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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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Academic year: 2021

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(1)

GaAs静電誘導パワーデバイス製作技術に関する研究

著者 富田 晃吉

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 16

ページ 177‑179

発行年 1995‑03‑28

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1263

(2)

氏名・(本

)  

  

  

  

(岡山県)

学 位 の 種 類

 

博 士 (工)

学 位 記 番 号

  

工博 甲第

  97  

学位授与の日付

  

平 成

6年

3月 23日 学位授与の要件

  

学位規則第4条第 1項該当

研究科・専攻の名称

  

電子科学研究科

 

電子応用工学専攻

学位論文題目

  GaAs静

電誘導パワーデバイス製作技術に関する研究

論文審査委員

   (委

員長)

教 授

教 授

 

 

教 授 教 授

  

 

 

 

   

助教授

  

 

   

論 文 内 容 の 要 旨

SIThy(Static lnduction lllyHstor)や BSr(BipOlar̲mode Static lnduction Transistor)は バイポーラモー ドで動作する静電誘導 (SI)デバイスであ り、高耐圧であると同時にオン抵抗力Ⅵヽさく低損失を兼ね備 えたパ ヮーデバ イス として高 く評価 されている。 しか しキャリアライフタイムが比較的長いSiを用いた sIパワーデバ イスはターンオフ時のスイッチ ング速度が遅 くな り、従つてスイツチ ング損失が大 きい。

GaAsはSiに比較 してキヤリアライフタイムが はるか に短 く、更 に直接遷移型の半導体であることか ら、GaAs SIT町 やBSITは 高速スイッチ ング特性 と優れた受発光特性 を持つ新 しいパ ワーデバ イス とし て期待で きる。 しか し、GaAsのプロセス技術 はSiと比較するとはるかに遅れてお り、GaAs SIデ バイス に関す る報告 も未だ数少ないのが現状である。

sIデバ イスを実現する上で最 も重要と考えられる問題は、デバ イスの活性領域 となる所要の純度の低 不純物濃度層 に層)を得る技術 にある。 しか し、GaAsの曜 の成長 に関 してはまだ十分理解 されてい るとは言えず、。また高不純物濃度の基板上 に低不純物濃度のエ ビタキシャル層 を成長 させる従来の技 術では、所要の純度の媚 を得ることは非常 に困難である。

本論文では、新規能デバイスとして有望 なGaAs SIパ ワーデバ イスを実現するための新 しい製作技術 の開発 について述べ る。

最初 にSIデバ イスの活性領域 を形成するのに不可欠な高純度のL層 の成長のため、液相エピタキシー

(LPE)法を用いてアンドープQょsエピタキシャル成長をおこない、得 られたLPEEの特性 と各種成長 条件 との関係 を解析 した。その結果、長時間 (20時)のH2べングによって0(oxygen)と 考えら

(3)

れる残留 ドナー不純物 は成長溶液か ら除去 されるが、この効果 に対 し700℃ 〜

95ё

℃の範囲でベーキン グ温度 による差は見 られず、また900℃ 以上常の高温・長時間のH2べングではアクセプタ不純物 と なるSi(silicon)に よる成長溶液の汚染が増加することか ら、7∞℃の低温H2べングが成長溶液の

純化 に対 し効果的であることがわかった。 また成長温度 の増加でSi汚染が無い場合に支配的な残留アク セプタ不純物 となるc(carbon)の偏析係数 は増加 し、0と 考えられる残留 ドナー不純物の偏析係数は 減少することがわか り、これらの結果か ら所要の純度のL層 を成長 させるのに適 した成長条件の指標 を 得た。

次 に、SIデバイスの基本的な構成要素 となるGaAs pinダ イオー ドの順方向電流一電圧特性 について1 次元 シミュレーションによる解析 をお こなった結果、GaAs SIパ ワーデバ イスは10∞V程度の耐圧 を持 つ中電力用の高速スイッチ ング素子 として有望であ り、電圧損失 と耐圧の トレー ドオフの関係からデ バ イスの活性領域 としてキヤリアライフタイムが10‐8s程度、厚 さ力も m程 度のL層 が適当であること がわかつた。

次 に素子の基板 となる高不純物濃度層 佃層)とデバイスの活性領域 となる低不純物濃度層 (瑚)

との接合 (H―L接)の新 しい形成技術 として、逆エ ビタキシーを導入 したLPEによる格子整合H―L接 合形成技術を開発 した。媚 としてGeドープGaAs層 のLPE成長 をおこない、アンドープのGaAs成長基 板上 にそれと格子整合の取れた素子の基板 とするのに十分な300μ m以 上の厚 さを持 ち、不純物分布が 均一で素子の基板 として十分使用可能 なキ ャリア濃度及び比抵抗 のp+GaAs層 が得 られることがわか

り、デバイス製作 に最適 な急峻な不純物濃度分布 を持つH―L接合を形成で きることが確認で きた たLEC(Liquid Encapsulated Cz∝hralski)ア ン ドープ半絶縁性GaAs基板 をL層 として使用 したH―L接 合̀ま

