学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討 : 活動記録から考える基礎実習との役割分担
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第67巻 第₂号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 67, No.2. 平 成 29 年 ₂ 月 February, 2017. 学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討 ― 活動記録から考える基礎実習との役割分担 ―. 星 裕・福岡真理子・森 健一郎* 北海道教育大学 教員養成改革推進本部 *. 北海道教育大学大学院教育学研究科高度教職実践専攻. Examination of the Study of the Roles of Workplace Experience and Field Study ― The Analysis of Students’ Comments on Activity Records ―. HOSHI Yutaka, FUKUOKA Mariko and MORI Kenichiro* Hokkaido University of Education Headquarters for Promotion of Teacher Training Reform *. Hokkaido University of Education Advanced Teacher Professional Development Program. 概 要 本稿は,釧路校で行われている学校体験・教育フィールド研究と基礎実習の役割分担につい て検討することを目的としている。活動記録の分析の結果,学校体験・教育フィールド研究に 対して学生が抱いている重点は「児童・生徒の理解」にあることが明確になった。基礎実習の 主としたねらいが「学習指導」にあることから,はっきりと役割分担がなされているといえる。 また,その実施順も,学校体験,教育フィールド研究,基礎実習という順で経験していくこと で,一つ一つの視点について深く考察することができ,有効であるといえる。本校の取組は, 役割・順序ともに発達段階を踏まえた効果的なものといえる。. Ⅰ はじめに. 答申では,養成段階については,「教員となる 際に必要な最低限の基礎的・基盤的な学修」1)を. 平成27年12月21日に中央教育審議会答申「これ. 行う段階と位置付けている。また,「実践的指導. からの学校教育を担う教員の資質能力の向上につ. 力の基礎の育成に資するとともに,教職課程の学. いて~学び合い,高め合う教員養成コミュニティ. 生に自らの教員としての適性を考えさせる機会と. の構築に向けて~」が出され,教員の養成・採用・. して,学校現場や教職を体験させる機会を充実さ. 研修の一体改革の推進が提唱されている。. せることが必要である。」2)としている。. 317.
(3) 星 裕・福岡真理子・森 健一郎. 具体的な改革の方向性としては,学校インター. これ以外にも,「教育実践フィールド科目」に. ンシップの導入を示している。そのメリットとし. 含まれる科目では,インターンシップに当たるも. て, 「長期間にわたり継続的に学校現場等で体験. のが多くあり,学生の選択次第により,学校現場. 的な活動を行うことで,学校現場をより深く知る. に行く機会は充実しているといえる。. ことができ,既存の教育実習と相まって,理論と. これら教育フィールド研究や教育実習に関連す. 実践の往還による実践的指導力の基礎の育成に有. る先行研究については,次の通りである。. 3) ことを挙げている。 効である。 」. 古川(2006)は,教育実習中に実習生が「プラ. ただ,この学校インターンシップの導入につい. スの自己評価」をした例が多かった事項として3. ては,今回初めて提唱されたわけではない。平成. 点を挙げている。「生徒とのコミュニケーション. 18年7月11日に出された中央教育審議会答申「今. がよくとれたこと」, 「授業が上手くいったこと」,. 後の教員養成・免許制度の在り方について」の中. 「指導教員との関係が良かったこと」である。. で「インターンシップや,子どもとの触れ合いの. 谷田(2015)は,実習生が実習校に行くまでの. 機会,現職教員との意見交換の機会等を積極的に. 事前指導の重要性を挙げている。. 4) として,すでに示 提供することが必要である。」. 相良ら(2015)は,教育実習の成否がソーシャ. されてきた。. ルスキルの高さによってかなりの程度予測できる. 釧路校においても,2006年より, 「教育フィー. ことを挙げている。. ルド研究」として学校インターンシップを実施し. 玉井・倉賀野(2010)では,教育フィールド研. てきた。現在は,基本的に教育フィールド研究Ⅰ. 究と2年次に模擬授業を組み合わせることで,3. を1年後期に,教育フィールド研究Ⅱを2年前期. 年次の教育実習により指導的な立場で臨むことが. に受講するようになっている。. 出来るとしている。. また,それとは別に,1年前期には新入生研修. 栢野ら(2011a,2011b,2011c,2011d) (2012)では,. として小規模校の訪問,学校体験として4回の学. 「学習指導力」, 「生徒指導力」, 「教育相談力」, 「協. 校訪問を行っている。. 働遂行力」に関わる学年別の傾向を明らかにし,. 2年の夏季休業中には,基礎実習として1週間. 教育フィールド研究が教員に求められる資質の育. の観察実習,3,4年では教育実習Ⅰ・Ⅱを行う. 成に寄与していることをまとめている。. カリキュラムになっている。. 森ら(2015)では,中教審答申(2006)におい. 学校インターンシップや教育実習に関わる基本. て教育実践演習に含めることが求められている. 的な流れをまとめると下記の表1のようになる。. 「使命感や責任感,教育的愛情等に関する事項」, 「社会性や対人関係能力に関する事項」,「幼児児. 表1 基本的なインターンシップと教育実習. 童生徒理解や学級経営等に関する事項」,「教科・. 時期. 保育内容等の指導力に関する事項」の4つの事項. 内容 新入生研修(小規模校訪問) 学校体験(4回). との関連から教育フィールド研究の果たす役割を. 1年後期. 教育フィールド研究Ⅰ(8回). 情等に関する事項」を構成する要素については,. 2年. 教育フィールド研究Ⅱ(8回) 基礎実習. 課題となっていた。. 3年. 教育実習Ⅰ 教育実習事前事後指導. 4年. 教育実習Ⅱ. 1年前期. 整理した。その際,「使命感や責任感,教育的愛. 古川・相良ら・谷田の3つの研究からは, 「子 どもとのかかわり方」,「授業の作り方」,「指導教 員とのかかわり方」を教育実習の事前に指導して おく必要性があることが読み取れる。これらにつ いての事前指導を充実させておくことが,教育実. 318.
