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日本呼吸器学会雑誌第45巻第2号

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Academic year: 2021

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(1)

要旨:今回私たちは COPD,非 COPD 患者計 204 例の臨床データを用いて身体障害者 3 級に相当する ADL レベルの判別について,現行の基準の妥当性および日常的指標の中で何が基準として妥当性を持つかについ て統計学的に解析を行った.結果,現行の判定基準は今回の検討症例に当てはめた場合,sensitivity,speci-ficity はそれぞれ 77.6%,74.8% であったが false positive が多い傾向を認め,また原疾患によって感度, 特異度に差を認めた.ロジスティック回帰分析,分割表分析および ROC 曲線を用いた検討では原疾患によ らず MRC scale の 4 以上,酸素の使用,および 6 分間歩行距離 340m 未満の 3 つの基準が身障 3 級相当の ADL の判別に有用であることが示され,これらの基準を用いた場合には現行の基準と比べても感度,特異 度において優れた結果が得られた.

キーワード:COPD,非 COPD,慢性呼吸不全,ADL,6 分間歩行試験

COPD,Non-COPD,Chronic respiratory failure,Daily activities,6-minute walking test

身体障害者福祉法施行規則において,呼吸器機能障害 の 3 級は「呼吸器の機能障害により家庭内での日常生活 が著しく制限されるもの」と定義されている.この定義 に基づき昭和 59 年に同級の認定基準として以下の項目 が定められている. ・指数(FEV1!predVC)が 20 を超え 30 以下のもの ・動脈血酸素分圧が 50Torr を超え 60Torr 以下のも の ・またはこれに準ずるもの(運用上は MRC scale で grade 4 相当の呼吸困難がある状態を用いている) 実際の運用においては各都道府県の裁量に任されてい るため,これらの基準をどの様に当てはめるかについて は都道府県毎に若干の差異が認められるが,愛知県,岐 阜県においてはこの 3 つの基準のうち少なくとも 2 項目 を満たすことが 3 級の認定に必要とされている. 身体障害者福祉法は医学的な原因によって ADL の障 害された人達を社会的に救済することをその主旨として おり,その給付の基準は現状の ADL レベルを正しく反 映していなければならない.しかし直接的な自覚症状や ADL の評価では主観が入るため,できれば基準には客 観的な数値が含まれていることが望ましいと思われる. そしてその客観的な基準には科学的な根拠が必要であ り,また公平性も確保されていないといけない.さらに 可能な限りその基準は高度な検査技術や特殊な機器を必 要とせず,日常的に用いられる検査で得られるものであ るべきである.現行の基準は呼吸困難度とともに血液ガ ス,1 秒量の 2 つの日常的でかつ客観的なパラメーター を加えて構成されている.しかしこうして作られた基準 が実際の ADL と正しく対応するかどうかについての科 学的根拠は十分示されていない.また臨床の現場におい ては呼吸器の障害による身体障害者の認定の基準が他の 内部障害と比較して厳しすぎるのではないかという意見 が以前より聞かれ,最近では患者団体からも基準の見直 しを求める声が公式に上げられている.さらに現行の FEV1を用いる基準では換気の障害を主な病態とする COPD や肺結核後遺症に対しては鋭敏であるが,拡散 障害を主体とする疾患,特に間質性肺炎においてこの基 準が不適切ではないかという疑問も以前から現場で上 がっており,実際に近年立石らは 400 例を超える運動負 荷試験の経験から特に肺結核後遺症や間質性肺炎患者の 等級認定が COPD 患者と比べて運動能力の視点から見 て公平性を欠くことを指摘している1) . 私たちはこれまで主に呼吸リハビリテーションプログ ラム対象者に対し運動耐容能評価として 6 分間歩行試験 をルチンに実施してきた.その実施に際しては肺機能, 血液ガス,臨床症状などの評価ととともに,リハビリテー ションの効果を判定する指標とするため一定の基準に 従って ADL 評価を行ってきている.今回私たちはその 臨床記録を基に,まず 1)現行の身体障害者認定基準が

安藤 守秀

1)

岡澤 光芝

2)

3)

榊原 博樹

2) 〒503―8502 岐阜県大垣市南頬町 4―86 1)大垣市民病院呼吸器科 2)藤田保健衛生大学医学部呼吸器内科・アレルギー科 3)芥見診療所 (受付日平成 17 年 11 月 29 日)

(2)

