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複合語の翻訳における日本語学習者 の辞書使用

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Academic year: 2022

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(1)

の辞書使用

一ドイツ語を母語とする日本語学習者を

  中心に一

高邑 真弓

キーワード

複合動詞・臨時的な複合名詞・辞書使用・発話思考法・L2−L1への翻訳

1.はじめに

 中級日本語学習者の語彙習得において、合成語は重要な学習項目である。合成語の中で も特に複合語は、畳語や派生語に比べ、構成要素の組み合わせの種類が多く、意識的に学 ぶ必要があると思われる。しかし、『日本語能力試験出題基準改訂版』(2002以下『出題基 準』)を見ても「部分からの類推が可能な複合語」(p.51)は採用しないとなっており、複 合語に関しては日本語教育で扱うべき範囲は未だ定まっておらず、教育現場では教科書に 出てくるものを教えているというのが現状である。学習者の自立的な学習に任せるといっ ても、中級以上の語彙を網羅的に収録した日本語学習者向けの辞典は数が限られている(高 邑2005)。収録語数の多さから日本語母語話者向けの国語辞典に頼ったとしても、『出題基 準』のように構成要素から類推が可能な語は立項されていないことが多い。

 それでは、学習者は実際に未知の複合語に当たった際に、どのようにして意味を捉えて いるのだろうか。本稿はそのような疑問から出発し、学習者がどのように辞書を駆使して 複合語を調べていくのか、また、その際、どのような問題点があるのかを調査し、まとめ たものである。

 本研究では筆者がもっとも理解できる非母語言語がドイツ語であることから、調査対象 者をドイツ語を母語とする学習者に絞った。本研究により、ドイツ語母語話者向けの辞書 の改善や、ドイツでの日本語教育に還元できると考えており、ドイツ語以外の言語を母語

とする学習者にも応用していけるものと考えている。

(2)

2.調査概要

2−1.調査方法

 本研究の特徴は、複合語を辞書で調べる過程を調査する方法として、ビデオカメラによ る辞書の使用状況の撮影に加え、認知的な過程を調査するのに有効である「発話思考法」

(Think・aloud Method)を採用したことである。発話思考法とは「頭の中に浮かんだ考え を外生化させ、その発話資料から情報処理過程を推測する」(『ことばの認知科学事典』

2001:206)調査方法で、読解の過程を調べる方法などにも採用されている。英語圏やド イツ語圏で70年代から盛んになった「辞書学」(Lexicography)の「辞書使用」(dictionary use)の分野でもThumb(2004)が辞書の使用過程を調べる方法として発話思考法を採用

している。しかし、日本語教育では筆者の知る限り、発話思考法を利用して辞書の使用過 程を調査した者はおらず、辞書の使用過程を詳細に調査した研究も見当たらない。

 発話思考法の具体的な方法は、調査協力者が課題を行う過程で考えていることを意識的 に口頭で表現、または説明するというもので、発話が途切れた際には、調査者が指示を出 し、発話を促す。発話思考法から得られた発話資料は「しばしば不完全な断片的発話にな るため、断片的発話から意識過程を推測するのは難しい」(同p。208)という問題点が挙げ られているが、本研究では課題終了後に発話資料からは得られない情報をフォローアッ プ・インタビューで質問することで、「不完全な断片的発話」を補うことにした。

 調査で観察する場面については、日本語の複合語を辞書で調べる方法を調べるため、日 本語からドイツ語への翻訳場面とした。

2−2.調査協力者

 調査協力者は、ドイツの大学に在籍し、日本語を学んでいる20代のドイツ語母語話者 12名である。協力者の日本語能力はドイツの大学で初級または中級を修了した程度のレベ ルである。ここでいう初級、中級とは、ドイツの大学の日本語課程における初級、中級を 指し、そのレベルは必ずしも日本における初級、中級とは同一ではないことを断っておく。

表1:調査協力者

協力者1 性別 年齢 日本語学習歴 レベル 日本留学経験 日本語能力試験(級)

MS 1

25 2年4ヶ月 中級 〜 一

FG2

25 3年 初級 1年

SE3

24 ユ年 初級 一 一

ST4

20 1年9ヶ月 中級

JV5

21 1年 中級 一 一

PR6

26 2年 初級

一 一

NG7

22 1年9ケ月 初級 『 一

MW8

25 5年 中級 1年 2級

(3)

CP9

21 2年 初級 〜 一 JB 10

25 4年 中級 1年

SS11 23 4年 中級 3級

EB12

24 3年 中級

} 3級

2−3.辞書

 本研究では、できるだけ自然な状態、つまり普段の状況に近い状況での複合語の調べ方 を観察するため、調査で使用する辞書に制限は設けず、各自が持っているものを使用させ、