(4) 学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討. 習での自己評価を高くすることにつながる。. (以下チェックリスト)の項目 チェックリスト5). また,玉井ら・栢野ら・森らの研究は,釧路校. と,考察の部分を抜き出して収集した。. における教育フィールド研究が教員養成において. 学校体験と教育フィールド研究Ⅱでは,学校に. 重要な資質・能力の育成に非常に有効であること. 訪問した日に振り返りを必ず行うことになってい. を明らかにしている。. る。この活動記録に着目したのは,学生がその日. ただし,前述の中教審答申(2015)では,学校. の訪問の中で,どのようなことを意識して取り組. インターンシップの課題として,教育実習との役. んだかが,チェックリストの項目からわかること,. 割分担の明確化を挙げている。. それについての考察が記述されていることからで. 本校では,2年次の夏季休業中に基礎実習があ. ある。また,まとめてではなく,訪問日ごとに記. る。 『平成28年度 教育実践フィールド科目ハン. 述するため,何を主として学んだのかについて,. ドブック』では,基礎実習の目的の欄に基礎実習. より細かいサイクルで学生の意識を捉えることが. で明らかにしたい問いとして,次の2点を掲げて. できると考える。. いる。. チェックリストの項目は,4つの視点132項目. 〇 授業は,どのように構成されているか。. ある中から,特に訪問日に関わるものを学生自身. 〇 授業を作る上で,大切にしたいことは何か。. が選択する。さらに,チェックリストの文言から,. 基礎実習の内容は1週間の観察実習である。3. 特にどのような内容を意識しているのかを分析す. 年次に教育実習生として授業を作る側に立つため. ることもできる。分析に当たっては,選択された. に,授業の構成を理解し,授業を構成する上で何. チェックリストを表にする。これを集計すること. が大切かを考える機会として位置づけられてい. によって,どのカテゴリーを特に意識していたか. る。つまり, 「授業作り」を主としたねらいにし. 把握することができる。また,特に多く選択され. ているといえる。. たリストの文言からは,学生の意識していた内容. では,基礎実習の前に位置付けられている学校. を捉えることもできる。. 体験や教育フィールド研究の役割とは何か。先行. 考察の欄は,自分が選択したチェックリストの. 研究により,教育フィールド研究自体は,教員養. 項目について,どのようなことがあり,学生自身. 成において大きな意義のある取り組みであること. がどう考えたのかについて具体的に記述する。こ. がはっきりしている。基礎実習と学校体験,教育. の部分を分析することで,どのような学びがあっ. フィールド研究の役割分担はどのように位置付け. たのかが明確になると考えた。得られた記述は全. られるのか。2年次前期までの学生の学びから,. てテキストファイルにし,テキストマイニングの. 基礎実習との役割分担の明確化を図ることを本稿. 手法を用いて,分析することとした。分析に用い. の目的とする。. 6) で たのは,フリーのソフトウェア「KH Coder」. ある。本研究では,このソフトウェアで用いるこ. Ⅱ 方 法. とができる手法のうち, 「頻出150語のリスト」, 「共 起ネットワーク」を活用した。「頻出150語」から. 基礎実習との役割分担の明確化を図るために,. は,上位に位置する語を見ることで,傾向を把握. 前期における1年次の学校体験と2年次の教育. することができる。また,「共起ネットワーク」. フィールド研究Ⅱの活動記録を分析することとし. では,それらの語の関連を見ることができる。. た。対象としたのは,1年次前期の学校体験の学. これらの方法を用いることで,学校体験と教育. 生35名4回分と2年次前期の教育研究フィールド. フィールド研究において,学生が主としてどのよ. 研究の学生30名8回分の活動記録である。活動記. うな学びをしているのかを捉えることができると. 録 の 中 か ら, め あ て に あ る ス テ ッ プ ア ッ プ・. 考えた。なお,学校体験と教育フィールド研究Ⅱ. 319.
(5) 星 裕・福岡真理子・森 健一郎. の結果を分けて分析することで,それぞれの役割. ⑵ 教育フィールド研究Ⅱ. についても検討していく。. 次に,教育フィールド研究Ⅱの回答状況を見て いく。. Ⅲ 結 果. 教育フィールド研究Ⅱにおいてチェックリスト で選択した結果をまとめたものが表3である。. 1 ステップアップ・チェックリスト. 最も多いのは2の視点「児童・生徒の理解」で. ⑴ 学校体験. あ っ た。 有 効 回 答 数160の う ち,106で あ り,. 選択したチェックリストの結果をまとめたもの. 66.3%を占める。その中で最も多かったのは,. が表2である。チェックリストは4つの視点132. 2-2「教育相談力」で37であり,23.1%。次いで. 項目で構成されているが,その中で学生に選択さ. 2-3「学級経営力」の36,22.5%となっている。. れたもののみを一覧にしている。ここでは,学校. 学校体験と同様に,2-5「自己実現の支援と進路. 体験の回答状況を検討していく。. 指導」に関する回答は0であった。. まず,圧倒的に多いのが,2の視点「児童・生. 1 の 視 点「 学 習 指 導 」 は 回 答 数29に な り,. 徒の理解」である。有効回答数136のうち,111で. 18.1%となっている。3の視点「社会性・対人関. あり,81.6%を占める。その中でも,2-3「学級. 