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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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氏 名 石原 正義

授与した学位 博 士

専攻分野の名称 環境学

学位授与番号 博甲第 6199 号

学位授与の日付 2020年 3月25日

学位授与の要件 環境生命科学研究科 環境科学専攻

(学位規則第4条第1項該当)

学位論文の題目 河道湾曲部における横越流量公式に関する研究

論文審査委員 教授 前野 詩朗 准教授 吉田 圭介 准教授 赤穗 良輔

学位論文内容の要旨

本研究は,洪水制御施設の一つである遊水地や調節池における越流堤の横越流現象に着目し,河道湾曲部 における越流量を求める公式を提案するものである。提案する横越流量公式を用いて,実河川形状での横越 流量についても算出し本公式の適用性を検証した。また,越流効率が高い,つまり越流堤長を短縮すること や遊水地の調節容量を適切に確保することでコストを縮減でき,また,維持管理面においても優れた越流堤 の天端形状についても提案し,その施工事例についても示す。

遊水地や調節池は,地形条件や社会的制約条件により,河道の直線部だけでなく湾曲部にも設置する場合 がある。既往の研究により,直線水路での横越流に関しては,多くの研究が行われているが,遊水地等を設 置する蛇行河道の多い中上流域の湾曲河道を対象とした横越流に関する研究事例は少ない。また,越流堤の 天端形状についても,台形堰,刃型堰,円弧堰など形状が異なる場合の越流に関しても研究事例は少ない。

河道湾曲部では河道断面方向に2次流が形成され3次元の流れが生じる中,越流堤を設置した場合,さらに 横越流による常流と射流が混在する複雑な流れとなる。このため,遊水地等の精度の高い横越流量を求める ためには,水理模型実験または3次元解析や準3次元解析による手法が用いられており,時間,費用,労力 が懸けられてきた。そこで,本論文では,既往の河道水理模型実験の結果と分析,基礎的な直線水路及び湾 曲水路を用いた実験及び解析の実施により,簡易に河道や水路の湾曲部における横越流量を算出しうる公式 を提案する。

以下について,水理実験及び3次元解析による研究を行い,効率的な越流堤形状,河道湾曲部での横越流 量を精度高く求める公式を提案し,その適用性について検証を行った。

(1) 越流堤形状と越流効率に関する研究

(2) 直線及び湾曲基礎水路設置される横越流堰の横越流量の実験及び解析による研究と公式の提案 (3) 実河道湾曲部における横越流量と横越流公式による横越流量の検証

(2)

論文審査結果の要旨

近年,豪雨による甚大な洪水災害が頻発するようになった。このような洪水被害を未然に防ぐため,特に人 口や資産が集中している下流域への洪水ピーク流量を減少させる治水対策の一手法として,その上流域へ設置 する遊水地や調節池がある。その際,遊水地へ水を誘導するために堤防の一部区間を切り下げる横越流堤が設 置される。横越流堤は従来は河川の直線部に設置されるのが通例であるが,昨今の豪雨災害を受けて,中上流 部を流下する河川などでも設置されるようになってきており,地形的な制約により必ずしも直線部だけでなく 湾曲部に設置することが余儀なくされる場合が増えてきた。ところが,湾曲部に設置される横越流堤の越流公 式は確立されたものがなく直線部に設置される横越流堤の公式が流用されているのが現状である。

以上の背景により,本研究では,洪水制御施設の一つである遊水地や調節池における越流堤の横越流現象に 着目し,既往の河道水理模型実験の結果と分析,基礎的な直線水路及び湾曲水路を用いた実験及び数値解析に より,河道湾曲部における越流量を簡易かつ高精度に求める公式を提案するものである。

提案した横越流公式は実験結果をよく再現出来ることが分かった。また,過去に実施されている実河川形状 を用いた縮尺模型実験に適用した結果,横越流量を従来公式よりも精度良く算定出来ることを示した。

本研究で得られた成果は,今後全国の多くの河川において遊水地や調節池を設計する際に大いに貢献するも のであり工学的意義は大きい。したがって,本論文は博士(環境学)の学位に値するものと判断する。

参照

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