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~中国の大学で垣間見た,日本・中国・韓国の3か国学生文化の相違~」

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金沢大学サテライト・プラザ ミニ講演

日時 平成16年10月2日(土)午後2時~3時30分

会場 主会場 :金沢大学サテライト・プラザ講義室 (金沢市西町教育研修館内)

受信会場:寺井町立図書館

演題 「顔は似ていてもこんなに違う!

~中国の大学で垣間見た,日本・中国・韓国の3か国学生文化の相違~」

講師 杉村 安幾子 (金沢大学外国語研究センター 助教授)

1.はじめに

最初にこの写真をご覧ください。ここに写っている3人の女性は,金沢大学の私の同僚 の先生方ですけれども,3人の方それぞれ,日本・中国・韓国と国籍が違うのです。皆さ んにはお分かりになりますでしょうか。一番左から,中国語を担当なさっている趙先生,

中国の方です。真ん中がフランス語担当の三上先生,日本人です。一番右が,朝鮮語を担 当なさっている韓国人の南ナム先生です。この写真を私が撮りましたときには,この3人の方 たちはたいそう自信たっぷりで,「外見からは自分たちが何人か絶対判断できないに違い ない」と言っていました。

東洋人同士でも,お互いに何人か分からないことがありますね。ましてや欧米人から見 ると,ますます私たち日本人・中国人・韓国人の区別は,外見からはつかないのではない かと思います。今日は,私の中国での体験ですが,外見的には区別がつかないこの三つの 国の学生が,大学という小さくはありますがやはり一つの社会と言えるような中で見せた 相違についてお話ししたいと思います。

私は 1998 年秋から 2000 年夏にかけて2年間,中国の北京大学に留学しました。当時,

私は日本の大学院の博士課程の2年生でしたが,その後の研究に必要な資料収集とか,中 国の大学院や研究機関ではどのような文学研究が行われているのかを直接この目で見たり,

聞いたりしたい,中国の大学の講義を受けてみたいという気持ちがありまして,学籍は日 本の大学に置いたまま中国の大学に参りました。

ここで中国の大学について簡単にご紹介しますと,中国の大学では7月初旬に全国統一 試験という入学試験が行われまして,9月入学という形をとっています。中国は一人っ子 政策をとっていますので,親が子供にかける期待たるや相当なものがあります。子供をよ

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い大学に入れるためにはよい高校に入れる,よい中学,高校に入れるためにはよい小学校 に入れるというように,子供の教育には低年齢のころから厳しく,なるべくよい教育を受 けさせようと親は必死の努力をします。受験生同士の競争も非常に激しく,受験を苦にし て自殺するとか,精神を病んで入院してしまうという学生も中国では毎年多数出ていると いうことです。日本も学歴社会と言われますが,その点では中国とか韓国に比べますとま だまだ穏やかだと思います。

そうした厳しい競争を勝ち抜きまして晴れて大学に入学した学生は,基本的に学生寮に 入ります。最近では日本のように自宅通学組もいるようですが,少し前までは全員入寮が 義務づけられていました。学部生のときには1年生から4年生までがなんと6人部屋ない しは8人部屋に入れられて,修士課程になりますと4人部屋,私のおりました北京大学で すと,博士課程に入学すると二人部屋がもらえるというという寮制度がありました。

北京大学は,北京の中心部から北西 10 キロほどの郊外にあります非常に広大なキャンパ スを擁する,中国でもトップクラスの総合大学です。

これは正門の写真です(24 ページ写真①参照)。こちらが西門です(24 ページ写真②参照)。

夜の写真ですけれども,ちょっとお寺の山門みたいな雰囲気で,私はこの北京大学の西門 が好きでした。門衛さんがいるのにお気づきですね。この門衛さんは,ちょっとでも怪し い人が通りかかると止めるのです。「身分証明書を見せろ」と言われるのですが,基本的に 学生は北京大学の学生ではなくても,この人は学生だと思われると自由に出入りが許され ます。右側の立て看板みたいなものに「身分証明書を見せないと入れない」ということが 書いてあります。

この広大なキャンパスの中には,いわゆる教室や実験室のある講義棟,大きな図書館の ほか,スーパーマーケットとか学生食堂(何軒もある),レストラン,郵便局,銀行,床屋 さん,書店といったものから,さらには映画館,ダンスホール,スケート場,プールなど のスポーツ・娯楽施設もあります。そのほかにもたくさんの学生寮,教職員用の住宅もあ りますので,大学とはいいましても,教職員・学生合わせて2万人ほどの生活する小さな 町と呼べるくらいのところでした。

大学の中があまりにも広いので,学生や教師はみんな自転車で移動しないと次の授業に 間に合いません。みんな自転車に乗っています。北京は自転車王国なのですけれども,大 学構内も自転車で移動できるのです。金沢大学も広いので私は自転車で移動したいと思う のですが,金沢大学ではまだそういうふうにはなっていません。

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これは私が所属していました中国文学科の入り口です(24 ページ写真③参照)。やはりこ れもお寺みたいな,趣のある建物になっています。

これは大学の中にある湖です(25 ページ写真④参照)。池ではなくて湖なのです。これは ほんの一部です。非常に大きな湖で,湖を取り囲む形で道もついていますので,この道は 朝,夕方,散歩やジョギングをする人が大勢います。北京は緯度が秋田とほぼ同じくらい ですので,冬になりますと大変冷え込みます。私のおりました年の冬も零下 15 度ぐらいに 下がりまして,湖がかちかちに凍りました。そうしますと,冬にはそり遊びやスケートの 格好の場所になります(25 ページ写真⑤参照)。この湖は北京大学の誇る憩いの場所で,未 名湖といいます。

北京大学にはもちろん私以外にも大勢の留学生がいました。留学生は基本的には留学生 寮に入ります。ただ,中国人の学生寮には入れずに,留学生は必ず留学生寮に入らなけれ ばならないという決まりがあります。留学生寮の部屋数が不足していまして,外にアパー トを借りて住んでいるという学生もいました。留学生の場合には,二人部屋ないしは三人 部屋にすることができます。二人分の部屋代を払えば一人で住めるということもあったよ うですが,そういった例はあまり多くありませんでした。

留学生の中で人数が一番多かったのは韓国人です。私がおりました 98 年,99 年ごろに は,韓国人留学生の数が大体 300 人超いたようです。その次が日本人で,200 人ほどだっ たと思います。以前は圧倒的に日本人留学生が多かったのですけれども,昨今の韓国の留 学熱に日本はすっかり押され気味です。その他,もちろん欧米ですとかアフリカ諸国から の留学生もいましたし,アメリカ,カナダ,インドネシアの華僑の子女の留学生もいまし た。

留学生寮に入りますと,やはり留学生にとってはその寮の中が一つの社会となります。

国籍も民族も肌の色も異なる人とルームメートになり,うまくいけば仲良くなるわけです が,やはり生活習慣上の違いから関係が悪くなり、終いには仲たがいしてしまった例も多々 見られました。ルームメートとうまくやっていけるかどうかというのが,安定した留学生 活を送るカギになっていたと思います。

