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ISSN 日本核医学技術学会 中国 四国地方会誌 Journal of Chugoku - Shikoku Conference for the Japanese Society of Nuclear Medicine Technology 日本核医学技術学会第 18 回中国 四

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日本核医学技術学会

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日本核医学技術学会

日本核医学技術学会

日本核医学技術学会

日本核医学技術学会

日本核医学技術学会

中国・四国地方会誌

中国・四国地方会誌

中国・四国地方会誌

中国・四国地方会誌

中国・四国地方会誌

中国・四国地方会誌

中国・四国地方会誌

中国・四国地方会誌

Journal of Chugoku - Shikoku Conference for

the Japanese Society of Nuclear Medicine Technology

第16巻 2006

日本核医学技術学会

日本核医学技術学会

日本核医学技術学会

日本核医学技術学会

第18回中国・四国地方会

回中国・四国地方会

回中国・四国地方会

回中国・四国地方会

平成

平成

平成

平成18年

年6月

月10日~

日~

日~

日~11日

サンポートホール高松

サンポートホール高松

サンポートホール高松

サンポートホール高松

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第19 回地方会開催予告 研究論文(一般演題)

3D-Stereotactic Surface Projections (SSP) における

ノーマルデータベースの比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮原善徳 4

eZIS Version2.0 と Version3.0 の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・原元益夫 8

MRI 統計解析 と脳血流シンチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本田雅人 13

Fusion ソフトウエアの使用経験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・吉田英樹 16

DTARG (Dual Table ARG) 法の使用経験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・山本公志 19

Patlak plot法における収集条件の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・森山 茂 22 68Ge-68Ga プールファントムを用いた PET 画像再構成条件 の検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・松友紀和 24 RI・PET 検査における放射線業務従事者の個人被ばく線量・・・・・・・・・渡辺治夫 28 PET 検査情報管理システムの開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・赤木直樹 31 アシアロ肝シンチにおける肝機能と35min uptake の関係・・・・・・・・・中嶋真大 33 Adenosine 負荷201Tl 心筋シンチグラフィの虚血診断能の評価 −ATP,運動負荷との比較−・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤原秀司 36 高速回転SPECT 撮像における空間分解能の検討 − 99mTc−MAA 肺血流シンチ−・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大石誉奈 39 99mTc- GAS/MAA-SPECT による肺換気・血流比解析 ソフトウエアの開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上田康之 42 低髄圧症候群における脳槽シンチグラフィの有効性について・・・・・・・・大野貴史 46 モーニングカンファレンス 話題提供 Ⅰ.一般病院におけるサイクロトン/PET-CT システム導入の意義と 将来展望 辻村真嗣 49 Ⅱ.ディフュージョンの基礎からボディディフュージョンまで・・・・・・丸山功男 51 一般演題・話題提供 座長集約・・・・・・原 正和・杉野修一・高畑 明・安並洋晃・木口雅夫 54

VERSUS「心筋 SPECT Vs. 心臓 MRI」

座長集約・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中田 茂・小橋利美 59 心筋SPECT・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長木昭男 60 心臓MRIの現状と将来展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・石本 剛 63 特別講演 Ⅰ.私と核医学検査の出会い:過去から現代までを回想して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・倉敷中央病院 放射線センター 技師長 河原泰人 66 Ⅱ.腫瘍核医学:SPECT から FDG-PET へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 滝宮総合病院 放射線科 部長 松野慎介 67 第18 回地方会プログラム 平成18 年度 日本核医学技術学会 中国・四国地方会理事会議事録 72 平成18 年度 日本核医学技術学会 中国・四国地方会総会議事録 75 監査報告書・会計報告書 76 日本核医学技術学会 中国・四国地方会会則 77 日本核医学技術学会 中国・四国地方会 平成18 年度役員 79 日本核医学技術学会 第18 回中国・四国地方会準備委員会・実行委員会名簿 80 第18 回中国・四国地方会印象記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・瀧 誠二 81 協賛・広告企業 82

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−Versus から Together へ−

日本核医学技術学会 第 18 回中国・四国地方会大会長 香川労災病院 守屋雅光 004 年 6 月,豪雨の高知で開催された第 16 回地方会にて,次々期地方会を高松で開催 する事が早々と決定した.それ以来,どのようなコンセプトの会にしようかという思いを 常に頭の片隅に置いていた.準備委員,実行委員には,香川県放射線技師会 RI 部会の代 表世話人である徳田清茂先生(栗林病院)の強力なバックアップのもと,安原正準備委員長(高松市 民病院)を筆頭に次々と役員が決まっていった. 一日目(6 月 10 日)の特別講演をどうすべきか.近年,核医学の危機が叫ばれているが,PET と いう強力な順風も吹き始めた.核医学の過去から現在,そして近未来への plot を描いてみたいと思っ た.私たちの大先輩である河原泰人先生(倉敷中央病院放射線センター)の顔が頭に浮かんだ.そし て,現在から近未来への展開を語れる人は・・・,いち早く香川県に PET-CT を導入された松野慎介 先生(滝宮総合病院放射線科部長)の顔が浮かんだ. 次の難問は二日目(6 月 11 日)のモーニングカンファレンスである.これは,自分自身が最も現在 関心のあるテーマを選んだ.即ち,MRI との Versus である. 一般演題は,予想を大きく上回り 14 演題ものエントリーがあった.その中,3演題は PET 関係で あり,本地方会では初めてのことで新しい時代の流れを感じた.当日は,活発な論議がなされ,時に は質問のマイクに行列が出来ていた!(このような光景を見たのは初めての経験だった.)また,例年, 学会二日目は,前夜の情報交換会や二次会などの影響で参加者が少ないのだが,今回は朝から会場は 満席で異様な雰囲気であった.MRI との Versus は今回のこの学会の目玉である.詳細は本誌の内容 を読んでいただきたいが,両者は補完しあうものであり「Versus から Together」という関係になる のではという大胆な予測の結論となった. 二日間,好天に恵まれ,参加登録者 124 名,情報交換会(懇親会)参加者 77 名を記録した.本部 から福喜多博義学会長(国立がんセンター中央病院)も SNM 帰りに駆けつけていただき,全国へ向 けて中国・四国地方会のアクティビティがアピールできたのではないだろうか. 特別講演の先生,モーニングカンファレンスの講師の先生や司会の先生,一般演題の座長の先生等 などを決定するにあたり,香川県放射線技師会,日本放射線技術学会中国四国部会,核医学夢工房, および岡山大学放射線技師学校の同窓会の人脈を徹底的に活用した.「知り合いの知り合いは,知り合 いである」ということになり,関係者の皆様には感謝するところである.

2

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日本核医学技術学会 第 1 9 回中国・四国地方会

【開催予告】 期間 :平成19年 6 月 23 日( 土曜日 )、24 日( 日曜日 ) 会場 :ニューメディアプラザ山口(山口市熊野町1−10) 情報交換会 :平成19年6 月 23 日( 土曜日 ) 防長苑(予定) 演題募集 第19 回中国・四国地方会における一般研究発表を募集します。 是非とも、多くの応募をお願いします。 応募規定 申込期間:平成19 年 3 月 1 日∼4 月 30 日 申込方法:Ⅰ. 演題申込用紙に必要事項を記入し、事務局まで郵送下さい。 Ⅱ. ホームページからの演題申込 山口大学医学部附属病院 放射線部のホームページから “ URL:http://radtec.med.yamaguchi-u.ac.jp/ ” 「日本核医学技術学会 第19 回中国・四国地方会案内」の「演題募集」 から必要事項を入力し、演題を申込んで下さい。 発表形式:口述発表とし、発表時間は7 分、討論は 3 分とします。 発表方法は、持参のパーソナルコンピュタ(以下、PC)または、会場に用意した PC(プ レゼンテーションソフト:Microsoft PowerPoint for Windows)で行います。 (注)持参される PC は、機種によってプロジェクタと接続できないものもあります。必ず、 発表ファイルをCD-R 等で保存して持参下さい。 情報交換会:情報交換会の参加登録は当日でも可能ですが、可能な限り上記ホームページからの 事前登録をお願いします。多くの方々の参加をお待ちしています。 事務局:山口大学医学部附属病院 放射線部 〒755-8505 山口県 宇部市 南小串 1-1-1 TEL : (0836)22-2662 FAX : (0836)22-2661 E-mail : j s n m t - 1 9 @ y a m a g u c h i - u . a c . j p

(5)

- 3 -

※事務局使用欄

受付月日

演題群名

発表日時

受付番号

演題番号

受付確認

月 日

月 日

連絡先

施設住所 施 設 氏 電話(内線)・FAX

E-mail

- -

第19回 日本核医学技術学会 中国・四国地方会 演題申込書

発表要旨( 目的、方法、結果を400文字程度に要約して下さ

演題区分

演 題

vivo

vitro

演題形式

発表者氏名 共同研究者氏名 PCによる発表形式でお願いいたします ( ふりがな ) 所属施設名 ( ふりがな ) 所属施設名

(6)

