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石 油 コ ン セ ッ シ ョ ン 契 約 に お け る 国 際 私 法 問 題

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(1)し. が. き. 石油コンセッション契約の基本的性質. ぴ. 輝. 生. 石油コンセッション契約における国際私法問題. は 辱. 二 契約準拠法の決定における当事者自治 産油国国内法の適用. 産油国に近代的法体系が存在しないばあいにおける契約準拠法. 産油国の法律による産油国法の適用. 三. ω. す. き. ③ 当事者の意思による産油国法の適用. 図. む. し. が. 四 ﹁法の一般原則﹂の適用. は. 井. 石油コンセッション契約における国際私法問題. 二〇五. 律問題をあらためて検討しなければならなくなった︒そのうえ︑これまで︑契約準拠法を決定する国際私法の問題. ったこととあいまって︑民問当事者と外国の国家︑政府機関または国有企業とのあいだの契約から生ずる特有の法. 締結されたものであった︒しかし︑一般に国有企業が増加してきたこと︑また社会主義国との取引きがさかんにな. じゅうらい︑わが国において国際私法の問題が論じられてきた各種の渉外的契約は︑主として︑民間当事者間に. 土.

(2) 論. 説︵土井︶. 二〇六. は︑もっぱら特定の国の裁判所に訴が提起されたばあいについて検討されるにすぎなかったが︑とくに︑民間当事. 者が国家と締結する契約においては︑裁判ではなぐ︑仲裁によって紛争を解決するばあいについて︑これをかんが. えなければならない︒ここでとりあげるのは︑石油コンセッションという︑少数の石油会社だけが直接の関心をも. つ契約であるが︑これを検討することによって︑民間当事者対国家の契約一般に共通する基本的な国際法律問題の. いくつかを解明することができるとかんがえる︒ ︵一︶ 石油を探査︑探索および採掘することを目的とするコンセッション契約は︑これまでの慣行によると︑資本と技. 術をもった国の民間石油会社と︑石油資源はあるがこれを開発するに必要な資本や技術をもたない産油国とが締結 ︵二︶. する契約であって︑産油国からわが国もふくめた石油需要国に石油の移動をもたらす架橋となる︑経済的に重要な. や︑数国の石油会社が共同. 役割りをもつものである︒伝統的な契約は..︒98霧一9謂お①塞曇..とよばれているが︑産油国と石油会社とが. 共同出資して会社を設立して事業にあたらせる合弁契約︵憲三く窪εお謎お①奪Φ包. 出資して会社をつくり︑産油国およびその国営石油会社と契約するコンソシアム協定︵8霧o耳ごヨ品審①ヨ①暮︶ ︵三︶. のかたちをとることもある︒また︑さいきんにおいては︑産油国と他の国の石油会社との請負契約︵8葺轟9亀. ミo算︶による慣行がでてきた︒石油コンセッション契約は︑通常︑開発途上にある産油国と︑資本と技術を有する. 石油需要国の民間石油会社とのあいだに締結される︒これによって︑産油国は︑石油資源を提供して収益をうるば. かりでなく︑自国の産業を発展させることを期待する︒石油会社は︑産油国に多額の投資をして︑石油開発設備を ︵四︶ 建設し︑石油を採掘するばかりでなく︑いろいろな面において産油国に援助をあたえることを要求される︒.

(3) ここで論じようとする国際私法の問題をふくめて︑石油コンセッションをめぐる法律問題が大きくとりあげられ. は︑アラブ諸国で事業をおこなう石油会. るようになったのは︑アラブ諸国が諸外国の石油会社との利益配分率の改訂を要求してからである︒石油輸出国機 構︵○茜導訂毘9亀昏①勺9﹃o一雲ヨ国巻自§σqO2葺箒20b国O︶. 社は︑不公平な︑時代おくれのコンセッション契約の条件を改正するため︑これを再検討しなければならないと主張. し︑第一回アラブ石油会議︵>審び℃卑8一霊筥Ooお8のω︶を一九六〇年九月バグダードでひらき︑以後毎年この問. 題を討議している︒アラブ諸国のコンセッション契約は︑ことなった時期において︑ことなった事情のもとで締結. されたものである︒とくに︑両大戦のあいだに締結された契約は︑産油国が直接または問接に︑政治的に外国に従. 属し︑貧困に支配され︑経済的に未開発の状態におかれているといった事情のもとに締結された︒そこで︑これら ︵五︶. 産油国の立場からは︑対等の力関係のもとに締結されなかったコンセッション契約をどのように改正するか︑の問 題が提起され た ︒. このような背景のもとに︑さいきん数年問︑開発途上にある産油国のイニシアティヴによって︑国際私法の問題. セッション契約をめぐる法律問題のうち︑とくにつぎのような問題が重要であることを指摘している︒ω. 主権国. 石油コ. をふくめて︑コンセッション契約をめぐるいろいろな法律問題を検討する努力がなされてきた︒ある著者は︑コン. 石油コンセッション契約には︑いかなる法が支配するか︒㈹. ンセッション契約の法的性質はなにか︒㈹. 二〇七. 国有化︑収用および没収のちがいはなにか︒このような行. 家は︑その立法または行政権にもとづき︑自分の意思によって︑合法的に︑外国のコンセッショネアと締結した石 油コンセッション契約を破棄することができるか︒㈹ 石油コンセッシ︒ン契約における国際私法問題.

(4) 論. 説︵土井︶. 為について国際的責任の原理はあるか︒@. 二〇八. 外国のコンセッショネアは︑国際法のもとで救済をもとめることがで. 石. きるか︒国家および外国の国民がその行為を裁判に付託することを要求される裁判所があるか︒㈲ 石油コンセッ. ︵六︶. ション契約を一方の当事者にとって不公平にするような変化する条件および事情にたいする解答はなにか︒㈹. 油コンセッション契約の履行または解釈について生ずる紛争を解決する手続はなにか︒. 本稿は︑これらの諸問題のうち︑とくに石油コンセッション契約にはいかなる法が支配するかの問題の解答をみ. いだす目的をもって︑まずこの種の契約の基本的性質をあきらかにしたのち︑一般原則を論じ︑実際の契約条項例. ..888︒︒一9品冨Φ冒雪曳.は︑わが国においては﹄﹁利権協定﹂とよばれているが︑ここでは︑一般的には﹁コンセッション契約﹂. をとりあげ︑仲裁判断や法律家の見解を検討するものである︒ ︵一︶. とよび︑個々のコンセッションについては︑これまでの慣行にしたがって﹁コンセッション協定﹂の表現をもちいることにする︒. その範囲は︑通常は︑業界において.︑毛−雪冨彗︑.とよばれる石油の探索から採掘までの事業であって︑.︑号毒あ言$ヨ︑.とよばれ. るそれ以 後 の 部 分 を ふ く ま な い ︒. 留一Φg&評&ぎ鵯g汐︒§鉱雲ξピ署亀汐言8閃9①酋H=く2ぎ雲5曽ω︵お9ン﹃巷註蕊&︾§認. ︵二﹀密雪①チω.9議ε5な︑H馨①醤当05巴寄一①o︷Og8裟︒5>αq3①馨暴㌦.ω8昏①ヨr①σq巴閃︒暮鼠臨︒β︶一葺霞多ぎ邑聾ゆO蜜冨3−. 鉱く①﹃碧9暮g①P. Z§9r閃①<︒Zo﹄︵お雪︶●参照︒. 牟田口義郎・石油に浮かぶ国ークウェートの歴史と現実. ︵三︶ 石油コンセッションについては︑脇村義太郎・中東の石油︵岩波新書︶︵一九五七年︶︑佐藤武男編・石油の実際知識︵一九六. 〇年︶︑伊藤治郎・石油︵目で見る日本の産業9︶︵一九六三年︶︑. ︵中公新書︶︵一九六五年︶︑J・﹂・ベルビー︵門田光博訳︶・石油の世界史︵一九六七年︶︑参照︒.

