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Effect of exercise on ocular circulation
Effect of exercise on ocular circulation
Effect of exercise on ocular circulation
Effect of exercise on ocular circulation
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キーワード:網膜血流,脈絡膜血流,自動能,運動,視覚機能 人間環境学府 行動システム専攻 健康行動学コース 2HE09043S 池村 司 1 1 1 1....背景背景背景 背景 ヒトは外部情報の 80~90%を視覚から得ている1)。す なわち、物体の正確な距離や速度等の情報を視覚から の情報に頼っており、運動時に視覚機能を維持するこ とは重要である。運動が視覚機能に及ぼす影響につい ては、運動中に視覚機能が向上したとする報告 2)や低 下したとする報告が 3)あり、見解は一致しておらず、 運動が視覚に与える影響は明らかでない。この問題を 解明するには、視覚に影響を及ぼす生理因子の運動に 伴う変化を明らかにすることが必要である(図 1)。 2 2 2 2....目的目的目的 目的 視覚に影響を及ぼす生理因子としては脳機能、瞳孔 径および眼底血流が挙げられる。本研究では眼底血流 に着目した。なぜなら、血流(例えば筋血流)は運動 中に著しく変化することから、眼底血流もまた運動中 に変化する可能性があるためである。加えて糖尿病網 膜症などの疾病によって眼底血流が低下すると、それ に伴って視力が低下することも知られている。眼底循 環は網膜循環および脈絡膜循環の 2 つで構成されてお り、光を受容する網膜へ血液を供給している。我々の 研究室では眼底血流の増減に伴って視力が変化するこ とを明らかにしており4)、眼底血流を維持することは視 覚機能維持に重要な役割を果たすと考えられる。とこ ろが、運動中の眼底血流応答を調査した研究は 2 例の みであり5) 6)、これらの研究の運動強度や運動種目は不 明である。そこで、本研究では運動に対する眼底血流 の応答を明らかにするために以下の 2 つの実験を行っ た。 3 3 3 3..静的運動..静的運動静的運動静的運動ががが眼底血流が眼底血流に眼底血流眼底血流ににに及及及及ぼすぼす影響ぼすぼす影響影響(影響(((実験実験①実験実験①①)①)) ) 1)実験の目的 眼底血管には血流を一定に保つ能力、すなわち自動 能が機能していることが先行研究によって示唆されて いる6)。しかし、運動中の眼底血流応答を検討した研究 は 2 例のみであり、運動中に自動能が機能するか否か は未だに明らかでない。静的運動に伴って、血圧は著 しく増加する。血圧の増加は、眼底へ血液を流入させ る圧力、すなわち眼底の灌流圧を高めるため、眼底血 流は増加する可能性がある。このことから、運動中、 血圧の増加に伴って眼底血流は増加すると仮定した。 この仮説を検証するため、ハンドグリップ運動時の眼 底血流を観察した。 2)方法 ⅰ)被験者 被験者は健常成人男女 11 名であった。実 験は、九州大学健康科学センター倫理委員会の承認を 受けて行った。 ⅱ)実験手順 2 分間の安静時測定後、ハンドグリップ 運動(HG)を 2 分間行わせた。HG では右手で最大随意
2 筋力の 30%強度を発揮し続けさせた。 ⅲ)測定項目 血圧、心拍数および眼底血流を測定し た。血流の流れやすさを示す血管コンダクタンスは、 血流を血圧で除すことによって算出した。上外側網膜 動脈(STRA)、下外側網膜動脈(ITRA)および網膜およ び脈絡膜血管(RCV)の血流を測定した(図 2)。 ⅳ)統計解析 すべてのデータは平均値±標準誤差で 示した。経時変化に伴う差の検定には繰り返しのある 分散分析を用い、ベースラインとの比較には Dunnett の検定を用いた。危険率 5%未満を統計的有意水準とし た。 3)結果 血圧は安静値と比較して有意に増加した(89±3 vs. 96 ±4mmHg)。HG 中、動脈圧の増加に伴って RCV および ITRA の血流は有意に増加した(図 3)。血管コンダクタンス に変化は見られなかった。 4)考察 静的運動中、眼底血流は増加することが明らかとな った。また、昇圧時に眼底の血管コンダクタンスが減 少せずに血流が増加したことから、眼底血管では自動 能が必ずしも十分に働かないことが明らかになった。 4 4 4 4....疲労困憊疲労困憊疲労困憊に疲労困憊にに至に至至る至るるる動的運動動的運動が動的運動動的運動ががが眼底血流眼底血流眼底血流眼底血流にに及にに及及ぼす及ぼすぼす影響ぼす影響影響影響 ( ( ( (実験実験実験②実験②②)②)) ) 1)実験の目的 実験①により、運動に伴う血圧の上昇が眼底血流を 増加させることが明らかとなった。一方で、運動によ る疲労困憊時には過換気が生じ、動脈血二酸化炭素分 圧(PaCO2)が低下する。