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ヒ ト 好 Tリ ン ノ く 球 性 ウ イ ル スn型 (HTL'Vー II)の Long Termlnal Repeat

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 久 保 隆 之

学 位 論 文 題 名

ヒ ト 好 T リ ン ノ く 球 性 ウ イ ル ス n 型 (HTL'V ー II) の Long Termlnal Repeat

遺伝子配列と制限酵素断片長多型 (RFLP) 分析

学 位論文内容の要旨

    I .緒言

  HTLV‑II 感染は、多くの生粋のアメリカインディアン住民、欧米の静注麻薬常用者(IVDAs) の 間で広く蔓延していることが報告されている。 HTLV‑II の病原性を示すものとして慢性進行性脊髄 症やりンパ球増殖性疾患との関連を示唆する報告もあるが、未だ特定の疾患の原因として確立され たものはない。 HTLV‑II に関する分子生物学的分析ではサブタイプIIa (HTLV‑IIa) とサブタイプIIb (HTLV‑IIb) の2 種類のサブタイプの存在が知られている。両タイプ間の遺伝子配列の変化の割 合は、調べる遺伝子部位によって様々であり、約3.5‑‑6.7% であるが、その変化は Long Terminal Repeat (LTR) 領域内にもっとも顕著であることが判明している。そこで我々は、Ln 領域の分析を 詳しく行うことで、このウイルスの特性をさらに追求することを目的とし、 WD 心、アメリカイン ディアン、北アメリカ都市地域から得られた多数の検体について、塩基配列分析と制限酵素断片長 多型(RFLP )法を用いて調査した。

    III 材料と方法 1 .研究対象と検体

   合計 18 名の HTLV‑II 感染者から末梢血単核球を採集し遺伝子配列分析に供した。その内、8 名は サブタイプ Ila 、10 名はサプタイフ'IIb に感染していた。以上の他に36 件のmLv‑a 感染者の検体を New York 血液センタ―から入手し、 RFI .P 分析法によって調べた。

2   Polymerase Chain Reaaion (PCR) 法

   遺伝子増幅はごく少量の検体 DNA を用いたnestedPCR 反応により行われた。最終増幅DNA は494 塩基であった。

3 .増幅産物のクローニングと核酸塩基配列分析

  PCR 後、増幅産物をPCR‑Script TM SK (十)ペクタ―を用い、クローン化した。リコンビナントク ローンから得られたプラスミドDNA を自動シークエンス装置を使って、各々の検体にっき2 〜3 個の

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ク ロ ー ン の 塩 基 配 列 分 析 を 行 っ た 。 そ の 中 か ら コ ン セ ン サ ス シ ー ク エ ン ス を 得 て 系 統 発 生 分 析 (Phyjogenetic anajysis)に 用 い た 。Quasispecies分 析 に は 、typelIb (FUC)の 増 幅産 物か ら15ク 口―

ン を 選 び 、 上 記 の 方 法 に よ り す べ て の ク ロ ー ン の 塩 基 配 列 を 決 定 し た 。

4.制限酵素断片 長多型( RFLP)分 析

  PCR産物を直接1単位のAva II,BanII,BglI,Bsu361,A譱.|c【,&cII,5細a【制限酵素を用いて消化した。

心 屯P分 析 の 妥 当 性 を 確 認 す る た め に 、NewYork血 液 セ ン タ ー か ら 得 ら れ た36検 体 と 、HTLV‐II に 感 染 し た4名 の 供 血 者 と そ の 各 々 の 受 血 者 の 計8検 体 を 同 様 の 制 限 酵 素 を 用 い て 消 化 し 、 制 限 酵 素部位 同定のためのコン ピュータプログラム を使用して検討し た。

5.系統発生分析 (Phylogenetican甜ysis冫

  HrLV‐II株 内 で の 系 統 発 生 分 析 をCLUSTALVprogrampackageを 使 っ て 決 定 し た 。 今 回 新 た に 得 ら れ た18例 の 塩 基 配 列 に 加 え 、 以 前 に 発 表 さ れ て い る2例 の サ プ タ イ フ11a(MOT,KD、2例 の サ ブ タイプHb(NRA,G12)も 含めて系統発生樹枝 図作成を行った。