(5) ﹁産油国における法制・利権の比較一覧表﹂石油鉱業連盟・石油. インド︑イラク︑サウディ・アラビア︑中立地帯︑クウェート︑インドネシア︑オーストラリア︑パキスタン︑コロンビアお よびアラスカにおける石油コンセッションと法制については︑. 開発時報五号七六i九七頁︵一九六六年︶︑アラブ諸国の国別コンセッションについては︑﹁会社別石油利権〜覧表へ中東関係ご. 一翫18︵お露︶●参照︒. 現在︑わが国の石油会社がもっとも大きい関心をもっているのはアラブ諸国の石油であるが︑これら諸国におけるナショナリ. ℃3二①霧ぎ甘33豊05巴ギ&Φ讐餌Hミ霧彗①旨. 08﹃αqΦ§詔緒しぎ..望Φo︒<①一︒暮①三ゆ&多凶幕尋8︒精雪o一一9Φ曇帥gぎ鼠5&一①国婁︾..9睾肋︒巳o︒げ署︑①貸ぴΦσq巴. 開発時報六号五四ー六九頁︵一九六六年︶︑参照︒ ︵四︶. ︵五︶. ズムの台頭にともなって︑コンセッションをめぐる諸事情は︑近年急激な変化をみせている︒アラブでさいしょに石油が発見さ. れたのは︑一八六九年スエズ湾の南︑紅海の沿岸においてである︒その当時から第一次大戦までに多くのコンセッションの交渉. がなされた︒もっとも重要なものの一つは︑一八八八年アナトリアのオットマン鉄道会社に付与されたものである︒これは︑の. ちにドイツ銀行に移転され︑さらに一九一四年あらたな協定に併合された︒これによって︑ドイッ銀行は︑トルコ︵のちにイラ. ク︶石油会社の持分の二五パーセントを取得した︒しかし︑新会社がトルコ政府とコンセッションの交渉をするまえに︑第一次. 大戦がぽっ発した︒主要なコンセッション協定が締結されたのは︑大戦後である︒主要な石油の発見も︑この頃である︒アラブ. の石油事業が積極的に開始されるようになったのは︑第二次大戦ぼっ発当時であるが︑戦争のため事業は中断された︒戦後︑ア. ラブの石油生産はおどろくべき増加をもたらし︑それとともに産油国側は利益配分率の改訂を要求した︒一九五〇年初頭︑産油. 国と石油会社とが利益を折半するヴェネズエラの五〇ー五〇方式︵霞早窯蔓♂塁三餌︶を採用する努力がなされ︑第二次大戦前. の協定の大多数は︑当事者の合意によって︑この方式に改訂された︒しかし︑その後︑産油国にさらに有利な配分率がとられる. 石油コンセッション契約における国際私法問題. 二〇九. ようになった︒さいきんのアラブ諸国の石油コンセッション契約の変遷︑および石油輸出国機構の活動については︑ζ昏彗&︾.

(6) 論. 説︵土井︶. 二一〇. >o o言身︒隔ζ崔色①国霧け〇二 〇︒8①ωω帥o房餌&r①σq費一9窪αq①︵峯&一①. o oぎ呂Ωω一ざΦぎ畢①い罐巴閃弓ゆ幕ぎ穿︷自9︸098器一〇房ぎ3①≧き甕2疑一ーN︵這8ンこの書の書評は︑松井豊﹁アラブ. 臣巽9一ζ8お声嘗のZo﹄︶︵ご8︶●参照︒. 竃ζσ︒げ冨げど評弓轟昌Φ三ω︒<Φ︑①お葺︾︒<霞9一閃Φωo弩︒①の. ︵六︶. 石油コンセッション契約の基本的性質. 世界における石油コンセッションの法的制度﹂石油文化一五巻一号五八−九頁︵一九六七年︶︒. 一. 石油コンセッション契約は︑その呼称から︑また当事者の一方が国家であること︑および契約の付随的特色から︑. 本質的には民間当事者間の契約と同様に︑国際私法の対象となる私法上の契約であるという基本的性質が理解され ︵一︶. ないこともあった︒わが国においては︑一般に﹁石油利権協定﹂とよばれる.︑88①鴇一9品お窪①三.︑に..8ま霧−. 一窪..という語を付すのは︑不幸な誤解をまねくことになる︑といわれている︒それは︑コンセッションにはながい歴史. ︵胃三一お①︶の付与︑特許状. ︵一雪8鵠. になっている︒石油輸出国機構が一九六五年三月一六日から二三日まで︑カイロで開催した第五回アラブ石油会議. にかんしてはもちろん︑その他の面においても︑恩恵的要素はなくなって︑実質的には契約的要素が支配するよう. ほんらい︑国王や政府があたえる特権︑特典︑恩恵などを意味する語である︒しかし︑ここでとりあげる石油開発. 9吊鼻︶︑政府によるライセンス︵ま雲器︶︑主権国家の契約などをあらわすためにもちいられてきた︒これは︑. に︑もちいられなくなるものとおもわれる︒この語は︑国王による特権. ない︒すでに︑あとでとりあげるインドネシアの契約にみられるように︑︑︑8ま①器一睾..の語は︑時の経過ととも. があり︑いろいろな意味が付され︑近代的な石油開発契約の名称としてもちいるのに不適当であるからにほかなら. 。。.

(7) の報告書は︑. ﹁コンセッションから契約へ﹂︵宰oヨ098霧凶︒霧80・讐39ω︶と題して︑対等の立場にたたな. いで締結した産油国にとって不利なコンセッションの条件を改正すべきことを主張するが︑そのなかで︑コンセッ. ションを放棄して請負契約を締結しなければならない︑といっている︒この報告書は︑.︑83霧ωゆ9︑.という語は︑. 言語学的には譲与といった意味があり︑心理的には服従といった意味をつたえることを指摘し︑コンセッション協. 定にかわるべき契約は︑請負人が国家から付与される権限を行使する条件︑および政府がその権限の行使に参加す ︵二︶. る方法を明確に規定し︑かつ︑請負人を内外国民同一の地位におき︑すべて国内法に服させるものでなければなら. ない︑と主張している︒また︑ヴェネズエラの石油産業にかんする書︑.○ξΩド○弩2..においては︑..33・お ︵三︶ 8ぎ8ω帥9..という見出しで︑これまでのコンセッションは不合理であることが強調きれている︒ともあれ︑. 不平等な条件のもとに締結されたふるい時代のコンセッションといえども︑契約である以上︑これを改正するには 当事者の合意 が 必 要 で あ る ︒. 大きくわけて︑コンセッションには︑政治的なものと経済的なものとがある︒政治的コンセッション︵言豪o巴. 8き霧ω一9︶の例には︑かっての中国がヨーロッパ諸国やわが国にあたえた利権がある︒このようなコンセッショ ︵四︶ ン協定は︑国家が他の国家に一定の権利を譲与するものであるから︑条約の性質を有する︒近代的コンセッション. は︑経済的なもので︑電力︑銀行︑港湾︑運河︑ハイウェi︑鉄道︑鉱山など︑種々の事業についてあたえられる︒. この種のコンセッションにおいては︑これを付与する政府は︑国家経済の一部を開発する目的をもって︑資本︑通. 二一一. 常は外国資本︑を導入する意図を有する︑ばあいが多い︒経済的コンセッション︵①8ε昌︒8蓉霧ωδ=︶は︑国家が 石油コンセッション契約における国際私法問題.

(8) 論. 説︵土井︶ ︵五︶. 二一二. 長期間︑多額の資本を投下して公共の性質を有する事業に従事させるため︑民間個人または法人にあたえるライセ. ンスである︑と定義する人がある︒石油その他の鉱物資源の開発︑石油パイプ・ラインの建設︑森林や農地の開発. など︑種々の目的をもった経済的コンセッションは︑﹁経済開発契約﹂︵Φ8ぎ且︒号<①一8幕葺品﹃8匿曇︶とよぶ ︵六︶. のがもっともふさわしい︑という法律家もある︒経済開発契約は︑国家が︑みずから達成する能力をもたない経済. 開発の一部門を︑一定の期問︑必要な資本と技術をもった外国の会社または個人にゆだね︑完成後一定の金額を支 ︵七︶ 払うのではなく︑契約期間中︑開発してえた利益を分与する契約である︑と定義されている︒また︑コンセッショ. ン契約は︑外国投資の一面を反映する契約であって︑国家と外国の投資者とが︑一定の期間︑事業活動関係におい ︵八︶. て補足的なシステムを設定する︑︑8−o巳ぎ毘9..の証書であるとして︑︑︑86巳ぎ当9︑︑の要素を強調する著者も. ある︒これらの定義は︑いずれも石油開発契約の特徴の一側面を強調するものである︒ともあれ︑一般に︑いわゆ. る経済的コンセッションの基本的性質としては︑つぎのような点を指摘することができよう︒第一に︑これは︑国家. と内国または外国の自然人または法人とのあいだに締結される契約である︒第二に︑これは︑経済の一面を開発する. ため︑資本の投下︑ばあいによっては技術援助を目的とする契約である︒第三に︑相手万である内国または外国の. 自然人または法人は︑報酬として︑通常︑国家から一定の金額の支払いをうけるかわりに︑契約の期間中︑目的と する事業によってえられる利益の配分をうける︒. もっとも一般的な経済的コンセッションは︑石油コンセッションである︒これを付与する国家の側からは︑そ. の石油資源の効果的な発見および開発を促進することが動機となる︒そのため︑国家は︑コンセッショネアにたい.

