxp ” 〃 J P. ” / リ C ; 〃 exr β 〃 リ. ″gd e o “た” J fノク β. ″”e ズけり ‘ ′の 占 7 Je. ′ C/ ie ′ i ク ″ g ′ 7 5 ”間y ”★ ,〃i. β ゑd節 し ex q “ ;. ′ cu / ′ CO o ”“ゆP 〃 “ナ. ″ 多 力 ぶな J o gd e 58. 方において本種の棲息が水田という特別な水域をもっという こと (加藤 1950) とは著 し く 異 な 法肥 料 溜, 堆 肥 汁 る. ス ジア シイ エ カ は グ ラ ウ ン ドプ ー ル と 下 水 に 多 く 棲 息 して い る,ア カ イ エ 力む. 溜, 人工的小容器及び下水などに棲息し, これらは他の水域に比 べて 非常に高い優位性をも って いる, このようにア カイエカが全く人工的な水 域, 特に汚染度の高い水域に優位性を示 している こ と は 本 州 の 場 合 と 一 致 して い る (細 井 1948, 加 藤 ・ 鳥 海 1950, 加 藤 等 1954).. 次 に ハ マ ダ ラ ウ ス カ, ス ジ ア シイ エ カ, ア カ イ エ カ の 3 種 の 棲 息 密 度 を 更 に 比 較 検 討 し て み る. と, アカイ エカは肥料瀞, 堆肥汁溜, 人工的小容器, 下水などの比較的 汚染度の高い人為的な水 域 に 棲 息 して い る の に 対 し, ハ マ ダラ ウ ス カ は 池 沼 を 最 高 と し て グラ ウ ン ドプ ー ル, 水 田 ・ 濯 湖. 溝などの自然水域乃至は半人工的な水域に棲息しており, 一方ス ジア シイ エカは前記2 種の棲息 水域の丁度中間的な位置を占めていることがわかる. 言い換える と, 極めて汚染度の高い 人工水 域 に は ア カイ エ カ の み が 棲 息 し, そ の 汚 染 度 が や や 低 く な る と ス ジ ア シイ エ カ が 出 現 し は じめ,更. に汚染度が低い半 人工的な水域になるともはや アカイエカは棲息せず, これ に代ってハマ ダラウ スカがス ジアシイ エカと共に優位性を示 すようになり, 更に自然水域に近 づくにつれてス ジア シ イ エ カ の個 体 数 が 減 少 し, ハ マ ダラ ウ ス カ の み が 優 位 性 を も つ よ う に な る. 本 来 ス ジ ア シイ エ カ. はアカイ エカとは異なり, 一般に地表の比較的 きれいな水域に棲息す るものである が, このよう に人工的な水域にもその棲息範囲を拡げていることは興味深いことである. エ ゾ ウ ス カ は グラ ウ ン ドプ ー ル 及 び 岩 の 凹 み に 棲 息 す る が, そ の 密 度 は あ ま り高 いも の で は な い. ミ ス ジ ハ ポ シ カ と ヤ マ ト ハ ボ シ カ は, 共 に グ ラ ウ ン ドプ ー ル だ け か ら 採 集 さ れ た が, 他 の 総. べての水域の信頼限界と重なっていることから, その棲息密度は極めて低いも のであると言える. 既に述べたように, ヤマトヤ ブカは岩の凹所だけに棲息し, その密度は極めて高い, このことは 虫雪水 先きの佐藤等 (1958) の報告と一致している. アカ ンヤ ブカは 融雪時の池沼の周辺部や, 扇 に よ っ て で き た グ ラ ウ ン ドプ ー ル の み に 棲 息 し て い る. 1958‘F佐 藤 等 が 大 雪 山 系 か ら 採 集 した ト zis 及 び ヒ サ ゴヌ マ ヤ ブ カ Aeαes(ocたZero加療‘s) カ チ ヤ ブ カ Aedes(ocたZero加 賀‘s)co7似れ#’ Zero加療燭 1拒属 の 発 生 環 境 は 総 じて 融 z dim婦αe錫s も や は り 融 雪 水 に 棲 息 して い る こ と か ら, oci グ ブ 雪 と 関 係 あ る よ う に 思 わ れ る, キ ンイ ロ ヤ カ は ラ ウ ン ドプ ー ル に 多 く 棲 息 し て い る, エ ゾ ヤ ー 64 一.

