後志地方における蚊類幼虫の棲息環境
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(2) . 昭和54年9月 Sept 979 embe r ,1. 北海道教育大学紀要 (第2部B) 第3 0巻 第1号 lo fHokka idoUn i ive fEduca i i J t Sec l t ou r na r t s IB)Vo on( onl yo .30 .I ,No. 後志地方にお ける蚊類幼虫の棲息環境. 佐. 藤. 正. 三・赤. 松. 潤. 一. 北海道教育大学旭川分校生物学教室. i Prefecture The LarvaI Habitats of N1osquitoesin the Sh i ibesh r Sh6Z6SAT6 andJu iAKAMATSU 1i Ch Bio l i ILabo ikawa Co l t l ido Un ive i fEduca og ca ra ry i o tyo ege t r s on ,Asah ,Hokka Asah ikawa070. Abstract ied outf i lto Septemberin l978,seventeen speciesof mosquitoes l rom Apr nthesurvey carr ious water bod i ibesh iPrefec i ture(Tabl ) inedf s(0物をγ o ‐ ta el r were ob esinthe sh rom var . Aedg. α郡 云のメジ 脳卿加可燃 and Aed盗 め 物をγ所の“ 8xc粥cZ. ist ic mo ido toesin Hokka are charaCter squi .. i l i igated by meanso ftheoccurrence probab ty Thel tats weresynecol ogicauyinvest arvalhabi. taL ) thod(Kat6 e me . ,1952 ience:( 1 l l )ground iv idedintothefo The watersituation wasd rconven owingeleven kindsfo in l 7 idepoo 6 l tonebas ) l 4 5 )s 3 )t 2 )paddy,( )t l tedsnow wate ) )groundpoo e reeho r pool(me ,( ,( ,( ,( ,(. inds 11 t i 10 t tom ofboa l 9 )bo in )can )exposedt 8 r )concretebar re e concrete ba s ,Sevenk ,and( ,( ,( ,(. l l iv idedintothefo ies were also d ichhad alarge numberof waterbod owing six groupsstatis‐ wh idepoo l l 4 5 l 3)paddy )t 2 l )t l ter ica l tedsnow wa ) )groundpoo reeho e t 1 )groundpool(me y:( , ,( ,( ,( ,(. 6 ( )stone basin = exposedtire.. i i l l Z ivein ground poo ted snow water)in Sh r ‐ 膨靭のれ如s and Aede s(me α燃 l se鷲 粥じ h d d s which are regar e as nort ern mos‐ i besh ノ の朔粥”“z s の. ノP“賜 わγ and Aedgs の. . But ABdg Aedg s. i toesi s prefecture. n other prefectures,are notfoundinth qui. i ies ty ofthi ば Z A箆oめあ8をss sspeclesls れe”s s can befrequently observedin padd ,butthedens. igh noth .. i i i f ic ia l water bod t Aede si s es s can be frequently and densely observedin ar s 如Doのc“ , Th. iumi ic in i iandi ) ty(Kat6.Tor t sv muchthesame asthe case ofSenda ,1950 , C海s超痴れに硲 C 波お れれ例榔,and AB C 汝 2S月αα夢 幻“s sg錫‘ oZ綿 AB o卿メカツ粥 形粥隊owα叱れs肉 Aede ,AB h i hi iveintree ho l fwh i l tebi r c仏 w c satree com monlyfound eso rch ,〆のo”Z ,β湯郷α 〆”毎め彪“超 va ido in Hokka . ing l ハなany spec ieso f mosquitoeshaveatendencytoform anassociationofs especies,butthe. (3).
(3) . 佐 藤 正 三・赤 松 潤 一 iat ion o l fvarious species. spec lesln tree ho ] 〔 lan assoc es have a tendency to for1. 後志地方の蚊類幼虫の棲息環境については, 既に銭函海岸(佐藤ら1973 ) , 積丹半島茂岩の樹洞 (佐藤ら1 4) 積丹半島全域(佐藤ら1 97 黒松内町ブナ林 9 7 5 1 9 7 6 ) の樹洞 (佐藤ら1 977 ) 等で調 , , ,. 査 さ れ て き た,. 筆者らは, 今回上記の各地域を除く後志地方全域を調査したの で, ここにその結果を報告する . 尚, 黒松内町ブナ林の樹洞については, 今回も再度調査した.. 稿を進めるにあたり, 樹洞水域を形成する植物の種名を同定して頂いた本学教官, 西川恒彦氏に 厚くお礼を申し上げる.. 調. 査. 方. 法. 1 978年の4月から9月にわたり, 倶知 安 (く っ ちゃ ん) , 京極, 喜茂別, 留寿都 (るすっ) , ニセ コ, 昆布, 熱郭 (ねっ ぷ) 黒松内 磯谷 (いそや ) 美谷 (びたに 歌棄 ) ( うたすつ ) 湯別 , , , , , , 寿 都 (すっ つ) 島牧の1 4か所で 延べ2 2 0水域を調査した (第1図 ) , , . 幼虫は実験室 で飼育され, 幼虫及 び成虫の一貫した標本により種類を同定した 幼虫の飼育は, .. 、. た. ガ ” ラ も ミ テノヘ ーへこぎダ. Fig.I N1 i ibeshiPrefeCture ap ofthe Sh r. (4).