    m. 結 果 と 考 察

  HTLV‑II感 染 者 18名 の ウ イ ル スDNAの5. 末 端LTR領 域 塩 基 配 列 か ら 、 制 限 酵 素 断 片 長 多 型 (RFJP)分 析 に 用 い る 制 限 酵 素 地 図 を 上 記7種 類 の 制 限 酵 素 部 位 に 基 づ い て 作 成 し た 。 そ の 結 果 、 系 統 発 生 グ ル ― プ と 予 想 さ れ たRFLPグ ル ー プ 間 に 密 接 な 関 連 性 が 認 め ら れ 、 サ ブ タ イ ブ'IIaは4グ ル ー プ(al‑a4)、 サ ブ タ イ プIIbは6グ ル ー プ(bl‑b6)のRFLPグ ル ー プ に 細 分 類 さ れ た 。 さ ら に 、 塩 基 配 列 分 析 に 用 い た18個 人 す べ て の ウ イ ル スDNAを こ れ ら の 制 限 酵 素 を 用 い て 消 化 し た と こ ろ 、 こ れ ら の グ ル ー プ 内 に 効 率 よ く 分 類 さ れ た 。HTLV‑II感 染 の 特 徴 をRFLP分 析 法 に て 迅 速 診 断 で き る こ と を 確 認 す る た め に 、NeW Yorkセ ン タ ― のFrrLV‑II感 染 供 血 者 か ら の36検 体 を 用 い て 同 様 の 制 限 酵 素 に よ る 消 イ ヒ 試 験 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 す べ て の 検 体 を 予 想 し たRFIPグ ル ー プ の い ず れ か に 分 類 す る こ と が で き 、 こ のRFLP分 類 法 の 有 用 性 が 評 価 さ れ た 。 ま た 、 こ の 手 法 に よ っ て 、 輸 血 に お け る 供 血 者 と 受 血 者 間 の ウ イ ル ス サ ブ タ イ プ 内 のRFI.Pグ ル ー プ の 一 致 が 示 さ れ 、FrrLV‑n 感 染 が 輸 血 に よ っ て 起 こ っ た も の で あ る こ と も 確 認 さ れ た 。 ま た 、HTLV‑tlのquaSBpeciesの 存 在 を 確 認 す る た め に1例 のHTLV‑IIb感 染 者 か ら 得 た15 ク ロ ― ン の 塩 基 配 列 分 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 4ク ロ ― ン に 塩 基 配 嚠 ヒ が 起 き た が 、 こ れ ら のRFIPパ タ ー ン は サ ブ タ イ プIIb内 の い ず れ の グ ル ー プ に も 一 致 し て お ら ず 、 提 唱 し たRFIPグ ル ー プ が 、quasispeciesの 存 在 に よ っ て 著 し く 影 響 を 及 ぼ さ れ る こ と は な い と 推 定 さ れ た 。

    V.結 語

  Hn V‑IIのlong terminal repeat (LTR)に は 遺伝 子変 異 が最 も多 く 存在 する こ とを 利用 し 、多 数の 症 例 を 用 い てLTRの 塩 基 配 列 を 調 べ 、 か つ 制 限 酵 素 断 片 長 多 型(RFLP)分 析 を 行 う こ と に よ りHTLV‑II の 細 分 類 が 可 能 で あ る か を検 討し た 。 18名のHn,V。II陽 性患 者の 末 梢血 を検 索 した 結果HnーV ‑[Iaは さ ら にal〜a4ま で の4つ の グ ル ー プ に 、m1 V‑IIbはb1〜b6ま で の6っ の グ ル ー プ に 細 分 類 す る こと が で き た 。 ま た 同 時 にHTLV‑IIに お け るquasispeciesの有 無 を検 討し た とこ ろ、quaSBp eciesの存 在が 示

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唆されたが、RFU 解析に影響を及ぼす程のものでは無いことが明らかとなった。RFIP 分析法の妥 当性を検討するためNew Yorkff 血液センターの供血者より得たHTLV‑II 陽性血液 36 検体を調ぺたと ころ、全て細分類に分類可能となり、RFLP 分析法の有効性が実証された。さらに供血者と受血者 とが明らかな4 検体は全て正確に 1 対1 に対応していることも判明した。従って rm .V‑II のLTR を対 象とした RFLP 分析法は迅速かつ正確にHn .v |II を同定することが可能であり、種々の人種における HrL v → II 感 染 の 特 徴 と 疫 学 と を 調 べ る う え で 極 め て 有 用 な 方 法 と 思 わ れ た 。

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学 位論文審査の要旨 主査    教授    柿沼光明 副査    教授    吉木    敬 副査    教授    長嶋和郎