漢字字典の使用も可とした。ただし、インターネット上にあるオンライン辞書や、辞書ソ フトの使用は禁止とし、辞書の形態は印刷辞書か携帯型の電子辞書のみとした。また、使 用する辞書の数に関しても制限は設けなかった。詳細は以下の表の通りである。

表2:用意した辞書と使用した辞書

協力者 使用辞書 辞書タイプz 頻度3 形態 使用4

Langenscheidt Universal・WOrterbuch Japanisch[旧版] 独日日独 2 印刷 MS 1

漢字ABC (Hueber) 漢宇 印刷

Casio XD・R7100 独英田国 3 電子

FG2

Casio XD470 国漢英 2 電子 ○

Langenscheidt Universal・W6rterbuch Japanisch 独日日独 3 印刷

SE3 Langenscheidt GroBw6rterbuch Japanisch・Deutsch yeichenw6rterbuch

漢字 2 印刷 ○

Langenscheidt Universal−W6rterbuch Japanisch 独日日独 3 印刷 ○

ST4 Langenscheidt Groβw6rterbuch Japanisch・Deutsch yeichenw6rterbuch

漢字 2 印刷 ○

Langenscheidt Universa!・W6rterbuch Japanisch 独日日独 2 印届ll JV5

SHARP PA630[漢宇辞書:人名・地名・四字熟語コ 漢字 電子

郁文堂和独辞典 和独辞典 3 印刷

PR6 Langenscheidt Groβw6rterbuch Japanisch・Deutsch yeichenw6rterbuch

漢字 3 印刷 ○

Langenscheidt Universal W6rterbuch Japanisch 独日日独 3 印刷

Casio XD・R7100 独英漢国 3 電子 ○

NG7 Langenscheidt Groβw6比erbuch Japanisch・Deutsch yeichenw6rterbuch

漢字 3 印刷 ×

Langenscheidt Kanji und Kana Band 2 漢字 3 印刷 ○

Casio XD・R7100 独英下国 3 電子 ○

MW8

Langenscheidt GroBw6rterbuch Japanisch・Deutsch yeichenw6rterbuch

漢字 3 印刷 ○

デイリーコンサイス独和・和独辞典(三省堂) 独和和独 1 印刷 ○

(4)

The New Nelson Japanese・English Character Dictionary 漢字 3 印刷 ○

CP9 Langenscheidt U血versal・W6rterbuch Japanisch 独日日独 2 印刷 ○ WOrterbuch Englisch−Deutsch Deutsch・Englisch(ISIS) 独英英独 印刷 ○

JBlO Casio XD・R7100 独英漢国 3 電子 ○

現代和独辞典(三修社) 和独辞典 3 印刷

SS11

Japanisch・deutsches Zeichenw6rterbuch漢独小字典 (Buske) 漢字 印刷 ○

Casio Ex−Word XD・R1300 英漢国 2 電子 ○

EB 12 Japanisch・Deutsches Zeichenw6rterbuch漢讃小字典 (Buske) 漢字 2 印刷 ○ Langenscheidt UniversalW6rterbuch Englisch 独英英独 印刷 ○

2−4.課題文

 各課題について述べる前に、本稿における「複合語」の定義を確認する。「複合語」とは

「二つの造語成分が、いずれも、語基であり、それらが複合的にむすびついて語および語 の意味をくみたてているもの」(石井1989)を指す。複合語には、複合動詞、複合名詞、

複合形容詞、複合形容動詞、複合副詞があるが、その中でも特に複合動詞と複合名詞の数 が多い(石井1989)。日本語学習者にとって、数が多い複合動詞と複合名詞を習得するこ とは重要であり、本研究では複合動詞と複合名詞を調査項目として取り上げた。

 複合動詞に関しては、多くの国語辞典、日本語学習者用の辞典に立項されているのでは ないかと考えられる「引き返す」という語について調査した。

 また、複合名詞に関しては、一般的な複合名詞ではなく、林(1982)が「臨時一語」と 名づけた臨時的な複合名詞を取り上げた。林によると「臨時一語」とは、「その時その時の 必要によって生れ、すぐに消えて行く単語」であり、一般的な単語が「国語辞書的な単語 なら」臨時一語は「現代用語辞典や社会科辞典に見られる単語」で、新聞記事によく見ら れるものであるという。臨時的な複合名詞は、そのままの形では辞書に立項されておらず、

語を分節する必要があり、学習者が辞書で調べる際にも困難が伴うと考えられる。今回は、

「人名用漢字」という臨時的な複合名詞について調査した。

 以下に各課題文と日本語能力試験の級を記す。

課題A忘れ物に気がついて、慌てて引き返した。(総ルビ)

    〈漢字〉      <語彙>

    4級:気       2級:慌てる、引き返す

      3級:忘れ物、気

課題B[璽iヨが新たに488字追加された。(総ルビ)

    〈漢字〉      <語彙>

    3級:用      二二:人名

    4級:人、名        2級:新た、追加

      4級:漢字

(5)

