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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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Academic year: 2021

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ボードレベル設計のためのシグナル・インテグリテ ィ解析とその応用に関する研究

著者 久保田 英正

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 28

ページ 104‑106

発行年 2007‑03‑22

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1186

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学位 記番 号    工博 甲第   280   号 学位授与の日付    平成 18年 3月 24日

学位授与の要件    学位規程第 5条 第 1項 該当 研究科 ・ 専攻の名称    電子科学研究科   電子応用工学

学位論文題ロ    ボー ドレベル設計のためのシグナル 0イ ンテグリティ解析 とその応用に関する研究

論文審査委員    (委 員長

)

教 授 相 田 一 夫   教 授 大 坪 順 次 教 授 藤 本 正 之   教 授 浅 井 秀 樹

論 文 内 容 の 要 旨

本論文では、ボー ドレベル設計のためのシグナル・インテグリテイ解析 を目的 とした回路 シミュ レーシヨン技法及び電磁界解析技法について述べる。近年ますます発展する回路実装技術の一方で、

回路設計 に対 しては更なる高性能、小型、低消費電力 といった要求が絶える事がない。そのために 回路の高集積化、高速化が進め られ、それによって発生する信号のクロス トーク、遅延、電源電圧 の変動及び様々なノイズが回路の予期せぬ誤動作 を引 き起 こす原因とな り得る。そのため、設計回 路の動作検証が必要不可欠 となっている。そのような問題 に対 して、従来か らの手法 としてブレン ドボー ドの試作 による動作検証が行われるが、多 くのコス トが必要であ り、試作回数を重ねるにつ れて開発費の増大 を招 く。そこで、計算機上のシミュレーションによる動作検証が取 り入れ られて きた。 また、開発期間の短縮 も重要な問題の一つであ り、シミュレーシ ョン技術 について も、より 一層高精度で効率の良いものが求められている。一般に良 く知 られた回路 シミュレータである SPIcE

(Simulation Program with lnteratOd CiFCuit Emphasis)は 、与 えられた回路 について、ネッ トリス トと 呼ばれる素子結線情報 を持つ入カ ファイルよリキルヒホ ッフの法貝り 等か ら回路方程式 を生成 し、数 値計算 により解析 を行 うもので、開発 されてか ら今 日まで多 くの機関によって改良がなされてきた。

しかしながら、近年の複雑かつ大規模な回路の解析を直接行 うことは、精度、計算コス トの問題か らほぼ不可能になってきている。近年の回路規模の増大は著 しく、従来の市販回路シミュレータに よる解析はます ます困難なものとなっている。そのような問題に対 して、回路網から得 られる大規 模回路方程式を小規模な方程式によって近似 し、効率的な解析を行 う回路縮小技法が提案されてき た。それと同時に、回路網の高集積化、動作周波数の高速化によって t配 線上で生 じる信号の反射

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やクロス トーク、グラン ドバウンス等、以前は無視 されてきたノイズの回路 に与える影響が大 きくな り、それ らの影響を含めた回路モデルのシミュレーションが要求されている。そこで、配線の材質や 構造か ら、その特性 を等価回路網や伝達関数 を用いてモデル化 し、回路素子 と組み合わせた回路 シ ミュレーションを行 うことによつて、高精度かつ効率的なシグナルインテグリテイの検証 を行 う。こ こでは線形回路縮小技法である PRIMAに よって得 られたマクロモデルを、電圧制御電流源モデルの 形で組み込むことによって高速化する手法 を提案する。また、非線形素子の影響を含めたマクロモデ ルを作成する非線形回路網縮小技法について、その高速化 と適用範囲の拡大 について検討する。また 一方で、 Mttwenの 方程式 に基づいた Fun‐ Wave解 析 として広 く知 られている HrD(Fini Difference Time― Domain)法 について、これをプリン ト基板解析 に適用 し、多層基板の多導体線路やビア等、 3次 元的な構造 に起因する影響 を解析 し、検証 を行 う。大規模なモデルに対 して詳細な解析 を行 う場合、