Table 1 Spector-Katz Index ADL: independent-1,dependent-0 Feeding independent-1,dependent-0 Transfer independent-1,dependent-0 Dressing independent-1,dependent-0 Bathing IADL: independent-1,dependent-0 Shopping independent-1,dependent-0 Transportation

ADL-IADL isevaluated by the sum ofeach score (0:totally dependent,6:totally independent)

Table 2 Generalcharacteristicsofthe patients

non-COPD (n=93) COPD (n=111) 69 ± 6 70 ± 7 Age (years) 69 :24 104 :7 Male / Female 159 ± 8 161 ± 7 Height(cm) 20.2 ±3.8 19.7 ± 3.0 BMI 1-1,2-15,3-34,4-43 1-7,2-23,3-40,4-40,5-1 MRC scale 6.1 ±1.7 6.7 ± 1.9 BDIfocalscore I-2,II-21,III-45,IV-43 GOLD stage 76.2 ± 10.8 74.7 ± 11.1 PaO2(Torr)

*34 caseswere breathing oxygen. *26 caseswere breathing oxygen.

47.0 ± 8.4 43.7 ± 7.4 PaCO2(Torr) 1,740 ± 790 2,580 ± 840 VC (ml) 58.1 ± 23.6 81.5 ± 21.1 VC (% predicted) 1,080 ± 570 990 ± 480 FEV1(ml) 41.2 ± 19.8 37.3 ± 15.7

FEV1(% predicted)

68.2 ± 18.5 43.3 ± 11.2 FEV1/FVC (%) 352 ± 90 368 ± 90 6MWD (m) - 5.7 ± 4.7 - 5.2 ± 4.2 Δ SpO2(%) 4.4 ± 2.2 3.9 ± 2.0

Borg scale afterthe 6-minute walk

BMI:body massindex,BDI:Baseline Dyspnea Index,VC:vitalcapacity,FEV1:forced expiratory volume in 1 second, FVC:forced vitalcapacity,6MWD:6-minute walking distance,Δ SpO2:oxygen desaturation during the 6-minute walk.

どの程度実際の ADL を反映しているか,2)現行の基 準に実際に疾患毎の判定の差異が存在するかどうか,の 2 点について検討し,さらに 3)科学的手法を用いて日 常的に用いられる臨床指標のなかから ADL の判定に有 用な指標を選び出し,4)そうして選び出した指標が実 際に現行の基準と比較してより正確に,また疾患の差な く ADL を判定しえるかどうか,についても検討を行っ た.

対象と方法

1.対象 藤田保健衛生大学および芥見診療所で平成 7 年 6 月か ら平成 14 年 2 月までに行われた 6 分間歩行試験の記録 より,検査当時臨床診断の確定していた一連の安定期に ある慢性呼吸器疾患患者 204 例(COPD 111 例,非 COPD 93 例―肺結核後遺症 61 例,間質性肺炎 19 例,気管支 拡張症 6 例,塵肺 4 例,DPB 3 例)の記録を抽出し, 検討対象とした. 2.方法 ・ADL の基準 現行の基準,あるいは新たに作製した基準が患者の ADL を正しく反映しているかをみるため,ADL 判定に ついて以下のように基準を定めた.

1)ADL については Spector-Katz の Index(Table 1)2) を 使 用 し て 評 価 を 行 っ た.こ の Index は ADL-Instrumental ADL(IADL)を 6 つの標準動作で評価す るもので,自立して可能な場合をそれぞれ 1,依存―不 可能を 0 として 6 点満点で評価している. 2)身体障害者の等級 3 は「家庭内での日常生活が著 しく制限されるもの」とされている.1 級はこれに対し 「身辺の日常生活が著しく制限されるもの」,また 4 級は 「社会での日常生活が著しく制限されるもの」とされ,3 級と区別されている(この基準は障害の種類にかかわら ず一定である).従って 3 級の ADL レベルとしては, 身辺はある程度自立しているが自由な屋外活動はほぼ完 全に障害され,屋内での ADL にも一部制限が生じてい る状態と解釈される. 3)身体障害者 3 級以下に相当するレベルを Spector-Katz の Index に当てはめた場合には,買い物や交通手 段を用いた外出は完全に不可能であり,屋内活動につい てはかろうじて自立∼一部不自立なレベル,すなわち 4 ポイント以下のレベルであると考えられる. 以上より,今回の検討では Spector-Katz の Index の

(3)

Fig. 1 ADL-IADL score A:COPD group,B:non-COPD group

ADL スコア 4 を基準として ADL の判定性を評価する こととした. ・データ収集 対象を COPD 群,非 COPD 群に分けた上で,以下の 指標について retrospective に臨床記録よりデータを収 集した.