2−5.課題前チェックシート

 課題文の語彙が各協力者にとって未知語か既知語かを知るため、課題前にシート(以下

「課題前チェックシート」)へ記入させた。課題前チェックシートはルビを含め、課題文と 全く同じ文を1枚にまとめたものである。「未知語」は青に、「(既知語だが)忘れてしまっ た語」は緑にマークさせた。また、課題遂行前に必要以上に課題文を意識させないため、

これから行う課題と同じ文であるとの注意は促さなかった。

2−6.調査手順

 調査の具体的な流れは、1)課題前チェックシートへの記入、2)調査方法の説明と発 話思考法の手本、3)翻訳課題、4)フォローアップ・インタビュー、である。1)の課 題前チェックシートに関しては、制限時間を設けず、記入が終わるまで待った。3)の翻 訳課題は本稿で扱う複合語の課題のほかに9題あり、課題にかける時間は1時間としたが、

1時間が過ぎた時点で、ある課題の途中までしか終わっていない場合はその課題の終了ま で延長した。3)の翻訳課題および辞書検索の結果は、所定のシートに記入してもらった。

課題1題につき、A4版1枚のシートにメモ、翻訳結果、辞書検索の結果を書くようにし

た。

 調査は筆者1名で行ったため、ビデオカメラは三脚に固定し、辞書を撮影しているビデ オカメラに関しては適宜ズーム撮影などを行った。

3.データ分析の方法

3−1.コーディング

 調査の際に録画したビデオテープと、発話思考法から得られた発話の文字化資料は、そ のままの状態では分析できないため、コーディングという方法でまとめた。具体的には、

ビデオテープを再生する際に、表示されるテープカウンターを利用し、協力者の行動およ び発話に変化が見られた時間をエクセルの表に記録した。エクセルの表の横軸に「時間」、

「行為」、「辞書検索行為」、「発話」を取り、縦軸には時間軸に沿って、コーディングを施 した。「辞書検索行為」は「辞書検索」の下位に当たるもので、「ページをめくる」「開いた ページを見る」「開いたページを指でなぞって探す」「課題文を見る」「画数を手で数える」

などを指す。また、電子辞書を使用している場合には「電子辞書入力『OO』」「検索結果 を見る『○○』」「候補を見る」など、キーの入力と画面の表示に忠実にコーディングを行

った。

3−2.翻訳文の評価

 調査から得られたデータの1つである翻訳文(課題文の日本語をドイツ語に翻訳したも の)を分析するために、翻訳文の評価を行った。調査者である筆者が翻訳文を評価するこ

(6)

とは、調査時に得られた全ての情報を知っているという点で客観性に欠ける。そこで、日 本語母語話者でドイツ語能力の高い3名に、課題文として提示された日本語と翻訳文のド イツ語とを比較し、評価が高い順にABCの3段階で評価するよう依頼した。

4.調査結果

4−1。辞書参照の回数とその目的

 辞書学の研究では辞書の参照回数を分析する際にAtkins&Varantola(1997,1998)が Look・upという概念を用いている5。本研究では、この概念を応用し、辞書参照の回数を割 り出すことにした。なお、日本語特有の問題や携帯型電子辞書の特徴を踏まえた上で、本 研究では以下のようにLook・upの定義を定めた。

   ◆ALook・up:「参照」。1冊の辞書で1つの項目を1回参照すること。新たに別の      見出し語を参照し始めるごとに、新しい「参照」が始まる。誤って分節した場      合や、実際には存在しない語についても1回と数える。また、電子辞書に関し      ては、新しい辞書に飛ぶ(ジャンプ機能)、文宇を入力する、候補に戻る、など      を新しい「参照」の分かれ目と判断する。入カミスについては、すぐに気付き、

     入力し直した場合は独立した「参照」には換算しない。

 次に辞書を引く目的について述べる。辞書を引く際には、その項目を知らないために調 べる場合と、知っているが確認のために調べる場合など、それぞれ目的があると考えられ る。辞書を使用する目的は、言い換えれば、どのような理由で辞書を使用するのかという ことである。調査から得られた各「参照」を課題前チェックシート、発話資料、フォロー アップ・インタビューの発言などから判断し、辞書検索の目的ごとに分類した。なお、こ こでは参照した結果は考慮せず、協力者が辞書を使用する時点での辞書使用の目的だけを 取り出すことにする。

 「引き返した」と「人名用漢字」の辞書参照目的は、次の9種類に分類された6。詳しく は、各課題で述べることにする。

知らない〔未知〕

ある辞書の定義や情報がわかりにくい、または不十分なため〔不十分〕

知っているはずだが、忘れてしまった〔既知忘れ〕

意味を推測したが、確認のため〔推測確認〕

知っているが、確認のため〔既知確認〕

語の構成要素は知っているが、語としての意味がわからない〔語意味〕

一度参照したが、再検討のため〔再検討〕

その語の漢字表記は知っているがその語自体は知らない〔漢字既知〕

分節する位置がわからない、または辞書形がわからない〔分節〕

(7)

