(1)並列円柱周りの流れ場とウェークギャロッピング特性
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(2) この揚力ピークは,上流側からの剥離流が両円柱の 間に流れ込むギャップフローの発生と関連付けて理解 されてきた.即ち,ギャップで流れが収束して,圧力 低下を招いているとの理解が一般的であった. 図 4 は 円柱間隔 2D, 振幅 20mm で,ギャップフローの発生が 確認されている変位 67.5°において測定した平均流速 ベクトルである.一般流の流速は 1m/s,ギャップフロ ーでの流速は,最大 0.7m/s,平均 0.4m/s 程度である。 円柱間隔 3D の場合の測定結果もほぼ同様であり,下. 図4. 円柱間隔 2D-変位 67.5°のベクトルマップ. 流側円柱に顕著な圧力低下をもたらすような流れの収束は認められない. 4.カルマン渦. 揚力特性の把握には円柱周りの詳細な流れを知る必要が. あるが,PIV による速度計測では時間的にも空間的にもある程度の平均 化が行われるため,微細な流れの把握が困難である.このため,高速度 カメラで撮影したトレーサー画像(動画)を直接に観察したところ,上 流側円柱からの剥離流の中に規則的な渦の発生が確認された.目視で周 期 を 測 定 し た 結 果 , 渦 の 発 生 周 期 は 0.17s で あ っ た . ス ト ロ ー ハ ル 数 S=0.2 とすると,この実験条件におけるカルマン渦の発生周期は 0.16s で. 図5. 変位 205°(25°). 図6. 変位 221°(48°). あり,観測された渦の発生周期と極めて近い.このことから,下流側円 柱の存在にもかかわらず上流側円柱からはカルマン渦が安定して放出さ れており,この渦がウェークギャロッピングの 挙動に大きく影響してい ると考えてよいのではないかと思われる. 図 5 は変位 205°の流れで渦は下流側円柱に衝突して壊れているよう に見える.さらに変位が増すと図 6 のように渦が下流側円柱に沿って流 れるようになる.上流側円柱から放出されて流下する渦が下流側円柱に. 接触する時,接触のタイミングと下流側円柱の 位置や速度によって揚力ピークが発生すると考えれば, 揚力ピークが変位の絶対値が増加する場合にしか発生しないという現象を説明できる可能性があるか もしれない.渦の発生が下流側円柱の運動と独立 とすれば,揚力ピークの発生時刻と大きさ は偶然に 支配される可能性が高いが,これは揚力の測定データ に見られたランダムな変動と整合する.また, 上流側円柱からの渦の発生が下流側円柱の運動とは独立であるとすれば,上下流のケーブルの振動数 を変化させても応答が変わらないという問題も, 理解不可能とは言えないようにも思われる.さらに, ヘリカルワイヤが,元来,渦励振対策として開発されたものであることを考えれば,ワイヤ付き円柱 の複雑な応答に対しても,渦の存在を前提とすることで説明できる可能性があるかもしれない. 5.結論. 下流側円柱の揚力ピークはギャップフローの収束によるものではない. 上流側円柱からはカ. ルマン渦が放出されており,下流側円柱の非定常揚力には平均的な流れよりも,この渦の影響の方が 大きい可能性が高い.今後 は,この渦の存在を前提としてウェークギャロッピングの特性を再考する ことが望ましい. <参考文献> 1) 藤 澤 伸 光 : 並 列 ケ ー ブ ル の ウ ェ ー ク ギ ャ ロ ッ ピ ン グ に 関 す る 一 実 験 ,第 13 回 風工学シンポジ ウム (1994) 2) 田中佑典,藤澤伸光:ヘリカルワイアによるウェークギャロッピングの制振,土木学会四国支部 回技術研究発表会講演概要集. 第 12. 2006 年. 3) 藤澤伸光:並列円柱のウェークギャロッピングと定常および非定常圧力分布, 土木学会論文集 2009 年 36.
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