・年齢,身長,体重,Body Mass Index(BMI) ・Medical Research Council(MRC)scale3)

による呼 吸困難度

・酸素使用の有無

・肺 機 能 検 査 値(肺 活 量(VC),%VC,1 秒 量 (FEV1),%FEV1,1 秒率(FEV1!FVC))

・血液ガス ・6 分間歩行距離,歩行中の酸素飽和度変化,歩行後 の呼吸困難感 6 分間歩行試験は 30m の 直 線 の 廊 下 お よ び 24m の サーキットを用いて,Steele のプロトコール4) に準拠し, 標準化された説明と激励によって実施した,酸素吸入者 は労作時処方吸入量で酸素を吸入した状態で検査を実施 し,Spo2<80% で歩行を中止とした. ・統計解析 ADL を反映する臨床指標の検討に際しては,上記指 標についてパラメトリックな指標についてはロジス ティック単回帰を,またノンパラメトリックな指標につ いては分割表分析を用いて ADL-IADL スコア 4 以下と 5 以上に対する判別性を検討した.さらに選択された各 指標の比重についてロジスティック多変量解析を用いて 検討した.また 6 分間歩行距離と FEV1指数との ADL の判別性の比較には, ROC 曲線による AUC を用いた. また新たに作製した ADL の判定基準と現行の身障基準 の妥当性の比較には感度,特異度を比較した.

1.患者背景 COPD 群(111 例),非 COPD 群(93 例)の患者背景 を Table 2 に示した.COPD 患者は GOLD stage III,IV の重症以上が 88 例(79%)を占めていた.非 COPD 群 は年齢,BMI,%FEV1,MRC scale および 6 分間歩行 距離において COPD 群とほぼ同等なレベルにあった.

今回の検討症例は全例安定期にあり,酸素吸入は安静 時での室内気の PaO2が 60Torr 未満の患者(HOT 患者 および HOT 準備中の患者)を対象に行われていた.

2.ADL-IADL スコアの分布

Spector-Katz の Index で評価した ADL-IADL スコア の 分 布 を Fig. 1に 示 し た.COPD 群,非 COPD 群 と も 外来患者が中心で ADL の自立した者が多くを占め, ADL スコアが 4 以下の者はそれぞれ 25 例(22.5%),24 例(25.8%)であった. 3.現行の基準による判定状況(Table 3A∼C) 今回の対象症例において岐阜県,愛知県における身障 3 級の認定レベル(FEV1指数が 30 以下,室内気での PaO2が 60Torr 以下,MRC 4 以上の呼吸困難,の 3 項 目のうち少なくとも 2 項目を満たす者)は全体では 204 例中 77 例(37.7%),COPD では 111 例中 39 例(35.1%), 非 COPD では 93 例中 38 例(40.9%),であった. 身障 3 級の基準を満たすもののうち ADL スコアが 4 以下に該当したものは全体では 38 例(18.6%)で,39 例(19.1%)は基準を満たしていたが実際の ADL スコ アは 5 以上(false positive)であった.逆に ADL スコ ア 4 以下の 49 例中 11 例は身障 3 級に該当していなかっ た(false negative).従って現行の認定基準の ADL 判 定に対する sensitivity,specificity はそれぞれ 77.6%, 74.8% であった.同様に COPD では身障 3 級の基準を 満たすもののうち ADL スコアが 4 以下に該当したもの

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Fig. 2 Simple logisticregression curvesshowing the relation between ADL-IADL score and FEV1Index

(A),and 6-minute walking distance (B)in patientswith COPD.

 The Y-axisindicatesthe probability ofan ADL-IADL score of4 orless.When the 6-minute walking dis -tance is270 m,the probability ofan ADL-IADL score of4 orlessis50%.