2.中国に来たはずが・・・

私は留学期間の1年目も2年目も韓国人の女性と同室になったのですけれども,ここで ちょっとルームメートの話をさせていただきます。1年目のルームメートは私より6歳上

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の人でした。韓国人というのは長幼の序を非常に厳格に守る民族です。私が部屋に入って いくと,すでに彼女は先にその部屋に住んでいたのですが,私の顔を見るなり「あなたい くつ?」と聞くのです。「それじゃ私のほうが年上だから,私のことはお姉さんと呼びなさ い」と,初対面なのにのっけから自分をお姉さんと呼べと言うのです。話を聞いてみると,

韓国人は女性の場合,自分より年上の女性のことを「オンニ」,年上の男性のことを「オッ パ」と呼びます。男性の場合,自分の年上の女性のことを「ヌナ」,年上の男性のことを「ヒ ョン」と呼びます。「オンニ」と「ヌナ」というのが韓国語ではお姉さんの意味で,「オッ パ」と「ヒョン」というのが韓国語でお兄さんの意味らしいです。

私のルームメートは,元々長幼の序に厳しい韓国人の中でも,1歳でも年が違うと対等 ではない,年が違う人とは友達同士にはなれない,要するに上か下かだという考えを持っ ている非常に厳しいお姉さんでした。私はそれ以来,部屋が分かれるまでは「お姉さん」

と呼ぶはめになったのですが,最初は「先輩・後輩関係にうるさい体育会系じゃあるまい し,どうしてそんなに気を遣わなければいけないのか。とんでもない人とルームメートに なってしまった」と思ったのですけれども,その後は問題は特に起きませんでした。それ は,韓国人が自分は年上だということを強調した場合,年下の者の面倒を見るということ も意味するようなのです。少なくとも私が知っている韓国人,自分より年上の韓国の方は 皆さんそういう考えでした。私のルームメートも日ごろから,私の学業面,生活面の心配 してくれましたし,大勢の後輩の面倒をとても親切に見ていました。

すごかったのは同窓会組織です。私のルームメートはソウルの有名な女子大の卒業で,

その女子大の卒業生が仕事なり留学なりで大勢北京に来ていたのですが,そのためにソウ ルの女子大の同窓会ができていたようです。私のルームメートのお姉さんはその同窓会の 仕切り役になっていまして,懇親会があるときの幹事役はもちろん,新たに後輩が留学な り仕事なりで北京に来た場合に,住むところの手配から生活用品の面倒まで何くれとなく 面倒を見ていたのです。私は一緒に暮らしていますからそれを目にして,「どうしてそこま でするの」と聞いたら,「年上として先輩として当然のことだ」と言うのです。私の見たと ころ,彼女はもちろん年上,先輩の意識もあったのかもしれませんけれども,そういった 幹事役みたいな仕事が好きだったという気もいたします。

私が寮に入りましたときに,そのルームメートのお姉さん以外にもう一人中年の女性が 部屋にいたのです。この人は,なんとお姉さんのお手伝いさんでした。そのルームメート のお姉さんはちょうどそのころ博士論文を執筆していまして,炊事,洗濯,掃除といった

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家事をすべてお手伝いさんに任せていたのです。私は大変びっくりしまして,学生の身分 でお手伝いさんとはどういうことなんだろうと思ったのですけれども,周囲を見てみます と韓国人留学生の中にはお手伝いさんに来てもらっている人がかなりいました。彼らの理 屈としましては,自分は学位を取るために来ている,勉強するために来ている,もしお金 を払って生活上の不便が解消するのなら,それはそれでいいではないかということだった のです。それは韓国人から見ると非常に合理的な考えらしいのですが。韓国人的合理性と いうのはあとで私の話にもう一度出てきます。

それはともかく,このお手伝いのおばさんというのは朝鮮族でした。中国の人口の 94%

が漢民族です。たぶん皆さんの周りにいる中国人は漢民族です。残りの6%の中には 55 の少数民族がいますが,朝鮮族はその一つなのです。民族的には韓国人,北朝鮮人と一緒 の民族だということです。韓国人,北朝鮮人と同じ民族ということですから,朝鮮族の人 たちは中国語も話しますけれどもハングルも話します。ですから,お手伝いのおばさんと 私のルームメートのお姉さんはふだんは韓国語で話すのです。しかも,そのルームメート のお姉さんを頼って毎日のように彼女の後輩が部屋に来ますから,私の周りでは韓国語が 飛び交っていました。中国に来たのに韓国語が飛び交って,私は変なところに来てしまっ たと思ったのですが,おかげで私も韓国語を使うはめになりました。私は韓国語はできま せん。ただ,お姉さんに仕込まれたといいますか,例えばお姉さんの不在のときに後輩が 部屋を訪ねてきたら,「今いません」というのを韓国語で言えと練習させられました。それ は違う,もう一度言えと練習を繰り返して何とか無事に使えるようになり,相手に「彼女 は今いない」ということを伝えることができました。

ただ,その1年目のルームメートのお姉さんは,博士論文がその年に書けなかったので す。毎日のように後輩が訪ねてくるので,その相手をするのが大変だということもありま して,大学の近くにアパートを借りてお手伝いのおばさんごと引っ越していきました。

2年目のルームメートも韓国人でしたが,今度は高校を出たての若い女の子でした。今 度は私がお姉さんと呼ばれる立場になったわけです。この子は韓国人でしたが,日本で育 っていました。小学校を日本で入学から卒業まで過ごして,もちろん日本語はたいそう達 者です。おまけに大変日本が好きで,ルームメートが日本人だと知ったときうれしくてし ょうがない様子で,最初は毎日日本語で会話していたのです。でも,そうしますと私が外 国留学している意味がなくなりますので,今度は私が年上として厳しく日本語を使っては いけないという命令を出しまして,日本語禁止令をしきました。

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この2年目のルームメートは性格的にとてもおとなしくまじめないい子だったのですが,

ちょっと引っ込み思案なところがありまして,友達が誘いにきても遊びに行かないという ような性格でした。その彼女の趣味というのが,意外にも「聖書」を読むことと賛美歌を 聞くことでした。彼女はクリスチャンだったのです。1年目のお姉さんも実はクリスチャ ンでした。韓国人にクリスチャンが多いということは以前から私は耳にしていたのですが,

北京大学にいた大勢の韓国人留学生がやはり同じようにクリスチャンでした。

中でも2年目の私のルームメートは信仰心が特に厚く,日曜日に必ず礼拝に行っていま した。教会が遠かったので朝早く起きなければいけないのですが,寝坊しそうなときには 寝ないのです。徹夜で夜を過ごしてから教会に行きました。それから,大学の中間試験な どについても,中国の試験は厳しいのですが,「これは神が自分に与えたもうた試練だ」と いうことを私に語るほど厚い信仰心を持っていました。私自身はそういう意味では信仰を 持たない人間ですので,信仰とか宗教心を身近に目にすることができたということは,私 の留学生活の中でもとても貴重な体験だったと思っています。

