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松本市地域公共交通網形成計画 平成 28 年 2 月 松本市 山形村

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松本市地域公共交通網形成計画

平成 28 年 2 月

松 本 市

山 形 村

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目 次

第 1 章 はじめに ...1 1 計画策定の背景と目的 ... 1 2 地域公共交通網の定義 ... 2 3 地域公共交通網の構成要素 ... 3 4 計画の区域 ... 3 5 計画の期間 ... 3 第 2 章 関連計画の整理 ...4 1 計画の位置付け ... 4 2 上位計画及び既存計画における地域公共交通網の位置付け ... 5 第 3 章 地域公共交通の現状及び市民の移動実態 ... 14 1 地域概況と人口分布 ... 14 2 地域公共交通の運行状況 ... 18 3 市民の移動実態 ... 31 4 地域公共交通に対する意識 ... 42 5 現状のまとめ ... 44 6 地域公共交通の現状、市民の移動実態及び意識から見る課題 ... 46 第 4 章 地域公共交通網再編及び活性化に関する方針 ... 48 1 基本的方針 ... 48 2 整備の方針 ... 50 3 意識転換の方針 ... 55 第 5 章 地域公共交通網形成計画の目標 ... 56 1 目標設定の考え方 ... 56 2 各段階における目標と成果指標 ... 57 第 6 章 目標を達成するために行う事業及び実施主体 ... 61 1 事業一覧 ... 61 2 地域公共交通整備・運行事業の詳細 ... 62 3 事業実施のスケジュール ... 79 第 7 章 計画の達成状況の評価・検証 ... 80 1 地域公共交通網のマネジメント ... 80 2 評価・検証の具体的な方法 ... 82 3 評価・検証と改善のサイクル... 83 4 評価・検証のために収集するデータと収集方法 ... 84

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第1章 はじめに

1 計画策定の背景と目的

平成25年12月に交通政策基本法(平成25年法律第92号)が施行され、地方自治 体は地域公共交通の確保・維持・改善において一定の役割を担うことが明確に規定されま した。また、平成26年11月には地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を 改正する法律(平成26年法律第41号)が施行され、「地域公共交通網形成計画」の策 定が求められるようになりました。その策定に当たっては、「コンパクト+ネットワーク」 と呼ばれるまちづくりと一体となった交通体系の考え方が導入されました。 また、地域公共交通の確保・維持・改善は、民間の交通事業者を中心とした従来の「単 体の事業・取組み」だけではなし得ません。今後は、地方公共団体が地域の総合的な戦略 の一環として「地域交通政策」に位置付け、取り組んでいく必要があります。地域の総合 政策としての地域公共交通の確保・維持・改善は、地方公共団体が単独で行うものではな く、交通事業者や市民と協働して取り組むことが求められています。 松本市では、平成19年度から交通課題地域を設定し、交通空白を解消し、交通不便者 の生活に必要な移動を確保するための新交通システムの導入を山形村を区域に含めなが ら図ってきました。 更に、松本市総合計画(基本構想2020)では「健康寿命延伸都市・松本」を将来の 都市像に掲げ、重点施策の一つとして、次世代交通政策を推進してきました。次世代交通 政策は、自動車に過度に依存しないまちをつくり、環境にやさしい自転車や公共交通の利 用と歩行者を優先する施策を進め、多くの人々がまちなかを歩くことによる、健康の増進 や賑わいのあるまちづくり、更には環境負荷の低減による低炭素社会の構築を図るもので す。 次世代交通政策においては、その実行計画である「松本市次世代交通政策実行計画(松本 市総合交通戦略)」を平成27年10月に策定しました。 本計画は、このような状況に鑑み、市全体の公共交通に関する整備・利用促進等を進め るものです。

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2 地域公共交通網の定義

本計画における「地域公共交通網」とは、その利用者の意図する移動を実現させるために、地 域公共交通がネットワーク化されている状態とします。 ■ネットワーク化とは 生活拠点同士が縦横に張り巡らされた状態ではなく、地域公共交通網が機能的に整備された 状態を意味します。 交通拠点には、生活拠点としての機能を兼ねるものもあり、そのような地点は利便性が高い。 中心市街地 中心市街地 ×縦横に張り巡らされた状態ではない ○機能的に整備された状態 生活拠点 生活圏 交通拠点 生活圏 生活拠点

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3 地域公共交通網の構成要素

地域公共交通網の構成要素となる地域公共交通は、以下のとおりとします。 ⑴ 鉄道(JR 篠ノ井線、JR 大糸線、アルピコ交通上高地線) 鉄道は、市内の移動のみならず他都市との広域移動を担う公共交通機関です。大量の移動需 要に対応できる幹線としての役割を担います。 ⑵ バス バスは、地域内の移動を担い、市内の幹線としての役割から各地域における移動まで幅広い 需要に対応します。民間が運行する路線バス、本市が運行する市営バスのほか、本市及び山形 村が運行補助するコミュニティバスなどがあります。そのほか、地域が主体となり運営する地 域主導型の公共交通を含みます。 ⑶ タクシー バスや鉄道では対応が難しい少量で多様な移動需要に対応し、よりきめ細かいサービスを提 供する公共交通機関とします。 ⑷ その他 バス事業者やタクシー事業者ではまかなえない地域住民の少量の移動需要や特定の利用者 の移動需要への対応を行います。運営主体は、地域住民組織や非営利活動法人等が想定されま す。

4 計画の区域

計画区域は、本市及び山形村とします。ただし、市民1の移動実態等を視野に入れ、区域外に ついても当該自治体等と連携して事業を行うものとします。

5 計画の期間

本計画の期間は、平成27年度から平成32年度までの6年間とします。 1本計画における「市民」とは松本市民及び山形村民を指します。

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第2章 関連計画の整理

1 計画の位置付け

本計画は、松本市総合計画(基本構想2020)に基づいてつくられた、まちづくりのマスタ ープランである「松本市都市計画マスタープラン」、更に本市の交通政策におけるマスタープラ ンである「松本市次世代交通政策実行計画(松本市総合交通戦略)」を推進するため、公共交通 政策の計画として位置付けるものです。 また、松本市の西部地域においては、「松本市西部地域公共交通総合連携計画」(平成21年度 から平成31年度まで。平成22年度変更)(以下「西部地域連携計画」という。)が継続してい ます。本計画は、松本市及び山形村を計画区域とする地域公共交通計画として西部地域連携計画 の事業を引き継ぐものとします。 地域公共交通網形成計画の位置付け

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2 上位計画及び既存計画における地域公共交通網の位置付け

⑴ 松本市総合計画(基本構想2020) 松本市総合計画(基本構想2020)は、平成32年度(2020年度)を目標年度とした 松本市の最上位計画です。将来の都市像を「健康寿命延伸都市・松本」と定め、人、生活、地 域、環境、経済及び教育・文化の六つの健康を基本目標としています。 総合計画において、公共交通は、「安全・安心で支えあいの心がつなぐまち(地域の健康)」 を目指すため、「住みやすさを感じるまち」を実現する基本施策として位置付けられています。 そのほかにも、環境政策の観点から車優先社会からの転換、経済政策の観点から中心市街地 活性化の推進に寄与するものとして市民の行動の転換と交通ネットワークの構築が掲げられ ています。 つまり、松本市の地域公共交通網形成には、社会基盤整備としての位置付けのほか、環境政 策、経済政策にも寄与することが求められています。 図表 1 総合計画における公共交通政策の位置付け 将 来 の 都 市 像 健 康 寿 命 延 伸 都 市 ・ 松 本 《「人」の健康》 2 一人ひとりが輝き大切にされるまち 《「生活」の健康》 3 安全・安心で支えあいの心がつなぐまち 《「地域」の健康》 《「環境」の健康》 《「経済」の健康》 6 ともに学びあい人と文化を育むまち 《「教育・文化」の健康》 まちづくりの基本目標 3-3 住みやすさを感じるまち 5-1 地域資源と人材を活かすまち 政策の方向(まちの姿) 4 人にやさしい環境を保全し自然と共生するまち 環境負荷軽減に取り組むまち4-1 1 だれもが健康でいきいきと暮らすまち 5 魅力と活力にあふれにぎわいを生むまち