Table 3 Accuracy in determining the levelthree respiratory handicapsus -ing the currentcriteria A.Allcases ADL score> 5_ ADL score< 4_ 77 39 38 Positive judgment 127 116 11 Negative judgment 204 155 49 B.COPD ADL score> 5_ ADL score< 4_ 39 19 20 Positive judgment 72 67 5 Negative judgment 111 86 25 C.non-COPD ADL score> 5_ ADL score< 4_ 38 20 18 Positive judgment 55 49 6 Negative judgment 93 69 24 D.Interstitiallung disease ADL score> 5_ ADL score< 4_ 4 0 4 Positive judgment 15 13 2 Negative judgment 19 13 6 は 20 例で,19 例は基準を満たしていたが実際の ADL スコアは 5 以上であった.逆に ADL スコア 4 以下の 25 例中 5 例は身障 3 級に該当していなかった.従って現行 の認定基準の ADL 判定に対する sensitivity,specific-ity はそれぞれ 80.0%,77.9% であった.同様に非 COPD においては身障 3 級該当者 38 例中 ADL スコアが 4 以 下であったのは 18 例で,20 例は 3 級相当であったが実 際の ADL はスコア 5 以上であった.また 逆 に 6 例 は ADL スコアが 4 以下であったが 3 級の基準を満たして い な か っ た.以 上 よ り 非 COPD に お け る sensitivity. specificity はそれぞれ 75.0%,71.0% であった. 4.間質性肺炎症例における現行基準による判定の状 況(Table 3D) 間質性肺炎症例 19 例中 4 例(21.1%)が身障基準 3

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Fig. 3 Cross-table analysesbetween ADL-IADL score and GOLD stage (A),supplementaloxygen use (B), and MRC scale (C)in patientswith COPD.

級に該当した.ただし FEV1指数については 30 以下に 相当する者は 1 例もなかった(これに対し COPD では 111 例中 61 例(55.0%)が 30 以下であった).間質性肺 炎症例中 ADL スコア 4 以下は 6 例で,このうち 2 例は 3 級の基準を満たしていなかった.身障基準を満たして いながら ADL スコアが 5 以上の症例は間質性肺炎では 認めなかった.以上より間質性肺炎における現行の基準 の sensitivity,specificity は そ れ ぞ れ 66.7%,100% で あった. 5.ADL を反映する指標の検討 ・COPD 群における ADL スコアと各指標との関係 COPD 群ではパラメトリックな指標のうち BMI(R2 = 0.0423),PaCO(R2 2=0.0623),%VC(R2=0.0779),%FEV1 (R2 =0.0778),FEV1指数(R2=0.0738)がロジスティッ ク単回帰において ADL スコアと有意の相関を示した が,いずれも R2 は 0.1 以下であった.FEV1指数は有意 の相関を示したが,Fig. 2 に示したように回帰曲線にお いて現行の身障基準レベルである 30% では ADL 4 以下 の確率が 50% に達していなかった.6 分間歩行距離は R2 =0.2378 で ADL スコアと有意の相関を示し,270m で 50% の確率で ADL スコアが 4 以下となることが示 された. ノンパラメトリックな指標(MRC scale, 酸素の有無, GOLD の stage)のうちでは,MRC scale 3 以下!4 以上 および酸素の有無と ADL-IADL スコア 4 以下!5 以上と の間に有意の関連が認められたが,GOLD の stage では 有意な関連を認めなかった(Fig. 3). 以上より COPD 患者の ADL スコア 4 以下判別に有用 な指標として.1)6 分間歩行距離,2)酸素使用の有無, 3)MRC scale の 3 つの指標が今回検討に用いた指標の 中では選択され得ると考えられた. ・COPD 群における ADL-IADL を判別する各指標の 比重 上記 3 指標についてそれぞれの比重を多変量のロジス ティック回帰を用いて検討すると,Table 4 に示したよ うに各指標の比重は MRC で 1.246,6 分間歩行距離で 0.803,酸素の有無が 2.617 であり,3 指標の比重に差が ないことが示された. ・非 COPD 群における ADL-IADL スコアと各指標と の関係 非 COPD 群ではパラメトリックな指標のうち PaO2 (R2 =0.0404),PaCO2(R2=0.0411),が ADL ス コ ア と

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Fig. 4 Simple logisticcurvesshowing the relation between ADL-IADL score and FEV1index (A),and

6-minute walking distance (B)in patientswith non-COPD lung disease.

 Y-axisindicatesthe probability ofan ADL-IADL score of4 orless.When 6-minute walking distance is255 m,the probability ofADL-IADL score of4 orlessis50%.

Fig. 5 Cross-table analysesbetween ADL-IADL score and supplementaloxygen use (A),and MRC scale (B)in patientswith non-COPD lung disease.

Table 4 Multivariate logisticregression modelestimating ADL score < _ 4 in patientswith COPD from the three s e-lected parameters Oddsratio 95% CI, upperlimitlowerlimit p χ2 SD Estimation - 1.422 - 4.932 0.0167 5.73 0.881 - 3.108 Intercept 3.475 2.538 - 0.005 0.0509 3.81 0.638   1.246 MRC grade (1-3/4,5) 0.436 0.609 - 2.280 0.2527 1.31 0.726 - 0.830 6MWD (270m) 13.689 3.862  1.476 < 0.001 18.89 0.602   2.617 Supplementaloxygen (+ / - )

p< 0.0001,R2= 0.341

Abbreviationsare shown in table 1.