(8) . 旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境. ブカは一次的 には融雪時の池沼 や グラウ ドプールに 二次的には融雪とは関係のない池沼や グラ , ウ ン ドプ ー ル に 多 く 棲 息 し て い る. 即 ち エ ゾヤ ブ カ は ア カ ン ヤ ブ カ と 共 に , 雪融け 早々に出 現す る が, ア カ ンヤ ブ カ は 1 回 の 発 生 で 終 る の に 対 し エ ゾヤ ブ カ は 副 雪 後 も 引 続 き 2 回 目 あ る い , , は 3 回 目の 発生 を 行うも の である こ と を示 唆す る .. 5 . 幼虫出現の季節 消長 旭川市及び近郊にみられる12種類の蚊の幼虫が , どのような季節消長をもって出現するかを知 ることは, 一方において群集形態の. 一断面を確認 し得る緒ロにもなるわけである, そこで, 採集 できた4月 から9月 までの各自別に, その時出現しているそれぞれの蚊の発見頻度数と その月 , における総発見頻度数との割合を, 百分率の信頼限界で算出し 図示 した (第3図) , . Fig i i l i i son of the occurrence probab t .3: Compar es of y of each spec i toesf i lto Sept mosqu he Charc rom Apr i i t ember t s er C ,showing t i spec esi n every month . 守 形 A I 7 C メ カ ロ 1 7 歓 幼 s / ″ ク e メ ,e ′ ヒ β / ロ J e 〃〃 中 o m p .α′ ”たり ? .月“獅ノのり d / ○ / e g sg x c c ” ” ″ ぶ ′ .イ . . l岡 月p / / ′. . ー ヒ. 第 3 図 か ら, 4 月 は エ ゾヤ ブ カ と ア カ ソヤ ブ カ が 棲 息 す る こ と に よ り 特 徴 づ け ら れ , 5 月はキ ゾ ブカ ソイ ロ ヤ , エ ヤ ブ カ, ヤ マ ト ハ マ ダラ カ の 3 種 に よ り, 6 月 は エ ゾヤ ブ カ と キ ソイ ロ ヤ ブ カ に よ り, 7 月 は キ ソイ ロ ヤ ブ カ と ス ジ ア シイ エ カ に よ り, 8 月 は ア カイ エ カ ス ジ ア シイ エ カ , , ヤ マ ト ヤ ブ カ, ハ マ ダラ ウ ス カ の 4 種 に よ り, 9 月 は ハ マ ダラ ウ ス カ ア カイ エ カ ジ ス ア シイ , ,. エカの3種がそれぞれ多く棲息 することにより特徴づけられていることがわかる . 更に蚊の種類からみた季節 消長を検討するため に, 各自 の発見頻度数と種類毎の総発見頻度数 との割合を, 百分率の信頼限界で算出し, 図示した (第4図) . こ の 図 を 通 覧 す る と, シ ナ ハ マ ダ ラ カ は 4 ,5 , 6 月 と 次 第 に 増 加 し, 7 月には一時減少 するが 8 月 に は 叉 増 加 して い る. ヤ マ トハ マ ダラ カ は 5 月 に 多 発 し そ の 後 は 減 少 し て い る ハ マ ダ ラ , . ウス カ は 4 , 5 月 には発見されないが, 6 月 以 後 9 月 ま で 増 加 の 一 途 を 辿 っ て い る, ス ジ ア シイ エ カ は 4, 5 月 に 発 見 さ れ ず, 8 月 に最高,9 月 に な る と 減 少 し て い る ア カイ エ カ は 8 月 に 多 発 . し, 9 月 に は 減 少 し てお り, エ ゾ ウ ス カ は, 僅 か ず つ で は あ る が 9 月 ま で 増 加 の 傾 向 を 示 して い. る. ミスジハボシカとヤマトハボシカの両種は, 共に棲息水 域の発見数 が少ないため 信頼限界 , の 幅が著 しく広くなっている が, 傾向性としては前者は6月に 後者は 6 7 月 に 多 発 して い る , , ヤ マ ト ヤ ブ カ は 8 月 に 多 く な っ て い る 但 し 佐 藤 等 (1958) に よ る と 神 居 , , 古湾河岸の岩の凹所 (Po thole) に お け る ヤ マ ト ヤ ブ カ の 幼 虫 は, 5 6 月 は他種と比べて遥かに , こ と が 認 め ら れ る.. - 65 岬.