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6 ⑵ 松本市都市計画マスタープラン 平成22年3月策定(平成25年3月一部改定)の「松本市都市計画マスタープラン」では、 ゆとりと活気にあふれる、自然共生都市を将来都市像とし、集約型都市構造を目指しています。 〇目指す都市構造の基本的な考え方 中心市街地や鉄道駅周辺など、交通利便性の高いエリアへの人口誘導を図ることでコンパクト な市街地を目指す。 図表 2 集約型都市構造の概念図 図表 3 集約型都市構造のイメージ ア 中心市街地におけるまちづくり ・松本広域都市圏の中心拠点として様々な機能を集約 ・歩行者や自転車利用者優先に配慮した交通環境の改善 イ 交通拠点周辺におけるまちづくり ・交通拠点である鉄道駅や主要バス停周辺は、生活の利便性を高める。 ・通勤・通学時や週末などに中心市街地へアクセスしやすいまちを目指す。 ・身近な商店や医療・福祉サービス施設等の配置を誘導する。 ウ その他市街化区域内におけるまちづくり ・雄大なアルプスを背景とした、のどかな暮らしを楽しめるような閑静なまちを目指す。 ・拠点間を結ぶ道路と公共交通の機能を強化する。 エ 市街化区域外既存集落におけるまちづくり ・自然景観に囲まれた環境を大切にした暮らしができるまちを目指す。 ・都心部と集落を繋ぐ公共交通の充実により、生活利便性の向上を目指す。

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7 ⑶ 松本市次世代交通政策実行計画(松本市総合交通戦略) 松本市次世代交通政策実行計画(松本市総合交通戦略)は、平成28年度から平成37年度 までを計画期間とした計画で、「松本市次世代交通政策 新しい交通体系によるまちづくりビ ジョン」を具現化するものです。 〇次世代交通政策 −基本理念− 基本理念1 「車を優先した社会」の転換 ・「まち」では、歩行者を第一に考える都市空間の利用 ・自動車で、どこでも行けることは確保するが、早さは重要としない。 ・限られた都市空間の中では共存、混合の受入れ 基本理念2 歩行者・自転車・公共交通の優先 ・まちの活性化に寄与する移動の優先 ・誰もが便利に使えるユニバーサルデザインの視点にたった公共交通サービスの充実 (アクセス性、頻度、価格、バリアフリー、情報提供) ・様々な交通手段の自由な選択 基本理念3 エコで快適な移動により人が集う「交通のまちづくり」 ・環境にやさしく、経済的な移動方法の実現 ・自動車通行量の減少と速度を落とすことによる交通安全 ・人々の理解と協力のもとに進める環境と人にやさしい移動のあり方 〇松本市次世代交通政策実行計画の目標 ■あらゆる人が自由に安心して移動できる中心市街地などの都市空間の創出 ■自動車だけに頼らない利用効率の高い多様な交通ネットワークの構築 ■公共交通を軸とした歩いて暮らせる集約型まちづくりの推進 〇将来の暮らしのイメージ(将来像) ア 市全体 住む:暮らしやすいまち 地域特性に応じた必要な生活サービス施設の立地 多様な人々が集う環境が充実 まちの歴史や文化、自然環境を体験 地域に合わせた住宅を提供 ライフスタイルに合わせた家に居住 働く:働きやすいまち 企業が中心市街地に立地したくなる環境 知的なイノベーションの創出 憩う・楽しむ:豊かな時間を過ごせるまち 住民や来街者が松本の様々な魅力に触れ、楽しく時間を過ごせる場所(拠点や商店街、 水辺)の充実 暮らしを支える移動環境 ・中心市街地では、居住する人や荷捌き等を除く自動車の通過交通が抑制されるとともに、徒歩や 自転車、公共交通による移動がしやすくなり、自然と歩きたくなるような移動環境となります。 ・郊外の公共交通が不便なエリア(鉄道駅や主要なバス停まで徒歩で行きづらいエリア)では、生 活サービスの一定程度の利便性よりも、自然豊かな暮らしを優先する人々が主に居住します。ま た、自動車を運転できない高齢者等の移動については、地域全体が主体となって支えます。

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8 イ 中心市街地 【将来の姿】 ・暮らしのあらゆる目的に応じて、多様な人たちが集まり、行き交い、賑わう場 ・松本都市圏の中心にふさわしい様々な都市機能が集積・ネットワーク化され、自動車の通 過交通が減り、歩行者、自転車及び公共交通が中心となった交通形態 ・誰もが自由で、かつ互いに配慮しながら移動できる環境 ・松本城やアルプスの眺めをはじめとした松本固有の歴史・文化・芸術・風景に触れられる場 ・松本の中心市街地ならではの豊かな環境を肌で感じ、楽しみ、誇りを持つ住民が暮らす場 暮らしを支える移動環境 ・中心市街地での、「住む」、「働く」、「憩う・楽しむ」を支えるため、やさしい交通(歩行者・自転 車)を中心に、安全で安心して移動します。市民や事業者は、行き先や目的に応じて適切な交通 手段を選択します。 ・やさしい交通による移動を補完し、中心市街地と郊外を連絡する公共交通は、サービスレベルが 充実し、定時性が確保され、利用しやすく使いやすくなります。 ・やさしい交通や公共交通での移動環境が充実しているため、様々な交通手段が選択でき、自動車 を利用しなくても移動が可能になります。 ・自動車の交通量が減り、自動車利用者が、道路や駐車場の混雑を気にしなくなります。 ウ 郊外 【将来の姿】 ・緑豊かでゆとりある住環境と、地域で支えあう暮らし ・普段の用事は身近な場所を、週末の買物は中心市街地を利用するなど、目的に応じて利用 する場所や交通手段を変更 ・自家用車以外の移動手段が不便な場所では、自らが暮らし方について考え、それに応じた 費用や時間の負担をするとともに、住民同士が助け合い、地域が主体となり、暮らしに必 要なサービスや移動手段を支える取組み ・自然を楽しむ趣味等の活動を通じて、人付き合いの輪が広がる環境 暮らしを支える移動環境 ・郊外の交通拠点周辺や既存集落の中心部などでは、歩行者空間の充実や交通静穏化などが図られ ており、やさしい交通を中心に、安全で安心して移動します。 ・交通拠点周辺や既存集落中心部への移動は、公共交通サービスが不便なエリアでは、自家用車や 地域で考えた移動手段を利用します。 ・中心市街地への移動は鉄道や主要バス路線など充実した公共交通サービスを利用します。 ・交通拠点周辺や既存集落中心部には、整備された交通拠点や乗換え場所、パークアンドライド駐 車場が用意されます。

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9 ⑷ 山形村総合計画 第五次山形村総合計画(以下「山形村総合計画」という。)は、平成34年度(2022年 度)を目標年度とした山形村の最上位計画です。ここでは、村の目指す将来像を「めぐみの大 地と人が響きあう笑顔あふれる山形村」としており、6 つの目標分野において施策を展開して います。山形村総合計画における村の各環境に対する満足度調査では「路線バスの状況」が最 も満足度が低い結果となっており、課題となっています。 山形村総合計画において、道路・公共交通は「さらなる発展への基盤が整った やまがた」 を目指すための施策として位置付けられており、「公共交通の確保」とともに「公共交通のあ り方の検討」が盛り込まれています。 図表 4 第五次山形村総合計画における公共交通政策の位置付け 健康で安心して暮らせる やまがた 快適で安全な住みやすい やまがた 豊かで活力と交流に満ちた やまがた 次代を担う人と文化を育む やまがた さらなる発展への基盤が整った やまがた みんなでつくる自立した やまがた 国・県道等の整備促進 村道の整備 3 道路・公共交通 環境と人にやさしい道路空間づくり 公共交通の確保 公共交通のあり方の検討 め ぐ み の 大 地 と 人 が 響 き あ う 笑 顔 あ ふ れ る 山 形 村 分野目標 施策項目 主要施策