3.外国生活は楽じゃない

3か国の学生気質の比較をご紹介したいと思います。お手元のハンドアウトには3か国 の学生の特徴を三つの面に分けて書いておきましたけれども,どの国の学生がどの特徴か は書いておりません。クイズ式にしてありますので,皆さんどうぞお考えになりながら私 の話をお聞きください。

①食生活

食事というのは,生活の中で非常に大きな地位を占めますね。中国が大好きで且つ学業 熱心なのに,食事が体に合わないために大変苦労しているという日本人学生もいたくらい ですから,食べものが合う・合わないというのは非常に大きな問題です。ただ,中国人学 生は自分の国ですので基本的に問題はありません。

学生は皆,学生食堂に行きます。学内にレストラン,食堂はたくさんあり,値段の安い ところから高いところまでランクがあるのです。それから,イスラム教徒が安心して食事 ができるように豚肉を使わないイスラムレストランというのも何軒もありましたし,韓国 料理屋,日本料理屋,薬膳料理屋というのもありました。薬膳料理ですから体にいいもの を提供してくれるのですけれども,目がよくなるとか胃にいいとか,メニューの脇に効能

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が書いてあります。私が冗談で「頭がよくなるのはないのか」と言ったら,「うちの食事を はすべて頭がよくなる」という返事が返ってきました。値段が安い食堂でも,中国ですか ら味は大変おいしいです。

私も一通り学内のレストランには行きました。学生はやはり値段の安いところに行きま す。特別なことがあると高いところに行ってお金をたくさん使ったりすることもあるよう でしたが。また,値段が安い食堂の一角には無料コーナーがありました。メニューは日替 わりで日ごとに違うのですが,風呂桶みたいな大きな鍋の中にスープとかお粥が入ってい ます。そのそばに取っ手の長いおたまがついていまして,容器は自分で持って行って,そ れに長いおたまですくうのです。無料のコーナーですからお金を取られないのです。無料 なのにとてもおいしくて,私も何度か利用したことがあります。見ていますと,毎日この 無料コーナーでしか食事をしない学生もいました。彼らは非常に貧しい学生です。経済的 に困窮している学生は,お金が手に入ったらそれで本や教材を買いたいから,できれば食 事はその無料コーナーで済ませたいということで,無料コーナーにはそういった経済的に 貧しい,大抵は小柄で痩せた学生たちが集まっていました。

そういう経済的に困窮している学生がいる一方で,リッチな学生もいます。ケンタッキ ーやマクドナルドは日本では時間のないときに急いで食べるのに便利なファーストフード です。あるいは,高校生が夕食前にお腹が空くから友達とおやつ代わりに食べるという,

お手軽なイメージがありますけれども,中国ではきちんとした食事にも利用されています。

中国人にとってはちょっとおしゃれで高級なイメージというのがマクドナルドやケンタッ キーにはあるようです。リッチな学生の中には自分がお金を持っていることを誇示したい ために毎食マクドナルドで食事をするという例もありました。

ファーストフードは北京ではマクドナルドが有名で,上海ではケンタッキーなのですが,

どのお店も常にお客さんでいっぱいです。例えば,子供の誕生日をマクドナルドでお祝い するとか,田舎から親戚が出てきたときにマクドナルドに連れて行くという利用のされ方 で,アメリカ資本のファーストフード店が中国では大人気なのです。

中国はそういうふうにアメリカ資本のファーストフードが大好きなのですが,やはり世 界で一番おいしいのは中国料理だと思っているようです。私が「中国人はアメリカ資本の ファーストフードが大好きだよね」とからかいますと,彼らは必ず「今は珍しいから利用 しているだけだ。珍しくておしゃれだから行っているだけだ。やはり中国料理が一番だ」

と言います。私もどう考えても,ファーストフードよりは中国料理がおいしいだろうと思

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います。

次に韓国人留学生なのですが,彼らはふだん中国料理も食べないわけではありませんが,

基本的に韓国料理を食べていました。ここでも韓国人的合理性が出てきまして,口に合わ ないものを食べて苦労するよりは,自分たちの口に合うものを食べたほうが楽しいという ことらしいのです。もともと中国には朝鮮族がいますから,朝鮮族の開いたコリアンレス トランがたくさんあるのですけれども,韓国人留学生の増加に伴ってここ数年でコリアン レストランが一気に中国では増えています。

そして,韓国の国民食と言えば皆さんご存じのキムチですが,私の知る限り韓国人でこ のキムチを嫌いな人はいません。韓国人留学生は皆,寮の冷蔵庫の中にキムチを入れてい ます。冷蔵庫の中にキムチを入れたことがある方はお分かりかと思いますが,あれはかな りにおいますね。留学生の寮の建物に入りますと,廊下中にキムチのにおいが漂っている のです。私もキムチは大好きなのですが,あのにおいはお腹の空いていないときにはあま りしょっちゅうかぎたくないものです。ただ,最初は「中国に来たのにキムチのにおいば かりかいでるよね」と日本人同士で話していたのですが,そのにおいにもすぐ慣れてしま いました。

さて,最後は日本人留学生ですが,食事に関しては基本的には冒険派,何でも派です。

中華でも韓国料理でも,何でも食べます。しかも,大抵は学生食堂や学内のレストランを 一通り試して,生活が落ち着きましたら自分で市場へ行って野菜やお肉を買い,寮の中で 自炊をします。そういう学生がかなりいました。私も後にそうなったのですけれども,大 抵の学生は自分で作ったり,中華料理を食べに行ったり,韓国料理を食べに行ったり,た まにイベントがあったら街中にある欧米系のレストランで食べたりという感じです。

私は1年目,日本人留学生としてはかなり特殊な立場におりました。と言いますのは,

先ほど申し上げたルームメートが雇っていた朝鮮族のお手伝いのおばさんの存在です。寮 の部屋がどうなっていたかを紹介しますと,ドアがここにあり,この部分が共有スペース になっておりまして,お風呂,お手洗い,居間です。奥がそれぞれ私とお姉さんの部屋に なっています。お手伝いのおばさんがこの共有のスペースやお手洗いの掃除から食事づく り,それからお姉さんの分の洗濯すべてをやってくれていたのですが,共有スペースは当 然私も使うわけです。そうすると,お姉さんだけがお金を払っているのはおかしいのでは ないかということになります。私が寮に入りましたときにお姉さんと結構長い時間話し合 いまして,私もいくらかお金を払って共有スペースはお手伝いのおばさんに掃除してもら

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うけれども,私の部屋は自分で掃除をするし,私の洗濯は自分でする,おばさんが作って くれた料理は私も食べてもいいという取り決めをしたのです。私は1年目はほとんどその 朝鮮族のおばさんが作ってくれた料理を,そのおばさんとルームメートのお姉さんと一緒 に食べていました。朝鮮族の作る料理ですので韓国料理なのです。厳密に言いますと,だ いぶ中国化された韓国料理ということでした。

