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新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 対 策 と 自 治 体 の 財 政 運 営

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(1)

一 令和 2年 度補 正予 算の 成立 令和 2年 度一 般会 計補 正予 算︵ 第1 号︶ は︑ 4月 30日 に成 立し た︒ 衆議 院で は全 会一 致︑ 参議 院で は予 算委 員 会で 全会 一致

︑本 会議 では 与党 と主 要野 党︑ 日本 維新 の 会の 賛成 多数 で成 立し た︒ 国会 論戦 では

︑野 党か ら新 型 コロ ナウ イル ス対 策に 対す る政 府方 針へ の反 対意 見も 出 され たが

︑補 正予 算の 早期 成立 には 野党 も協 力姿 勢を 示 した

︒一 日も 早く

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 対策 を推 進す る

必要 があ ると の判 断か らで あろ う︒ もっ とも

︑補 正予 算成 立ま でに は︑ その 前提 とな る経 済対 策が 変更 され たこ とで

︑異 例の 経緯 とな った

︒4 月 7日 に︑ 政府 は﹁ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 緊急 経済 対 策﹂

︵以 下﹁ 緊急 経済 対策

﹂と いう

︶を 閣議 決定 した

︒ 総額 10 8

2兆 円と これ まで にな い規 模で ある

︒外 出 自粛 など を伴 う緊 急事 態宣 言の 発出 と同 時に 決定 した も ので ある

︒そ こで は︑ 感染 症拡 大の 収束 に目 途が つく ま での 間の

﹁緊 急支 援フ ェー ズ﹂ と︑ 収束 後の 反転 攻勢 に

新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 対 策 と 自 治 体 の 財 政 運 営

小 西

砂 千 夫

西

(2)

向け た需 要喚 起と 社会 変革 を推 進す る﹁ V字 回復 フェ ー ズ﹂ に分 けて 考え られ てい る︒ 具体 的に は︑ 次の 5つ の 柱か らな る政 策を 展開 する とし てい る︒

Ⅰ 感染 拡大 防止 策と 医療 提供 体制 の整 備及 び治 療薬 の 開発

Ⅱ 雇用 の維 持と 事業 の継 続

Ⅲ 次の 段階 とし ての 官民 を挙 げた 経済 活動 の回 復

Ⅳ 強靱 な経 済構 造の 構築 V 今後 への 備え しか

し﹁

Ⅱ 雇用 の維 持と 事業 の継 続﹂ の箇 所の

﹁4.

生活 に困 って いる 世帯 や個 人へ の支 援﹂ に盛 り込 まれ た内 容に 対し て批 判が 起き

︑公 明党 が強 く反 対す る など

︑与 党か らも それ に同 調す る動 きが みら れた

︒そ こ では 次の よう に書 かれ てい た︒ 感染 症の 影響 を受 け収 入が 減少 し︑ 事態 収束 も見 通せ ず に日 々の 生活 に困 窮し てい る方 々に 対し

︑迅 速に

︑手 厚 い︑ 思い 切っ た支 援の 手を 差し 伸べ る観 点か ら︑ 休業 等 によ り収 入が 減少 し︑ 生活 に困 って いる 世帯 に対 して

︑ 生活 維持 のた めに 必要 な資 金を 迅速 に交 付す る新 しい 給 付金 制度 を創 設す る︒ 具体 的に は︑ 世帯 主の 月間 収入

︵本 年2 月〜 6月 の任 意の 月︶ が︑

①新 型コ ロナ ウイ ル ス感 染症 発生 前に 比べ て減 少し

︑か つ年 間ベ ース に引 き 直す と個 人住 民税 均等 割非 課税 水準 とな る低 所得 世帯 や︑

②新 型コ ロナ ウイ ルス 感染 症発 生前 に比 べて 大幅 に減 少

︵半 減以 上︶ し︑ かつ 年間 ベー スに 引き 直す と個 人住 民 税均 等割 非課 税水 準の 2倍 以下 とな る世 帯等 を対 象と し て︑ 1世 帯当 たり 30万

円の 給付 を行 う︒ 給付 に当 たり

︑ 収入 状況 を証 する 書類 等を 付し て市 町村 に申 請を 行う こ とと なる が︑ 市町 村の 事務 負担 を考 慮す ると とも に︑ 文 化芸 術を はじ めと する 業態 の特 殊性 も含 め︑ 申請 者の 事 務負 担を 考慮 して

︑可 能な 限り 簡便 な手 続と する そこ

にあ るよ うに

︑低 所得 であ るこ とや 収入 が激 減し た世 帯に 対し 30て

万円 の給 付︵ 生活 支援 臨時 給付 金︵ 仮 称︶

︶を 行う とさ れて いた

︒し かし

︑﹁ 新型 コロ ナウ イル ス感 染拡 大に 伴う 緊急 経済 対策 の目 玉で ある 30万

円給 付 は︑

﹃対 象が 狭い

﹄﹃ 制度 が分 かり にく い﹄ と反 発を 招い てい た︒ 布製 マス ク配 布や

︑シ ンガ ー

ソン グラ イタ ー の星 野源 さん の歌 に合 わせ た動 画も 不興 を買 った

﹂︵

﹃讀 賣新 聞﹄ 4月 18日

朝刊 1面

﹁﹇ 政治 の現 場﹈ 新型 コロ ナ

︵6

︶現 金給 付 揺れ る﹁ 1強

﹂︵ 連載

︶﹂ と報 道さ れて い

(3)

るよ うに

︑大 きな 社会 的反 発を 買う こと にな った

︒そ こ で︑ 政治 判断 によ って

︑一 10律

万円 給付 に切 り替 えら れ るこ とと なっ た︒ 4月 20日

の閣 議決 定で 修正 され た緊 急経 済対 策︵ 以下

︑ 本稿 では

︑修 正後 の対 策を 指す こと とす る︶ では

︑先 の 引用 箇所 は次 のよ うに 改め られ た︒ 新型 イン フル エン ザ等 対策 特別 措置 法に 基づ く緊 急事 態 宣言 の下

︑生 活の 維持 に必 要な 場合 を除 き︑ 外出 を自 粛 し︑ 人と 人と の接 触を 最大 限削 減す る必 要が ある

︒医 療 現場 をは じめ とし て全 国各 地の あら ゆる 現場 で取 り組 ん でお られ る方 々へ の敬 意と 感謝 の気 持ち を持 ち︑ 人々 が 連帯 して

︑一 致団 結し

︑見 えざ る敵 との 闘い とい う国 難 を克 服し なけ れば なら ない

︒こ のた め︑ 感染 拡大 防止 に 留意 しつ つ︑ 簡素 な仕 組み で迅 速か つ的 確に 家計 への 支 援を 行う こと とし

︑一 律に

︑一 人当 たり 10万 円の 給付 を 行う 10万

円の 給付 であ る特 別定 額給 付金 は一 律の 給付 であ るが

︑困 窮者 に対 する 支援 はそ れだ けで はな く︑ この 引 用箇 所の あと に︑ 次の よう な個 別の 施策 が列 挙さ れて い る︒

・子 育て 世帯 への 臨時 特別 給付 金︵ 内閣 府︶

・国 民健 康保 険料

︑介 護保 険料 等の 減免 を行 った 市町 村 等に 対す る財 政支 援︵ 厚生 労働 省︶

・収 入が 下が った 方に 対す る国 民年 金保 険料 の免 除︵ 厚 生労 働省

・個 人向 け緊 急小 口資 金等 の特 例貸 付の 継続

︵厚 生労 働 省︶

・住 居確 保給 付金 の支 給対 象見 直し によ る支 援の 拡充

︵厚 生労 働省

・奨 学金 や授 業料 の減 免を 通じ た支 援︵ 文部 科学 省︶

・未 払賃 金立 替払 の迅 速・ 確実 な実 施︵ 厚生 労働 省︶

・セ ーフ ティ ネッ ト住 宅の 家賃 低廉 化な ど住 まい の確 保 支援

︵国 土交 通省

・自 殺リ スク の高 まり に対 応す るた めの SN S相 談事 業 等の 拡充

︵厚 生労 働省

・配 偶者 暴力 の深 刻化 に対 応す るた めの 相談 体制 の拡 充

︵内 閣府

・法 的ト ラブ ル解 決に 向け た法 テラ スに よる 支援 の充 実

︵法 務省

・消 費生 活セ ンタ ー等 にお ける 相談 体制 の強 化︵ 消費 者 庁︶ 一律 給付 の特 別定 額給 付金 に切 り替 えた もの の︑

﹁生 活に 困っ てい る世 帯や 個人 への 支援

﹂と いう 表題 は変 え

(4)