(4) . 後志地方における蚊類幼虫の棲息環境. Tabl iesofnnosqu i toes el . Spec Spec ies. Nunberof wat ies erbod. A勲功庇をs 毎鷲α - ” - - - 7 2硲s粥 鋤 隣 (シナハマ ダラ力 - - -“- - - - --- - - - - - - - - - ----- - --- - - --- - -14 フ ) ー Z総研毎“物Z Z B SわwαdB樹海 (トワ ダオオカ) - - . Z C“”% に) - - ----- - ---…------- ”おりoγ Bれ如焔 (ノ・マ ダライ エカ) - --- -… -- --- --- - -17 力) -- C“Z 迄 に ) - e% ” 加gqm (スジアシイ エカ) ) -- …-……………………--……………-… 1 9 C”Z -- - …- - - - - - ” - ” - - ’”-“- -”“- ”M- - “ - ---”- - “ 8z に為吃り力めば em (ア力イエ力) ” - -”--- - - - - - - - - - - - -8. C”彰% 仏( Z go c”吃りγ “膨れs s(エ ゾウ スカ) -… Ade ‘ Z(ミスジシマカ) Z - ー - - - ----- カ - ----- - - - --- - s 俗云埋り粥y均 卿′ --- - --------- - - - - - - - - - -5 o S Aedg s云曜o粥y sr ごり自助(魔α” s(ヤマ ダシマカ) …-…-……………………--……- 4 Aedg s 旧物彰y 欄兜〆 -…- s(シロカタヤ ブカ) ……--- -…----…-------…→ ‐ 26 48dg 物毎 ば s 供 ッ 云堰o (トウ ゴウヤ ブカ) ----…- -……-…--…-…-…………---M24 ABdg s 併物‘ の 如卿 覆cm (ヤマ トヤ ブカ) ……-……-……………-……………‐h60. Aedg s のぎ ”‘ ” y o〃qp廟如s(ブナノ キヤ ブカ) -…-…-……--……-………--22 Aedg s【0物彰γのα粥 毎 odo鰯“ s(キタヤ ブカ) ……………… …………………-…… 2. Aede s【0物彰和如粥 8鷲粥c勿硲 (アカンヤ ブカ) …………………-………--一 冊 2 Aede jり錆の璃 (キンイ ロヤ ブカ) …………-…------…-……24 sα鯵吻粥のめた” s Aedg sα 1 8d8 8 s o靴覇s(エ ゾヤ ブカ) …------………-…-…--‐ ‐---…--…”27 丁“め彰卿Z dg srr“P彰〆諺叱り 加粥棚sα(キン パラナガハ シカ) …---……………-… 3 Tota 1. 267. ) の方法で行い, 飼育結果は良好であった. 佐藤・伊藤 (1969. 結. 果. と. 考. 察. 1. 採集された蚊の種類 本調査で記録された蚊類幼虫は, 第1表に示した5属17種類である. このうちキタヤ ブカ, アカ ンヤ プカの2種類は北海道特有の蚊で, それ以外の15種類は本州と共通する. また, ヤマトヤ ブカ の発見水域が延べ60水域 で, 総発見水域数の22%にあたり, 他の種類の幼虫発見水域数に比べて圧 倒的に 多いの が特徴的である。 なお, 上村 (1968 ) によって宗谷と留萌の両地方を除く北海道全域に広く分布していると報告さ. れて い る コ ガタ ア カイ エ カ C%毎尤 に”毎り 存Z如8”わ物j ノ物“sは, 今 回 筆 者 ら が延 べ 55 水 域 の グラ ウ ン. ド・ プー ル, 及び延べ1 4水域の水田を入念に調査したにもかかわらず, 全く発見されなかっ た。 2. 調査した水域. 幼虫が発見された水域を, 便宜上次の1 1種類に区分した (第2表) . 「グラウン ド・プール(融雪水) 」 とは, 融雪水が地表の凹所や轍などに溜まっ てできた一時的な 水域 で, 後志地方 では4月上旬から5月中旬ま でみられる.「グラウ ン ド・ プー ル」 は主に雨水が地 (5).
(5) . 佐藤 正 三・赤 松 潤 一 i lhab i toes tatsof mosqu Tabl e2 . Lawa Number. ies vva terbod. l t l(me )グラウン ド・ プー ル (融雪水) …-…………26 t r e l. Groundpoo edsnow wa 5 lグラウン ド・ プー ル ……-……-……-………--……--………5 2 Groundpo o .. ‐-…………………-…14 ‐……‐ 3. Paddy 水田 ………-…… -………-……………‐ 7 l 4. Treeho e樹洞 -…-…-…………-…-………-……冊………押…………--4 ‐ ‐ 2 3 - - ---……--…--… …-”-…- T i d - - l潮溜まり - - … - - ………- … - - 5 ‐ epo o . -……--……=…-30 --- in 石手洗い --…---…--…--…-“-……-- 6. Stoneba s “5 ‐……--……=…“ in コンクリー ト手洗い‐」-…- -………-……-……‐ 7. Concrete bas. lコンクリート水槽 --…………………………… ……--……… 2 r 8. Concrete bar e i 9. Exposedt r e 古タイ ヤ……---……-…… ……………………………‐M…………13. ‐…… 3 ……冊…-……‐ 1 0 . Can縫---……-………………----………-……… fb a Bt t t舟底 11 . o om o o. ‐-- 2 …--……-………-…… -…---………………‐ Tota l. 220. 表の凹所や轍に溜まって できた一時的な水域である.「水田」 は現在耕作されて いるものを指す. 休. 耕 田 は す べ て グラ ウ ン ド・ プー ル 化 して い た の で, 水 田 に は 含 め ず, グラ ウ ン ド・ プ ー ルに 含 め た. Z ”卿ゑ如かぬね〆毎 Sukatchevvar 「樹洞」 の見られた樹種は シラカン バ B8 . 知痴れたα , ブナ R昭 雄. ,. ssgs8γ粥 如, コ ナ ラ Q粥冗熔 解γ躍如 じ焔れαね, ミ ズナ ラ Q“留錫s 粥伽g〆牝α var .gγo , エ ゾヤマザクラ Pγ”〃“ssα増 勿 協 ハ ウ チワ カ エ デ Aceγ卿痴れた”粥, エ ゾイ タ ヤ Aceγ 粥oれo var . 粥oれoの 7 種 類 で. あっ た. この地域の樹洞は, コナラ・エ ゾヤマザクラ では, 幹から出る枝が基部 で折れ, 折れ口の ) のA型であり, ブナ・ノ・ 974 回りが隆起して凹 所ができる型, つまり積丹半島茂岩 (佐藤・高橋1 ウ チ ワ カ エ デ・ エ ゾイ タ ヤ では 股 に でき る 型, つ ま り B 型 であ っ た. シ ラ カ ン バ ・ ミ ズナ ラ では,. A型・B型ともに見られたが, この場合のA型は, 枝が折れたあと幹の内部が腐り, そこに雨水が 溜まっ て できた点 で, 茂岩のA型とはやや異なる. 「潮溜まり」 とは, 海岸の岩の凹 所に海水や雨水が溜まっ たものをいう. 「石手洗い」 とは, 石製 の神社手洗いに雨水や水道水が溜まっ てできた水域をいう.「コンクリート手洗い」とは,コンクリ- ト製の神社手洗いに雨 水や水道水が溜まっ てできた 水域をいう.「コンクリート水槽」 とは, 浄水場 の敷地内に放置されたコンクリート製沈澱槽を指す.「古タイヤ」 とは, 使用済みのタイヤが戸外に 放置されているものを指し, 後志地方 では水田や畑作地帯に山積みにされている場合が多かっ た. 88) 礎が, 戸外に放置されているものをいう.「舟底」 とは, 「鐘」 とは, ブリ キ製の角型1斗 (1 磯舟の底に海水や雨水が溜まっ て できた水域である.. 3. 幼虫の棲息水域 第3表は, 後志地方における蚊類幼虫の分布を地域ごとに示したもの である. このうちトワ ダオ. オ カ, ト ウ ゴ ウ ヤ ブ カ, キ タ ヤ ブ カ, ア カ ン ヤ ブ カ, キ ン パ ラ ナ ガハ シ カ の 5 種 類 は 局 所的 に 棲 息. するもので, 個体数もトウ ゴウヤブカを除いて比較的少ないものであっ た.. A. 内陸部 全調査地ユ 4か所のうち8か所が調査され, 第1表に示された17種類の蚊のうち, トウ ゴウヤブ (6).
