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不飽和盛土内の宙水発生メカニズムに関する研究 京都大学大学院

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅲ‑099. 不飽和盛土内の宙水発生メカニズムに関する研究 京都大学大学院. 1.. 学生会員. ○南野. 佑貴. 正会員. 肥後. 陽介. (株)日建設計シビル. 正会員. 加藤. 亮輔. 神戸大学大学院. 正会員. 片岡. 沙都紀. (株)ダイヤコンサルタント. 正会員. 甲斐. 誠士. はじめに. また,別途実施した SPT で採取した試料や粒度分布試. 不飽和土構造物である道路盛土の変状・崩壊事例の. 験結果を見ると,深度方向に材料そのものはかなり均. 原因として,盛土内の地下水位の上昇に伴う強度低下. 質であった.したがって,このような締固めの程度の. の影響が挙げられている.そのため,対策は主に排水. 不均質性が宙水の発生に寄与したと言える.. と防水に重点が置かれてきた.しかし,一部の盛土で. 換算N値,N値,Nd30'. は排水対策後も繰り返し被害が発生している.このよ. 0. 乾燥密度ρd , 湿潤密度ρt (g/cm3). 10 20 30 40 50 60 70 1.40. 1.60. 1.80. 2.00. 2.20. 飽和度Sr (%). 0. 40. 80. 120. 0 換算N値(鈴木・時松ら). うな被害を繰り返す原因として,宙水の存在が問題視. 1. 換算N値(室町・小林) N値. されている.本研究では,宙水の発生メカニズムを明. 2. Nd30'. らかにすることを目的に,宙水の存在が懸念される道 3 地表面からの深さ GL - (m). 路盛土において RI コーンによる現地調査を実施する と共に,調査結果を踏まえ,盛土内の不均質性を考慮 した不飽和浸透解析を行い,宙水発生の再現を試みた. 2.. RI コーンによる現地調査. 4. 5. 6. 本研究では兵庫県朝来市山東町芝地区の国道 483 号. 7. 線の道路盛土を研究対象とした.当該盛土は開通以降. 8. 表層崩壊を繰り返しており,既往の盛土内水位観測で. 9. は排水対策後に水位変化の見られた箇所と変化の見ら. 10. 図 2.RI コーン調査結果. れなかった箇所が存在することから宙水の存在が懸念 されている(図 1) . Br-1. 3. Br-2. 不飽和浸透解析手法には LIQCA-SF20131)を用いた.. 調査位置 対策前の盛土内水位. 不飽和浸透解析. 対象盛土の解析メッシュを図 3 に示す.底面および側. 排水工. 面を固定境界とし,排水境界条件は底部を非排水,側 面を水位に応じた水圧境界とする.地下水位は北側地. 対策後の盛土内水位. 図 1.対象盛土内水位観測(排水対策前後). 表面を基準に設定した.対象盛土の地盤パラメータは. RI コーンは放射線の特性を利用した測定機器であり,. 淀川堤防砂のものを基に決定し. 2). ,本盛土材料を用い. 湿潤密度や含水量,先端抵抗等の物性分布を連続的に. た既存の実験で得られている水分特性曲線 (α=6.4,. 得るとこができる.図 2 に調査で得られた対象盛土内. n=3.15)や透水係数の浸透解析用パラメータを用いた.. の密度と飽和度の深度分布を示す.密度分布を見ると,. 降雨条件として,本盛土がある和田山における 2015 年. 深度 4.5m 付近において局所的に密度が高くなってお. 6 月 17 日から 29 日(RI コーン調査日)の時間降水量を. り,その上部において飽和度が 100%を示す領域が存在. 与え,初期飽和度は 73%とした.. しているため,宙水が存在している可能性が高いと考. RI コーン調査で得られた結果を基に,密度分布によ. えられる.宙水形成の原因としては,部分的によく締. って生じる透水係数分布を推定することで透水性の不. 固められることで密度の高い低透水層が形成され,浸. 均質性を解析に考慮した.ここでは,透水係数と間隙. 透水の下層への浸透が阻害されたことが考えられる.. 比関数の比例を実験的に示した Kozenny 式を用いた 3).. キーワード:宙水,RI コーン調査,不飽和浸透解析. 〒615-8540 京都市西京区京都大学桂 C クラスター. ‑197‑.