てい ない

︒先 の引 用箇 所で は︑ 医療 従事 者等 に感 謝し

︑ 国民 みん なが 連帯 する 必要 性こ そ強 調さ れて いる が︑ 特 別定 額給 付金 が困 窮者 支援 に当 たる のか どう かは

︑判 断 を避 けた 印象 があ る︒ かと いっ て︑ 消費 拡大 を目 的と し た経 済政 策と いう 方針 転換 では ない

︒ この よう にし て取 りま とめ られ た緊 急経 済対 策を 受け て︑ 補正 予算 案を 修正 する 閣議 決定 が行 われ た︒ 一度

︑ 閣議 決定 され た予 算案 を修 正す るの は︑ 補正 予算 では 初 めて のこ とで ある

︒そ の枠 組み は︑ 表1 で示 して いる

︒ 補正 予算 の規 模は 25兆

69 14 億円 であ る︒ 修正 前の 補正 予算 案の 規模 16は

兆8 05 7億 円に 対し て大 きく 伸 びて いる

︒表 1に ある よう に︑ 歳入 のす べて は国 債発 行 で賄 われ

︑そ の大 半が 特例 国債 であ る︒ 一方

︑歳 出の 大 半が 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 緊急 経済 対策 関係 経費 で あり

︑そ の内 数で ある

﹁雇 用の 維持 と事 業の 継続

﹂は 19 兆4 90 5億 円と 大き な割 合を 占め てい る︒ そこ に含 ま れる

︑特 別定 額給 付金 12は

兆8 80 3億 円で ある

︒修 正 前の 補正 予算 案で

︑生 活支 援臨 時給 付金

︵生 活に 困っ て いる 世帯 に対 する 新た な給 付金

︶の 予算 規模 は4 兆2 0 6億 円で あっ た︒ 特別 定額 給付 金︵ 全国 すべ ての 人々 へ

表1 令和2年度一般会計補正予算(第1号)フレーム

(単位:億円)

1.新型コロナウイルス感染症緊

急経済対策関係経費 255,655

(1)感染拡大防止策と医療提供

体制の整備及び治療薬の開発 18,097

(2)雇用の維持と事業の継続 194,905

(3)次の段階としての官民を挙

げた経済活動の回復 18,482

(4)強靱な経済構造の構築 9,172

(5)新型コロナウイルス感染症

対策予備費 15,000 2.国債整理基金特別会計へ繰入 1,259

1.公債金 256,914

(1)建設公債 23,290

(2)特例公債 233,624

256,914 256,914

(注) 計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは一致しないものがある。

(出所) 財務省資料

(5)

の新 たな 給付 金︶ に変 更し たこ とで

︑予 算規 模が 9兆 円 近く 拡大 して いる

︒ 二

緊急 経済 対策 に伴 う 地方 税の 軽減 措置 と代 替財 源 緊急 経済 対策 では

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 感染 症お よび その 蔓延 防止 のた めの 措置 の影 響に より 厳し い状 況に 置 かれ てい る納 税者 に対 し︑ 緊急 に必 要な 税制 上の 措置 を 講ず るこ とを 盛り 込ん でい る︒ そこ で︑

﹁収 入に 相当 の 減少 があ った 事業 者の 国税

地 方税 及び 社会 保険 料に つ いて

︑無 担保 かつ 延滞 税な しで 1年 間︑ 納付 を猶 予す る 特例 を設 ける

﹂と され てい る︒ さら に︑ 固定 資産 税に つ いて は特 に︑ 次の よう に述 べら れて いる

︒ 厳し い経 営環 境に ある 中小 事業 者等 に対 して

︑令 和3 年 度課 税の 1年 分に 限り

︑償 却資 産及 び事 業用 家屋 に係 る 固定 資産 税及 び都 市計 画税 の負 担を 2分 の1 又は ゼロ と する

︒ま た︑ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 の影 響を 受け な がら も新 規に 設備 投資 を行 う中 小事 業者 等を 支援 する 観 点か ら︑ 生産 性革 命の 実現 に向 けた 固定 資産 税の 特例 措 置の 拡充

・延 長を 行う

︒こ れら の措 置に よる 減収 額に つ

いて は︑ 全額 国費 で補 す る︒ その

ほか に︑ 自動 車税

軽 自動 車税 環境 性能 割の 臨時 的軽 減の 延長 も盛 り込 まれ てい る︒ それ らを 受け て︑ 補 正予 算関 連法 とし て地 方税 法が 改正 され た︒ その 概要 は︑ 資料 1の よう に取 りま とめ られ てい る︒ 資料 1に ある よう に︑ 税制 上の 措置 に伴 う減 収分 は︑ いず れも 何ら かの 財政 措置 が講 じら れる

︒災 害時 には

︑ 災害 対策 基本 法に 基づ いて

︑地 方税

︑使 用料

︑手 数料 そ の他 の徴 収金 で災 害の ため の減 免を 行う 場合 に︑ 歳入 欠 かん 債が 発行 でき ると いう 仕組 みが ある が︑ 東日 本大 震 災で は復 興特 別交 付税 で全 額措 置す る方 法が とら れた

︒ それ に対 して

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 対策 では

︑つ なぎ の 地方 債で 資金 手当 をす るほ かは

︑全 額国 費補 塡が 講じ ら れる こと とな った

︒ 徴収 の猶 予制 度の 特例 に対 して は︑ 資料 1で は地 方債 の特 例措 置の 創設 とし てい る︒ 4月 7日 付の 総務 省自 治 財政 局財 政課 から の事 務連 絡﹁ 令和 2年 度補 正予 算︵ 第 1号

︶に 伴う 対応 等に つい て﹂ では

︑﹁ 地方 税の 徴収 の 猶予 制度 の特 例創 設に 伴う 令和 2年 度の 一時 的な 減収 に

(6)

資料1 地方税法等の一部を改正する法律の概要〔施行:原則公布の日〕

令和2年4月、総務省 徴収の猶予制度の特例

○ 新型コロナウイルス感染症の影響により令和2年2月以降の収入に相当の減少があり、

納税することが困難である事業者等に対し、無担保かつ延滞金なしで1年間徴収を猶予 できる特例を設ける。

※ この特例創設に伴う地方公共団体の一時的な減収に対応するため、地方債の特例措置を 創設。 【地方財政法(昭和23年法律第109号)の改正】

固定資産税

◎ 中小事業者等が所有する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税等の軽減措置

○ 厳しい経営環境にある(※)中小事業者等に対して、令和3年度課税の1年分に限り、

償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準を2分の1又はゼ ロとする。

(※)令和2年2月〜10月までの任意の3ヶ月間の売上高が、前年の同期間と比べて、

30%以上50%未満減少している者 2分の1 50%以上減少している者 ゼロ

◎ 生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡充

○ 新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも新規に設備投資を行う中小事業者等 を支援する観点から、適用対象に一定の事業用家屋及び構築物を加える。