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10 ⑸ 松本市西部地域公共交通総合連携計画及び四賀地域公共交通総合連携計画 過疎地域は都市計画区域外であり、前述の都市計画マスタープランや松本市次世代交通政策 実行計画では、明確な地域像や地域公共交通の役割が示されていません。また、過疎地域以外 にも山間部には人口密度が極端に低い地域が存在します。 これらの過疎地域及び人口密度が極点に低い地域(以下「過疎地域等」という。)の地域公 共交通について、松本市ではこれまで西部地域連携計画等においてその整備の方針を定め、交 通空白地帯等2を解消し、交通不便者等の生活に必要な公共交通を確保してきました。 西部地域連携計画(平成20年度策定。平成22年度変更)は、平成21年度から平成31 年度までを計画期間とした計画で、本市の交通課題地域であった、西部地域3の交通空白を解 消する新たな交通システムの整備と、その運営を行っています。また、四賀地域でも、松本市 四賀地域公共交通総合連携計画(以下「四賀地域連携計画」という。)(平成21年度策定)に おいて、平成22年度から平成24年度までの計画期間において四賀地域の交通体系を再編し、 評価・検証に伴う改善を行ってきました。 本計画では、過疎地域等においては西部地域連携計画による交通空白地帯等への対応方針を 引き継ぎ、需要は見込めるが公共交通の少ない地域には、デマンド方式等による効率的な運行 を継続し、更に需要が見込めない交通空白地帯においては、地域による主体的な公共交通の運 行により移動を担保していきます。なお、四賀地域においては、四賀地域連携計画が失効して いることから西部地域連携計画における考え方を当てはめるものとします。 2交通空白地帯及び公共交通が非効率に運行されている地域 3梓川、島内、島立、新村、和田、神林、今井、芳川及び笹賀の9 地区に安曇、奈川及び波田地区を加えた地域 松本市西部地域公共交通総合連携計画 ■基本方針 基本方針1:既存の公共交通を最大限活用します。 基本方針2:既存の公共交通を補完する公共交通を整備します。 基本方針3:一定量の移動需要のある交通空白地帯の解消に努めます。 基本方針4:運行の継続に当たっては、採算性など一定の基準を設けます。 基本方針5:基幹的公共交通松本電鉄上高地線の整備と利用促進を積極的に進めます。 基本方針6:公共交通の課題解決に向けた住民の主体的な活動を支援します。 基本方針7:ハード・ソフト両面による公共交通の利用促進を積極的に進めます。 ■交通空白地帯等の解消に関する標準的な考え方 移動需要の量 対応方法 当協議会による路線定期運行及び交通事業者 が自主運行する公共交通に対する支援等 西部地域コミュニティバス 松本電鉄上高地線 空港・朝日線等 路線定期運行 デマンド方式等を含め検討 ・路線不定期運行 ・区域運行 市営バス奈川線等 住民主体の活動を支援 需要多い 需要少ない 路線定期運行以外の運行方法も含め検討 需要が見込める 需要が見込めない 交通空白地帯における対応

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11 ア 松本市西部地域公共交通総合連携計画の実施状況 ●コミュニティバスの実証運行及びそれに伴う事業 事業概要 ・コミュニティバスの実証運行 ・コミュニティバスの実証運行に対する評価・検証 ・コミュニティバスの実証運行に伴う事業 実施状況 ・3年間の実証運行を行い、平成24年4月から本格運行 ・毎年度評価検証を行い、その結果に応じて見直しを実施 ・時刻表の発行やバス停の整備等を実施 ●松本電鉄上高地線の維持・活性化に伴う事業 事業概要 ・保安施設整備事業 ・鉄道施設維持整備事業 ・利便性向上事業 ・松本電鉄上高地線の維持・活性化事業に対する評価・検証 実施状況 ・自動列車停止装置、列車制御装置、踏切設備、通信線の改修等 ・レール、まくらぎ、電柱の改修等 ・橋りょう補修 ・車両検査 ・新村駅及び森口駅の改修(建替) ・時刻表の発行 ●民間交通事業者が自主運行する既存公共交通維持・改善のための事業 事業概要 ・空港・朝日線の運行 ・空港・朝日線の運行に対する評価・検証 ・空港・朝日線の運行に伴う事業 ・稲核線・乗鞍線等の改善に向けた事業 ・交通事業者が運行する既存公共交通改善に向けた事業に対する評価・ 検証 実施状況 ・空港・朝日線の一部区間を協議路線として運行 ・稲核線・乗鞍線の上限運賃の設定等改善を実施

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12 ●市営バス等の改善と運行及び路線不定期運行・区域運行等の検討等 事業概要 ・市営バス奈川線の改善と運行 ・市営バス奈川線の改善と運行に対する評価・検証 ・路線不定期運行や区域運行の導入の検討、実証運行、評価・検証、付 帯事業 ・住民が自主的に行う公共交通の確保・充実への取組みを支援 実施状況 ・平成23年度、平成24年度に市営バス奈川線の運行改善を実施 ・毎年度利用状況をモニタリングし、評価・検証を実施 ●公共交通利用促進のための事業 事業概要 ・公共交通に対する利便性向上、啓発及び情報提供事業 ・利用者に対してインセンティブを与える事業 ・モビリティ・マネジメント事業 実施状況 ・地域別時刻表の制作 ・地域における利用促進事業への支援 ・全市版時刻表の発行 ・地域と連携したポイントカードの発行 ・本格運行に向けたラッピング車両の購入 ・利用促進イベント「バスと電車の交通ひろば」開催等 ▲西部地域コミュニティバス

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13 イ 松本市四賀地域公共交通総合連携計画の実施状況 ●四賀地域と松本市街地方面を接続する公共交通を確保するための事業 事業概要 ・民間公共交通機関の活用と改善に向けた事業 ・民間公共交通機関の活用と改善に向けた事業の評価・検証 ・周辺市町村が運行する公共交通との連携 実施状況 ・アルピコ交通四賀線の運行を強化 ・アルピコ交通四賀線の利用状況をモニタリングし、評価・検証を実施 ●四賀地域内の移動を担保する公共交通を確保するための事業 事業概要 ・市営バスの実証運行 ・市営バス実証運行に対する評価・検証 ・市営バス実証運行に伴う各種事業 ・交通空白解消のための活動支援事業 ・周辺市町村が運行する公共交通との連携 実施状況 ・市営バス四賀線の運行 ・四賀地域バスの運行(地域内デマンド交通の導入) ・利用状況をモニタリングし、評価・検証を実施 ●公共交通の利便性を向上させるための事業 事業概要 ・アクセスポイントにおける待合所などの整備 ・パークアンドライド駐車場の整備 実施状況 ・バス停の整備を実施 ・地域内2カ所にパークアンドライド駐車場を整備 ●住民の公共交通に対する理解や協力意向を醸成させるための事業 事業概要 ・プロモーション事業の実施 ・モビリティ・マネジメントの実施 ・住民が行うモビリティ・マネジメント事業の支援 実施状況 ・時刻表の発行 ・四賀地域バスの利用案内パンフレットの作成 ・デマンド交通の利用方法の周知等