(p十̲i接)を用いてGaAs pinダ イォー ドを試作 し評価 をおこなった結果、このL層 はp 層 となってお り、接合は

p+―

p‐接合であることが確認で きた。 また試作 したGaAs pinダ イオー ドは今後の新 しい光機 SIデバイスで重要 となる優れた受発光特性 を持っていることが確かめられた。更 に今後の展開とし て、 より高品質の媚 を持つH―L接 合 を得 るため、アン ドープGaAs LPE成長 と逆エ ピタキシーによる 格子整合H―L接合形成技術 を組み合わせた新 しいH―L接合形成技術 を提案 した。

更 に形成 したp+―p 接合 を用い、n+選 択埋 め込み成長 な らびにZn選択熱拡散 をお こない、GaAs p―

channel BSITを 試作 しバイポーラモー ドでの動作を確認 した。この結果BSrrの 試作のために開発 した製 作プロセスは今後のGaAs SIパ ワーデバ イスの製作 に有効 に使用で きる見通 しを得た。

以上述べて きたように、GaAs SIデ バ イスの実現 に置いて重要 となる高純度の曜 を得 るため、アン ドープGaAs LPE層 の特性 と成長条件 との関係 を明 らかに し、L層 を成長 させるのに適 した成長条件の 指標 を得た。 また同様 に重要である高品質なH―L接合を得るために、逆エ ビタキシーを導入 した新 し い格子整合GaAs H―L接合技術 を開発 した。更にこの新 しい技術 を用いて形成 した格子整合

p+―

i接合を 利用 してGaAs pinダ イオー ド、GaAs p‐channel BSrを 試作 し評価 をお こなった。

本研究によって開発 し提案 したこれ らの技術 により、より高性能のGaAs SIデ バ イスの実現が期待で きる。

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

静電誘導 (SI)サイリスタやバイポーラモー ド静電誘導 トランジスタ (BSIT)な どのSIパワーデバイ スは高耐圧 。大電流化、低損失化に対 して、優れた特性 を有 してお り、その高速化が緊急課題である。

しか し現在のSiで構成 されたデバイスでは、キヤリアの寿命が長いために、電流導通時の少数キヤリア の蓄積効果がスイツチ ング速度 に影響 を及ぼ し、高速化が困難である。

本研究はこの問題 を解決 し、またデバ イスの高機能化を目的 としてなされた。GaAsは直接遷移型の バ ン ド構造をもち、Siに比べてキヤリアの寿命がはるかに短 く、さらに受発光特性が優れていることか ら、これを用いてSIデバイスが製作で きれば、高速スイッチ ングと光 による制御が可能になる。こうし SIデバイスを実現するためには、デバイスの活性領域 となる低不純物濃度層 (J雪)の成長技術 と、

その層 とベース領域 となる高不純物濃度層 (H層)との境界で格子整合 したH―L接 合の形成技術の確立 が不可欠である。本研究では高純度の結晶成長に適 した液相エ ビタキシャル (LPE)法を用い、 さらに 格子補償効果 を活用 したデバ イスの新製作技術 を開発 して、これ らの問題を解決 した。

本論文の第1章では、化合物半導体、特 にGaAsデバ イスの歴史とその問題点など本研究の背景につい て述べている。第2章 では、SIパワーデバイスの活性領域 として不可欠な低不純物濃度で、かつ高品質 な媚 を成長するために、LPEにおける各種成長条件 を検討 し、高純度GaAs層 の成長に対する指針が得 られた。第3章 では、SIデバイスの基本的な構成要素であるGaAs pinダ イオー ドの1次元 シミュレーショ ンにより、特 に電圧損失の観点から、GaAsのSIパワーデバイスで要求 されるL層 の特性 について検討 し た。その結果、GaAs‐SIデバイスは耐圧10∞V程度の中電力用高速スイッチング素子 として有望なこと が判明 し、 またその設計製作に対する知見が得 られた。第祥 では、 まずエビタキシヤルH層を基板 と して用いる逆エ ビタキシーの発想を導入 した格子整合H‐L接合の新 しい形成技術の開発 について述べ、

次 にこの新技術 を用いてSIデバ イスの基本 となるGaAs pinダ イオー ドを試作 し、良好な特性 を得てい る。また、アン ドープGaAsのLPE成長 と逆エ ビタキシー技術 を組み合わせたH‐L接合形成技術 を用いれ ば、より高品質の

H―

L接合が得 られることを提案 している。第5章 では、本技術 によって形成 した格子 整合p十̲p‐接合を用いてGttspチャネルBSITを 試作 した結果、基本的な動作が確認で き、本技術力ヽIデ バ イスの製作 に対 して有効なことを示 している。第6章 は総括である。

要するに、本研究はSIパワーデバイスの発展 に対す る貢献が大である。審査の結果、本論文 は博士 (工)の学位 に相当する十分な内容があるもの と認定する。

参照

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