レポート
資源メジャーの最新生産動向(2015 年7∼9月)
インドネシア共和国の投資環境調査 2014 年
ヌナブト準州の投資環境調査 2015 年
需給動向
ベースメタル国際需給動向
金属資源
レポート
2016.1 Vol. 45 No. 5
ISSN 2432-3128CONTENTS
目 次
『金属資源レポート』につきましては、読者の皆様の利便性向上のため、2015 年5
月号より従来の PDF 形式に加え電子ブック形式でも公開しておりますが、電子ブッ
クへのアクセス数も着実に増加しておりますことから、2016 年5月号より印刷物の
発行を停止することと致しました。
同レポートの記事は弊機構のホームページ(「金属資源情報」サイト:http://mric.
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すよう、よろしくお願い申し上げます。
−金属資源レポートの印刷物発行停止について−
金属資源 レポート
2016.1 Vol.45 No.5
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資源メジャーの最新生産動向(2015 年7∼9月) インドネシア共和国の投資環境調査 2014 年 ヌナブト準州の投資環境調査 2015 年レポート
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調査部金属資源調査課
ジャカルタ事務所
バンクーバー事務所
需給動向
ベースメタル国際需給動向119
調査部金属資源調査課
おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての 見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行っておりますが、 本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。 本レポートに関するお問い合せは、下記メールアドレスまでお願い致します。 調査部金属資源調査課:[email protected]
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 1価格の役割
今から四半世紀ほど前の1990年代初頭、ゴルバチョフ大統領のもと「ペレストロイカ」「グラスノスチ」を断行した ソ連が崩壊した。この時、軍需が激減したこの国から余ったアルミニウムが大量に西側諸国へ流れ込んだことを知る 向きは今ではあまり多くないかもしれない。結果としてアルミニウム価格は1993年11月、「1,040.5 US$/t(LME3ヶ 月物)」まで下落、とうとう史上最安値を記録することになる。当時、国内のアルミ輸入価格は円高もありキロ当た り単価が「百数十円」となったのだが、重さでいうと当時ペットボトルで売り出されはじめていた「ミネラル・ ウォーター」、いわゆる「水」より安価な金属になってしまったのだからこれは衝撃的な出来事であった。 当然ながら生産コストを下回る市場価格に、大手を初め世界の製錬企業は悲鳴をあげた。そんなある日のこと、 ついに大手生産者(欧州連合、中東、米国、豪州、ロシア等)らの呼びかけによるアルミ産業史上最大の「協調減 産」が実施されるに至ったのは1994年1月のことであった。 当時、世界のアルミニウム地金生産量は今日の半分以下の約2,000万 t 強。これに対し年間100万 t 強の規模で段階 的に行われた協調減産は需給に十分なインパクトを与え、シナリオ通りに価格は上昇し1995年1月には2,000US$/t 台 まで回復することになる(その後、米国により独禁法提訴され公式には協調関係はなくなっている)。 さて、資源ブームが去り、どこを見ても反転する兆しのない相場が続く中、この業界では引き続き一部の鉱物で は増産をすすめる資源メジャーがいる。その一部の鉱物とは彼ら自身がそれぞれコストアドバンテージを持つセグメ ントである「鉄鉱石」や「銅」「ボーキサイト(アルミ)」といったもの。この機に寡占化を進め、短期的には痛むが中 長期的に優位性を高めるため一気に勝負に出るという算段のようだ。 「寡占化」は明らかに資源メジャーの戦略の一部になった今、非資源国ながら高い技術と経験を武器に、多種な金 属における製鋼・精錬大国とも言える我が国としては、価格が安くなっているからといってこれらの動きは看過でき ない。価格が価格の役割を失ってしまっている今こそ、寡占化の先に起こる事態を見据え、資源確保についてもう一 度考え直すべき時期ではないだろうか。 話は戻るが、アルミニウムは先の資源ブームの時、銅やニッケルの価格がまるで「イカロス」のようにどんどん舞 い上がるのを横目に少し距離をおいていた(おかざるを得なかった)。そして今得ているのは、「安定した価格」とい う優等生のレッテルだ。かつて「LME で価格が上下する以上、我々自動車業界が鉄の代わりにアルミを大量に使う ことなどないだろう」と言っていた米国のビッグスリーでさえ、環境問題に起因した軽量化を迫られ、こぞってアル ミニウムに群がり始めた。これはこれで価格が価格の役割を担った一例でもある。調査部金属資源調査課
資源メジャーの最新生産動向(2015年7∼9月)