(6) . 後志地方における蚊類幼 虫の棲息環境. Tabl i ibesh iDi toesinthe Si e3 tdct r s . Mosqu. . . . A.7 2れの俗 . . . A. e g s oβ 7 2 s s . . . . . . 漂. 2. 言. ) 図. 冥 g 芸 西 些 函 三 田. 絹 雲 さ タ. 夏 巧. 目 冴. 倶. 喜. 留. ニ. 昆. 熱. 美. 歌. 湯. 寿. 島. 茂. 寿. セ. 極. 別. 都. コ. 布. 郭. 内. 谷. 谷. 棄. 別. 都. 牧. o - 0 0 ○ - ○ - ○ -. . ○ 0 . - - - - 一. . . 0 -. 0 - - -. ○ - ○ -. ○ - 0 ○ . . 0 - ○ -. - - - - ○ 0 - . 0 -. ○ - - -. - - - - ○ - - . - 一. ○ - - -. - - - - - ○ - - - -. . 0 0 0 0. - - - ○ 0 - ○ 0 ○ -. . - -. - 一 - - -. . - - - - -. - - - - ○. - 0 ○ . - - 0 - . -. -. -. 0. 0. -. -. 0. -. -. 京. 0 - 0 -. . . 竺 爾. 安. . . ど き 巨 { Z 図 図 I. 知 A” 2 7鑑7 2 S Z S .s c 2如なs ・ の′を7 . . . . . . 黒. . 磯. . . 松. 6種類の蚊がすべて得られた. 力を除く1 倶知 安は羊蹄山, ニセコ連峰, 積丹山魂などに囲ま れた地域 である. 尻別川流域には水田が広が り, 羊蹄山やニセコ連峰の山麓では畑作や乳牛の放牧が行われている. 倶知安峠付近の融雪水 グラウン ド・ プール (廃田) では, 5 月 に ア カ ン ヤ ブ カ と エ ゾヤ ブ カ の 混 棲が見られ, 放牧地内のグラウン ド・プールでは, 6 月にキンイロヤ ブカが, また廃品置場の グラ. ウ ン ド・ プー ル で は,7 月と8月 に ス ジ ア シイ エ カ や ア カイ エ カ の 単 一 種 棲 息 がそ れ ぞ れ 見 ら れ た.. 水 田 では, 6 月にキンイロヤ ブカの単一種棲息が見られ, 7 月と8 月 に シ ナ ハ マ ダラ カ, ハ マ ダラ イ エカ, エ ゾウ スカの3 種類の間 で混棲 が見られた. 倶知安町旭ヶ丘公園内にシラカン バ, ミ ズ ナ ラ, エ ゾ ヤ マ ザ ク ラ, ハ ウ チ ワ カ エ デ の 樹 洞 水 域 が 発 見 さ れ (第 2 図) , こ こ に は 5 月 か ら 8月ま. でに, ト ワ ダオ オ カ, ミ ス ジ シ マ カ, ヤ マ ダシ マ カ, シロ カ タ ヤ ブ カ, ブナ ノ キヤ ブ カ, キ ン パ ラ ナガハシカの6種類が棲息していた 石手洗いや古タイヤには, 5月から 9 月にかけてヤマトヤ ブ. . ブ カが濃密に発生していた(第3図) , 9月には, 廃品置場に放置された古タイヤにヤマトヤ カとア カイエカの混棲も見られた, 京極と喜茂別は, 倶知安と同様に山岳に囲まれた地域で, 尻別川の流域では水田が耕作され,・山 麓では畑作や乳牛 の放牧が行われている. 京極 では, 放牧地内のグラウン ド・ プールから 6月 にキ ンイ ロ ヤ ブ カ, 7 月と8 月 に は ス ジ ア シイ エ カ が 得 ら れ た. ま た, 有 機 物 で汚 染 さ れた グラ ウ ン ド・. (7).
(7) . 佐藤 正 三・赤 松 潤 一. F i ig.2 Kutchan Tree ho l dg e : AE Z s 7 2 2ひ錫‘ S and Aedg s. Fig.3 Kutchan i in: ABde ts Stone bas s 如ゑの銘じαsinhab. 2α婚 inhabi t 如かo 7 2. プー ルには, アカイエカが濃密に棲息していた. 石手洗いや畑作地内の古タイヤには, 5 月から 9 月ま でヤマトヤ ブカが単独 で棲息していた. 喜茂別 では, 6 月から 8 月まで, 石手洗いにヤマトヤ ブカが発生していた.. ニセコの尻別川流域 では稲作が行われ, 山地では畑作や乳牛の放牧が行われている. 国道沿いの. グラ ウ ン ド・ プー ル に は, 6 月 に キ ンイ ロ ヤ ブ カ, 8 月 に ハ マ ダライ エ カ が 棲 息 して い た. ニ セ コ. アンヌ プリ山頂近くの 「山の家」 付近 一帯 (標高約750m~1300m) では, 蚊類幼虫は全く発見さ れ な か っ た.. 昆布もニセコ同様に, 平野部 では水田が見られ, 山地 では畑作や乳牛の放牧 が行われている. 5. 月 の 融 雪 水 グラ ウ ン ド・ プー ル, 及 び8 月 の グラ ウ ン ド・ プ ー ル か ら は 共 に エ ゾ ヤ ブ カ が 得 ら れ た.. 別荘地のエ ゾイ タヤの樹洞には5月から 8 月 ま でシ ロ カ タヤ ブ カ が 棲 息 して い た. 水 田 では, 7月. と 8 月にシナハマ ダラカとハマ ダライエカの混棲が見られた. 別荘地の古タイヤには, 5月から 8. 月 ま でヤ マ ト ヤ ブ カ が 発 生 して い た.. 熱郭 でも水田や乳牛の放牧地が見られる. 放牧地の融雪水グラウン ド・プールには4月から 5月 にかけてエ ゾヤ ブカが棲息し, 融雪期以外の グラウン ド・ プー ルには6月にキンイロヤ ブカが棲息 して い た. 水 田 に は 7 月と8 月 に シ ナ ハ マ ダラ カ と ハ マ ダラ イ エ カ が 混 棲 し, 石 手 洗 い に は 4 月か. ら 9 月ま でヤマトヤ ブカが濃密に発生していた.. 黒松内の朱大川流域も水田や放牧地帯 である. 線路沿いの融雪水 グラウン ド・ プールから, 4月. に キ タ ヤ ブ カ が, 5 月にはエ ゾヤ ブカがそれぞれ得られた. キタヤ ブカの棲息密度は低く, 2水域 か ら 15 頭 得 ら れ た に 過 ぎな か っ た. ま た 道 路 沿 い の グラ ウ ン ド・ プー ル では, 6 月 に エ ゾ ヤ ブ カ と キ ン イ ロ ヤ ブ カ の 混 棲 が見 ら れ た. キ タ ョ シ が 茂 っ た グラ ウ ン ド・ プー ル か ら, 7月 に ハ マ ダライ. エ カ と ス ジ ア シイ エ カ が 得 ら れ た. 歌才 の ブナ 林 の 樹 洞 か ら, 4 月から9 月 ま でに トワ ダオ オ カ,. ミ ス ジ シ マ カ, シ ロ カ タ ヤ ブ カ, ブナ ノ キ ヤ ブ カ の 4 種 類 が 得 ら れた. 石 手 洗 いに は 5月から9 月. ま でヤマトヤ ブカが発生し, 9 月 に は ヤ マ トヤ ブ カ と ア カ イ エ カ が 混 棲 し て い た.. B. 沿岸部 全調査地1 4か所のうち6か所が調査された. こ こ では 第 1 表 に 示 さ れ た 17 種 類 の う ち 9 種 類 の. 蚊が得られた.. (8).
