ミツバチ科学
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プロポリスの組成 と生理活性に関与する物質の構造 と活性
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プロポ リスは ミツバチ 自身 が生産す る天然 ろ うと ミツバ チが集 めた植物樹脂の混合物で時 に は花粉粒 が含 まれていることもあ る.樹脂 やバ ルサム (油や低分子量揮発物 を含 む樹脂) は巣 箱 か ら半 径5km内の様 々な植物 か ら集 め られ るが,た とえ同一 の植物 であ って も,樹皮,糞, 花,果実 などか ら樹脂が集 め られ るらしい. こ のためプロポ リスの組成 は,巣 の近 くの植物 の 種類 に直接依存す る.一般的に ミツパテが混合 す る蜂 ろ うの量 は, プロポ リス原料採集時や巣 箱 内での加工時の平均気温 に左右 され る. こうした事情が, プロポ リスを地域間の, あ るいは同 じ地域で も巣箱間で も, その ミツパテ のプロポ リス利用度 に関わ る迫伝的背景 に応 じ て,非常 に偏差 の大 きい生産物 に している.熱 帯諸国で は植物 の種多様度 が高 いので,原料 と な る植物 の選択肢 も大変多 く, したが って プロ ポ リスは自然 と多様 な ものにな る傾向にあ る. そのため,衰 1に示すよ うにブラジル産 プロポ リスの組成 は変動が大 きいが, これ は他 の地域 で も同 じことが報 告 されて い る (Ghisalberti,1
979;
K6nig and Dustman,1
989)
.
化学的組成 と生物活性 プロポ リスに含 まれ る成分 は, フラボノイ 表 1 ブラジル産プロポリスの一般的組成 化合物 の種頬 相対含有罰 (%) 樹脂 ろう 挑発成分 花粉 その他 暮 40-50 20-40 0 0 1 1 5 \ ′ \ . \ノ +ミネラル, ビタミン,ア ミノ酸 ド,ポ リフェノール,フェノール`酸,エステル, 脂肪酸, ア ミノ酸,炭水化物, ビタ ミン, ミネ ラルである.最 も多量 に含 まれ る成分 につ いて 数例 の物質名 を挙 げて表2に示 した.現在 まで に最 も多 く研究 されてい るのはフラボノイ ド類 とフェノール酸類 であ る. これ らの成分 には多 種多様 な物質 が含 まれ る.例 えば, フラボノイ ドだ けで も
1
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のサ ブ タイプに分類 され, さ ら に4000種の物質 に細分 され る. 前述 した成分 すべてが,それぞれ非常 に多様度 の高 い物質で あることを考 えに入れ ると, プロポ リスは極 め て多種の物質 を含んで いることにな る. ブラジ ルだ けで もプ ロポ リスは500種類 程 の タイプ に分 け られ るが,それぞれの タイプが250あま りの物質 の混合物 であると考 え られ る, したが ってすべての物質 を単離す ることは, ほとん ど 不可能であ る. 表2 プロポリス中の主成分 成 分 例 フェノール酸エステル頬 フェノール酸類 フラボノール酸 フラボン類 脂肪酸 炭水化物 カフェ酸フェネチルエステル (CAPE) カフェ酸,フェラル酸 クエルセチン,ケンフェロール,ガランギン ビノセンブリン,イソサクラネチン パル ミチン酸,オレイン酸 ショ糖,キシリトール試料 を分析 して, その組成や,試料間の差異 を検 出す るためにはガスクロマ トグラフィーに マ ス ス ペ ク トル (質 量 分 析 計) を併 用 す る GC-MSが必要 となる(Markham eta1.,1996; Garcia-Vigueraeta1.,1993).最近 で は通常 の 分 析 に は 高 速 液 体 ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー (HPLC)が用 い られ る.これ らの手法 は非常 に 応用範囲が広 く,特定 の物質 を短時間で同定で きる. つ ま り, GC-MSを使 った分析で物質 の 存 在 を確 か め, その後 でHPLCによ る定量 が 行われ るといった使 い方 が可能であ る. プロポ リスの生理活性 は特定 の物質 の存在 に はっきり結 びっ いている. そのため採集 された 地域 によ って成分組成が異 な りうることが生理 活 性 の異 な るプ ロポ リスが見 つか る理 由 にな る. そのためプロポ リスの抽出物 には以下 のよ うな広範囲な生理活性が見 られ る.