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東京都 環境局 環境改善部 化学物質対策課
「 VOC 対策、知っていますか?」
~発注者・消費者の役割について~
平成
26
年度VOC
対策セミナー【住宅部品発注編】
H26.9.22
本日のセミナーのねらい
住宅部品製造・発注に 関わる方々への
ご協力のお願い
1 VOCと製品製造 2 VOC対策とは
3 発注時のVOC対策
資材工場 発注者
原料製造 消費者
製造時のVOC対策を促進
環境対策に取組む 製造工場が
選ばれる社会に
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1 VOC と 製品製造
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○揮発性有機化合物
Volatile Organic Compounds
○物を溶かす力がある、乾きや すい、入手しやすい
○いわゆる有機溶剤
塗料や接着剤、印刷インキ、
ガソリン等に含まれるもの
○光化学スモッグなど大気汚染 の原因物質として排出抑制が 求められている
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VOCとは?
製造工程でVOCを使用(例)
• 塗料・シンナー 自動車、家電、家具
• 印刷インキ 容器包装、チラシ
• 接着剤 合板、包装
• 工業用洗浄剤 めっき製品
• 化学品合成、植物油の抽出にも使われる VOCはあらゆる製品製造の過程で
使われている可能性があり
現代の生活には不可欠となっている
トルエン、キシレン、ヘキサン、
イソプロピルアルコール等 5
主なVOC(例)
住宅部品製造工程のVOC使用(例)
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VOC
建材、天井材、壁紙、床材、ドア、階段、いす、テーブル、たんす等、
生活に身近な住宅部品の製造時にも、接着や塗装といった用途で使用 されている可能性
2 VOC対策 とは
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8
8光化学スモッグ発生時
通常時
都庁舎からの眺望
《健康影響》
・目や喉への刺激
・呼吸が苦しい
・めまい、頭痛
《農作物・植物被害》
・葉の変色
・収量の減少
・
VOC
が発生の一因・オゾン(
O
3 )を主成分とする有害物質・高濃度時
→
光化学スモッグ 屋外での活動が制限光化学オキシダントとは?
光化学スモッグを発生させないようにするためVOC対策が重要
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光化学 オキシダント
SPM PM2.5
ボイラー・
焼却炉等 蒸発系固定
(63%) 自然由来
(植物等)
自動車・
船舶等
一般家庭・
オフィス 工場・給油・
屋外塗装等
夏の高い 気温・日射
風が弱く Oxが蓄積
光化学オキシダントは夏に高濃度になりやすい
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排出規制 自主的取組
(自主的・広範囲)
ベストミックス
×
排出の規制と事業者が自主的に行う VOC
の排出及び飛散の抑制のための取組とを適切に組み合わせて、効果的な
VOC
の排出及び飛散の抑制を図っていく制度一定規模以上の排出
施設に対し、VOC
の排 出基準を設定(大気汚染防止法第17条の3)
(強制的・限定的)
すべての事業者の責務
としてVOC
の排出抑制 に努めることが規定(大気汚染防止法第17条の4関連) (大気汚染防止法第17条の14関連)
大気汚染防止法におけるVOC規制(1)
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低VOC製品の普及・啓発
●塗装・印刷等を発注する事業者等に対す る、VOC排出の少ない仕様での発注の普及
(対策ガイドの作成、公共部門での低VOC製品優先 使用等)
工場における自主的取組への技術支援
●塗装や印刷等のVOCを排出する 事業者に対する、対策技術の普及
(対策セミナー開催、アドバイザー派遣等)
排出事業者の取組を促進
東京都の取組 自主的取組の推進
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VOC対策の目標
2010
年度の時点で、蒸発系固定発生源から のVOC排出量の30%
以上を削減(2000
年度 比)。【「10
年後の東京」実行プログラム】2016
年度までに、光化学スモッグ注意報発令 日を0日とする。【東京都環境基本計画2008
】2010
年度の時点で、蒸発系固定発生源から のVOC排出総量を2000
年度比で3割程度抑 制。【大気汚染防止法施行通知(2005)
】○排出量削減に関する数値目標(
2010
年達成、取組は継続)44%削減し 達成
○環境の改善に関する目標 国
都
都
42%削減し 達成
目標・対策 継続中
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0 5 10 15 20 25
1975~1979 1978~1982 1981~1985 1984~1988 1987~1991 1990~1994 1993~1997 1996~2000 1999~2003 2002~2006 2005~2009 2008~2012
(時間/局)
0 5 10 15 20 25
(日)
都内における光化学オキシダントの 高濃度出現頻度の推移
折れ線グラフ(左軸):時間値0.12ppm以上となった一般局1局当たりの時間数 棒 グ ラ フ(右軸):光化学スモッグ注意報発令日数
いずれも5年移動平均
急激に増加
対策開始頃 から改善
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都内一般環境測定局の
環境基準達成率の推移
関東での広域的対策の重要性
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原因物質の発生
光化学オキシダント 生成
光化学オキシダント 移流
~日中
~夕方
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H24.10.17
中央環境審議会大気環境部会揮発性有機化合物排出抑制専門委員会(第