(8) . 後志地方における蚊類幼虫の棲息環境. Fig.4 Utasut su Tide poo l: Aedg sz ogの and α 吻% 勿Dzの2 s inhab i t. Fig.5 Yube t su Aedg l Tree ho s ノリo彩 れ‘ s s e : Aedg , Sもの”窃盗α inha 〃の励 み‘ s and 乃 多彩γメメB ‐ bi t. 磯谷, 美谷, 歌棄は共に日本海に面する小漁村で, 山地が海岸近くま でせまり 岩海岸 が発達し , ている. 磯谷, 美谷では, 潮溜まりに5月から 9 月ま でトウ ゴウヤブカが濃密に発生し, 磯舟の底 にもトウ ゴウヤ ブカが進出していた. 歌棄の潮溜まりにも4月から 9 月 に か け て ト ウ ゴ ウ ヤ ブ カ が 棲息しており, 特に9月には, わずかに1水域ではあるがトウ ゴウヤブカとアカイエカの混棲も見 られた (第4図) . また石手洗いには5月から 8 月 ま でヤ マ トヤ ブ カ が 棲 息 して い た. 湯別は朱大川の下流の部落 で, 流域には水田や放牧地が広がっ ている 5月から 8 月 に か け て , 。. 神 社 境 内 の コ ナ ラ の 樹 洞 か ら ヤ マ ダシ マ カ, シロ カ タ ヤ ブ カ ヤ マ ト ヤ ブ カ ブ ナ ノ キ ヤ ブ カ キ , , , ン パ ラ ナ ガハ シカ の 5種 類 が 得 ら れ た (第 5 図) コ ン クリ ー ト 手 洗 い に は 5月 か ら 8月にかけて . ,. ヤマトヤブカが棲息し, 8月にはヤマトヤ ブカと ブナ ノキヤブカの混棲も見られた . 寿都は寿都湾に面する漁業中心の町であるが, 水田や放牧地もわずかに見られる 道路沿 いの グ .. ラ ウ ン ド・ プー ルか ら, 6 月 に は キ ンイ ロ ヤ ブ カ が 7月 に は ス ジ ア シイ エ カ が 得 ら れ た 5 月 に , 。 は寿都神社境内の廃材の凹所にヤマ ダシマカ, シロカタヤ ブカ, ヤマトヤブカ ブナノキヤブカの , 4種類が発生していた,. 島牧も日本海沿岸に点在する小漁村で, 山が海岸近くま でせまっ ているために耕地は少ない 4 。. 月 に 浄 水 場 の コ ン クリ ー ト 製 沈 澱 槽 に ヤ マ ト ヤ ブ カ が 発 生 して い た ま た 道 路 沿 い の グラ ウ ン ド・ 。 プールに, 6月 に は キ ン イ ロ ヤ ブ カ が, 7 月 に は ス ジ ア シイ エ カ がそ れ ぞれ 棲 息 して い た .. 4, 百分率法による群集構造の解析 A . 水域の部類分け ‐ 第6図は, 一定の水域の総発見頻度数と各種の発見頻度数との割合を百分率の信頼限界で算出し 6eta t l 952) (百分率法, Ka . ,1 , 各水域ごとに図示したもの である. 17種類の蚊類幼虫が, ある水 域に均等に発見されるものと仮定すれば, 各種類の平均発見率は,5.9%である。 信頼限界の上限乃 至は下限が5.9%の線から外れている種類があれば, その種類はその水域 では均等分布 していない ことになる, なお 「コンクリート手洗い」 , 「コンクリート水槽」 , 「鑓」 ,「舟底」 等は, 発見水域数が 少ないの で統計処理上省いた.. 第6図を通覧すると, 「グラウウン ド・ プール (融雪水) 」 はキンイロヤ ブカ, エ ゾヤ ブカの2種 (9).
(9) . 佐 藤 正 三 ゞ赤 松 潤 一 Z d ノ り 汐 o e ″ ず ‐7 労 6 る / “ ” e J ず .ご .′ ◇ / / .A たりo ‘ 2 力 ノ / メ q ” e ヂ 勢 .ハ .ク A ろ d /J ≠ “ ” e 葛 o ぶ り ‐. / 々 り ご ′ ” ご / ″ J ズ .ハ .G / す e ズ 冴 ″ ず .ハ .レ /7 / ′ ” 勿6〃 ぶ o p ,万 ,6. . 力 d / O O BP Fig.6. G dp / o ′ o ” “ o. ゑQd け y. J ナ わ リ eo ″ α J ′. / β * ず edプ ′ e Po. 万 / ′ eo e e. ies l i ty ofSpec lofoccur idenceinterva Tabl r ence probabi eoftheconf idence lof6 inedf 0percentconf tatinthel eve rom each habi obta . i 5 9%) f ic ientof1 7spec inesshow theaveragecoef The brokenl s( e . . l tedsnow water m.s : me . w.. 類 が 棲 息 す る こ と に よ り, 「グラ ウ ン ド・ プー ル」 は, シ ナ ハ マ ダラ カ, ハ マ ダライ エ カ, スジ ア シ イ エ カ, キ ンイ ロ ヤ ブ カ, エ ゾ ヤ ブ カ の 5 種 類 が棲 息 す る こ と に よ り 特 徴 づ け ら れ る 水 域 であ る.. こ の よ う に 見 て ゆく と, 「水 田」 は シ ナ ハ マ ダラ カ, ハ マ ダライ エ カ, エ ゾウ ス カ, キ ンイ ロ ヤ ブ カ の 4 種 類 に よ り, 「樹 洞」 は シ ロ カ タヤ ブ カ, ヤ マ トヤ ブ カ, ブナ ノ キ ヤ ブ カ の 3 種 類 に よ り, 「潮. 溜まり」 はトウ ゴウ ヤ ブカにより, 「石手洗い」 と 「古タイヤ」 は共にヤマトヤ ブカにより, それぞ. れ特徴づけられている水域である. こ れ ら 7種類の水域のうち,「石手洗い」と 「古タイヤ」は共にヤマトヤ ブカにより特徴 づけられ, また信頼限界がすべて重なるの で, 同一の水域とみなすことができる. 従っ て7種類の水域を6種 類の水域群に部類分けすることができる.. B. 棲息水域の比較密度 各種の蚊がどのような水域に 多く棲息しているかを知るために, 各種の蚊の幼 虫の総発見頻度数 と, その水域における幼 虫の発見頻度数の割合を百分率の信頼限界で算出し, 蚊の種類ごとに図示 ブ 発見水域数が少ないので除外された. ま した (第7図) . 尚キタヤ ブカとアカンヤ カの2種類は, た 「石手洗い」 と 「古タイヤ」 は, 同一水域と見なされるので一つの 水域として扱い, 「コンクリ- ト手洗い」 ,「舟底」 は,発見水域数が少ないため, 統計処理上除外され , 「躍」 , 「コンクリート水槽」. た. こ れ を 通 覧 す る と, シ ナ ハ マ ダラ カ は グラ ウ ン ド・ プー ルと 水 田 に 多く 棲 息 して い る, トワ ダオ オ カ, ミ ス ジ シ マ カ, ヤ マ ダシ マ カ, シ ロ カ タ ヤ ブ カ, ブ ナ ノ キ ヤ ブ カ, キ ン パ ラ ナ ガ. ハシカの6種類は樹洞にのみ棲息している.. ) (1 0.
