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Combined genetic analyses can achieve efficient diagnostic yields for subjects with Alagille syndrome and incomplete Alagille syndrome(アラジール症候群ならびに非定型アラジール症候群に対する体系的遺伝学的解析は有用である)<内容の要旨及び審査結果の要旨>

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Academic year: 2021

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Nagoya City University Academic Repository

学 位 の 種 類 博士 (医学) 報 告 番 号 甲第1604号 学 位 記 番 号 第1139号 氏 名 大橋 圭 授 与 年 月 日 平成 30 年 3 月 26 日 学位論文の題名

Combined genetic analyses can achieve efficient diagnostic yields for subjects with Alagille syndrome and incomplete Alagille

syndrome. (アラジール症候群ならびに非定型アラジール症候群に対する体系的遺伝 学的解析は有用である) Acta Paediatrica. 2017; 106(11): 1817-1824. 論文審査担当者 主査: 杉浦 真弓 副査: 岡本 尚, 齋藤 伸治

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論 文 内 容 の 要 旨

【背景】アラジール症候群 (Alagille Syndrome; ALGS) はJAG1もしくは稀にNOTCH2の変異 により発症する常染色体優性遺伝性疾患である。その表現型や重症度は多岐にわたり、非定型例 では分子遺伝学的診断を行うことは非常に重要である。また、胆道閉鎖症 (biliary atresia; BA) は ALGS の代表的な鑑別診断である。我々は ALGS、非定型 ALGS および BA に対する次世代シー ク エ ン サ ー(Next Generation Sequencing; NGS) 、JAG1 の Multiplex Ligation Probe Amplification (MLPA) 解析、microarray Comparative Genomic Hybridization (aCGH) 解析を 用いた体系的遺伝学的解析の有用性を検討した。 【方法】ALGS の臨床診断基準の 5 項目 (胆汁うっ滞、先天性心疾患、眼球異常、骨格異常、特 異的顔貌) 中、3 項目以上を満たす対象を ALGS 群、2項目満たす対象を非定型 ALGS 群、また、 術中胆道造影で胆道が造影されない対象を BA 群とした。最初に全ての対象に JAG1 ならびに NOTCH2を含む新生児・乳児胆汁うっ滞の原因となる18 遺伝子に対する NGS 解析を行った。 次に NGS 解析で変異を認めなかった対象、もしくは JAG1 の欠失が疑われた対象に JAG1 の MLPA 解析を行った。更に MLPA 解析でJAG1の全エクソン欠失が同定された対象にaCGH 解 析を行った。

【結果】ALGS 群 30 症例、非定型 ALGS 群 9 症例、BA 群 17 症例に遺伝学的解析を行った。ALGS 群では 24 症例 (80%)、非定型 ALGS では 4 症例 (44.4%)に病原性変異を同定したが、BA 群に は病原性変異は同定されなかった。変異の種類は、ALGS 群ではJAG1のミスセンス変異4 症例、 ノンセンス変異6 症例、スプライス部位の変異 2 症例、微細な挿入もしくは欠失 7 症例、単一エ クソンの欠失1 症例、全エクソンの欠失 3 症例、NOTCH2のミスセンス変異1 症例、また、非 典型ALGS 群ではJAG1のミスセンス変異1 症例、ノンセンス変異 1 症例、微細な挿入 1 症例、 単一エクソンの欠失1 症例であった。aCGH 解析では全エクソンの欠失の 3 症例中 1 症例は ALGS の症状のみとされる範囲内であったが、2 症例はその領域の範囲外に及ぶ欠失であった。 【考察】ALGS 群および非定型 ALGS 群における病原性変異の同定率は、これまでの報告とほぼ 同程度であった。ALGS では約 15%で肝移植が必要となるとされている。病原性変異を有してい る場合は肝移植のドナーとなれないこと、非定型ALGS でも 44.4%に病原性変異が同定されるこ とを考慮すると、非定型ALGS の患者や ALGS の診断基準を満たさない血縁者に於いても、ドナ ーの選定や遺伝カウンセリングの観点からも遺伝学的解析を行うことは重要と考えられた。同定 された病原性変異の種類は、これまでの報告と比較するとエクソン単位の欠失が多かった。MLPA 解析はエクソン単位の欠失/挿入の同定に有用とされており、本解析では NGS 解析で変異が同定 されなかった全対象にMLPA 解析を行っており、エクソン単位の欠失の同定に有効であったと考 えられた。aCGH 解析において欠失範囲が ALGS 以外の症状を呈するとされる範囲に欠失が及ん でいると同定された2 症例中1症例は解析時点では新生児であり、合併症の出現の有無に関して 慎重に観察する必要があると示唆された。