係」は15で9.4%,4の視点「愛情・使命・責任」. 経営力」に関わる回答は多く,43であり,31.6%. は10で6.3%であった。. となっている。次いで,2-2「教育相談力」に関. 最も選択した学生が多かった項目は, 「2-2-10」. わる回答が32で23.5%となっている。逆に2の視. と「2-4-7」で回答数は12。次に, 「2-3-11」が9。. 点でも,2-5「自己実現の支援と進路指導」に関. そして,「2-2-9」,「2-3-16」,「3-1-8」,「4-3-1」. する回答は0であった(0のため,表2には記載. が7となっている。ここまでが上位5項目(表の. していない) 。. 中で網掛けの部分。同数で7項目)に入る。2の. 他には,1の視点「学習指導」が9で全体の. 視点が多いものの,3と4の視点の項目も1つず. 6.6%, 3の視点「社会性・対人関係」が7で5.1%,. つ入っている。. 4の視点「愛情・使命・責任」が9で6.6%となっ. 共通点に着目して文言を見る。学校体験と同じ. ている。. く「子ども」というキーワードは7項目中6項目. 最も選択した学生が多かった項目は,「2-1-1」. に見られ,高い頻度で含まれている。. と「2-3-3」で回答数はそれぞれ11である。次に,. 「2-2-10」の「話しかけたり,励ましの言葉を. 「2-3-6」と「2-3-12」で回答数が8。そして,. かけたり」と「2-4-7」の「立場を踏まえて,子. 「2-2-10」と「2-3-2」が6となっている。ここ. どもに接する」というかかわり方に関する文言が. までが,上位5項目(表の中で網掛けの部分。同. 見られる。それ以外に, 「観察し,記録する」, 「様. 数で6項目)に入り,すべて2の視点「児童・生. 子を意識する」,「変容を知ろうと努力する」とい. 徒の理解」に含まれる項目であった。. う子どもを見ることに関する文言が多く共通して. 共通点に着目して文言を見ていく。まず,「子. いる。. ども」というキーワードが多く出されている。上. 「3-1-8」と「4-3-1」からは, 「準備」や「補助」,. 位6項目中5項目に「子ども」というキーワード. 「環境整備」など,下準備に関わる言葉が見られ. がある。また, 「コミュニケーション能力」 , 「関. た。. わり合い」 , 「指導」,「言葉がけや励まし」,「話し かけたり,励ましの言葉をかけたり」など,いず. ⑶ 考 察. れも他者(特に子ども)とのかかわり方に関する. 学校体験も,教育フィールド研究Ⅱも,2の視. 内容となっている。. 点「児童・生徒の理解」を選択した学生が多かっ. 320.
(6) 学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討. たという点は共通している。その中でも,2-2「教 育相談」と2-3「学級経営」が多くの割合を占め ている。 ただし,2年次には,1年次と比べて,4の視 点を選択する学生はあまり変わらないものの, 1・3の視点を選ぶ学生が増えている。これは, 経験を積むことで,多くの視点を持つことできる ようになったと考えられる。特に1の視点「学習 指導」が増えていることは,森(2015)でも指摘 している通りで,2年次において授業観察の視点 が育ってきていると言える。 上位5項目も2の視点が多いのは変わらないも のの,2年次には,3・4の視点が入っている。 ここからも,視野の広がりを読み取ることが出来 る。 共通する言葉では,ともに「子ども」という言 葉が多い。そして,「かかわり方」に関する言葉 が多いことから,最も意識がいっているのは, 「子 どもとのかかわり方」といえる。ただし,関わり 方も2年次には,それに加えて「立場を踏まえて 関わる」 ことを意識するようになっている。また, 「見る」ことに関する文言が多くなる。立場を踏 まえて関わるという事と合わせて,ただ関わるの ではなく,教師と子どもという立場を意識し,子 どもの様子を評価するという視点を持つように なってきていることがわかる。 「3-1-8」と「4-3-1」からは, 「準備」や「補助」, 「環境整備」など,下準備に関わる言葉も見られ た。その場,その場でどうかかわるかという事だ けではなく,そこに向かうまでの準備等について の意識も1年間で育っているといえる。 いずれの学年でも最も意識しているのは,子ど もとのかかわり方である。ただし,2年次になる につれて,多くの視点を獲得し,より高い意識を もって,学校訪問に行っていることがわかる。. 321.
(7) 星 裕・福岡真理子・森 健一郎. 表2 学校体験(1年次)集計 視点 小項目. 項目. (網掛け部分は上位5項目。同数のため6項目) 内 容. 合計. 大学の講義・演習などを通して,学習指導に関わる今日的な教育の動向や課題,学校・園の様子,子どもの特質を知る。. 2. 1-2-1. 明確な目的意識を持つとともに,専門分野等で理解・習得した基礎的知識や基本的視点などを生かしながら授業を参観する。. 1. 1-2-2. 参観にあたっては,具体的に視点を持って参観する。. 1. 1-2-3. 参観後に,気づいたことや感想,意見などを簡単に整理し,「チェックリスト表」等に記録するなどして事後に生かす。. 1. 1-3-3-1. 一つの教材や単元の授業を構想して学習指導案を作成し,模擬授業を行ってみる。. 2. 1-3-3-4. 教師の一方的な指導に偏ることなく,教師と子ども及び子ども同士の関係を十分に考慮し,子どもが意欲的に取り組むように進める。. 1. 1-3-3-8. 一斉学習,グループ学習,個別学習など様々な学習形態を効果的に取り入れる。. 2-1-1. 