(10) . . 後志地方における蚊類幼虫の棲息環境. ( 露;す ご {- ;E I グプ″ # J p G z PO. A / ” レ ク ” ず Pたァ .ア. 窓もぎ .7. A″J / / “ β J J ″. - -1 -. アア d / ク J “ ” e “ ′. パ / y e ” ′ .“. ハ / i 口 o y .7. 1 { ず 7 o “た〃 P .ノ. i l i Tabl idence inter l of occur ty of e of the Conf va r ence Probab iesobta inedf ix groupsinthel lof6 0 spec rom each ofthes eve idence PercentConf. ハ マ ダライ エ カ は グラ ウ ン ド・ プー ルに 最 も 多く, 次 い で水 田に 多く 棲 息 し て い る. ス ジ ア シイ. エ カ とア カイ エ カ は グラ ウ ン ド・ プー ル に 多く 棲 息 して いる, ア カイ エ カ の 見 ら れた グラ ウ ン ド・. プー ルは有機物による汚染が進ん でおり, 人工水域化したグラウ ン ド・ プール であっ た. トウ ゴウヤ ブカは, 海岸の潮溜まりに独占的に棲息している, ヤマトヤ ブカは石手洗いと古タイ. ヤに多く棲息し, 次いで樹洞にも進出している.. キ ン イ ロ ヤ ブ カ は グラ ウ ン ド・ プ ー ルに 最 も 多く 棲 息 し, 次 い で融 雪 水 グラ ウ ン ド・ プー ルと 水 田 に 多く 棲 息 して い る. エ ゾ ヤ ブ カ は 融 雪 水 グラ ウ ン ド・ プー ルに 最 も 多く, 次 い で グラ ウ ン ド・ プ ー ルに 多く 棲 息 し て い る.. C. 幼虫出現の季節的消長 記録された1 7種類の蚊類幼虫が, どのような季節的消長をもっ て出現するかを知るために, 4月 から 9月までの各自別に, その時出現しているそれぞれの蚊の発見頻度数と, その月における総発. 見頻度数の割合を, 百分率の信頼限界で算出し, 図示した (第8図) . 4月 と 5 月はヤマトヤブカ, エ ゾヤ ブカの2種類により特徴 づけられている. 6 月はヤマトヤ ブカが残り, それに新しくキンイロヤ ブカが加わった2種類によっ て特徴 づけら れ て い る.. 7 月は C“を尤 属 の 蚊 の 発 生 時 期 であ り, AeαB S属 の ヤ マ トヤ ブ カ と シ ロ カ タ ヤ ブ カ に, C粥釧 属 の. スジアシイエカが加わっ た, 合計3種類の蚊により特徴づけられている. 8月は C”を尤属 の ハ マ ダライ エ カ と ス ジ ア シイ エ カ の全 盛 期 であ り, そ れに シ ナ ハ マ ダラ カ と ヤ. マトヤ ブカが加わっ た, 合計4種類の蚊によっ て特徴づけられている.. 9 月 に は, 8 月 に 見 ら れ た シ ナ ハ マ ダラ カ, ハ マ ダライ エ カ, ヤ マ トヤ ブ カ が 残 り, こ れに 新 し. くアカイエカとトウ ゴウヤブカが加わり, 合計5種類の蚊によっ て特徴づけられている, 但し棲息 水域数及び幼虫の種類数 が, 共に顕著に減少している. (1 1 ).
(11) . 佐 藤 正 三・赤 松 潤 一 / 2 J 女 / J ノ Z ′だ″ z 7 ,C ,o ‘ ‘ 7 / 7 ハ ノ ク〃 ク ず & . ,タ ハ 云 & ず ‘ 冴 々 ′ ◇ノ 9 .〃 ″ - ノ リ ○ ″ メ タ ″自 律 / 〕 メ 〆 e ズ ク タ ″ “ J .力 ” ” . , ″ . 仁 . 一 . . ÷ ーー. ー . . F~g.8 Compar ison ofthe occur rence probabiロty of each i i l to September toes f spec les of mosqu r om Apr , is icspec iesineve t showingthecharacter 1γ month. s属 の 蚊 に C“を尤属 の 蚊カ功= 総 じて 4 月 ・ 5 月 ・ 6月 に は Aede s属 の 蚊 が優 占 し, 7 月 に は A dg. わり,8月と9月には C“彰尤属 の 蚊 を 中 心 と し,A%op庇をs属 と Aedes属 の 一 部 の 蚊 が優 占 種 と な っ ている. つまり4月・5月・6月と, 8月・9月とはそれぞれ相似た群集構造を示し, 7月は, そ. の移行型を示していると 言える, 972 ) C“ Z ) e %属の発生時期は, 旭川地方 (佐藤・岩瀬1960 , 道北地方 (佐藤 , 知床半島 (佐藤ら1 6 ) などと同様に, 後志地方でも概ね7月から始まっ ている. また 5) ら1 97 , 十勝地方 (佐藤ら197 数は 群集を構成する幼虫の種類 , 旭川や銭函と同様に, 後志地方 でも9月に 激減している, 5. 単一種と混棲集団 蚊類幼虫の単一種集団及び混棲集団の季節的移行を知るために第9図を作製した. 対角 線上には 各種類が単独 で棲息していた回数を示し, それ以外の数字は, それぞれの組み合せの現われた回数 を 示 し て い る.. 4 月 は エ ゾ ヤ ブ カ と ヤ マ ト ヤ ブ カ の 単 一 種 集 団 が 多く, わ ず か に ブナ ノ キ ヤ ブ カ と シ ロ カ タ ヤ ブ. カの混棲が見られるだけである.. 5月 は, 4 月 と 同 様 に エ ゾ ヤ ブ カ と ヤ マ ト ヤ ブ カ の 単 一 種 集 団 が最 も 多 い が, 4 月 に 比 べ て AeαB S. 属の蚊の組み合せが複雑になり, A勧め庇Z e s属の蚊 の混棲もわずかながら見え始めている,. 6月 は, 4月 と 5月 の エ ゾ ヤ ブ カ に 変 わ っ て, キ ンイ ロ ヤ ブ カ の 単 一 種 集 団 が最 も 多く, 次 い で. ヤマトヤ ブカの単一種集団が多い. また樹洞性の蚊の組み合せが複雑になっ てきている.. 7 月 は ス ジ ア シイ エ カ と ヤ マ ト ヤ ブ カ の 単 一 種 集 団 が 最 も 多く, 6月 に 多か っ た キ ンイ ロ ヤ ブ カ. が全く見られず, それに代わっ て C“を尤属の蚊が多く現われている. 樹洞性の蚊の混棲は, 6月と (1 2 ).
