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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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Academic year: 2021

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マイクロリソグラフィ用低分子量レジスト材料 (LMR)の研究

著者 山下 吉雄

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 14

ページ 158‑161

発行年 1993‑03‑25

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1738

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氏名。 (本 籍 )   山    下    吉    雄  (東 京都

)

学 位 の種類 博 士 (工 学

)

学 位記 番号    工博乙第   38   号 学位授与の日付   平 成 4年 1月 21日 学鍛 与の要件    学位規則第 4条 2項 該当

学位論文題ロ    マイクロリソグラフィ用低分子量 レジス ト材料 (LMR)の 研究

論文審査委 員   (委 員長

)

教 授 小 林 純 一

教 授 尾 形   強   教 授 安 藤 隆 男 助教授 木 下 治 久   助教授 吉 田   弘

論 文 内 容 の 要 旨

半導体デバイスの高集積化 ,高 速化 ,高 機能化は今後 も進展する事は疑 う余地 もなく ,こ れに伴い サブミクロンか らディープサブミクロンの水準の微細加工技術が要求されてきている。これを実現す るためには露光光源の短波長化及びこれに伴 うレジス トや レジス トプロセスの開発が必要である。基 板の加工の際には ドライエッチング ,ウ ェットエッチング ,  リフトオフなどが用いられているためレ

ジス トに要求される性能はそれぞれ異なってくる。即ち ,光 源及び加エプロセスに合致 したレジスト

,

レジス トプロセスの開発が益々重要 となってきた。

本論文は ,紫 外線 ,遠 紫外線 ,電 子線に高感度で ,  しかもリフトオフや多層 レジス トに適用できる マイクロリソグラフィ用感光性材料に関するもので ,低 分子量 レジス ト材料 (LMR)及 びそれを用 いたレジス トプロセスに関 して研究成果をまとめたものである。 リソグラフィ用感光性材料の報告は 極めて多いが リフトオフプロセス専用のレジス ト材料の研究は Lli4Rが 最初である。又 ,感 光性材料

としてクリソタイルやロジンなどの天然物を利用 した研究 も本研究が最初である。

第 1章 では ,半 導体の今後の動向とこれに対応するリソグラフィの役割に関 して述べ ,そ れに用い る感光性材料の研究について現在までに明 らかになっている事を紹介 している。そして ,本 研究の目 的と意義にづいて述べている。

第 2章 では ,遠 紫外線用 レジス トに関 して ,  リフトオフプロセス , 2層 レジス トプロセスに適用可 能なレジス トについて報告 している。 リフ トオフプロセス用 としては現像のみの簡易なプロセスでオー バーハ ングが形成できるレジス トの研究を行い ,LMRを 開発 した。 LMRは

ノボラック樹脂 のナフ トキノンジアジドスルホン酸エステルで ,分 子量が 1000程 度のオ リゴマーよりなる。遠紫外線領域で

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吸収が大 きく (12μ  m… l at 250nm),光 の吸収は主として表面層で起こる。そのため表面層は現像液 に対 して不溶化するが ,  レジス ト深部では不溶化が不十分となるため横方向にも現像が進みオーパニ ハ ングが形成される事を明 らかにした。 LMRは 20m」 /crと 高感度で ,0.2μ mの 高解像力を示 した。

これを用いる事によリディープサブミクロンのメタルのパターン形成がリフトオフで可能となった。

LMRは GaAs‐ ICや SAWフ ィルタ等のプロセスヘの応用の評価で良好な結果を得 ,そ れらデバイス の量産プロセスに導入されるに至っている。

第 3章 では ,LMRの 遠紫外線照射によるネガ化のメカニズムを検討 した。 LMRの 遠紫外線によ る不溶化 は ,照 射による高分子量化 と現像液の特性により引き起 こされる事を見いだ した。分子量の 増加が 10‑20%で も酢酸イソア ミルを現像液 とすることによリネガ型のパ ターンを形成できた。その 高分子量化を引き起 こす架橋反応はノボラック樹脂のメチル基のカップ リング反応であることを明ら かにした。

第 4章 では ,紫 外線 (g線 :436nm, i線 :365nm)を 光源とする投影露光装置 に適用可能な リフ トオフプロセス用のネガ型 レジス ト ,LMR一 UVの 研究成果をまとめている。 LMR一 UVは 紫外線