3 D - S t e r e o t a c t i c S u r f a c e P r o j e c t i o n s (S S P )

におけるノーマルデータベースの比較

宮原善徳・原元益夫・山本泰司・小松明夫・内田幸司* 島根大学医学部附属病院 放射線部・島根大学医学部 放射線医学講座* Ⅰ.目的 当 院 で は ,99mTc-HMPAO に お け る 3D-SSP ノ ー マ ル デ ー タ ベ ー ス ( 以 下 NDB)を 50,60,70 歳代の 3 階層に分け て使用している.しかし長期間の経過観察 を要するアルツハイマー型痴呆症(AD)等 で,年齢階層をまたいで検査する場合では 使用する NDB が異なることにより解析結 果に影響を及ぼす可能性がある.そこで各 年 齢 階 層 の 境 界 年 齢 を 中 心 と す る 新 た な NDB(overlapped・NDB)を構築し既存の NDB と比較した.また AD に特有な血流低 下 部 位 を 想 定 し , 平 均 値 (mean)と標準 偏差(S.D.)から同部位における各 NDB の変化を比較し,overlapped・NDB につい て検討した. Ⅱ.方法 今回検討に用いた NDB は島根大学で独 自 に 収 集 し た 正 常 ボ ラ ン テ ィ ア で の 99mTc-HMPAO 脳血流 SPECT データであ る.収集条件(使用装置)は PHILIPS 社

製PRISM IRIX,(処理 Odyssey FX)低エ

ネルギー用高分解能パラレル型コリメータ、 収集マトリックス 128×128,360°収集, 5°スッテプ 72 ビュー,1 ビュー30 秒収集 で あ る . ま た 前 処 理 フ ィ ル タ ー は Butterworth Filter,再構成フィルターは Ramp,吸収補正処理には, Chang’s 法(μ =0.09/cm)を用いた. 各 NDB の内訳は,50-59 歳(55.2±3 n=10 ), 55-64 歳 ( 59.4 ± 2.6 n=11 : overlapped 55-64),60-69 歳(63.8±2.9 n=12 ), 65-72 歳 ( 68.8 ± 3 n=12 : overlapped 65-72),70-79 歳(73.2±2.4 n=11 )である.次に今回の検討項目を列挙 する. Ⅱ−1 iNEUROSTAT を用いて,各 NDB の群 間比較(2tZ)を行なう. Ⅱ−2 各 NDB を 構 成 す る ボ ク セ ル ご と の mean および S.D.(全脳平均値で正規化) を脳表抽出表示し右内側部(AD の診断に は楔前部,楔部,後部帯状回等の血流低下 に注目する場合が多い為、今回の検討にお いては特に右内側に限定した)における分 布を視覚的に比較した. Ⅱ−3 各 NDB の特性を mean と S.D.を用いて 比較した.統計解析におけるZ 値は各ボク セルにおいて . D . S ) x ( mean mean Z 正常患者データの 症例データの 正常患者データの 値= − ・・・(式1) であるため、右内側頭頂・後頭葉に広くボク

セル ROI を置き(Fig.3),ROI 内の mean

およびS.D.の平均値を式 1 に代入し算出し たZ 値と mean(x)値推移との関係から一次 回帰式を求め NDB の持つ特性を推測する. Ⅱ−4 S.E.E.( Ver2 ) を 用 い て 楔 前 部 , 楔 部 , 後部帯状回についてもⅡ−3 と同様の検討 を行う. Ⅲ.結果 Ⅲ−1 Fig.1 に各 NDB 群間比較の結果を示す。 従来の 3 階層での群間比較(Fig.1A,B) に 比 べ overlapped・ NDB と の 群 間 比 較 (Fig.1C∼F)では頭頂葉,後頭葉および 内側前頭回でZ 値が小さくなっている.

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- 5 -

Ⅲ−2

Fig.2 に各 NDB の mean map および S.D.map を示す. mean map では NDB の年齢階層上昇に伴い前頭葉でその値が小 さくなる傾向にあるが,頭頂葉および後頭 葉では大きな変化はみられない.S.D.map では逆に年齢階層上昇に伴い後頭葉でその 値は大きくなる. Ⅲ−3 Fig.4a は Z 値と mean(x)値との関係から 一次回帰式を求めたグラフである.Fig.4b は,その直線の傾きのみを示したグラフで ある.2 つのグラフより ROI 内の領域にお いては年齢階層上昇に伴いZ 値の傾きはほ ぼ規則的に小さくなる. Ⅲ−4 楔前部,楔部および後部帯状回の mean とS.D.を Fig.5 に示す. Fig.5 では楔前部 お よ び 楔 部 で は 年 齢 階 層 の 上 昇 に 伴 い mean および S.D.とも値は僅かに大きくな る が , 後 部 帯 状 回 で は 殆 ど 変 化 が 無 い . Fig.6 にⅢ−3 と同様にして求めた Z 値の 傾きを示す.楔前部,および楔部では年齢 階層上昇に伴いZ 値の傾きは小さくなる傾 向があるが後部帯状回では変化が小さかっ た. Ⅳ.考察 今回新たに overlapped・NDB を構築し 10 歳ごとの3階層の既存 NDB と比較検討 した. 当院における NDB のもつ(右内側の) mean および S.D.は年齢階層ごとに異なり, それらは今回検討した右内側領域に限定す れば年齢階層の上昇に伴いZ 値が小さく表 現されることが予測できる.つまり異なる NDB を用いて経過観察する場合は 10 歳刻 み の NDB を 使 用 す る よ り overlapped・ NDB を用いたほうが Z 値の変化を小さく 押 さ え る こ と が で き る と 言 え る . そ し て AD 症例を予測して検討した楔前部,楔部, 後部帯状回でもほぼ同じ傾向がみられた為, 既存 NDB と overlapped・NDB では違う Z-score map を導き出すことが予測できる. しかし,今回は基礎的な検討に留まってい るため今後は臨床検討も必要であると思わ れる. Ⅴ.結語 今回,特に AD に特有な血流低下部位に おける overlapped・NDB を構築する妥当 性は確認されたと認識する.しかし,臨床 での検討を行っていないため,その影響の 程度は未知数である.また他部位(領域) での overlapped・NDB の特性および臨床 データでの検証も必要となる.将来的には NDB を年齢階層で区分せず,個々の年齢 を中心とした NDB を使用できるようにプ ログラム構築することを目標に検討を重ね たい. Fig.1 各 NDB 群間比較の Dec/Inc 表示(右内側)

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Fig.2 各 NDB の mean map (左)及び S.D. map (右) Fig.3 右 内 側 頭 頂 ・ 後 頭 葉 に 広 く 設 定 し た ボ ク セ ル ROI 内 の mean お よ び S.D.の値

Fig.4 a):右内側頭頂・後頭葉のボクセル ROI より式 1 で算出した Z 値と mean(x)値との関係から 求めた一次直線 b): a)の一次直線の傾き(各 NDB の Z 値の傾き)

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Fig.5 S.E.E.(Ver2)用いて測定した 楔前部,楔 部,後部帯状回の mean および S.D.の値

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e Z I S V e r s i o n 2 . 0 と e Z I S V e r s i o n 3 . 0 の比較

原元益夫・宮原善徳・山本泰司・小松明夫・内田幸司*

島根大学医学部附属病院 放射線部・島根大学医学部 放射線医学講座*

Ⅰ.目的

当 院 で は ,99mTc-ECD を 用 い た 脳 血 流

SECT 検査において easy Z-score Imaging System(以下 eZIS)による統計学的画像解 析を行っている.本年eZIS Version3.0(以 下Ver.3.0)が発表された. Ver.3.0 では, 解剖学的標準化(標準脳への合わせこみ) ア ル ゴ リ ズ ム が Statistical Parametric Mapping (以下 SPM)99 から SPM 2 へ 変 更 さ れ , SPM 2 に よ る Normal Database(以下 NDB)が構築された. eZIS のNDB は,平均値と標準偏差それぞれ 68 スライスで構築されている. 今回著者らは,臨床症例(以下 症例)を

用いてeZIS Version2.0(以下 Ver.2.0)と

Ver.3.0 の比較検討を行なった.