(9) . . 佐藤正三・岩瀬弘典 r i i l i t es of i y of each spec Fi son ofthe occurrence probab g .4: Compar l h i h sona t b e s e a s t n i l r s o w A n l e i f t g e e r l n p o p n ・osqut oes ro , ines i es . The broken l change ofthe appearancein every spec ix months (16.7%). i i f f c ent of s show the average coe. . ′ 4 y 塑皿 ,ノリ ー. ′ 1珊 ‘ リ ; 一 国 - - タ ,4リ / / ; 4 ; 刀 o i ”″ e “ P肥g. . ′ じ / ”〃 ; ” e〆 のを“. ‘“ノリ鯛化〃 ; β あ “ ク と ′. . . . 月 ク o “た鱒 ed” ノ P. s 月 g × ご Cm″ ig r” ed. 月ed ぎ e ×” “ g ぶV. . . キ 三 三 一一‘ 1 E I」 ; , , ,. / ″8d ‘ ; g s 釣り 多″. 優位になり, 7 月 は 急 に 低 下 し, 9, 10 月 には再 び優位に立つことが報告されている. アカ ソヤ. ブ カ は 4月 に 多 く, 5 月 に は 減 少 しは じめ, 6 月 以 後 は 発 見 す る こ と が で き な い. こ の こ と は, は融雪と密接な関係をも つからである キ ソイロヤブカは 5. 先きにも述 べたように, 本種の発生 . ゾ 月 に多く発見 され, 6 月 には若干減少するが,7 月には叉多くなり, 以後急速に減少する. エ ヤ ブ カ は 4月 を 最 高 と して 徐 々 に 減 少 し, 9 月には全くみられない. 7 ) は, シナハ マダラカの幼虫の発生率は一般に二つの山型を示し, 冷涼地では , 野村 (1948 8 月 を中心とする一峰型をとると言って いるが, 旭川の場合, 本種は二 峰型の傾向を示 している. 955 ) は, 宮城県松島湾 叉, 野村は, アカイエカは初夏叉は盛夏に最も多いと述 べ, 更に加藤 (1 者等の 口 の 宮 戸 島 で は, ア カイ エ カ が 7 月 か ら 9月 に か け て 多 く 棲 息 し て い る と 述 べ て い る. 筆. 場合もこれらの報告とほぼ同様の季節消 長を示 している ように思われる. 6 . 単一集団と泥棲集団 蚊族幼虫の単一集団, 及び混棲集団の季節的な移 行過程を 吟味するために図を作ってみた (第 ined b i l i bb ty in con 7 1 Fi g .5:Seasonal change of the occurrence pro a i i i tween two spec es assoc at on be ・ ′ ご ゞ / o “ ” ′ ‘ p だ eノ 2 o p ’ ′ .月 / / s / ′ 口 e “ / r xo J ‘ . e ,C ′ ロ “ y C ロ る ノ レ U e ク . . / わ ぶ. “ / e 5 ” 6 e ズ′ .こり r i ず ″ i / ”〆′☆ J e ′ の〃 ク U , y ,こ O 力 C O ′ ′ / ′ 封 ” ′ 5 ”“ P P e .ご た 〃 y d o ′ 7 ノ ロ ? 月 e P e . d “ ↓ ” / × / e iy e .力e ノリ打e / / 月P′. 圏圏 圏圏園 . ノ〃/ y. - 66 -. .