お手伝いさんがいたということで私をだいぶ批判的に言う仲間もいましたし,私自身そ のことに抵抗がなかったわけではないのですけれども,偶々入った部屋が些か特殊だった ということですし,私とそのルームメートのお姉さんがきちんと話し合って決めたことで すので,いいだろうと開き直っていました。しかも,やはり韓国のレストランで出される ような食事ではなく,韓国のしかも朝鮮族の家庭料理を食べる機会というのはまずありま せんし,普通留学生というのはルームメートとあまり食事をしないのです。というのは,

長期間ルームメートと仲良く暮らしていくためには相互不干渉条約を結ぶのが一番いいと いうことが留学生の間で経験則になっていて,食事は別というのが普通なのです。けれど も,私はそのルームメートのお姉さんと,彼女は朝遅かったので朝は食べていなかったの ですが,昼と夜は毎食一緒に食事できましたし,朝鮮族の様子も目にすることができまし たので,いい経験だったと思っています。ただ,1年たったらお姉さんが引っ越してしま いましたので,2年目は私も自炊派になりました。

②人間関係

中国人は人情にとても厚いです。困っていると知らない人でも気軽に助けてくれます。

これは本当にいいことだと思います。また,目上の人をとても尊重してくれます。

この写真は,北京大学の近所にあります中国人民大学という有名な総合大学の正門です

(25 ページ写真⑥参照)。赤い横断幕をご覧ください。これは中国語で「第 20 回目の教師 の日を熱烈にお祝いしよう」と書いてあります。これは先月北京に行ったときに撮った写 真です。中国には「教師の日」というのがあります。毎年9月 10 日です。中国の学生は先 生を非常に尊敬して,ものすごく礼儀正しいのです。金沢大学の学生も基本的には教師に 対して礼儀正しくて丁寧なのですが,その点では中国の学生には負けます。ふだんからそ ういうふうに教師に対して非常に礼儀正しい中国人学生ですが,この9月 10 日の教師の日 にはさらに礼儀正しく敬意を表明します。大抵はクラスの学生がそろって先生に贈り物を したり,花束を贈ったりしているみたいです。どこの大学もこのように横断幕で,教師の

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日をお祝いしようということを掲げています。休日ではないのですけれども,9月 10 日は 教師の日ということでイベントがあります。

ただ,そうやって先生ですとか年配の人をとても尊敬する中国人も,友達同士ですとか,

同世代の仲間でしたら年上か年下かということは全然気にしません。韓国人とその点は全 然違うのです。年上であろうが年下であろうが友達は友達というつきあい方をしています。

ただ面白いのは,友達選びの基準です。中国人は自分にとってためにならない友達は選ば ないという非常にきっぱりした考え方を持っています。例えば,この人は向上心があって 自分はとても啓発を受けるから友達になりたいとか,人によってはこの人は物をくれるか ら好きだとか,自分にとってためになるということの定義は人さまざまではあるのですが,

自分にとってためにならない友達は友達ではない,そんな人とは友達にならないという考 え方を持っています。

そして,中国には「関係学」という言葉があります。人間関係の「関係」ですね。これ はどういう学問かと言いますと,コネづくりの学問なのです。これはコネさえあれば何と かなるという,中国人の考えが如実に反映されている言葉です。人口の多い中国社会では,

裕福になってのし上がっていくためにはちょっとでも人より前に行かなければならない,

そのためには偉い人とのコネを作ってそれを利用するという考え方なのです。自分にとっ てためになるということには,そういういろいろな意味があるということです。中国社会 ではまだまだ賄賂がまかり通り,偉い人と知り合いになるために贈り物を欠かしません。

それを当然視する向きもあります。

韓国人は,先ほどのルームメートのお姉さんの話にもありましたように,非常に上下関 係に厳しい人たちです。本当の兄弟でもないのに「お兄さん」「お姉さん」と呼ばねばなり ません。先輩の言うことは絶対だそうです。サッカーの韓国代表チームの監督にヒディン グ監督という外国人監督がいたと思うのですが,この監督が最も苦労したのがチームの中 の年上・年下意識をなくすことだったそうです。ボールが来ても「お兄さんに譲らなきゃ」

となったら試合になりませんからね。そして,韓国人は同郷意識・同窓意識もとても強く て,グループ行動が大好きです。よく日本人は海外では群れるという話を聞きますが,そ れはパックツアーの団体客のことだと思います。私が見る限り,海外における韓国人の団 体行動のほうがはるかにパワーがあります。

それから日本人ですけれども,日本人は外国に出ると意外に個人主義だと思います。た だ,表面的には日本人同士で割と仲良くしますね。日本人は平和主義者ですので,人と関

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係を悪くしたくないためにあまり相手に踏み込まないわけです。授業を取るときにも「一 緒に取ろうよ」と言わず,自分で好きな授業を取って勝手に授業に行きます。

中国人,韓国人から「日本人は冷たい」「よそよそしい」と言われるのですが,私はどう してそういうふうに思われるのかと思って観察していましたら,中国人,韓国人は友達同 士ものすごくスキンシップを大切にするのです。大学生でも仲の良い女の子同士でしたら 腕を組む,肩を組むのは普通のことです。話している最中に相手の髪に触ったり,頬に触 れたりして親愛の情を示すわけです。私はそれをされたときにはびっくりしたのですが,

日本人にはなじみませんね。中国人,韓国人は自然にやります。ベンチに腰を下ろすとき にもぴったりくっついて座って,女の子同士が顔をくっつけんばかりの近さでしゃべって いるのです。距離感がものすごく近いのです。

日本人は,相手が近寄ると,その分下がります。日本人は近くに座られるとすごくプレ ッシャーを感じてしまう。日本人は人とちょっと距離をおいて座ったりするので,中国人 や韓国人は「この日本人と仲良くなりたいのに,どうしてこの人はこんなに冷たいのかし ら」と思ってしまうのです。これは男性にも言えまして,男子学生も腕を組み,肩を組ん で歩いています。3人ぐらいの男子学生が仲良さそうに肩を組んで歩いているのです。私 が友人の男子学生に「ああいうことをやってみたら」と言ったらすごく嫌な顔をされてし まったのですが,日本人の男の子はそういうところは距離をおいてつきあっているようで す。そのように日本人は,中国,韓国の人から見るとよそよそしく冷たいと見られていま す。

③恋愛事情

恋愛事情ですが,まず中国人は,中学生・高校生は恋愛禁止です。これは校則ではあり ません。国の決まりだそうです。私はその決まりを文章ではっきり見たことがないのです けれども,中国人はみんな口をそろえて「国の決まりで中学生・高校生は恋愛してはいけ ない」と言います。面白いのは,新聞や雑誌の投稿欄です。相談コーナーは日本の新聞や 雑誌でもありますね。あれに「クラスメートを好きになってしまいました。どうしたらい いでしょうか」という相談がよくあるのですが,回答者は「あなたは高校生ですから,今 は恋愛禁止です。勉強に専念してください」と必ず書いています。私が中国人に「禁止と いっても,好きになってしまうものはしょうがないじゃない」と言ったのですが,禁止は 禁止だからそれも仕方のないことだということでした。