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回)資料環境省の取組
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3 発注時 の VOC対策
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購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけ でなく環境のことを考え、環境負荷ができるだけ小 さい製品やサービスを、環境負荷の低減に努める 事業者から優先して購入すること。
消費者
事業者
企業努力の評価⇒グリーン購入
環境配慮型製品・サービス等の 開発・供給
環境にやさしい
ライフスタイル 環境経営
グリーン 市場 企業
家庭 行政
国; グリーン購入法、 都; 東京都グリーン購入推進方針
グリーン購入
(国民の努力)
第十七条の十五
何人も、その日常生活に伴う揮発性有機 化合物の大気中への排出又は飛散を抑制 するように努めるとともに、製品の購入に当 たつて揮発性有機化合物の使用量の少ない 製品を選択すること等により揮発性有機化 合物の排出又は飛散の抑制を促進するよう 努めなければならない。
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「製品の購入」についての努力義 務がうたわれているのは、大気汚 染防止法の中ではこの条文だけ
大気汚染防止法におけるVOC規制(2)
経済産業省の動き
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H26.4.11 産業構造審議会 産業技術環境分科会 産業環境対策小委員会(第2回) 資料7より抜粋
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低VOC製品の普及・啓発
●塗装・印刷等を発注する事業者等に対す る、VOC排出の少ない仕様での発注の普及
(発注者向けのセミナー開催、公共部門での低VOC 製品優先使用等)
工場における自主的取組への技術支援
●塗装や印刷等のVOCを排出する 事業者に対する、対策技術の普及
(対策セミナー開催、アドバイザー派遣等)
排出事業者の取組を促進
東京都の取組 自主的取組の推進
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• 内部管理の要素が強く、費用がかかる
(排ガス処理装置等導入、低VOC型資材を使用・対応で きる設備への入替え、従業員の教育・・・)
• 成果物(製品)の品質・工期への影響の可能性
品質に影響あり:水性塗料の使用
作業効率に影響:溶剤容器の蓋閉め(手間)
• 下請事業者による作業の場合・・・
例:家電)消費者⇔小売店⇔家電メーカー⇔下請(排出)
多くの関係者の理解・協力が必要
(費用/品質/工期・・・)
コスト負担を転嫁しにくい
工場でのVOC排出抑制対策(一般論)
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■1.考慮すべき問題
① 住宅部品からのVOC放散
⇒
居住者の健康への影響(、周辺環境や大気環境への影響)② 製造工程からのVOC排出
⇒
労働者の健康への影響、周辺環境や大気環境への影響■2.1の対策方法
①
⇒
「VOCを含まない(もしくは低VOC)原材料を使用」「VOCの放散が抑えられるよう加工」「出荷前にVOCを放散し尽く す(=シックハウス対策)・・・ etc
②
⇒
「VOCを含まない(もしくは低VOC)原材料を使用」「排ガス処理施設の導入」・・・ etc
VOC対策コスト=製品の安全性向上のために必要
住宅部品製造でのVOC対策
住宅部品発注時のポイント
②外装資材等のVOC対策
・外装資材は、粉体・水性・ハ イソリッドなどの低VOC塗料 で塗装された製品を選択
•
製造工程におけるVOC排 出防止の取組(作業環境改 善にも重要)•
VOC排ガスの処理(回収再利用や燃焼など)
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①内装用資材のVOC対策
VOC放散に関する表示制度の活用
・4VOC基準適合
内装用の各資材についての適合確認
+組み合わせた住宅部品としての適合確認
③工場の環境対策をチェック
4VOCとは・・・
トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、
スチレン
維持管理も含めた、
住宅関係のVOC対策
②外装工事でのVOC対策
戸建住宅の外壁塗装は水性塗装がほとんど
(鉄部は弱溶剤系塗料が基本だが、水性塗料もあり)
屋根の遮熱塗料での塗替え⇒水性塗料もあり
溶剤形塗料を使用する場合は、長寿命・高耐候・防汚性などで
塗替えサイクルを長くすること
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①家具・生活用品のVOC対策
持込家具からのVOC放散への対策
・シックハウス対策指針適合
フローリングワックスなどでもシックハウス対策製品あり
その他の製品発注での考え方
②使用する資材を指定
•
水性の材料(水性塗料、水 系洗浄剤など)やVOCを使 用しない材料(ノンVOCイ ンキ、反応系接着剤など)•
VOCを減らした材料(ハイ ソリッド塗料や植物油イン キなど)③工場の環境対策をチェック
•
工程におけるVOC排出防 止の取組(蒸発防止、作業 効率改善など)•
VOC排ガスの処理26
①要求する品質基準の適正化
・ロスの最小化(ゴミブツ対策の徹底も重要)
・美観の向上はVOC使用と相関⇒他の要素でカバーも検討
様々な発注でのご協力を お願いします!
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グリーンプリンティン グマーク
(一社)日本印刷産業 連合会
エコマーク
(
公財)
日本環境協会バタフライマーク 日本WPA
クリオネマーク 環境保護印刷 推進協議会
植物油マーク 印刷インキ工業 連合会
インク成分中に石油系溶剤を含まない(ノンVOC
)
ことを示すマークは、インクメーカーごとに独自に作成し、表示している。(下記以外にもあり)
例)
参考)環境に配慮した印刷を示すマーク例(主にオフセット印刷)
カタログ印刷等の際にはご検討ください。
この他にも、環境配慮印刷であ ることを示すマークがあります。