Ⅱ.方法

同一症例を Ver.2.0 と Ver.3.0 で解析し、

Z-score map を比較検討した.さらに,当 院 の 症 例 に つ い て は , 同 一 ス ラ イ ス の Z-score map を同一座標で走査し, Z-score の プロファイルカーブを作成して比較し た. また, 当院の症例を解析するのに用いた Ver.2.0 と Ver.3.0 の NDB の平均値および 標準偏差を比較した(NDB の同一スライ ス,同一座標を走査しプロファイルカーブ を作成し比較した).対象は,当院で検査し た2 症例と第一ラジオアイソトープ研究所 から借りた1 症例とした. なお, 脳血流 SPECT 検査は収集装置 PHILIPS 社製 PRISM IRIX, コリメータ は低エネルギー用高分解能パラレル型コリ メータを用いて行なった.収集条件は,収 集 マ ト リ ッ ク ス 128× 128 , Zoom=2.0 , 360°収集,5°ステップ 72 ビュー,1 ビ ュー30 秒収集とした.また, 処理装置は Odyssey FX , 前 処 理 フ ィ ル タ は Butterworth Filter, 再 構 成 フ ィ ル タ は Ramp Filter , 吸 収 補 正 処 理 に は , Chang’s 法(μ=0.09/cm) を用いた. Ⅲ.結果 【症例1】 86 歳男性で CT と MRI 検査において, 左大脳半球の軽度萎縮と左前頭葉分水嶺域 の陳旧性梗塞が指摘された. SPECT 定量, 定性画像では,それに合致した血流低下が 認められた. ①Z-score map の比較 Fig.1 は , 基 底 核 を 含 む ス ラ イ ス の Z-score map である.Z-score map は同等 で,Ver.2.0 と Ver.3.0 とも左大脳半球に広 範な Z-score の上昇を認め,両側基底核の Z-score も上昇している. ②Z-score プロファイルカーブの比較 Fig.2(a) Z-score プロファイルカーブか ら,深部の Z-score は Ver.3.0 の方が小さ いことが分かった. ③NDB の平均値および標準偏差の比較(70 歳代男性NDB)

Fig.3 (b)は, Fig.3 (a)で示すライン上を

右から左に走査した NDB の平均値のプロ

ファイルカーブである.NDB の平均値は,

Ver.2.0 と Ver.3.0 で差がないことが分かっ

Fig.1 Z-score map ( 症 例 1 ) (a):Ver.2.0 で 解 析 し た Z-score map で あ る . (b):Ver.3.0 で解析した Z-score map である.

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Fig.2 Z-score プロファイルカーブ(症例1)(a):(b)に示すライン上を右から

左に走査した Z-score のプロファイルカーブである.(b):Fig.1 内の 1 スライスで, 全 68 スライス中,小脳から頭頂側に向かって 36 スライス目の Z-score map である. た. Fig.3(d) は, Fig.3 (c) で示すライン上を 右から左に走査した標準偏差のプロファイ ル カ ー ブ で あ る . 深 部 の 標 準 偏 差 は , Ver.3.0 の方が大きいことが分かった. 【症例2】 52 歳男性で CT と MRI 検査において, 左 前 頭 葉 の 陳 旧 性 梗 塞 が 指 摘 さ れ た . SPECT 定量,定性画像では,それに合致 したRI 集積欠損が認められた. ①Z-score map の比較 Fig.4 は , 基 底 核 を 含 む ス ラ イ ス の Z-score map である.Z-score map は同等

で ,Ver.2.0 と Ver.3.0 と も 左 前 頭 葉 に Z-score の上昇を認める. ②Z-score プロファイルカーブの比較 Fig.5 Z-score プロファイルカーブ(症 例2) Fig.3 70 歳代男性 NDB の平均値および標準偏差の比較 (a):Fig.2(b)と同じスライ スレベルの NDB の平均値を画像化したものである. (b):(a)で示すライン上を右から左 に走査した NDB の平均値のプロファイルカーブである. (c):Fig.2(b)と同じスライス レベルの NDB の標準偏差を画像化したものである. (d):(c)で示すライン上を右から左 に走査した標準偏差のプロファイルカーブである.

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Fig.5(a) Z-score プロファイルカーブか ら,深部の Z-score は Ver.3.0 の方が小さ いことが分かった. ③NDB の平均値および標準偏差の比較(40 ∼59 歳 NDB)

Fig.6 (b)は, Fig.6 (a)で示すライン上を

右から左に走査した NDB の平均値のプロ ファイルカーブである.NDB の平均値は, Ver.2.0 と Ver.3.0 で差がないことが分かっ た. Fig.6(d) は, Fig.6 (c) で示すライン上を 右から左に走査した標準偏差のプロファイ ル カ ー ブ で あ る . 深 部 の 標 準 偏 差 は , Ver.3.0 の方が大きいことが分かった. 【症例3】 右大脳半球に広範な RI 集積低下・欠損 を有する症例である. Ver.2.0 で は 標 準 脳 へ の 合 わ せ こ み が Fig .7(a) 円 で 示 す 領 域 で う ま く い か ず , Ver.3.0 でうまくいっている. Ver.2.0 で合 わせこみがうまくいかなかった Fig.7(b)円 で示す領域では,Z-score が上昇している. Ⅳ.考察 Z-score が(1)式から求められ,NDB の平 均値に差がなく, NDB の標準偏差に差が あったことから, Ver.2.0 と Ver.3.0 で描 出 さ れ た 深 部 の 相 対 的 血 流 低 下 部 位 の Z-score が異なるのは,NDB の標準偏差が Ver.2.0 と Ver.3.0 で異なるからであると考 えられる. 標準偏差 症例値 平均値 NDB NDB score Z− = − ・・・(1)式 症例3 のように広範な RI 集積低下・欠損

Fig.4 Z-score map (症例2)(a):Ver.2.0 で解析した Z-score map である.(b):Ver.3.0 で解析した Z-score map である.

Fig.5 Z-score プロファイルカーブ(症例2)(a):(b) に示すライン上を右か ら左に走査した Z-score の プ ロ フ ァ イ ル カ ー ブ で あ る.(b):Fig.4 内の 1 スラ イスで,全 68 スライス中,小脳から頭頂側に向かって 36 スライス目の

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- 11 - Fig.6 40∼59 歳 NDB の平均値および標準偏差の比較 (a):Fig.5(b)と同じスライスレベルの NDB の平均値を画像化したものである.(b):(a)で示すライン上を右から左に走査した NDB の平均 値のプロファイルカーブである.(c):Fig.5(b)と同じスライスレベルの NDB の標準偏差を画像化 したものである.(d):(c)で示すライン上を右から左に走査した標準偏差のプロファイルカーブ である. の合わせこみがうまくゆき,解剖学的標準 化の精度が向上していると考えられる. Ⅴ.結語 同一症例で描出される相対的低血流部位 (Z-score map)は同等であるが,深部の

Fig.7 Z-score map(症例 3)(a):SPM99 による標準脳への合わせこみ精度を, 確認する

ための画像である.(b): Ver.2.0 で解析した Z-score map である. (c):SPM 2 による標準脳 への合わせこみ精度を,確認するための画像である.(d):Ver.3.0 で解析した Z-score map

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Z-score は,Ver.3.0 の方が小さくなること

が分かった.また,eZIS Ver.2.0 と Ver.3.0

のNDB の平均値には差がなく, 深部の標 準偏差は,Ver.3.0 の方が大きいことが分か った. さらに,Ver.3.0(SPM 2)では, 広範な集積低下・欠損がある症例でも標準 脳への合わせこみがうまくゆくことが分か った. 謝辞 今回の比較検討にあたりご協力いただい た 株 式 会 社 第一ラジオアイソトープ研究 所の方々に深く感謝いたします. 文献 1) 村上 剛 : 脳 血 流統計解析法(eZIS, SPM2 )の解剖学的標準化について,核医 学技術,25:305-310,(2005) 2) 村上 剛:解剖学的標準化の精度,核医 学分科会雑誌,49:44-50,(2004) 3) 松田 博:SPECT における画像統計解 析,画像診断,23(11):1296-1309,(2003)

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- 13 -

M R I 統計解析と脳血流シンチ

本田雅人・吉田英樹 大田市立病院 診療支援部 画像診断 Ⅰ.はじめに MRI 画像を用いたアルツハイマー病(以 下 AD)診断において,海馬・海馬傍回の 萎縮の程度を視覚的に評価することは難し く,松田らが開発したVoxel-based Specific

Regional analysis system for Alzheimer's Disease(以下 VSRAD)は,SPM2 の機能 を用いた Voxel-Based Morphometry によ り,脳萎縮の程度を定量化するための早期 AD 診断支援システムである.また 本シ ステムは,早期のAD 診断のポイントとし て海馬の萎縮に着目されています. Ⅱ.目的 VSRAD を 用 い た 脳 萎 縮 評 価 ( MRI Z-score),eZIS version3.0 を用いた脳血流 評価(RI Z-score),および MMSE(Mini Mental State Examination)を用いた認知 機能評価の関係を考察したので報告します. Ⅲ.対象 AD と診断した患者様 22 名です内訳は, 男性8 例,女性 14 例,平均 80.4±4.5 歳で す. 神経心理学的検査として MMSE を用い ました.見当識と記名,注意と計算,想起, 言語の5 つの領域を評価する認知機能検査 で満点は 30 点です.機能低下は,24 点以 下です. Ⅳ.使用機器ならびにシステム VSRAD は,MRI 画像の T1 強調像のサ ジタル像を用いて解析します. 【MRI 撮像条件】 T1WI(sagittal) Sequence:3D-FSPGR TR / TE(msec):22 /1.5 FOV (cm)26×20 スライス厚 / gap (mm):1.5 mm/0mm マトリックス256 ×224 スライス枚数:120 撮像時間(min:sec)2:30 【VSRAD の解析概要】 標準化の処理を経て,標準脳と比較しま す.また,SPECT 検査は,eZIS(Ver3.0) を用いて解析を行いました. 【定量評価の指標】 健常者群と被験者間でZ スコアを算出す ることにより,海馬の萎縮や血流代謝の低 下を表します.尚,VSRAD では,海馬に ROI を 設 け て 萎 縮 の 程 度 を 算 出 し て い ま す.