照射後 ,イ ンデンカルボン酸 (極 性 )が 生成されるので無極性溶剤で現像するとネガ型のパターンが 形成できる事を見いだ した。 i線 での露光により 0.3μ mを 解像でき ,現 像プロセスのみでオーバー ハ ングを形成できる事を明 らかにした。 LMR― UVは GaAs‐ ICの量産プロセスヘの応用が検討 され 歩留まり等で良好な結果が得 られている。

第 5章 では ,電 子線 レジス トとして用いた LMRの 評価及び 2層 用 レジス トに関する研究成果を報 告 している。 LMRは 電子線の露光によリネガ型 となり 0.17μ mの 高解像力を示 した。 シリコン含有 レジス トとしては天然物であるクリソタイルが規則的な網目状のシリカ構造を持つ事に注目し ,こ れ を利用 してSCMR(Silylated Clay Minerals Resist)及 びCMPR(Clay Minerals POsit市 e Resist)

を開発 した。それらのレジストは2層用レジストとして要求される耐酸素プラズマ性及び耐熱性につ いて従来のレジストよりも遥かに優れた性能を持つ事を明らかにした。 SCMRは ネガ型 レジス トで

あり 2  μ C/」 の感度と 0.2μ mの 解像力を示 した。 x,シ ラノールを多 く含む SCMRは アルカリで 縮合しやすい事を見いだした。この現象を利用 してポジ型 レジスト CMPRを 設計 した。 CMPRI却 。 2

μC/cFの 高感度を示した。

第 6章 では ,光 リソグラフィ用途に高解像力化を目指 した レジス トプロセスである CEL法

(Contrast Enhanced Lithography)や PCM法 (po■ able cOnf。 ...able Masking)へ LMRを 適 用 した場合の研究成果を報告 している。ё EL法 はプロセスが煩雑な点が ,PCM法 は ドライエッチ ング 耐性の低い点が問題であった。それらを解決するため ,cEL法 では LMRを 改良 した材料が無極性 溶剤に可溶な漂白性染料 となること及び中国 ロジンが無極性溶剤にもアルカリ現像液にも可溶なバイ ンダとなることを見いだした。それらを用いることにより CEL層 を追加塗布す るだけの簡易な CEL

プロセスを実現 した。 PCM法 においては上層を LMR― UV,下 層をイメージリパーサル可能なノボ

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

半導体デバイスはこれまで高集積化 ,高 速化 ,高 機能化を目的としてきたが今後 もこの方向で進展 する事は疑 う余地 もなく ,現 在ではサブミクロンか らディープサブミクロンの水準の微細加工技術が 要求されている。この技術の実現には露光光源の短波長化とそれに適合するレジス トやレ ジス トプロ セスの開発が必要 となる。基板の微細加工には ドライエッチング ,ウ エツトニッチング ,  リフトオフ などが用いられているため レジス トに要求される性能はそれぞれの方法により異なって くる。即ち

,

光源及び加エプロセスに合致 したレジス ト ,  レジス トプロセスの開発が重要 となってきている。

第 1章 では半導体の発展を歴史的にみて今後の動向とリソグラフィの役割 に関 して述 べ ,そ れに用 いられる感光性材料の研究について現在までに明 らかになった結果を紹介 している。続いて本研究の 目的 と意義について述べている。

第 2章 ではリフトオフプロセスおよび 2層 レジス トプロセスに使用可能な遠紫外線用 レジストにつ いて報告 している。まず現像のみでオーパーハ ングが形成できるリフトオフプ ロセス用低分子量 レジ ス ト (LMR)を 開発 した。 LMRは ノボラック樹

I旨

のナフ トキノンジアジドスルホ ン酸エステルで

,

分子量が 1000程 度のオ リゴマーである。これは遠紫外線領域での吸光係数が大きく (12μ  m lat 250 nm),  レジス トプロセスで光のき吸収は主 として表面層で起 こり高分子化する。そのため表面層は現 像液に対 して不溶化するが ,  レジス ト深部では不溶化が十分でなく横方向にも現像が進みオー バーハ ングが形成きれる事を明 らかにした。 LMRは 20mJ/cFと 高感度で ,0。 2μ mの 高解像力を示 し ,  れを用いディープサブミクロンのメタルのパ ターン形成が リフ トオフで可能 となった。そ の結果

