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唐三彩の玩具−最古の孫悟空像−

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奈文研ニュース No.70

唐三彩の玩具−最古の孫悟空像−

『西遊記』の祖型は、猴さるの行者が玄奘三蔵を導いて西域に仏典を求める仏教説話 といわれています。ここに登場する猴行者が、孫悟空のモデルと考えられていま す。敦煌莫高窟の壁画等に描かれた猴行者は、白装束で頭に金属の輪をかぶって います。この金輪は、もとは白い布に通して帽子としたもので、当時の行者の定 番の姿でした。

奈良文化財研究所と中国・河南省文物考古研究所が共同で研究をすすめる唐三 彩の中に、頭に金属の輪をかぶる猴の玩具を発見しました。製作時期は盛唐晩期 から中唐期( 8 世紀後半から 9 世紀初頭)とみられ、この時期には、なんらかの猴 行者に関する話が成立していた可能性が高いといえます。

安史の乱(755〜763)以降、中国の中原地域は長い争乱の時代がつづき、数多 くの文物が失われました。『西遊記』の祖型である仏教説話も、日本や韓国に写本 が残るのみで、中国国内には残っていません。しかし、土中に埋まった埋蔵文化 財には、華やかな唐王朝が作り出した文物が、まだまだたくさん眠っていること

でしょう。 (都城発掘調査部 神野 恵)

所蔵:中国河南省鞏義市博物館

出典:『鞏義黄冶唐三彩窯』奈文研史料第61冊(2003)

猴行者の顔

猴行者の顔

実物大イメージ

参照

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