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第3章 地域公共交通の現状及び市民の移動実態

1 地域概況と人口分布

⑴ 地域概況 図表 5 地域の概況 松本市は、長野県のほぼ中央に位置し、山形村は松本市の南西に位置します。地域の中心を奈 良井川が流れており、それに沿うように国道19号とJR 篠ノ井線が縦断しています。その他の 鉄道としては、松本駅から安曇野市方面へJR 大糸線、西へアルピコ交通の上高地線が運行して います。 地域の北部は山地が迫っており、四賀地区が山間にあります。地域の東部にも山地が迫ってお り、薄川が流れる谷は深くなっています。地域の南部は平地が広がっており、塩尻市、朝日村と 接しています。地域の北西部は平地が広がっており、安曇野市と接しています。西側には山間地 が広がっており、谷筋には安曇地区、奈川地区があります。

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15 ⑵ 人口分布 図表 6 本市及び山形村の人口分布 松本駅を含む中心市街地を核に人口が分布しています。更に地域を縦断する国道19号沿いに も人口分布が見られます。 出典:松本市総合交通戦略 (資料:平成22 年国勢調査−500m メッシュ人口総数(総務省))

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16 ⑶ 人口推移と将来推計 図表 7 松本市及び山形村の将来人口の推計

松本市の人口は、現在約24万人、今後、減少していくことが予測されます。25年後の20 40(平成52)年には、人口は約20万9千人になることが予測されます。山形村も、現在約 8,500人の人口が、2040(平成52)年には、約7,900人になることが予測されま す。高齢化も進み、2040(平成52)年の高齢化率は、松本市では34.6パーセント、山 形村では34.4パーセントになると予測されます。 223 ,637 229 ,917 233 ,756 239 ,539 243 ,46 5 242 ,541 243 ,037 240 ,659 236 ,370 230 ,632 224 ,037 216 ,780 208 ,9 78 5,578 6,230 6,513 7,208 7,706 8,195 8,425 8,494 8,462 8,378 8,254 8,076 7,862 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 昭 和 55 昭 和 60 平 成 2 平 成 7 平 成 12 平 成 17 平 成 22 平 成 27 平 成 32 平 成 37 平 成 42 平 成 47 平 成 52 山形村 松本市 (人) 昭 和 55 昭 和 60 平 成 2年 平 成 7年 平 成 12 平 成 17 平 成 22 平 成 27 平 成 32 平 成 37 平 成 42 平 成 47 平 成 52

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17 図表 8 松本市及び山形村の人口割合の推計 松本市 山形村 資料:国勢調査(平成 22 年まで) 資料:国立社会保障人口問題研究所推計値(平成 27 年以降) 22 .5 20 .4 17 .6 15 .8 15 .0 14 .6 14 .1 13 .5 12 .7 11 .9 11 .2 11 .0 11 .0 66 .7 67 .2 68 .0 67 .4 66 .0 64 .2 62 .2 59 .9 59 .3 59 .2 58 .7 57 .1 54 .4 10 .7 12 .4 14 .4 16 .8 19 .0 21 .1 23 .7 26 .6 28 .1 28 .9 30 .1 31 .9 34 .6 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 昭 和 55 年 昭 和 60 年 平 成 2 年 平 成 7 年 平 成 12 年 平 成 17 年 平 成 22 年 平 成 27 年 平 成 32 年 平 成 37 年 平 成 42 年 平 成 47 年 平 成 52 年 昭 和 55 昭 和 60 平 成 2年 平 成 7年 平 成 12 平 成 17 平 成 22 平 成 27 平 成 32 平 成 37 平 成 42 平 成 47 平 成 52 22 .2 22 .9 20 .0 17 .9 16 .2 16 .1 15 .4 14 .7 13 .2 12 .2 11 .6 11 .4 11 .6 64 .6 62 .9 64 .0 63 .1 63 .5 63 .1 62 .0 58 .9 58 .5 58 .4 57 .7 56 .5 54 .0 13 .2 14 .2 16 .0 19 .0 20 .3 20 .8 22 .6 26 .4 28 .3 29 .4 30 .7 32 .1 34 .4 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 昭和 55 年 昭和 60 年 平成 2 年 平成 7 年 平成 12 年 平成 17 年 平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 平成 37 年 平成 42 年 平成 47 年 平成 52 年 年少人口 (∼14歳) 生産年齢人口 (15∼64歳) 老年人口 (65歳∼) 昭 和 55 昭 和 60 平 成 2年 平 成 7年 平 成 12 平 成 17 平 成 22 平 成 27 平 成 32 平 成 37 平 成 42 平 成 47 平 成 52

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2 地域公共交通の運行状況

⑴ 地域公共交通の状況 図表 9 地域公共交通機関 松本市及び山形村の公共交通は、松本駅を中心に放射状に郊外部へ延びています。 鉄道は、JR 篠ノ井線、JR 大糸線が運行しているほか、アルピコ交通上高地線が、上高地方 面、新島々駅まで運行しています。 バス路線は、アルピコ交通のバス路線が主な交通機関となっています。これらを補完する路線 として、西部地域には西部地域コミュニティバスが、運行しています。 中山間地及び山間部では、市営バス四賀線、四賀地域バス、市営バス奈川線が運行しており、 一部が安曇野市へ乗り入れています。

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19 図表 10 主なバス路線の運行状況 便数 下り 上り 始発 最終便 中心市街地 タウンスニーカー北コース 8 - - 9:30 17:15 タウンスニーカー東コース 8 - - 10:15 17:40 タウンスニーカー南コース 9 - - 8:40 17:30 タウンスニーカー西コース 10 - - 8:10 17:50 北市内線東まわり 28 - - 6:40 20:35 北市内線西まわり 30 - - 6:25 21:40 横田信大循環線 47 - - 6:05 22:00 信大横田循環線 49 - - 5:40 22:10 松本行 松本発 便数 下り 上り 始発 最終便 北部 浅間線 36 18 18 7:07 18:50 新浅間線 5 2 3 8:05 15:45 四賀線 12 6 6 7:05 20:00 三才山線 16 8 8 7:03 20:10 鹿教湯温泉線 4 2 2 11:02 14:15 アルプス公園線 4 2 2 10:25 14:00 東部 美ヶ原温泉線 70 35 35 6:14 21:45 入山辺線 14 6 8 7:09 19:35 南部 並柳団地線 12 6 6 7:38 18:55 中山線 9 4 5 7:34 18:35 寿台線 25 12 13 7:01 21:10 松原線 14 7 7 7:06 19:30 内田線 4 2 2 9:38 15:00 南部循環線 8 - - 8:00 16:40 西部 空港・朝日線 32 16 16 6:55 20:45 大久保工場団地線 7 4 3 7:30 18:00 山形線 16 8 8 6:57 20:40 山形線(笹部団地止) 16 8 8 8:02 20:00 路線 便数 路線 便数 市内循環 出典:松本市全線時刻表

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20 ⑵ 公共交通環境の分析 ア 交通空白の分布 図表 11 交通空白の分布と公共交通カバー圏率 松本市及び山形村の公共交通カバー圏率を示します。公共交通カバー圏率は、全人口のうち 公共交通の駅、バス停から一定の範囲(公共交通勢圏)内にどれだけの人が住んでいるかを示 したものです。ここでは、平成23年度国土交通省調査に準じ、鉄道駅から1キロメートル、 バス停から500メートル圏内を公共交通勢圏としました。これによると、松本市及び山形村 の公共交通カバー圏率は90.3パーセント、交通空白人口は24,476人です。 松本市 山形村 合計 人口(人) 243,037 8,425 251,462 カバー圏人口(人) 220,235 6,751 226,986 交通空白人口(人) 22,802 1,674 24,476 カバー圏率(%) 90.6 80.1 90.3 朝日村 松本市 山形村 出典:平成22 年国勢調査−500m メッシュ人口総数(総務省) ※総人口は国勢調査結果によるため、500m メッシュ人口の総計 とは一致しない。 ※交通空白人口は、総人口からカバー圏人口をひいたもの

