氏 名 堺 浩一
授与した学位 博 士
専攻分野の名称 工 学
学位授与番号 博甲第 6643 号
学位授与の日付 2022年 3月 25日
学位授与の要件 環境生命科学研究科 環境科学専攻
(学位規則第4条第1項該当)
学位論文の題目 UAVグリーンレーザ計測による河川管理の適用検討
論文審査委員 准教授 吉田 圭介 准教授 木本 和志 教授 西山 哲
学位論文内容の要旨
本論文は,UAV グリーンレーザ計測技術を利用して,その位置精度と計測特性を明らかにし,河川管理 を高精細かつ効率的に三次元点群データを取得できる計測手法を確立すること,さらに高精細な三次元点群 データの特徴を活かした,河川管理への適用を検討するものである。
毎年のように台風や集中豪雨が発生し,それにともなう水害が甚大な被害をもたらしている。災害リスク のある箇所を把握するために,いくつかの河川では航空レーザ測深(ALB)による点群計測が行われている。
しかしALBは,対地高度400m以上の高度からレーザ計測を行うため,三次元点群の点密度が1平方メー トル当たり数点となる。こうした数点の三次元点群は,土砂や植生等で形成される河道の自然地形を再現で きるが,護岸や護床といった河川構造物を把握するためには,十分な点密度ではないといった課題があっ た。また,河川構造物の点検は,熟練者による巡視点検が基本となっており,広い河川空間を点検するため に,多くの時間を要している。また,変状箇所の有無を目視で確認し,その長さや深さをポールや巻尺等で 計測している。しかしこういった点検は,変状箇所のみが記録され,周辺地形と合わせて定量的な変化を捉 えた点検が困難であった。近年,計測機器の小型化と軽量化が進み,UAV をプラットフォームとして利用 できるグリーンレーザスキャナが登場した。このUAVグリーンレーザ計測は, 1平方メートル当たり数十 点から数百点といった高密度で陸部と水部の河道の形状を三次元点群データとして取得できる。しかし,
UAVグリーンレーザ計測は,数年前から実用化が始まった機材であるため,既往研究は少ない。
そこで本論文では,UAV グリーンレーザ計測技術を用いて陸部と水部,さらに実環境である河川におい て実験計測を行い,その位置精度と計測特性を明らかにした。また,実験計測から把握したUAVグリーン レーザ計測の特性を反映した点群測量の作業効率化ツールを開発した。さらにUAVグリーンレーザ計測で 取得される高精細な三次元点群データから,河川構造物点検に利用できる,誰もが分かり易く定量的に把握 できる「見える化」手法を提案し、河川管理の適用検討を行った。本研究成果の活用により,河川の点群測 量と河川維持管理の効率化と高度化が実現でき,河川の災害を軽減させ,住民の生命と資産を守ることにつ なげられると期待される。
論文審査結果の要旨