(9) して︑多額の投資をすることを要求する︒目的とする事業のいろいろな段階について期限が定められ︑コンセッシ. ョネアが一定の義務を履行しないばあいについて︑国家は契約解除権を留保する︒コンセッショネアは︑投資の回. 収について保証をうけない︒したがって︑コンセッショネアにとっては︑投機的要素がつよいということができる︒. しかし︑事業が成功すれば︑コンセッショネアは︑相当長期問にわたって利益の配分をうけることができる︒. このような特色をもった石油コンセッション契約は︑石油の探査︑探索︑採掘︑精製︑輸送および販売といった︑. 石油生産の諸段階の全部または一部を︑相当長期間にわたって事業としておこなわせるため︑産油国が内国または. 外国のコンセッショネアと締結し︑当事者間の権利義務を定めた契約︑と定義することができる︒石油コンセッシ. ョンは︑石油資源の採取を目的とする鉱業コンセッションの一種であるから︑港湾︑運送︑電力開発などの公益事. 業のコンセッションとは区別しなければならない︒石油コンセッションは︑国家が当事者となる契約であるから︑. コンセッショネアは︑国家にたいして債権関係にたち︑他方において︑採掘する石油の所有権を取得するという物. 権的権利を有する︒石油コンセッション契約は︑効果的な石油資源の開発を目的とする以外に︑コンセッショネア. に経済援助や技術援助の義務を付随的に課すものが多いが︑これは︑低開発国における公益事業コンセッションに ︵九︶ みられる共通の特色である︒. 石油コンセッションは︑採掘した石油の所有権をコンセッショネアに付与するものであるから︑契約当事者であ. る産油国自体が石油資源の所有権を有していることが前提となる︒英米では︑地下鉱物資源の所有権は地表の所有. 二二二. 者に帰属するとされているが︑その他の法体系の国においては︑地表の所有権が誰に属するとに関係なく︑地下鉱 石油コンセッション契約における国際私法問題.

(10) 論. 説︵土井﹀ ︵一〇︶. ︵二︶. 一二四. 物資源の所有権は︑国家がこれを留保する︒ラテン・アメリカ諸国はもちろん︑アラブ諸国においても︑石油資源. 国有の原則は︑一般に憲法または鉱業法に規定されているが︑明文の規定がない国においても︑この原則が支配す. ることについてはかわりがない︒この原則からは︑つぎのような結論がひきだされる︒第一に︑石油は国有財産で. あって︑土地の所有者は︑その土地から発見される石油の利益の配分をうけることはできない︒第二に︑土地の所. 有者は︑地表の所有者であり︑かつ︑その土地にある鉱物資源以外の物質の所有者である︒したがって︑石油事業. によってうけた損害について︑補償を請求する権利を有する︒第三に︑土地の所有者は︑適正な補償をうけて︑石 ︵二一︶ 油事業の目的のため︑その土地の利用および占有を許容する義務を負う︒メキシコ︑アルゼンティン︑ブラジル︑. チリ︑ソヴィエト社会主義共和国連邦などは︑石油産業の全部または一部を国有化して︑石油資源の開発に従事し. ている︒ラテン・アメリカ諸国の大多数は︑石油法によって石油の探索および採掘を規制し︑地下資源の所有権は. 国家が留保し︑その探索および採掘の権利を︑外国または内国資本にゆだねている︒アラブ諸国においては︑石油. 資源国有の原則と︑内国資本および技術が不足しているという理由によって︑石油コン々ッション制度が将来にお. いても継続されるとかんがえられている︒ラテン・アメリヵ諸国のように︑イラン︑イラク︑リビア︑アラブ連合︑ ︵一三︶ アルジェリアなど若干のアラブ国は︑石油コンセッションを規制するため︑石油法を制定している︒. 石油コンセッション契約は︑私法上の契約であるが︑一方の当事者が国家であり︑かつ︑その国家の公益︑経済. 開発に重要な関係をもつものであるため︑通常の民間当事者間の契約とはちがった︑政治的色彩をもった規定がも. うけられるという事実も︑見のがしてはなるまい︒わが国では﹁技術援助契約﹂とよばれる︑特許︑ノウ・ハウお.

(11) よび商標のライセンス契約などにおいては︑契約が締結されたのち法律の制定や改正によって義務の履行が不可能. となったときは︑その義務を負う当事者は不履行について責任を負わない︑といった趣旨の規定をもうけることが. ある︒コンセッション契約では︑一方の当事者が国家であるから︑次節⑭に引用するペルシャと>鑛一?評房一導. 20・暮導ざい芦とのあいだの協定のように︑当事者たる産油国は将来の立法によって契約を変更してはならな. い︑という規定をもうけることがある︒また︑ラテン・アメリカと同様に︑アラブのコンセッションにおいても︑ ︵一四︶ コンセッショネアは本国の外交的保護をうける権利を放棄するというカルボ条項︵9才09窪器︶のそう入を要求 ︵一五︶. されることがある︒さらに︑契約において︑コンセッショネアは︑産油国の内政不干渉の義務を負う︑と規定する こともある︒. 石油コンセッション契約の基本的性質としてここにのべたことは︑もちろん︑伝統的なタイプの契約一般につい. ていえることであって︑ここに指摘した特色のどれかを欠いたり︑ことなった特色をもった契約が存在し︑または 将来発生することを否定するものではない︒ 二︶9房ε7恥§養℃oo①一①g&寄践夷ω8曾. ︼≦鴛島=ΦN. ○⊆﹃Ω臨. ○目㌧O昌. oo︵お①Oγ. 二一五. rこぎ8暮卑δ=巴r①αQ巴ζ導零尽﹃3●μoo8−O罠︵お臼︶●. 石油については︑一九六五年七月二九日締結された協定︵>80箆88窪a品寄讐一帥ぎ5亀犀母8弩ε5≧嘗弓ωゆ己一冨身ω一ユ巴. >三び巴搾. ︵二︶Oお豊N毘睾︒=7①評蓉一①琶穿8三お○霊曇語即字︒3958隆︒霧酔︒O︒葺受ω︵くチ≧菩評け邑①毒9品お器︾︵お臼︶● ︵三︶. ︵四︶. ○︑Oo暮oF撃①いゆ毛象の箪8の⊆8①のω凶g一8︵お3︶. OΦ<①一8ヨo暮亀≧αq零㌶︶がある︒劇>夢の09一誉︑一 ︵五︶. 石油コンセッシーヨン契約における国際私法問題.

(12) 論. 説︵土井︶. ︵ち鴇︶. rO弓島︼≦OZ巴さ.︑亭ΦΩ①5①弓巴. ド国●一曇︑一r. ︵六︶. ℃ユ50言8のO︷い. 婁閑①OO讐一NO飢げ﹃O凶≦一一N①昏Z斜餓O=乳.. ωΦ♂9①山閃⑦斜島=のOO刈ρ. 二一六. ﹃⑪特嵐3ざ. ︑憶O§ω営尉. ︵七︶ ≧守&<曾晋oωω曽.︑望①ω箪言ω亀問o器お=勺二く魯Φ一暮①お2ω8量ぎαq守o百閏83ヨ8Uoく巴8ヨo葺>讐8ヨ窪富三チ>笹#声江g. .Og8鴇一g>αqおoヨ雪房彗餌2碧δ轟ぽ彗δ7︑.ooΦ剛88山勾①毘凶おωboおー倉﹃電註ミ&︑き§認>3﹄●一三︑一rZoも. >の㌧Φ聾① 暴 ︑ ︑ . の Φ 一 ① ︒ 8 傷 勾 ① 聾 お ω 一 ω 甲 ω ●. O胃房ざ7. ︵一〇㎝ooV. ︵八︶. ︵九︶ たとえば︑サウデイ・アラビア王国政府と日本石油輸出株式会社が締結した一九五七年のコンセッション協定は︑第二二条に︑. 会社の使用人として現地人を雇用する割合を定め︑現地人の熟練労務者が不足するばあいには︑他のアラブ諸国の労務者を優先. 雇用する義務︑および現地人労務者と外国人労務者の賃金平等の原則を定める︒第二三条は︑現地人の技術訓練について規定し︑. §①房ぼ℃冒爵①Ω並い睾斜注Oo§g﹃婁ω題ε蕩ゆω一↓唱一窪Φい●. 第三五条は︑直接石油開発事業に関係する施設のほかに︑官公署︑郵便局︑電信電話局︑寺院︑従業員福祉施設などの建設も義. Z一魯o一器ト9暑げ①F﹄弓︒讐軍冒︒覧①︒︒9峯冨①邑○. 務づけている︒ ︵一〇︶. 勾雲ω︒ω︵ま刈︶嚇ぎ一獣§>.留鼻暴=Fq&霧§身αq<毘︒房rΦの暫一ω旨①霧紳翼①×巨芭暫コ︒き国①蜜εω88︒︒ω艶一. ぎおヨ毘︒邑藤忌曇尊く雪εおω伽&望琶︒暮①曇9薯&争蓄留9一〇冨舅一雲の汽コお℃妥︒一①毒国轟帥お9﹄き①ご夢国−一§. ︵一一︶℃讐>幕誉讐¢鉱βζ三轟き傷評簿o一①§富讐ω蛋一gぎ富替>ヨ&8くo﹃ポ&N︵一霧o︒︶・参照︒. ﹁激増する産油国の圧カー新興産油国リビヤとその石油法ー﹂日本石. たとえば︑リビアでは︑一九五五年石油法のもとに︑一九六〇年一月までに︑一四のコンセッションをあたえている︒リビ. ︵一二︶ω一訂①ぎ︒悼§・︒・巷養讐F. ︵一三︶. ァ石油法の規制の内容および契約の実情については︑.

