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地域公共交通網形成計画の目標

1  目標設定の考え方 

本計画の最終的な目標は、市民の行動を自家用車利用から徒歩・自転車・公共交通を優先した ものに転換していくものです。このような市民の移動手段の転換は、まちなかにおける交流と賑 わいを創出し、地域経済の活性化にもつながるものとなります。

そのために、利便性の高い地域公共交通網の整備及び市民の意識を転換するための取組みの方 針を示しました。

そこで、本計画の目標は、⑴利便性の高い地域公共交通網が整備され、⑵それが利用されるよ うになり、⑶人々の意識と行動が転換し、まちなかに交流と賑わいが生まれるまでのそれぞれの 段階において目標値を設定するものとします。

図表 52  方針と目標の対応

●整備の方針

●意識転換の方針

                             

目  標 

⑴  利便性の高い地域公共交通網を整備する 

【成果指標】 

・幹線の運行頻度 

・交通空白人口 

⑴  ネットワーク化された利便性の高い地域公共交通網 の整備 

ア  生活拠点のネットワーク化  イ  バス路線の階層化 

⑵  わかりやすく利用しやすい環境整備    ア  情報発信の充実 

イ  誰にも利用しやすい環境整備 

⑴  地域公共交通を積極的に利用しようとする市民意識 の醸成 

ア  通勤・通学における公共交通利用の促進  イ  地域におけるMYバス意識の醸成  ウ  公共交通に配慮した社会風土の醸成 

⑵  環境整備に合わせた利用促進 

  ア  再編した路線に関する情報提供と利用促進    イ  新規サービスの活用や連携 

⑵  地域公共交通網が十分に利用される 

【成果指標】   

・上高地線の利用者数 

・バスの利用者数(幹線・支線) 

・地域における公共交通運営主体の形成 

⑶  市民の移動手段が転換し、まちなかに交流 と賑わいが生まれる 

【成果指標】 

・市民満足度調査 

市民がすすんで公共交通を利用している  (自身が)すすんで公共交通を利用している 

・まちなか歩行者数 

 

 

⑴  人々の行動を転換するための地域公共交通網 を形成します。 

⑵  市民及び地域を訪れるすべての人を対象とし ます。 

⑶  地域公共交通網整備と公共交通の利用促進を 両輪で展開します。 

⑸  市民の移動手段の転換を図るため公共交通の 利便性を高めます。 

⑹  過疎地域等においては、日常生活に必要な移 動を持続的・効率的に確保します。 

≪基本方針≫

⑷  交通事業者、行政及び地域が分担して維持し ていく地域公共交通網を形成します。 

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2  各段階における目標と成果指標 

⑴  地域公共交通網の整備における目標   

 

地域公共交通網の整備においては、利便性の高い地域公共交通網が整備されていることを目 指します。具体的に確保する利便性の高さ(サービス水準)について、以下に示します。 

 

ア  市民の生活スタイルの転換に必要なサービス水準 

・中心市街地にある勤め先や学校にエコ通勤(通学)ができる。 

・休日においても中心市街地に自家用車を乗り入れずに訪れることができる。 

 

イ  交流増加への寄与に必要なサービス水準 

・中心市街地において、公共交通等を利用してスムーズに移動できる。 

・外国人を含む観光客がスムーズに公共交通を利用できる。 

 

ウ  交通不便者の生活確保に必要なサービス水準 

・交通空白及び公共交通が非効率に運行されている地域がほぼ解消されている。 

・市民が公共交通等を利用して移動でき、日常的な用事5を済ますことができる。 

 

■成果指標と目標値 

地域公共交通の利便性を高める上で、中心市街地へのアクセスの強化が最も重要です。そこで、

中心市街地にアクセスする幹線においては、一定以上の頻度で運行するようにします。 

松本市次世代交通政策実行計画では、公共交通カバー圏に住んでいる者の割合(公共交通カ  バー圏率)を成果指標とし、公共交通が整備されている地区に人口を誘導することも踏まえたも のです。しかし、本計画では、地域公共交通の面的な整備結果としての交通空白人口を成果指標 とします。これは、現在の居住を前提に交通空白人口に対応する目標とするものです。目標値と しては、人口減少率を考慮した上で、平成32年の交通空白人口を22,300人とすることを 目指します。 

 

成果指標  現状値  目標値(H32) 