     学位論文題名

ヒト好T リンパ 球性ウイルスn 型(HTLV −II )の Long Termlnal Repeat

遺 伝 子 配 列 と 制 限 酵 素 断 片 長 多 型 (RFLP) 分 析

HTLV‑II 感染は、多くの生粋のアメリカインディアン住民、欧米の静注麻薬常用 者 (IVDAs) の間で 広く蔓延し ていることが報告されている。そこで静注麻薬常 用者、アメリカインデアンを含む、北アメリカ都市地域から得られた多数の検体 に 感 染し た HTLV‑H の LTR 領域の 塩基配列分 析と制限酵 素断片長多 型(RFLP) 分 析 を 行う こ と で、 こ のウ イ ルス の 分子 疫 学的 特 徴を 目的として 調査した。

合計 18 名の HTLV‑II 感染者から末梢血単核球を採集し遺伝子配列分析に供レた。

以上の他に HTLV‑II 感染者の 36 検体と、このウイルスに感染した4 名の供血者とそ

の各々の受血者の計8 検体をNew York 血液センターから入手し、RFLP 分析法によ

る消化試験に用いた。遺伝子増幅はごく少量の検体DNA を用いたncstcdPCR 反応に

よっておこない、最終増幅DNA は494 塩基であった。続いて増幅産物をPCR‑Script

ベクターを用いてク口ーン化し、自動シークエンス装置を用いて塩基配列を決定

した。Quasispecies 分析には、typc IIb の患者( FUC )から15 ク口ーンを選び、すべ

て のクローンの塩基配列を決定した。制限酵素断片長多型 (RFLP) 分析は、コン

ピュータプログラムによる塩基配列分析によって選び出された7 種類の酵素を用い

て行われた。系統発生 (Phylogeny) 分析は、HT LV‑II 株内での系統発生樹枝図を

コ ンピュータ プログラム CLUSTALVpackage を使って決定した。解析には今回新

たに得られた18 例の塩基配列に加え、以前に発表されているそれぞれ 2 例のサブタ

イプIIa(MoT ,KT) 、IIb (NRA , G12) を含めた。

(5)

HTLV‑II 感 染 者 18 名 の ウ イ ル ス DNA の 5 | 末端 LTR 領 域塩 基配 列か ら、 制限 酵素 断 片 長 多 型 (RFLP) 分 析 に 用 いる 制 限 酵 素 地 図を 作成 した とこ ろ、 この RFLP グル ー プと 系統 発生 グル ープ と間 に密 接な 関連 性が 認め られた 。こ の結果に基づき、サ ブタ イプ IIa は4 グ ルー プ(al‑a4) 、サ ブタ イプ IIb は6 グ ルー プ(bl‑b6) に細分類さ れ た 。 さ ら に、塩 基配 列分 析に 用い たウ イル スDNA をこ れら の制 限酵 素を 用い て 消化したところ、これらのグループ内に効率よく分類された。HTI ´V ‐n 感染の特徴 を RFLP 分 析 法にて 迅速 診断 でき るこ とを 確認 する ため に、 NcwYork 血 液セ ンタ ー のHTLV . H 感 染供 血者 からの 36 検 体を用いて同様の制限酵素による消化試験を行っ た。 その 結果 、す べて の検 体を 予想 した RFLP グル ープの いず れかに分類すること がで き、 この RFLP 分類 法の 有用 性が 評価 され た。 また、 この 手法によって、輸血 にお ける 供血 者と 受血 者間 のウ イル スサ ブタ イプ 内のRFLP グ ループの一致が示さ れ、 HTLV ‐H 感染 が輸 血によ って 起こったものであることも確認された。さらに、

HTLV .H のquaSispecies の存在を確認するために1 例のHTLV ‐nb 感染者から得た15 ク 口ーンの塩基配列分析を行った。その結果、4 クローンに塩基配列変化カ顧墨きたが、

これらのRFIJ シくターンはサプタイプHb 内のいずれのグループにも一致しておらず、

提唱 レたRFLP グループが、quasi 叩ecics の存在によって著しく影響を及ぼされるこ とはないと推定された。

以 上 、 本 研 究 に よ っ て HTLV ‐ n の LTR を 対 象と した RFLP 分析 法は 迅速 かつ 正確 に

HTLV ‐H を同 定す るこ とが可 能と なり、種々の人種におけるHTLV ‐II 感染の特徴と

疫学 とを 調べ るう えで 極め て有 用な もの であ る。 よって 、博 士(医学)の学位授

与に充分値するものと判定された。

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