ロジスティック単回帰で有意の相関を示したが,いずれ も R2 は 0.1 以下であった.FEV1指数は ADL スコアと 有意の相関を示さず,また 30% では Fig. 4 に示したよ うに ADL 4 以下となる確率は 50% に達していなかっ た.6 分間歩行距離は R2 =0.1710 の有意の相関を示し, 50% の確率で ADL スコアが 4 以下となる距離は 255m であった. ノンパラメトリックな指標(MRC scale,酸素の有無) では,MRC scale 3 以下!4 以上および酸素の有無と ADL-IADL スコア 4 以下!5 以上との間に有意の関連が

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- 0.481 - 5020 0.0185 5.55 1.119 - 2.638 Intercept 14.148  4.589  1.201 0.0013 10.32 0.8258   2.650 MRC grade (1-3/4,5) 0.449  0.723 - 2.504 0.3175 1.00 0.801 - 0.801 6MWD (255m) 2.952  2.314 - 0.114 0.0776 3.12 0.613   1.083 Supplementaloxygen (+ / - )

p< 0.0001,R2= 0.328

Fig. 6 Simple logisticcurvesshowing the relation between ADL-IADL score and FEV1Index (A),and

6-minute walking distance (B)in patientswith interstitiallung disease.

 The Y-axisindicatesthe probability ofan ADL-IADL score of4 orless.When 6-minute walking distance is280 m,the probability ofan ADL-IADL score of4 orlessis50%.

Fig. 7 ROC curves,FEV1Index (A)and 6-minute walking distance (B)

認められた(Fig. 5). 以上より非 COPD 患者の ADL-IADL スコア 4 以下!5 以上の判別に有用な指標として.1)6 分間歩行距離,2) 酸素使用の有無,3)MRC scale の 3 つの指標が今回検 討に用いた指標の中で選択され得ると考えられた. ・非 COPD 群における ADL-IADL を判別する各指標 の比重 COPD の場合と同様に上記 3 指標についてそれぞれ の比重を多変量のロジスティック回帰を用いて検討し た.結果,Table 5 に示したように各指標の比重は MRC

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Table 6 Accuracy in determining the levelthree respiratory handicap us -ing the new criteria A.Allcases ADL score> 5_ ADL score< 4_ 70 30 40 Positive judgment 134 125 9 Negative judgment 204 155 49 B.COPD ADL score> 5_ ADL score< 4_ 33 15 18 Positive judgment 78 71 7 Negative judgment 111 86 25 C.non-COPD ADL score> 5_ ADL score< 4_ 37 15 22 Positive judgment 55 54 2 Negative judgment 93 69 24 D.Interstitiallung disease ADL score> 5_ ADL score < _4 7 1 6 Positive judgment 12 12 0 Negative judgment 19 13 6

Table 7 Predictive ability ofthe currentand new criteria forADL

Overallaccuracy NPV PPV Specificity Sensitivity Allcases 75.5 91.3 46.4 74.8 77.6 currentcriteria 80.9 93.3 57.1 80.7 81.6 new criteria COPD 78.4 93.1 51.3 77.9 80.0 currentcriteria 80.2 91.0 54.6 82.6 72.0 new criteria Non-COPD 72.0 89.1 47.4 71.0 75.0 currentcriteria 81.7 96.4 56.5 78.3 91.7 new criteria Interstitiallung disease 89.5 86.7 100 100 66.7 currentcriteria 94.7 100 85.7 92.3 100 new criteria

PPV:positive predictive value,NPV:negative predictive value

で 2.650,6 分間歩行距離で 0.801,酸素の有無が 1.083 で 3 指標の比重に差が無いことが示された.