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【MRI による VSRAD の解析結果】 68 歳の男性で高度の認知障害のある方 です.海馬の ROI により萎縮度合いが算出 され 3.18の数値が求まります,よっ て 強 い 海 馬 傍 回 の 萎 縮 と な り ま す . 尚 , VSRAD の処理は全自動で,約15 分程度 で解析されます. 【同症例のeZIS の解析結果】 血流代謝低下部位は,後部帯状回や楔前 部に特徴ある低下が見られます. 【eZIS-Viewer】 MRI 検査と SPECT 検査を同一のプラッ トホームで観察ができないものかと考え, eZIS-Viewer を用いて各々の Z スコアを3 D 上に展開しました. 当ソフトウエアを使用することで 萎縮 と血流代謝の低下が観察し易くなりました.

表は,MMSE と VSRAD の Z-score と eZIS

の Z-score の関係グラフで表したものです.

Fig.1は,VSRAD の Z-score と eZIS の Z-score の関係を表し,両者は正の相関を 示しています.

Fig.2 は , MMSE の 値 に 反 比 例 し て VSRAD と eZIS の Z-score が増加していま す.

(17)

- 15 - Ⅴ.結果 1.VSRAD の ROI を用いて認知症患者の VSRAD 検査と SPECT 検査の両者の Z-ス コアを比較しました. 2. eZIS-Viewer(Ver3.0)を用いて両者の 統計解析結果 を同一患者脳表上に展開し, 萎縮と血流低下の広がりが確認できました. 3.MMSE の値に反比例して VSRAD と eZIS の Z-score が 増加しました.

4.VSRAD の Z-score と eZIS の Z-score は正の相関を示しました.

5.VSRAD は eZIS より鋭敏に MMSE の 変化を捉えるこができました. Ⅵ.結語 VSRAD を用いた海馬の萎縮評価は,従 来の eZIS を用いた脳血流評価より,認知 機能の低下を伴う早期アルツハイマー病の 診断支援となり,核医学検査と組み合わせ ることにより早期AD の鑑別診断の精度が 向上すると思われます.SPECT 検査では, 認知症疾患別 ROI を用いることにより,病 期の推移や病態の把握が可能となると思わ れる. 文献 1) 松田 博史:アルツハイマー病における 脳機能画像の臨床的意義 第125 回日本医 学会シンポジウム. 2) 松 田 博 史 : 画 像 診 断 ソ フ ト の 開 発 ― MRI-CLINICIAN 2005N NO.537. 3) 岡田 和悟:アルツハイマー型認知症に 対する MRI による海馬・海馬傍回萎縮診 断ソフトの使用経験. Fig.2

(18)

F u s i o n ソフトウェアの使用経験

吉田英樹・本田雅人

大田市立病院 診療支援部 画像診断

Ⅰ.はじめに

BEAT(Brain Easy Analysis Tool) は,

パーソナルコンピュータ上で MRI(T1WI) の 解 剖 学 的 画 像 と 核 医 学 の 機 能 画 像 と の Fusion が自動で行えるものです. 今回,このソフトウェアを使用する機会 を得て,頭部検査全般における自動位置合 わせ機能が可能かどうか,症例を用いて報 告しました. Ⅱ.方法 各モダリティと核 医学画像とをBEAT を 用いて画像の自動重ね合わせが可能かどう かを試みました.MRI 画像は DWI,FLAIR, T1WI,T2WI と CT 画像は,ヘリカルとク ラスタスキャンを用いました. また,核医学検査は,脳血流画像と腫瘍 系画像を用いて評価しました.今回,FTP で 得 ら れ た 画 像 を ,MRIcro を 用 い て , BEAT で処理できるように画像の積み重ね が必要となります.現在手作業にて行って おります.(Fig. 1) Ⅲ.F u s i o n の例 Ⅲ- 1 M R I と脳血流画像との F u s i o n (1) 73 歳男性,DWI,FLAIR にて左 PCA 領 域 に 高 信 号 を 呈 し た 脳 梗 塞 例 で す . T1WI,DWI,FLAIR と良好に Fusion が 行 わ れ て い る と 思 い ま す . た だ 下 段 の T2WI において,よく見ると Fusion が不十 分でした. 同症例において,T2WI 画像と脳血流画 像の Fusion において矢印で示すとおりマ スク画像の不良から,Fusion の不一致が生 じたのを経験しました.これは,どの症例 にも起こるわけではありません.原因は, メーカーの方で検討中だそうです.(Fig. 2) (Fig. 3) (2)簡単な有効例 81 歳,男性 既往歴 2004/09/17 陳旧 性脳出血,多発性脳梗塞あり. 2005/12/01,MRI の DWI にて,左中心 前回に信号の上昇を認めました.FLAIR で も,同部位に高信号を認めました.翌日の 脳血流シンチでは,同部位に血流低下が見 られず,Luxury Perfusion の状態を確認で きました.脳梗塞後の自然再開通例です. (Fig. 4) Ⅲ- 2 C T 画像との F u s i o n (1) クラスタスキャンでの症例 ス ラ イ ス の 積 み 重 ね の ギ ャ ッ プ が 4mm/10mm と異なるため BEAT を用いて Fusion を行っても十分ではありませんで した. (2) ヘリカルスキャンでの症例 スライスの積み重ねのギャップが5mmと 同じピッチなのでFusion が可能でした. 【解説1】ヘリカルスキャンの症例は,72 歳男性,ML の頭部転移です.左前頭葉∼ 尾状核頭,内包前脚,膝部に不正な腫瘍を 認めます. 【解説1】クラスタスキャンの症例は,82

歳女性,右 MCA-PCA watershed area に

LDA を認めます.左島葉にもわずかな LDA が見られます.(Fig. 5) (Fig. 6)

(19)

- 17 - Ⅲ- 3 腫瘍 S P E C T と M R I との F U S I O N (1) ML の脳転移で,左前頭葉から尾状核, 内包前脚にかけて腫瘍を認め,同部位にガ リウムが集積している Fusion の良好な例 です. (2) 小脳虫部の腫瘍に対して,塩化タリウ ムが強い集積をみとめますがやや下方にず れていると思われ.今回経験した中での口 頭蓋下の Fusion は,十分ではありません でした.(Fig. 7) Ⅳ.まとめ 1.今回,頭部検査全般におけるBEAT の 自動位置合わせ機能の精度の確認を行いま した.

2. 脳血流 SPECT と MRI 画像の Fusion

は,T2WI において自動位置合わせ機能の 不具合が確認できました. 3.頭部脳血流 SPECT と CT 画像(シン グルヘリカルの装置)の Fusion は,ヘリ カルスキャンにおいて自動位置合わせが可 能でした. クラスタスキャンは,口頭蓋内と大脳部 のスライス間隔が異なった為,自動位置合 わせが困難でした. 4.MRI 画像と脳腫瘍 SPECT(ガリウム, タリウム等)の Fusion は,口頭蓋内の自 動位置合わせが十分とは言えませんでした. Ⅴ.考察 1.BEAT を行うにあたり画像データの前 処理の(積み重ね) Analyze format の自 動化が今後必要と思われます. 2.腫瘍系頭部検査の Fusion で,自動位 置合わせの方法の検討が必要と思われます. 3.BEAT は Fusion 機能の他に,脳血流 SPECT の画像間計算を行い,変化部位の 表示と変化量の算出が可能です. 治療効果の判定や薬剤負荷による脳機能評 価を,更に検討を行いたい. 文献 1) 田邉 俊彦:BEAT による脳解剖学的画 像と機能画像との重ね合わせの検討 2) 大家 伸介:BEAT を用いた Fusion 画 像の精度の検討 3) 相馬 努:マルチモダリティ脳画像間の 自動位置合わせの基礎技術 Fig. 2 Fig. 3 Fig. 4

(20)

Fig. 5 Fig. 6

(21)