(13) 油株式会社・調査時報二四一号一ー七頁︵一九六六年︶︑﹁台頭する産油国リビヤとその石油法﹂月刊石油一九六六年二月号七八. 原正行﹁カルボ条項の効力﹂ラテン・アメリカ研究五号五九頁︵一九六四年︶︑ご9巴侮客ω富野撃①O巴くoΩき︒︒巴>. −八○頁︑参照︒諸国の石油法については︑富Φヨ毘o邑ぽ弓o一①g置﹃鋒ε5評身o剛①彗9σq邑碧幽曾︵ご8・. ︵﹃四︶. たとえば︑サウディ・アラビアと日本石油輸出株式会社との協定第四九条は︑つぎのように規定する︒. ℃﹃︒鋸豊亀一暮零−ぎ&︒讐ゆ注ぎ3ヨ豊o邑﹃ξ彗侮9箪o轟︒︾︵一3㎝︶●参照︒. ︵一五V. ﹁㈲ 会社もその使用人も︑政府またはその国民の行政的︑政治的または宗教的事項に干渉してはならない︒. 契約準拠法の決定における当事者自治. 会社は︑この協定およびそれにもとづく権利にかんする事項について︑外交的手段に訴える権利を放棄するものと了解さ. れる︒﹂. ㈲. 二. 国際契約において︑その効力や解釈についてよるべき準拠法の決定については︑ひろく当事者自治の原則が認め. られているが︑この問題は︑通常︑特定の国の裁判所に訴が提起されたとき︑法廷地の国際私法の問題として提起. される︒わが国においては︑わが国の裁判所に提起された外国的要素をふくむ契約にもとづく訴について︑当事者. 自治の原則を定める法例第七条を適用する問題が生ずる︒しかし︑国際契約における当事者自治は︑契約の交渉や締. 結の段階において︑まずあらわれる︒契約当事者は︑準拠法の決定ばかりでなく︑契約書に使用する言葉の選択︑将 ︵一︶. 来生ずることのあるべき紛争を付託する管轄裁判所の選択や︑裁判所の介入を排除して仲裁によって解決する手段. 一二七. の選択などの自由を有する︒したがって︑国際契約においては︑交渉の余地のすくない定型契約のばあいは別とし 石油コンセッション契約における国際私法問題.

(14) 論. 説︵土井︶. 二一八. て︑準拠法の決定は︑紛争解決の手段の選択やその他の問題とともに︑訴訟時ではなく︑まず契約締結時において︑ 予防法学の問題としてとりあげなければならない︒. 一般に︑契約締結のときに当事者が契約準拠法を指定しても︑その指定を有効と認めて︑指定された法をその契. 約に適用するかどうかは︑裁判所が法廷地の国際私法にしたがってこれを判断する︒また︑紛争を仲裁によって解. 決するばあいにも︑仲裁人は︑密接な関係にある特定の国︑通常は仲裁地または仲裁手続の準拠法所属国︑の国際. 私法にしたがって︑判断することを予定される︒しかし︑石油コンセッションにおいては︑とくに紛争を第三の中. 立国でおこなう仲裁に付託して解決するばあいに︑紛争の解決を特定の国でおこなうという概念︑すなわち法廷地. の概念が回避されることがある点に注意しなければならない︒一九三三年に締結されたコンセッション協定にもと. づく一九五八年のサウディ・アラビア政府と>3獣導ぎ①昌導9一〇〇箋葛蔓とのあいだの紛争の仲裁判断︵以 下︑﹁サウディ仲裁判断﹂とよぶ︶は︑このことをつぎのように表現している︒. ﹁国家間に設定されたものでない関係に適用される法は︑法廷地法の抵触規定にしたがって決定しなければならないというのは︑. 国際私法において普遍的に容認された原理である︒しかし︑国家の管轄権の免除の結果︑直接国際公法に服する仲裁裁判所にとっ. ては︑どの抵触規定を使用すべきかをしめす法廷地法はない︒一般国際公法は︑このような規定をもたないからである︒. したがって︑仲裁裁判所は︑本案に適用すべき法を︑当事者がしめした意思にしたがって決定しなければならない︒また︑当事. 傷8鼠富亀. 者の適切な意思表示がないときは︑この事件のあらゆる周囲の事情を考慮して︑この法を決定しなければならない︑と判示する︒. ⁝⁝仲裁裁判所は︑適用すべき法を決定する権限をあたえられているので︑国際私法の一般原則︵昏Φ⑳雪霞巴 ︵二︶ ℃ユβε冒3讐碧剛9巴9毛︶によってこれをおこなう︒﹂.

(15) こめ種の仲裁においては︑仲裁人は︑準拠法の決定について特定の国の抵触規定によるという拘束をうけないし︑. またそれも不適当であるから︑諸国に共通の国際私法の一般原則によるべきことになる︒同様のことは︑契約当事. 者についてもいえる︒当事者は︑契約締結にあたって準拠法約款をそう入することを決定するばあい︑同時に裁判. 管轄約款をそう入しないかぎり︑特定国の国際私法ではなく︑匡際私法の一般原則を念頭におくものとかんがえら れる︒. すでにのべたように︑石油コンセッション協定は︑民間当事者間の契約とはちがったいろいろな特色をもってい. るが︑本質的には︑後者と区別することができない私法上の契約である︒国家と民間当事者とのあいだの契約にお ︵三﹀ いては︑一方の当事者である国家の法に準拠するという規定をもうけるのが常識であり︑また︑明示の準拠法指定. がないばあいにも︑当事者である国家の法に準拠する意思があると解すべきであるとされている︒これは︑国家は. 主権者であって︑他の国の法には服しないという主権免除︵8<霞①督ぎ5琶ξ︶の思想のあらわれにほかならな. い︒しかし︑国家は︑この点にかんする主権を放棄して︑他の国の法に服することも自由である︒石油コンセッシ. ョン契約の準拠法決定の問題は︑仲裁と切りはなしてかんがえることはできない︒準拠法指定にかんする当事者の. 意思を判断したり︑準拠法を具体的に適用して契約の効力を判断したり︑契約を解釈したりする任にあたるのは︑. 仲裁人であるばあいが多いからである︒このことを念頭において︑まず石油コンセッション契約の準拠法決定にか. んする基本原則をのべ︑その原則の適用についてどのような問題が生ずるか︑その原則の適用には限界があるか︑. 二一九. 石油コンセッション協定における実際の慣行はどうなっているか︑といった点をあきらかにしなければならない︒ 石油コンセッション契約における国際私法問題.

(16) 論. 説︵土井︶. 二二〇. 石油コンセッション契約にはいかなる法が適用されるかについては︑いろいろな見解がだされている︒その理由. は︑すでに指摘したように︑純粋に私法の領域に属しない種々の法律問題が提起されているからにほかならない︒. 第一に︑契約の一方の当事者である民間石油会社は国際法の主体ではないから︑契約に適用されるのは国内法であ. って国際法ではない︑とする見解がある︒第二に︑産油国が相手方である民問石油会社を国際法の主体と認めれば︑. 民間石油会社も国際法の適用から除外されない︒そのうえ︑石油コンセッション契約は一般に国際的性質を有する. から︑あきらかに一国の管轄外にある問題がでてくるとする見解がある︒第三に︑コンセッション契約は︑国内法︑. 国際法どちらの全面的支配をうけるものでもない︒コンセッション契約は︑国内法︑国際法︑文明国が認めた法の. 一般原則︑トランスナショナル・・1︵q睾撃当雲巴飼毛︶︑学説一般︑および適用される慣習よりなる法体系の ︵四︶. 支配をうけるとする見解もある︒しかし︑一般的結論として︑産油国と外国の民間石油会社であるコンセッショネ. アとのあいだに締結される石油コンセッション契約は︑特別の制約のないかぎり︑当事者が合意する法の適用をう. ける︑ということができよう︒当事者による準拠法の指定は︑明示の契約条項によってなされるばあいもあり︑契. 約の性質その他︑周囲の事情から判断される黙示の指定のばあいもある︒明示の準拠法指定がないばあいに︑産油国. の法に準拠する黙示の意思があると判断できる根拠は︑主権国家はみずから明示の意思をもって主権を放棄しない. かぎり︑自国の法に服し︑外国の法には服しないという理論のほかに︑契約締結地法は通常産油国法であり︑契約 の目的物すなわち石油資源の所在地法も産油国法であることにみいだされる︒. さきに引用した︑サウディ仲裁判断は︑国際私法の一般原則のもとにおける当事者自治について︑つぎのように.