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中国人は,大抵は大学でつきあった人と結婚するのが理想だと思っているようです。し かも,なるべくなら自分の同郷,もしくは近いところの出身の人を相手にするのがいいと いう考え方です。もちろん出身地が一緒だったり近かったりしますと文化が似ているとい うことがありますからいいのですが,遠い地方の出身の人だと大変なのは,文化も違うか もしれませんが言葉が違います。

中国語と一言で言いますけれども,例えば私が金沢大学で教えていますのは中国語の標 準語です。中国の国土面積は日本の 26 倍ですから,ものすごく広いわけです。大阪弁と東 北弁の違いなんてまだかわいいくらいに,例えば上海語と福建語になりますと英語とドイ ツ語より差があるというくらい違います。ですから,上海の人が例えば香港へ行って広東 語を聞いても,相手が何を言っているのかまるで分からないのです。そうしますと,恋愛 している同士は標準語でしゃべっていいかもしれませんが,結婚して相手の家に行くとお 姑さんやお舅さんと会話できないということになってしまうのです。そういう問題があり ますので,できれば結婚相手は言葉や文化の近い人を選びたいという考え方があるようで す。もっとも最近では,だいぶ自由化が進んでいるようです。

そして,女性が結婚相手を選ぶ場合には3高の傾向が強いです。日本ではやりましたね。

「身長と学歴と収入が高い」,それが3高と言われているわけですが,中国人の女の子は特 に男性の身長を重視します。これは不思議なのですけれども,「中国人の女子学生に人気の ある男子学生はどの子?」と聞いてみたら,身長が 190 センチぐらいの男の子でした。別 に感じの悪い子ではなかったのですが,普通の子ではないかと思ったのです。「どうして彼 がいいの」と聞いたら,「背が高いから」と言うのです。中国人の女の子は非常に男性の身 長を重視します。身長ばかり見てもしょうがないだろうと思うのですが。

韓国は,いまだに儒教文化が根強い社会ですので,男尊女卑の部分が多く残っています。

例えば,留学生寮ですから国籍の違う者同士がつきあうということもあるわけです。韓国 人女性とつきあった日本人男性がいました。私は別にかまわないと思うのですが,そこへ 韓国人の男性集団,その韓国人留学生の女の子のいわゆるお兄さん集団が乗り込んできて,

「我々の民族の女に手を出すことはまかりならん」というのです。ところが,留学生寮の 中で韓国人男性と日本人女性のカップルというのは多くいたのです。それは全然かまわな いらしいのです。分かりますか。韓国人女性と日本人男性はまずいけれども,日本人女性 と韓国人男性はよいということなのです。これはちょっと不思議で,私は韓国人とだいぶ 議論したことがあるのですが,彼らにとってはどうも理屈じゃないようでした。

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そこへいきますと日本人は,私はいい点だと思ったのですが,いい人だったら国籍,民 族,人種を全然問わないようです。男性でも女性でも,相手が中国人,韓国人,アフリカ 諸国の人,全然かまわず,いい人だからつきあうという選び方をしています。結婚となる と国際結婚にはいろいろ難しい問題が生じるのでしょうけれども,単に恋愛というだけで したら日本人はいい人かどうかということを見ているようです。

さてここで,日本人女性は中国の大学の学生寮で大モテであるということをお話しして おきます。これはどうしてだろうと思ったのですが,1年目に私のルームメートだった韓 国人のお姉さんが,韓国人から見ると日本女性のイメージは,かわいらしくて善良で穏や かで,かつ礼儀正しいと教えてくれたのです。私はなるほどお姉さんはいいことを言うな と思ったのですが,そのあと「あんたは全然違うわね」と言ったのです。私はだいぶショ ックを受けました。かわいくないというのはいいかもしれませんが,邪悪で無礼なやつだ ということなのだろうかと思いまして,せっかくお姉さんと日韓友好関係を築いたけれど もここまでなんだろうかと思いました。彼女は別に私を傷つけたいとか侮辱したいと思っ てそういうことを言ったわけではなく,一般的な日本人女性のそういうイメージとはちょ っと違うわねぐらいの意味だったらしいですけれども。

中国には次のような諺があります。「人生に悔いを残さないためには,中国料理を食べ,

欧米式の家に住み,日本人の妻をめとる」。この3点を守れば人生に悔いは残らない。これ は男性の言い方でしょうけれど。ということで,日本人女性は大モテなのです。

韓国人の話のときに言い忘れましたが,韓国人の男性というのは日本人の女性にモテる のです。今タレントの韓国人男性が日本でだいぶ騒がれているように,留学生寮の中でも 韓国人男性は日本人女性に人気がありました。先ほど,韓国人の男性というのは男尊女卑 と申しましたが,要するに自分のほうが上だ,自分についてこいというタイプなのです。

男尊女卑といってもすぐさま女性をばかにするという意味ではなく,自分のほうが女性を 守る立場だということを非常に強く出すのです。日本人の男性は,心優しくてもちょっと 気が弱いタイプが多いのでしょうかね。そういったタイプに飽きている日本人女性が韓国 人男性を見ると,すごく新鮮に思うのでしょう。日本人女性と韓国人男性のカップルは,

私は結構目にしました。

④学業

中国では,大学生というものはほんの一握りの選ばれた存在です。少し前の統計になり

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ますけれども,18 歳人口の中で大学に進学するのはわずか6%にすぎません。大学生であ るということイコールインテリであり,かつエリートの証明みたいなものです。同じ時期 に日本は 30%,韓国は 40%の進学率です。中国の人口を考えますと,6%というのがどれ だけ少ないかということがお分かりになるかと思います。中国の大学は,受験が非常に厳 しく,大学受験は基本的に一発勝負なので浪人というものがほとんどないのです。子供を 有名大学に入れるために親たちは必死になります。そして学生も,卒業したあといい会社 に入るために大学でも必死に勉強します。朝5時,6時に起きて図書館(26 ページ写真⑦

⑧参照)に行き,授業が始まったら教室に移動,夜になると寮に戻る。寮,図書館,教室,

基本的に毎日この3点行動です。

中国人は,「鶏口となるも牛後となるなかれ」,要するに大企業の下っ端にいるよりは小 さな会社でも自分がトップに立ちたいという考えを強く持っていますので,とにかく必死 に勉強していい成績を取ろうとします。そういう勉強熱が過剰と言いますか,教育熱が非 常に過剰なので,友達同士で熾烈な競争が行われるのです。私が直接見聞したケースでは,

北京大学でとてもまじめで優秀な女の子がアメリカの大学に留学が決まったのです。そう したら,それまで親友だった友達が大変嫉妬して,アメリカの大学に取り消しの手紙を書 いてしまったのです。留学に行くことになっていた女の子はいつまでたっても入学許可証 が来ないからと思って問い合わせてみたら,「おまえが自分で断ってきたではないか」と言 われました。そこで,その女の子たちの間で裁判が起きました。私は裁判の結果を見ずに 帰国してしまいましたが,中国人の間ではそういう激しい争いが行われていて,ときには 友人の足を引っ張ってでも自分のほうが上に行きたいという意識があるようです。