- 19 -

D T A R G (D u a l T a b l e A R G )法の使用経験

山本公志・勝井勝治・長綱敏和*・黒川徹** JA 山口厚生連小郡第一総合病院 放射線科 脳神経外科* 山口大学医学部 脳神経外科** Ⅰ.目的

Dual Table ARG 法(以下 DTARG 法と 明記)は有用性として以下の点が上げられ る. 1. 高血流 領域 の定 量値 に信 頼性が 得 られる 123I-IMP を使用し,1 日で rest 及びDiamox の検査を終了1) 2. SEEJET を使用し脳循環予備能を 算出2) 3. EC-IC bypass 術の治療計画,術後 の経過観察 当院では,EC-IC bypass 術治療計画, 術後の経過観察をおこなうため DTARG 法 を使用した脳血流検査を中四国・九州地区 で初めて開始した.その使用経験を報告す る. Ⅱ.撮像条件及び方法 (撮像条件)東芝 E.CAM,64×64 マト リ ッ ク ス 123I-IMP 167MBq × 2 ウ ィンドウ幅20% 円軌道連続収集 (脳血流画像の作成過程)連続収集のプロ ジェクションデータを加算し,QSPECT ソ フトで吸収補正,散乱線補正,再構成を行 う. DTARG ソフトで CBF 画像を作成した後, iSSP ソフトで脳表抽出を行い SEEJET 画 像を作成する.(Fig. 1) Ⅲ.結果 症例1 左内頚動脈狭窄症の症例を提示する.術 後バイパス術術後 3ヶ月後の DTARG 法 を用いた CBF 画像で,diamox 負荷時の CBF 画像もアーチファクトなど無くクリ アな画像です.(Fig. 2) Fig.1

(22)

術前術後の経過観察を SEEJET で比較す ると,術後8 ヶ月の検査では SEEJET の脳 表 抽 出 Stage 分 類 画 像 で Stage2 が 左 lateral 像にて減少しているのがわかる. (Fig. 3) 症例2 左内頚動脈狭窄症の症例を提示する.バ イパス術前 6 ヶ月前と 2 ヶ月前の2回の DTARG 法を行った CBF 画像です.(Fig. 4) バイパス術前 6 ヶ月前の Stage1 であった 領域がバイパス術前 2 ヶ月前では Stage2 にかわったのがみてとれます. Lt STA-MCA 吻 合 術 後 3 ヶ 月 術 後 の SEEJET 画像では,術前に比べ Stage2 の 領域が減少しているのがわかる.(Fig. 5) Ⅳ.まとめ DTARG 法は,①プロトコールの遵守(投 与 ,採血 ,SPECT 収集,のタイミングを 一定にする) ②エネルギーウィンドウの 確認 ③ガンマカメラの日常点検 ④患者 様の体動等に対し,注意が必要であるが, 一日で安静時検査と diamox 負荷時検査, 両方の定量検査行うことのできる有用な大 変有効な方法である. 文献 1) 中河原 譲二,脳血管障害臨床共同研究 における脳血流SPECT 画像の標準化-慢性 Fig. 2 Fig. 4 Fig. 3 Fig. 5

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- 21 - 期脳梗塞- 脳卒中 27:572-7, (2005)

2) Mizumura S, Nakagawara J, Takahashi M, Kumita S, Cho K, Nakajo H, Toba M, Kumazaki T. Three-Dimensional Display in Staging of Hemodynamic Brain Ischemia for JET study: Objective Evaluation Using SEE Analysis and 3D-SSP Display Ann Nucl Med 18: 13-21, (2004)

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P a t l a k P l o t 法における収集条件の検討

森山 茂・西尾 剛・遠藤健一・田邉芳雄 鳥取大学医学部附属病院 放射線部 Ⅰ.目的 脳血流 SPECT における定量法の一つで あるPatlak Plot 法は比較的簡易に脳血流 量定量指標を求めることができる.しかし, データ処理時の人為的な影響を受けやすい ことも事実であり,薬品の注入速度,収集 マトリックス,拡大率,コリメータの規格 化なども定量のために大事な条件とされて いる. 今回,我々はダイナミック収集時におい て,拡大率,コリ メータ,大動脈に設定す る関心領域の大きさが異なる場合の定量値 におよぼす影響について検討したので報告 する. Ⅱ.使用機器および収集条件 ・E-CAM(シーメンス) コリメータ :LEHR,LEGP,MEGP 収集条件 :128×128 matrix ,1sec ×100frames ・ファントム Brain :ECT 用脳ファントム(京都科学) Aorta :10ml バイアル Ⅲ.方法 99mTc を脳ファントム灰白質部・視床部 (550ml)に 21.2MBq, Aorta ファントム (10ml) に 19.2MBq 注入し,ダイナミック 収集開始と同時に,Aorta 用ファンムを等 速度で移動させ,脳ファントムは収集開始 30sec 後にガンマカメラの視野内へ設置し た.コリメータは LEHR,LEGP,MEGP の3種類を使用し,拡大率は 1.0 倍,1.45 倍,1.78 倍で収集を行った.データ処理時, 時間放射能曲線(TAC)を求める為の phase の選択を Aorta で 11∼13 frame,Brain で

81∼90 frame を使用し Brain Perfusion Index (BPI) を求めた.拡大率,コリメー タ,Aorta の関心領域の大きさを変更した 場合のBPI への影響について検討した. Ⅳ.結果 1.収集拡大率がBPI へおよぼす影響 コリメータ LEHR,LEGP,MEGP につ いて拡大率を 1.0 倍,1.45 倍,1.78 倍と変 更させて収集した結果,いずれのコリメー タを使用しても拡大率を上げると BPI も 増加した.拡大率 1.0 倍と 1.78 倍では各コ リ メ ー タ で 15 ∼25% の 違 い が 見 ら れ た . (Fig 1) 2.コリメータがBPI へおよぼす影響 コリメータを変更すると収集拡大率に関 係なく LEGP,LEHR,MEGP の順に BPI は低下した.LEGP より LEHR は約 10% 減少し MEGP はさらに減少した.(Fig 2 ) 3.Aorta の関心領域の大きさが BPI へお よぼす影響 関心領域を大きく取る為に 1.78 倍で収 集したデータを使用し,12pixel,24pixel, 40pixel で Aorta の関心領域を取ったが, いずれのコリメータを使用しても関心領域 の 大 き さ に は 依 存 し な い 結 果 で あ っ た . (Fig 3) Ⅴ.考察 1.拡大率を上げて収集した場合,BPI も 増加し脳血流量に影響をおよぼすと考えら れる.小児の場合,Aorta の関心領域が取 りにくい為,拡大収集を行っているが,経 過観察などでは拡大率を一定する必要があ る. 2.LE 用コリメータ間でも HR は GP に 比較し BPI の低下が見られ,MEGP では 更に低下した.この為,コリメータは同じ ものを使用することが望ましい. 3.BPI は脳と Aorta の比を 1:10 正規化

(25)

- 23 - 1 1.5 2 1.0 1.45 1.78 LEHR R -BPI LEHR L-BPI LEGP R-BPI LEGP L-BPI MEGP R-BPI MEGP L-BPI 拡 大 率 BPI 収 集 拡 大 率 とBPI  (Fig 1) 1 1.52 L E G P L E H R M E G P 1.0倍R-BPI 1.45倍R-BPI 1.78倍R-BPI

コリメータとBPI

BPI コリメータ (Fig 2) 1 1 . 5 2 1 2 p i x e l 2 4 p i x e l 4 0 p i x e l L E H R R -B P I L E H R L -B P I L E G P R -B P I L E G P L -B P I M E G P R - B P I M E G P L - B P I B P I 関 心 領 域 の 大 き さ A o r t aの 関 心 領 域 の 大 き さと B P I  (Fig 3 ) してあるということも あり,Aorta の関心領 域 の 大 き さ は BPI へ の影響は少ないと考え られる. Ⅵ.結語 経過観察 な ど の 場 合 , 拡大率,コリメータは 同一のものを使用する ことにより定量の精度 も向上する.Aorta の 関 心 領 域 に つ い て は Aorta 上に正確に設定 されていれば,大きさ の影響は少ない.