【結語】ALGS、非定型 ALGS および BA に対する NGS 解析、JAG1のMLPA 解析、aCGH 解 析を用いた体系的遺伝学的解析は有用である。

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論文審査の結果の要旨

【背景】アラジール症候群 (Alagille Syndrome; ALGS) は JAG1 もしくは稀に NOTCH2 の変異により 発症する常染色体優性遺伝性疾患である。胆道閉鎖症 (biliary atresia; BA) は ALGS の代表的な鑑 別 診 断 で あ る 。 我 々 は ALGS 、 非 定 型 ALGS お よ び BA に 対 す る 次 世 代 シ ー ク エ ン サ ー (Next Generation Sequencing; NGS)、JAG1 の Multiplex Ligation Probe Amplification (MLPA) 解析、 microarray Comparative Genomic Hybridization (aCGH) 解析を用いた体系的遺伝学的解析の有用性 を検討した。

【方法】ALGS の臨床診断基準の 5 項目 (胆汁うっ滞、先天性心疾患、眼球異常、骨格異常、特異的 顔貌) 中、3 項目以上を満たす対象を ALGS 群、2 項目満たす対象を非定型 ALGS 群、また、術中胆道 造影で胆道が造影されない対象を BA 群とした。最初に全対象に JAG1 ならびに NOTCH2 に対する NGS 解析を行った。次に NGS 解析で変異を認めなかった対象、もしくは JAG1 の欠失が疑われた対象に

JAG1 の MLPA 解析を行った。更に MLPA 解析で JAG1 の全エクソン欠失が同定された対象に aCGH 解析 を行った。

【結果】ALGS 群 30 症例、非定型 ALGS 群 9 症例、BA 群 17 症例に遺伝学的解析を行った。ALGS 群で は 24 症例 (80%)、非定型 ALGS では 4 症例 (44.4%)に病原性変異を同定した。変異の種類は、JAG1 のミスセンス変異 5 症例、ノンセンス変異 7 症例、スプライス部位の変異 2 症例、微細な挿入もしく は欠失 8 症例、単一エクソンの欠失 2 症例、全エクソンの欠失 3 症例、NOTCH2 のミスセンス変異 1 症例であった。aCGH 解析では全エクソンの欠失の 3 症例中 1 症例は ALGS の症状のみとされる範囲内 であったが、2 症例はその領域の範囲外に及ぶ欠失であった。 【考察】ALGS 群および非定型 ALGS 群における病原性変異の同定率は、これまでの報告とほぼ同程度 であった。同定された病原性変異の種類は、これまでの報告と比較するとエクソン単位の欠失が多か った。MLPA 解析はエクソン単位の欠失/挿入の同定に有用とされており、本解析では NGS 解析で変異 が同定されなかった全対象に MLPA 解析を行っており、エクソン単位の欠失の同定に有効であったと 考えられた。aCGH 解析において欠失範囲が ALGS 以外の症状を呈するとされる範囲に欠失が及んでい ると同定された 2 症例中1症例は解析時点では新生児であり、合併症の出現の有無に関して慎重に観 察する必要があると示唆された。

【結語】ALGS、非定型 ALGS および BA に対する NGS 解析、JAG1の MLPA 解析、aCGH 解析を用いた体系 的遺伝学的解析は有用である。 【審査の内容】約 20 分間のプレゼンテーションの後に、主査の杉浦真弓教授からそれぞれの遺伝学 的解析法の特性、小児遺伝カウンセリングに関する注意点などを中心に 8 項目、第一副査の岡本尚教 授から病原性変異の判断、JAG1およびNOTCH2の変異による発症機序や病態などを中心に 10 項目の 質問がされた。齋藤教授からは専門領域について新生児胆汁うっ滞疾患の全体像、それらの疾患に対 する遺伝学的解析を行う意義などに関して 3 項目の質問がなされた。いずれの質問も満足のいく回答 が得られ学位論文の主旨を十分に理解していると判断した。本研究はアラジール症候群ならびに胆道 閉鎖症に対して体系的遺伝学的解析を行い、臨床・研究の両面において意義のある結果が得られた研 究である。以上をもって、本論文の著者には博士(医学)の称号と与えるに相応しいと判断した。 論文審査担当者 主査 杉浦 真弓 副査 岡本 尚、齋藤 伸治

参照

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