(10) . 旭川地方における蚊族幼虫の棲息甥紗覚 5 図) この図で対角線上の数 字は 各種類が単 独に棲息して いる回数を示し . ,. , それ以 外の数字は. それぞれの組 合わせのあらわれた回数を示している . 第 5 図 か ら 明 ら か な こ と は, 4 , 5 月 に お い て は ア カ ソヤ ブ カ と エ ゾ ヤ ブ カ の 混 楼 の 度 が 強 く, 6 月 に は シナ ハ マ ダ ラ カ と エ ゾ ヤ ブ カ 8 月 に は シナ ハ マ ダ ラ カ と ハ マ ダ ラ ウ ス カ, 及 び ア カイ , エ カ と ス ジ ア シイ エ カ, 9 月 に な る と シ ナ ハ マ ダ ラ カ と ハ マ ダ ラ ウ ス カ び 及 ハ マ ダラ ウ ス カ と ,. ス ジアシイエカの間に混楼の度合が強く みられるだけで, 他は散らば りが少なく 殆どの蚊は単 , 独集団, 乃至は単独集団形成の傾向をもっているということ である . 954 加藤等 (1 ) は, 松島宮戸村 における調査報告で, 初めは単一集団の傾向が強 かったものが , 季節が進むにつれて混棲する度合が強くな り 遂には各種の蚊が入 り乱れて棲むよう になると述 , べ て い る. 叉, 榊 原 (1959 b ) は, 伊勢神宮 々域では,5 月 には殆んど単一集団を形成している 8 が, 7 , 月 になると同一水域 に2種以上の蚊の混棲 する場合が多くなり, むしろ単一集団 を作る 場合の方が減少する傾向さえあると述べている . 旭川地方で, 季節に関係なく常に単一集 団 乃至は単一集団形成の傾向が強いのは 当地方の , , 特殊な気候が, 蚊の棲息に適 している水域 を局限しているためか あるいは当地方 独自の水域の , ためかは 明らかでない. 尚 シ ナ ハ マ ダ ラ カ は 5月 か ら 9月まで採集されているが. , 総体的にみて, 単独棲息 よりも混 棲 して発見される場合が多い, 即ち6月 には主として Aeαes グループと組み合わさっているが , 季節が進むにつれて C“Z e尤 グループとの組み合わせが多くなっている 既に述べたよ うに 当地 . , 方にお けるシナハマ ダラカの棲息密度は比較的低いものであるが 如上の見地から 棲 息水域そ , , の も の は, 当 地 方 の 蚊 と し て は 珍 しく 広 範 囲 に 亘 っ て い る と い え る . 般. 考. 察. 1 . 北方的性格 旭川地方には, 本州では記録されていない北方性の蚊が棲息しているのも一つの特 徴であるが , 総じて比較的 少ない種類の蚊 が, 比較的 少ない種類の水 域に しかも多くの場合 単一種による , , 大群集を作って棲息していることも大 きな特 徴の一つであると思われる 更に旭 川地方では夏が . 短かいために, 総べての蚊は 少ない世代 を繰返すに過ぎず 特にアカ ンヤ ブカの如きは 年1回 , , 融雪時期に限って発生している状態である . しかしそれらの棲息密度は必ずしも低いもの ではな く, 特に民家や家畜小屋に侵入して加害 するアカイ エカ 及び山野において執勘に来集 するエ ゾ , ヤブカ やアカ ンヤ ブカなどは極めて濃厚に発生している これらの現象は 旭川地方における蚊 , , 族幼虫の棲息状態が, 著しく北方 的性格 を帯びていることを示 すものである . 2 蚊 の故郷 . 旭川地方の蚊族幼虫の棲息水域を人工的な水域と自然水域に分けると 人工水域 には下水 肥 , , 料溜, 堆肥汁溜, 人工的小容器などがあり 自然水域には 融雪時にお ける池沼 や グラウ ンドプ , , ール, 融雪時期以後の池沼や グラウ ンドプール, 岩の凹所 渓流々域などがあり 水田・濯 海溝 , , はその中間の半人工的な性格をもっている. 旭川地方では アカイエカは人工水域 に 棲息 するが , , それ以外の種類は殆ど自然水域にのみ棲息していることは 注目すべきことであろう , 本州ではヤマトヤブカが墓地の石花立や閑伽盤などの水域に殆ど独占的に棲息し 更に民家附 , 近のコ ンクリート製防火水槽にまで進出しており (加藤・鳥海 1 950), 叉北海道 でも札幌附近の 墓地には本種が進出している (鈴木 1957) しかし旭川附近 では . , 神居古環の渓流沿岸の岩の凹 - 67 -.