※ これらの措置に伴う減収については、新たに創設する「新型コロナウイルス感染症対策 地方税減収補塡特別交付金(仮称)」により全額を補塡。

自動車税・軽自動車税環境性能割の臨時的軽減の延長

○ 自動車税・軽自動車税環境性能割の税率を1%分軽減する特例措置の適用期限を6月 延長し、令和3年3月31日までに取得したものを対象とする。

※ この措置に伴う減収については、自動車税減収補塡特例交付金及び軽自動車税減収補塡 特例交付金により全額を補塡。

【地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律(平成11年法律第17号)の改正】

その他

○ 住宅ローン控除の適用要件の弾力化に係る対応

○ 耐震改修した住宅に係る不動産取得税の特例措置の適用要件の弾力化

○ イベントを中止等した主催者に対する払戻請求権を放棄した者への寄附金控除の適用 に係る対応

(出所) 総務省資料

(7)

対応 する ため

︑地 方財 政法 第5 条の 特例 債で ある 資金 手 当の ため の地 方債 を発 行す るこ とが でき るこ とと して い る﹂ と記 され てい る︒ 償還 期間 の短 い地 方債 で減 収分 を 措置 する とい う趣 旨と 思わ れる

︒ 次い で固 定資 産税 につ いて は︑ 資料 1に よる と︑

﹁中 小事 業者 等が 所有 する 償却 資産 及び 事業 用家 屋に 係る 固 定資 産税 等の 軽減 措置

﹂﹁ 生産 性革 命の 実現 に向 けた 固 定資 産税 の特 例措 置の 拡充

延 長﹂ が行 われ るが

︑ど ち らも 減収 分は 全額 国費 で補 塡さ れる

︒国 費補 塡分 は︑ 新 型コ ロナ ウイ ルス 感染 症対 策地 方税 減収 補塡 特別 交付 金 によ って 措置 され

︑令 和3 年度 から の課 税分 が対 象と な る︒ また

︑4 20月

日に 成立 した 地方 税法 等の 一部 を改 正 する 法律 の附 則で 基準 財政 収入 額の 算定 方法 の特 例を 設 け︑ 特別 交付 金の 額は 基準 財政 収入 額に 算入 しな いと さ れた

︵減 収補 塡特 例交 付金 は基 準財 政収 入額 に算 入す る︶ さ ︒ らに

︑自 動車 税︑ 軽自 動車 税環 境性 能割 の臨 時的 軽 減を 6か 月延 長し て︑ 令和 3年 3月 31日

まで に取 得し た もの を対 象と する こと とし

︑そ の減 収額 につ いて は︑ 減 収補 塡特 例交 付金 で補 塡す ると され てい る︒

三 特別 定額 給付 金と その 運用 特別 定額 給付 金の 概要 は︑ 資料 2に 示し てい るよ うに

︑ 市区 町村 が実 施す るも ので あり

︑実 施に 要す る経 費︵ 給 付事 業費 及び 事務 費︶ につ いて は︑ 国が 補助

︵補 助率 10 分の 10︶

する もの であ る︒ 給付 対象 者は

︑基 準日

︵令 和 2年 4月 27日

︶に おい て︑ 住民 基本 台帳 に記 録さ れて い る者 であ り︑ 受給 権者 は︑ その 者の 属す る世 帯の 世帯 主 であ る︒ 給付 額は 給付 対象 者1 人に つき 10万

円で ある

︒ 定額 給付 金は

︑そ の創 設の 経緯 に照 らせ ば︑ いか に早 期に 国民 に手 渡せ るか が重 要と され てい る︒ 4月 20日

付 の総 務大 臣通 知﹁ 特別 定額 給付 金︵ 仮称

︶事 業の 実施 に つい て﹂ では

︑冒 頭部 分で

︑﹁ 本日

︑﹃ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 緊急 経済 対策

﹄︵ 令和 2年 4月 20日

閣議 決定

︶ が閣 議決 定さ れ︑ 感染 拡大 防止 に留 意し つつ

︑簡 素な 仕 組み で迅 速か つ的 確に 家計 への 支援 を行 うた め︑ 特別 定 額給 付金

︵仮 称︶ 事業 が実 施さ れる こと にな り﹂ とあ る︒ すな わち

︑迅 速か つ的 確に 家計 支援 を行 うこ とが 重要 と され る︒ 取り やめ にな った 30万

円の 生活 支援 臨時 給付 金は

︑低

(8)

所得 であ って 収入 が激 減し たこ と を給 付の 要件 とし てい たの で︑ 申 請時 にそ の条 件を 満た す書 類等 を 提出 する 必要 があ り︑ その 審査 の 手続 きを 考え ると

︑給 付ま での 相 当な 時間 がか かる

︒一 10律

万円 の 給付 に切 り替 えた のは

︑手 元に 現 金を でき るだ け早 く届 ける こと に 主眼 があ った

︒ 補正 予算 成立 後の 5月 1日 の高 市早 苗総 務大 臣の 記者 会見 では

﹁令 和2 年度 補正 予算 の成 立を 受 けま して

︑本 日の 閣議 で内 閣総 理 大臣 から 本補 正予 算を 含め た緊 急 経済 対策 の各 施策 を迅 速か つ着 実 に実 施す るよ う指 示が なさ れま し た︒ 私か らも

︑可 能な 限り 迅速 な 給付 に向 けて 準備 が進 めら れて い る特 別定 額給 付金 事業 をは じめ

︑ 地方 公共 団体 に対 し迅 速か つ適 切

資料2 特別定額給付金(仮称)事業(案)の概要 1.施策の目的

「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)において、

「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、(中略)人々が連帯して一 致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このた め、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。

2.事業費(令和2年度補正予算(第1号)案計上額)

128,80293百万円 ・給付事業費 127,34414百万円

・事務費 1,45879百万円 3.事業の実施主体と経費負担

・実施主体は市区町村

・実施に要する経費(給付事業費及び事務費)については、国が補助(補助率1010 4.給付対象者及び受給権者

・給付対象者は、基準日(令和2年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている

・受給権者は、その者の属する世帯の世帯主 5.給付額

給付対象者1人につき10万円 6.給付金の申請及び給付の方法

感染拡大防止の観点から、給付金の申請は次の①及び②を基本とし、給付は、原則とし て申請者の本人名義の銀行口座への振込みにより行う。

(※) なお、やむを得ない場合に限り、窓口における申請及び給付を認める。その際、受付窓 口の分散や消毒薬の配置といった感染拡大防止策の徹底を図る。

郵送申請方式

・市区町村から受給権者宛てに郵送された申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の 確認書類と本人確認書類の写しとともに市区町村に郵送

オンライン申請方式(マイナンバーカード所持者が利用可能)

・マイナポータルから振込先口座を入力した上で、振込先口座の確認書類をアップロー ドし、電子申請(電子署名により本人確認を実施し、本人確認書類は不要)

7.受付及び給付開始日

・市区町村において決定(緊急経済対策の趣旨を踏まえ、可能な限り迅速な支給開始を目 指すことをお願いする)

・「①郵送申請方式」「②オンライン申請方式」それぞれに受付開始日を設定可能

・申請期限は、郵送申請方式の申請受付開始日から3か月以内

(9)