(12) . 後志地方における蚊類幼虫の棲息環境 / / 2 J ク / / / / / ◆/ よ仏/ 7 ,ノJ . f678Q /A〃 ノ / J 〃助ず J\ 1 I . 2 r 〆 \ プ / ク ″ z 7 e ″ ′ J , ‐ J / \ e ″な/ ′ 十 1 ! .G “ノ \ \ \ l i 7 / . / ノ ク \ I 4 ′ / 9 ,パ , \ \ 2 l 、 / 夕 / o リ 2 ダ ・A ,テ . / /月 i / }l 7 “ ‘ ” J Po , ノ 2 / A / / ≠ 2 \ l ク ′ ” * f ., 〆 r 2I \ へ I ” /7 ゐ” ′ l I \ p ? / ; 夕 .Z .6の 2 、 2 /I \ ′ / 1 I/ 2 \ ″/ 、 // J l \ 2 / // / /. 2 ¥ /J 、 ず / 〃 / J \ \ \ l l \ l \ l \. /ZJ々 ○ / / / 2 / 占 J / 夕 / / / ? ょ ,β .‘‘7 .?/ \ “ f \ \ \ \ l \ l \ \ 2 J / ′ ょ 2 ″ l ・ / ・ 2 ′ \ \l 2 / } 」 2 ” ′ / \ 」. / ○ / /〃2 / .2Jqぶ‘ワβ , .今 . \ / / 十 \ f / \ l \ ー \ l 、 2 / l 、 / / ・ / /J / I/ J 、 ′ 2 / l i ・ / / / 2Z ー \ \l / 側 r z / \. \ ず/ / \ ず ‘ / / ” / J 、 / / ( / \ / / \ / J 2 よ 、 ”ヱ ノ 2 2′ \ \ / \ / /. / - ′ \ / / 了 / T /2 \ \ \ ′ 2. ? 、 ・ / i / \ \ \ \ \. 1増.9 Seasonalchangeoftheoccurrence probabiロtyinconbined associat ion betweentwospec ies. 同 様 に 複 雑 であ る. ま た 僅 か では あ る が, A”op庇Z e s属 と C“彰 属の蚊の混棲も見ら れる .. 8月は,7月に見られた Aれゆね〆鐙 属と C”彰尤属の混棲が多くなるが, α‘ Z e %属の単一 種集団も多 い. 樹洞性の蚊の混棲は減少して いる. 9 月は, 棲息水域数が減少すると共に混棲も激減し A”o p彰をs属, C”彰尤属, Ade s属の3種の , 蚊は, それぞれ単一集団の傾向を示す. ヤマトヤ ブカとアカイエカの混棲が初めて見られている . 総 じて, 4 ・ 5 ・ 6 月 は Agde s属 の 蚊 の 単 一 種 及 び混 棲 集 団 を 中 心 と し,A 勧めね認B S属 の 蚊 が こ れ A α に加 わ り, 7 0 8 ・ 9月 は C”‘ と 蚊 一 尤属 の 〃 の 単 種 及 び 混 棲集 団 を 中 心 と し,A eB S属 “op毎Z e s属 ‐. の蚊がこれに加わり, 全体を通じて Ae叱s属から C“を尤属への移行が明瞭に認められる . 佐藤・岩瀬 (1 960) は, 旭川地方では季節に関係なく, 常に単一種集団を形成する傾向が強いと 述べ,北方的性格 の大きな特徴の一つとして取り上げている 後志地方 では 積丹半島(佐藤ら197 6 ) . , と同様に, 非樹洞性の蚊には単一種集団の傾向が強く, 上記の北方的性格 が認められるが 樹洞性 , の蚊には混棲の傾向が強く, 本州的性格を示しているよう に思われる. 般. 考. 察. 1. 0物を〆砺の”s亜属 の 蚊 当地方から発見された 0物を“おれは 亜 属 の 蚊 は, キ タ ヤ ブ カ と ア カ ン ヤ ブ カ の 2 種 類 だけ であ る.. キタヤブカは銭函 (鈴木1 95 9 974 ) 97 5 ) 5) , 佐藤ら1 , 積丹半島 (佐藤ら1 , 蘭留 (佐藤ら197 , 日高 地方 (佐藤ら1978 ) などから, アカンヤブカは旭川 G妻沼ら19 52 岩瀬1 95 9 60 ) 、 , 佐藤・ , 19 , 銭函 (鈴木1 959 阿寒一 佐藤ら1 9 3 ) 7 ( 2 帯 佐藤・富田1 9 6 ) 知床半島 ( 佐藤ら1 7 2 ) 道北地方 (佐 9 , , , , 藤ら1 97 3) 十勝地方(佐藤ら1 ) 根釧地方(佐藤ら1 9 7 6 977 )などから, それぞれ記録されており, , , (1 3 ).