(11) . 佐藤正三・岩瀬弘典 95 9 ), 958 ), 天人峡の岩の凹所のような自然水域にのみ棲息し (佐藤・建脇1 みや (佐藤・青野 1 1 4 3) 9 浅沼・宮部 ( 叉 野村・ ない . , 市内, 及び附近の墓 地の右花立や開伽盤には全く棲息してい 1943) は 水 田 が シ ナ ハ マ は 防 火 水 槽 に シ ナ ハ マ ダラ カ の 棲 息 し て い る の を み つ け, 次 い で 野 村 ( し い る. い ダ ラ カ 発 生 の 適 地 で あ り, 清 浄 な 池 沼 に も シ ナ ハ マ ダ ラ カ が 棲 息 し て る こ と を 報 告 て. ) は松島 1 950) は沼と水 田にシナハマ ダラの群集がみられるとし, 更に加藤 (1954 加藤・鳥海 ( し る 宮戸村 での調査に より, 本種は水田, 溝, 沼, 溜池などに多く棲息していると報告してい . 水 域 に の み 棲 息 し, かし旭 川地方にお いては, シナ ・マ ダラ 力 は グ ラ ウ ン ドプ ー ル の よ う な 自 然 水田のような人工乃至は半人工的 な水域には全く進出 していない. 955) の立場から極めて興味深く 思われる, 即ち, 加藤によ これらのことは害 虫起源論 (加藤 1 りのよ れば, ヤマトヤ ブカの本来の発生水域は, 八甲田の城ヶ倉渓流の 沿岸にみられる岩の水溜 限 の鳥獣に くは野生 954 ), この場合の吸血源は恐ら うな自然水域で (佐藤,石村・鳥海・加 藤 1 ‐ト製水槽等, これとよく似た環境 が作 調伽盤や民家附近のコ ンクリ‐ られていたものが, 墓地のE ヤ ブカは衛生害 られるに 及んで, 人間社会と密接な関係を持つようになり,このように してヤマト 地帯であ 虫となっ たものであろうという. 叉, シナハマ ダラカの場合は, 本来の発生水域は沼沢 う ったものが, 人為環境としてこれとよく似た水田 地帯に侵 入して きたものであ ろうとい . しても極め 旭川地方の墓地に は, 冬期間の凍結をおそれる ためか, 石の花立に しても関伽盤に こと, 竹の花 て小形の浅いものばかりで, 本州の墓地に多くみられるような石の手洗鉢は勿論の 水域は るような 虫が棲息し得 立さえも全くみられな い. 従って夏の乾燥時期 の墓地には, 蚊の幼 濃厚に棲息する ヤマトヤ ブ 6) . 河岸の岩の凹みに 全くみられなく なるのが普通である (面版=, 1 ウ ソ ドプ と も 思 わ れ る. 叉, グ ラ・ カ が 墓 地 に 進 出 し 得 な い の は, 以 上 の よ う な 特 殊 性 に よ る も の. 稲育苗が 殆ど陸苗代によ ールに散 発するシナ ・マ ダラ力が水田に 進出し得ないのは, 当地方の水 影響によるもの るという栽培 様式の違いに原因するも のか, あるいは近年多用 されている農薬の 濃厚に進出 して, 完全に害虫 かは 不明である. ともあれ, 本州では人工水域乃至は半人工水域に う べき本来の, あるい は 化されてい る上記2種の蚊が, 旭川附近では, それらの蚊の故郷ともい 深い. 原始的な発生水域にと どまり, 加 藤のいう衛生害 虫になっていないことは興味 3.. ア カイ エ カ と ス ジ ア シイ エ カ. 虫 も 極 め て 類 似 し, 幼 ア カイ エ カ と ス ジ ア シ イ エ カ は 共 に C“Ze尤 亜 属 に 属 す 近 縁 種 で あ り, 幼. 一般に呼吸管毛数によ って行なわれている. 本報告におけ る両種の区別 虫における両種の区別は‐ ジアシイエカでは もこの呼 吸管毛数によって行われた. 呼吸管毛数 は, アカイエカでは 2本, ス 4本までの範囲に 3 本といわ れているが. 実際には この数はかなり変異に富むもので, 1 本から 954 ) は, 広く各地から またがり, しかも左 右の本数が異なる場合さ えみられる. 松田・加 藤 (1 採集 した材料を, 呼吸管毛数に よりいろいろな型に分けて 論を進めている. 従って筆者等の場合 び ジ シイ エ カ も, ア カイ エ カ 及 び ス ジ ア シイ エ カ と 断 定 す る よ り も, む しろ ア カイ エ カ 型 及 ス ア. 型といっ た方が妥当かも知れない. 旭川地方において, この両種の棲息水域を検討してみると, 汚染度力ゞ高い水域に はアカイ エカ 型が棲息しており, 汚染度が低く なるにつれてス ジアシイエカ型が棲息 してくる. この傾向は, 先きの松田・加 藤の示す結果と一致している. 距離 アカイ エカ型が棲む人工水域から, ス ジアシイ エカ型が棲む自然水域ま で一連の水域が, る 的に近いところに混 在していることは, 両種の類縁関係や形態 の変異性の問 題に, 示唆を与え こ と が 大 き い で あ ろ う. 「 68 -.