(17) ﹁この原則によれば・国際的性質を有する契約においては︑当事者が明示をもって選択した法を第一に適用しなければならない︒. いっている︒. 第二に・法の選択がないばあいには︑当事者が意図したと推定される法が適用される︒しかし︑法律著作や諸国の慣行は︑この二. 次的な法の選択をおなじように解釈していない︒ばあいによって︑当事者に共通の本国法︑契約締結地法︑債務者の住所地法︑履. 行地法︑契約がもっとも密接な関係を有する国の法︑当事者の推定意思によることなく客観的に決定した契約のプロパー.ロー. ︵胃8霞一睾︶︑絶対的な性質を有する推定によって定まる法︑または法廷地法が適用される︒ときには︑法律実務や学説において︑. 契約はいくつかの部分に分割される︒能力については当事者の本国法または住所地法︑契約の方式には行為地法︑契約の効力には. 契約締結地法︑その効果には履行地法︑が適用される︒他のばあいにおいては︑このように契約を分割することを拒否して︑全契. 約を単一の準拠法によらしめられる︒ある著者および判例法は︑問題となる事項は︑当事者が選択した法と合理的な関係がなけれ ︵五︶ ばならないといい︑他の者は︑当事者の法の選択はいかなる制限もうけない︑とかんがえる︒﹂. それでは︑石油コンセッション契約の準拠法の決定について︑実際の慣行はどうなっているか︒そこからどのよ. 土井﹁国際契約における言葉の選択とその国際私法上の意義﹂海外商事法務四七号二八頁︵一九六六年︶︑土井﹁実施契約と. うな問題が生ずるか︒これをつぎに検討しよう︒ ︵一︶. 国際私法﹂永田大二郎編・実施契約︵工業所有権実務双書︶四五八ー九頁︵一九六六年︶︑参照︒契約から生ずる紛争を︑第一. 次的に仲裁︑第二次的に裁判によって解決する取決めをした契約もある︒一九六六年一一月二二日︑インドネシア国有石油企業. ﹁仲裁人が裁定. を行なうことができない場合には︑解決のための紛争はインドネシア共和国裁判所に付託されるものとする﹂と定める︒. 刃客℃霞貫喜導αQ讐峯三婁一注o奉鴇と九州石油株式会社とのあいだに締結された生産分与契約は︑第一一部に︑. 二二一. 富浮げ8琶サΩ話く声b︒ω夷︒ω一︒一㊤㎝︒︒ーΩ︒<①暮︒阜①影︑>轟げす留&富Φ>声ぼ讐. 石油コンセッション契約における国際私法問題. ︵二︶ギ一σ琶①≧耳邑①︵ω即房①7=巴︸①の〜浮ωω磐サω.

(18) 論. 説︵土井︶. 二二二. たとえば︑わが国の判例では︑東京地判昭和三七年一〇月三一日︑損害賠償請求事件︵下級民集一三巻二一六九頁︶において︑. ︑ぎ①ぎ塁9一〇︒暑導ざ3菊三︒︒富蝕〇三ぎ一霧弓轟N一︒琶Φ器ρ認アN︵一︒①ω︶・ ︵三︶. 原告アメリカ合衆国︑被告日本の民間会社とのあいだの軍需品供給契約に︑アメリカ合衆国の法律に準拠するという規定がもう. oo繭房①ぎ§匙︒恥§ミ警昂. けられていた︒ ︵四︶. 劇O閃ぞ﹃一やO一ン. ﹃け●N群榔・. ︵五︶. 三産油国国内法の適用. 石油コンセッション契約においては︑準拠法の決定に関連して︑他の種類の国家と民問当事者とのあいだの契約 ︵一︶. とちがった︑いくつかの特色をみいだすことができる︒これらの特色は︑石油以外のコンセッシ乳ンにもみること. ができる︒第一に︑石油コンセッションにおいては︑産油国の法律によって︑その政府が付与するコンセッション. について︑当事者による準拠法の選択や管轄裁判所の選択を禁止しているばあいがある︒第二に︑石油コンセッシ. ョンにおいては︑これを付与する国が︑十分に近代化されておらないため︑この種の契約に適用することのできる. 近代的な法体系をもたないばあいがあることである︒第三は︑当事者に準拠法を選択する自由があたえられていて. も︑いろいろな理由から︑数国の法のどれかを選択するというかたちをとらないばあいがあることである︒第一に. ついては実例をあげ︑第二および第三については︑どのような契約条項がもうけられているか︑また︑それがどの. ように解釈されているかを︑入手できた契約書や仲裁判断によってあきらかにしよう︒.

(19) >●切3畠Φのu..Oゲo凶o①−○︷﹇帥毛℃﹃o≦ω一〇房嘗Oo耳β9ω三爵Oo<①簿ヨΦ暮ω.︑.. 閃Φ①の9. ①9℃一暮零轟二〇轟一. ピ薯暫&ピ彗讐費αq①︵評美雪oo畠8一9鼠酌①ωぎ閃o邑讐讐傷Oo暑即冨馨①r睾︶O ー︒︵お露V︒. ︵一︶. 産油国の法律による産油国法の適用. 石油コンセッション契約における国際私法問題. OO5電即〇一ω. 二二三. O︐O凶OのO隔. ければならないと規定されている︒アラブの例では︑一九五五年のリビア石油法が紛争を仲裁によって解決するこ. ︵二︶. 規定し︑フランスでは︑一九五八年の条例によって︑すべての紛争を参事院︵Oo房亀伍︑卑碧︶の決定に付託しな. 一九五八年のスペインの法律は︑コンセッション保有者は︑スペイン法およびスペイン裁判所の管轄に服すると. 紛争も︑ヴェネズエラの法律にしたがい︑ヴェネズェラの管轄裁判所によって決定されるものとし︑いかなる理由または動機をも ︵一︶ ってしても︑外国の裁判所にこれを付託することを禁止する条項をそう入しなければならない︒﹂. は︑コンセッションにかんして発生することのあるべき︑また和解によって解決することのできない︑いかなる種類の紛議または. ないし︑また︑コンセッションの権利証書の記載事項を修正する義務を負うものでもない︒さらに︑コンセッションの権利証書に. ﹁コンセッションは︑保有者がすべての危険を負担することを条件として︑付与される︒すなわち︑政府は︑鉱物の存在を保証し. ネズエラ法にしたがって解決すべき旨の条項をそう入することを要求する︒これは︑つぎのように規定する︒. 一九四三年炭化水素法第四条は︑コンセッション契約に︑すべての紛争は︑ヴェネズエラの裁判所において︑ヴェ. に適用することのできる近代的な法律が整備されているからにほかならない︒代表的な例として︑ヴェネズエラの. 産油国の国内法によって当事者による準拠法や裁判管轄の選択が禁止されるのは︑その国に石油コンセッション. (1).

(20) 論. 説︵土井︶. 二二四. とを定めているが︑当初は︑さらにつぎのような標準約款をすべてのコンセッション契約にそう入することを命じ ていた︒. ︵三︶. ﹁このコンセッションは︑リビアの法律︑および︑関係あるばあいには国際法の原理および原則を適用し︑かつ︑これにしたがっ. て解釈する︒審判人または単独仲裁人は︑これらの法律︑原理および原則にもとづいて判断しなければならない︒﹂. 一℃窪>ヨ霞8導¢ゑ9. 峯三お導侮頴霞o︸①§い詔邑鑑窪ぎr騨量>幕二8一輿. ラテン・アメリカ協会・ベネズエラ国事業関係. このように︑産油国の石油法によって産油国の国内法の適用を命ずることについては︑とくに問題はないであろ う︒. ︵一︶. 法律概観︵ラテン・アメリカ法律シリーズ9︶二一四−五頁︵一九六三年︶︒. ︵ヨgF誤島翼易︒モ①毒彗豊ω︒琵島塁︒§z善琶き曇導る馨唱§・・吻g客03>\>Ω︒書鈷①〜一為ω︵o①︒①ヨ響 NS一89. 産油国に近代的法体系が存在しないばあいにおける契約準拠法. ︵三︶伊9浮邑Ω鶴象①9q葺&おお3ヨ9ごξ轡Z9倉蚕甲︒鼻2恥§β寄89&;罫鶏昌帥二︒5費一〇︒5一り伽︒けω鐸. ⑭. 第二次大戦前のアラブ諸国のコンセッション協定は︑一方の当事者である産油国に近代的法体系がないときに締. 結されたものである︒コンセッション協定で︑産油国に一般的に適用すべき石油立法がないばあい︑または時代に. 締結されたものには︑紛争を仲裁によって解決することを定めるが︑特定の準拠すべき法体系または法原則を定め.