資源メジャー株価とダウ・ジョーンズ工業株価指数の推移(JOGMEC 作成) (548)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 2 価格の下落に歯止めがかからない中、各社は「聖域」としていた配当の停止や資産の売却、人員削減などを次々に 表明し始めている。特に厳しい局面にさらされているのが Glencore、そしてそれを追うように Anglo American が芳 しくない。 資源メジャーの中では最も早く「低価格時代」に備え、打ち手(South32へのノンコア切り出し等)を断行した BHP Billiton は、その当初こそ他メジャーと株価の動向に違いが見られたが、コア事業として残したコモディティー (銅、鉄鉱石、原料炭)の価格でさえ予想していた以上に下降線を辿り続けていた最中、ブラジルの Samarco 鉄鉱石 鉱山にて大規模なダム決壊事故を起こしてしまったことは、パートナーである Vale とともに、この局面では相当な 痛手となった。そのような中、Rio Tinto だけが豪州のボーキサイト権益の拡張事業(QLD 州北部)で19億 US$ の大型の追加出資 を承認している(その後、モンゴルの Oyu Tolgoi 向けに44億 US$ の資金確保も発表)。その背後には中国がいるよう だ。アルミ製錬で世界中のボーキサイト(およびアルミナ)を爆食している中国はアルミニウムの生産量世界第一 位、全世界の半分以上に相当する。自国消費分を大きく超える過剰な生産キャパをもっており、いつ西側諸国に流入 しはじめるのかと懸念されている。 その中国がインドネシアによる鉱石輸出禁止政策でマレーシアに依存先を変えていたが、そのマレーシアも埋蔵 量の少なさに加え、採掘時にでる赤土による粉塵公害の問題もあり、あと数年ももたない。Rio Tinto は地理的にも 近い中国のアルミ生産を「今後もしっかり支えましょう」ということのようだ。 銅や鉄の需要がさえない理由のひとつに価格が低位安定しているアルミニウムへの素材代替がある。もう協調減 産は出来ないのだが。 以下、2015年第3四半期のメジャーの生産動向である。 (549)
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 3 要旨 ߥ すべての事業で目標通りの生産量を維持してい る。 ߥ 2016年度の石油関連の設備投資予算額は2.9BUS$ で、 前 年 度 の 目 標 額3.1BUS$ か ら6% 減 と なっ た。 ߥ 現在開発中の主要な事業4件は計画通り進行して いる。 ߥ WA 州の Beagle 準堆積盆地とメキシコ湾西部に 石油関連の新たな鉱区を取得し、引き続き良質な 鉱区の獲得を進めている。 ߥ Cerro Colorado の操業許可延長が2023年まで承 認された。 ߥ 10月に BHP Billiton はユーロ、英ポンド、米ドル の各市場で複数通貨建てハイブリッド債を発行し た。1. BHP Billiton/
2015年 Q3(7月∼9月)生産レポート
1出所 : BHP Billiton Operational Review For The Year Ended 30 September, 2015 (2015/10/21発表) JOGMEC からのコメント メジャーの中ではどこよりも早く低価格時代に備 えて手を打った(South32の分離)ことから、いち早 く回復基調に乗るかと思われた同社だったが、予想以 上に急激に進んだ価格低迷に追い討ちをかけるよう に、この発表後に発生した Samarco 鉄鉱石鉱山事故 (ブラジル鉱山史上最悪といわれている)がおこって しまったことで帳消し以上のネガティブインパクトを 今現在は残している。ただ、今のところ配当に関する ポリシー(最低でも前年と同水準を維持するという政 策を10年続けている)を変えてはいないが、来年2月 あらためて発表するとしている内容については悲観的 な見方が多いようだ。尚、South32のスピンオフを 行ったことにより、他メジャーのような資産の切り売 りは今のところ見られない。 1 BHP Billiton の会計年度は7月−翌6月なので、1-3月は Q3となるが、本レポート中では1-12月の会計年度を採用す る他社と同じく、1-3月を Q1と表記する。またコメントでは会計年度の数値を用いているものもあるため表の数値 とは必ずしも一致しないこともある。 (550)
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 4 銅事業(鉛・亜鉛・ウラン含む) 銅 鉛・亜鉛 ウラン その他・ BHP Billiton の Andrew Mackenzie(CEO)は以 下のように述べている。 「BHP Billiton は今四半期も安定した経営実績を 上げ、年間の産出量およびコストの目標値の達 成に向かって引き続き順調に進んでいる。 石油 に関して言えば、当社は米国の陸上と在来型の 両方のコスト削減に今後も注力を続け、設備投 資額200MUS$ 減による生産目標値の達成を目指 す。当社はまた WA 州とメキシコ湾西部におけ る鉱区の取得に成功しており、今後も株主価値 の創出に向けたサイクルで投資を継続する。」 ・ 2015年9月期末四半期終了時、石油、銅、炭酸カ リウムの各鉱山の主要プロジェクト4件の開発を 進めており、それらを合計した予算は7.0 B US$ となった。 ・ BHP Billiton は10月14日と15日に、ユーロ、英ポ ンド、米ドルの各市場で複数通貨建てハイブリッ ド債を発行した。また BHP Billiton グループは固 定金利付き劣後債(ユーロ市場にて発行総額2.0 B€ 分、英ポンド市場で発行総額600 M £分、米 ドル市場で発行総額3.25BUS$ 分も発行した。こ の収益は既存の短期借入金の借り換えをはじめ、 会社全体の一般的な用途に使用される。 (551)