(12) . 旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境. 4 . 田園都市 旭川地方で確認された蚊は12種類であるが, このうち明らかに人畜を吸血加害する種類は .シ , ナ ハ マ ダラ カ, ア カ イ エ カ, ミ ス ジ ハ ボ シ カ, ヤ マ ト ヤ ブ カ ア カ ンヤ ブ カ キ ンイ ロ ヤ ブ カ , , ,. エ ゾヤブカな どである. しかし既に述べた衛生害虫という立場からみると 民家附近の人工水 域 , に, しかも極めて濃厚 に発生する点で, アカイエカが 群を抜いていると思 われる . アカイエカは旭川市の中心部には殆どみられず, 郊外から近郊の田園地帯にかけて濃厚に棲息 している. 特に旭川市の場合, 中心部から一歩はずれるとす ぐ田園地帯とな っているため に そ , の接触地帯には近代的な衛生的環境と, 前近代的な非衛生的環境とが混在している場合が屡々み られる. 例えば旭川市の T 地区は, もともと田園地帯であったのが 近年住宅地帯と して急激に発展している地区で , ある. ここには近代的なアパートや一般住宅が数多く建設されている, それらの敷地内はよく整理され 汚水 , 排棄用の暗渠も完備し, 衛生上極めて良好な環境下にある. 勿論 蚊の発生する水域は皆無の状態である と , , ころが敷地の周辺は田園時代そのままの様相を呈し, 附近の家畜小屋から流れ込む大きな尿溜や堆肥汁溜 露 , 天に放置された肥料桶や漬物樽, 不完全な下水など, アカイ キカの発生に絶好の環境をつくっている , これら の水域に発生し, 羽化した蚊の成虫は, 恐らくはアパート街に侵入すること であろう .. 既に述べたよう に, 当地方では, 水田そのものは蚊の 発生源と して問題にならな いが 水田よ , りも遥かに汚染度の高い水 域を生み出し, それを放置 している田園生活の在 り方が大きな問題で あると思われる, そして更に注目すべきは, 衛生上極端に異なる環境が 隣合って存在していると いう事実であろう. 要. 約. 旭川市及びその附近の水 域において, 蚊族幼虫の棲息の実体を調査 し その群集形態を解析す , ると共に, 蚊の棲息状態からみた旭川地方の特殊性について論及 した . 1. 本調 査 で確 認 さ れ た 蚊 は 次 の12種 類 で あ る . シ ナ ハ マ ダ ラ カ, ヤ マ トハ マ ダ ラ カ, ・マ ダ ラ ウ ス カ, ス ジ ア シイ エ カ, ア カイ エ カ, エ ゾ ウ ス カ ミ ス ジ ハ ボ シカ ヤ マ トハ ボ シカ ヤ マ , , , トヤ ブ カ, ア カ ソ ヤ ブ カ, キ ンイ ロ ヤ ブ カ エ ゾヤ ブ カ , .. 2 . 蚊族幼虫の棲息 している水 域は11種あり, 群集構造の類似性の比較から,11種の水域は次 の8群に部類分けされた. a , 融雪時の池沼周辺部=融雪水によるグラウン ドプ←ル; b 池 沼;. , c , グラ ウ ン ドプ ー ル ; d, 岩 の 凹 所 ; e , 渓流々域 ; f , 水田・濯 湖溝 ; g, 下 水 ; h , 肥料. 溜=堆肥汁溜=人工的 小容器.. 3 . アカイ エカは人工水域に棲息するが, それ以外の蚊は殆ど自然水域に棲息 している. 特に ヤマトヤブカ, シナハマダラカの2種が自然水域 にのみ棲息 していることは 害虫起源諭の立場 , から興味深い, 4 , 幼虫の呼吸管毛 数を基準にすると, 汚染度の高い人工水域程アカイエカ型の幼虫が多く棲 息し, 汚染度の低い自然水域に近づく につれてスジア シイエカ型の幼虫が多く棲息するよう にな る. 5 .. ア カ ソ ヤ ブ カ と エ ゾ ヤ ブ カ の 発 生 開 始 時 期 は, 融 雪 の 早 晩 に 左 右 さ れ る も の と 思 わ れ る .. 6 . 比較的少ない種類の蚊が, 限られた種類の水域に, 単一集団の 傾向をもって 棲息し, しか も短期間に多数の蚊が発生し終るという現象は, 旭 川地方における蚊族幼虫 の棲息状 態が北方的 性 格 を 帯 び て い る こ と を 示 して い る も の で あ る .. 7 . 衛生害虫として最も注目すべきはアカイ エカであ り, 他の種類は未だ害虫化されていない. - 69 一.