学業面では,韓国人は学位ハンターです。勉強するために来ている,学位を取るために 来ているというのが口癖です。この場合の学位というのは博士号です。なぜ,そんなに博 士号を欲しがるのかというと,韓国社会で会社のいいポストに就きたい,研究職に就きた いのならば,博士号を取って初めてスタートラインに立てるという考え方があるからです。

ただ,面白いことに学位を取りさえすればいいという考えもありまして,授業では韓国人 留学生が5~6人グループになって座っているのですが,分担が決まっているのです。一 人が席取り係,朝早く教室に来ていい席を取ってしまう,もう一人がノート係,ほかの学 生は聞いているだけでその子が必死になってノートを取ります。もう一人は宿題係で,先 生が出した宿題をその子がやって,他の人はそれをちょっとずつ変えて提出します。中国 の宿題は割と先生の言うことをそのままノートして,宿題はそれをそのまま提出するとい

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うケースがあるので,あまり自分の考えを反映しなくてもいいところがあります。ですか ら,その分業体制が成り立つのです。韓国人はそうやって分業体制をしいて中国の留学を 乗り切っているのです。

中国語の習得面では,韓国人は日本人よりずっと会話が上手です。それは韓国語の音が 日本語の音よりもずっと量が多いということがあって,発音は韓国人のほうがマスターし やすいのです。ただし,韓国人は漢字が苦手です。ふだん漢字を使わないのですね。です から,私の友人の韓国人留学生たちは,中国の大学に来て初めて自分の名前の漢字を知っ た人が大勢いました。中国に来るまで,自分の漢字名を知らないのです。

さて,日本人は授業中はおとなしいことで評判です。これは金沢大学の教壇に立ってい ても感じることですが,まじめですけれどもとてもおとなしいです。おとなしいのは意見 がないのか消極的なだけなのか,よく分からないのですが。それから,日本人は基本的に あまり学位や単位を必要としない留学方式を取っていますので,授業に出てもそんなに必 死にならず基本的に自分の好きな勉強をします。自分の必要な資料を集めに資料館に通っ たり,本を読むために図書館に行ったり,好きな授業に出て自分の好きなように自由に勉 強するタイプが多いです。そして,割と一人で行動します。自分の好きなように時間を使 うために好きな時間に教室に行って授業を受け,宿題も自分一人でやります。

⑤ファッション及び学生文化

ファッション面では,中国人の男子学生は実用主義一本です。要するに服を着てればい いやということです。首の伸びてしまったTシャツを大抵の男子学生は着ています。おし ゃれという意識がほとんど彼らにはないようです。そして眼鏡が必需品です。これはおし ゃれに関係なく,みんな勉強のしすぎで視力が悪くなっているんですね。中国人の男子学 生は,勉強以外にはサッカーとバスケットボールが大好きです。特にサッカーは自分でや るのも好きですし,見るのも好きです。どこかで試合があると聞くとみんなそろって応援 に行きます。

女子学生はおしゃれで,例えば夏になりますと,みんな赤やピンクや黄色,オレンジと いうきれいな色のワンピースで行動します。ぱっと華やかで,とても素敵です。中国の女 子学生はあまりお化粧をしないのですが,それもとても自然でいい感じです。男子学生が サッカーとバスケが好きなのに対して,女子学生は欧米の映画のVCDを見るのが好きで す。VCDというのはビデオCDの略です。DVDほどには容量はないのでVCDですと

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ディスクが2枚になるのですが,欧米の映画がたくさんVCD化されて売られています。

それを買ってきて,自分が見たら友達に回す。私が行ったころには特にフランス映画がは やっていました。「何とかという映画見た?」みたいな会話が交わされていました。中国人 の女子学生は映画が大好きで,特にロマンチックなものが好きなようです。

韓国人は,ファッションの面から見るとアメリカンカジュアルが優勢です。日本人でも 着ている若い子がいますが,アメリカの大学のロゴの入ったトレーナーやTシャツを割と 好んで着ています。彼らもやはり,サッカーとバスケが好きです。女子学生はお化粧が濃 いです。韓国の女の子は肌がとてもきれいなので,私はお化粧なんかしなくてもいいので はないかと思うのですが,なぜかお化粧がとても濃いです。往々にして香水の香りも強い です。私はほのかに香るのが奥ゆかしくていいのではないかと思うのですが,韓国人は香 水でも主張するわけです。韓国人の友人たちのそばにいると,私は大抵頭がクラクラして しまいます。

韓国人は,日本のドラマやアニメがとても好きです。私が日本人だと知ると,すぐ「何 とかというドラマを見ていた」とか「何とかというアニメを知ってる」と話しかけてくる のです。私などより詳しいです。皆さんご存じかどうか分かりませんが,「キャプテン翼」

というサッカーアニメが日本でだいぶ前,私が小学生のころにヒットしたのですが,韓国 でも上映されていて,なんと韓国の作品として紹介されていたようです。あれは静岡県が 舞台で,ところどころ静岡という文字が画面にもあったのではないかと思うのですが,韓 国人は「まさかあれが日本の作品だとは思わなかった」と言うのです。舞台は韓国にすり 替わっていて,それで成り立っていたようです。「キャプテン翼」というこの日本のサッカ ーアニメを韓国人はみんな知っていました。

さて日本人ですが,日本人の若い子たちはみんなおしゃれで,思い思いの格好をしてい ます。ただし,20 代後半から 30 代前半の大学院生は無頓着です。中国人の男子学生と一 緒です。着ていればいいみたいな感じです。私がひどいと思いましたのは,当時 30 代前半 の日本人大学院生が上着の脇のほつれをホッチキスで留めていたことです。繕えばいいの にと思いましたが,「これで用が足りるからいいんだ」と言うのです。私はそういうひどい 例を目にしました。日本人がどうこうというよりも,そこにジェネレーションギャップが あって,若い子かそうでないかという差があるのではないかと思いました。

学生文化という意味では,中国人も韓国人も日本人もコンパや飲み会,サークル,バイ トということは,皆とても熱心にやっていました。ただ,コンパや飲み会で面白いのは,

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中国人は誘った人が飲み代を全部もちます。10 人いようと 20 人いようと,これからみん なで食事に行こう,飲みに行こうと言った人が全部払うのです。韓国人は当然,年上がお ごります。韓国人と食事に行ったりすると,だれが年上かということを見極めて,あの人 が払ってくれるのだろうということが分かるのです。日本人は,学生同士なら当然割り勘 です。この割り勘ということに対して,韓国人,中国人は非常によそよそしくてけちくさ いという反応を示すのですが,私たち日本人は非常にいいやり方だと思っています。もち ろんすごく細かくまでは計算しませんし,「今回はこれで」みたいな言い方で,厳密に割り 勘ということはあまりないのですが,私たち日本人はやはりこの割り勘方式を中国でもと ります。ただし,中国人や韓国人と一緒に行く場合には困ってしまうのです。韓国人は年 上の人が自分が払うと言うし,中国人は今回は自分が誘ったんだから自分が払う,日本人 はどうしようかと見守っているのです。