な事 業執 行に 取り 組ん でい ただ く旨 の要 請を 行う こと を 発言 し︑ 本日

︑そ の通 知を 発出 いた しま す﹂ と述 べて い る︒ 迅速 な実 施を 実現 する ため に︑ 給付 手続 きの 簡素 化が 図ら れな けれ ばな らな い︒ 資料 2で は︑

﹁給 付金 の申 請 及び 給付 の方 法﹂ につ いて

︑﹁ 感染 拡大 防止 の観 点か ら︑ 給付 金の 申請 は次 の① 及び

②を 基本 とし

︑給 付は

︑原 則 とし て申 請者 の本 人名 義の 銀行 口座 への 振込 みに より 行 う︒

﹂﹁ なお

︑や むを 得な い場 合に 限り

︑窓 口に おけ る申 請及 び給 付を 認め る︒ その 際︑ 受付 窓口 の分 散や 消毒 薬 の配 置と いっ た感 染拡 大防 止策 の徹 底を 図る

︒﹂ とさ れ てい る︒ 2つ の方 式と は︑

① 郵送 申請 方式

市 区町 村か ら受 給権 者宛 てに 郵送 され た申 請書 に 振込 先口 座を 記入 し︑ 振込 先口 座の 確認 書類 と本 人確 認書 類の 写し とと もに 市区 町村 に郵 送

② オン ライ ン申 請方 式︵ マイ ナン バー カー ド所 持者 が利 用可 能︶

マ イナ ポー タル から 振込 先口 座を 入力 した 上で

︑ 振込 先口 座の 確認 書類 をア ップ ロー ドし

︑電 子申

請︵ 電子 署名 によ り本 人確 認を 実施 し︑ 本人 確認 書類 は不 要︶ とい うも ので ある

︒と ころ で︑

②の マイ ナポ ータ ルを 利 用し たオ ンラ イン 申請 につ いて は︑ 全市 区町 村で 利用 可 能と いう わけ では ない

︒そ こで

︑先 に紹 介し た総 務大 臣 会見 でも

︑次 のよ うに その 必要 性を 強調 して いる

︒小 規 模町 村で

︑世 帯数 が限 られ てい るの で︑ オン ライ ン申 請 がな くて も早 期に 実施 が可 能な 場合 を除 いて

︑マ イナ ポー タル を通 じた 申請 がで きる よう な取 り組 みが

︑市 区 町村 に要 請さ れて いる

︒ オン ライ ン申 請に つい ては

︑内 閣府 にお いて シス テム の 整備 を行 い︑ マイ ナポ ータ ルに おい てマ イナ ンバ ーカ ー ドを 活用 した 申請 受け 付け を全 市区 町村 が実 施で きる 状 況を 本日 まで に整 えま した

︒こ れま でマ イナ ポー タル と つな いで いな かっ た市 区町 村も 利用 でき ると いう こと に なり まし た︒ 受付 開始 日は 各市 区町 村の ご判 断で ござ い ます が︑ 早速 本日 から 67 9市 区町 村で 申請 受け 付け が 開始 され てお りま すの で︑ オン ライ ン申 請に つき まし て も引 き続 き市 区町 村に 積極 的な 活用 を促 した いと 思っ て おり ます

(10)

現在 の状 況で は︑ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 の拡 大を 抑え 込む こと が急 務で ある が︑ それ に成 功し たと して も︑ 日常 生活 は大 きく 変わ るこ とが 予想 され る︒ 市区 町村 の 窓口 に住 民が 列を なす とい うよ うな 状況 を避 ける ため に︑ マイ ナン バー カー ドの 普及 を前 提と して

︑電 子申 請を 大 幅に 拡大 しな けれ ばな らな い︒ 新型 コロ ナウ イル ス対 策 の一 環と して 電子 マネ ーの 普及 が進 めら れて いる よう に︑ 新型 コロ ナウ イル ス対 策を 機会 に多 くの こと が変 化す る と予 想さ れる

︒自 治体 もそ のこ とへ の対 応が 求め られ て いる 特 ︒ 別定 額給 付金 の事 務費 につ いて は︑ 10分 10の の補 助 率で

︑総 額で 14 58 79億

百万 円が 予算 化さ れて おり

︑ 4月 20日

付の 事務 連絡 で︑ 市区 町村 の世 帯数 の規 模ご と に︑ 交付 の目 安額 が示 され てい る︒ その 算定 式は

︑ 92 41 円︵ 全自 治体 共通

+世 帯数

×1 87 1円

︵世 帯数 に比 例す る経 費︶ とさ れて おり

︑給 付に かか るシ ステ ム改 修費 用な どを 見 込ん だも のと なっ てい る︒ 事務 費負 担で 市区 町村 に迷 惑 をか けな いた めの 配慮 と考 えら れる

︒ 運用 に当 たっ ては

︑D V被 害等 への 配慮 が必 要と なる

こと から

︑4 22月

日に は︑ 総務 省自 治行 政局 地域 政策 課 特別 定額 給付 金室 長か ら事 務連 絡﹁ 配偶 者か らの 暴力 を 理由 とす る避 難事 例に おけ る特 別定 額給 付金 関係 事務 処 理に つい て﹂ が発 出さ れて いる

︒ま た︑ 給付 金に かか る 詐欺 行為 の防 止に も自 治体 とし ては 目を 配ら なけ れば な らな い︒ 四

臨時 交付 金と その 運用

臨時 交付 金と は 新型 コロ ナウ イル ス対 策の 地方 財政 措置 では

︑相 当早 い時 期か ら︑ 自治 体に 1兆 円の 一般 財源 を臨 時交 付金 と して 交付 する こと が浮 上し てい た︒ それ はリ ーマ ン ショ ック の際 の臨 時交 付金 の例 に倣 うと いう 発想 があ っ たと 考え られ る︒ 平成 21年

度補 正予 算︵ 第1 号︶ に計 上 され た1 兆円 の﹁ 地域 活性 化

経済 危機 対策 臨時 交付 金﹂ は︑ 内閣 府に 一括 計上 され

︑各 府省 に移 し替 えて 執 行す る方 式を とり

︑対 象は 実施 計画 に基 づく 地方 単独 事 業と 国庫 補助 事業 の地 方負 担で あり

︑そ の合 計額 に対 し て︑ 基準 財政 需要 額の 算定 方法 に準 じる 外形 標準 に基 づ

(11)

き算 定さ れた 交付 限度 額を 上限 とし て交 付す るも ので あっ た︒ この スキ ーム は︑ 新型 コロ ナウ イル ス対 策の 臨 時交 付金 でも 基本 的に 踏襲 され たが

︑配 分基 準等 では 異 なる 点も 多い

︒ 令和 2年 度補 正予 算成 立の 翌日 の5 月1 日︑

﹁新 型コ ロナ ウイ ルス 感染 症対 応地 方創 生臨 時交 付金 制度 要綱

︵以 下﹁ 制度 要綱

﹂と いう

︶が 各都 道府 県知 事宛 に発 出 され た︒ また

︑同 日︑ 内閣 府地 方創 生推 進室 は﹁ 新型 コ ロナ ウイ ルス 感染 症対 応地 方創 生臨 時交 付金

〜脱 コロ ナ に向 けた 協生 支援 金﹂

︵以 下﹁ 臨時 交付 金説 明資 料﹂ と いう

︶を 公表 して いる

︒ 臨時 交付 金説 明資 料に よる と︑ 臨時 交付 金の 概要 は表 2の とお りで ある

︒図 1で 示し たよ うに

︑交 付限 度額 の 算定 方法 は︑ 大き く地 方単 独事 業と 国庫 補助 事業 の補 助 裏に 区分 され る︒ 地方 単独 事業 は︑ 市町 村分 と都 道府 県 分に 区分 され