(13) . 佐藤正三・広瀬弘興 アカイ エカは旭川市の周辺部の田園地帯に濃厚に発生する, 特に郊外に発達しつふある住宅地帯 には, 都市の衛生的環境と, 農村の非衛生的環境 が同居している場合が屡々み受けられる. 引. 用. 文. 献. s 亜族の蚊の雄生殖器 r ) ○所定〆“”ね 95 1 2 ): 北海道の政ヤブカ属 (Ae砲s 靖, 加納フ 即, 高橋 弘 ( の記載, 北海道衛生研究所時報. 1948 ): 蚊の生物学. 河出書房. 細井輝彦 ( 950 ): 仙台市近郊水域における蚊族群集の解析. 生態学研究,11. 加藤陸奥雄, 鳥海衷 (1 l i t ted by t i va i sCu s。c at ve ecology 。f insec ー=!△ (1952): As T M 6 T S U K 【 , Mり , A DA and T, YAMAs 浅沼. l i i v ing forms loku Un i . . var ous plant , 9. , Bio . Tol .Sc . Rep. 1 95 4 ): 松島宮戸村 (宮戸島) における蚊の調査報告, その 1 , 蚊族幼虫の発生源 加藤陸奥姫, 渡辺清綱 ( 宮城県衛生部 の実体調査とその考察. . 1 955a ): 宮城県加護坊山における敷族 幼虫の棲み分けについて. 生態学 加藤陸奥雄, 鳥海衷, 松田達郎 ( 研究,14 。 1955b ): 蚊の生態. DDT 協会. 加藤陸奥雄 ( to founa ofjapan and Korea LaCAs . ○桁ce of surgeon , :(1950): Mosqui s鳩 W.1 , Y.いいGUTI ,and s Hq l ny , .8th Ar. 955 1 ): 日本生態学会第2回大会講演要旨. 松田達郎, 加藤陸奥雄 ( 19 43 ): 防火用水槽と防蚊対策, 都市水域に於ける蚊族防除に関する研究 野村健一, 浅沼 靖, 宮部美久 ( 1 1 2 1. 水道協会雑誌, . 1948 ): シナハマ ダラカの生態学的研究 (要報) =,(シナハマダラカに関する研究V) . 松虫, 野村健一 ( 2,. 1 . 959a 1 ): 伊勢神宮における蚊族幼虫の棲息環境. 三重大学学芸学部 研究紀要,2 榊原慎吾 ( 1 95 9b . ): 伊勢神宮における蚊族幼虫群集の解析. 同,2 -- (1 toes of the 1 t・ 丁apanese msqui i ion ofthe adu s d 日・ TAKAHA8m (1950): A rev SA SA , M.R. KAN0 an i ipt i ih di es .20. on 。ftwo new spec . Med scr .j . Bxper Genus Aeぬぶ .Jap ,subgenus Aαル~ W t. 19 56 ): 日本の蚊, DDT 協会. 佐々 学 ( 棲息環境, 生態 攻族幼虫の, 19 54 ): 十和田・八甲田におけるリ 佐藤正三, 石村 清, 鳥海 衷, 加藤陸奥嫌 ( 1 3 学研究, . . 9 58 ): 神居古揮の河原における蚊族幼虫の棲息環境, 北学大紀要,8 佐藤正三, 青野 弘 (1 1 959 . ): 大雪山の蚊族調査予報, 旭川博物館研究報告. 自然科学,1 佐藤正三, 趣脇宏安 ( 959 ): 旭川産の蚊2種の記載. 同 2. 佐藤正 三, 岩瀬弘典 (1 ido i l d<a t。esi n SapPoro lchangein abundance of n .osqui S .Ho .J .Fac .Sc SUzUK1 K 1 9 5 6 a sona : e ) ( , .. Uni v . . V1 ,12. .Ser , Zool l i i in t t i sv c i t y larvalhab ta t h oesin sapp。ro andi .Zoo .lap. o . Ann t s of mosqu , 9 7 e 1 5 n ) : -- ( 30. 8 1959): 北海道の ′ブ カ ochlerotatus 亜属2種. 動雄,6 . 鈴木健二 (. EXPLAMATION OF PLATTBS plat el i ! t sinhab l ): Ae虎ぶ 釧〃”〆伽s and A れs sα“s ted snow wat er 1. Pond (me i i h b Za s s na t ′ば〆! r r o“” 2. Pond : Cz . i t ! s nhab e 3. Pond : C” t o川α〃加護si . . t / Sinhabi g“$ so s and Aばど se seズ””〆の2 . 1 ): Aede 1 (n t er ed snow wat le 4. Ground poo b i i h t c 定 “のばば鳶 d a c n 1 ′ o ‘ て r d S a n & . G ” z : ” むり gの 5. roun poo t 馴sinhabi s s 吻獅z ); A7燭〆ノde 6. Ground poo1 (rut . i t 1: Agds 耀oの2瀞Sinhab s 7. Grohd poo . 8. Rocky poo1: Aede s 忽pの sinhabits 2如ご ・. 「 70 -.