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21 イ 地区ごとの交通環境 (ア) 中心市街地及び市街地北部・東部地区 図表 12 交通環境 松本市の中心市街地は、松本駅から北東に広がっています。中心市街地を周遊するバス路 線としては、タウンスニーカー(北コース・東コース)が運行するほか、信大横田(横田信 大)循環線、北市内線が運行しています。 中心市街地から北東部には、浅間線(新浅間線)、中心市街地東部へは美ヶ原温泉線、入 山辺線が運行しています。 中心市街地から北部へ運行する路線は、三才山線、鹿教湯温泉線、四賀線が運行していま す。 中心市街地及び市街地北部・東部の地域は、アルピコ交通の路線バスが充実していますが、 美ヶ原温泉線と浅間線の狭間の惣社周辺、タウンスニーカー東コースの東の地域に交通空白 が見られます。 交通空白

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22 (イ) 市街地南東部地区 図表 13 交通環境 中心市街地から南東部地区は、寿台線(松原線、内田線)、並柳団地線、中山線が運行し ています。 また中心市街地付近では、南部循環線及びタウンスニーカー南コースが、運行しています。 寿台線とJR 篠ノ井線の狭間にある寿地区付近に人口が多い交通空白が見られます。 交通空白

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23 (ウ) 市街地西部地区 図表 14 交通環境 中心市街地から西部地区は、JR 篠ノ井線、JR 大糸線及びアルピコ交通上高地線が運行 しています。 バス路線は、山形線及び空港・朝日線(大久保工場団地線)が松本バスターミナルから南 西部に運行しているほか、西部地域コミュニティバス(A 線∼E 線)がこれらの路線を横に つなぐように運行しています。このうち山形線と西部地域コミュニティバスD 線及び E 線 は、山形村まで運行しています。 西部地域は、中心市街地北東部、南東部と比較して人口が薄く広く分布しています。交通 空白は、梓川地区に見られます。梓川地区ではかつて西部地域コミュニティバスがこれらの 地域をカバーするように運行しましたが、利用がなかったことから現在の運行となった経緯 があります。 交通空白

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24 (エ) 四賀地区 図表 15 交通環境 四賀地区には、松本バスターミナルと四賀支所を結ぶアルピコ交通四賀線、地域内を市営 バス四賀線と四賀地域バスが運行しています。四賀地域バスは日中、明科駅に運行するほか、 地域内をデマンド運行します。市営バス四賀線と四賀地域バスは当初、別々の地域の運行を 担っていましたが、四賀小学校の統合・会田中学校の通学対応のため、運行路線が重複する ようになりました。

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25 (オ) 安曇・奈川地区 図表 16 交通環境 松本駅から新島々駅までアルピコ交通上高地線が運行しています。新島々駅からは、アル ピコ交通上高地線(バス)(乗鞍線、白骨温泉線等)が安曇地区へ運行しています。波田駅 からは、市営バス奈川線が奈川地区へ運行しています。同線は、県道大野田梓橋停車場線八 景山地区での落石発生により、新島々駅経由の暫定ルートにより運行しています。また、日 中の地域内便でデマンド運行を行っています。

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26 ⑶ 地域公共交通の利用状況 ア 鉄道及びアルピコ交通路線バス乗車数 図表 17 昭和 53 年を基準とした利用者数の推移 出典:松本市事務報告書・アルピコ交通㈱(松本電気鉄道㈱は、平成23 年にアルピコ交通㈱に商号変更) (平成21 年以前の松電バス乗車数は、観光バスと路線バスの乗車数を分離せず集計) 図表 18 アルピコ交通路線バス及び上高地線の年間利用者数 (千人) 路線バス 上高地線 24 年度 2,320 1,557 25 年度 2,340 1,640 26 年度 2,287 1,597 出典:松本市事務報告書 図表 19 アルピコ交通㈱ 松本地区一般路線バス収支状況 (万円) 24年度 65,600 54,100 1,800 ▲ 9,700 25年度 68,000 54,700 2,000 ▲ 11,300 26年度 66,500 53,500 2,300 ▲ 10,700 営業利益 補助金 (国・県・市等) 売上 販売管理費 項目 出典:アルピコ交通㈱

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27 イ 西部地域コミュニティバス 図表 20 月別利用者数の推移 出典:松本市 図表 21 近年の利用者数 (人) ルート名 島内・新村線 A線 新村・平田線 B線 梓川・波田線 C線 今井・村井線 D線 平田・波田線 E線 計 24 年度 8,079 7,395 15,460 18,828 5,049 54,811 25 年度 8,069 8,592 17,763 21,001 3,554 58,979 26 年度 9,104 9,824 18,617 25,079 4,494 67,118 出典:松本市事務報告書 図表 22 平成 26 年度収支状況 出典:松本市 支出 収入 経常収益約740万円(9%) H26年度決算 国庫補助 約2,730万 円 31% 8,770… 運行経費 年間 約8,770 万円 市村補助 約5,290 万円 60% 7,500… 6,000… 4,500… 3,000… 1,500… 0.91 0.73 0.81 0.81 0.88 0.80 0.97 0.99 1.01 0.90 0.94 0.95 1.31 1.22 1.29 1.38 1.40 1.39 1.40 1.45 1.43 1.39 1.47 1.49 1.67 1.59 1.72 1.65 1.84 1.80 2.01 1.89 2.50 2.45 2.56 2.49 2.14 2.47 2.42 2.42 2.59 2.75 2.78 2.50 2.56 2.47 2.64 2.88 2.43 2.86 3.04 2.87 3.24 2.99 3.02 2.94 3.06 3.04 3.18 3.17 2.91 3.17 3.22 3.01 3.52 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 月別利用者数 A線 B線 C線 D線 E線 1便あたりの利用者数 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 (人/便) (人) (月)

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28 ウ 市営バス奈川線 図表 23 月別利用者数の推移 出典:松本市 図表 24 近年の利用者数 (人) 一般利用 スクール含む 24 年度 5,119 19,603 25 年度 6,321 20,121 26 年度 5,708 20,716 出典:松本市事務報告書 図表 25 平成 26 年度収支状況 出典:松本市 0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 大人 小人 福祉パス スクール 1便あたり利用者数(一般利用) 1便あたり利用者数 (人) (人/便) 平成24年 平成25年 平成26年 (月) 支出 収入 H26年度決算 国庫補助約260万円(15%) 経常収益約70万円(4%) 一般財源 約1,400 万円 81% 300… 運行 委託料 年間 約1,730 万円 17,300… 1,500… 1,200… 900… 600…

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29 エ 市営バス四賀線 図表 26 月別利用者数の推移 図表 27 近年の利用者数 (人) 一般利用 スクール含む 24 年度 3,470 7,967 25 年度 2,876 16,366 26 年度 2,871 13,871 図表 28 平成 26 年度収支状況 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 一般利用(人) スクール利用(人) 1便あたりの利用者数 (人/便) (人) 平成24年 平成25年 平成26年 (月) 支出 収入 H26年度決算 53% 26% 21% 500… 運行 委託料 年間 約570 万円 経常収益 約150 万円 国庫補助 約120 万円 一般財源 約300 万円 570… 100… 200… 300… 400… 出典:松本市 出典:松本市事務報告書 出典:松本市

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30 オ 四賀地域バス 図表 29 月別利用者数の推移 出典:松本市 図表 30 近年の利用者数 (人) 一般利用 スクール含む 24 年度 2,542 3,558 25 年度 2,661 14,044 26 年度 2,879 13,598 出典:松本市 図表 31 平成 26 年の収支状況 610… 支出 収入 H26年度決算 200… 経常収益 約180万円 610… 500… 400… 300… 運行経費 年間 約610 万円 30% 国庫補助160万円(26%) 市補助 約270万円 44% 出典:松本市 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 300円(310円) 100円 スクール 1便あたりの利用者数(一般利用者のみ) (人/便) (人) (月) 平成24年 平成25年 平成26年