︑そ れぞ れ人 口︑ 財政 力︑ 新型 コロ ナウ イ ルス の感 染状 況等 に基 づき

︑交 付限 度額 を算 定す る︒ 一 方︑ 国庫 補助 事業 分は

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 感染 症緊 急 包括 支援 交付 金1 50 0億 円程 度の 補助 裏と

︑そ の他 国 庫補 助事 業1 60 0億 円程 度の 補助 裏に 対し て︑ 国庫 補

表2 臨時交付金の概要 補正予算計上額 1兆円

所管 内閣府(地方創生推進室) ただし、各府省に移し替えて執行 交付対象等

(1)交 付 対 象 実施計画を策定する地方公共団体(都道府県・市町村)

(2)交 付 方 法 実施計画に掲載された事業のうち国庫補助事業の地方負担分と地方単 独事業の所要経費の合計額に対し、交付限度額を上限として交付金を

(3)交付限度額 人口、財政力、新型コロナウイルスの感染状況、国庫補助事業の地方交付 負担額等に基づき算定

※ソフト事業を中心とし、それに付随するハード事業も対象

また、交付決定前に実施された事業であっても、令和2年4月1日以 降に実施された事業であれば遡って対象

使途

地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに実施する

・新型コロナウイルス感染症に対する対応(感染拡大の防止策、医療提供体制の整備)

・新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた地域経済、住民生活の支援等の事業に 充当

(12)

助事 業の 地方 負担 額に 基づ き交 付限 度額 を算 定す るも の であ る︒ 対象 とな る補 助事 業に つい ては

︑制 度要 綱の 別 表対 象事 業に 示さ れて いる

︒ 交付 スケ ジュ ール では

︑地 方単 独事 業が 先行 する

︒5 月1 日に は交 付限 度額 が提 示さ れて おり

︑自 治体 は制 度 要綱 に基 づい て実 施計 画の 検討 を行 う︵ その 参考 資料 と して

︑内 閣府 地方 創生 推進 室は

﹁新 型コ ロナ ウイ ルス 感 染症 対応 地方 創生 臨時 交付 金の 活用 事例 集﹂ を示 して い る︶

︒単 独事 業分 に係 る実 施計 画︵ 第1 次︶ の提 出期 限 は5 29月

日で あり

︑そ の3 週間 程度 で︑ 実施 計画 の確 認 をし て第 1次 交付 決定 とな る︒ その 後︑ 補助 事業 分に か かる 交付 手続 きが 始ま るが

︑補 助事 業分 の実 施計 画︵ 第 2次

︶の 提出 期限 は︑ 現時 点で は未 定と され てい る︒

地方 単独 事業 分の 算定 方法 制度 要綱 の別 紙に は︑ 地方 単独 事業 分の 算定 方法 が説 明さ れて いる

︒そ の考 え方 を筆 者が 整理 した もの が︑ 図 2︵ 都道 府県 分︶ と図 3︵ 市町 村分

︶で ある

︒図 2で

︑ 都道 府県 分は

︑算 定式 の括 弧の なか で︑ 前半 の﹁ 新型 コ ロナ ウイ ルス 感染 症に 対す る対 応︵ 感染 拡大 の防 止策

図1 交付限度額の算定方法 臨時交付金 予算総額1兆円

地方単独事業 国庫補助事業

(地方 負担分) (国費分)

(都道府県分)

国庫補助事業の地方負担額に 基づき、交付限度額を算定 人口、財政力、

新型コロナウイルスの感染状況等 に基づき、交付限度額を算定

(出所) 内閣府地方創生推進室・臨時交付金説明資料

(市町村分)

その他国庫補助事業

新型コロナウイルス感染症 緊急包括支援交付金

(厚生労働省)

1,600程度

1,500程度

(単位:億円)

(13)

図2 都道府県分における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金・

単独事業分の交付限度額の算定方法

A=都道府県の区分 1.2:特定警戒都道府県 1.1:新型コロナウイル   ス感染症の感染者の   数の人口に対する割   合が全国平均を超え   た都道府県 1.0:その他の都道府県

B=新型コロナウイルス感染症患者が大幅に増えた場合に推計されるピーク  時の医療需要に係る係数

算式(a+b+c)/3

a:ピーク時において1 日あたり新たに新型コロナウイルス感染症を疑って  外来を受診する患者数に係る指数

b:ピーク時において1 日あたり新たに新型コロナウイルス感染症で入院治  療が必要な患者数に係る係数

c:ピーク時において1 日あたり新たに新型コロナウイルス感染症で重症者  として治療が必要な患者数に係る係数

α・β:内閣総理大臣が別に定める乗率(総額に合わせつけ るための調整係数)

4,800円×人口×(0.5×A×B×α+0.5×C×β)×D

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた 地域経済、住民生活の支援等の事業に充当

C=地方交付税法第13条第4項第1号に規定する段  階補正に係る係数に準じて、超過累退又は超過累  進の方法によって算定した数値を当該率を用いな  い率で算定した数値で除して得た数値

→人口170万人を1とし、それを超えると逓減し、そ  れを下回ると逓増するように定めている 新型コロナウイルス感染症に対する対応

(感染拡大の防止策、医療提供体制の整備)

D=(1.18−財政力指数)×

 0.8+0.2(1.18−財政力指  数)が零を下回る場合には、

 零とする。

→財政力指数による割落とし

(出所) 「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金制度要綱」より作成

図3 市町村分における新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金・単 独事業分の交付限度額の算定方法

A=市町村の区分

1.2:特定警戒都道府県とされた都道府県   の区域内の市町村

1.1:新型コロナウイルス感染症の感染者   の数の人口に対する割合が全国平均を   超えた都道府県の区域内の市町村 1.0:その他の都道府県の区域内の市町村

1.2:保健所設置市及び特別区 1.0:その他の市区町村

α・β=内閣総理大臣が別に定める乗率

(総額に合わせつけるための調整係数)

4,800円×人口×(0.3×A×B×α+0.7×C×β)×D

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた 地域経済、住民生活の支援等の事業に充当

C=地方交付税法第13条第4項第1号に規定する段  階補正に係る係数に準じて、超過累退又は超過累  進の方法によって算定した数値を当該率を用いな  い率で算定した数値で除して得た数値

→人口10万人を1とし、それを超えると逓減し、そ  れを下回ると逓増するように定めている 新型コロナウイルス感染症に対する対応

(感染拡大の防止策、医療提供体制の整備)

D=(1.20−財政力指数)×

 0.8+0.2(1.20−財政力指  数)が零を下回る場合には、

 零とする。

→財政力指数による割落とし

(出所) 「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金制度要綱」より作成

(14)

医療 提供 体制 の整 備︶

﹂と 後半 の﹁ 新型 コロ ナウ イル ス 感染 拡大 の影 響を 受け た地 域経 済︑ 住民 生活 の支 援等 の 事業 に充 当﹂ に区 分さ れて おり

︑そ のウ エイ トは 0

5 ずつ であ る︒ 前半 は︑ 特定 警戒 都道 府県 に指 定を 受け て いる か︑ 新型 コロ ナウ イル ス感 染者 の割 合が 全国 平均 を 上回 った 場合 に割 り増 しに なっ てい る︒ また

︑新 型コ ロ ナウ イル ス感 染症 患者 が大 幅に 増え た場 合に 推計 され る ピー ク時 の医 療需 要を 勘案 して

︑割 り増 しが かけ られ て いる

︒後 半は

︑人 口に 段階 補正 を乗 じた もの であ る︒ 前 半に は段 階補 正が 適用 され ず︑ 新型 コロ ナウ イル ス感 染 症対 策の 財政 需要 を客 観的 に捕 捉す る趣 旨で ある とい え る︒ また