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 5 鉄鉱石 2015年9月期末四半期の鉄鉱石の総生産量は7% 増 となり、過去最高の61Mt に達した。2016年度の目標 生産量は変わらず、247Mt となっている。Western Australia Iron Ore (WAIO)の2015年9 月末四半期の生産量は、Jimblebar の生産ハブにおけ るランプアップと Newman における鉄鉱石処理プラ ントの稼働率向上により、8% 増加して過去最高の 67Mt(100% 基準)に達した。また WAIO は、販売に おいても出荷量の増加と港湾設備の継続的な最適化の 結果、67Mt(100% 基準)という過去最高記録を達成 した。 2016年 度 の WAIO の 生 産 量 は、 生 産 性 の 向 上 に よって、270Mt(100% 基準)まで増加すると見込ま れている。Jimblebar で一次破砕機1台と新たなコン ベヤ搬送装置の設置作業が始まり、その関連経費が織 り込まれたメンテナンス費用の年平均額は、1t 当た り約5US$ となっている。Jimblebar の生産ハブの生 産可能量の増加と、生産性向上に向けた様々な取り組 みにより、システム全体の生産可能量は最終的に年間 290Mtpa まで増加するだろう。2015年9月期末四半期 の Samarco の生産量は、2015年3月期末四半期中の第 4ペレット工場がフル生産に到達したことによる生産 量増加分に支えられ、9% 増の7.5Mt(100% 基準)に 達した。 2015年9月 期 末 四 半 期 の 銅 の 総 生 産 量 は3% 減 の 377kt となった。銅事業全体の業績は好調だったが、 予測通り、Escondida の銅の品位低下が響いて好調な 業績を打ち消す形となった。2016年度の目標生産量 は引き続き1.5Mt となっている。 Escondida における2015年9月期末四半期の銅の生 産量は、採掘量が史上最大を記録した上、トラック稼 働率が6% 増を達成した。ところがこの成長分が品位 の17% 低下による影響に打ち消す形となったため、 銅 生 産 量 は14% 減 の230kt に 留 まった。Escondida Organic Growth Project 1と経営改善に向けた取り組 み完了による処理量の増加分が、予測される品位の 27% 引き下げのわずか一部しか埋め合わせないと考 えられることから、目標生産量が2016年度も引き続 き 約940kt と なって い る。 中 期 的 に は、Escondida Water Supply 事業の完了と Los Colorados の操業許可 延長により、3つの選鉱場を活用できるようになれ ば、その効果が品位低下を埋め合わせ、生産量を力強 く回復させる助けになる可能性がある。 2015年9月期末四半期の Pampa Norte の銅生産量 は、Spence の銅の品位引き上げと採掘量増加の影響 が、Cerro Colorado 産の銅の品位低下と採掘量減少の 影響を相殺する形となり、以前とほぼ変わらない 57kt となった。2015年9月29日には、Tarapacá 州地 域環境協議会(Regional Environmental Committee of the Tarapacá Region)が Cerro Colorado の操業許可 を2023年 ま で 延 長 す る こ と を 承 認 し た。Pampa Norte における2016年度の銅生産量は前年のほぼ横ば いになると見込まれている。 Olympic Dam の銅生産量は2014年9月期末四半期 比40% 増の55kt に上り、前四半期に製錬所の定期修 繕点検作業が完了したことを反映した結果となった。 2016年には、前年のミル故障を受け、銅生産量が増 加する見込みである。 Antamina 鉱山の銅生産量は、同鉱山の銅品位上昇 と採掘量の増加に加え、ミルにおけるボトルネック解 消に向けた様々な取り組みが追い風となり、2015年9 月期末四半期は37% 増の35kt となった。Antamina 鉱 山の銅の品位上昇により、2016年度には銅の生産量 が増加する見込みである。 (552)
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 6 ニッケル Nickel West の2015年9月 期 末 四 半 期 の 生 産 量 は 2014年9月期末四半期比12%減の22ktとなり、Kambalda 選鉱場での買鉱量減少を反映した数値となった。 資源探査 2015年9月 期 末 四 半 期 の 鉱 物 資 源 探 査 予 算 は 44MUS$ で、 う ち34MUS$ が 支 出 さ れ て い る。 Greenfield の鉱物資源探査は主に、チリ、ペルー、米 国南西部における銅の目標産出量の達成を目指して行 われている。 石炭 原料炭 2015年9月期末四半期の原料炭の生産量は、前四半 期の生産量とほぼ同じであった。2016年度の目標生 産量は引き続き40Mt となっている。Queensland Coal で は、Daunia と South Walker Creek 鉱山が洗炭プラントの稼働率と処理量の増加に 支えられ、史上最大の生産量を記録。しかしこの増加 分が、Broadmeadow および Crinum におけるロング ウォールの移設と Goonyella および Peak Downs 鉱山 における洗炭プラントの閉鎖による影響に打ち消され る形となった。現在の採掘量のまま推移した場合、 2016年第1四半期中に Crinum の採鉱は可採埋蔵量の 限界に伴い閉鎖する見込みとなっている。 今四半期中に、インドネシアの Haju 鉱山による初 の石炭が産出された。 一般炭 2015年9月期末四半期の一般炭の生産は、前四半期 の生産量とほぼ同じだった。2016年度の目標生産量 は引き続き40Mt となっている。 Cerrejón は、引き続き好天による渇水が続く気候 条件による制約がある中でも、今期より厳しい気候条 件の影響を受けていた2014年9月期末四半期より産出 量を7% 増やした。この増加分が、今期の採掘量の減 少による NSW 産の一般炭の産出量のわずかな減少を 埋め合わせる形となった。