自己と他者がともに成長しあえるような対人関係能力やコミュニケーション能力の重要性について理解する。. 2-1-2. 教師として豊かな人間性を磨きつづけるとともに,常識と教養を絶えず高めていくことの重要性について理解する。. 4. 2-1-5. 学校・園の授業保育参観,教育活動や環境サポートなどに,みずから積極的に参加する。. 4. 2-1-6. 教育活動や環境サポート等に参加しているとき,自己の存在に,喜びと誇りを感じる。. 1. 2-1-7. 子どもの人格形成にかかわる立場にある一人の人間として,その指導者・支援者としての自覚を持つ。. 3. 2-2-1. 子どもの心を捉える教師の指導・支援の在り方についておおよそ理解する。. 2. 2-2-2. LD,ADHD,自閉症などの発達障害や,特別なニーズを持つ子どもに対して,どのような理解と支援をしていけば良いのかについて考える。. 2. 2-2-6. カウンセリングマインドの意味や意義をはじめ,それを生かした保育・授業や学習支援についておおよそ理解する。. 1. 2-2-7. 子どもの理解を深めるカンファレンスの仕方等について学び,具体的な指導や援助の手立てについて考える。. 2. 2-2-9. 子どもと一緒に遊びながら,その様子を意識する。. 5. 2-2-10. 教育活動の場において,子どもに自分から話しかけたり,励ましの言葉をかけたりする。. 6. 2-2-11. 子どもの興味・関心や知的好奇心などを受けとめながら対話する。. 5. 2-2-12. 子どもの何気ない表情や言葉から,その子の不安や喜びを理解しようと努力する。. 5. 2-2-14. 子どもの学校・園における基本的生活習慣の定着の度合いやその他の生活実態について,おおよそ把握する。. 1. 童. 2-2-18. 行動の理解が難しい子どもへの対応については,一人で抱え込まずに,先輩や同僚と相談しながらすすめる努力をする。. 1. ・. 2-2-19. 子ども一人ひとりの興味・関心や知的好奇心を受けとめ,励ましながら,より豊かな学び合いへ導くよう配慮する。. 2. 生. 2-3-1. 学級担任として行う学級の事務にはどんなものがあるかを知る。. 2. 徒. 2-3-2. 子どもの安全確保のために,教師はどのようなことに配慮・指導しなければならないかを知る。. 6. 2-3-3. 授業をはじめ,休み時間や係・当番活動など,様々な学校生活の場面で,子どもとどのように関わり合えばよいのかについて考える。. 2-3-6. 学級における子どもの自治的・自主的な活動の在り方やその指導について学ぶ。. 8. 2-3-11. 学級担任の一日の仕事や子どもに対する指導を観察し,学んだことを記録する。. 3. 2-3-12. 子どもが学級活動への意欲を高めるための言葉がけや励ましの大切さと,その方法について理解する。. 8. 2-3-13. 現場の教師は,学級経営においてどんな困難に直面し,それをどのように解決しようとしているか理解する。. 2. 2-3-16. 子ども同士の人間関係や子どもの変容を知ろうと努力する。. 2. 2-3-17. 子どもにとって教室が安心して生活できる場にするための配慮について理解する。. 1. 2-4-1. 基本的生活習慣を身に付けることの意義や大切さを理解する。. 1. 2-4-4. どの子どもも,学校生活のなかで自分の「居場所」が見つけられるように配慮することの大切さを理解する。. 1. 2-4-5. 不安の強い子や,問題行動が著しい子どもについて,どのように理解し,指導すればよいかということについて実践の事例などを通して考える。. 2. 2-4-6. 子どもを褒めることや叱ることの意義やその適切な機会について,具体的な実践場面を通して理解する。. 2. 2-4-7. 指導する立場と指導を受ける立場を踏まえて,子どもに接する。. 1. 2-4-8. どの子どもも,学級集団のたいせつな一員として貴任ある行動がとれているかどうかについて配慮する。. 1. 2-4-10. 子どもたちが自分たちの手で決めた規則やきまりを守ることの大切さについて指導する。. 2. 2-4-11. 自分がかかわった子どもに対する指導について,他の教師たちへ積極的に相談し,指導や援助を受ける。. 1. 2-4-12. 子どもの理解や,学級経営の進め方など,これまでの知識や経験だけで判断するのではなく,常に新しい発想と情報を入手しようと心がける。. 2. 3-1-3. 保育・授業や各種活動の中で,積極的に話し合いや共同作業にかかわる。. 2. 3-1-6. 子どもをはじめ教職員や学生などの話に耳を傾ける。. 2. 3-1-8. 行事等の準備・運営を実習生同士協力して積極的に補助する。. 1. 3-1-10. 行事や集会,保育・生徒指導,校内研修などでは,教師同士の連携や協力が不可欠であることを理解する。. 2. 4-1-2. 自分の課題を明確にして,教師として必要な力量を高める。. 2. 4-2-1. 子どもたちに寄り添い,受容的共感的に対応するとは具体的にはどうすることなのかを事例などを通して習得する。. 1. 4-2-2. 子どもたちとふれ合う機会を意識的につくり,コミュニケーションをとれるように努める。. 1. 4-3-1. 子どもたちの安全を守るために,環境整備や危機管理の必要性とその方法を習得する。. 4. 4-4-2. 教師として生き生き教育活動を続けていくためには,どんなことが大切なのかを習得する。. 1 学 習 指 導. 1-1-3. 自己指導力 教 育 相 談 力. 2 児. 学 級. の. 経. 理. 営. 解. 力 生 徒 指 導 の 実 際 対人関係能力. 3 社会性・ 対人関係 4 愛情・使命・ 責任 . 合計. 322. 1 11. 11. 1 136.