眼底血流は PaCO2の低下に伴 い減少することから7)、高強度運動に伴う PaCO 2の低下 が眼底血流を低下させる可能性がある。そこで、実験 ②では、疲労困憊に至る動的運動が眼底血流に及ぼす 影響を検討した。 2)方法 ⅰ)被験者 被験者は健常成人男性 12 名であった。実 験は、九州大学健康科学センター倫理委員会の承認を 受けて行った。 ⅱ)実験手順 3 分間の安静時測定後、被験者に最大酸 素摂取量の 75%強度で自転車エルゴメーター運動を疲 労困憊まで行わせた(平均強度:153±7W,平均運動時 間:24±8 分)。運動中のデータは、運動開始から 6 分 時点および疲労困憊時点を解析に用いた。回復期のデ ータは回復期測定開始から 9 分時点を解析に用いた。 ⅲ)測定項目 血圧、心拍数、眼底血流および呼気ガ ス濃度を測定した。血管コンダクタンスは血流を血圧 で除すことによって算出した。呼気ガスより PaCO2を推 定した。体を固定できなかった影響や、まばたきの影 響により、ITRA では欠損データが多くあったため、実 験②では STRA、RCV および上内側網膜動脈(SNRA)の 血流を測定した(図 4)。 ⅳ)統計解析 運動中のデータは、運動開始から 6 分 時点、および疲労困憊時点のデータを用いた。実験① と同様の解析を行った。
3 3)結果 運動中、血圧は安静値と比較して 25%以上の有意な 増加を示した。PaCO2は疲労困憊時において有意な低下 を示した。運動開始 6 分時点では、血流は RCV で安静 値と比較して有意な増加を示し、血管コンダクタンス は STRA および SNRA で有意な低下を示した(図 5)。疲 労困憊時には、RCV の増加は抑制され、むしろ STRA で は安静値と比較して有意な低下を示した。血管コンダ クタンスは有意な低下を示した。 4)考察 運動開始 6 分で脈絡膜血流は増加し、網膜血流は変 化しなかった。このことから、網膜では自動能が働き、 脈絡膜ではそれが十分に働かずに血流が増加すること が示唆された。疲労困憊時点では、血圧の増加に対し て脈絡膜血流の増加は抑制され、網膜血流は安静レベ ルよりも低下した。これらの応答は過換気による PaCO2 の低下の影響により、昇圧の影響を上回る血管コンダ クタンスの低下が生じたことが主な原因であると考え られる。 5 5 5 5...まとめ.まとめまとめ まとめ 本研究の目的は、運動が眼底血流に与える影響につ いて明らかにすることであった。 実験①では、静的運動中の昇圧が網膜および脈絡膜 の血流を増加させた。一般的に、眼底血管には血流を 一定に保つ能力、すなわち自動能が機能していること が示唆されている6)。ところが、運動中の眼底血管には 自動能が必ずしも十分に機能しないことが実験①によ り示唆された。実験②では、眼底血流の様態が疲労困 憊時点における PaCO2の低下の影響を強く反映し、その 影響が昇圧の影響を上回ることを明らかにした。 すべての運動中、網膜血流の変化は 10%未満であった。 一方、脈絡膜血流は 30%以上の増加を示した。運動に対 するこれらの循環応答は機能的にも意味のある応答で あると考えられる。網膜血管は、網膜に存在する視細 胞よりも光の入射方向に対して近位であることから (図 6)、網膜血管への過灌流は視細胞への光の到達を 妨げる7) 8)。したがって、運動時に網膜血流が比較一定 に保たれたことで、視細胞への光の到達は阻害されな いと考えられる。一方、脈絡膜血管は視細胞よりも光 の入射方向に対して遠位であり(図 6)、視細胞へ栄養 を供給する唯一の血管である。本研究の結果は、脈絡 膜血流が増加することが視覚機能の維持や、改善につ ながるという推察9)を支持するものかもしれない。また、 疲労困憊時点では眼底血流が安静レベルより低下した。 先行研究では、高強度の動的運動中(170-180 拍/分)、 一時的に視野が狭窄することを報告しており 10)、本研 究で見られたような眼底血流の低下が関連しているか もしれない。
4 6 6 6 6....引用文献引用文献引用文献 引用文献 1) 石垣尚男. 最新運動生理学-身体パフォーマン スの科学的基礎-p121-33, 1997.
2) Millslagle D et al. Percept Mot Skills 101: 657-664, 2005.
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4) Hayashi N et al. (revising at Eur J Appl Physiol).
5) Kiss B et al. Miscovasc Res 61: 1–13, 2001. 6) Riva C et al. Invest Ophthal Vis Sci 38:
2338–2343, 1997.
7) Deleay C and Van de Voorde J. Ophthal Res32: 249–256, 2000.
8) Bill A. Physol Rev 55: 383-417, 1975.
9) Lovasik JV and Kergoat H. Optometry Vis Sci 81: 692-698, 2004.