・間質性肺炎症例における検討

間質性肺炎症例 19 例について同様の解析を行った. パ ラ メ ト リ ッ ク な 解 析 で は 間 質 性 肺 炎 症 例 で は%VC,%FEV1.FEV1指数,6 分間歩行距離が ADL と有意の相関を示した.しかし FEV1指数では ADL 4 以下が 50% を超える値は Fig. 6 のように 48% と現行の 基準(30%)より高い値となっていた.6 分間歩行距離 で ADL スコア 4 の確率が 50% を超えるポイントは 280 m であった. ・6 分間歩行距離と FEV1指数の比較 6 分間歩行距離と FEV1指数のどちらがより判定基準 として適しているかを比較するため全対象例について 6 分間歩行距離と FEV1指数の ADL 4 以下の判別性につ いて ROC 曲線の AUC で比較した.結果,Fig. 7に示し たように 6 分間歩行距離の AUC は 0.798,FEV1指数の AUC は 0.618 で 6 分間歩行距離の AUC の方が大きな値

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6.6 分間歩行距離を含めた場合の ADL の判定精度 (Table 6,7)

従来の判定基準(PaO2 60Torr 以下,FEV1指数 30 以 下,MRC scale 4 以上のうち 2 つ以上を満たす)と今回 選択された指標を用いて作製した新しい基準(酸素吸入 あり,6 分間歩行距離 340m 未満,MRC scale 4 以上の うち 2 つ以上を満たす)とを比較した.新しい基準を用 いた場合,3 級と判定される人数は 70 名と現行の基準 の場合より 7 名減少した.しかし true positive は逆に 2 名増加しており,false positive が 39 名から 30 名へと減 少していた.これに対し本来 3 級とされるべきであるの に認定からもれる false negative は現行基準の 11 名か ら,新基準では 9 名に減少していた.これを sensitivity, specificity,positive predictive value,negative predic-tive value,overall accuracy でみると,いずれの数字に おいても新基準が現行の基準を上回ることが示された. COPD においては新基準で感度がやや低下していた が,overall accuracy はやはり新基準が上回っており, また non-COPD においては新基準が全ての数値におい て上回っていた.また間質性肺炎においては感度が明ら かに改善し,新基準では漏れなく ADL スコア 4 以下の 患者を拾うことが出来ていた.

身体障害者福祉法は医学的な原因によって ADL の障 害された人達を社会的に救済することをその主旨として おり,様々な給付の基準となる ADL レベルをその運用 細則で提示している.従って等級の判定基準は現状の ADL レベルを正しく反映していることが必要である. 今回の検討では,現行の FEV1指数を含み認定基準は ADL の判定において感度 77.6%,特異度 74.8% と比較 的良好な値を示した.しかし positive predictive value は 49.4% と 50% を下回っており,false positive が多い ことは問題であると思われた.また COPD と非 COPD との間で感度,特異度に差を認め,特に間質性肺炎にお いては現行の FEV1指数の基準(30%)では ADL の障 害を把握出来ず,それを反映して判定が厳しくなる傾向 を認めた. 日常的な指標(スパイログラム,血液ガス,酸素の有 無,MRC scale,6 分間歩行距離)を用いた ADL の判 別性の検討では,酸素の有無,MRC scale,6 分間歩行 距離が COPD,非 COPD 共通して ADL を判別する指 標として選択された.このうち 6 分間歩行距離について

た特性をもつ と 考 え ら れ た.ま た 6 分 間 歩 行 距 離 は FEV1指数と比べて ROC 曲線の AUC でも明らかに優れ ていた.6 分間歩行距離における実用上の基準値として は,感度,特異度のバランスからは 340m が適切である と考えられた.今回私たちは 6 分間歩行試験の中止基準 として SpO2<80% を用いたが,こうした中止基準を用 いることによって呼吸困難を生じにくいが desaturation が高度となる疾患においても歩行を途中で中止すること によって歩行距離に制限が加わり,障害の程度を歩行距 離の値に反映させることができると思われる.ただし, この点についてはさらに検討をおこなう必要があると思 われた. 以上の結果を踏まえると,新たな身障 3 級判定基準と して 1)酸素吸入を必要とすること(今回の検討では保 険適応基準を遵守しており PsO2<60Torr と同義であ る),2)MRC scale 4 以上の呼吸困難を有すること,3) 6 分間歩行距離が 340m 未満であること,の 3 つのうち 2 項目を満たす,というものが妥当であると考えられた. この新しい基準は今回の検討症例全体でも感度,特異度 共に現行の基準より優れ,また false positive の割合を 従来の基準より減少させていた.特に false positive の 割合の減少は福祉資源の有効活用の点から見ても望まし い特性であると思われた.また疾患別に見た場合,COPD においてはやや感度がおちるものの特に非 COPD にお いては感度,特異度の改善傾向が顕著で,COPD と同 様の overall accuracy が確保されていた.また間質性肺 炎においては従来の基準で低かった感度に改善が見られ た. 上記の基準を現行の判定基準と比較した場合,上記 3 つの指標のうち MRC scale は現行と全く同じであり, また酸素吸入の有無は PaO2の基準と内容的に一致して いると考えられた.従ってこの 2 つの指標については現 行通りでよいと思われたが,現行の基準の一つである FEV1指数については 6 分間歩行距離と置き換えること が望ましいと思われた. 今回新しい基準として提言した 3 指標のうち,MRC scale が呼吸不全患者の QOL や ADL を反映しているこ と は 疑 い の 余 地 が な い.近 年 Bestall ら は 100 例 の COPD 患者について MRC scale と QOL や ADL との関 係について検討しているが,やはり MRC scale がそれ らについて優れた判別性を示すことを明らかにしてい る5)