(8) 学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討. 表3 教育フィールド研究Ⅱ(2年次)集計 専門的知識・技能. の習得と自己学習. 視点 小項目. 項目. (網掛け部分は上位5項目。同数のため7項目) 内 容. 合計. 授業 参観 授 業 づ く り. 1 学 習 指 導. 1-1-2. 自己の実践的資質の向上を図るために,現場の保育・授業を参観したり,学校・園の保育・授業等への支援活動に積極的に参加する。. 6. 1-1-5. 現行の小学校,中学校,高等学校の教科書の内容をおおまかに理解する。. 1. 1-1-7. 専門科目の学習指導に関わる指導方法や評価について,その意義,形態,具体的方法などを理解,習得する。. 2. 1-2-1. 明確な目的意識を持つとともに,専門分野等で理解・習得した基礎的知識や基本的視点などを生かしながら授業を参観する。. 3. 1-2-2. 参観にあたっては,具体的に視点を持って参観する。. 3. 1-3-1-1. 子どもの保育・授業に関する興味・関心の傾向や意欲を把握する。. 1. 1-3-2-2. 教材・教具,ワークシート等について検討し,工夫したり,新たに作成・開発するとともに,授業の中での位置づけ,提示の仕方など効果的な活用法について考える。. 2. 1-3-2-5. 保育指導案・学習指導案の作成にあたっては,積極的に指導教員の指導を受けたり,実習生の仲間と検討を深める。. 1. 1-3-3-4. 教師の一方的な指導に偏ることなく,教師と子ども及び子ども同士の関係を十分に考慮し,子どもが意欲的に取り組むように進める。. 1. 1-3-3-6. いろいろな指導技術を適切,効果的に活用する。. 3. 1-3-3-7. 子どもの理解や習熟の程度に十分配慮した「きめ細かな」「わかる」指導に努める。. 2. 1-3-3-9. 一人あるいは複数の保育者・授業者と協力しての保育・授業(T.T.)や補助を行う。. 1 2. 1-3-3-12 特別な支援を必要とする子どもに対して,適切な指導や支援の在り方を把握する。. 1. 2-1-1. 自己と他者がともに成長しあえるような対人関係能力やコミュニケーション能力の重要性について理解する。. 2. 2-1-2. 教師として豊かな人間性を磨きつづけるとともに,常識と教養を絶えず高めていくことの重要性について理解する。. 1. 2-1-3. 学生として相応しい言葉遣いや態度とは何かについて考え,それにもとづいて,よりよい行動をとる。. 3. 2-1-4. 学生同士で,好ましいコミュニケーションをとれるように努力する。. 1. 2-1-5. 学校・園の授業保育参観,教育活動や環境サポートなどに,みずから積極的に参加する。. 2. 2-1-6. 教育活動や環境サポート等に参加しているとき,自己の存在に,喜びと誇りを感じる。. 2. 2-1-7. 子どもの人格形成にかかわる立場にある一人の人間として,その指導者・支援者としての自覚を持つ。. 3. 2-2-1. 子どもの心を捉える教師の指導・支援の在り方についておおよそ理解する。. 4. 2-2-9. 子どもと一緒に遊びながら,その様子を意識する。. 2-2-10. 教育活動の場において,子どもに自分から話しかけたり,励ましの言葉をかけたりする。. 2-2-11. 子どもの興味・関心や知的好奇心などを受けとめながら対話する。. 4. 2-2-12. 子どもの何気ない表情や言葉から,その子の不安や喜びを理解しようと努力する。. 5. 2-2-13. 友だちとかかわることが苦手そうな子に,寄り添いながら,穏やかに声をかけるよう配慮する。. 1. ・. 2-2-19. 子ども一人一人の興味・関心や知的好奇心を受けとめ,励ましながら,より豊かな学び合いへ導くよう配慮する。. 4. 生. 2-3-2. 子どもの安全確保のために,教師はどのようなことに配慮・指導しなければならないかを知る。. 1. 徒. 2-3-3. 授業をはじめ,休み時間や係・当番活動など,様々な学校生活の場面で,子どもとどのように関わり合えばよいのかについて考える。. 6. の. 学級活動や児童生徒会活動など,学級内外の集団活動における子ども相互のかかわり合いの実態をおおよそ把握する。. 3. 学級における子どもの自治的・自主的な活動の在り方やその指導について学ぶ。. 4. 2-3-9. 子どもが健康で安心した学級生活を送るために,養護教諭や栄養教諭との連携が重要であることを理解する。. 1. 2-3-11. 学級担任の一日の仕事や子どもに対する指導を観察し,学んだことを記録する。. 9. 2-3-12. 子どもが学級活動への意欲を高めるための言葉かけや励ましの大切さと,その方法について理解する。. 2. 2-3-13. 現場の教師は,学級経営においてどんな困難に直面し,それをどのように解決しようとしているか理解する。. 1. 2-3-16. 子ども同士の人間関係や子どもの変容を知ろうと努力する。. 7. 2-3-17. 子どもにとって教室が安心して生活できる場にするための配慮について理解する。. 1. 2-3-19. 保護者からの相談や問い合わせには,誠実に対応していくことが大切であることについて理解する。. 1. 2-4-1. 基本的生活習慣を身に付けることの意義や大切さを理解する。. 1. 2-4-6. 子どもを褒めることや叱ることの意義やその適切な機会について,具体的な実践場面を通して理解する。. 2-4-7. 指導する立場と指導を受ける立場を踏まえて,子どもに接する。. 2-4-8. どの子どもも,学級集団のたいせつな一員として責任ある行動がとれているかどうかについて配慮する。. 1. 2-4-9. 子どもが公共の場で必要とされている社会規範やモラルなどを,どの程度守ろうとしているかを把握する。. 2. 3-1-1. 場に応じた適切な話題をもとに,良好な人間関係や協力関係を作り出す。. 1. 3-1-4. 保育・授業や活動を協同で行う際,リーダーシップを発揮する。. 1. 3-1-5. 時や場に応じた挨拶や服装,言葉遣いを意識して行動する。. 1. 3-1-8. 行事等の準備・運営を実習生同士協力して積極的に補助する。. 7. 3-1-9. 保育・授業以外の教師の仕事を自ら見つけ,積極的に手伝う。. 4. 3-2-8. 地域の中で,子どもたちの社会的モラル・ルールに違反する行為を,注意したり,指導したりする。. 1. 4-1-2. 自分の課題を明確にして,教師として必要な力量を高める。. 1. 4-2-2. 子どもたちとふれ合う機会を意識的につくり,コミュニケーションをとれるように努める。. 2. 4-3-1. 子どもたちの安全を守るために,環境整備や危機管理の必要性とその方法を習得する。. 自 己 指 導 力. 1-3-3-10 総合的な学習の時間において,地域調べ等の指導やその補助を行う。. 童. 教 育 相 談 力. 2 児. 学. 2-3-4. 理. 級. 2-3-6. 解. 経 営 力 生徒指導の実際. 3 社会性・ 対人関係 愛情・使 命・責任. 4. 合計. 7 12. 3 12. 7 160. 323.