(26)

6 8

G e -

6 8

G a プールファントムを用いた

P E T 画像再構成条件の検討

松友紀和・小原耕一・佐々木二梅恵・渡辺治夫・長木昭男 倉敷中央病院 放射線センター Ⅰ.目的 画 像 再 構 成 法 の 一 つ で あ る OS-EM

(ordered subsets expectation maximizatio)法は Iteration 回数や Subset

数により画質が変化するため 1)ファントム

実験などによる再構成条件の検討が必要と

な る . し か し PET ( Positron Emission

Tomography)では装置や画像の評価に18F を必要とするため 2),一般にサイクロトロ ンを持たない施設では容易に行うとこがで き な い . そ こ で 今 回 ,18F の 代 替 と し て 68Ge-68Ga 校正用プールファントムを用い て再構成条件の設定が可能か否か臨床画像 での評価も含めて検討を行った. Ⅱ.方法 PET/CT 装 置 は 東 芝 社 製 Aquidio16 (LSO 検 出 器 , 3D 収 集 ) , 処 理 装 置 に GMS7700R を使用した.画像再構成条件は 68Ge-68Ga 校正用プールファントムの収集 を 行 い ,Subset 数 , Iteration 回 数 ,

Gaussian filter size を変化させて NMSE (normalized mean squared error) 法を用 いて検討を行った.合わせて均一性につい てCV 値を用いて検討を行った.臨床画像 はファントムより算出した条件とメーカ推 奨の条件で画像再構成を行い,視覚的に評 価を行った.68Ge-68Ga 校正用プールファ ン ト ム は 機 器 の 点 検 や 日 常 管 理 方 法 (Daily QC)に使用し半減期が 270.82 日, 放射能 44MBq(校正時),容量 5969ml の円柱ファントムである(Fig.1). 1)S u b s e t 数,I t e r a t i o n 回数について Subset 数を1,2,3,4,8,14, 24,42 とし,各 Subset 数について Iteration 回数を 1 から 50 まで変化させた画像につ いてCV 値と NMSE 値を算出し評価を行っ た.収集データは収集マトリクス128×128 で収集時間は臨床(肝臓)と同程度のイベ ント(カウント)になるよう 50 秒に設定 した.NMSE 法のリファレンス画像は収集 時 間 500 秒 で 再 構 成 条 件 は Subset1 , Iteration50 とし,評価画像とリファレンス 画像は Gaussian filter なしで再構成を行 った.各再構成条件のファントム画像を示 す(Fig.2). 2 )G a u s s i a n f i l t e r s i z e について 1)より算出した Subset 数,Iteration 回

数を用いて Gaussian filter size を 1,2,

3,4,5,6,7,8,9,10,12,15, 20 と変化させ再構成を行い,CV 値,NMSE 値を算出し評価を行った.リファレンス画 像 に は 1) と 同 じ デ ー タ を 用 い 再 構 成 条 件 はSubset14,Iteration3,Gaussian filter なしとした.各 filter size の再構成画像を 示す(Fig.3). 3 )臨床画像での視覚的評価 医師 1 名,診療放射線技師 5 名で臨床 5 例(男性 2 例,女性 3 例,年齢 65.6±5.78, 体重あたりの投与量 6.11 ±1.47MBq/Kg) についてファントムより算出された条件で 再構成を行い,頭部,全身,体幹部(特に 肝臓)についてメーカー推奨の条件での再 構成画像を基準とし 5 段階(1:よい,2: ややよい,3: 同 等 ,4:やや悪い,5:悪 い)で評価した.PET 収集条件は 3D 収集 で,収集マトリクスは 128×128,減弱補 正には CTAC を用い,収集時間は 1 ベット あたり2 分で投与1時間後に撮影を行って いる.それぞれの再構成条件の臨床画像を

(27)

- 25 -

Fig.1 68Ge-68Ga 校正用プールファントム

半減期270.82 日,放 射 能 44MBq(校正時), 容量5969ml の円柱ファントム

Fig.2 Iteration 回数,Subset 数を変えた場 合の再構成画像

Fig.3 Gaussain filter size を変えた場合の 再構成画像

Fig.4 ファントムより算出された条件の再構成 画像(下段)とメーカー推奨の条件の再構成画 像(上段)

Fig.5 S ubset 数を変えたときの NMSE 値 ど のIteration 回数でも Subset 数 14 で最小値と なっている.

Fig.6 Iteration 回 数 を 変 え た と き の NMSE 値 Subset 数1では Iteration 回数 6,Subset 数2で はIteration 回数 4,Subset 数 3 以上では Iteration 回数3 で最小値となっている.

(28)

示す.(Fig.4) Ⅲ.結果 1)S u b s e t 数,I t e r a t i o n 回数 Iteration 回数について Subset 数を変化 させた場合の CV 値は Subset 数の増加と ともに劣化し,Iteration 回数が増加するほ ど早く画像の拡散がみられた.NMSE 値は どのIteration 回数でも Subset 数 14 で最 小値となった(Fig.5).また各 Subset 数 についても同様に Iteration 回数を変化さ せた場合の CV 値 は Iteration 回数の増加 とともに劣化し Subset 数が増加するほど 早く画像の拡散がみられた.NMSE 値は示

Subset 数1では Iteration 回数 6,Subset

数2では Iteration 回数 4,Subset 数 3 以

上ではIteration 回数 3 で最小値となった.

(Fig.6)

2)G a u s s i a n f i l t e r s i z e

Gaussian filter size を変化させたとき

の CV 値は filter size が大きくなるにつれ 良くなり 10mmFWHM 以上ではほぼ一定 の値となった.NMSE 値は 8mmFWHM で 最小値となった.(Fig.7) 3)臨床画像での視覚的評価 頭部,全身,体幹部(特に肝臓)につい てファントム条件の再構成画像とメーカ ー推奨条件の再構成画像には優位な差は なく同等の評価となった.(Fig.8) Ⅳ.考察 PET で 用 い ら れ る 定 量 的 指 標 SUV (standardized uptake value)は再構成 条件により変化すると報告されているた め 3),臨床を行う際には再構成条件の検 討は必要事項と考えられる.しかしサイ クロトロンを持たない施設で18F を用い た 検 討 は 困 難 で あ る . そ こ で 今 回 , 68Ge-68Ga 校正用プールファントムを用 いて再構成条件の検討を行ったところ, 18F を用いなくても PET 画像の評価がで きる可能性が示唆された.ただしFWHM の 測 定 は 18F と 平 均 飛 程 が 異 な る た め 68Ge-68Ga を用いることはできないと報 告されている 4).今回は全身の再構成条 件であったが頭部(脳)の再構成を行う場 合には投影データの空間周波数成分が異な る 5)ため,全身とは異なる再構成条件の設 定が必要であり 6),今後さらなる検討が必 要である. Ⅴ.結語 68Ge-68Ga 校正用プールファントムを用 いて再構成条件の設定が可能か否か検討を 行った.NMSE 法で算出したファントム条 件の再構成画像はメーカー推奨の条件と比

Fig.7 Gaussian filter size を変えたときの NMSE 値 8mmFWHM で最小値となってい る. Fig.8 メーカー推奨再構成条件との比較 メ ー カ ー 再 構 成 条 件 を 1 と し た と き の 比 . 頭 部 , 全 身 , 体 幹 部 ( 肝 臓 ) で 優 位 な 差 は み ら れない.

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- 27 - 較 し て 同 等 の 評 価 で あ っ た . し た が っ て 68Ge-68Ga 校正用プールファントムを用い て再構成条件を設定することはサイクロト ロンを持たない施設での一つの方法である と考える. 文献 1) 丸 繁勘,柳沢正道:ホットスポットフ ァントムを用いた OSEM 再構成画像の基 礎的検討−iteration 回数および subset 数 の評価−,日放技学誌,57(10),1233-1239, (2001) 2)(社)日本画像医療システム工業会規格 JESRA X-0073-2005:PET 装置の性能評 価法,(2005) 3) 松本圭一,松浦元,簑田英理,他:三次

元全身FDG-PET 収集における Body Mass

Index を用いた投与量および収集時間の最 適化,日放技学誌,60(11),1564-1573, (2004) 4) 福喜多博義:日本核医学会 PET 研修 セミナーテキスト,398-403,(2006) 5) 大西英雄:SPECT 画像の周波数解析, 日放技学誌,54(10),1247-1252,(1998) 6) 日本核医学技術学会 編:ポジトロン断 層撮影〔PET 〕技術マニュアル,73-74, (2006)

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R I ・P E T 検査における放射線業務従事者の個人被ばく線量

渡辺治夫・松友紀和・長木昭男・小原耕一 佐々木二梅恵・萩原芳明・山下大輔 倉敷中央病院放射線センター RI 検査室 Ⅰ.目的 当院のPET 検査が 2006 年 2 月に開始す るにあたり,PET 検査(18F-FDG/デリバ リー)による放射線業務従事者の個人被ば く線量がどのくらいで,また他の RI 検査 業務(各検査室)による被ばく線量と比べ てどの程度なのかを調べるために当院の放 射線業務従事者の被ばく線量を計測した. Ⅱ.方法 [ 使用機器] ア ロ カ 社 製 半 導 体 式 ポ ケ ッ ト 線 量 計 PDM-107 POLIMASTER 社製 PMI1604A [1 8- F D G デリバリー用 関連機器] ユ ニ バ ー サ ル 技 研 社 製 放射線薬剤自動投 与装置 UG-01 ユニバーサルプロテクター UG-150D 三活シールド UG-150U (放射線薬剤手動投与システム) [ ポケット線量計の装着] 診療放射線技師6 名および看護師 2 名に ポ ケ ッ ト 線 量 計 を 装 着 し て も ら い ,2006 年 3 月約 1 ヶ月間の線量計の値を記録し, 検査ごとの1 日あたりおよ び 1 件あたりの 平均の被ばく線量を求めた. [ 装着部位] 看護師:腹部(前面) 診療放射線技師: 胸部(前面)・腹部(前 面) Ⅲ.結果 検査 1 件あたりでは PET 関連が被ばく は多かったが当院における1 日あたりの被 ばく線量では RI 投与,調剤で多くなり,