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅲ‑099. 程度で解析より低い飽和度を示しているが,湿潤過程. 関数の比例関係を求め,土粒子密度を 2.65 (g/cm3)と仮. の封入飽和状態であることを考慮するとほぼ飽和して. 定して算出した間隙比分布を比例関係に適用すること. いる状態であると言える.したがって,調査結果の宙. で図 4 に示す深度方向の透水係数分布を推定した.推. 水は深度 3.0m から 4.15m 程度にあり,解析結果と調査. 定した透水係数分布を適用し,不飽和浸透解析を行っ. 結果の宙水存在領域は概ね一致し,宙水の再現ができ. た.. ていると考えられる.以上から,盛土内の密度深度分 初期水位. 非排水. 非排水. 非排水 図 3.解析モデル. Dc (%) 湿潤密度(g/cm ). 透水係数(m/s). 布の把握は宙水の発生箇所の検討において有効な手段 初期水位 の一つと言える. 4.. まとめ. 宙水の存在が懸念される盛土を対象に RI コーン調 非排水 査を実施した.調査の結果,対象盛土内に地下水面と. 表 1.透水試験結果 3. 12.74m 16.93m. 初期水位. 地下水位. 12.74m 16.93m. 12.74m 16.93m. 15m 14.21m. 表 1 に示す既存の透水試験結果から透水係数と間隙比. は連続しない宙水の存在が確認できた.高密度な領域 3. 間隙比 e e /(1+e). 85. 1.731. 1.35×10-5. 0.782. 0.268. 90. 1.866. 1.99×10-7. 0.655. 0.170. の上部に宙水が存在しており,盛土材料が均質であっ た事から,盛土の締固めの程度の違いによって生じる 局所的な低透水層が浸透水の下層への浸透を阻害する. 不飽和浸透解析結果の飽和度分布を図 5 に示す.図. ことが宙水発生の原因となることが明らかとなった.. 5 では,盛土内に局所的な飽和領域が現れており,宙. さらに,密度分布に対応した透水性の不均質性を考. 水が発生していることがわかる.また,図 6 に解析モ. 慮した不飽和浸透解析を行い,宙水発生の再現を試み. デルにおいて RI コーン調査区間に該当する飽和度深. た.その結果,盛土内部に局所的な飽和領域が発生し,. 度分布を抽出し,調査結果と比較したものを示す.解. 解析結果の宙水存在箇所と調査で明らかとなった宙水. 析結果を見ると,深度 3.8m から 4.28m にかけて飽和度. 存在箇所は概ね一致した.盛土内部の透水係数の揺ら. が 100%の値を示しており,その下層には飽和度が極小. ぎ幅は 2 オーダー程で,これは今回の盛土材料では締. 値を示す低透水層が存在している.これは密度分布に. 固め度で 80%から 100%程度の差によって生まれてお. 対応した透水係数の不均質性を考慮したことで,盛土. り,密度管理の重要性が示唆される.. 内に局所的に存在する低透水層で浸透水が浸透阻害を. 参考文献. 受けることで滞水したためである.点線で囲った箇所. 1) 一 般 社 団 法 人 LIQCA 液 状 化 地 盤 研 究 所 :. やその上部は解析結果の飽和度がやや低いが,解析の. LIQCA(2013)マニュアル,2013.,2) Lee Chung-Won, 京. 初期飽和度がやや低かった可能性があり,事前の降雨. 都大学博士申請論文,工学研究科,2012.,3) (社) 地盤. などを適切に考慮すれば,飽和度は上昇すると考えら. 工学会:土質試験-基本と手引き-(第二回改訂版),p99,. れる.一方,調査結果では 4.0m 付近で飽和度が 96%. 2010.. 透水係数×10-6(m/s) 0.01. 0.1. 1. 10. 飽和度Sr (%) 0. 100. 40. 飽和度Sr (%) 80. 120. 0. 40. 80. 0. 0. 1 1. 2. (a)初期状態. 地表面からの深さGL-(m). 地表面からの深さGL-(m). 2. 3. 4. (b)24 時間後. 5. 3. 4. 5. 6. 7 6. 8. 9. 7. 0.73 8. 図 4.透水係数分布. 0.86. 1.00. (c)312 時間後 図 5.飽和度分布(盛土部拡大) ‑198‑. 解析結果. 調査結果. 10. 図 6.飽和度深度分布の比較. 120.

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