(9) 星 裕・福岡真理子・森 健一郎. 2 頻出150語と共起ネットワーク. ⑵ 教育フィールド研究Ⅱ. ⑴ 学校体験. 作成した「頻出150語」は,表5の通りである。. 作成した 「頻出150語」は,表4の結果となった。. 分析にあたっては,学校体験と同様に類似した語. 分析にあたり,いくつかの類似した語をまとめて. をまとめている。. いる。例えば, 「児童」, 「生徒」, 「子」, 「子ども」. 最も出現回数が多い語は,学校体験と同じく「子. を「子ども」に, 「教師」, 「教員」, 「先生」を「先. ども」であった。以下に続く語も重なっているも. 生」にしている。また,「言う」,「思う」などど. のが多く, 「先生」, 「考える」, 「感じる」, 「自分」. の文章にも含まれるものや,いくつかの固有名詞. となっている。. 等は,分析の対象としないように指定した。. これらの語を共起ネットワークで表したものが. 最も出現回数が多い語は「子ども」であった。. 図2である。ここでも学校体験と同様に,頻出. それに次いで,「先生」,「考える」,「自分」, 「感. 150語から出現回数20以上の言葉(抽出された語. じる」などが続いていく。. は35語),描線60でサブグラフ検出を行うように. 次に,これらの語を共起ネットワークで表した. 指定した。. ものが図1である。頻出150語から出現回数20以. この結果,最も大きいサブグラフは,緑色で表. 上の言葉(抽出された語句は32語)を,描線60本. され,出現回数の多い語で構成されている。 「子. (出されたものは63本)でサブグラフ検出を行う. ども」, 「先生」, 「考える」, 「感じる」, 「自分」, 「授. ように指定した。これによって,出現回数の多い. 業」,「指導」,「見る」,「行う」である。. 語の結びつきが分かる。. 他のサブグラフのつながりを見ていく。. 最も大きなサブグラフは,緑色で表され,出現. 「話」と「聞く」. 回数の高いもので構成されている。「子ども」, 「先. 「出来る」と「終わる」. 生」 「自分」のほか, , 「考える」, 「感じる」, 「見る」,. 「説明」と「理解」. 「授業」 , 「大切」,「学ぶ」である。. 「給食」と「時間」. それ以外のサブグラフでつながりを捉えやすい. 「運動会」と「準備」,「仕事」. ものを見ていく。. 「良い」と「仕方」. 「良い」と「褒める」. 「指示」と「行動」,「前」. 「行動」と「声」. 「テスト」と「問題」,「体力」. 「言葉」と「説明」. 「学級」と「全体」. 「指導」と「難しい」,「行う」. である。. 「必要」と「多い」,「少し」. サブグラフと独立した語のつながりでは,. 「運動会」と「練習」. 「見る」と「良い」. 「教える」と「理解」. 「考える」と「大切」,「必要」. がある。. などが,つなげられていた。. また,これらのサブグラフ同士や独立した語と サブグラフのつながりもいくつか見られる。 「良い」と「行動」 「難しい」と「必要」 「様子」と「見る」 等はサブグラフを越えてつながっている。. 324.
(10) 学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討. 表4 頻出150語(学校体験) 抽出語 子ども 先生 考える 自分 感じる 授業 見る 時間 大切 学級 指導 学ぶ 注意 教える 行動 理解 聞く 褒める 運動会 多い 良い 難しい 学年 説明 気づく 行う 必要 言葉 声 学習 気持ち 全員 練習 意識 問題 工夫 周り 少し 全体 様子 違う 持つ 力 話 書く 意見 指示 重要 対応 大事. 出現回数 559 218 128 123 115 101 67 53 53 52 50 48 46 41 40 36 33 32 31 29 29 28 26 26 25 25 25 24 24 22 22 22 22 21 21 20 20 20 20 20 19 19 19 19 18 17 17 17 17 17. 抽出語 話す ルール 見える 使う 次 積極 発言 活動 教室 作る 伝える 遊ぶ 安全 出る 場面 成長 知る 一人ひとり 楽しい 考え 仕方 終わる 他 大変 テスト 興味 驚く 算数 受ける 集中 前 普段 目標 やり方 環境 機会 強い 見つける 仕事 実際 初めて 生活 大きい 男 特に 分かる たくさん グループ 悪い 間違う. 出現回数 17 16 16 16 16 16 16 15 15 15 15 15 14 14 14 14 14 13 13 13 13 13 13 13 12 12 12 12 12 12 12 12 12 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 10 10 10 10. 抽出語 関わる 関係 危険 嬉しい 協力 困る 最後 最初 姿 次回 自ら 叱る 質問 出す 素直 大人 同士 読む 友達 与える やる気 意欲 一つ 確認 技 行く 自主 実感 取り組む 小学生 少ない 常に 状況 心 接す 怒る 発表 目 一緒 掛ける 実験 準備 場合 進める 体力 挑戦 努力 答え 得る 反省. 出現回数 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 9 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8 8. 325.
(11) 星 裕・福岡真理子・森 健一郎. 図1 共起ネットワーク(学校体験). 326.