次にPET 検査となった.(Fig. 1) (Fig. 2)

PET 薬剤投与については,自動投与の方が, 被ばく線量が低かった.(Fig. 3) (Fig. 4) 当院での 1 件あたりの PET 薬剤投与と RI 薬剤投与は同じ被ばく線量であった.(Fig. 5) 1 件 (1 患 者 ) あ た り の PET 検 査 と SPECT 検査の被ばく線量(技師)では, PET 検査による業務従事者の被ばくが多 かった.(Fig. 6) Fig. 1 各測定場所における 1 日あたり の平均被ばく線量 Fig. 2 各測定場所における 1 件(1 患者) あたりの平均被ばく線量

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- 29 - 心筋 SPECT 収集1日あたりの平均被ばく 線量(核種別)では、99mTc 製剤(テトロ フォスミン)による業務従事者の被ばくが 多かった.(Fig. 7) (今回の実験結果は,エネルギー依存およ び 方 向 依 存 に よ る 校 正 等 は , 行 っ て い な い.) Ⅳ.考察 RI 投与・調剤で被ばくが多かったのは, シリンジシールドや分注器等があまり活用 されていないのが原因であると考えられる. PET 薬剤投与については,自動投与装置 の方が手動投与装置システムに比べ遮蔽等 が多いため,自動投与装置を使用すること Fig.3 PET 検査1日当たりの被ばく線量 (自動投与と手動投与) Fig.4 PET 検査 1 件当たりの被ばく 線量(自動投与と手動投与) Fig.5 投与,調剤の 1 件あたりの被ばく 線量 Fig.6 1 件(1 患者)あたりの PET 検査と SPECT 検査の被ばく線量(技師) Fig. 7 心筋 SPECT 収集1日あたりの平均 被ばく線量(核種別)

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により被ばくの低減ができると考えられる. 1 件(1 患者)あたりの S P E C T 検査 よりも PET 検査による業務従事者の被ば くが多かったのは,技師によるポジショニ ング等が同じ時間であったとしても 18Fの 511keV の高エネルギーに対して,技師に よるポジショニング等が回避できない状態 で,被ばくが多かったと思われる. 心筋S P E C T 収集1日あたりの平均被 ばく線量(核種別)では,99mTc 製剤(テ トロフォスミン)の放射能が(201Tl の放 射能に比べて)多いのとエネルギーのピー クが高かったため,被ばくが多かったと思 われる. Ⅴ.結語 PET 検査での放射線業務従事者の被ば くがとり立たされる中,RI 検査では検査数、 投与量(37MBq∼1110MBq)が PET 検査 に比べて多いため,RI 検査でも被ばくに関 して十分な意識を持って業務を行わなけれ ばならないと考える. 文献 1)佐藤敬:PET における放射線管理(従 事者と患者の被ばくについて),核医学分科 会誌,通巻52 号,20-23,(2006.4)

(33)

- 31 - Fig. 1.

P E T 検査情報管理システムの開発

赤木直樹・久保嘉彦・安並洋晃・山形典生* 高知大学医学部附属病院 放射線部 コダック株式会社 ヘルス事業部ソリューションビジネス本部 システムエンジニアリング部* Ⅰ.目的 本院では,今年 4 月に PET センターが 開設しました.それに伴い PET-CT 検査の スムーズな運用を行うためコダック株式会 社の協力のもとに PET 検査情報管理シス テムを開発しました.(Fig. 1) Ⅱ.方法,結果 予約管理に関しては,HIS との連携と, 検診を考え PET センターで全て行えるよ うに,またどの場所でも現在の進捗状況, 予約状況が把握できるように端末を配置し た. まず,院外からの予約(検診を含む)に ついては,受付に電話をかけることにより, 空 い て い る 予 約 枠 を 確 保 し , 郵 送 ま た は FAX にてあらかじめ配布している検査依 頼票,問診票,同意書等を送ってもらい予 約確定を行う. 院内については,HIS によりオーダー入 力をして,HIS によりプリントアウトされ る検査依頼票,問診票,同意書等を医師に 記入してもらい PET センターに送っても らい予約確定となる.(Fig.2) 患者さんが PET センター受付にこられ ると受付(Fig.3),および身長,体重を測定 してもらい RIS に入力する.(Fig.4) 次に, 医 師 に よ る 問 診 を 行 い 問 診 完 了 と な る . (Fig.5) そして患者さんを処置室に案内する.処 置 室 で は ま ず 採 血 を 行 い 血 糖 値 を 測 定 し RIS に入力する,また先に入力された体重 をもとにRIS 上に計算された量を自動投与 装置に入力して投与を行い,待機室を決定 して投与完了となる. 患者さんは待機室にて 40 分∼60 分安静 待機後排尿していただき,検査開始となる. 検査開始には患者さんを確認して呼び込 み依頼情報を確認してポジショニングを行 い撮影開始となる.(Fig.6) 撮影終了後画像を確認して検査完了,ま たは後期像を撮影するか決め,撮影する場 合,2 回目の安静時間と,検査時間を入力 後検査継続とする.(Fig.7) 進捗状況の画面で問診,投与,安静,検 査等マウスの右ボタンにより短縮,延長等 微調整が行え各パートで変更可能である. Ⅲ.考察,結語 予約管理についてはまだ HIS との連携 が完全ではなく手間がかかっており,今後 HIS の更新にあわせより使いやすいシステ ムの構築を考えたい. また検査進捗状況に関しては,操作方法 が簡便で誰でも使用することができる. 改良点としては受付時間,投与時間等オン タイムで入力できるよう予定している.

(34)

Fig. 2

Fig. 3

Fig. 4 , 5

Fig. 6

(35)

- 33 -

アシアロ肝シンチにおける肝機能指標と

3 5 m i n u p t a k e の関係

中嶋真大・永谷伊佐雄・小橋利美 見村正章・土肥 哲・田川 忍・門久繁文 岡山大学医学部・歯学部附属病院 医療技術部 放射線部門 Ⅰ.目的 アシアロ肝シンチにおける肝機能指標と してHH15,LHL15,K-GSA(岡大法)を 用いている.また,当院では,GSA の 35 分 時 の 肝 臓 へ の 摂 取 率 と し て 35min uptake を算出している.今回,肝機能指標 と35min uptake との関係を検討した. Ⅱ.方法 35min uptake は以下の式より算出した. 100 1000 ) 19 . 728 X 3 . 3986 ( Ca (%) uptake min 35 × × − = Ca:肝臓全体の放射能(スレッシュホー ルドレベル法にて算出) X:投与前後の注射器を測定して得られ た35 分時の投与量 (使用機器) ガンマカメラ :GCA7200A/DI(東芝) 処理装置 :GMS5500A/DI(東芝) コリメータ :LEHR (収集条件) 99mTc‐GSA 185MBq を肘静脈より投与直 後から 15sec/Fで 30 分間動態画像収集. 35 分後から SPECT 画像収集(15sec/view , 60views)(Matrix Size 128×128)エネル ギー条件140keV±10% (処理方法) 再構成法 :FBP 法 減弱補正 :Cylindroid Chang 法 (μ=0.12/㎝) 前処理フィルタ :Butterworth (order 8 , cutoff 0.76cycle/㎝) 再構成フィルタ :Ramp Ⅲ.結果 肝 機 能 指 標(HH15,LHL15,K-GSA)と 35min uptake の関係ではそれぞれの相関 係数は HH15 とでは 0.936,LHL15 では 0.916,K-GSA では 0.869 と高い相関がみ られた(Fig.1).また体重補正をした 35min uptake との関係ではそれぞれ相関係数は 0.849,0.779,0.781 と高い相関がみられ た(Fig.2).体表面積(BSA)で補正をした 35min uptake との関係では,それぞれ相 関係数は 0.890,0.840,0.822 と高い相関 が み ら れ た (Fig.3).また体表面積(BSA) の算出方法は(体重 0.425)×(身長 0.725) × 0.007184 で算出した.SPECT 画像で得 た 肝 臓 の 体 積 で 補 正 を し た 35minuptake との関係では肝臓体積で補正する際,値が 小 さ く な る た め ,100ml あたりの 35min uptake で算出した.それぞれ相関係数は 0.736,0.683,0.632 と若干,乖離傾向に なった(Fig.4). 今回,肝機能指標と 35min uptake の関 係について検討を行った.各肝機能指標と 何も補正をかけていない 35min uptake,