.MRC scale は自覚症状であり,主観が入る可能性 はあるが,そうした限界を考慮しても,MRC scale は

(10)

ADL 判定の指標として有用であると思われる.酸素吸 入は短期的には運動耐容能を改善するが,ADL に関し ては必ずしもそうではない.この問題に関する大規模な 検討はまだ行われていないが,Okubadejo らは 23 例の LTOT の患者と 19 例の対照群とを比較して LTOT 群 で ADL の自立度がより低いことを示した6) .また Sand-land らは加速度計を用いた ADL のモニタリングで同程 度の気流制限のある COPD 患者群ではやはり LTOT 群 で ADL がより低いことを示している7).これには様々 な要因が考えられるが,酸素機器による直接的な動作範 囲の制限も無視できないと思われる.また,6 分間歩行 距離が ADL と強い関連を示すことは従来から知られて いる.Guyatt らは 6 分間歩行距離とエルゴメーターに よる漸増負荷試験結果とを比較し,6 分間歩行距離がよ り強く ADL スコアと相関することを示した8) .また En-right らは一般高齢者群において 6 分間歩行距離と多く のパラメータとの関連を検討し.やはり 6 分間歩行距離 と ADL との間に重要な関連を見いだした9).6 分間歩行 距離は単純な生理学的パラメータではなく,心肺機能の 他に下肢の筋力,動作の巧緻性や慣れ,認知能力や心理 的要素などの影響も含んでいる.ADL もまた心肺機能 の他,四肢の筋力や動作能力,そして家庭環境や生活習 慣,社会的役割などの心理・社会的要素の総和として現 れており,こうしたことが他の生理学的指標と比べて 6 分間歩行距離を ADL とより密接なものにしているのだ と思われる.FEV1は COPD においては重症度を決定す る重要な因子のひとつであることは広く認められ10),最 近発表された BODE index においても予後を規定する 因子の一つとして Body Mass Index,MRC scale,6 分 間歩行距離とともに FEV1が加えられている11).今回の 検討でも COPD 症例に限って言えば判定基準から FEV1 指数をはずし,6 分間歩行距離を加える意義は感度,特 異度の比較からは少ないと考えられた(特に感度につい ては新しい基準の方が劣っていた).しかし身障の認定 は原疾患に関係なく行われるものであり,疾患毎の判定 の差が小さいことが望ましいであろう.FEV1は閉塞性 障害に特異的な指標であり,それに対し 6 分間歩行距離 は今回の検討において疾患特異性を示さなかった.実際 に 6 分間歩行距離を用いた判定の方が overall accuracy における COPD と非 COPD との差が減少しており,現 在 COPD が慢性呼吸障害の原因の半数程度に過ぎない 我が国現状においては,FEV1を 6 分間歩行距離に置き 換えることに妥当性があると思われる. 呼吸機能の障害においては労作時呼吸困難という苦痛 を ADL に伴っており,今回の検討で用いた ADL の基 準の様に単に ADL をできる,できない,で判定するこ とには問題があるかもしれない.しかし現行の身体障害 に関する法制度ではそうした ADL の質に関する視点は 欠けており,等級と ADL レベルとをいずれの障害にお いても一律に対応させた形をとっている.障害の内容に よって ADL の質に実際に差があるのか,そしてそれを 身体障害者の等級にどのように反映させるべきかは,今 後の重要な課題の一つであろう.しかし今回の検討は現 在の法制度の中で呼吸機能障害の等級判定を公正に行う ための初めての科学的根拠のある提言であり,今回提言 した基準は感度,特異度において現行の基準より明らか に優れており,また 6 分間歩行試験という一般施設で既 に普及している検査を用いている点でも実用性が高いと 考えられる. 結論として,呼吸機能障害に関する身体障害者の 3 級 の認定において,現在の基準に含まれている FEV1指数 30% 以下という項目に代えて,6 分間歩行距離 340m 未 満という項目を加えるべきであると考えられた.ただし, 今回の検討は retrospective なデータ解析であり,この 基準の実際の運用に向けてはさらに prospective な検証 も必要であると思われる. 本研究の費用の一部は厚生労働省難治性疾患研究事業「呼 吸不全に関する調査研究」の援助を受けた. 1)立石善隆,前倉亮治,好村研二,他.呼吸器疾患の 身体障害者認定における障害程度等級と運動機能障 害についての検討.日呼吸会誌 2004 ; 42 : 299―205. 2)Spector WD, Katz S, Murphy JB, et al. The hierar-chical relationship between activities of daily living and instrumental activities of daily living. J Chron Dis 1987 ; 40 : 481―489.