4−2.複合動詞「引き返す」の辞書使用

4−2−1.「引き返す」の辞書検索結果

忘れ物に気がついて、慌てて引き返した。(総ルビ)

 課題Aの「引き返した」における課題前チェックシートの結果、翻訳文、および評価は 以下の通りである。

 JV5は「慌てて引」の部分をチェックしており、CP9は「引き」と「返した」を別の項 目としてチェックしている。課題前チェックシートは、語を分節する能力を調べることは 目的としておらず、調査時にもそのような指示はしていない。しかし、JV5は課題文を読 んだ際に、「『あわてて、ひき、かえした』の意味がわからない。これが1語なのか2語な のかさえわからない」と発話しており、CP9も課題時に「ひき」だけで調べており、複合 動詞ということがわかっていなかった可能性は高いと言える。

表3 「引き返した」の結果 協力

課題前チェック7 翻訳結果

翻訳結果の

坙{語訳 評価1 評価2 評価3

腰s1 てて   し:た 空欄 …

FG2

置⊆て引き返した『 tauschte er sie aus. 交換した

B C

C

・S露3 莚てて引き返した一 ・重。紬童H徽書欲eh比 引き返した

8 A A

ST4 てて弓き返した 五el um、 倒れた

C C

C

卿5

魍1き選した

撃茎伽s瓶i。ht

?e義e罫beka颯.

もう一度それが1 閧ノ入らなかっだ ゥら

C c C

PR6

童⊆て引き返した habe sie

嘯浮瀦奄モ汲№?geC?n.

それを返した

C C

C

1M美7

藪矧き凱た k6㎞㎜.噛

引き返した

A A

MW8

墜て引き返した gjng er(sie)zurαck. 引き返した

A A A CP9

糞でて圏・ 蹴r{短k…駕eb臼u, 返した

C

・C

c

JB 10 塊⊆て引き返した kehrte sie zur並ck. 引き返した

A A A

SS11 鰹  隔した 9重盈9er zur益ck 引き返した

A A

EB12 墜て引き型た

ist(bin)umgekehrt. 引き返した

A A A

 「引き返す」に関する辞書の参照回数とその目的は以下の通りである。CP9を除き全員 が1回以内で検索を終えている。参照目的で最も多かったものは、「その項目を知らない」

というものだった。

(8)

表4 「引き返した」の参照回数とその目的

目的 CP9 MSl FG2 SE3 ST4 PR6 NG7

MW8

JB 10 SS11 EBI2 JV5

未知 1 1 1 1 1 1 6

既知忘れ 1 1 1 3

不十分 1 1

推測確認 1 1

既知確認 1 1

語意味 1 1

計 3 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 13

 次に、具体的な辞書使用に関して見ていく。「引き返した」の辞書使用に関しては、大き く2つのグループに分けることができる。2つのグループとは、1)「ひきかえす」と1語 と認識できたグループと、2)「ひきかえす」を1語として認識できなかったグループであ る。以下で詳しく各グループの辞書使用を見ていく。

1)「ひきかえす」を1語と認識できたグループ

 12名中8名が「ひきかえす」で辞書を調べている。そのうち6名(SE3、 NG7、 MW8、

JB 10、 SS11、 EB 12)が、正確な意味にたどりついた。

 MW8とJB 10はインタビューで次のように話しており、複合動詞の知識によって、正 しい訳にたどりついたことがわかる。

「繰り返す」しか知らなかったから(調べた)。「返す」はnoch ma l(注:もう一度)とかzu rOck(注=

戻る)とかそういう意味だと思った。何かを忘れたらzurUckgeh㎝(注1引き返す)ことができるか ら、これは単にセイフティーチェック。      (MW8のプロトコルより)

日本ではよく聞いたんだけど、τ度頭に入ってまた出ていっちゃった語。「ひき」なんとかって表現は よくあるから。「ひきとめる」。たくさんの人が「ひき」なんとかっていってるから。

      (JB 10のプロトコルより)

 ST4も同様に「ひきかえす」で探しているが、「ひっくりかえる」の定義を読み、その まま訳している。これについてインタビューでは、なぜそうなったかわからないと弁明し ているように、不注意によるものと考えられる。

 MS 1も「ひきかえす」が一語であると考え、辞書を調べているが、見つからず、訳その ものを諦めている。

「ひきかえした」。漢字の意味はziehen(注1引く)とantworten(注=答える)。「ひきかえ」…。

たぶん一語なんだろう。「ひきかえ… す」。「ひきかえす」。      (MS1のプロトコルより)

2)「ひきかえす」を1語と認識できなかったグループ

(9)