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3 市民の移動実態

⑴ 移動実態調査の概要 本計画の策定に当たり、市民の移動実態及び公共交通に対する意識を把握するためのアン ケート調査(以下「移動実態調査」という。)を実施しました。日常の主な移動先を把握し、 上位計画で示されている拠点となり得る地点を導出しました。 移動実態調査の概要 調査対象: 配布数: 配布・回収方法: 調査期間: 有効回収数: 分析対象: 満15歳以上(平成26年4月1日現在)の松本市及び山形村在住者 10,000世帯 郵送により配布・回収 平成26年11月27日∼12月20日 ただし、調査期間終了後にも返送があった回答については有効票として扱った。 2,748世帯(有効回収率27.5%) ※ 1世帯あたり4人まで回答できるものとした。 5,485人、11,244トリップ ⑵ 移動実態調査の結果 ア 交通分担率と交通不便者 ・市民の移動の72パーセントが自家用車等に依存 ・回答者の19パーセントは交通不便者 図表 32 交通分担率と交通不便者 ■代表交通手段の分担率 ■交通不便者の割合 用語 定義 交通不便者 自分が自由に使用できる 移動手段を持たない者 非不便者 交通不便者以外の者

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32 イ 市民の日常的な移動先と時間 市民の移動を通勤・通学と通院・買物等の移動に分けて分析しました。 (ア) 通勤・通学における移動先 図表 33 主な目的地 集客地点名(仮称) 1 中心市街地エリア 2 信大・信州大学附属病院付近 3 市街地西部エリア 4 市街地南部エリア 5 エクセラン・松本工業高付近 6 庄内・筑摩エリア 7 国道 19 号沿線平田駅付近 8 野溝木工付近 9 大久保工場団地付近 10 臨空工業団地付近 通勤・通学における移動先として、松本駅前から信州大学周辺にかけての中心市街地が最 も多く見られます。その他、JR篠ノ井線沿線に沿って南部に通勤・通学者が多いことがわ かります。また、野溝木工、大久保工場団地、臨空工業団地などの工場集積地への通勤が見 られます。

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33 (イ) 通勤・通学の移動時間 図表 34 通勤・通学時間のピーク 通勤・通学時間のピークを見ると、行きは6時から10時の間に移動が集中しており、 81.0パーセントがこの時間帯に移動しています。 帰宅については、通勤、通学ともに15時頃から移動が増加します。通学は16から 17時に、通勤は18から19時にピークを迎えます。16時から20時の間に通学で 75.9パーセント、通勤で65.1パーセントの移動が集中しています。その後21時 頃より移動量は急速に減少します。6時からの累積で、20時までに82.1パーセント、 21時までに90.7パーセント、22時までに95.5パーセントが帰宅しています。 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 通勤(往) 通学(往) 通勤(復) 通学(復) (人) ※行きは到着時刻、帰宅は出発時刻にて算出

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34 (ウ) 通院・買物等における移動先 図表 35 主な目的地 集客地点名 1 松本城北部 11 笹部・島立 21 イオンタウン山形付近 2 横田・信州大学附属病院付近 12 ユー・パレット付近 22 山形村役場付近 3 松本城付近 13 コモ庄内付近 23 アイシティ 21 付近 4 カタクラモール付近 14 ツルヤ並柳店付近 24 波田駅付近 5 JR 松本駅付近 15 デリシア寿店付近 25 倭公園付近 6 あがたの森公園付近 16 JR 平田駅付近 26 なぎさライフサイト付近 7 デリシア桐店付近 17 JR 村井駅付近 27 JR 島内駅付近 8 水汲、浅間温泉付近 18 JR 南松本駅付近 28 大庭駅付近 9 信州大学付近 19 デリシア石芝店付近 - - 10 デリシア 2 惣社店付近 20 芳川公園付近 - - 通院・買物等の移動においては、スーパーや病院などの施設が立地している地点に移動需 要が見られます。これらの地点を集客地点と呼びます。集客地点は、本計画における生活拠 点となり得る地点です。

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35 a 集客地点のタイプ分け 集客地点に移動している人々の分布(集客範囲)を分析します。集客地点は、立地す る施設と集客範囲から3つのタイプに分けられます。 (a) タイプ1:中心地タイプ 鉄道駅が立地しており、交通拠点として機能しています。広い集客範囲を持つのが 特長です。 タイプ1(中心地タイプ)に分類される集客地点 JR松本駅付近/JR南松本駅付近/波田駅付近/JR村井駅付近/JR平田駅付近 図表 36 タイプ 1(中心地タイプ)の集客範囲 集客範囲は広い JR 松本駅付近 JR 村井駅付近

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36 (b) タイプ2:大規模生活拠点 集客力の高い施設があり、比較的広範囲から人々が集まっています。 タイプ2(大規模生活拠点)に分類される集客地点 横田・信州大学附属病院付近/松本城付近/カタクラモール付近/デリシア桐店付近/ デリシア2惣社店付近/コモ庄内付近/ツルヤ並柳店付近/アイシティ21付近/倭公園付近/ なぎさライフサイト付近 図表 37 タイプ 2(大規模生活拠点)の集客範囲 集客範囲は広い コモ庄内付近 アイシティ21 付近

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37 (c) タイプ3:小規模生活拠点 徒歩、自転車で移動可能な地域のスーパーなどが立地しています。集客範囲は比較 的狭く、大規模生活拠点よりも集客力が低くなっています。 タイプ3(小規模生活拠点)に分類される集客地点 松本城北部/あがたの森公園付近/水汲、浅間温泉付近/信州大学付近/笹部・島立/ ユー・パレット付近/デリシア寿店付近/デリシア石芝店付近/芳川公園付近/ イオンタウン山形付近/山形村役場付近/JR島内駅付近/大庭駅付近 図表 38 タイプ 3(小規模生活拠点)の集客範囲 集客範囲は狭い 笹部・島立付近 デリシア寿店付近

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38 b 生活圏の重なり また、それぞれの集客地点の集客範囲は互いに重なり合っていることがわかりました。 つまり、市民の生活圏は、複雑に入り組み合っている状態であるといえます。集約型都 市構造を目指すには、人々の移動を集約し、コンパクトにしていかなければなりません。 したがって、地域公共交通の整備によって、重なり合った生活圏をいずれかの拠点に政 策的に誘導することが必要であるといえます。 図表 39 [参考]生活圏の重なりの様子 集客地点の集客範囲は相互に重なり合っている

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39 (エ) 集客地点と既存路線との比較による生活拠点の具体化 調査から導出された集客地点から交通拠点及び生活拠点を導出するための検討を行い ます。図表 40をみると、集客地点へは概ね鉄道やアルピコ交通路線バスや西部地域コミ ュニティバス等が既に運行していることがわかります。 図表 40 集客地点と現行路線の整備状況