抗 ウイルス (01inescueta1.,1991),抗細菌 (Agaeta1., 1994),抗真菌 (Metznereta1.,1977),免疫刺 顔 (Moriyasu eta1.,1993), 鎮痛 (Paintz and Merzner, 1979),抗 潰 痘 (伊 藤 ら, 1994),抗高血圧 (Schelleretalリ1988),玩 炎症 (01inescu eta1.,1991), 腫癌成長阻止 (松野,1992), その他. 生理活性 の研究 において は, どのよ うな生物 学 的効果が現 れ るかが成分 によって決 め られ る ので, まず プロポ リスの組成 を前 もって明 らか にす る必要 がある. い く種類かのプロポ リスは そ うした生理活性 のほとん どを持 ち合わせ るこ とにな るだ ろ うし, またあ るものはほとん ど生 理活性 を示 さないか も知 れない. したが って, すべてのプロポ リスの種類 につ いて普遍的 に見 られ る生理活性 とい うもの はあ り得 ない. フラボ ノイ ド類 プロポ リスに最 も数多 く含 まれ る物質 は明 ら かにフラボノイ ドである. フラボノイ ドは,人 類 の食料 になる多 くの植物 に普遍的 に存在す る ジフェニルプロパ ンであ る. フラボノイ ドは通 常
C3
位 に糖 が結 合 して0-
グ リコシ ド (配 糖 体)の形 で存在す る.単一植物内で も一つの フ ラボノイ ド骨格 に対 して い くつかの糖鎖 の組 図1 プロポリス原塊中に普遍的なフラボノイ ド頬 A:フラボノールⅩ-OH(ケンフェロールRl-H. R2-H;ケルセチンRl-OH,R2-H;ミリセチンRl -OH,R2-OH), フラボンⅩ-H(アビゲニンR. -H,R2-H;ルテオリンR1-OH.R2-H) B:フラバノンRl-H,フラバノールR1-OH 合せがあ る. これ らの物質 は部分的に水溶性で あるに もかかわ らず,70%
ェタノールで効率 よ く抽 出可能 である. フラボノイ ドはフェノール 化合物であ り, そのため酸化 して変色 した り, 芳香族環 が結合 しているめ,紫外部 および可視 部 に特異 的な吸収帯があ り, クロマ トグラム上 や溶液中において簡単 に検 出で きる. フラボノイ ドはすべての維管束植物 に存在す るが, い くつかの種類 は他 の成分 よ り広範囲 に 見 られ る. フラボノール類 や フラボ ン叛が普遍 的で,他 の ものはそれ ほど一般的で はない. プ ロポ リスの原塊 中に最 も一般的 に見 られ るのは フラボノール, フラボ ン, フラバ ノ ンおよびフ ラバ ノールである. これ らの化学的な違 いを図 1に示 した. フラボノールの化学構造 は中央 の 環 の 3位 の炭素 に水酸基 が結合 してお り (図中 の'
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"で示 した位置), そ こに水素 が結合 して いるフラボ ンと区別 され る. B環 の Rlおよび R2位 の置換基 の違 いによ って, フラボノール はケ ンフェロール, ケルセテ ン, ミリセチ ンそ図2 A:カフェ酸,B:3,5-ジプレニルー4-ヒドロキ シ桂皮酸(R-CH.・lCH-C(CI-r3)2,R'-Hの場合には アルテピリンC)
,
C・2,2-ジメチルー6-カルボキシエ チル-2H-1-ベンゾピラン の他 に分類 され, また フラボ ンで は同様 にア ピ ゲニ ン,ルテオ リンその他 に分類 され る. 図 1で は さ らに中央環 に二 重 結 合 が あ る酸 化型 (フラボノールおよび フラボ ン) と還元型 (フラバ ノ ンお よび フラバ ノール) フラボノイ ドの構造 の差 を示 してい る.