Experimental and Theoretical Studies on
Atmospheric Pressure Plasma Jet for Cu Film Deposition
著者 Zhao Peng
year 2014‑03
出版者 Shizuoka University
URL http://doi.org/10.14945/00007968
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(課程博士・様式9)
審 査 要 "日'" (1,000字程度)
本論文では、ウェットプロセスである電解エッチングを用いた樹脂基板上の電気配線技術に 替わる、新たなドライプロセスによる金属薄膜堆積技術の開発を目的として、大気圧プラズマ を用いた銅薄膜の低温堆積技術に関する実験・理論的研究成果を綴めている。本論文は以下の
7章で構成されている。
第 1章の序論では、まず、本研究の背景を述べた後、樹脂基板上への各種銅薄膜堆積技術の 紹介およびそれらの現状の課題について概説し、本研究の目的と論文の概要を記述している。
第2章では、各種大気圧放電プラズマの生成法およびそれらの特徴について記述した後、大 気圧下における熱的平衡プラズマと熱的非平衡プラズマの特性の違いについて概説している。
第3章では、実験に用いたRF駆動誘導結合型大気圧プラズマジェット装置およびプラズマ 諸特性の計測に用いた各種診断法について記述した後、それらの計測法を用いた大気圧プラズ マジェットにおける各測定結果について記述している。特に、プラズマからの OH分子の発光 スペクトル計測結果と理論的計算によるスベクトル形状とのフィッティングにより、ガス温度 の評価を行っており、入力RFパワーの変化に伴うガス温度の変化を示している。
第4章では、局所熱平衡を仮定した2次元プラズマシミュレーションコードを用い、実験に 使用した誘導結合型大気圧プラズマジェット形状を考慮した理論シミュレーシiヨンを実施し、
アルゴンプラズマを仮定した場合のガス温度および電子密度の空間分布を求めており、前章で 行ったガス温度評価の実験結果との比較により、その妥当性を議論している。
第5章では、大気圧プラズマジェットを用いてシリコン基板上に堆積した銅薄膜の特性解析 に関する実験結果を纏めている。まず、膜薄膜解析に用いたX線光電子分光法、走査電子顕微 鏡、 4端子法などの測定方法について紹介した後、それぞれの測定結果を示し、考察を行って いる。 X線光電子分光法による実験結果から、アルゴ、ンガスに水素ガスを5%‑10%添加するこ
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とにより、大気圧下において銅薄膜の酸化が抑制されること、さらに窒素雰囲気中で成膜を行 うことにより銅薄膜の純度が向上することを明らかにしている。また、 4端子法による銅薄膜 の電気伝導率の測定の結果、水素ガス添加とともに銅薄膜の電気伝導率が向上し 10%添加時に おいて、銅の固有電気伝導率の約2ケタ低い値となっていることを確認している。第6章では、金属容器内に窒素ガスを封入した条件下においてポリイミド基板を用いた銅薄 膜堆積実験を試みており、得られた膜特性の結果は、シリコン基板を用いた場合と同様に、水 素添加による鍋薄膜の酸化抑制、電気伝導率の向上を示しており、本実験によりポリイミド基 板上での鍋薄膜の低温成長が可能であることを確認している。最後に、第7章では本研究の結 果のまとめを行い、今後の課題について検討している。
以上のように、本論文では、大気圧プラズマジェットを用いた銅薄膜の低温堆積技術に関す る学術的に有用な実験結果および理論解析結果を示すとともに、ドライプロセスを用いた低温 金属薄膜堆積に成功するなど、今後の産業応用面においても有用な知見を与えている。よって、
本論文は博士(工学)の学位を授与するに充分な内容であると認める。