 12名中4名は、「引き返す」が1語の動詞であることが分からず、正しい翻訳になって

いない。

 FG2は電子辞書に「ひきか」と入力し候補から「引き換え」Austauschを選んで、その

まま訳している。インタビューでは「引き返す」を名詞だと思った理由について、

「Austauschに『する』だったらAustausch machen(引き換える)と考えた」としてい

る。

 PR6は「慌てて引き返した」のうち「あわててひき」までが1語だと考えている。文脈 からはzur負ckrennen(引き返す)の方がぴったりくると発話しつつも、「かえす」を辞書 で調べ、zur貢ckgeben(返却する)という推測通りだったために「返却する」で訳してい る。インタビューでは「気がつく」の意味がわかっていれば、できたはずだとしている。

「あわてて、ひき」?知らない。「ひき」は・・ziehen(注=引く)は知ってるけど、この文脈ではわか らない。「かえした」はzu rOckgeben(注:返却する)。〈中略〉「あわててひき」は、て形の接続で、

sich OberstOrzen(注:慌てる)。nehmen und zurOckgeben(注=取って返す)そういうふうに訳そう。

Bezug auf dieFund・・die verlorenen Sache war ich・・vorsicht ig・・(注:忘れたものに、注意して)。

そうだな、habe s ie i rgendwiesehr OberstOrzt(注:何かすごく慌てた)。 geno㎜en zurnckgegeben

(注:取って返した)?違うな。納得いかないなあ〈笑〉。今「かえした」を調べている。たぶん zurUckgeben(注:返す)って意味だと思うけど、αberstOrzt zurUckrennen(注:慌てて引き返した)

の方が意味がぴったりくる〈笑〉。      (PR6のプロトコルより)

 JV5は課題文を読んだ時点で「『あわてて、ひき、かえした』の意味がわからない。こ れが1語なのか2語なのかさえわからない」と発話している。「あわてる」を辞書で見つけ た後に、「ひきかえす」をwiederbekommen(再び得る)だと推測し、「てひき」の形で辞 書を調べるが、載っていなかったため、推測のまま訳している。インタビューでは「かえ す」を知っており、「てひき」は文法の形だと思ったとしている。

 CP9は「ひき」と「かえす」を別々に調べている。まずNelsonの漢字字典で「ひき」

を調べ、draw、 pullという英語の定義からドイツ語のziehenだと推測している。また emphatic、「動詞の接頭辞」と書いてあったことから「かえす」を調べた後に、英独辞典 でemphaticを調べ、「ひき」を強調だと考えている。「かえす」も漢字字典で調べている が、zurhckgeben(返却する)だと推測している。

4−2−2.結果の考察

 「引き返す」を辞書で調べる際の問題の所在は、第一に「引き返す」を1語として認識 できるかということである。「ひきかえす」を1語として辞書を調べた場合には、8名中6 名が正しい訳にたどりつけている。

 しかしながら、「ひきかえす」で調べたとしてもMS 1の使用した辞書のように、「引き 返す」が見出し語として載っていないような辞書では意味を成さない。MS1の使用してい た辞書はLangenscheidtから出ている学習者向け辞書の中でも手のひらサイズの非常に 小さい辞書の旧版で、新版には「引き返す」が見出し語として立項されている。また、電

(10)

子辞書を使用した場合には、「ひきか」と入力しただけで候補が表示されるため、分からな い語があった場合にも、候補から探し出せるという利点がある反面、FG2のように「引き 換え」とほかの語と間違える危険性もある。漢字表記が異なるので、その時点で気づくべ

きだが、「ひきかえす」を「ひきかえ」と「する」のように認識する、「慌てて引き返す」

を「てひき」で分節してしまうという文法力の不足も見られる。PR6も「あわててひき」

までが1語と考え、文脈から正しい推測をしながらも、正しく調べることができずに終わ っている。

 CP9のように、語を調べる際にも漢字字典で調べる場合には、「引き返す」のような複 合動詞は探しにくいと考えられる。「引き」に「動詞の接頭辞」と書いてあっても、語にた

どりつけなければ、意味が分からない。CP9は、 Nelsonの漢字字典を絶賛しており、信 頼しきっているが、語によって辞書を使い分ける必要があるだろう。

4−3.臨時的な複合名詞「人名用漢字」の辞書使用

4−3−1.「人名用漢字」の辞書検索結果

人名用漢字が新たに488字追加された。(総ルビ)

 課題Bは、その前に時間が終了したCP9以外の12盃中11名が取り組んだ。課題Bの

表5 「人名用漢字」の結果

協力者 課題前チェック 翻訳結果 翻訳結果の日本語訳

評価

@1 評価

@2

評価

@3

厳$1 ム多墨卍字 ;窒欄

皿」 ヴ  「 」,@﹁

FG2 △名星漢字 Zeichen(Kanjis)f血r Personennamen 人名用の漢字

A A

A

s称3 ム翻蘇州

:︳

.c馳… 6 c

ST4 人名旦漢字 den Personenna皿engebrauchska】画is

人名に使用されている漢

A A A

霧v5. i入名蕩灘諺

醐細K・頭     ・

私の漢寧丁 c σ σ

PR6 人名用漢字 den Namenskanjls 名前の漢字

A A A

N¢7 ム鑓灘:

伽i・K廟麟面瞬対陣げ

灘錯か繰臨画        ︐︐ノい﹂

 8 C .C

MW8

人名用漢字 den Gebrauch von Namen zul亘ssige

モ?inesische Schrifしzeichen

名前に使用が認められて

「る漢字

A A A

CP臼 人名用漢字

JB 10

人名用漢字 Die Liste der Kanji fUr

oersonemalnen

人名の漢字リスト

A A A

SSII−

幽…、

伽醐禰隠鱒藤綱.

名爵硬朧糠・︸膿      A窒

A A

EB12 den Persone皿amenszeichen 人名の漢字

A A A

(11)

「人名用漢字」の結果は以下の表5の通りである。「人名用漢字」の評価と翻訳結果と照ら し合わせてみると、全てAだった協力者の翻訳結果は、それぞれ表現方法は異なるが、

KanjiまたはZeichen(文字)に名前を意味するNameや「人名」という意味の

Personennameなどを使用し、「人名用漢字」の意味を正確に伝えている。 NG7の訳はin Kanji geshriebenen,,Jinmei (漢字で書かれた「人名」)となっており、本当に「人名」

の意味を理解しているか翻訳だけでは判断しにくい。しかし、フォローアップ・インタビ ューでは「Vbmame(名前)だと思った。日本人の名前だって」と述べており、意味は理 解していたと考えられる。全てCだったSE3とJV5は、「人名用」という部分を正しく訳 せていない。SE3はただZeichenとあり「人名用」は「…」のままである。JV5もmeinen Kanjiという意味は「私の漢字」のような訳になっており、正しく訳せていない。

 「人名用漢字」における辞書の参照回数と参照目的は以下の通りである。参照回数は NG7の5回が最も多いが、それ以外の協力者もほとんどが1回以上参照している。また、

参照目的に関しては、「項目を知らない」というものが最も多く、「分節する位置がわから ない」と「推測したが確認のため」がその次に多い。また、「1度参照した辞書の記述が不 十分」であるというものもあった。

表6 「人名用漢字」の参照回数とその目的

11的

NG7 FG2

SE3 SS11

EB12

ST4 JB 10

PR6

MS 1 JV5

MW8

未知 2 3 1 2 1 9

分節 1 1 2 4

推測確認 2 2 4

不十分 1 2 3

再検討 1 1 1 3

漢字既知 1 1

5 4 3 3 3 2 2 1 1 0 0 24

 次に「人名用漢字」の具体的な辞書使用を見ていく。ここでは、ユ)「人名用漢字」を正 しく訳せたグループと2)正しく訳せなかったグループとに分けて、それぞれの辞書使用 を見ていく。

1)「人名用漢字」を正しく訳せたグループ

 評価が全てAであった11名中7名の辞書使用を見ていく。

 MW8は「人名用漢字」に関しては辞書を調べずに、「追加」だけを調べて翻訳している。

フォローアップ・インタビューでも「考えたのは、『じんめい』はNamen von Menschen

(人の名前)だってこと。『よう』はGebrauch von(使用)、そして『かんじ』はchillesische Schriftzeichen(中国の文字)」と発言しており、漢字から正確な意味を推測している。

 :FG2は電子辞書の和独辞典で「人名」を調べている。次に「じょう」、「よう」の順で入 力し、「用」を参照している。続いて「よう」の後に「か」と入力し、「ようか」で候補を

(12)

見ている。課題シートには「用」の辞書の定義のところにAngelegenheit(用事)と書い ており、インタビューでも「それでは意味をなさないので推測した」と述べている。

 ST4は「漢字字典で『じんめいよう』を調べてみる」と発話し、「じんめい」を見つけ ている。その時点でPersone皿amegebrauchskanji(人名に使われる漢字)と発話してお

り、インタビューでも「よう」は知っていたと述べている。その後、「よう」についても漢 字字典で画数から調べているが、見つけられず、最初の推測で翻訳している。

 PR6は和独辞典で「じんめい」を調べている。「じんめい」の意味がわかった時点で、「あ 一〇K。それじゃあ、これでName∬skanji(名前の漢字)という意味なんだろうな」と発 話し、翻訳している。

 J:B10は和独辞典で「じんめいよう」を入力しながら、「『じんめいようかんじ』は恐ら くGrundkanjiのことだと思う。日本語だと『じょうようかんじ』って言うんだよね」と 発話している。「じんめいよう」の候補を見て「よう」を消し「人名」の検索結果を見てい る。課題シートには「じんめい」の辞書の定義の欄にPersonenname(人名)、「じんめい ようかんじ」K:anji fUr Personenname(人名用漢字)と書いている。「人名用漢字」につ いて考えている過程が、課題時の発話から分かるので以下に抜粋する。

