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博士(工学)佐野 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)佐野 学位論文題名

地す べり安定解析用強度 パラメ一夕の決定方法 に関する研究

学位論文内容の要旨

  急峻ナょ山地が多く、複雑で脆弱な地形・地質構造の地域が広く分布し、加えて降雨降雪 量 が 極 め て 多 い わ が 国 で は 、 こ れ ま で 数 多く の 地 す べり 災 害 を被 っ て きて い る 。   これらの地すべり災害のうち、とくに第三紀層の地すべりでは軟らかい岩質が素因とナょ っていて、これに、断層や褶曲などの地質構造的な運動が加わって周辺地盤に亀裂が生じ、

さらに集中豪雨・融雪・地震など厳しい自然環境が誘因となってすべり運動を活発化させ ている。こうした地すべり現象は自然斜面の崩壊にとどまらない。近年の急速な大規模開 発による人為的な原因によって新たナょ地すべりの危険地域が増加する傾向にあり、兵庫県 南部地震の際に典型的に現れたように、大地震の発生が地すべりを誘発する危険性も増大 している。

  一 方 、 地 す べ り 安 定 解 析 に 用 い る 強 度 パ ラ メ ー タの 妥 当 性は 、 斜 面の 安 定 性の 評 価 の み な ら ず 対 策 工 の 選 定 や そ の 効 果 に大 き な 影 響を 与 え るも の で あり 、 す べ り 面 上 で 動 員 さ れ る 強 度 パ ラ メ ー タ の 適 切な 設 定 は 地す べ り 問題 を 扱 う上 で 基 本 的 に 重 要な 課 題 であ る 。 そ して 、 よ り信 頼 性 の高 い 地 すぺ り 安 定解 析の ために は、

軟 岩 の せ ん 断 強 度 特 性 の 把 握 と そ れ に 適 した 試 験 装 置の 開 発 が必 要 で ある 。 し か し な が ら 、 こ の 種 の 問 題 に 関 す る 研 究 は 極め て 限 ら れて お り 、実 務 に おい て は 経 験 的 手 法 に 頼 っ て い る の が 現 状 で あ る 。 そこ で 、 本 研究 で は 地す べ り 斜面 の 安 定 計 算 に 不 可 欠 な 設 計 用 強 度 パ ラ メ ー タ の 決定 に 関 し て、 軟 岩 の残 翻 強 度を 精 度 よ く 測 定 し 得 る 装 缶 の 開 発 と 、 そ の 測 定 値 を用 い た 設 計用 強 度 パラ メ ー タの 合 理 的 な決定方法の確立を目的とした。

  本論文は6章からなっている。

  第1章は、序論として本研究の背景と目的を述べている。

  第2章 では、地すべり安定解析に用いる強度パラメータの決定に関する従来の研究につ いてまとめた。実用的手法として従来から多く用いられてきている逆算法の問題点を明ら かにし、その修正法や実験値を用いてすべり面上での平均強度パラメ一夕を求める方法な ど最近の研究に関して整理し、本研究の位鐙付けを行なっている。

  第3章 では、本研究の主題のーつである設計用強度パラメータの決定方法に関する理論 展開を示し、実用的算定法を提案している。

  地すべり安定解析には遇圧密状態での排水せん断強度を採用する必要があるとの基本的 な考え方に立ち、その際に採用すべき強度パラメー夕(c。,¢。)は、ピーク(cp.¢。)か ら完全軟化(c .¢.)を経て残留状態の強度(Cr.¢,)に至るまで連続的に変化するものと

‑ 470ー

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して 、過圧密 比(OCR)の関数で 表現し 得ることを示した。さらに地すべりの2大要因であ る、降雨等による間げき水圧上昇に基づく有効応カの滅少によって生じる強度減少と、す べり 面上の土 の化学的風化の進行等に基づく強度減少とが、ともにOCRの関数で表される ととらえ、地すべり面付近から採取した試料による実験値としての(c。,¢。)、(c ,¢.)