(13) . 佐藤 正 三・赤 松 潤 一. 共に比較的低地性の蚊 である.. 一 方, 佐 藤 ら (1978) に よ れ ば, oc賜鍔ひ如粥s 亜属 の 蚊 の う ち トカ チ ヤ ブ カ と チ シマ ヤ ブ カ は, 共. 0o に本来高地性乃至は極地性の蚊 であり,旭川地方 ではもはや平地には見られず,大雪山系の標高1 ,0 m前後のグラウン ド・ プー ル (融雪水) にのみ, その棲息が可能となっ ている. 両種は大雪山 (佐 972 ) などにも多産するが, 962 ) や知床半島 (佐藤ら1 藤1 95 9) のほかに, 阿寒一帯 (佐藤・富田1 ) 6) 97 道北 (佐藤ら19 ) 73 , 胆振 (佐藤ら未発表) の各地 では, , 日高 (佐藤ら1978 , 十勝 (佐藤ら1. 極めて局地的に, しかも少数棲 息しているにすぎない. 後志地方 では, トカチヤ ブカとチシマヤ ブカが全く発見されず, また低地性のキタヤ ブカとアカ ンヤ ブカにしても, 極めて稀にしか発見されていないということは, この地方の北方的性格がかな り稀薄になっ ていることを示唆しているように思われ, 興味深い. 2. 害 虫化. 今 回 の 調 査 で, 延 べ 14 水 域 の 水 田 か ら シ ナ ハ マ ダラ カ, ハ マ ダライ エ カ, エ ゾウ ス カ, キ ンイ ロ. 50 ) では水田が ヤ ブカの4種類の幼虫が発見された. これらの種類の多くは, 本州 (加藤・鳥海19 960 ) では蚊類幼虫が水田から発 その顕著な発生源となっ ているのに対し, 旭川地方 (佐藤・岩瀬1. 見されることは全く なく, グラウン ド・ プー ルに散見されるに過 ぎない. 米作の北限地帯または限 6) の各地方でも, 旭 97 ) 97 2 977 ) 975 界を超える道北 (佐藤ら1 ,1 , 十勝 (佐藤ら1 , 道東 (佐藤ら1 も進出しているが ) 9 7 8 では水田に 川地方と概ねその軌を同じくする. 日高地方 (佐藤ら1 , その程 度は極めて低いものである. 後志地方 では, 蚊類幼虫が棲息する水田そのものは比較的頻繁に発見されるが, 蚊の棲息密度は, 本州の水田に比べて著しく低いもの である. つまり自然水域の グラウン ド・ プー ルから半人工水域 95 5 ) の段階に達してい な の水田に 進出するき ざしは明らかに認められるが, 未だい害 虫化″(加藤1 いと考えられる. 既に述べたように, 当地方 では戸外に放置された古タイヤ, 神社の石手洗いのような人工水域に ヤマトヤ ブカが濃密に棲 息している. ヤマトヤ ブカは, 本州 では墓 地の石花立や ぃあかうけ″ など ) 950 の水域に殆 ど独占的に棲 息しているが(加藤・鳥海1 , 旭川地方では神居古漂河岸の岩の凹所の ような自然水域のみに棲息し, 石手洗いのような人工水域には全く進出していない (佐藤・岩瀬. い 虫化″ の段 階 に 近 づ い て い る と 考 え ら れる ブ 1960) . . 従っ て後志地 方のヤマ トヤ カは 害. 3. 樹洞性の蚊 ) で成 46 トワ ダオオカは, 本州各地の樹洞から記録されているが, 北海道では札幌付近 (高橋19 97 7) から幼虫がそ ) 及 び黒松内町 ブナ林の樹洞 (佐藤ら1 虫が, 積丹半島茂岩の樹洞 (佐藤ら1974 れぞれ記録されているに過 ぎない. 今回の調査 で茂岩と 黒松内の中間に位置する倶知 安で発見され たことから, 本種は積丹半島を含む後志地方全域に 分布するものと考えられる. 97 ) は, 積丹半島茂岩の樹洞 ではシロカタヤ ブカの優占度がブナノキヤ ブカのそれよ 7 佐藤ら (1. りも高いのに対し, 黒松内の樹洞では両種の優占度は同程度になっ ていることを見出し, 樹洞水域 4 ) に近い における蚊類群集構造の立場から, 黒松内は茂岩よりむしろ十和田・ 八甲田 (佐藤ら195 積丹半島よりもむし ら 両種の優占度は同程度であることか 後志地方の樹洞では と述べている. , , ろ黒松内, 更には十和田・八甲田に似ているように思われる. ヤマトヤ ブカは, 前述のように古タイヤや石手洗いを特徴づける種類 であると 共に, 樹洞水域を ) 959 958) も特徴 づけている. 本種は, 本州の樹洞では京都市付近(中田・小野1 , , 伊勢神宮(榊原1 4 (1 ).
(14) . 後志地方における蚊類幼虫の棲息環境. 静岡(榊原1 ) などで記録されているが, 北海道の樹洞水域からは未だ記録されていない また, 962 。 筆者らの一人 である佐藤は, 1 4年八甲田のブナ林 で, 本種の雌成虫が激しく来集したにもかかわ 95 らず, 幼虫は樹洞水域には全く見られず, 付近の城ヶ 倉渓流の岩の凹所に極めて濃密に棲息してい. るのを見ている. 以上のことから, 本種幼虫が樹洞水域に棲息することは, 北奥羽及び北海道 では 極めて稀であり, 従っ て今回後志地方の樹洞で本種が記録されたことは注目に値する . シラカン バは北海道 では極めて普通に見られる樹種 であるが, その樹洞から蚊類幼虫が発見され た報告は未だ知られていない. 従っ て今回倶知安町旭ヶ丘公園のシラカン バ林で, 蚊類幼虫の棲息 する樹洞が, 5月から8月まで延べ6水域発見さ れたことは興味深い. なお, シラカン バの樹洞に は トワ ダオ オ カ, ミ ス ジ シ マ カ, ヤ マ ダシ マ カ, シ ロ カ タヤ ブ カ, ヤ マ ト ヤ ブ カ の 5 種 類 が棲 息 し. ていたが, 他の樹種では優占度の高かっ た プナノキヤブカは, シラカン バの樹洞からは発見されな か っ た.. 4. 後志地方の特徴 佐藤・岩瀬 (1 960 ) は旭川地方の蚊類幼虫の棲息状態を調査 し, 北方的性格として①北方系の蚊. が棲息していること, ②比較的少ない種類の蚊 が, ③比較的少ない種類の水域に, ④単一種による 大群集をつくり, ⑤短期間 でその発生を終えることなどを挙げている. 後志地方でも北方系の蚊が僅少な がら棲息し, 樹洞以外の蚊には単一種集団をつくる傾向がみら れることな ど, 北方的性格は部分的に認められるが, ①高地性乃 至は極地性の蚊とみなされるトカ. チ ヤ ブ カ, チ シ マ ヤ ブ カ の 両 種 が 全く 発 見 さ れ な い こ と, ② シ ナ ハ マ ダラ カ キ ンイ ロ ヤ ブ カ な ど ,. が半人工水域の水田に頻繁に進出していること, ③ヤマトヤ ブカが人工水域の石手洗いや古タイヤ に頻繁且つ濃密に進出していること, ④樹洞水域における蚊類幼虫の群集構造が十和田・八甲田的 であることなど, 非北方的な特徴も 多く みられる. 以上のことから, 後志地方における蚊類幼虫の棲息状態は, 北方型から本州型へ大きく移行して. いるように思われる.. 要. 約. 1978 年 の 4 月から 9 月にわたり, 後志地方に棲息する蚊類幼虫の種類及 びその発生水域を調査. し, 考察を行っ た.. 1. 記 録 さ れ た蚊 は 第 1 表 に 示 す 17 種 類 であ る. こ の う ち キ タ ヤ ブ カ, ア カ ン ヤ ブ カ の 2 種 類 は,. 北海道特有の蚊である. 2, 調査した水域は第2表に示した11種類で, このうち石手洗いと古タイヤは, 統計的に群集構 造の相似た水域とみなすことができる.. 3. シ ナ ハ マ ダラ カ や キ ンイ ロ ヤ ブ カ が 水 田 に 進 出 し て い る が, 棲 息密 度 は 高 いも の では な い。. 4. ヤマトヤ ブカは石手洗いや古タイヤに濃密に棲息すると共に, 樹洞水域にも進出している. 5. 樹洞水域を特徴づけるシロカタヤ ブカと ブナノキヤ ブカの優占度はほぼ同程度である. 6. シ ラ カ ン バ の 樹 洞 に 蚊 類幼 虫 が 発 見 さ れた の は 初 め て であ る.. 7. 非樹洞性の蚊に単一種棲息の傾向が見られる. 8。 後志地方における蚊類幼虫の棲息状態は, 北方型から本州型へ大きく移行しているように思. わ れる.. (1 ) 5.