(21) ないものが多い︒たとえば︑サウディ・アラビアと>声琶8との協定︵一九三三年︶︑↓弓彗甲>声葺導霊需浮①. い箆●との協定などがあげ. ﹇&・︵のちの一轟ρ℃98一窪ヨO・ヨ冨蔓︶との協定︵一九二五年︶︑ω●ρ. Ooヨ葛ξとの協定︵一九四七年︶︑および℃8籔︒名窃ε塞9一〇自℃自讐一9との協定︵一九四九年︶︑イラク 政府と↓ξ5撃℃①育9豊ヨOoヨ9蔓. U●Ooヨ冨=ざr影との協定︵一九三二年︶︑およびω霧㌧導℃93一窪ヨOo昌導図 られる︒. 準拠法の指定との関連において注目されるのは︑仲裁約款にくわえて︑準拠法体系または法原則のかわりに︑つ ︵一︶. ぎのような抽象的な解釈の基準を定めた条項がもうけられることである︒代表的な例として︑有名なダーシィi・. コンセッション︵O︑≧20窪8霧言︶にかわる︑一九三三年四月二九日のペルシャ帝国政府と>お一?℃雪巴導. 9一〇・ヨ冨昌堕い轟とのあいだに締結された協定をあげよう︒これは︑第二二条に︑仲裁によって紛争を解決する ことを定めるほかに︑第二一条に︑つぎのような規定をもうけた︒. にもとづいて履行することを宣言する︒. ﹁契約当事者は︑この協定を︑相互の善意および誠実︵喜ε巴αqo&註鵠帥乱αqo&蛋昏︶の原則︑ならびにこの協定の合理的な解釈 ︵9話霧9菩ざ馨霞胃曾即ぎ=︶. 会社は︑常時︑かつすべての場所において︑政府の権利︑特権および利益を尊重し︑かつ︑これらに不利益となるいかなる行為 または不作為もしないことを正式に約束する︒. 二二五. 政府は︑このコンセッションを無効としてはならない︒また︑ここに定める条項は︑将来の一般もしくは特別の立法によって︑. または︑行政措置もしくはいかなる行政当局の行為によっても︑これを変更してはならない︒﹂. 石油コンセッション契約における国際私法問題.

(22) 論. 説︵土井︶. 二二六. 一九三五年︑カタール侯とぎ8塞鋒9巴ζ畏ぎ①9一〇〇ヨ冨冨ざb答とのあいだのコンセッション協定では︑ つぎのような規定がもうけられている︒. ﹁侯と会社は︑行為を︑誠実および純粋の信念︵αqo&嘗嘗や江讐話琶§︶にもとづくこの協定︑ならびに条理に合致した方法. ︵ヨゆ琴⁝零8房凶の8暮惹聾お器05︶ によるこの協定の解釈によらしめることを宣言する︒﹂. 一九三九年︑アブ・ダビの首長と℃卑3一窪ヨO①毒一8幕曇︵ギ8芭Oo霧酔︶﹃鮮とのあいだに締結されたコ. &ぎ︒讐ξ︶によって締結し︑かつ︑これを合理的. ンセッション協定は︑第一七条に︑ほとんどおなじ文言の規定をもうけている︒ ﹁侯と会社は︑いずれも︑この協定を善意および誠実の精神︵αp82三︒孟窪. な方法によって︵ぎ騨3霧03三︒ヨ暫暮①円︶解釈する意思であることを宣言する︒﹂. 同様の規定は︑一九二五年に締結された︑有名なイギリろの会社い①轟O巳島乾房Ooヨづ彗ざP傷・とソヴィ ︵二︶ エト連邦との鉱業コンセッション協定第八九条にもみられる︒. このような条項は︑準拠法を指定するものではない︒しかし︑その消極的効果として︑当事者は産油国の国内法. の適用とはちがったなにかを意図したものと解することはできないか︒仲裁入は︑このような条項に表明された当 事者D意思を︑つぎのように解釈した︒. まず︑一九五一年のアブ・ダビの首長と℃93一雪50①ぎ一8幕三︵↓2︒芭Oo霧け︶﹇準との︑一九三九年の. 協定にもとづく仲裁判断︵以下︑﹁トルーシアル・コースト仲裁判断﹂とよぶ︶にあたってみよう︒単独仲裁人いoこ. >のρ信穿亀田警o冨8器は︑アラブ国内法の適用について︑つぎのように判示している︒.

(23) ﹁この協定の解釈に適用される﹃プロパー・ロー﹄︵..ギε忠r畢..︶はなにかεこれは︑アブ・ダビで締結され︑そこで全面的に. 履行されるべき契約である︒なんらかの国内法体系が適用されるとすれば︑それは一見したところアブ・ダビの法である︒しかし︑. そのような法が存在するということはできない︒首長が︑コーランの助けを借りて︑純粋に任意の司法をおこなっている︑この非. 常に原始的な地域においては︑近代的な商事契約書の解釈に適用される確立された法原則が存在するとは︑とうていかんがえるこ. とができない︒イングランドの国内法が適用されるという根拠も︑みいだすことができない︒反対に︑協定第一七条は..⁝・︑いず. れかの国の国内法が適切であるという概念を排除する︒この条項の規定は︑良識および文明諸国一般に共通の慣行に根ざした原理. ︵冥ぎo豆雷39&ぎけゴ①σ皇o&︒︒雲器曽己8琶喜胃や︒薮①亀昏①αq窪R箔ぐ9︒差諒巴蓼ぎ霧︶i一種の﹃近代自然法﹄︵馨計壁. ︵三︶ 一睾9琴言話︶の適用を要請する︑また︑これを定めるものである︒﹂. つぎに︑カタール侯と一葺①葺毘自巴ζ零ぎ9一〇〇暑導ざい葬とのコンセッション協定についておこなわれ. o嘗>5巴︼Wきζ白は︑おなじく た︑一九五三年の仲裁︵以下︑﹁カタール仲裁判断﹂とよぶ︶において︑審判人o. アラブ国内法の適用について︑前記のトルーシアル・コースト仲裁判断を引用して︑つぎのように判示した︒. ﹁① さいしょの問題は︑この主協定の解釈に適用されるプロパー・ローは︑イスラム法か︑自然の正義および公平の原則︵肩ぎ︐. ︒覧霧亀轟ε轟ご垢ぎ①讐傷①2ξ︶かである︒この点については︑私に提出された一九一七年に判決された一W8琶讐−下O葵9︼. ﹃契約の解釈について︑協定の条件について当. 09事件におけるオクラホマ最高裁判所の裁判官寓胃身判事の意見が適切である︒この事件は︑石油コンセッションにかんする ものであって︑エ零身判事は︑判決の過程において︑つぎのようにのべている︒. 事者の合意が成立した当時における当事者の立場にできるだけちかい立場にたち︑かっ︑書かれたもの自体から当事者の意思を. 確認するのが裁判所の義務である︒契約証書自体からこれができなければ︑それが締結されたときの事情︑および︑それが関係. 石油コンセッション契約における国際私法問題. 二二七. する目的事項を考慮することができる︒これらの助けを借りて︑契約締結時に存在した当事者相互の意思ーこれを確認するこ.