DD法 を用いた解析で も計算 コス トが問題 となる。そこで、解析領域 を分割 し、複数の計算機 によ る並列分散解析、空間差分 におけるメッシュ分割の最適化等 について調査、検討 を行 う。回路解析 に 基づいた手法 として、回路縮小モデルによる解析は高速かつ高精度な解析 を行 う事がで きる半面、縮 小することによつて内部回路がブラックボックス化 され、ポご 卜として指定 した以外の節点は値の観 測が不可能になる。一方、 FDD法 による解析ではプレーンを伝搬する波 を、電圧および電流分布 と

して観測することが出来る。 しか しなが ら、解析対象の周 りに空気層 と呼ばれる空間、吸収境界条件 が必要であ り、非常 に多 くの計算

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要 とする。LIM(Latency ttertim M咄 Od)は 、回路 をマ クロモデル F近 似することな く、 ,ま た空気層 1吸 収境界条件 を必要 としないも しか しなが ら、 LIMで は電圧・電流の更新式 を得 るために、解析対象 となる回路の各枝・節点―グラン ド間にインダクタ

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ス・キャパシタンスが存在 しなければならない という制限が存在する。そこで、提案手法では SPIcE 型解析手法 との連携 によって LIMで 解析可能な回路構造の制限を無 くし、任意の回路構造 に適用可能 な高速解析手法を提案する。本論文で論 じる幾つかの手法の特性 を理解 した上で解析対象に適 した手 法 を用い、組み合わせる事が回路設計 におけるシミュレーシ ョン技法 として有効であると考 えられ る。

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

本論文では、ボー ドレベル設計のためのシグナル 0イ ンテグリテイ (信 号品質 )解 析 を目的とした回 路 シミュレーシ ョン技法及び電磁界解析技法 について述べた。第 1章 で、近年の回路設計 において 計算機によるシミュレーションが必要不可欠なものになっている背景について述べた後、シグナル・

インテグリテイの定義及び、 これまでに提案 されて きた解析手法 について触れた。

第 2章 では、回路縮小技法 を用いた高速回路 シミュレーシ ョンについて述べている。 ここでは線 形回路縮小技法である PUA(受 動的減次配線マクロモデル化 アルゴリズム )に よつて得 られたマク ロモデルを、電圧制御電流源モデルの形で組み込むことによって、本来、縮小モデル部分に不必要な 反復計算 を回避 し、高速化する手法 を提案 した。

また、第 3章 において非線形素子の影響 を含めたマクロモデルを作成する非線形回路網縮小技法 について、その高速化 と適用範囲の拡大について検討 した。従来法では解析対象 となる回路の全ての 節点にキャパシタが接続 されている必要があつたが、変換行列 を導出する式変形 を改良することによ り、任意の回路網への適用 を可能 とした。また、縮小ヤコビアンを直接求めることによって、ヤコビ アン導出の計算 コス トを削減 し、高速化 を試みた。

第 4章 では、 まず、電磁界解析手法の活用方法 として、マイクロス トリップラインのような単純 な配線 に対する FDD(時 間領域差分 )法 の解析精度 について検討 した。シミュレーションと実測 との 比較、セルサイズによる離散化誤差の観点か ら検討するとともに、 DM(有 限差分法 )二 次元解析 を 用いたセルサイズに対する解析精度の見積 もり法 を提案 した。また、大規模問題 に対する解析例 とし て、 16台 のPCク ラス タを用いて実基板 に対する what― If解析 を行い、ノイズを低減 した例 を紹介 し た。

第 5章 では HM(潜 在性挿入法 )に 基づいた高速過渡解析手法について述べた。 HMは 大規模 回路網 解析 に対 して非常 に有効な高速過渡解析手法であるが、解析対象 となる回路の構造 に制限が存在す る。本章では、SPICE型 解析手法 との連携 によって LIMで 解析可能な回路構造の制限を無 くし、任意 の回路構造 に適用可能な高速解析手法 を提案 した。

最後 に、本論文の結論 を述べ、その有効性及び今後の展望 について示 した。以上の成果は、回路 シ ミュレーシ ョンを中心 とする工学分野において価値があ り、博士 (工 学 )の 学位 を与えるにふさわ しい と認定する。

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参照

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