還元型 フラボノイ ドの中で フラバ ノ ン類 は, 中央環 のRlで示 し た3位 の置換基 によ って区別 している. この位 置 に水素があるとフラバ ノ ンであ り,水酸基が あれば フラバ ノールであ る. フラボ ノイ ドの臨床 フラボノイ ドは化学構造的 には非常 に多岐 に わた り,生理活性 に関 してそれが明確 な差 を与 えている. フラボノイ ドは,時 には緩慢 なス ト ロジェ ン様 の抗酸化作用 を示す (低濃度 におい て)が,時 に は染色 体異 常 あ るい は細 胞腺腫 (ごく高濃度 において)を引 き起 こす.フラボノ イ ドのそれぞれの効果 は多 くの場合 に有益 であ るが, この物質 の化学構造 とその薬理作用 の多 様 さを考 え るとその生理活性 の有益性 が過大評 63 価 されているとい うことはないであろう. 特定 の フラボノイ ドが持 っ最 も重要 な生理活 性 は以下 のよ うに要約 され る. ・ケルセチ ンとケ ンフェロールは強力で持続性 の リポキ シゲナーゼ活性阻害作用 に基づ く抗炎 症作用を有す る(DellaLoggiaeta1.,1988). ・ケル セテ ンはIgEを介 す る肥 満細 胞 と好塩 球か らの化学伝達物質 の遊離 を阻害 し, さ らに アラキ ドン酸代謝物 の生合成 を選択的に阻害す る (Weltoneta1.,1986). このためケルセチ ンは新規抗 ア レルギー剤 あるいは抗炎症薬開発 における骨格分子 と して関心が持 たれている. ・ケルセテ ンは数系統 のガ ン細胞 の成長 を シス プラチ ン受容体 との協働作用 によるいわゆるタ イプⅡス トロジェ ン結合部位 との相互作用 によ って阻害す る (Scambiaeta1.,1990). ・ケルセチ ンは正常 な造血細胞 を抑制す ること な く白血 病細胞 成 長 を阻害 す る (Laroccaet a1.,1991). ・プ ロア ン トシアニ ジ ンは冠不 全 (血栓 症 な ど) の原因になる低密度 リポタンパ クの酸化 を 抑止す る強力 な抗酸化剤 であ る (Miuraeta1., 1995). ・ゲニステイ ンとダイゼイ ンは前立腺 および胸 部 ガ ンの 危 険 を 減 少 さ せ る (Akagietal., 1995). ・ク リシン, アカセチ ン, ア ピゲニ ンはそれぞ れHIV-1プロテアーゼ,イ ンテグラーゼ,逆転 写酵素 を阻害す る (Critchfildetalリ1996). ・タ ンゲ リチ ンは白血病 細 胞 の アポ トー シス (細胞死)を誘導す るが,正常細胞 に対 しては影 響 を与 えない (Hiranoeta1.,1995). ・水酸基 を多 く持つ フラボ ン類 は一般 にサイク リン依存性 キナーゼ (CDK)の特異 的阻害剤で あ り,細胞周期 の進行 をつか さどるCDKの役 割 を考え ると, これ らの フラボ ン類 の構造 は抗 真菌剤 開発 においてモデル と して利用 され ると 考え られ る (Azevetheta1.,1996). フラボノイ ドの構造 (図 1) とその抗生物活 性 との関連性で は,Appleetal.(1975)は,3
位 に水酸基 のあるフラボノイ ド類 (すなわち フラボノール規) は レ トロウイルスの逆転写酵素 およびRNA依存 ポ リメラーゼ双方 に特異的 な阻害剤 で あ ることを示 して い る. しか し, Metzneretal.(1979)によると,3位 に水酸 基を導入す るとフラボノイ ドの抗真菌作用が抑 制 され, よって抗細菌および抗真菌剤 として有 効 な 5,7-ジヒ ドロキ シフラボ ンは,7位がメチ ル化 され ることによってその効果を失 う. Beladietal,(1977)は,3位 と 4位 に水酸 基があることは抗 ウイルス作用の 「表面反応」, つまり,寄主細胞へのウイルスの付着 を防 ぐの に必須な ことを示 した.3,5,6位 にこの水酸基 とその他の置換基 の組合せを持っ フラボノイ ド は強力 な殺虫作用 (幼虫成長阻害効果)を示す. これ らの大変興味深 く有益 な特性が.