(24) 論. 説︵土井︶. 二二八. とができ︑かつ︑これが適法であるかぎりーにしたがってこの契約を解釈するのが裁判所の義務である︒﹄. 本協定および補助協定のどちらにも︑この点についての当事者の意思を確認させるものはない︒契約の目的事項についてかん. がえれば︑それは︑首長の管轄地域内にある土地から採取される石油である︒この事実を︑首長が契約の当事者であり︑かつ︑. 実際に契約にもとづく仲裁をおこなう場所をカタールと指定する権利をもっていたという事実︑ならびに協定はアラビア語およ. び英語で書かれたという事実とあわせると︑カタールで適用される法であるイスラム法が準拠法であるということになる︒. ﹃近代的商事契約書の解釈に適用される確立された法原則の. 他方︑この見解にたいしては︑すくなくとも二つの重要な考慮すべき事項がある︒一つは︑イスラム法にかんする>己Φお9氏 とζ旨9教授の二人の専門家の証言を聴いたのちの私の見解では︑. 体系は︑カタールには存在しない﹄ことである︒ーカタールに直接隣接する︑かつ事実カタールよりもはるかに犬きい領域で. あるアブ・ダビの首長が一方の当事者であり︑石油コンセッション協定の文言の解釈にかんする︑一九五一年の仲裁において︑. 審判人としてくだした判断のなかの﹃&>ω曾チ9田誓o甥8希の言葉を修正して引用するー私が︑カタールで適用されるイ. スラム法の起源︑沿革およぴ発展︑ならびにカタールにおける法律手続について証拠をだす必要はない︒カタールにおいて︑イ. スラム法が厳格に適用されないとかんがえる理由はない︒しかし︑私は︑その法は︑この契約を解釈するに十分な原則をもってい ない︑というだけで十分とおもう︒. この理由から︑第二の理由がでてくる︒それは︑両専門家は︑イスラム法が適用されるとすれば︑契約の一定の部分は︑無効. であるという重大な批判にさらされるであろうという点について意見が一致していることである︒竃き9教授によれば︑主契約. は︑カタールで適用されるイスラム法のもとで︑はじめからおわりまで︑法に違反することばかりである︒これが︑イスラム法. は︑この種の近代的商事契約に適用される法原則の体系をもたないという有力な理由である︒私は︑イスラム法がこの取引きを. 全部または一部無効と宣言するものであっても︑首長が︑締結して︑相当多額の金銭を受領することを定められた契約にイスラ.

(25) ム法を適用することを意図したとかんがえることはできない︒⁝⁝私の見解では︑どちらの当事者も︑イスラム法を適用するこ ﹀ ︵四︶ とを意図しなカった︒当事者は︑協定は︑ ﹃正義︑公平および良識の原則﹄に準拠することを意図した︒⁝⁝﹂. しかじ︑い①=暫Ω︒籠一.匡︑仲裁判断においては︑ソヴィエト政府とのコンセッション協定の﹁当事者は︑この協. 定にかんする相互の関係を善意および誠実の原則︑ならびに協定の合理的な解釈の基礎におく﹂という条項を︑コ. ンセッションを付与する政府の国の法の適用を排除するものとは解されなかった︒仲裁判断は︑会社側の弁護士の 主張を引用し︑その主張を正当と認めた︒. ﹁⁝⁝臣轟の弁護士07包窃9は︑ソヴィエト連邦のすべての国内事項については︑契約によって排除されるものをのぞいて︑ソ. ヴィエト・ロシアの法律が適用される︒したがって︑両当事者のソヴィエト連邦内における契約の履行にかんしては︑ロシア法が. しかし︑かれは︑その他の目的については︑へーグの常設国際司法裁判所規程第三八条によって認められているような法の一般. ﹃契約のプロパー・ロi﹄︑すなわち契約の解釈について準拠すべき法であることを認める︒. 原則を﹃契約のプ・パi・・ー﹄とみなすべきである︑と主張する︒この主張をうらづけるため︑9轟の弁護士は︑コンセッショ. ン協定自体および炭鉱が引き渡された一九二七年六月の協定は︑一般にロシアの行政府を代表して署名されたばかりでなく︑外務. 執行委員代理によって署名されたこと︑ならびに契約条項の多くはたんなる国府法原則でなく︑国際法の原則の適用を意図してい ︵五︶. たことを指摘する︒解釈の相違がでてくるかもわからないが︑当裁判所は︑この主張を正しいと判断する︒﹂. 右にあげたようなコンセッション契約の条項がなにを意味するかは︑結局仲裁人の判断にゆだねられるが︑ここ. に引用したい①轟Oo襲芭房仲裁判断は︑コンセッションを付与する国に確立された法体系が存在するばあいには︑. 二二九. このような条項は︑たんなる解釈の抽象的基準を定めるだけで︑これからコンセッションの当事者である国の法の 石油コンセッション契約における国際私法問題.

(26) 論. 説︵土井﹀. 二三〇. 適用を排除する意思を推測すべきではないことをあきらかにするものとおもわれる︒しかし︑仲裁判断が支持した. ︵六︶. 会社の弁護士の主張にたいしては︑Z房筈き糞教授は︑契約の準拠法をソヴィエト法と法の一般原則とに分割する. ことは容認できない︒全契約のプロパー・ローはソヴィエト法である︑といっている︒反対に︑トルーシアル・コ. ースト仲裁判断やカタール仲裁判断は︑このような条項をもって︑当事者は契約に特定の国の法律を適用すること. ﹁近代自然法﹂を代表するものとして適用した︒. を意図しなかったと判断する根拠とした︒引用した9鼠>ω2穿の言葉は︑非常に有名になった︒いo巳>呂三爵 は︑イギリスに固有のものをのぞいた一定のイギリス法の原則を︑ ︵七︶. この仲裁判断がもつ重要な意義は︑準拠すべき原則を︑特定の国の国内法ではなく︑諸国に共通の法原則にみいだ. したことである︒やがて︑明文をもって︑このような趣旨の規定をもうけるコンセッション契約があらわれた︒. 一九一〇年︑オーストラリアの金鉱開発に成功したイギリス人ミ自彗寄負O︑≧昌がペルシャ政府から︑一九六一年までの. ↓ぴΦ>㌧ぼ胃碧δ5げ雪毛①O冨爵①・いO=ゆΩO一亀8匡即. 編・石油の 実 際 知 識 五 六 頁 ︒ >昌7鑑﹃Z膚跨ぴき5. ゆ5山爵①OOO≦900<①﹃5暮①三−ωOOOヨ①胃rρ 藤N. ︵お8︶.. この論文は︑學Φ↓ぎ窃︵ro&9︶一九三〇年九月三日号に掲載された9轟Ω︒姦邑傍りい芦事件仲裁判断を>薯雪象×としてかか. い一↑. 系のビルマ石油会社の援助をうけて︑一九〇九年︑>毫?評邑雲9一〇〇暑彗ざ﹃昌を設立して︑これに権利を譲渡した︒佐藤. し︑一九〇八年︑マスジッド・スライマン油田を発見し︑今日のイラン石油産業の基礎をつくった︒その後︑かれは︑イギリス. あいだ︑ペルシャ国土の四分の三以上の地域について取得した石油開発権である︒∪︑≧昌は︑その後七年にわたって石油を探査. ︵一︶. へ一ご. げる︒雅轟Ωo窪互房は︑帝政時代からシベリアで鉱山事業をいとなんでいたが︑新経済政策時代の一九二五年︑ソヴィエト政. 府から広範な鉱山の探索︑採掘および輸送のコンセッションを付与された︒しかし︑一九二九年に五力年計画が開始されると︑.

(27) ソヴィエト政府は︑会社のプラントや設備を没収し︑反革命活動に従事したという理由で︑その役員を訴追した︒会社は︑コン. セッション協定の仲裁条項にもとづいて︑一九三〇年仲裁裁判手続を開始し︑ソヴィエト政府に一三︑○○○︑OOOポンドの. 賠償を請求した︒両当事者は︑それマれ一名の仲裁人を任命し︑両仲裁人によって第三の仲裁人が任命された︒しかし︑仲裁判. 断は︑ソヴィエトの仲裁人が参加を拒絶したため︑二人の仲裁人によってくだきれ︑ソヴィエト政府に上記金額の支払いが命じ. られた︒ソヴィエト政府は支払いを拒絶したため︑イギリス政府の外交交渉がおこなわれ︑結局ソヴィエト政府は︑はるかにす くない金額を長期にわたって支払うことを約束した︒. >奉氏gい︒&>の皇爵g切善︒琶︒3一一具︑一〇︒昌r9轄・. ︵三︶︒ o 雰卑§轟恥§ミ雪9霧ぎρ雰ω夢↓§舞ぎ這r導G︒二一霧︶二三ざ釜詩;︷寒≧耳箋凶︒菩①薯§℃弩︒一①gヨ. o︒琶8幕曇︵炉鼠巴o︒婁︶﹇匡畢3ぽ望①孝︒︷>ぼ∪ごぼ 謡OI一︵一〇認︶●. トルーシアル.コースト仲臓の目的は︑産油国の首長が支配権ないし石油所有権を有する海底地域にかんして︑コンセッショ. ン協定にもとづく石油会社の権利を確定することであった︒会社は︑コンセッションには︑首長の領土および島にくわえて︑そ. の領海の海底ならびに︑首長が主権を有するそれに接続する海底もふくまれる︑と主張した︒じo巳>呂葺ゴ9田昏o冨一8①は︑. コンセッション協定に大陸ダナはふくまれない︒協定にかんする交渉においても︑これは修正されていない︒したがって︑首長. o 影器ざ冬&﹄奄養魯一〇 ︒ー9ピo置♂色ロF旨℃養・留♂9&勾魯岳おのo︒o︒IO一・ o. Z房 昏 讐 β 肋 § 養 い ω ① O o 冨 亀 r 9 9 ︒. 二三一. は︑大陸ダナ︑すなわちコンセッションにふくまれる領海に接続する海底にたいする権利を留保する︑という判断をくだした︒ ︵四︶. ︵五︶. 〇ρ ︵六︶ ﹄釧即一〇. 石油コンセッション契約における国際私法問題. ︵七︶ ミo︸凝彗αq閃ユ①段窪7塁①035四轟oo弓ぎε冨9奪$塞魯凶g巴い印≦一旨−蒔︵おR︶●.