これは翻訳調のドイツ語だなく笑〉。人名用漢字は恐らく法的なリストで施行されたんだ。日本の政府 から追加されたんだ。Liste(リスト)で訳してみよう。      (JB10のコーディングより)

 SS11は課題文を読み「『じんめいようかん、じ』。『かんじ』は知ってる。『じんめいよ う』?」と発話し、和独辞典で「じんめい」を見つけている。「よう」と一緒に載っていな いか見るが、見つからず「よう」だけで調べ、課題用シートの定義の部分に「使用」とい う意味のGebrauchと「用事」という意味のAngelegenheitと書いている。「とりあえず、

推測してみる」とシートのメモ欄にKanji fUr Na皿ensgebrauch(名前に使う漢字)と書 くが、「とりあえず次を調べよう。そしたら意味がわかるかもしれない」と「あらた」「つ いか」を調べている。最後に、漢字字典で「じんめい」を調べているが、「じんめいよう」

という形では見つからず、最初の推測で訳している。実は、SS11が使用した三重社の和 独辞典の「用」の欄には、一番最後に「男子用」などの用法が載っており、それを見つけ ていれば、推測せずに訳せたと思われる。また、インタビューでは「たくさんの漢字が並 んでいると、区切ってなくて、ひとかたまりで、全部を合わせても、その漢字の意味にな らないこともあるし、難しかった」と述べており、分節する難しさについて発言している。

 EB 12は電子辞書の和英辞典に「じんめいよう」を入力し候補を見ているが、なかった ので、「入名」を選び、検索結果を見ている。検索結果から英語で「人名辞典」という定義 を見つけている。次に、「『ようかんじ』はGrundkanji(常用漢字)じゃなかった?」と 発話し、「ようかんじ」と入力し候補を見ている。最後に、印刷辞書の漢字字典で「じんめ い」を調べ、Personenname(人名)という訳語から「そうか。Grundkanji f置r Personenname

(人名のための基礎漢字)。それなら意味が通じる」と発話し、翻訳している。また、イン タビューでは、「人名用漢字」の知識があったと述べている。

「用漢字」はGrundkanl i(常用漢字)だと思う。だから、調べなかった。人の名前のための漢字があ

(13)

ることを知っていたから。簡単にこう書いた。 (EB12のインタビューより)

2)「人名用漢字」を正しく訳せなかったグループ

 訳すことを断念したMS 1と、評価が全てCだった2名の辞書使用を見ていくことにす る。MS1は日独独口辞典で「じんめい」を探しているが、辞書に立項されていなかったた め、見つけられていない。「これは何か特別な『かんじ』なんだ。『じんめいよう』という」

と発話しているが、結局、諦めてしまっている。

 SE3も同様に日独独日辞典で「じんめい」を探したが見つからず、漢字字典で調べなお している。漢字字典でも見つけられず、その部分の訳を諦めたが、インタビューでは漢字 の「じん」がPerson、「めい」がNameを指すことはわかっており、推測もしていたとい う。実際は「人名」の形で漢字字典に載っており、見つけられず自分の推測に自信が持て なかったため、「人名用漢字」を訳すことを断念している。

 JV5は辞書を調べずに推測しているが「人名用」の部分は訳には表れていない。インタ ビューでは「人名用」について「言葉は全部知ってるけど、意味(Sinn)が何かよくわか らなかった。『じん』はMensch、『めい』はBlumen(花)、わからないけど『よう』はfUr。

どうして翻訳から外したのか分からない〈笑〉」と述べている。

 NG7は電子辞書の和独辞典に「じんめいよう」と入力し、候補と課題文を見比べて「じ んめい」に直し「人名」の結果を見ている。次に「用」を調べ、印刷辞書の漢字字典でも 調べている。最後に、電子辞書の和独辞典に「ようかんじ」「ようか」「よう」と入力し、

「用」を選んで検索結果を確認している。課題シートには「じんめい」には辞書の定義と してjap. Vorname(日本の名前)、「よう(用)」の推測の欄にはfUr(ための)と書いてあ り、意味は理解していたようである。

4−3−2.結果の考察

 調査結果から「人名用漢字」が臨時的な複合名詞であり、そのままの形では辞書に立項 されていないこと、また、5文字という奇数の漢字から成っているため、どこで切ればい いのか迷う様子がうかがえる。具体的には「漢字」という語については問題がなかったも のの、「用」が「人名」に付くのか、「漢字」に付くのか、または独立したものなのか判断 するのが難しかったようだ。また、そのままの形で辞書に載っていないために、それぞれ の部分を調べても、「常用漢字」についての知識を利用するなどして、最終的には推測に頼