そのま まプロポ リス抽出物の特性だ として当てはめる ことは,常識的には勧め られない. とい うの も ここに揚 げたよ うな活性 は個々の成分 の活性を とりまとめた ものであるか らである. この点 に ついて米国の食品薬品局 (FDA) はプロポ リ ス製品あるいはケ リセチ ン主成分 とす る製品の 消費者 に対 して, サルモネラ菌 (TAIOOおよ びTA98)での変異原性, あるいは高濃度 のケ ルセチ ンがチ ャイニーズ- ムスターの卵巣細胞 の染色体異常 を引 き起 こし,F344/N ラッ トの 雄 で発 ガ ン誘導 の形跡 が あ った (CAS Bulle -tinll-39-5)ことか ら,ある程度の危険がある と勧告 している. これ らの結果 は,高濃度 のフ ラボノイ ドが長期的に投与 され るなど非常 に特 殊 な条件下の ものであ り, ケルセチ ンが問題を 引き起 こす とい うことを意味す るものではない. フェノール類 と有機酸類 フラボノイ ド類 に加 えてプロポ リス原塊 か ら は他 に も重要 な一群 の物質 があ り,大変興味深 い生理活性を もた らす. フェノール類 は ミツバ チが集 めた植物鯵出物中に豊富 にあ り,その中 では,カフェ酸 (図2),桂皮駿,フェラル酸が 最 も一般的な ものいえる. カフェ酸 は多数のヘルペスウイルスに対す る 抗 ウイルス活性 を有 してお り, この性質 は芳香 環 の二つの水酸基 の存在 によるものと考え られ る (図2)(K6nigandDustmann,1989).
カフェ願 とフラボノール類 の分子構造 の一部 は類似 しているので,すべてのカフェ酸誘導体 が抗 ウイルス活性 を有 している. 日本でのプロポ リス抽出物 の使用が ブームに な り,それに比例 して ブラジルでの生産量が増 加 したため, 日本で生産 され るプロポ リス製品 に用 いるのに最適 な原料を探 し出す 目的で, ブ ラジル産 プロポ リス原塊 の組成 と生理活性を課 題 と して ブラジルの社会性昆虫研究 セ ンター (CEIS) および日本のい くつかの研究機関で研 究 が行 われ るよ うにな った. これが契機 とな り,最近 のブラジル産 プロポ リスか ら一連の新 物質が発見 され,以下 に要約す るような興味深 い所見が得 られた. ・ブラジル産 プロポ リスのエタノール抽出物 は いわゆ る虫歯 菌 に対 して強 い阻害活性 を示 し た. この活性 は桂皮酸化合物 によるものだ と考 え られた (西野 ら,1996). ・ブラジル産 プロポ リス試料中に新規抗微生物 化合物 と して 3,5-ジプ レニル ー4-ヒ ドロキ シ桂 皮駿 と2,2-ジメチル ー6-カル ボキ シエチル -2 H-1-ベ ンゾピラン (図2)が発見 された.両物 質 は皮膚真菌 (例 として
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に 効 果 を 示 し た (Aga eta1., 1994). ・3,5-ジプ レニル ー4-ヒ ドロキ シ桂皮酸 (図2)
の置換基「
R
」 にH
が, そ して「
R'
」 に CH3CH-C(CH3)2が結合 して得 られる化合物 は アルテ ピリンCと呼ばれ,非常 に強い抗菌,抗 炎症,抗 ガ ン活性を示す (木本 ら,1995). ・林原生物化学研究所 の中野 ら(1995)は,メ チ シ リン耐性黄色 ブ ドウ球菌MRSAに対す る ブラジル産 プロポ リスの活性を研究 し,3-プ レ ニル ー4-デ ヒ ドロシンナモキ シ桂皮酸 (図 3)を 主生成物 として単離同定 した. ・ブ ラ ジル産 プ ロポ リスの ヒ ト肝 細 胞 ガ ン HuH13に対す る細胞傷害性 の研究 によ って ア ルコール抽出分画か らカフェ酸 と新規化合物 カ フェ酸 フェニルエチルエステル(CAPE)(図3) が発見 された (Matsuno,1991). プロポ リス の原塊中にこの物質が含 まれ るか どうかは疑わしい, とい うのは, この種 のエステルは植物疹 出物 には通常み られないか らである. フェニル エチルアル コールはプロポ リス原塊 には含 まれ てお り (表4), これが酸性 の条件下,水 (あ る いは70%ェタノール (醸造 アル コール)) の存 在下 でカ フェ酸 と反応 し,結果 と して エステル がで き る. この よ うに
CAPE
は プ ロポ リスの 抽 出過程で生成 され る物質 であ って天然物で は ない. とにか くもしそ うで あればプロポ リスの 抽 出過程 はこの特異的なェステル化反応が増進 され るよ うに最適化 され るべ きであろ う. ・ブラジル産 プ ロポ リスの抗腫痕活性 の研究 の 結果, クロ レグ ンジテルペ ンの発見 にいた った(
図 3)
.