体重,BSA で補正した 35min uptake それ

ぞれ,相関は優れていた.特に何も補正を かけていない 35min uptake の相関が優れ ていた.しかし,肝臓の体積で補正した場 合は各肝機能指標では若干乖離傾向になっ た. Ⅳ.考察 肝臓の体積補正をかけると,GSA の肝臓 内での不均一分布が影響し,誤差が生じた と 思 わ れ る . ま た 減 弱 補 正 は Cylindroid Chang 法で行っているが,マニュアルで行 うため,再現性が良くないと思われる. Ⅴ.結語

(36)

35min uptake は肝機能指標として十分 に利用できると思われる.今後,再現性の ある手技法を検討する必要があると思われ る. 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0.05 0.07 0.09 0.11 0.13 0.15 0.17 0.19 K - G S A 35min uptake 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 H H 1 5 35min uptake 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 L H L 1 5 35min uptake

Fig.1 各肝機能指標と 35min uptake の関係

r=0.936 n=50 r=0.916 n=50 r=0.869 n=50 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 H H 1 5 35min uptake/kg 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 L H L 1 5 35min uptake/kg 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 0.05 0.07 0.09 0.11 0.13 0.15 0.17 0.19 K - G S A 35min uptake/kg r=0.849 n=50 r=0.779 n=50 r=0.781 n=50

(37)

- 35 - 0 10 20 30 40 50 60 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 H H 1 5 35min uptake/BSA 0 10 20 30 40 50 60 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 L H L 1 5 35min uptake/BSA 0 10 20 30 40 50 60 0 0.05 0.1 0.15 0.2 K - G S A 35min uptake/BSA r=0.890 n=50 r=0.840 n=50 r=0.822 n=50

Fig.3 各肝機能指標と 35min uptake/BSA の関係

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 H H 1 5 35min uptake/100ml 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 L H L 1 5 35min uptake/100ml 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0.05 0.07 0.09 0.11 0.13 0.15 0.17 0.19 K - G S A 35min uptake/100ml r=0.736 n=50 r=0.683 n=50 r=0.632 n=50

(38)

A d e n o s i n e 負荷

2 0 1

T l 心筋シンチグラフィの虚血診断能の評価

A T P ,運動負荷との比較‐

藤原秀司・磯田康範・古川春美・川副敏晴・益井 謙 松江赤十字病院 Ⅰ.目的 冠動脈造影の所見に基づき判定した狭窄 度(AHA 基準 90%狭窄以上)を基準とし, 負荷心筋シンチの画像所見を対比させて, 負荷方法(Adenoscan,ATP,Exercize) の違いによる虚血診断能(感度,特異度, 診断精度)の評価を行なった. Ⅱ.方法 ① 対象者は労作 性狭心症および労作性狭 心症が疑われる患者で冠動脈造影および負 荷心筋シンチグラフィともに 10 日以内に 施行し得たそれぞれAdenoscan 負荷 50 例, ATP 負荷 50 例,運動負荷 50 例とした.性 別,年齢および,冠動脈造影の所見の内訳 をTable 1 に示す. 負荷方法は Adenoscan,ATP 負荷ではイ ン フ ュ ー ジ ョ ン ポ ン プ を 用 い て Adenoscan120μg/kg/min および ATP160 μg/kg/min は 6 分間持続静脈内投与し,投 与開始から 3 分後に 201Tl(111MBq)を静 注した.運動負荷ではトレッドミルによる 3 分ごとの多段階負荷で,負荷の終点に達 した時 201Tl を静注し,さらに 1 分間以上 同レベルの運動を持続し終了した.それぞ れ 負 荷 終 了 後 10~30 分 以 内 に 負 荷 時 の SPECT,3 時間後に安静時の SPECT を撮 像した. ② 読影,画像評価を負荷時および安静時の 画像について行なった.評価は循環器科医 師1 名,放射線技師 2 名による視覚的評価 とした.画像評価は,短軸断層像の心基部 寄りおよび心尖部寄りの各 8 セグメント, 垂直長軸断層像の6 セグメントについて行 なった.各セグメントについて 201Tl の集 積の程度を視覚的に 4 段階スコア(1)正 常,(2)軽度集積低下,(3)高度集積低下, (4)欠損とし,主要冠動脈における虚血 の有無を判定した.虚血の所見は,スコア が負荷時から安静時にかけて1 以上改善し たものについて虚血ありと判定した. ③冠動脈造影の所見を基準として,心筋シ

Adenoscan ATP Exercise (n=50) (n=50) (n=50) Man 26 30 36 Woman 24 20 14 Mean±S.D. 70.7±9.8 73.7±10.2 67.8±10.3 (range) (47-88) (44-89) (43-85) none 22 21 22 RCA 15 16 15 LAD 16 18 13 LCX 12 15 15 Single-vessel 13 18 16 Double-vessel 13 7 9 Triple-vessel 2 4 3 Age

Coronary artery disease (≧AHA 90% stenosis)

Characteristics

Number of patient

Sex

(39)

- 37 - ンチグラフィの画像評価を対比させ,虚血 診断能を算出した.冠動脈造影で狭窄のあ る患者においてシンチグラフィで虚血あり を真陽性,虚血なしを偽陰性,冠動脈造影 で狭窄のない患者においてシンチグラフィ で虚血なしを真陰性,虚血ありを偽陽性と し,それぞれ感度,特異度,診断精度を算 出した. Ⅲ.結果 ① 感 度 は Adenoscan で 77.8%, ATP で 75.9%,Exercize で 78.6%であった.主要 冠 動 脈 領 域 別 で は 右 冠 動 脈 領 域 で Adenoscan,ATP,Exercize の順に 80.0, 75.0,73.3%,左前下行枝領域 62.5,72.2, 69.2%,回旋枝領域では 50.0,66.7、60.0% であった.(Table 2) ②特異度は Adenoscan で 65.2%,ATP で 66.7%,Exercize で 54.5%であった.主要 冠 動 脈 領 域 別 で は 右 冠 動 脈 領 域 で Adenoscan,ATP,Exercize の順に 71.4, 67.6,60.0%,左前下行枝領域 85.3,68.8, 83.8%,回旋枝領域では 84.2,77.1,80.0% であった.(Table 3) ③診断精度は Adenoscan で 72.0%,ATP で72.0%,Exercize で 68.0%であった.主 要 冠 動 脈 領 域 別 で は 右 冠 動 脈 領 域 で Adenoscan,ATP,Exercize の順に 74.0, 70.0,64.0%,左前下行枝領域 78.0,69.4, 80.0%,回旋枝領域では 76.0,74.0,74.0% であった.(Table 4) Ⅳ.考察 ①前下行枝および回旋枝領域では冠動脈造 影の所見で側枝および末梢の虚血を含めた ため,偽陰性が増え,感度が低くなったと 考えられた. ②本検討では AHA 基準 90%狭窄を有意狭 窄と定義したが,冠動脈が 50%以上の狭窄 率で冠予備能が低下し始め,75%以上では 負荷により虚血を生じると報告されている. このため偽陽性が増え特異度が低くなった と考えられた. ③運動による負荷の程度は個人差があり負 荷不足により検出感度の低下が起こり得る. しかし薬剤負荷は体重別の投与量で行うた め客観的な負荷が可能であると考えられた. Ⅴ.結語 ①労作性狭心症および労作性狭心症が疑わ れる患者に対し,負荷 201Tl 心筋シンチグ ラフィを施行し,負荷方法の違いによる虚 血診断能の評価を行った. ②Adenoscan,ATP および運動負荷 201Tl

Adenoscan ATP Exercise

RCA 80.0 (12/15) 75.0 (12/16) 73.3 (11/15) LAD 62.5 (10/16) 72.2 (13/18) 69.2 ( 9/13) LCX 50.0 ( 6/12) 66.7 (10/15) 60.0 ( 9/15) Sensitivity (%) (whole heart) region 77.8 (21/27) Patient 78.6 (22/28) 75.9 (22/29) Table 2 虚血診断能:感度

Adenoscan ATP Exercise

RCA 71.4 (25/35) 67.6 (23/34) 60.0 (21/35) LAD 85.3 (29/34) 68.8 (22/32) 83.8 (31/37) LCX 84.2 (32/38) 77.1 (27/35) 80.0 (28/35) region Specificity (%) 65.2 (15/23) 66.7 (14/21) 54.5 (12/22) Patient (whole heart) Table 3 虚血診断能:特異度

Adenoscan ATP Exercise

RCA 74.0 (36/50) 70.0 (35/50) 64.0 (32/50) LAD 78.0 (39/50) 69.4 (34/50) 80.0 (40/50) LCX 76.0 (38/50) 74.0 (37/50) 74.0 (37/50) Accuracy (%) region Patient (whole heart) 72.0 (36/50) 72.0 (36/50) 68.0 (33/50) Table 4 虚血診断能:診断精度

Fig. 5                                Fig. 6
Table 1  対象および冠動脈造影所見の内訳

参照

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