2015年7月2日に BHP Billitonは San Juan Mineにつ いてWestmoreland Coal Company (WCC)との間で売 却契約が締結されたことを発表した。当局による許可 次第だが、取引は2015年末には完了する予定で、WCC は2016年初頭から鉱山のフル稼動を想定している。
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 72. Rio Tinto/
2015年 Q3(7月∼9月) 生産レポート
出所 : Rio Tinto, 3rd Quarter 2015 Operations Review (2015/10/16発表)
JOGMEC からのコメント Rio Tinto グループのサム・ウォルシュ最高経営責 任者(CEO)は2015年2月、「鉄鉱石価格が30 US$/t に下落する可能性があるか?」と記者に聞かれた際に あり得ないと冷笑したそうだ。 「それは空想の世界の話だ。簡単には起こり得ない。 とても大胆な予想もできるが、率直に言ってあり得な いだろう。そうでなければ、当社は世界で最も低コス トの生産会社として孤立してしまうだろう」とも語っ ている。十年近く Rio Tinto を率いてきたベテラン経 営者でさえ、こんなにも早いスピードで価格が下落す ることなど想像もできなかったということだろう。 同 社 も2015年 期 末 お よ び2016年 通 期 の 配 当 を 見 送ったほか、一部の権益を売却(NSW 州の Bengalla Coal =後述)しているが、西豪州の銅鉱山や QLD 州 の原料炭権益(Coal & Allied Industries)に加え、 QLD 州のボーキサイト鉱山拡張のため1.9BUS$ の出 資を決めたり、モンゴルの Oyu Tolgoi 銅鉱山 PJ 向け に4.4BUS$ のプロジェクト・ファイナンス契約を締結 するなど前向きな発表を行っている点は現状では他者 と一線を画しているといえる。 ハイライト ߥ Pilbara インフラ拡大における主要工事は完了し、 一貫統合されたシステムから鉄鉱石の生産におけ る最大限の価値を生み出すものとなった。 ߥ 鉄鉱石の生産量は、昨年に比べ世界的に増加し た。これは、経営方針に沿った出荷により生産性 の向上及び事業強化がなされたためである。第3 四半期の鉄鉱石の生産は、前年同期比12% 増、 前期比では8% 増となった。 ߥ ボーキサイトは優れた生産性のもと20Mt 近くの 値となり、Weipa においては現在までに好業績を 記録した。 ߥ 銅は経営に沿った順調な生産を行っている。Oyu Tolgoi は品位が向上し、Bingham Canyon は東壁 の崩落対策(de-weighting)と排水(de-watering) に取り組んでいる。
ߥ 当 社 は2015年9月30日 に お い て、Bengalla thermal coal における JV 事業を606MUS$ で売却 する契約を結んだ。これを以て、更なる事業ポー トフォリオの強化に努めた。
Rio Tinto の Sam Walsh CEO はこのステートメン トにて以下のように述べている。「我々は、効率的な 生産、堅実なコストコントロール及び資本配分を継続 していく。これにより、経済的不況下においても我々 の主要アセットは、持続的なフリーキャッシュフロー を生み出すであろう。Pilbara のインフラ拡大により、 我が Iron Ore Product Group はシステムの始動及び 試験に成功した。これは当期における鉄鉱石出荷量の 増加を反映したものである。我々の事業収益は引き続 き株主への継続的な利益を生み出すものとなり、また 近年の資産売却によってバランスシートの更なる堅実 化が見込まれるであろう。」 ※本レポートにおける通貨はすべて米ドル表記であり、特記が ない限り Rio Tinto の出資比率における生産(Rio Tinto's share of production)について述べたものである。同一条件下におけ る生産数と比較するため、2014年度に行われた資産売却につい ては Rio Tinto の出資比率における生産から除外しているが、 2015年の売却資産については比較対象に含むこととする。
