「極端紫外線(
EUV)露光システム開発プロジェクト」
中間評価報告書
平成17年8月
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
研究評価委員会
目 次
はじめに
1
分科会委員名簿
2
審議経過
3
評価概要
4
研究評価委員会におけるコメント
7
研究評価委員会委員名簿
8
第1章 評 価
1.プロジェクト全体に関する評価結果
1-1
1.1 総論
1.2 各論
2.個別テーマに関する評価結果
1-18
2.1 光源技術
(1)高出力・高品位 EUV 光源技術および EUV 光源評価技術
(2)集光ミラー汚染・損傷評価技術および集光ミラー汚染・損傷防止技術
(3)光源技術の実用化の見通し
2.2 装置技術
(1)EUV 露光装置用非球面加工・計測技術
(2)EUV 露光装置コンタミネーション制御技術
(3)装置技術の実用化の見通し
3.評点結果
1-34
第2章 評価対象プロジェクト
1.事業原簿
2-1
2.分科会における説明資料
2-2
参考資料1 評価の実施方法
参考資料
1-1
1
はじめに
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構においては、被評価プロジェク
ト毎に当該技術の外部の専門家、有識者等によって構成される研究評価分科会を研究
評価委員会によって設置し、同分科会にて被評価対象プロジェクトの研究評価を行い、
評価報告書案を策定の上、研究評価委員会において確定している。
本書は、
「極端紫外線(EUV)露光システム開発プロジェクト」の中間評価報告書で
あり、第5回研究評価委員会において設置された「極端紫外線(EUV)露光システム
開発プロジェクト」
(中間評価)研究評価分科会において評価報告書案を策定し、第
6回研究評価委員会(平成17年8月18日)に諮り、確定されたものである。
平成17年8月
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
研究評価委員会
2
「極端紫外線(
EUV)露光システム開発プロジェクト」
中間評価分科会委員名簿
(平成17年6月現在)
氏名
所属
分科会
会長
柴田
し ば た直
ただし国立大学法人東京大学大学院
新領域創成科学研究科 基盤情報学専攻
教授
分科会
会長代理
渡部
わたなべ俊
しゅん太郎
た ろ う国立大学法人東京大学 物性研究所
副所長/教授
伊藤
い と う順司
じゅんじ独立行政法人産業技術総合研究所 企画本部
副本部長
大木
お お き茂久
しげひさ日本電信電話株式会社
マイクロシステムインテグレーション研究所
ネットワーク装置インテグレーション研究部
主幹研究員
岸本
きしもと隆正
たかまさ株式会社野村総合研究所
技術・産業コンサルタント部
技術戦略コンサルタント室
室長
佐藤
さ と う了 平
りょうへい国立大学法人大阪大学
先端科学イノベーションセンター
教授
渋谷
し ぶ や眞人
ま さ と東京工芸大学 工学部 光情報メディア工学科
教授
分科会
委員
戸所
とどころ義博
よしひろ国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
知的財産本部
特任教授
敬称略、五十音順
3
審議経過
l 第1回 分科会(平成17年4月20日)
公開セッション
1.開会、資料の確認
2.分科会の公開について
3.評価の実施方法について
4.評価報告書の構成について
5.プロジェクトの概要説明
非公開セッション
6.プロジェクトの詳細説明
7.今後の予定、その他
l 第2回 分科会(平成17年6月15日)
公開セッション
1.開会、資料の確認
2.評価の進め方について
非公開セッション
3.実施者側補足説明
公開セッション
4.評価報告書(案)の審議及び確定
5.閉会
l 第6回 研究評価委員会(平成17年8月18日)
4
評価概要
1.総 論
1)総合評価
半導体技術は我が国の基幹技術であり、hp 45nm 以細の大量生産品向けリソグラフ
ィ技術の開発を目的とした本プロジェクトは、我が国 IT 産業の競争力強化に直結す
るもので、国家プロジェクトとして極めて有意義である。研究開発成果も、中間目標
をほぼ達成し、ロードマップのタイミングにあわせて着実に成果をあげており、実用
化シナリオを含む今後の展開も大いに期待できる。
社会的及び事業的・技術的効果を強く意識した研究開発が実施されており、産学の
協力のもとに、他の関連プロジェクトである文科省のリーディングプロジェクトや
ASET、MIRAI プロジェクト等との連携体制が確立され、十分なシナジー効果が見て取
れる。世界の動向に柔軟に対応した試作機開発などに見られるように、マネジメント
も戦略的になされている。事業の位置づけ・必要性、研究開発マネジメント、研究開
発成果は適切であり、高く評価される。
そして、光源、光学系という要素技術開発に特化してきた結果、装置システム全体
としての計画に着手できる段階になった。是非 SFET の開発を加速するとともに、α
機に向けた技術開発を着実に進め、実用化技術に繋げていただきたい。また、本技術
をチップ試作に適用し、トータル製造プロセスとして技術を確立していくことが重要
であり、つくば R&D センター(仮称)や半導体メーカとの連携が必須である。
さらに、本開発終了後の日本半導体業界の競争力を確保するためには、本最先端技
術の開発成果を国内メーカによる LSI 開発に繋げるための戦略を、国はきちんと用意
する必要がある。なお、技術的難易度を考慮すると、技術を日本ですべて開発するこ
とに拘らず、海外の技術活用も検討すべきである。
2)今後に対する提言
本プロジェクトは、日本が技術立国を進める上での基幹技術開発であり、順調な成
果を上げているので、今後実用化を目指し、特許固めも含め、基盤技術開発を加速し