(12) 学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討. 表5 頻出150語(教育フィールド研究Ⅱ) 抽出語 子ども 先生 考える 感じる 自分 授業 指導 見る 時間 行う 学年 活動 大切 必要 多い 聞く 学級 教える 注意 行動 理解 声 良い 学ぶ 方法 難しい 作業 関わる 意識 学習 対応 重要 場合 様子 持つ 問題 少し テスト 運動会 今後 仕事 分かる 自身 話 観察 説明 普段 部分 意見 給食. 出現回数 640 291 229 198 182 180 132 104 98 82 72 72 69 66 64 64 60 58 57 52 48 47 43 41 40 39 37 34 32 32 32 31 31 31 30 30 29 28 28 28 28 28 27 27 26 26 26 26 25 25. 抽出語 言葉 全体 入る 工夫 仕方 使う 出る 出来る 伝える 力 行く 最初 実際 前 特に 目 様々 違う 次回 集中 書く 積極 多く 遊ぶ 研究 指示 終わる 準備 体力 答え 場面 生活 勉強 遠足 最後 他 知る 発言 たくさん 意味 一人ひとり 気づく 教室 初めて 同士 機会 協力 考え 全員 測定. 出現回数 25 25 25 24 24 24 24 24 24 24 23 23 23 23 23 23 23 22 22 22 22 22 22 22 21 21 21 21 21 21 20 20 20 19 19 19 19 19 18 18 18 18 18 18 18 17 17 17 17 17. 抽出語 内容 話す 記録 興味 高学年 質問 身 読む 違い 確認 掛ける 出す 昼休み 立場 関係 作る 周り 進める 展開 放課後 練習 一緒 課題 解決 机 求める 見つける 支援 実感 取り組む 手 場 大きい 担当 反省 付ける 補助 エピソード コミュニケーション 去年 向ける 事前 実習 大事 大変 配属 変わる 目標 理由 スムーズ. 出現回数 17 17 16 16 16 16 16 16 15 15 15 15 15 15 14 14 14 14 14 14 14 13 13 13 13 13 13 13 13 13 13 13 13 13 13 13 13 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 12 11. 327.
(13) 星 裕・福岡真理子・森 健一郎. 図2 共起ネットワーク(教育フィールド研究Ⅱ). 328.
(14) 学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討. ⑶ 考 察. まず,共通点は,出現回数の多い語は共通して. まず, 1年次の学校体験の結果からは, 「子ども」. いるものが多いということである。多少の前後は. を中心にとらえていることがわかる。対象として. あるものの視点となっているものは共通してい. は, 「先生」や「自分」が挙げられる。それらの. る。「子ども」を中心としながら,「先生」や「自. 様子を, 「考える」 ,「感じる」,「見る」,「学ぶ」. 分」の行動を通して, 「考える」, 「感じる」, 「見る」. といった視点でとらえている。また,他のつなが. ということを行っている。. りを見ていくと学生が意識していることが見えて. また,「指導」,「説明」,「見る」など,子ども. くる。. と関わる語が多くなっている。視点として子ども. 「良い」と「褒める」,「行動」と「声」のつな. とどのように関わるかを重視している。. がりからは,良い行動を褒めたり,声を掛けたり. 相違点としては,関わり方や視点が具体的に. しようと意識していることがわかる。 「指導」と「行. なっていることが挙げられる。1年次の, 「指導」,. う」 「難しい」のサブグラフと「多い」と「少し」, ,. 「難しい」のつながりが,2年次には「指示」, 「前」,. 「必要」のサブグラフのつながりは,指導を必要. 「行動」となっている。漠然と難しく感じていた. と感じているものの,どのように行うか難しく感. ものが,どのように指示するとよいのか明確に. じていることがわかる。. なっている。. それ以外にも,「見る」とのつながりがある。. 「授業」も「見る」だけだったものが, 「指導」,. 見るとつながっているものに, 「子ども」, 「先生」,. 「授業」,「見る」となっている。授業についても. 「授業」 , 「良い」,「様子」などがある。授業中の. 指導を見ると少し具体的になってきている。. 子どもや先生の様子のほか,良い行動や様子など. 運動会の捉えについても,変化がみられる。1. 広く見ようとしている。. 年次には「練習」とのつながりであったものが,. 次に,2年次の教育フィールド研究Ⅱの結果を. 「準備」,「仕事」となっている。事前の準備も仕. 見ていく。出現回数上位に位置するものは,多少. 事としてとらえている。教員の仕事を広くとらえ. の順位の入れ替えはあるものの1年次の学校体験. ることが出来るようになっている。. と共通している部分が多い。. まとめると,同じ活動を行っていることもあり,. 「子ども」の出現回数が多く,「子ども」を中. 視点となっている内容は共通しているものが多. 心にとらえている。その他の対象としては, 「先生」. い。しかし,2年次になり,その視点はより具体. や「自分」であり, 「考える」, 「感じる」, 「見る」. 的,そして広い視野でとらえられるようになった. といった視点でとらえている。. と考えらえる。. 他の部分を見てみる。「見る」と「良い」, 「仕方」 のつながりから,良い仕方を見る, 「指示」と「前」, 「行動」のつながりから,前に指示する,行動を. Ⅳ 考察とまとめ. 指示するととらえることが出来る。見る視点や指. 本校における学校体験・教育フィールド研究Ⅱ. 示する視点が明確になってきている。. と基礎実習との役割分担は何か。. 「話」と「聞く」からは,話を聞くことを意識. まず,チェックリストの結果より,2の視点「児. していることがわかる。. 童・生徒の理解」に意識が集中していることがあ. 「運動会」のつながりが「準備」, 「仕事」になっ. る。子どもとのかかわり方が主な関心事項である. ている。運動会に向けての準備も仕事としてとら. という点がはっきりとした。基礎実習では, 「学. えている。. 習指導」という点を目的に掲げており,チェック. 1年次の学校体験と2年次の教育フィールド研. リストでいう1の視点が主目的となる。学校体験. 究の比較から考察していく。. や教育フィールド研究Ⅱでも授業観察は行う。し. 329.