︑算 定式 の最 後の 部分 で財 政力 補正 が適 用さ れ︑ 財政 力の 高い 団体 は割 落と され てい る︒ もっ とも 不交 付 団体 でも 交付 され るよ うに 算定 され てい る︒ 図3 の市 町村 分も

︑同 じよ うに 前半 部分 と後 半部 分に 分け られ てい るが

︑そ の割 合は

︑0

3 と0

7 であ っ て︑ 都道 府県 に比 べて 後半 の方 が手 厚く なっ てい る︒ そ れは 市町 村よ りも 都道 府県 の方 が医 療や 保健 等に かか る 財政 支出 が大 きい 実態 を反 映し たも のと いえ る︒ ただ し︑ 一般 市町 村に 対し て保 健所 設置 市で は︑ 当然

︑保 健関 係

の支 出が 大き いの で︑ その 割り 増し 分が 反映 され てい る︒ 図2 と図 3で

︑α とβ は内 閣総 理大 臣が 別に 定め る乗 率︵ 総額 に合 わせ つけ るた めの 調整 係数

︶と した が︑ 5 月1 日付 の内 閣府 地方 創生 推進 室か らの 事務 連絡 によ る と︑ それ ぞれ の数 値は

︑次 のよ うに 設定 され てい る︒

︹都道府県

α=0.884778783β=1.009008218

︹市町村

α=0.932245255β=1.108299981

5月 1日 の制 度要 綱の 通知 にあ わせ て︑ 団体 別の 交付 限度 額の 通知 も行 われ てい る︒ 市町 村分 が合 計で 35 3 0億 円︑ 都道 府県 分合 計も 当初 は同 額で あっ た︒ 後に 算 定上 のミ スが 判明 し︑ 修正 した 結果

︑都 道府 県分 は3 5 54 億円 に増 えて いる

︒こ の先

︑自 治体 の実 施計 画の 策 定と 申請 手続 きが ある が︑ 1兆 円の うち

︑7 08 4億 円 の交 付が

︑事 実上

︑決 まっ たこ とと なる

︒ 第2 次交 付で は︑ 国庫 補助 事業 の裏 負担 分が 対象 とな るが

︑﹁ 感染 拡大 防止 策や 医療 提供 体制 の整 備に 関す る 別表 1の 事業

﹂と

﹁雇 用維 持

継続 事業 や︑ 経済 活動 の 回復

︑強 靱な 経済 構造 の構 築に 関す る別 表2 の事 業﹂ に

(15)

分か れて おり

︑算 定率 は︑ 前者 につ いて は1

︑後 者 につ いて は0

8 とさ れて いる

使途 制度 要綱 の公 表に あわ せて

︑﹁ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 対応 地方 創生 臨時 交付 金 Q& A︵ 第1 版︶

﹂が 示 され てい る︒ 事業 対象 では

︑用 地取 得や 貸付 金

保証 金 が対 象外 とさ れて いる

︒基 金と して 積み 立て るこ とは で きな いが

︑﹁ 基金 積立 金に は︑ 交付 金を 充当 しな いこ と︒ ただ し︑ 既に 基金 を取 り崩 して 交付 対象 とな る事 業を 実 施し てお り︑ 後か ら交 付金 を当 該事 業に 充当 する 場合 で︑ 地方 公共 団体 にお ける 財源 振替 処理 によ り︑ 交付 金が 基 金の 積み 立て では なく 当該 事業 に支 出さ れた 形と なる 場 合は 差し 支え ない

﹂と され てい る︒ 職員 人件 費に つい ては 対象 とな らな いが

︑﹁ ただ し︑ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 対応 のた めの 体制 拡充 等及 び 雇い 止め 又は 内定 取消 しに あっ た者 等の 一時 的な 雇用 等 に必 要と なる もの

︵任 期の 定め のな い常 勤職 員の 給料 分 を除 く︶ はこ の限 りで ない

﹂と され てい る︒ また

︑雇 い 止め や内 定取 消し にあ った 者等 の雇 用に つい ては

﹁地 方

公共 団体 にお いて

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 感染 拡大 の防 止︑ 感染 拡大 の影 響を 受け てい る地 域経 済

住民 生活 を支 援 し地 方創 生を 図る ため に新 たに 発生 した 業務 へ対 応す る ため の雇 用や

︑既 存の 職員 が上 記の 業務 に従 事す るこ と に伴 い︑ 代わ りに 既存 の業 務に 対応 する ため の雇 用な ど︑ 本交 付金 の趣 旨に 沿っ た業 務に 何ら か関 連し た業 務の 増 加へ の対 応で ある こと を想 定し てい る﹂ とし て︑ 雇用 さ れる 者が 行う べき 業務 につ いて 限定 して いる

︒ とり わけ

︑注 意し たい のは 次の 3つ のQ

&A であ る︒ Q9⁚

国の 給付 金へ の上 乗せ に交 付金 を使 用す るこ とは 可能 か︒ A⁚ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 への 対応 とし て効 果的 な 対策 であ り︑ 地域 の実 情に 合わ せて 必要 な事 業で あ れば

︑原 則と して 使途 に制 限は ない

︒た だし

︑内 閣 府と して は︑ 限ら れた 財源 の中 で︑ でき るだ け効 果 の高 い施 策と なる よう

︑現 場の 実情 に通 じた 各地 方 公共 団体 なら では の︑ 知恵 と工 夫を こら した 対策 が 実行 され るこ とを 期待 して いる

︒ 17Q⁚

事業 者等 への 休業 補償 は対 象と なる か︒ A⁚ 休業 補償 の目 的で 行う 支出 経費 には

︑交 付金 を充 当 しな いこ と︒

(16)

18Q⁚

休業 要請 を行 った 事業 者等 への いわ ゆる

﹁協 力金

﹂ や家 賃補 助は 対象 とな るか

︒ A⁚ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 への 対応 とし て効 果的 な 対策 であ り︑ 地域 の実 情に 合わ せて 必要 な事 業で あ れば

︑い わゆ る協 力金 や家 賃補 助も 含め

︑原 則と し て使 途に 制限 はな い︒ ただ し︑ 内閣 府と して は︑ 限 られ た財 源の 中で

︑で きる だけ 効果 の高 い施 策と な るよ う︑ 現場 の実 情に 通じ た各 地方 公共 団体 なら で はの

︑知 恵と 工夫 をこ らし た対 策が 実行 され るこ と を期 待し てい る︒ Q9

で︑ 給付 金の 上乗 せに つい ては

︑排 除す るも ので はな いが

︑内 閣府 とし ては

︑施 策の 活用 事例 を示 して い るよ うに

︑自 治体 が地 域の ニー ズを きめ 細か くく み上 げ︑ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 に対 応し た政 策を 効果 的に 展 開す るこ とを 期待 して いる ので

︑国 の給 付金 の上 乗せ は その 趣旨 には 合わ ない と消 極的 であ る︒ また

︑Q 17で

事業 者等 への 休業 補償 とは

︑臨 時交 付金 説明 資料 では

︑﹁ 事業 者等 に対 する 施設 の使 用の 制限

︑ 催物 の開 催の 制限 等の 要請

指 示に 伴い 生じ る損 失を 補 償す る目 的で 行う

﹂も のと され てお り︑ それ には 充当 で

きな いと して いる

︒そ の一 方で

︑Q 18の

よう に︑ 損失 の 額と は直 接結 びつ かな いか たち で︑ 休業 要請 に応 じた 事 業者 への 協力 金や 家賃 補助 につ いて は︑ 当初 こそ 否定 的 であ った が︑ ふさ わし い使 途で はな いが 可能 であ ると い う趣 旨で