て頂きたい。そのために、トータルシステムとしての技術検証を重点的に進める必要
があり、SFET の開発を加速し、実用化に向けた技術開発をつくば R&D センター(仮称)
等との綿密な連携で進めることが重要である。SFET の成果がどれだけ実用化にフィー
ドバックできるかが今後のプロジェクト推進のひとつの鍵となる。世界との競争に優
位を保つことが重要であり、柔軟で大胆な施策が望まれる。
2.各 論
1)事業の位置付け・必要性について
半導体 VLSI 技術は、情報化社会を支える根幹技術であり、特に量産工場において
極微細パターンを大量かつ高精度に形成する露光装置開発は、わが国の基幹産業を生
み出す技術開発である。特に、hp 45nm 以細の大量生産品向けリソグラフィ技術とし
5
て EUV は本命の一つであり、我が国IT産業の競争力強化のために産学官の力を結集
して技術開発を行う本プロジェクトは、NEDO の事業として極めて有意義なものである。
EUV リソグラフィには、これまでの技術の延長線上にない数多くの新規技術開発が
要求され、巨大な投資が必要である。これを民間活動のみで行うことは、経済的にも
技術的にも非常に困難である。また、本技術開発の成果は半導体製造の数世代に渡っ
て適用可能であり、他の産業、事業分野への波及効果が大きく、公共性も高い。この
事情は欧・米とも同様であり、優れた民間の技術力に官のリーダシップと学の力を総
合し、国家的に取り組むべき重要なテーマである。
ただし、本プロジェクトの成果が日本の半導体産業全体の競争力強化につながるた
めには、国内メーカによる LSI システム開発との連携を図る国としての戦略が必須で
ある。
2)研究開発マネジメントについて
「hp 45nm 以細の複数世代にわたり使えるリソグラフィは、EUV しか無い。
」という
認識のもと、各技術開発項目のターゲットは実用化の観点から具体的な数字として明
確に設定されており、また中間評価時点での達成度もきちんと数値で提示されている。
競合動向を踏まえた計画変更も柔軟かつ着実に行なわれており、他のプロジェクトと
の連携もよくマネジメントされている。実施体制としては、実用化・事業化に向けて
国内で最適な企業ならびに研究者が担当し、利益が相反する同じ分野の会社間、ある
いは装置、デバイスメーカを強いリーダシップでまとめ上げることにより、短期間で
高い成果を出している。以上のように、研究開発マネジメントとしては極めて優れた
体制と評価できる。
ただし、SFET とα機の開発をほぼ並行して進める時に、力が分散しないよう、注意
深いマネジメントを望む。SFET の成果を十分にフィードバックすることが重要であり、
α機の開発に決して拙速になってはならない。
また、2つの光源技術開発は今後の進捗に応じて、どちらかの技術に集約していく
べきだが、その際、選択しなかった技術に関しては次の技術開発につなぐべく、きち
んとした技術継承の道筋をつけていただきたい。
候補技術の絞り込み、実施体制の最適化等、今後困難な決断が必要になると予想さ
れるが、さらなる強力なマネジメントによるプロジェクト推進を期待する。
3)研究開発成果について
中間目標は、1年前倒しでほぼ達成され、未達成の項目も方針がはっきりしてお
り、近く達成の見込みと判断できる。現在までの成果に基き最終目標、実用化に向け
た課題を明示しており、実用機へ至る技術開発も、納得の行くシナリオが提示されて
いる。また、ここで検討開発されている技術は、この分野だけでなく周辺の技術領域
にも波及するポテンシャルを有しており、中間評価として十分な成果が上がっている
と結論できる。
特許・論文発表とも適切に行われているが、今後特許に関しては、関連技術を含め
6
た体系的特許調査ならびに権利関係の調査を基礎に、万全の戦略で特許化を進めてい
ただきたい。特に、プロセス開発、デバイス試作への応用等で重要な特許の出てくる
ことを期待する。
4)実用化、事業化の見通しについて
実用化に至る技術開発に関しては、事業化のターゲット、市場規模、解決すべき課
題とその解決方針など、十分に納得のいくシナリオが提示されており、本プロジェク
トの開発から、民間での実用化のための技術開発へのつながりは、明確になっている
と評価できる。実用化のためには長寿命化、安定化、コストダウンが必要であるが、
実用化を意識した妥当な製品価格を目指して開発が進められており、まだ不確定要素
はあるが、実用化の見通しは有ると判断される。
ただし、リソグラフィは、それだけで完結するものではなく複雑な VLSI を試作し
てみて初めて技術の真価が評価できる。是非とも早い時期から検討を進め、このプロ
ジェクトへのフィードバック体制を実現してほしい。
設定したコスト実現のためには EUV 露光装置の市場予測を含めた事業化に対するシ
ナリオの継続的な見直しと、それに基づく課題の変更を検討する必要がある。また、
光源と装置を一体化したフルセットモデルを想定しているが、光源あるいは装置の部
分的なモジュール事業なども想定される。
ただし、本プロジェクトは、技術的にはまだまだ研究開発すべき項目があり、まだ
全体としてコストダウンを十分に議論できるレベルには至っていない。むしろコスト
の観点から技術開発にブレーキがかからないよう、十分注意する必要がある。
7
研究評価委員会におけるコメント
第6回研究評価委員会(平成17年8月18日開催)に諮り、了承された。研究評
価委員から以下のコメントが出された。
● 日本の半導体産業の復活のためには、本最先端技術を含め、これらの開発成果
を国をあげての技術開発につなげていくための戦略が必要である、との提言は
妥当である。
● ただし、量産機までの開発段階においては、諸外国と摩擦にならないよう、国
が関与する部分と民間が自主開発する部分を明確にした展開が望まれる。
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