3)Fletcher CM, Elmes PC, Wood CH. The significance of respiratory symptoms and the diagnosis of chronic bronchitis in a working population. Br Med J 1959 ; 2 : 257―266.

4)Steele B. Timed walking tests of exercise capacity in chronic cardiopulmonary illness. J Cardiopulo-monary Rehabil 1996 ; 16 : 25―33.

5)Bestall JC, Paul EA, Garrod R, et al. Usefulness of the Medical Research Council (MRC) dyspnea scale as a measure of disability in patients with chronic obstructive pulmonary disease. Thorax 1999 ; 54 : 581―586.

6)Okubadejo AA, O Shea L, Jones PW, et al. Home as-sessment of activities of daily living in patients with severe chronic obstructive pulmonary disease on long-term oxygen therapy. Eur Respir J 1997 ; 10 : 1572―1575.

(11)

chronic heart and lung disease. J Chron Dis 1985 ; 37 : 517―524.

9)Enright PL, McBurnie MA, Bittner V, et al. The 6-min walk test, a quick measure of functional status in elderly adults. CHEST 2003 ; 123 : 387―398.

cation No. 2701. 2001.

11)Celli BR, Cote CG, Marin JM, et al. The body-mass index, airflow obstruction, dyspnea, and exercise ca-pacity index in chronic obstructive pulmonary dis-ease. N Engl J Med 2004 ; 350 : 1005―1012.

Abstract

Which parameters should be chosen to evaluate daily activities of the patients

with chronic lung disease?

Morihide Ando

1)

, Mitsushi Okazawa

2)

, Atsushi Mori

3)

and Hiroki Sakakibara

2)

1)

Department of Respiratory Medicine, Ogaki Municipal Hospital 2)

Division of Respiratory Medicine and Clinical Allergy, Department of Internal Medicine, Fujita Health University School of Medicine

3)

Akutami Clinic

In Japan medically handicapped persons are given government support. Currently the government uses se-lection criteria including FEV1, PaO2, and dyspnea rating to identify level 3 handicaps, however, these criteria lack a scientific basis. The purpose of this study was to investigate the validity of the current criteria and to try to cre-ate more appropricre-ate one. We retrospectively reviewed the clinical records of 204 cases with chronic lung disease (COPD 111, non-COPD 93). The accuracy of the current criteria was assessed by sensitivity and specificity. To find the parameters that could determine ADL, we searched for clinical parameters using simple logistic regression models, ROC curves, and cross-table analyses. To compare the accuracy of the current and newly created criteria, we assessed the sensitivity, specificity of the two criteria. Sensitivity, specificity, and overall accuracy of the cur-rent criteria were 77.6%, 74.8%, and 75.5%, respectively, however, the positive predictive value was low (46.4%). The results of the screening of the parameters showed that the following three parameters were useful discrimi-nators of ADL : 1) supplemental oxygen use, 2) MRC scale" 4, and 3) 6-minute walking distance < 340m. The newly created criteria using these three parameters showed better sensitivity, specificity, and overall accuracy (81.6%, 80.7%, and 80.9%, respectively) than those of the current criteria. The positive predictive value also im-proved. In conclusion, our results suggest that the newly created criteria that include the 6-minute walking dis-tance are more suitable than the criteria currently used to assess the ADL of the patients with chronic respira-tory disease.

Tabl e 2 Gener al c har ac t er i s t i c s of t he  pat i ent s
Tabl e 3 Ac c ur ac y  i n  det er mi ni ng  t he  l evel t hr ee  r es pi r at or y  handi c aps us - -i ng  t he  c ur r ent c r i t er i a A
Abbr evi at i ons ar e  s hown  i n  t abl e  1.
Tabl e 7   Pr edi c t i ve  abi l i t y  of t he  c ur r ent and  new  c r i t er i a  f or ADL

参照

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