(15) 星 裕・福岡真理子・森 健一郎. かし,授業を通して,子どもとのかかわり方を学. 今後は,2年時の基礎実習や3年次の主免実習. ぶということが中心となる。2年次において基礎. の事後指導として,どのようなものが効果的であ. 実習として「学習指導」に特化した授業観察を行. るのかという事について検討していきたい。. うことは,役割分担の明確化という点で大きな意 味があると考えられる。. 注. 学校体験や教育フィールド研究Ⅱの後に,基礎 実習という順序も大きな意味があるものと考えら れる。 古川・相良ら・谷田の3つの研究から,「子ど もとのかかわり方」,「授業の作り方」,「指導教員 とのかかわり方」を教育実習の事前に学ぶことに 重要性を挙げておいた。 このうち,学校体験と教育フィールド研究Ⅱで. 1)中央教育審議会答申(2015) ,これからの学校教育を 担う教員の資質能力の向上について~学び合い,高め 合う教員養成コミュニティの構築に向けて~,P16 2)中央教育審議会答申(2015) ,これからの学校教育を 担う教員の資質能力の向上について~学び合い,高め 合う教員養成コミュニティの構築に向けて~,P17 3)中央教育審議会答申(2015) ,これからの学校教育を 担う教員の資質能力の向上について~学び合い,高め 合う教員養成コミュニティの構築に向けて~,P33. は,主として「子どもとのかかわり方」を学んで. 4)中央教育審議会(2006) ,今後の教員養成・免許制度. いる。共起ネットワークの結果からは,そのかか. の在り方について,1.教職課程の質的水準の向上,. わり方が,学年が上がるにつれて教師としての関. ⑷「教職指導」の充実-教職課程全体を通じたきめ細. わる意識が育ち,具体的な指示に意識がいくよう になっており,確かな成長が感じられる。 「指導教員とのかかわり方」についても学んで いる。チェックリストの結果では,1年次の学校 体験と2年次の教育フィールド研究Ⅱの結果の変 化から,3の視点「社会性・対人関係」に関わる. かい指導・助言・援助- 5) 北 海 道 教 育 大 学 教 職 実 践 演 習 全 学 運 営 委 員 会 (2016) , 学び続ける教師を目指して ステップアップ・ チェックリスト ハンドブック,北海道教育大学 6)樋口耕一(2004) ,テキスト型データの計量的分析- 2つのアプローチの峻別と統合-,理論と方法,19⑴, 数理社会学会. 割合が増え, 文言としても「準備」や「補助」, 「環. 参考文献. 境整備」 などの言葉が見られるようになっていた。 共起ネットワークの結果でも同様に, 「運動会」. 古川碧(2006),教育実習にみる教師教育効果に関する一. とのつながりが「練習」であったものが, 「準備」,. 考察,稚内北星学園大学紀要,6,稚内北星学園大学. 「仕事」 と教師の仕事自体についての理解が深まっ. 谷田信一(2015) ,教育実習の両義性とその事前・事中指. ている。. 導,大阪産業大学論集.人文・社会科学編,25,大阪 産業大学. 「授業の作り方」についても意識が高まってい. 相良麻里・相良陽一郎(2015) ,教育実習に関する効果的. る。チェックリストの結果からは1の視点「授業. な事前・事後教育の検討-実習中に求められるソー. づくり」に関わる割合が増え,少し具体的な方法. シャル・スキルについて⑵-,千葉商大紀要,52⑵,. 等も意識するようになっている。 1年次の学校体験から,2年次の教育フィール ド研究Ⅱまでが,事前指導として重要視されてい る3つの視点の成長に大きな役割を果たしている といえる。 本校における学校体験,教育フィールド研究Ⅱ. 千葉商科大学 玉井康之・倉賀野志郎(2010) , 「理論と実践の往還」を 目指す「教育フィールド研究」の体系化と「教職実践 演習」への連動性の課題,日本教育大学協会研究年報, 28,日本教育大学協会第二常置委員会 栢野彰秀,玉井康之,赤田裕喜彦,西出勉,近江道郎, 倉賀野志郎,山瀬一史,村上知子,小林宏明(2011a), 釧路校学部学生から見た「教職チェックリスト」の特. は, 基礎実習との役割分担という視点から考えて,. 徴:クラスター分析による 「学習指導力」 の学年別認識,. その内容,実施時期で非常に有効なものであると. 北海道教育大学紀要(教育科学編) ,61⑵,北海道教育. いうことが示された。. 330. 大学.
(16) 学校体験と教育フィールド研究の役割に関する検討. 栢野彰秀,玉井康之,赤田裕喜彦,西出勉,近江道郎, 倉賀野志郎,山瀬一史,村上知子,小林宏明(2011b) , 「学習指導力」に関する学生意識の質的検討:釧路校 「教 育フィールド研究」の実践を通じた学生の認識の発展, 北海道教育大学紀要(教育科学編),61⑵,北海道教育 大学 栢野彰秀,玉井康之,赤田裕喜彦,西出勉,近江道郎, 倉賀野志郎,山瀬一史,村上知子,小林宏明(2011c) , 学生の生徒指導認識の拡大と生徒指導力の向上:直接 指導から日常的な接触活動への概念の拡大に関する質 的・量的併合分析,北海道教育大学紀要(教育科学編) , 62⑴,北海道教育大学 栢野彰秀,玉井康之,近江道郎,西出勉,倉賀野志郎, 山瀬一史,村上知子,赤田裕喜彦,小林宏明,八木修 一(2011d) ,学生の教育相談認識の拡大と教育相談力 の向上:特別な児童から全ての児童へと概念の拡大に 関する質的・量的併合分析,釧路論集,43,北海道教 育大学 栢野彰秀,玉井康之,近江道郎,西出勉,倉賀野志郎, 山瀬一史,村上知子,八木修一,赤田裕喜彦,小林宏 明(2012),教育フィールド研究を経た学生の共同体験 と協働性認識の発展,北海道教育大学大学院高度教職 実践専攻研究紀要:教職大学院研究紀要,2,北海道 教育大学 森健一郎,八木修一,津田順二,安川禎亮,西村聡(2015) , 釧路キャンパス「教育フィールド研究」による教育効 果の検討-テキストマイニングの手法を用いた振り返 り活動の分析-,北海道教育大学紀要(教育科学編), 66⑴,北海道教育大学. (星 裕 学校臨床准教授) (福岡真理子 学校臨床教授) (森 健一郎 釧路校准教授) . 331.
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