(28) ㈹. 論. 説︵土井︶. 当事者の意思による産油国法の適用. 二三二. トルーシアル・コースト仲裁判断やカタール仲裁判断において仲裁人がのべていることは︑今日のアラブ世界に. おいては非常に限定された地域にあてはまるだけであって︑イラク︑レバノン︑リビア︑アラブ連合共和国などに. の原則はコーランにおいても認められているから︑コンセッ. おいては︑近代的商事契約に適用することのできる国内法体系がそなわっている︒産油国に近代的法制度がなくても︑. コーランが支配するかぎり︑冨︒βω§けの①円奉己 ︵一︶. ション契約に詳細な権利・義務が規定してあれば︑コーランだけが支配する産油国の法を準拠法としても支障はな い︑という主張もでてくる︒. 一九五八年のサウディ仲裁判断の基礎となったサウディ・アラビア政府と>3露導>幕昌導9一〇〇ヨ冨蔓と の一九五五年の仲裁契約には︑第四条に︑つぎのような規定がもうけられた︒ ﹁仲裁裁判所は︑この紛争を︑つぎの方法によって解決しなければならない︒. サウディ・アラビアの管轄外にある事項にかんしては︑仲裁裁判所が適用されると判断する法にしたがう︒. a サウディ・アラビアの管轄権内にある事項にかんするかぎり︑以下に定義するサウディ・アラビア法による︒. b. ここにいうサウディ・アラビア法は︑a.一暴冨≧巨&一ぎ浮浮巴によって教授され︑b.サウディ・アラビアにおいて適用 されるモスレム法である︒﹂. 仲裁人は︑ ﹁適用すべき法にかんするこの合意は︑ほとんどの文明国で採用される国際私法の原則に合致する︒ ︵二︶ したがって︑伸裁裁判所は︑これにしたがわなければならない﹂といっている︒さきに指摘したように︑この事件の.

(29) 仲裁手続は特定の国との関連がないから︑特定の国の抵触規定でなく︑諸国に共通する国際私法の一般原則にした. がって︑右のような仲裁契約の条項の効力を判断したのである︒しかし︑仲裁判断が問題にしたのは︑サウディ. アラビアの管轄内にある事項と︑外にある事項との区別であった︒. および. 産油国の法律に準拠するという明確な規定をもうけた例として︑一九六三年に締結された︑インドネシアの契約 ︵三︶ ︑ をあげておこう︒インドネシアは︑一九六〇年︑﹁鉱業にかんする法律にかわる政府規則﹂︵法律三七号︶および﹁鉱 油およびガス鉱業にかんする法律にかわる政府規則﹂︵法律四四号︶︑を制定した︒. インドネシア国営石油企業マ軍勺零β善導αQ裟ζ三異H&9霧寅と9露o≡す>ω算δ9一9冨冨ξ. 解釈. ↓①葦89霞器霧評昌2雲ヨOo琶冨蔓との石油開発請負契約︵Oo三簿9亀薯o美︶は︑つぎのように定めてい る︒. ﹁第二九条. α.この契約は︑インドネシァの法律に準拠し︑かつ︑これにしたがって解釈するものとする︒﹂. 同様の規定は︑おなじく一九六三年の︑劉=・評旨彗訂夷壁ζ三警H己oま旨とワ90餌7Φ×評︒強︒. H昆oま旨との契約第三〇条にもみられる︒一九六六年二月二二日︑℃●第℃零富窟訂夷きζ三異ぎ魯琴舞. と九州石油株式会社とのあいだに締結された生産分与契約︵汐o身3睾ω訂身αqOo暮声9︶は︑第一部﹁範囲お. 二三三. よび定義﹂第一項に︑﹁本契約は︑インドネシァ法律の概念が意味する℃菊OOqO目OZの=>困ZO契約である﹂と. 一石油コンセッション契約における国際私法問題. 規定し︑第一二部二項は︑つぎのような準拠法指定条項をもうけている︒.

(30) 論. 説︵土井︶. 二三四. ﹁インドネシア共和国の法律は本契約に適用されるものとする︒本契約のいかなる条項︵仲裁に関する両当事者の合意も含む︶も︑ インドネシア政府がその固有の権利を行使することを妨げ︑もしくは制限するものではない︒﹂ ︵四︶. 勺7旨冨評育〇一窪奪Ooヨ℃窪気および9一ゆ&Z勉ε箒一〇霧Oo暮昌ω︒︒ご戸H鑑貯. イランは︑一九五七年に石油法を制定したが︑これにもとづいて締結されたZ豊窪巴H審島彗9一〇〇・を一方 の当事者とし︑>O宅ω●マ鋭. を他方の当事者とする一九六五年の合弁契約︵○浮ぎお即導ま巨−<①=言お>鷺8語三︶は︑第四三条に︑つぎ のような規定をもうけている︒. 二︑この契約は︑石油法にしたがって締結される︒この契約が明文をもって規定しないすべての事項について︑石油法の規定が 造用される︒. 二︑一九五七年の鉱業法の規定は︑この契約に適用されない︒この契約の規定に全部または一部抵触するその他の法律および規 ︵五︶ 則は︑その抵触の限度において︑この契約の規定にかんして効力を有しない︒﹂. ︒感餐⇔甲ωρ﹃§斬蕊&. ﹁政府は︑コンセッションの当事者である国家の主権は︑コン. ︵一﹀↑罫蝉≧琶の︒5睾傷客ト9G一ωβ︑.塁Φ蜜︒ω一晋翌零ゆ&o︒葺暫︒舞一〇げ凝豊gω㌦.ω①一婁8 ︑ま§ωωZ●ド9r即雲Zo●刈︵一り㎝︒︒︶ー. 一九五八年のサウディ仲裁判断は︑つぎのようにいっている︒. セッションの法的性質の決定における決定的要素である︑と主張する︒この主張は︑モスレム法においては根拠がない︒反対に︑. 一ぎ証ぎ一旨は︑国家の条約︑公法または行政法の契約および民法または商法の契約のあいだに区別をもうけない︒これらはすべ. て︑おなじ効力を有する︒︑.饗o欝ω睾一器ミ睾鼠..の原則は︑モスレム法においても︑十分認められている︒﹂㌫即三ω$Oぎ 一暮︒認ω●.

(31) ︵三︶. ︵二︶. インドネシアにおける外国資本投下の規制については︑ゴウ・ギョク・ション︵日本インドネシア協会訳編︶・インドネシア. &勾三ω3∪ぎ一きNωO.. イラン石油法は︑国有石油会社をつうじて契約を締結するため︑第二条に︑つぎのような規定をもうけている︒. における外国人の法的地位一六六ー二一〇頁︵一九六六年︶︑参照︒ ︵四︶. ﹁この法律の規定を執行するため︑チ①Z呂8巴ζ畳器Ω一〇塞饗蔓は︑イラン国籍であると外国の国籍であるとをとわず︑技. 術的およぴ財政的能力が証明されるいかなる者とも︑この法律の条項および4ラン国の法律に反しないその他の条項のもとに︑. 適切と認める契約の交渉をし︑かつ︑その者と契約を締結することができる︒このようにして作成された契約書は︑爵ΦZ魯9巴. 一3三雲9剛9暑9昌が署名し︑閣議に提出しなければならない︒閣議は︑これを確認すると︑議会に提出して︑その批准をえな. 法の一般原則の適用. 蕊=聾︑ωOFO閑>ζ9①︒芭の唇冨幕暮Z9一一︒1ざ一一︵一︒︒㎝︶︒. ければならない︒署名された契約は︑議会の承認をえたのち効力を発生する︒﹂ ︵五︶. 四. 前節においては︑特定の国の国内法︑とくに産油国法の適用について説明した︒前節②にかかげた契約の解釈の. 基準を定める契約条項例は︑産油国に近代的な商事契約に適用される法体系が存在しないという特殊な事情のもと. でもうけられたもので︑真の準拠法指定条項ということはできなかった︒つぎに提起するのは︑準拠法を指定する. 二三五. のであるが︑特定国の国内法に準拠することを不適当とするばあいに︑超国家的な︑数国ないし諸国に共通の法原 則を適用することを定める契約条項はなにを意味するか︑という問題である︒ 石油コンセッション契約における国際私法問題.

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