らざるを得ないことがわかる。

 推測で正しい訳に導ければ問題ないが、「人名」が辞書に立項されていないという辞書の 問題や、漢字字典に「人名」が載っているにもかかわらず見つけることができない、「用」

の用例が見つけられない、という辞書の検索技術の問題も見られた。

 「人名」「用」に関しては漢字字典で意味を確認した協力者が多く、言葉の意味を扱う辞 典とともに漢字字典でも意味を調べていることがわかった。これについては、ドイツ語圏 は漢字字典で非常に恵まれているということを補足する必要があるだろう。ドイツ語対応 で、意味を扱う辞書については、数も少なく改善するべき項目が多いが、漢字字典に関し てはWoUgang H:adamitzkyが数種類のドイツ語対応の漢字字典を出しており、英語に頼

(14)

らずに調べることができる。実際、今回め調査でも7名の協力者がHadamitzkyの漢字宇 典を使用している。また、一方で英語対応の辞書を使用しているために、意味がすぐに理 解できず、英図辞典を活用しなくてはならないことも見られた。ドイツでは当然英語が必 須であり、多くの学生が最もよくできる外国語として英語を挙げているにもかかわらず、

母語以外の言語で辞書を調べることは困難が伴うことがあるようだ。

5.まとめ

 最後に、調査で扱った複合語を辞書で調べることに関して、明らかになったことをまと

める。

「引き返す」に関しては、「引き返す」を複合動詞として認識できるかどうかで、辞書使用 の結果が変わることがわかった。「ひき」と「かえす」をそれぞれ調べる、「引き換え」と いう検索結果で満足してしまうなど、協力者の文法能力の問題に加え、「引き返す」が見出

し語として立項されていないという辞書自体の問題も明らかになった。これに関しては、

学習者に必要な複合動詞は辞書に見出し語として載せていく必要があると言えるだろう。

日本語教育で扱うべき複合動詞が定まっていない現状では難しいだろうが、できるだけ早 い対応が望まれる。

 臨時的な複合名詞である「人名用漢字」に関しては、分節する位置に困難を感じた協力 者が多かった。特に「用」の位置づけが特に難しかったようである。辞書に「用」の用法 として「家庭用」などの用例が載っていると学習者にとっては役に立つと考えられるが、

辞書に載っていても最後まで目を通さないため見落とすということも見られた。また、臨 時的な複合名詞であるため、最終的には推測に頼らなくてはならないことが明らかになっ た。臨時的な複合語は文字通り「臨時的な」ものなので、全ての語を扱うことはできない が、「人名用漢字」のようにやや頻度の高い語などは、辞書に載せてもいいかもしれない。

また、言葉の意味の辞典に事柄の事典的な要素が少し入れば、語の理解がより進むと思わ

れる。

 辞書に関しては、目的の項目を調べる上で適切な辞書を使用し、十分に辞書を活用する ことが必要であることがわかった。辞書の選択に関しては選択肢が限られており、辞書も 改善するべき項目が多いという問題があるが、持っている辞書を使い分ける必要はあるだ ろう。また、辞書の活用に関しては、辞書に目的の項目が立項されていないのは、辞書の 責任であるが、辞書に載っているが見つけられないというのは、辞書検索スキルの問題で あり、伸ばしていく必要がある能力である。学習者が自立して辞書を使えるようにするた めには教師による指導も必要であると言えるだろう。

1)協力者はプライバシー保護のため、イニシャルと調査順で示すことにする。

2)辞書の「日本語」の扱いについては、日本語学習者向けの辞典の場合は「日」を、日本語母語話  者向けの辞典の場合は「和」を用いる。

3)「頻度」には普段の使用頻度を3段階で示す。1二使用しない、2:時々、3=よく使う 4)「使用」の部分には○と×で調査時において実際に使用したか否かを示す。

(15)

5)AtkinsらのALook−upの定義については、以下の通りである(訳は高邑)。 the looking up of one    entry, in one dictionary. Every time.arlother headwQrd was turned to, whether in the same    dictionary or in another。ne, a new工。ok−up started (1冊の辞書でユつの項目を1回参照    すること.。同じ辞書でも、違う辞書でも別の見出し語を探し始めたら、新しいLook−upが始まる)。

6)〔  〕は略語。

7)二重下線が未知語、□が忘れてしまった語。

参考文献

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       (2001)「臨時一語と文章」『日本語学』第8巻20号pp.16−29明治書院 国際交流基金ほか(2002)『日本語能力試験出題基準改訂版』凡人社:

高邑真弓(2005)「中上級目本語学習者の辞書使用に関する一考察一ドイツ語母語話者を中心 に一」早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文(未公刊)

辻幸夫編(2001)『ことばの認知科学事典』大修館書店 *辻の宇はシンニョウの点二っ 林四郎(1982)「臨時一語の構造」『国語学』131集 pp.15−26国語学会

森田良行ほか(1989)『ケーススタディ 日本語の語彙』おうふう

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参照

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