︑消 極的 なか たち で容 認し てい る︒ 五

休業 要請 に伴 う協 力金 の支 給 新型 イン フル エン ザ等 対策 特別 措置 法︵ いわ ゆる 特措 法︶ に基 づく 緊急 事態 宣言 のも とで

︑多 くの 事業 者に 対 して 休業 要請 が行 われ てい る︒ 4月 7日 に緊 急事 態宣 言 が発 出さ れる 直前 に︑ 東京 都は

︑要 請に 応じ て休 業や 営 業時 間の 短縮 をす る中 小企 業に 対し 協力 金を 支給 する 方 針を 打ち 出し た︒ 特措 法は

︑休 業要 請を する こと と引 き 換え に損 失の 補償 や協 力金 等の 交付 を行 うこ とは 前提 と され てい ない が︑ 東京 都は 単独 施策 とし て実 施す る方 針 を打 ち出 した

︒ 4月 10日

の菅 義偉 官房 長官 の記 者会 見で は﹁ 休業 要請 の範 囲に つい ては

︑国 と東 京都 が感 染拡 大へ の危 機感 を 共有 しな がら 綿密 に協 議を 行っ てき た結 果と して

︑本 日

(17)

の東 京都 の休 業要 請の 公表 に至 った もの であ りま す︒ 政 府と して は今 後と も各 自治 体で 基本 的対 処方 針に 沿っ た 対応 が取 られ るよ う︑ 都道 府県 と緊 密に 連携 して まい り たい と思 いま す︒ また 感染 拡大 防止 協力 金に つい ては

︑ 東京 都が 地域 の実 情に 応じ て東 京都 の責 任に おい て実 施 する もの

︑こ うい うふ うに 考え てお りま す﹂ と述 べて お り︑ 協力 金の 支給 は東 京都 の判 断と の見 方を 示し た︒ 不交 付団 体で ある 東京 都に は可 能で あっ ても

︑そ の他 の道 府県 では

︑財 政力 に限 りが あり

︑と ても 東京 都と 同 じ水 準の 協力 金等 は支 給で きな い︒ しか し︑ 東京 都に 隣 接す る首 都圏 の県 では

︑事 業者 から 同じ よう な措 置を 求 めて 不満 が噴 き出 すこ とに なり

︑そ の対 処に 苦慮 する こ とと なっ た︒ 臨時 交付 金に つい ては

︑休 業補 償に は使 え ない とし てお り︑ 協力 金に つい ても

︑当 初は 否定 的で あっ た︒ その 一方 で︑ 全国 知事 会は

︑休 業要 請を する 場 合に は補 償を 行う よう に求 めて おり

︑発 症者 の多 い府 県 の知 事か らは

︑特 に強 く求 める 声が 上が って いた

︒ その 後︑ 多く の道 府県 で休 業要 請が 広が り︑ それ にあ わせ て協 力金 の支 給を 決め る動 きが 顕著 にな るな かで

︑ 4月 19日

にな って

︑国 は方 針を 転換 し︑ 西村 康稔 経済 再

生担 当相 は︑ 臨時 交付 金を 協力 金に 充て るこ とを 認め る と表 明し た︒ 前節 で紹 介し たよ うに

︑Q

&A で消 極的 な がら 認め てい るの はそ のよ うな 背景 から であ る︒ 休業 要請 に伴 う協 力金 の対 象︑ 金額

︑名 称な どは 都道 府県 によ って 異な って いる

︒臨 時交 付金 の充 当が 可能 に なっ たこ とで

︑4 23月

日の 時点 では

︑休 業要 請を 行う 都 道府 県の 9割 弱が 協力 金の 支給 を予 定し てい るが

︑す べ ての 県で はな い︒ また

︑大 阪府 では 金額 は東 京と 同じ で ある が︑ 府と 市町 村が 費用 負担 を折 半す るか たち をと り︑ 市町 村が 協力 しな けれ ば府 分の 半額 のみ の支 給と なる

︒ 休業 要請 をす る以 上︑ 当然

︑協 力金 等が 支給 され るべ きで ある とい う考 え方 は︑ 特措 法で は想 定し てい ない も のの

︑多 くの 都道 府県 で進 めた こと で︑ 定着 した 感が あ る︒ 臨時 交付 金と いう 財源 もあ るの で︑ 無理 をす れば 支 給も 不可 能で はな いと いう 状況 であ る︒ もっ とも

︑緊 急 事態 宣言 は︑ 当初 5月 6日 で終 了す るは ずで あっ たが

︑ 延長 され るこ とに なり

︑休 業を 要請 する 期間 も︑ 都道 府 県に よっ てば らつ きは ある が︑ 延長 を決 定す ると ころ が 多い

︒そ うな ると

︑延 長す るな らば 協力 金も 積み 増す の か︑ とい う声 は当 然あ がっ てく る︒

(18)

そう した なか で︑ 5月 5日

︑東 京都 は緊 急事 態宣 言の 延長 に伴 う対 応策 を発 表し

︑そ のな かで 休業 や営 業時 間 短縮 の要 請を 継続 し︑ 応じ た事 業者 に対 して 感染 防止 協 力金 の追 加支 給を する 方針 を打 ち出 した

︒一 方︑ 交付 団 体で ある 他の 道府 県で は︑ 東京 都と 同水 準の こと を行 う 財政 的余 力は ほと んど ない

︒ 全国 市長 会と 全国 町村 会は

︑4 22月

日に

﹁医 療提 供体 制の 確保 と﹃ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 対応 地方 創生 臨 時交 付金

︵仮 称︶

﹄の 拡充 等を 求め る緊 急提 言﹂ を行 っ てお り︑ その なか で︑

﹁全 国の 都道 府県 及び 市町 村に お いて は︑ これ まで も国 の支 援措 置と は別 に︑ 各地 域の 実 情に 即し

︑独 自に 感染 拡大 防止 のた め営 業の 自粛 要請 等 を行 い︑ 飲食 店等 に対 し︑ 協力 金を 支給 して いる とこ ろ であ り︑ この 財源 とし て﹃ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 対 応地 方創 生臨 時交 付金

︵仮 称︶

﹄を 充当 する こと が想 定 され てい る︒

/今 後︑ この 取組 は更 に拡 大す る状 況で あ るの で︑ この 臨時 交付 金の 総額 を大 幅に 増額 する こと

︒﹂ と︑ 臨時 交付 金の 拡大 を要 請し てい る︒ 与野 党に は︑ 事業 者に 対す る家 賃補 助に 関す る強 い要 請も あり

︑臨 時交 付金 の拡 充と とも に︑ 自治 体の 新型 コ

ロナ ウイ ルス 対策 に関 する 財源 の拡 充を 求め る声 は大 き い︒ 東京 都の 休業 要請 期間 の延 長に 伴う 協力 金の 追加 支 給は

︑そ うし た動 きを 刺激 する 可能 性が ある

︒ とこ ろで

︑前 節で 示し た︑ 臨時 交付 金の 交付 限度 額の 算定 式に 照ら せば

︑そ もそ も事 業者 への 休業 要請 に対 す る協 力金 等を 支給 する こと を前 提と した 財政 需要 の測 定 にな って いな いこ とに 注意 すべ きで ある

︒人 口を 基本 に︑ 感染 者数 が多 いこ とで 割り 増す よう なか たち にな って い るの で︑ 結果 的に 大都 市圏 の自 治体 で手 厚く 配分 され る よう にな って いる が︑ 協力 金だ けで