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 8 鉄鉱石 Pilbara 生産 2015年度第3四半期までの総生産量は227.6Mt とな り(出資比率変換では185.1Mt を占める)、前年同期 比11% 増となった。第3四半期の生産は81.3Mt とな り(出資比率変換では66.5Mt)、前年同期比12% 増と なった。各地におけるこうした著しい生産量の増加 は、Nammuldi オペレーションの強化や生産性の向上 を強く反映したものである。加えて、当年前期に比べ 安定的な天候状況が続いたことも生産量向上に大きく 貢献した。 販売 2015年度第3四半期までの売り上げは232.1Mt とな り(出資比率変換では189.0Mt を占める)、前年同期 比11% 増となった。一方、当期の売り上げは85.6Mt となり(出資比率変換では70.7Mt を占める)、前年同 期比16% となった。 当期売上は、鉱山における在庫減少のため生産量 より4.2Mt 増加した。2015年度はこの在庫縮小に力を 入れており、インフラ拡大期間における在庫は2016 年度初期までに大幅整理することが見込まれる。 当期に追加生産された分は Pilbara Blend に繰り入 れることで、需要家に対し長期的に安定且つ品質維持 に役立つだろう。Yandicoogina 及び Robe Valley は引 き続きアジアの製鉄所からの高い需要に対応してい る。 2015年度第3四半期まで(9ヵ月)の総売り上げのう ち、約22% は前四半期の平均価格指数を一ヶ月遅れ で参照し値決めされたことになる。残りは今四半期の 平均、当月平均またはスポット価格に基づきに販売さ れた。 プロジェクト インフラ拡大においての主要工事は第2四半期に完 了し、ブラウンフィールド鉱山の資本強化により一貫 統合されたシステムから最大限の価値を生み出すこと に 焦 点 を 当 て て い る。 主 に West Angelas、 Nammuldi、Brodkman 鉱山で行われた、およそ年産 40Mt 規模の非常に低コストなブラウンフィールド拡 張工事は、平均的な鉱石生産を9 US$/t 前後のコスト で上半期に終了した。Iron Ore Company of Canada (IOC)
2015年度第3四半期までの間、改良された運搬ト ラックの調達及び工場の建設により IOC は操業面に おいて飛躍的にパフォーマンスが向上し、運搬トラッ クとシャベルの生産性は大きく向上した。その結果、 精鉱は21% 増の5.5Mt(持分比率換算では3.2Mt を占 める)、ペレットは14% 増の7.3Mt となった(持分比 率換算では4.3Mt を占める)。 2015年度第3四半期までの売り上げは生産性の増加 を反映し、13.2Mt(持分比率換算では7,7Mt を占め る)となり、24% 向上する結果となった。とりわけ第 3四半期は3.2Mt の売り上げとなり、ペレット出荷量 は2.6Mt と堅実な数字を記録した。 2015年生産見通し 2015年度の豪州とカナダでの出荷量は変わらず約 340Mt(100% ベース)になると予想している。 (555)
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 9 アルミニウム関連 (ボーキサイト、アルミナ、アルミニウム) ボーキサイト ボーキサイトは第3四半期においても好調であり、 Weipa での当期及び第3四半期までの生産量は当社の 業績を引き上げるに至った。 Weipa はプラント原料の増加によって好調であり、 当期では Gove も輸出可能量のランプアップによりほ ぼ8Mt の操業レートを記録している。 第3四半期及び現在までのボーキサイト生産は前年 同期比4% 増となり、外部委託による当社生産は第3 四半期までに約20Mt となった。これは前年同期比 19% の向上である。 ※その後、QLD 州 Amlun PJ 拡張へ19億 US$ の出 資を決定している。 アルミナ 第3四半期までのアルミナの生産は前年同期比5% 増となり、(2014年5月に削減された Gove アルミナ工 場の生産を除く)Queensland のアルミナと Yarwun での生産効率改善を反映する形となった。 アルミニウム 現在まで及び第3四半期における生産は、前年同期 に比べわずかに向上する形となった。当期8つの製錬 所においては、近代化された Kitimat での生産の開始 があったものの、その低い生産性を十分に補って余り あるだけの生産量を記録した。Kitimat は最大予定生 産量420kt(以前の公称生産能力より48% 増となるも の)に向けて生産上昇しており、これは2016年始めに 達成される予定である。 2015年の生産見通し 出資比率における予想生産内訳は、ボーキサイト が43Mt、アルミニウムが3.3Mt と変わらず。アルミ ナは7.8Mt へと見直された(前期は8.0Mt)。 (556)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 10 銅Kennecott Utah Copper
第3四半期までの銅生産は、Bingham Canyon の東 壁の重量負荷低減と排水に焦点を当てているため、前 年同期比に比べ大幅に低い値となった。第2四半期で は28% 増加したが、これは銅鉱石の品位向上による ものである。 銅鉱石の生産低下は在庫により軽減されたものの、 第3四半期までの生産量低下へと繋がったため、前年 同期比50% 減となった。銅製錬所の運転最適化のた め、Kennecott は第3四半期までに288kt の精鉱を外 部より受け入れるなど、引き続き委託加工製錬を継続 してゆく。なお、これらの数量は本レポートの数値に は含んでいない。 Escondida 第3四半期までの生産は、品位の上昇と処理量の増 加により前年同期比10% 増となった。第3四半期の生 産は品位の低下、及び Laguna Seca 選鉱所の定期修繕 のため、前期比25% 減となった。