これ は活性が大変 強 く,HuH1
3
に加 え て ヒ ト頚部 ガ ン(
He
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細胞) やバーキ ッ トリ ンパ腫 に選択的 に作用す る(
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uno,1
99
1). プロポ リス中 には有益 な物質 だ けが含 まれて 65 いるわけではな く,Haus
e
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1
988)
は接触皮 膚炎 を誘発す るアル コール抽 出物中のカフェ酸 ジメチル ア リルエステル (図 3) につ いて報告 して いる.通常抽 出に用 い られ る醸造 アル コー ル以外 の溶媒 で抽 出 した場合 には決 して検 出 さ れないので, プロポ リス原塊 中に この化合物 が 含 まれて い るか ど うか は疑 わ しい.CEI
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の養 蜂生産物分析室で プロポ リス製品の処理 を行 う 際に通常用 いる醸造 アル コールか らメチルア リ ルアル コールが検 出された. この ことはア レル ギー誘発性の化合物 カフェ酸 ジメチルア リルエ ステル はCAPE
同様, プ ロポ リス原塊 に含 ま れ る天然物で はないことを意味 している. 脂肪酸 脂肪酸 もすべてのプロポ リス原塊 や アル コー ル抽 出物中に見 られ る. ミツバチが産油植物 のA
二一
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一
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E:.3H, CI13 図3 プロポリス原塊中から細菌発見された天然物質 A:カフェ酸 フェニルエチルエステル,B:カフェ酸ジメチルアリルエステル, C:
3-プレニルー4-デヒドロシンナモキシ桂皮酸,D:クレロダンジテルペン薫 のよ うに疹出物中に脂肪酸 を含 むよ うな特定 の植物 を好んで いるのか どうか, あるいはほと ん どの植物疹出物 に普遍 的 に含 まれて いて集 め られ る樹脂 と一緒 に巣 に持 ち込 まれ るものなの か はわか らない. いずれ にせ よ,脂肪酸 の うち のい くつか は効果的なア リの忌避剤であ り, ミ ツパテの巣 に対 す るア リの攻撃 を防御す る役割 があるとも推論 され る. また これ も推論 に過 ぎ ないが, ミツバ チが植物 との関係 を通 じて学習 して,脂肪酸 にプロポ リスが含水す るのを防 ぐ 絶縁体 のよ うな働 きをさせ るとも考 え られ る. プロポ リス原塊 中に最 も一般的な脂肪酸 を表 3に示 した. これには, 植物 由来 の化合物 だけ でな く,三種 の動物 由来 の物質,エイ コサ ン酸, テ トラコサ ン酸 および ドコサ ノ ン徴 も含 まれて いる. これ は働 き蜂 日身 が これ らの酸 を混入 さ せた ことを証 明す るにこれ以上 はない といえ る 証拠であ り,非常 に興味深 いことである. した が って, プロポ リスは ミツバチが植物 か ら集 め て巣 のLlコに蓄 えただけの生産物で はな く, ミツ パ テ白身 の生産物 を も含 んだ もの とい うことに な る. これ らの脂肪酸が含 まれている意味づ け は今の ところは っきりしないが,巣仲 間を認識 す るときに用 いて いる物質で プロポ リスを標識 していることとは何 か しら関係があるだろ う. これによ って巣 の内部 にプロポ リスの材料 を持 ち帰 った蜂 が巣仲間 に追 い出 されずに済んでい るのか も知 れない. 揮発性成分 プロポ リス原塊中に最 も多 く見 られ る揮発性 物質 を表4に示 した. これ ら化合物が 'tプロポ 表3 プロポリス原塊に含まれる脂肪酸 植物起源 動物起 源 ミリスチン酸 エイコサン酸 パルミチン酸 テ トラコサン酸 オレイン酸 ドコサン酸 リノレン酸 ステアリヲ酸 リスの匂 い (ブーケ)"を形作 っている.原塊 中 に含 まれ る駿 は細菌 の発育 を阻止 して いるが, オクタン酸のよ うな長鎖 の酸 はプロポ リス特有 の強 い刺激臭 がす る.