︑臨 時交 付金 を上 回 ると いう のは

︑臨 時交 付金 の趣 旨か らす ると 望ま しい と はい えな い︒ 無論

︑一 般財 源で あっ て︑ その 使途 につ い ては

︑一 定の 枠組 みの なか で裁 量権 が認 めら れて いる 財 源で ある ので

︑協 力金 を最 優先 の使 途と 判断 する こと は あっ ても いい が︑ 多く の自 治体 がそ れに 倣っ てし まう と︑ 交付 限度 額の 算定 式と 実際 の配 分と の間 で矛 盾が 目立 つ こと にな る︒ 本稿 執筆 時点 で第 2次 補正 予算 案の なか で臨 時交 付金 を積 み増 す動 きが 報道 され てい る︒ そこ でど のよ うな 財 政需 要を 想定 する かに よっ て︑ 算定 の考 え方 は大 きく 変

(19)

わる こと も考 えら れる

︒ 六

新型 コロ ナウ イル ス対 策で 求め られ る 財政 担当 者の 姿勢 新型 コロ ナウ イル スは

︑大 災害 に匹 敵す るか

︑あ るい はそ れ以 上の 被害 をも たら して いる

︒災 害時 には

︑持 て る者 と持 たざ る者 との 格差 が広 がる 悲劇 が起 きる のが 常 であ るが

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 感染 症拡 大も

︑ま さに そ のよ うな 悲劇 をも たら して いる

︒目 に見 える もの だけ で なく 見え ない 悲劇 も少 なく ない

︒そ うし たな かで

︑自 治 体は

︑最 大限

︑住 民の 生活 や経 済活 動な どを 守る ため に 力を 尽く さな けれ ばな らな い︒ 災害 時に

︑自 治体 の財 政担 当者 が考 えな けれ ばな らな い基 本姿 勢は

︑財 政担 当者 が︑ 住民 生活 を守 るた めに 必 要な 政策 の足 を引 っ張 らな いこ とで ある

︒と きに は︑ 財 政担 当者 が前 のめ りに なっ て︑ 事業 担当 課の 背中 を押 す くら いの こと があ って もよ い︒ 一時 期︑ 自治 体の 財政 調整 基金 が傾 向と して 増え てい るこ とに 対し て︑ 多す ぎる と批 判の 声が 上が り︑ そも そ

も地 方財 政措 置が 過剰 では ない かと いう 指摘 を受 けた こ とが あっ た︒ その 際︑ 財政 調整 基金 は何 のた めに 造成 し てい るの かが 問わ れる こと にな った

︒筆 者は

︑地 方財 政 法第 4条 の3 や第 4条 の4 の規 定に 照ら すと

︑基 金は

︑ 個別 法に 規定 のあ る基 金を 除く と︑ 公共 施設 整備 等に 対 応す る基 金︑ 減債 基金

︑財 政調 整基 金に 区分 され

︑そ れ ぞれ 異な る役 割を 負っ てい る︒ その なか で︑ 財政 調整 基 金の 役割 は︑ 赤字 決算 を避 ける ため の基 金で あり

︑災 害 時の 歳入 減と 歳出 増に 対応 する こと が主 たる 役割 であ る と整 理し た︒ それ によ れば

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 対策 では

︑財 政担 当者 は︑ 財政 調整 基金 を大 きく 切り 崩す こと も辞 さな い とい う覚 悟を 示さ なけ れば なら ない

︒仮 に︑ 自治 体の 財 政調 整基 金が

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 対策 で大 きく 減っ た もの の︑ 自治 体の めざ まし い働 きで

︑新 型コ ロナ ウイ ル ス対 策が 大き く前 進し たと いう こと にな れば

︑自 治体 の 財政 調整 基金 の正 当性 が証 明さ れた とい うこ とに なる

︒ 財政 調整 基金 は︑ 災害 に備 える とい う正 当な 理由 があ っ て造 成し たと いう 根拠 にな る︒ 5月 1日 に通 知さ れた 臨時 交付 金の 使途 に対 して

︑Q

(20)

&A では

︑基 金造 成に 実質 的に 結び つけ るな と注 意喚 起 され てい る︒ 当然 のこ とで ある

︵繰 越事 業は あっ ても よ いと され てい るが

︶︒ 財政 担当 者と して 戒め るべ きこ と は︑ 臨時 交付 金の 範囲 で︑ 新型 コロ ナウ イル ス対 策の 予 算措 置を 抑え 込も うと する こと であ る︒ 真に 必要 な政 策 を実 施し た結 果と して

︑臨 時交 付金 の範 囲で おさ まっ た とい うこ とな らば よい が︑ 歳入 の制 約で 歳出 を決 める と いう 発想 は︑ この 際︑ 望ま しく ない

︒ 幸い に年 度当 初で あっ て︑ 新型 コロ ナウ イル ス感 染症 拡大 の影 響で

︑執 行で きな くな った 予算 もあ る︒ それ ら を組 み替 えれ ば︑ 臨時 交付 金に 上乗 せし て事 業が でき る はず であ る︒ 財政 担当 者は

︑必 要な 事業 の執 行は 妨げ な い︑ 財政 制約 あり きで はな い︑ とい う方 針で 新型 コロ ナ ウイ ルス 対策 にの ぞん でほ しい

︒ その 反面 で︑ 現に 財政 調整 基金 がな けれ ば︑ そう した 強気 の姿 勢を 示す こと はで きな い︒ 財政 調整 基金 を崩 し てで もと いい なが ら︑ それ は崩 せる 基金 があ って のこ と であ る︒ 真に 必要 な施 策を 行っ たが

︑そ の結 果︑ 赤字 決 算に なっ たと して も誰 も褒 めて くれ ない

︒首 長が 意気 盛 んで

︑次 々と 新型 コロ ナウ イル ス対 策を 打ち 出す よう な

場合

︑財 政担 当者 とし て︑ それ にで きる 限り 付き 合う と して も︑ 平時 モー ドへ の財 政の

﹁出 口戦 略﹂ も必 要と な る︒ 新型 コロ ナウ イル ス対 策は 災害 に準 じる 対応 であ り︑ それ をい つま でも 続け るわ けに はい かな い︒ 自治 体の なか には

︑財 政運 営に 行き 詰ま りを みせ てい ると ころ が散 見さ れる

︒一 時期 に比 べる と︑ 該当 事例 が ずい ぶん 増え てき た印 象で ある

︒新 型コ ロナ ウイ ルス 対 応が なく ても 収支 が均 衡せ ずに

︑財 政調 整基 金が 減る 一 方の 団体 では

︑新 型コ ロナ ウイ ルス 対策 の財 源は

︑も っ ぱら 臨時 交付 金頼 みと なる

︒そ うな ると

︑臨 時交 付金 の 範囲 で対 策費 を抑 え込 みた いと いう マイ ンド にな る︒ 財 政運 営が 日頃 から 安定 して いな けれ ば︑ 危機 対応 が十 分 にで きな いこ とを 改め て肝 に銘 じる 必要 があ る︒ 七

今後 の地 方財 政措 置 新型 コロ ナウ イル ス対 策へ の財 政的 な対 応と は別 に︑ 今後 の財 政運 営で は︑ 不安 な要 素が 多い

︒新 型コ ロナ ウ イル ス感 染症 の拡 大に よっ て︑ 経済 情勢 が大 きく 悪化 し︑ 国税

地 方税 の大 幅な 落ち 込み が予 想さ れる から であ る︒

参照

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参考 日本環境感染学会:医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド 第 2 版改訂版

〇新 新型 型コ コロ ロナ ナウ ウイ イル ルス ス感 感染 染症 症の の流 流行 行が が結 結核 核診 診療 療に に与 与え える る影 影響 響に

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