(15) . 佐 藤 正 三・赤 松 潤 一. 引. 用. 文. 献. d 0物をmねれ岱亜属の蚊の雄生殖器の記載, 北海 9 5 2 浅沼 靖, 加藤六郎, 高橋 弘.1 . 北海道の蚊ヤ ブカ属 仏 B 52年2月 号 : 1 - 7. 道衛生研究所時報, 19 8 25一12 生態学研究, 11(3, 4) :1 950 . 加藤陸奥雄・鳥海 衷. 1 . 仙台市近郊水域における蚊族群集の解析. l i i d b t l i fi t l t a n ng i i t a r o u s A e v 5 2 t sC u v a h i 1 9 o n s e c p T Y o y d t v ee c o ~ l d s o C a T s g y Kat 6 t m a s a ー , a , . , M, , , asu aar L)19 301 iv i ‐ :291 fo o rms . .(Bi .Rep .T6hoku Un .Sc. 4 4頁. 5 5 加藤陸奥雄. 19 . 蚊の生態. DDT協会, 東京, 1 5一34 9(1) :1 生態. 衛生動物, 1 衛生上重要な蚊の分布と 日本における 96 8 上村 清. 1 . . 6 8-4 三重大学学芸学部研究紀要, 21:3 蚊族幼虫の棲息環境 伊勢神宮における 9 榊原慎吾. 1 95 . . .. inesin Japan i s t ibed andlmma tur oesof Aed l e Mosqu iba r Sakak .2 ogy of undesc , Aedg r a . Morpho , M. ,1962 2 1 4 1 1 5 k i i I L N ( ) D i B i - た の d E d : カ メ た a u n v F a a s s u J のぞ ( g s g αyα . ,. . n em c .. 生態学研究, 4 95 佐藤正三・石村 清・鳥海 衷・加藤 陸奥雄. 1 . 十和田・八甲田における蚊族幼虫の棲息環境. 13(4) :249-256 .. IB I 0(2) :342一352 佐藤正三. 19 9 5 . . 大雪山の蚊. 北海道学芸大学紀要, 1 ) 自然科学 ( 旭川博物館研究報告 旭川産の蚊2種 佐藤正三・岩瀬弘典. 1 9 59 , 2:1- 5. . . IB I1(1~2) :59- 北海道学芸大学紀要 96 0 佐藤正三・岩瀬弘典.1 ,1 . 旭川地方における蚊族幼虫の棲息環境. 74 .. 5 9 6-1 口B13(1) :14 2 96 佐藤正三・富田 征. 1 . . 阿寒及び知床の蚊. 北海道学芸大学紀要, 2 一 3 6: 9 8 生物教材 A d 亜属の飼育について 蚊の幼虫 特に g g s 96 9 佐藤正三・ 伊藤安子. 1 , , , , . 北海道教育大学紀要, 97 2 佐藤正三. 井村隆洋・工藤恒照・松本 昇. 1 . 知床半島における蚊類幼虫の棲息環境. IB 23(1) :16一31 工 .. 3 9 7 守・富所義之・津野光男・久井康夫.1 佐藤正三.泉 和格.大屋敷俊格・薮 . 銭函における蚊類幼虫の棲 1 ) 7 -2 B 2 4(1 : I 息環境. 北海道教育大学紀要, 1 . IB 25 北海道教育大学紀要, 1 9 74 佐藤正三. 高橋秀実.1 . 積丹半島茂岩の樹洞における蚊類幼虫の生態学的研究. (1) : 1-10 .. 1 蚊類幼虫の 975 佐藤正三・市原俊尋・竹内光日出・井戸尚貴. 1 . 道北地方における蚊類幼虫の生態学的研究. , 5 棲息水域について. 北海道教育大学大雪山自然教育研究施設報告, 10:1-1 . 2 蚊類幼虫の 97 5 佐藤正三・市原俊尋・竹内光日出・井戸尚貴.1 . 道北地方における蚊類幼 虫の生態学的研究. , 1 ~ 2 : 7 8 1 0 然教育研究施設報告 群集構造について. 北海道教育大学大雪山自 . , 1 蚊類幼虫の棲 97 5 佐藤正三,高橋秀実・山田正史・木村和弘, 1 . 積丹半島における蚊類幼虫の生態学的研究. , IB 26(1) : 7-21 息水域について. 北海道教育大学紀要, 1 . 2 群集構造の解 5 97 佐藤正三・高橋秀実・山田正史・木村和弘.1 . 積丹半島における蚊類幼虫の生態学的研究. , IB 26(2) :17一26 析. 北海道教育大学紀要, 1 . 北海道教育 9 6 7 建脇弘安,富田 征・小笠原潤・斉藤 博. 1 佐藤正三・・ . 十勝地方における蚊類幼虫の棲息環境. 一3 2 1 B :2 I 27(1) 大学紀要, 1 . 北海道教育大学紀要, 97 7 佐藤正三・松原 実・原田順市・工藤孝志. 1 . 根釧地方における蚊類幼虫の棲息環境, 1 IB 27(2) : 1 -13 .. 息環境. 北海道教育大学紀要, 97 7 佐藤正三・ 久井康夫・藤田英敏.1 . 黒松内町 ブナ林の樹洞における蚊類幼虫の棲 IB 28(1) :13一21 1 .. I 息環境. 北海道教育大学紀要, 1 978 佐藤正三・ 吉野経夫・成田純一・角光起. 1 . 日高地方における蚊類幼虫の棲 B 29(1) : 5 -20 .. o ね彰 αの 亜属 2種. 動 ・ 雑, 68(8) :17-22 95 9 鈴木健二. 1 . . 北海道のヤ ブカ c 〆 硲 高橋. 1 (1) :45 弘. 1946 . . 北 海 道 の 蚊. 松 虫,. 姉について.(1)環境的特徴と出現種, 衛生 958 中田吾-・小野禎治.1 . 京都市附近の樹洞に生育する蚊の幼虫・ 害虫, 3 (6) :51-55 .. ) (1 6.
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