第4四半期は品位の 低下に加え、前期に引き続き水の調達問題による影響 が出る見込みである。 Oyu Tolgoi 第3四半期までの生産は、品位の向上と処理量の増 加により前年同期比48% 増となった。 2015年5月18日に、モンゴル政府、Turquoise Hill ResourcesそしてRio TintoはOyu Tolgoi Underground Mine Development and Financing Planの採用を正式 決定、これに署名した。これは株主に対し、地下鉱山 開発のための説明機会を与えるものとなった。次の段階 としては、F/S 認可及び事業融資の承認と同様に、必 要な許認可の取得も含むものとなる。 ※本稿、冒頭の通り12月中旬に4.4BUS$ のプロジェ クト・ファイナンス契約を締結した。 Grasberg Freeport-McMoRan (FCX)との合併事業契約書上 において、Rio Tinto は1998年以降、Grasberg の施設 の拡大と開発の結果、一定の数値を超えて生産された 鉱石の40% のオフテイク権を有している。Rio Tinto は2015年の生産が Freeport-McMoRan (Freeport)に よってもたらされる数量については期待しておらず、 よってこの合併事業における今年の生産割当てがゼロ になると予想している。Freeport は第3四半期の業績 を2015年10月22日に公表する予定である。 2015年の生産見通し 銅の予想生産内訳は、銅精鉱が約510kt(前期では 500kt から535kt の間としていた)、銅地金が約215kt (前期では190kt から220kt)。 (557)
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 11 石炭 第3四半期までの原料炭の生産は、Kestrel の生産 性の改善により前年同期比10% 増となった。第3四半 期の生産は Kestrel におけるロングウォールの切り替 え作業により、前期比12% 減となった。 第3四半期までの一般炭の生産は、Hunter Valley での長雨の影響により前年同期比6% 減となった。こ れは Hail Creek の生産増加により相殺される形と なった。セミソフト石炭の生産は Hunter Valley Operations の生産過程を反映し、前年同期比15% 増となった。
2015年9月30日、Rio Tinto は Bengalla JV 権益を 606MUS$ で New Hope Corporation Limited に売却す ることで合意したと公表した。売却は2016年の第1四 半期に完了する見込み。 2015年の生産見通し 石炭の予想生産内訳は前期と変わらず、一般炭が 18Mt から19Mt の間、セミソフトが3.0Mt から3.4Mt の間、そして原料炭が7.1Mt から8.1Mt の間。 (558)
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 12 探査・評価 第3四半期までに、税引前及び資産売却前の収支に 加 算 さ れ た 探 査 及 び 評 価 費 用 は、2014年 同 期 の 566MUS$ に比べ392MUS$(内149MUS$ は第3四半期 に支出された)となった。この費用のおよそ37% は銅 と石炭に、6% は鉄鉱石に、21% はダイヤモンドと鉱 産物に、36% は主要探査案件に使用された。 今期中、特に重要な主要探査案件における資産の 売却はなかった。 探査ハイライト Rio Tintoは 、18ヶ国の8製品を含む力強い探査事業 のポートフォリオを有している。我々の今期の探査の主 な焦点は ボツワナ、チリ、カザフスタン、メキシコ、 ナミビア、ペルー、ロシア、アメリカ、そしてザンビア の銅であった。鉱山リースによる探査は、Pilbara Iron、 Rio Tinto Coal Australia、Richards Bay Minerals、 Oyu Tolgoi、Weipa そ し て Kennecottを 含 む Rio Tintoの幾つかの企業によって引き続き行われた。 ダイヤモンド及び工業用鉱物資源 (ボロン、チタン鉱物、工業塩、ウラン等) ダイヤモンド Argyle では、引き続き坑内掘りの生産向上に焦点 を当てている。その結果、前年同期に比べて第3四半 期 に お け る カ ラット 生 産 量 は43% 増、 現 在 ま で に 37% 増となった。 Diavik における第3四半期のカラット数は、前年同 期及び前期に比べ低下している。これは A418及び A154N パイプにおいて生産処理量が低下したこと、 更には品質の低下が原因とされる。 工業用鉱物資源 第3四半期までの硼酸塩(Borate)の生産は、主に 市場における需要の低下により、前年同期比4% 減と なった。Rio Tinto Iron and Titanium (RTIT)
第3四半期までの二酸化チタンスラグの生産は、前 年同期比23% 減となった。RTIT は生産を最適化すべ く、マーケットの需要及びフリーキャッシュフローと 連携した以下の行動計画に取り組む:
• ケベックにある Rio Tinto Fer et Titane(RTFT) において、9つの炉のうち2つについては2015年4 月以来アイドリングしている。
• Richards Bay Minerals にある4つの炉のうち1つ については、市況に伴う製錬所再建に合わせ、 2015年9月中旬よりアイドリングしている。 • ケベックにある Havre Saint Pierre のイルメナイ