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40 (オ) 集客地点と路線のあり方の検討 a 市街地北部地域 市街地北部では、デリシア桐店や信州大学付近、水汲、浅間温泉付近に集客地点が見 られます。この地域には、浅間線、四賀線、三才山線、鹿教湯温泉線等が運行していま すが、追分交差点付近に路線が集中しています。このことから追分交差点付近を交通拠 点として整理することが考えられます。 b 市街地東部地域 市街地東部では、デリシア2惣社店付近が集客地点として見られます。また、中心市 街地内ですが、カタクラモール付近にも大きな需要があります。カタクラモールは現在 閉店していますが、今後イオンモールの開業が予定されており、大きな需要が見込まれ ます。 路線の運行状況としては、美ヶ原温泉線がデリシア2惣社店前を通って高密度で運行 しており、惣社で入山辺線が分岐しています。 このことから、美ヶ原温泉線を幹線とした路線の階層化が考えられます。 c 市街地南東部地域 市街地南東部では、JR篠ノ井線が軸となっており、南松本駅、平田駅及び村井駅が 交通拠点となります。地域の北部では、コモ庄内、ユー・パレット、ツルヤ並柳店等に 集客地点が見られます。これらの集客地点が生活拠点となっていると考えられることか ら、この中から交通拠点を位置付け、地域を運行する公共交通を結節することが考えら れます。地域の南部を見るとデリシア寿店が集客地点として導出され、生活拠点となっ ています。デリシア寿店付近にある「寿台東口」からは、運行密度の高い寿台線から、 松原線、内田線が分かれていることから、寿台東口は交通拠点にもなり得ます。 d 市街地西部地域 市街地西部地域では、JR篠ノ井線、大糸線とアルピコ交通上高地線(鉄道)、空港・ 朝日線及び山形線(バス路線)が松本駅から放射状に運行し、それらを横につなぐよう に西部地域コミュニティバスが運行しています。集客地点のほとんどは、いずれかの路 線上に位置しており、現行の路線で中心市街地までアクセスが確保されています。 なぎさライフサイトへは、タウンスニーカー西コースが松本駅から運行していますが、 片回りの循環路線のため、なぎさライフサイトを交通拠点とするためには、松本駅との 連携の強化が必要です。

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41 ウ 中心市街地内の目的地 休日に中心市街地でよく訪れる場所について複数回答で聞いたところ、図表 41のような 結果が見られました。井上、アリオ、パルコ及びカタクラモールといった商業施設が立地す る場所への移動が見られます。 全体的な傾向としては、あがたの森通りから松本城までのエリアに移動が集中しています。 休日の賑わいを創出する中心市街地の中でも、まずは、このエリアの公共交通を優先的に整 備することが必要です。 図表 41 中心市街地でよく訪れる場所

[複数回答] あがたの森公園 松本城 東松本ショッピングセンター 市立中央図書館 パルコ 井上 アリオ カタクラモール

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4 地域公共交通に対する意識

⑴ 地域公共交通等の利用環境の満足度 移動実態調査では、付帯調査として、地域公共交通に対する意識を調査しました。 バス、電車及び自転車の利用環境満足度を比較すると、バスの利用環境に満足している者は 7.4パーセント、不満足と回答した者は46.6パーセントと電車に比べ満足度が低く、不 満足度が高くなっています。バスの利用環境満足度について、バスの利用者と非利用者を比較 すると、非利用者ほどバスに対する満足度が低く、不満足度が高いことがわかります。 図表 42 バス・電車・自転車の利用環境満足度 図表 43 バスの利用頻度と利用環境満足度 満足 7.4% 11.0% 7.1% ふつう 46.0% 60.3% 55.8% 不満足 46.6% 28.7% 37.2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 凡例 バス 電車 自転車 N=4, 207 N=4,108 N=4,010 満足:大変満足・やや満足 不満足:大変不満・やや不満 満足 29.4% 6.7% 7.4% ふつう 36.5% 46.3% 46.0% 不満足 34.1% 47.1% 46.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 凡例 利用者 非利用者 全体 N=126 N=4,073 N=4,207 満足:大変満足・やや満足 不満足:大変不満・やや不満 利用者:週2日以上利用 非利用者:利用頻度月数回以下 ※利用頻度に無回答の者がいるためNの合計値は一致しない

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43 ⑵ バスの利便性向上のために必要なこと バスの利便性向上のために必要なこととしては、「夜遅くまで運行する」が最も高く、次い で「家の近くまでバス停を整備する」、「松本駅まで直接行くバスを整備する」などがあげられ ました。公共交通カバー圏率が一定の水準に達していることを考えると、本市では、運行時間 を延長するなど松本駅まで運行するバスの強化が重要であるといえます。更に、「バスが来る 時間をわかりやすくする」、「電車への乗換えをスムーズにする」、「バス停に屋根やベンチを設 置する」にも一定の需要が見られることから、これら利便性を高める取組みを合わせて行って いくことが効果的であるといえます。 図表 44 バスの利便性向上のために必要なこと 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 夜遅くまで運行する 家の近く(500m以内)にバス停を整備する 松本駅まで直接行くバスを整備する バスが来る時間をわかりやすくする 電車等への乗り換えをスムーズにする バス停に屋根やベンチの整備する バスの遅れの解消 ICカードを使えるようにする N=3,813

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5 現状のまとめ

⑴ 地域公共交通の現状 JR線、アルピコ交通上高地線、アルピコ交通のバス路線、西部地域コミュニティバス等の 運行により、カバー圏率は90.3パーセントであり、面的には公共交通の整備がされている といえます。 ⑵ 長期的に地域公共交通の利用者が減少 ア アルピコ交通路線バスの利用者数 昭和53年以降利用者が長期的には減少しています(同年と比較すると約20パーセント 以下に減少)。平成22年以降は下げ止まりの傾向となっています。 イ アルピコ交通上高地線の利用者数 路線バスの利用者数と同様に減少しています(同年と比較すると約70パーセント程度に 減少)。平成17年以降は緩やかな増加傾向となっています。 ⑶ 民間による公共交通事業の採算性 利用者の減少は、民間事業者の公共交通事業の継続に大きな打撃を与えており、アルピコ交 通は平成19年に私的整理を行っています。 路線における利用者は、郊外の区間で少ない傾向にあり、採算を悪化させています。このよ うな不採算区間において、今後も民間事業者によって運行を維持していくことは困難になって きています。 ⑷ 移動実態調査の結果 ア 市民の移動について 市民の移動手段の多くは、自家用車等に依存したものでした。市民の19パーセントは交 通不便者であり、公共交通等による移動手段の確保を必要としています。 イ 市民の生活圏 市民の移動先は、主に中心市街地に向いています。通勤・通学については、中心市街地の ほかに臨空工業団地及び大久保工場団地への移動が見られたほか、安曇野市方面及び塩尻市 方面といった市外への移動が見られました。 通院・買物等については、地域の商業施設がある地点への買物移動が多く見られたことか ら、各地域に人々を集客している集客地点が存在し、地域の生活拠点にもなっていると考え られます。集客地点の集客範囲(生活圏)は、互いに重なり合い、人々の移動は複雑になっ ています。

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45 ⑸ 公共交通に対する市民の意識 ア 市民の満足度 市民のほとんどは、日常的に公共交通を利用していない一方、公共交通に対する満足度が 低く、不満足度が高い状況です。特に、バスに関しては、利用していない者ほど不満足度が 高くなっています。 イ バスの利便性向上に必要なこと 郊外へ延びるバス路線は運行する便数が少ないこと、また、夜の便においては21時以降 に中心市街地からの帰宅便がないバス路線が多いことから、利便性が低い状況です。 市民意識としては、バスの利便性向上に必要なこととして「夜遅くまで運行する」の占め る割合が最も高く、次いで「家の近くまでバス停を整備する」があげられました。公共交通 カバー圏率は90.3パーセントであり、面的には公共交通が整備されているといえること から、バスの利便性向上に当たっては、現在ある路線の運行の充実が必要です。

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6 地域公共交通の現状、市民の移動実態及び意識から見る課題