および(cr.¢,)の3組の強度パラメータと、逆算法に基づくc−tan¢図とを組み合わせ る こ と に よ っ て 、 設 計 用 強 度 パ ラ メ ― 夕 を 決 定 す る 実 用 的 な 方 法 を 提 案 し た 。   第4章では 、もうーつの研究課題である信頼性の高いせん断強度の測定方法について論 じている。

  第三紀層地すべりの素因が固結度の低い岩質にあることから、初生すべりに対応するピ ーク強度から再活動型地すべりに対応する残留強度までの軟岩のせん断特性を把握するた めに、ピーク強度と残留強度とを比較的簡単に測定できる、実務上即応性の大きな軟岩用 自動繰返し一面せん断試験装置を開発した。これは、単一の試験装置でしかも一個の供試 体からピーク強度と残留強度とを測定でき、また供試体の準備が容易であり、構造が簡単 なため操作性に優れた実用的な試験装置である。地すべり地から採取した試料を用いた実 験の結果、インタクト試料およびスラリー試料から求められた残留強度はほぼ等しく、単 一の試験装置によってピーク、完全軟化および残留状態の各レペルにおける強度パラメー タを精度良く測定し得ることを確認した。

  第5章では 、地すべり斜面の安定解析用強度パラメ一夕の決定方法として、現地におけ る調査・観測も含めて設計用強度パラメータの決定に至るまでの手順を詳細に説明してい る。まず、土質試験値をそのまま安定解析に適用することには問題が多く実状に合致しな いことを実例を含めて明らかにし、っぎに本研究で提案された設計用強度パラメー夕決定 方法の適用に当たっての具体的な手順を説明し、算定例を示した。

  第6章は結 諭で、 本研究で 得られた 成果を まとめ、 今後の 課題について述べている。

‑ 471

(3)

学 位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

三 田地 土 岐 石 島 澁 谷

     学位論文題名

地すべり安定解析用強度パラメ一夕の決定方法に関する研究

  地 す べ り 斜 面 の 安 定 解 析 に 用 い る 強 度 パ ラ メ 一 夕 の 妥 当 性 は 、 斜 面 の 安 定 性 の 評 価 の み な ら ず 対 策 工 の 選 定 や そ の 効 果 の 判 定 に 大 き な 影 響 を 与 え る も の で あ り 、 す べ り 面 上 で 動 員 さ れ る 強 度 の 適 切 な 予 測 が 地 す べ り 問 題 を 扱 う 上 で 基 本 的 に 重 要 な 課 題 で あ る 。 し か し な が ら 、 こ の 種 の 問 題 に 関 す る 研 究 は 極 め て 限 ら れ て お り 、 実 務 に お い て は 経 験 的 手 法 に 頼 っ て い る の が 現 状 で あ る 。 急 峻 な 山 地 が 多 く 、 複 雑 で 脆 弱 な 地 形 ・ 地 質 構 造 の 地 域 が 広 く 分 布 し 、 加 え て 降 雨 降 雪 量 が 極 め て 多 い わ が 国 で は 、 こ れ ま で 数 多Iく の 地 すべ り災 害を 被 っ て き て い る が 、 と く に 第 三 紀 層 の 地 す べ り で は 軟 ら か い 岩 質 が 素 因 と な っ て い て 、 約

ある こと を明 らか にし た。

@ 地 す べ り 安 定 解 析 に 採 用   状 態 を 経 て 残 留 状 態 に 至 る   し た 。 さ ら に 、 地 す べ り 面   態 に お け る 強 度 パ ラ メ ― 夕   よ っ て 、 設 計 用 強 度 パ ラ メ

◎ 軟 岩 の 強 度 特 性 を 把 握 す   を 開 発 し 、 地 す べ り 地 か ら   ク 、 完 全 軟 化 お よ び 残 留 の

@ 現 地 に お け る 調 査 ・ 観 測

く 測 定 法 の 確 問 題 点 理 し 、 十 分 で

す べ き 強 度 パ ラ メ 一 夕 (c. ¢ ) の 、 ピ ー ク か ら 完 全 軟 化 ま で の 変 化 を 、 過圧 密比 の関 数と して 表現 し 得る こと を示 付 近 か ら 採 取 し た 試 料 に よ る 実 験 値 と し て の 上 記3つ の 状 と 、 逆 算 法 に 基 づ くcーtan¢ 図 と を 組 み 合 わ せ る こ と に 一 夕 を 決 定 す る 実 用 的 な 方 法 を 提 案 し た 。

る た め の 操 作 性 に す ぐ れ た 自 動 繰 返 し 一 面 せ ん 断 試 験 装 置 の 採 取 試 料 を 用 い た 実 験 に よ っ て 、 単 一 の 試 験 装 置 で ピ ー 各 状 態 に お け る 強 度 を 精 度 良 く 測 定 し 得 る こ と を 確 認 し た も 含 め て 、 本 研 究 で 提 案 さ れ た 設 計 用 強 度 パ ラ メ ー タ の 決 定 方 法 を 適 用 す る に 当 た っ て の 具 体 的 な 手 順 を 説 明 し 、 算定 例を 示し た。

        P 之 介 二 啓         丶 利 祥 洋

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