ただ,中国人は日本に来ると割り勘は結構いいと思うようになるらしいです。やはり自 分一人だけが人数分をどさっと払わなければならないというのは,相当な負担になるわけ です。ですから,中国人は日本に来ると,割り勘をいいと思うようになるようです。ただ し,飲み会におけるお酒の量については,日本人は中国人,韓国人の足元にも及びません。

中国人,韓国人は本当に猛烈に量も飲みますし,アルコールの度数の高いものを平気でた くさん飲めるのです。私はお酒は全くだめなのですけれども,中国で私の友人の日本人た ちが中国人,韓国人に飲みつぶされている様を何度も目にしました。彼らは本当に強いで す。

ファッションとか学生文化ということは,あまり国家間,民族間の差というものは感じ られません。どちらかと言いますと,ジェネレーションギャップのほうが大きいように思 います。私も韓国人の友人と話しているときに,「最近の若い子はね」という話をしたりし ましたので,民族間,国家間の違いよりもむしろ年の差のほうを大きく感じました。

中国には喫茶店というものがこれまでほとんどなく,10 年ほど前から「茶館」と呼ばれ るいいお茶を提供する場所ができたのですけれども,この茶館はレストランの食事よりも ずっと高くお茶の代金を設定しているものですから,あまり気軽に行けません。ただ最近,

北京にもスターバックスが進出しました(26 ページ写真⑨参照)。街中にはたくさんあり,

中国人も好んで入っています。おしゃれな格好をした若い人たちが大勢ここで飲んでいま す。中国人は,実はコーヒーはほとんど飲まないのですけれども,スターバックスは雰囲 気がおしゃれなので,ちょっと行ってみようかという感じです。しかも,ちょっと高いの

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ですが,おしゃれな場所としてにぎわっています。

⑥民族意識

中国人は民族意識がとても強いです。たぶん皆さんもよくご存じだと思います。政治問 題にもとても関心があります。そして,自分たちが中国人であるということに誇りを持っ ています。自分の体がどこにあろうとも,自分が中国人だという意識を強く持っています。

カナダとかアメリカ,インドネシアにいる華僑も,自分の民族は中国人だと思っているよ うなのです。

ただ,私がちょっと気になりますのは,中国の人口は 13 億とも 14 億とも言われていま すけれども,55 の少数民族がいます。彼らを含めて中国人だと思っているのだろうかとい うことについては,ちょっと難しい問題があるようです。中には独立したいと思っている 少数民族もありますし,また台湾の存在もあります。それは中国の問題ですのでここでは 私の考えは述べません。中国人は民族意識が強いですが,その中には非常に複雑な問題も 含まれているということです。

韓国人も民族意識が非常に強い民族です。また,北朝鮮人ですとか在日韓国人・在日北 朝鮮人に対しても強い同胞意識を持っています。私に「在日韓国人や在日北朝鮮人はどう いう暮らしをしているのか」ということを興味を持って聞いてきました。韓国人の民族意 識の背景には,被侵略の歴史があります。朝鮮半島は小さな半島です。弱小国家という意 識があって,今では先進国に上っていったわけですが,そのプライドとかつては侵略され ていたという意識,その辺がないまぜになっていて,それらが自分は韓国人なのだという 意識を作っています。

北京大学には北朝鮮人留学生もいました。そんなに数は多くなかったのですが,留学生 寮の1階に部屋をかためて住まわされていました。1階ですから,窓の外から部屋の様子 がちょっとだけ見えるんですね。どの部屋にも壁に金日成と金正日の肖像が飾ってありま した。しかも,彼らは授業以外には,必ず北朝鮮人同士グループになって,バレーボール をして遊んでいるのです。バレーボールをすれば体を鍛えることになるわけですが,1年 目に私のルームメートだった韓国のお姉さんは,「ああやってバレーボールをせずに,外国 人とつきあったりすると,北朝鮮政府からチェックされてしまう。そういう疑いをもたれ ないためにも,常に勉強しているかバレーボールをしているか,彼らにはその二つしかな い」ということを言ってました。こちらが話しかければ親切に対応してくれますが,北朝

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鮮留学生からほかの外国人留学生に話しかけるということはまずありません。そして,北 朝鮮留学生というのは中国政府から奨学金をもらっているのですが,その奨学金の半分を 北朝鮮政府に納めていました。もともと中国政府の奨学金はそんなにたくさんではないの です。そのうちの半分を毎月必ず北朝鮮政府に納めてしまっては,北朝鮮の留学生の生活 は苦しいだろうと思うのですが,彼らは淡々と勉強をしているか,バレーボールをしてい るかという生活を送っていました。

さて,日本人は,たぶん想像がつくと思いますけれども,若い学生は民族意識は希薄で す。政治問題,社会問題に対しても基本的に無関心です。中国人や韓国人が日本人バッシ ングをしても,自分とはあまり関係ないという態度をとります。イデオロギーですとかナ ショナリズムといったことに対して,日本の若い学生はアレルギーを持っているのです。

あまりいい状況だとは思いませんけれども,今の若い学生が受けてきた教育を考えますと,

しょうがないかなと思う面もあります。日本人は民族意識は希薄ですし,あまり政治につ いて語ろうとしません。中国人や韓国人に聞かれれば自分の考えを述べるけれども,好ん でそういう議論をしようとする学生はほとんどいませんでした。

4.結局,異文化理解とは

さて,私の話は個人的留学体験談みたいなとりとめのないお話になってしまいましたけ れども,「結局,異文化理解とはどういうことか」について考えてみたいと思います。

実は異文化を考えるときに,文字ですとか言葉にされているところだけで議論していて も限界があると感じるのです。異文化について考えるということは,旅行に行ってみると か留学してみるとか,外国人の友達と話してみるといったような日常的なこと,ささいな こと,身体感覚とも不可分な関係にあると思うのです。外国や知らない土地で暮らせば,

当然プレッシャーですとか知らない土地の人との衝突というものがあります。さまざまな 問題があります。人間というのはやはり,違うということが恐いのです。差異を簡単に受 け入れるということができないわけです。違うから嫌いだとか,違うからこの人は嫌だと,

ついそういうふうに思ってしまうのですが,この差異を受け入れるということが異文化理 解の一番重要なことだと思うのです。何も相手が素晴らしいと思う必要は全然ないと思う のです。一人一人違っていて当たり前だという考えを持つ,外国人だから違うし,男と女 だから違うし,年が違うから違っていて当たり前なんだ。最初からもう違う人間だという ことを意識すれば,差異をそんなに強く意識しなくても済むのではないかと思うのです。

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世界平和というのはなかなか難しいことだと思うのですが,これはずっと建前としてこ のまま続いていくと思うのです。ただ,そのときに衝突を繰り返しながら,どこかで折り 合いをつけながらやっていくしかないのではないかという気がいたします。私も中国で生 活しまして,やはり中国人のすべてがいい人ではありませんでしたし,中国人の生活習慣 すべてが素晴らしいと思っているわけではありません。けれども,中国人には中国人の考 えがあるし,私には私の考えがある,中国の文化や社会のあり方を自分がどう受け入れる かということは私の自由なのだと思いました。また,今後もそういうふうに思っていくつ もりでおります。