幹線の運行頻度  ‑  平均 1 時間に 1 本 

交通空白人口(バス 500m、鉄道 1km)  24,476 人  22,300 人 

 

 

   

5 通院・買物等日常生活に必要な最低限の用事

利便性の高い地域公共交通網を整備する 

幹線:路線を階層化し、幹線として位置付けたものについて目標値を設定する。 

交通空白人口: 

〔現状値〕p20参照 

〔目標値〕人口減少率を考慮し、平成 22 年から平成 27 年の松本市、山形村の人口減少率(約 99.1 パーセント)を乗じた。 

[24,476×99.1 パーセント=24,251 人] 

      地域公共交通の整備によってカバーする交通空白人口は現状の交通空白地帯を考慮し、2,000 人とする。 

  [24,251‑2,000≒22,300 人] 

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⑵  地域公共交通の利用に関する目標   

利便性を高めた地域公共交通網が持続的に維持されるためには、それぞれの路線で一定以上 の利用が必要です。 

また、地域が公共交通の運行に積極的に関わり、新たな運営主体として、参画することを目 指します。 

 

■成果指標と目標値 

鉄道については、人口が減少する中においても、アルピコ交通上高地線の利用者数を現在の水 準で維持することを目標とします。 

バスについては、利用者数を現在よりも増加させることを目標とします。幹線の利用者数は、

松本市次世代交通政策実行計画に掲げる目標値(2,300人/日)を目指します。支線の利用 者数は、西部地域コミュニティバスの利用者数を代表値とし、年間3,000人増加した際の水 準である211人/日を目指します。 

地域における公共交通の運営主体については、5地域以上で運営組織の形成を目指します。 

 

             

     

   

成果指標  現状値(H25)  目標値(H32) 

上高地線の利用者数  約 160 万人/年  160 万人/年  バスの利用者数  6,711 人/日  7,072 人/日    幹線の利用者数  2,033 人/日  2,300 人/日    支線(西部地域コミュニティバス)の利用者数  162 人/日  211 人/日  地域における公共交通運営主体の形成  3 地域  5 地域以上 

地域公共交通網が十分に利用される 

幹線利用者数:松本市次世代交通政策実行計画に掲げる目標値 

西部地域コミュニティバス:現在の利用者数の5パーセント増を目標とし、目標増加数を 3,000 人/年とする。その他過疎地域における利用者数は 現状維持を目標とする。 

バス利用者数全体の目標:松本市次世代交政策実行計画に掲げる公共交通の利用者数目標の増加率をアルピコ交通路線バス利用者数に適用し、西部 地域コミュニティバス、市営バス(四賀線・奈川線)、四賀地域バスの利用者数目標と足し合わせた。

▲北市内線(西まわり)信州大学附属病院乗入れ

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⑶  市民の移動手段の転換に関する目標   

 

市民の移動手段が、過度に自家用車に依存した状態から、公共交通等を中心とした状態に転 換することを目指します。 

また、市民や観光客の中心市街地での移動が公共交通等を中心とした移動に転換することに より、まちなかを歩く人が増え、賑わいが生まれる状態を目指します。 

   

■成果指標と目標値 

松本市では、毎年、行政施策の進捗状況を継続的に把握することを目的として、市民満足度調 査を実施しています。市民満足度調査における、「市民(全体)あるいは自身の公共交通の利用」

に関する行動評価を指標とし、1から4ポイントの中間点である2.5ポイントを目指します。

まちなかの賑わいを評価する指標としては、「松本市商店街歩行者通行量調査」から算出され るまちなか歩行者数を採用し、平成21年以降の増加傾向を維持した場合の数値である41,5 00人/9hを目指します。 

 

成果指標  現状値  目標値(H32) 

「市民満足度調査」 

市民がすすんで公共交通を利用している 

(1 当てはまらない〜4 当てはまる)で評価した場合の平均点 

1.73  2.5 

「市民満足度調査」 

(自身が)すすんで公共交通を利用している 

(1 当てはまらない〜4 当てはまる)で評価した場合の平均点 

1.96  2.5 

まちなか歩行者数  約 33,700 人/9h  約 41,500 人/9h  市民の移動手段が転換し、まちなかに交流と賑わいが生まれる 

▲大名町通りのトランジットモール(松本カーフリーデー)

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