,

GaAs‐ ICや SAWフ ィルタ等のプロセスヘ応用されそれ らデバイスの量産プロセスに導入されるに至っ た。またさらに 2層 構造 レジス トとしてシリコン含有 LMRを 開発 した。

第 3章 では ,第 2章 で述べた LMRの 遠紫外線照射 によるネガ化のメカニズムを検討 している。

LMRの 不溶化は遠紫外線の照射による高分子量化および現像液の選択により達成さⅢた。す なはち 分子量の増加が 10‑20%で も酢酸イソア ミルを現像液 とすることによリネガ型の パ ターンを形成でき た。種々のスペクトルの検討によつてその高分子量化を引き起 こす架橋反応はノ ボラック樹脂のメチ ル基のカップ リング反応であることを明 らかにした。

第 4章 では紫外線 (g線 :436nm, i線 :365nm)を 用いるリフトオフプロ セス用のネガ型 レジス ト (IJMR一 UV)の 研究成果をまとめている。 LMR一 UVは 紫外線照射 によって ,  イ ンデンカタボ ン酸 (極 性 )を 生成 し ,無 極性溶剤で現像することによリネガ型のパターンが形成されるとの結果を

得た。

i線

による露光では 0。 mを 解像し ,現 像プロセスのみでオーパーハングが形成できる事を明

らかに した。 LMR一 UVは GaAs― ICの 量産プロセスヘ応用され良好な結果が得 られている。   │

第 5章 では電子線 レジストとして開発 した LMRの 評価及び 2層 用 レジス トに関す る研究成果脅報 告 している。 LMRは 電子線の露光によリネガ型 となり 0.17μ mの 高解像力を示 した。一方 シリヨン 含有 レジス トとして天然物のクリソタイルが規則的な網目状のシリカ構造を持 つ事を利用 して SCMR

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(Silylated Clay Minerals Resist)及 び CMPR(Clay Minerals POsitive Resist)を 開発 した。 そ れ らの レジス トは 2層 用 レジス トとして必要 な耐酸素プラズマ性及 び耐熱性 について従来の レジス ト よりも邁かに優れた性能を持つ事が明 らかとなった。 scMRは ネガ型 レジス トであり 2μ C/cFの 感 度 と 0.2μ mの 解像力を示 した。またシラノールを多 く含む SCMRは アルカリで縮合 しやすい事を見 いだ した。この現象を用いてポジ型 レジス ト CMPRを 設計 した。 CMPRは 0。 2μ C/cFの 高感度を示

した。

第 6章 では ,LMRを 高解像力を目的として光 リソグラフィに応用 した研究結果を報告 している。

CEL(Contrast Enhanced Lithography)は プロセスが順雑な点れ PCM法 (Portable confOrmable Masking)は ドライエッチ ング耐性の低 い点が問題であったが次のように解決 した。 CEL法 では

LMRを 改良 し無極性溶剤に可溶な漂白性染料 としたこと ,及 び中国ロジンが無極性溶剤にもアルカ リ現像液にも可溶なバインダとなることを用い ,CEL層 を追加塗布す るだけの簡易なプロセスを実 現 した。一方 PCM法 においては上層に LMR一 UV,下 層にイメージリバーサル可能なノボラック系 の レジス トを用いる HR― PCM法 を考案 し ,  ドライエッチング耐性の向上を実現 した。

第 7章 は結論であり本研究の成果をまとめている。

以上のように本論文は ,紫 外線 ,遠 紫外線 ,電 子線などの光源に対 して高感度で リフトオフあるい は多層 レジス トとして用いることが出来るマイクロリソグラフィ用感光性材料 ,低 分子量 レジス ト材 料 (LMR)を 開発 し ,さ らにそれを用いたレジス トプロセスの研究成果をまとめたものである。 リ

ツグラフィ用感光性材料の報告は極めて多いが リフトオフプロセス専用のレジスト材料としては LMR

が最初のものであり ,感 光性材料 としてクリソタイルやロジンなどの天然物を利用 した研究 もこれま でになかった。このように新 しぃ見地からレジス トを研究 じ多 くの基礎的な ,ま た応用可能な知見を 提供 している。これらは有機および無機をふ くめた機能性材料として今後の幅広い活用が期待される。

審査の結果 ,本 論文は博士 (工 学 )の 学位を授与するに値する内容であると認定する。

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