• 検索結果がありません。

計画の達成状況の評価・検証

1  地域公共交通網のマネジメント 

地域公共交通網を持続的に発展させていくための進行管理の仕組み及び体制について示しま す。地域公共交通は、Plan(計画)Do(実行)Check(評価・検証)Action(改善)の PDCA を繰り返すことで、改善を図っていくものとします。PDCAサイクルは、地域公共交通網全体、

路線や交通拠点のまとまり(地域)及び個々の路線ごとにそれぞれ実施します。

⑴  地域公共交通網を運用していく上での各主体の役割  図表 58  各主体の役割

ア  松本市地域公共交通協議会の役割 

松本市地域公共交通協議会は、地域全体の視点から地域公共交通網全体の改善、幹線路線 の改善に関する必要事項を交通事業者に伝達する役割、地域公共交通網の運行計画策定、評 価・検証及び改善、利用促進の検討と実施、本計画の進捗管理を担います。

イ  交通事業者の役割 

地域公共交通の運行を担う者として、安全性とサービス水準を保障します。更に、利便性 の向上と維持に向けた努力を継続するとともに、利用促進策に積極的に取り組むものとしま す。

 

〇松本市地域公共交通協議会

・地域公共交通網の設計、改善

・運行計画の策定

・利用促進の推進

・計画の進捗管理

〇市民

・公共交通への移動の転換

〇交通事業者

・安全で利便性の高い公共交通の運行

・サービスの向上

・利用実績や収支等情報の公開

・利用促進の実施

〇行政

・市営バス等の運行

・公共交通の利便性を高める整備

・公共交通の運行に係る費用の一部負担

・利用促進の推進

・松本市地域公共交通協議会の事務局

〇地域

・地域における啓発活動

・地域における公共交通の 検討・運営

〇民間企業

・中心市街地へのエコ通 勤の推進

〇学校

・通学における公共交通 の利用の推進

・児童・生徒等に対する モビリティ・マネジメント

81 ウ  市民の役割 

地域公共交通及び交通事業者の現状を理解し、地域公共交通を持続可能にさせる維持活動

(積極的な利用、地域における啓発活動、公共交通に合わせた移動行動への転換促進など)

を実践します。更に、地域公共交通を担う者として、その運営に主体的に参画します。

エ  行政の役割 

行政は、地域公共交通網の確保・維持に係る必要な費用負担を行い、松本市地域公共交通 協議会の事務局としての機能を担います。更に市民、交通事業者に対しては速やかな意思疎 通と合意形成を可能にするためのコーディネーターとしての役割を担います。

 

 

 

82

2  評価・検証の具体的な方法 

第5章では、地域公共交通網を継続し、より使いやすく改善していく仕組みとして、質的な目 標の達成状況を評価するための成果指標と目標値を設定しました。地域公共交通の利用に関して は、目標値を達成するため、以下の方法で詳細な評価・検証を行います。

 

⑴  路線別に数値目標を設定 

本計画の目標を達成するために、各路線に対して詳細な数値目標を設定します。各路線の評 価・検証に当たっては、設定した数値目標を達成できるよう改善するものとします。

⑵  数値目標に対する考え方 

地域公共交通網を整備しても、市民の移動手段の転換が図られるまでには時間がかかります。

例えば、これまで整備してきた西部地域コミュニティバスでは、目標値の1便当たり2人を達 成するまでに約3年かかりました。本計画の目標も6年後の平成32年に向けて設定するもの とします。

目標の達成に向けて交通事業者、市民、行政が最大限努力するように働きかけます。事業の 評価・検証は、毎年実施し、数値目標を達成できていない路線については、達成に向け、ルー ト、ダイヤ、バス停位置や運行の形態等の改善を行いながら運行を継続します。

その上で、平成32年度に総合的な評価を行います。総合的な評価において、路線の利用が 見込めないと判断した場合は、廃止を含めた協議を行います。

⑶  地域公共交通の水準の再検討について 

平成32年度には、総合的な評価を行います。本計画では地域公共交通の利便性を高めます が、総合的な評価において、人々の移動手段の転換がみられないと判断した場合は地域公共交 通の水準を再検討します。人々の移動手段の転換を評価する基準としては、「地域公共交通網 が十分に利用される」ための成果指標である「バスの利用者数目標値7,072人/日」とし ます。

       

 

83

3  評価・検証と改善のサイクル 

路線における評価・検証及び改善は毎年実施し、運行改善を図るものとします。

⑴  1年間の評価・検証の方法 

各路線における毎年の評価・検証は、以下のサイクルで実施します。運行の見直しは、原則 として毎年10月に行います。ただし、小中学校のスクール利用に対応しているなど特殊な事 情がある場合は、それに応じた見直し時期を検討します。

運行の改善計画は、路線の課題を受けて4月から6月までにかけて検討します。その後、協 議会や地元での合意を経て、10月に見直しを実施します。10月以降、評価・検証に必要な データを収集するための各種調査を実施し、見直しの効果を評価・検証し、次年度の改善につ なげます。

図表 59  年間のPDCAサイクル

   

⑵  中期的な評価・検証の方法 

路線の整備状況や市民の移動行動、意識の転換については、平成29年度において中間評 価を行います。中間評価の結果に応じて、必要な利用促進策や施設整備を改めて検証し、平 成32年度に向けて実施します。

 

(乗込み調査等) 

関連したドキュメント