⑴ 地域公共交通の現状に係る課題 市民の移動実態と地域公共交通網を比較した結果、人々が集まる地点には概ね公共交通が運 行しており、最も需要の多い中心市街地へ運行しています。このことから、地域公共交通網は 既存の公共交通を基本として設計することが望ましいといえます。また、公共交通環境の分析 結果等から、以下の課題を解消する取組みが必要です。 【課題】 ・人口の多い交通空白地帯が存在 ⑵ 集約型都市構造を目指す上での課題 集約型都市構造を実現するための路線の再編に当たっては、移動実態調査で導出された生活 拠点を結び、交通拠点を位置付けることでネットワーク化された地域公共交通網を整備し、路 線の集約化による強化及び地域公共交通の運行の役割分担を図る必要があります。 移動実態調査の結果から市民の生活圏は相互に重なり合っていたことから、以下の課題を解 消する取組みが必要です。 【課題】 ・複数の生活拠点に移動している地域が存在 ⑶ 市民の意識や行動に係る課題 ア 市民満足度 移動実態調査の結果から、交通不便者以外の多くの市民は、移動手段を自家用車に頼って おり、自家用車の交通分担率は70.5パーセント4でした。また、バス利用環境に対する 市民の満足度は低く、地域公共交通は十分に使われていない状況です。 集約型都市構造を機能させるには、整備した地域公共交通が市民に十分に利用されなけれ ばなりません。そのためには、以下の課題を解消する取組みが必要です。 【課題】 ・市民の移動行動は自家用車に過度に依存 ・地域公共交通の利用環境に対する低い満足度 イ 利便性向上に必要な取組み 面的な整備と同時に夜遅くまでバスを運行するなど既存の路線の強化があげられました。 以下の課題を解消する取組みが必要です。 【課題】 ・バスの利便性を向上するための既存路線の強化 ・地域から中心市街地までの移動手段の強化 4 自家用車による送迎(家族の運転)を含む。

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47 ⑷ 地域公共交通の確保・維持に係る課題 現在、交通事業者が運行しているバス路線の中には、不採算路線が多くみられます。地域公 共交通を確保・維持するためには、以下のような課題を解消する取組みが必要です。 【課題】 ・交通事業者の運行する地域以外をカバーする公共交通の確保・維持

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第4章 地域公共交通網再編及び活性化に関する方針

1 基本的方針

⑴ 人々の行動を転換するための地域公共交通網を形成します。 松本市次世代交通政策実行計画では、集約型都市構造を目指しています。したがって本計画 でも、個別の地域における交通課題を解決するだけでなく、市民の行動を自家用車から徒歩・ 自転車・公共交通に転換することを目指します。 そのために、地域公共交通網の利便性を高め、その状態を一定期間維持するものとします。 これにより人口や施設立地、市民の行動が、それに合わせて変化するような取組みを行います。 ⑵ 市民及び地域を訪れるすべての人を対象とします。 交通不便者だけでなく、市民及び地域を訪れるすべての人が自家用車から望ましい移動手段 への転換を図れるよう地域公共交通網を形成します。 ・徒歩、自転車、公共交通等を利用して中心市街地へ移動できる。 ・通勤・通学にも使える。 ・観光で訪れた者にも利用できる。 ・交流人口の増加にも寄与する。 ⑶ 地域公共交通網整備と公共交通の利用促進を両輪で展開します。 地域公共交通網形成の目的は、市民等に利用(選択)される地域公共交通を構築するもので す。そのために、地域公共交通網の整備に合わせ、地域公共交通の利便性を高める取組みや情 報発信を積極的に行います。また、市民の地域公共交通利用に対する意識を高めるための利用 促進に注力します。 ⑷ 交通事業者、行政及び地域が分担して維持していく地域公共交通網を形成します。 地域公共交通網の持続的な運営のために交通事業者、行政及び地域が役割を分担します。 ・交通事業者は、需要量が多く、公共交通事業としてある程度の採算が見込める路線を主に運 行します。(図表45の①) ・行政は、少ないながらも、一定の需要がみられ地域公共交通網を形成するために必要な路線 を運行します。交通事業者が運行する場合は、その支援をします。(図表45の②) ・地域住民等は、上記で対応できない小さな需要に対し、主体的な地域公共交通の運営と一定 の負担することが考えられます。行政はその運営を支援します。(図表45の③)

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49 ⑸ 市民の移動手段の転換を図るため公共交通の利便性を高めます。 市民の移動手段の転換を図るため公共交通の利便性を高める施策を実施します。 (図表45の④) ⑹ 過疎地域等においては日常生活に必要な移動を持続的・効率的に確保します。 過疎地域等では、日常生活において自家用車を利用した移動に頼らざるを得ません。した がって、都市計画区域のように市民の移動手段の転換を目指すのではなく、既存の集落におい て市民の生活、特に、交通不便者の日常生活に必要な移動を持続的・効率的に確保していきま す。 図表 45 交通事業者、行政、地域が分担する地域公共交通網 ※ 市民の移動手段の転換が見られなかった場合は、地域公共交通の水準を再検討します 市民の移動手段の転換には一定の時間を要することが考えられますが、地域公共交通を充実させ ても市民の移動手段の転換が見られなかった場合は、計画の見直しを行う必要があります。具体的 には、5年後の計画目標年度における評価・検証で、市民の移動手段の転換が見られなかった場合 は、地域公共交通の運行を高い水準で維持していくことの可否を判断します。 需要が多い地域 運 行 頻 度 面的な整備 ③地域 需要が少ない地域 市民の移動の転換を図るため 利便性を高める部分 ・バスの運行時間の延長 ・行き帰りの移動機会(便数)の確保 行政が確保すべき部分 ・交通空白地帯の解消 ・日常生活に必要な移動の確保 地域が主体となって移動手段を確保する部分 ・地域主導型公共交通等 ②行政 ①民間事業者 サービスの向上 必要な移動の確保 ④ ④

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2 整備の方針

⑴ ネットワーク化された利便性の高い地域公共交通網の整備 ア 生活拠点のネットワーク化 各地域の生活拠点を交通拠点と接続します。交通拠点と中心市街地までのアクセスを確保 します。また、生活拠点同士も必要に応じて接続します。 〇生活拠点におけるネットワーク化の考え方 ■立地適正化計画の考え方を取り入れる 生活拠点に集まる人が居住する範囲を生活圏と呼びます。 地域公共交通網整備の基本的な考え方として、立地適正化計画の考え方を取り入れま す。すなわち、市民の移動を公共交通により誘導し、振り分けることを前提とします。こ れは、生活圏に優先度を設定することを意味しており、その際には適正性が求められます。 適正性の判断は、松本市総合交通戦略の考え方にしたがって中心市街地に誘導することを 最も適正性が高いこととします。 図表 46 中心市街地を含む生活圏の考え方 ・生活拠点から中心市街地を通過してまで移動できるバス路線は整備しません。 [参考]移動の振り分け 移動実態調査では、A スーパーへ移動している人はX地区からも見られたとします。し かし、X地区からAスーパーへの公共交通を整備することは効率的とはいえません。X地区 からは、Bスーパーへの公共交通を確保し、日常生活における移動も、中心市街地への移動 も確保するものとします。 図表 47 移動の振り分けのイメージ X地区 中心市街地 中心市街地 生活圏 生活拠点 生活拠点 生活圏

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51 図表 48 生活圏集約の考え方 ・複数の生活拠点に移動している地域では、少なくともどちらか一方の生活拠点への 移動を確保し、生活圏の重なりを整理します。 ・生活拠点間の移動は必要に応じて検討します。 [参考]ひとつの地域にひとつの生活拠点 生活圏集約について、具体的に考えます。 Y町会からは、A スーパーがある生活圏 A と B スーパーがある生活圏 B を利用してい る人がそれぞれいます。また、少し離れた C スーパーに行きたいという人もいます。市民 が希望するすべての地域に行けるように公共交通を整備すれば最も便利になるのですが、 それでは膨大な路線を整備しなければなりません。 本計画では、原則ひとつの地域からひとつの生活拠点へのアクセスできるよう公共交通 の整備を進めます。 図表 49 生活圏集約のイメージ Y町会

参照

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