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質疑応答

(質問者1) 杉村先生が中国で学ばれている中で,中国人あるいは韓国の方から印象を 受けた反日感情は,具体的にありましたか。

(杉村) 実は,私は中国に行くと日本人に見られないのです。顔立ちなのか服装なのか よく分からないのですが,日本人に見られないために,そういう話を振られるということ はなかったです。ただ,留学生同士で友達になると日本人だと分かりますので,どう思う かということについて聞かれたりはしましたが,日本政府や日本人を直接非難するような 言葉は,私は中国人,韓国人の学生から直接聞いたことはありませんでした。

ただ,私がおりました 99 年の5月でしたかに,NATO軍機が中国大使館を誤爆したと いう事件があったのはご記憶かと思いますが,そのときには一気に反米感情が全国的に盛 り上がりました。北京大学をはじめとした学生たちがアメリカ大使館に行って石を投げた り,シュプレヒコールをするということがありました。しかし,あまり反日ということは 強く言われていませんでした。さすがに友人になってしまうと,直接日本を非難するよう なことは言えなくなるようです。

日本人の知り合いがいる,日本についてちょっとでも学んだことのある人は,あまり反 日を口にしません。反日・嫌日を口にするのは,私が見たところあまり日本を知らない人 たちなのです。ただ,彼らはしょうがない部分がありまして,私は大学院生のときに中国 の高校の教科書の翻訳の仕事をしたことがあるのですが,歴史の教科書一冊丸々近代史で した。近代史というのは,要するに抗日戦争の歴史なのです。一冊丸々ですから本当にか なり細かく書いてありまして,あれを学んだ中国人が日本を好きになることのほうが無理 だと感じました。教育がやはりそうなっているのです。でも,そんな中でやはりさまざま な報道とかインターネット,新聞,雑誌を通じて日本について多少でも知ると,そういっ たことだけではない、と。当然,中国に留学している日本人が大勢いますから,彼らと話 すと,戦争については日本政府に問題があったかもしれないけれども,今後は仲良くして いきたい,或いは仲良くしていった方がいいという考えを,若い子は少しずつ持つように なっていると私は思いました。

(質問者2) 朝鮮族というのは特別なのですか。お手伝いさんが朝鮮族だというのは,

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中国の中でも朝鮮族というのは身分が低く見られているということなのでしょうか。

(杉村) それは関係がありません。お手伝いさんにももちろん漢民族のお手伝いさんも いるのですが,なぜ韓国人留学生が朝鮮族のお手伝いさんを雇っていたかと申しますと,

自分たちの同胞だからです。自分たちと同じ民族の人にお金をあげたい,ただであげるわ けにはいきませんから仕事の報酬としてあげたい。漢民族のお手伝いさんのほうがもちろ ん数はずっと多いのですが,韓国人留学生が朝鮮族のお手伝いさんを雇うのは見下したい わけではなく,少しでも中国にいる自分の同胞に役に立ってあげたいからだと彼女たちは 言っていました。別に身分が低いということはありません。

(質問者2) 今は中国での学生のことを聞いたのですけれども,私は留学生とかのお世 話をするのが好きなのですが,中国から日本に来ている学生さんたちの現状とか,国費留 学生は結構優遇されていると思うのですが,私費留学の方とか,あといろいろあります。

6%の限られた子しか大学に行けない中で日本に来て,授業を受けたいのに,その学費を 稼ぐためにアルバイトをしなければいけなくて,学業ができないという状況も聞いたこと があるのですが,日本における中国人学生のことを教えてください。

(杉村) まさにおっしゃるとおりで,国費か私費かで全然生活が違うのです。国費をも らいますとアルバイトをしなくても生活ができます。今はっきり思い出せないのですが,

私が大学院生のときには国費留学生は月 18 万円もらっていました。授業料も免除ですから,

十分生活はやっていけるのです。大抵国費の学生は,大学の留学制度などで学生寮に入っ ていたりしますのでだいぶ楽ですが,私費留学生は本当に朝から晩までアルバイトに行か なければならず,基本的に私が見る限り中国人留学生はアルバイトに追われています。

日本政府が大勢外国から留学生に来てもらいたいと思うのであれば,やはり国費の奨学 金制度をきちんと設けて,もっと勉強ができる環境にしてあげないと気の毒だと思います。

ご覧になっているとおりだと思います。大抵はアルバイトに追われて勉強もままならない 学生がほとんどですね。気の毒だとは思うのですが,一人,二人をこちらが助けてもしょ うがないところがあるのです。

(質問者3) ある大学教授の話で,その方が中国の大学で授業を行ったとき,中国人の

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学生はものすごくよく話を聞いて,寝る人も一人もいない。しかし,日本で授業を行った 場合は寝ている人も多くいて,中国で中国の学生に話を聞いたら「日本の学生は,なんで こんなに価値ある授業を聞かないんだ」と言ったそうです。そのときに受けた印象は,中 国の学生はハングリー精神がすごくあるのかなと感じたのですが,実際そうなのか,また その辺はどこから来るのか,先生のお考えをお聞かせください。

(杉村) まさにおっしゃるとおりで,中国人の学生は例えば朝8時から始まる授業のた めに6時ごろに起きて,もう席取りに行くのです。いい場所に座る,本当にかぶりつきで 先生の話を必死に聞いてノートを取ります。日本人の先生も日本の大学で「質問は?」と 言いますけれども,質問は大抵返ってきません。ところが,中国の大学では「質問はあり ますか」と聞くと,「はい」「はい」とものすごく手が挙がるのです。「先生はこうおっしゃ いましたが,こうではないですか」「自分が本で読んだ限りではこういうことだったけれど も,それについてはどうか」とか,自分が勉強したことをきちんと先生に伝えて,先生と 対等に議論します。それはまじめで熱心であるということも大きいのですが,それはプラ ス面です。

マイナス面としましては,先ほど私の話にもありましたように,出世主義というのもと ても大きくて,大学で取った成績が後の出世につながるわけです。日本では今,そういう 仕組みになっていません。それは単純にいいとか悪いとか割り切ることはできないのです けれども,いい成績を取っていい会社に入って出世していくためには,いい成績が必要な のです。成績が悪かったために自殺してしまう学生も私の留学中にいました。もちろん向 学心が旺盛ということもあります。中国人の学生は何でも知りたい,何でもしたいと思っ ているんですね。ただ,それとは別に成績をよくするために勉強するという面があるとい うことも事実としてあります。寝ている人はまず見かけません。寝てる人がいるなと思っ たら,自分の仲間の日本人だったりします。

中国人の早起きについてですが,先ほど湖の写真を皆さんにお見せしましたね。あの湖 のほとりで中国人学生は毎朝,外国語の暗唱をするのです。それを繰り返すものですから,

中国人の英語の力は日本人学生が足元にも及ばないほど伸びていきます。彼らの目指すと ころはアメリカ留学です。日本語を湖のほとりで読み上げている人もいますけれども,外 国語も毎日そうやって朝1時間,2時間,自分一人で訓練するのです。向学心はものすご く旺盛です。

参照

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