70%
ェ クノール下 で酢駿 ベ ンジル と酢酸 イ ソブチル とい うェステルが検 出され るが, これは酢骸 とベ ンジルアル コール およびイソブチルアル コール とのエステル化反 応 の結果であること思 われ る. プロポ リスのア ル コール抽 出物 が ほのか に甘 い香 りを出すのは このエステルのためであ る.働 き蜂 のナサ ノフ 腹中 に含 まれ ると考 え られ, プロポ リスに取 り 込 まれ る酢酸 イ ソペ ンチルは, ミツパテの毒腺 にあ って警報 フェロモ ンとして利用 されている 点 には興味をそそ られ る, この点 につ いては今 の ところどんな説明 もされていない. 特定の物質 との関係が不明な生理活性 近年 プロポ リス研究 に多 くの関心 が払 われ る よ うにな り, ヒ トの悪性腫痕や ガ ン細胞 の阻害 に関す るプロポ リスの免疫活性効果 につ いて大 量 の文 献 が 出 て い る.研 究 者 の一 人 のMat-s
uno (
1
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1) は効果 のあ った特定 の物質 を同 定 しているが, その一方 で多 くの研究が非常 に 有効 な結果 を得 ているに もかかわ らず,生理活 表4 プロポリスエタノール抽出物中の揮発成分* 酸 アルコール エステル 酢酸 安息香酸 ベンジルアルコール 酢酸ベンジル'' イソブチルアルコール 酢酸イソブチル事' オクタン較 酢酸イソペンチル… フェニルエチノレアルコール 70%ェクノール中 書 酸性水の存在 Fでプロポリス抽出物から生成されたと考えられるもの 事' ミツパテがナサノフ腺で生産すると考えられるもの性 を示す物質 の特定がまだで きて いない.有効 な結果 を得 ているものには次の ものがある. ・新井 ・栗本 (1994)は水 に分散 させたプ ロポ リスの粉末がサイ トカイ ン産生免疫細胞 を活性 化 し, それ によ って BALB/Cマ ウスの肺 にお けるガ ンの転移 を阻害 した ことを示 した. ・鈴木 ら (1996)はブラジル産 プロポ リスの水 抽 出分 画 に漢方 薬 よ り得 られ た分画 を加 えて Ehrichガ ンの治療 に用 い,制 ガ ン剤 の副作用 を減衰 させ,治療効果を改善 した. すで にプロポ リス原塊 が ヒ トの健康 を害す る 物質 を含む ことは述べた. プ ロポ リスの毒性 や ア レルギー性 について評価 を試 みた佐藤 ・藤本 (1996)は中国産 プロポ リスよ りブラジル産 プ ロポ リスの方 が副 作用 が少 な い ことを報告 し た. プロポ リスには由来 の異 な るものが多 くあ ることを考 え ると,二人 によ って開発 された実 験方 法 は,毒 性物質 を含 む プ ロポ リスを排 除 し,最良 の原料 を選択す る上 で重要 である. 多 くの研究者 は, プロポ リスを現実 に医薬品 のよ うに取 り扱 っているが, この養蜂生産物 に 含 まれ る成分 と生理活性機構 につ いて はまだわ か らない ことが多 い. プ ロポ リスの示す特徴的 な活性 で さえ どの成分 と関係があ るのか結 びつ け られないままである. これ らの研究 は,新 し い物質 が プロポ リス中に見つかれば, それが新 薬開発 におけるモデルにな るにちがいないとい うことをはっきりと示 して いる. (著者の住所 は下記参照)(翻訳 宮高透喜 ・佐藤利夫) 引用文献
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Propolisisverycomplexmixtureofdlfferent substancesbroughtbybeesfrom plantsources. BecauseofdlVerSityofplantitisveryheter og-enoushiveproducts.Every blOloglCalproperty can notbe common to allraw propollS and their products.Even though,there are many beneficialsubstancesinraw propolisandsome are round to be produced throughoutofthe processofalcoholextractlOn.A new substance from propolis wlllbe a modelfordeveloplng new medicines.