(14) . 棲息環境 旭川地方における蚊族幼虫の, P1at t el 9 t t er: Qf迄ヒ力め! の郎inhabi s , Gut . 10 t i er: Cm錆 ゑめ卿郎inhab t s . Gut . 11. Cess poo l: C” ′錦 ゑめ海”sinhab i t s . 12. Compos l: C”鰹tDゆi tseepage poo i t e〃si nhab s . 13. Compos l (remnant ofs tseepage poo i lo 忽那 inhab i t ): G”迄・ TP めは : き s . 14. Ar i f i i l t ca sma l IConta ・ iner (bar l i ): Cmex かか! t l e e〃si nhab s . 15. Ar i i f ia t l ーsma lcont iner (Can) : G c ′媒 かゑ a め2 t s ” き sinhabi . S 16 l l t i ma i s o t d n eC n a o i l i n e r s n r a v t t . s g eyar : no mosqu o arvainhab ..

(15)

(16) . 佐藤正三.広瀬弘典 PLATE. I. I L「鮮麗鐘 灘鹿静 穏掌謹撰瀞 \ z .. ‐7 3「.

(17) . 旭川地方に於ける蚊族幼虫の棲息環境 PLATB I I. ‐「 一 74.

(18)

参照

関連したドキュメント

 我が国における肝硬変の原因としては,C型 やB型といった肝炎ウイルスによるものが最も 多い(図

内部に水が入るとショートや絶縁 不良で発熱し,発火・感電・故障 の原因になります。洗車や雨の

汚染水の構外への漏えいおよび漏えいの可能性が ある場合・湯気によるモニタリングポストへの影

Q7 

層の積年の思いがここに表出しているようにも思われる︒日本の東アジア大国コンサート構想は︑

このような環境要素は一っの土地の構成要素になるが︑同時に他の上地をも流動し︑又は他の上地にあるそれらと

ぎり︑第三文の効力について疑問を唱えるものは見当たらないのは︑実質的には右のような理由によるものと思われ

い︑商人たる顧客の営業範囲に属する取引によるものについては︑それが利息の損失に限定されることになった︒商人たる顧客は