ト鉱山は冬季操業停止期間を延長しており、2015 年10月下旬から2016年3月まで続く見込みである。 工業塩 第3四半期までの工業塩生産は、需要の低下により 前年同期に比べ低くなった。 ウラン
Energy Resources of Australia (ERA)は引き続き 既存在庫を処理している。第3四半期における生産 は、工場における品位向上、ならびに回収率や生産処 理量の増加により前期比17% 増となった。 Rössing では、現在までの生産が前年同期比30% 減 となっており、これは主に品位低下と回収率の問題で ある。 2015年の生産見通し 二酸化チタンスラグの予想生産量は2015年7月に公 表した通り、1.0Mt から1.1Mt になる見込みであり、 酸化ホウ素当量は変わらず0.5Mt である。ダイヤモン ドは Argyle において、市況を鑑み第4四半期に最終 生産過程を一時休止する方針となったため、18Mt (前回公表では20Mt)となる見込み。 ウラン生産は変わらずおよそ5 Mlb となる見込みで ある。 (559)
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資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 13 ハイライト2015年10月19日、Vale S.A (Vale) の2015年第3四 半期における鉄鉱石の生産量(Samarco 社及び外部調 達は除く)は88.2Mt に達し、四半期ベースで Vale 史 上過去最多となった。
以 前 よ り 公 表 し て い た 戦 略 の 一 環 と し て、 年 間 13Mt のキャパシティを有する Feijão, Jangada, Pico, Fabrica 及び Brucutu にある選鉱プラントは非効率的 であったため、2015年第3四半期に操業を停止した。 しかしながらこれらは、他のオペレーションでの生産 性の上昇により部分的に補うことができる。当期、外 部調達による鉄鉱石の生産量も同様に減少した。 2015年度第3四半期まで(9ヶ月間)の鉄鉱石生産量 は(Samaro社及び外部調達は除く)、新たに248.0Mtを 記録し、前年同期に比べ11.8Mt増となった。 2015年 度 第3四 半 期 ま で の ペ レット 生 産 量 は、 Samarco 社に帰属する10.7Mt を除き、35.8Mt の過去 最多を記録した。これは、Tubarão 8プラントの始動
及びオマーンと Fabrica、そして Vargem Grande の ペレットプラントが好調だったためである。 2015年 度 第3四 半 期 に お け る ニッケ ル 生 産 量 は 71,600t に達し、第2四半期に比べて6.7% 増となった。 これは、第2四半期での計画保守点検後のインドネシ ア及びニューカレドニアにおける操業が好調だったた めである。 2015年度第3四半期における銅の生産量は99,300t に達したが、Sudbury における定期修理による停止の ため、第2四半期に比べて5.3% 減となった。 2015年 度 第3四 半 期 に お け る 金 の 生 産 量 は 100,000oz に達し、Salobo 鉱山での生産により第3四 半期ベースで過去最多を記録した。 2015年度第3四半期における石炭生産量は2.1Mt に 達し、第2四半期に比べて2.0% 減となった。これは石 炭選鉱プラントの生産性の向上により、Moatize にお いて1.322Mt を記録したためである。
3. Vale/
2015年 Q3(7月∼9月)生産レポート
出所 : Vale, 2015 3Q Production Report (2015/10/22発表)
JOGMEC からのコメント
ほぼ10年ぶりの安値をつけている株価は第3四半期 以降もさえない。主力の鉄鉱石の価格低迷が大きく影 響している中、メジャーの中では比較的資産の売却が こ の 第3四 半 期 以 降 で 進 ん で い る。 豪 州 の 石 炭 (Integra Coal/ Isaac Plains Coal)やブラジルの鉄鉱 石(MBR/ 約1.08BUS$)、同じく国内のボーキサイト 鉱山(MRN/ Norsk Hydro と LOI 締結)など。
尚、 ブ ラ ジ ル 鉱 山 史 上 最 大 の 事 故 と 言 わ れ る Samarco 鉄鉱石鉱山で発生した鉱滓ダム決壊は大き な懸念だ。真っ赤な赤泥は Doce 川を経て500km 離れ た大西洋まで流れ込んでいる。復旧までに多くの生産 を失う上に地元住民への保証金や政府への賠償などは 今後同社(JV パートナーである BHP も同様)経営に 大きな重石となるだろう。 2016年の投資計画についても7.6BUS$ の当初予定 を6.2BUS$ まで引き下げると発表したが、市況低迷が 長引いた場合は更なる圧縮が必要となるのではない か。 (560)
レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 14 鉄鉱石 2015年度第3四半期における鉄鉱石生産量(第三者 から購入した鉄鉱石および Samarco 社に帰属する生 産を除く)は88.2Mt となり、四半期ベースで Vale 史 上過去最多となった。生産量は同年前期比3.4% 増、 前年同期比2.9% 増となった。 以 前 よ り 公 表 し て い た 戦 略 の 一 環 と し て、 年 間 13Mt のキャパシティを有する Feijão, Jangada, Pico, Fabrica 及び Brucutu にある選鉱プラントは非効率的 であったため、2015年第3四半期に操業を停止した。 しかしながらこれらは、他のオペレーションでの生産 性の上昇により部分的に補える。当期、外部調達によ る鉄鉱石も同様に減少した。 北部システム Carajás の生産量33.9Mt は第3四半期ベースで過去 最多で、同年前期比2.3Mt 増、前年同期比1.7Mt 増と なって お り、 主 に N4WS 鉱 山 や N5S 鉱 山 の ラ ン プ アップやプラント2の設備稼働率向上によるものであ る。2015年度第3四半期にはプラント2で7.6Mt を産 出し、同年前期比2.0Mt 増となっている。 南東部システム Itabira、Minas Centrais、Mariana を 包 含 す る Southeastern System で は、2015年 第3四 半 期 に 31.2Mt を産出し、同年前期比2.2Mt 増、前年同期比 2.5Mt 増 と なって い る。Itabira で の 生 産 量 は9.8Mt で、同年前期比3.9% 増、前年同期比2.2% 増となって いる。 こうした生産量の増加は、Conceição Ⅱプラントの ランプアップや、Cauê 鉱山において Cauê Itabiritos プラントとの連携を見据えて前期に操業が再開された ことによるものである。 Minas Centrais での2015年第3四半期の生産量は 11.2Mt で、同年前期比1.2Mt 増、前年同期比2.2Mt 増 となっている。これは2015年第3四半期に1.4Mt 産出 した Brucutu の5番目の選鉱ラインのランプアップに よるものである。2015年第2四半期に行われた定期修 理による操業停止の後、Mariana での生産量は10.3Mt と な り、 同 年 前 期 比6.3% 増、 前 年 同 期 比1.1% 増 と なった。 南部システムParaopeba、Vargem Grande、 お よ び Minas Itabirito から成る Southern System の2015年第3四半 期の生産量は22.0Mt となり、同年前期比5.6% 減、前 年同期比5.1% 減となっている。 Paraopeba での生産量は、2015年7月の Feijão プラ ントおよび Jangada プラントの操業中断により、同年 前期比0.9Mt 減、前年同期比0.8Mt 減となった。両プ ラントでは選鉱コストが高く、鉱石の品質が低い。こ の操業中断は、生産物の高コスト及び品質不良を改善 するという Vale の戦略に則ったものである。
Vargem Grande での生産量は、Vargem Grande Ⅱ プロジェクトと Abóboras II プロジェクトのランプ アップにより、同年前期比3.1% 増、前年同期比11.8% 増となっている。2015年第3四半期における Vargem Grande Ⅱプラントの生産量は1.5Mt となり、公称生 産量は年間10Mt のうち60% を占める。公称生産量が 年間3Mt の乾式処理プラントである Abóboras II は、 2015年第3四半期において0.9Mt を産出した。 Minas Itabirito からの生産量は7.8Mt となり、低品 質の生産物を減らすという方針のもと、同年前期比 7.1% 減、前年同期比13.1% 減となった。Fabrica 及び Pico における生産量は減少した。 中西部システム 2015年第3四半期の Urucum および Corumbá から 成る Mid-western System の生産量は、当社の生産性 の低い鉱山を停止する戦略に基づき1.0Mt となり、同 年前期比0.2Mt 減、前年同期比0.6Mt 減となった。 (561)
レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 15 鉄ペレット 2015年第3四半期までの Vale のペレット生産量は、 Samarco 社に帰属する10.7Mt を除き35.8Mt と過去最 多を記録した。これは Tubarão 8プラントのランプ アップ 及 び オ マーン と Fabrica、 そ し て Vargem Grande のペレットプラントが好調だったためである。 2015年第3四半期における Vale のペレット生産量 は、Samarco 社に帰属する3.6Mt を除き、12.2Mt と なった。主に Tubarão 8 ペレットプラントのランプ アップのため、同年前期とは同量、前年同期比6.6% 増となった。 南東部システム 2015年第3四半期における Tubarão ペレットプラン ト(Tubarão 3∼8)の生産量は7.2Mt となり、主に Tubarão 8 ペレットプラントのランプアップのため、 同年前期とは同量、前年同期比7.5% 増となった。 Tubarão 5及び6における生産量は、2015年7月に 行われたボールミルの保守点検による停止のため、同 年同期比2.1% 減、前年同期比7.7% 減となった。 南部システム 2015年第3四半期の Fábrica ペレットプラントの生 産量は、稼働率が上昇したため0.9Mt で、同年前期と は同量、前年同期比7.3% 増となった。 Vargem Grande のペレット産出量は、プラントの 生産性の向上により過去最多の1.7Mt を記録し、同年 前期比2.1% 増、前年同期比10.2% 増となっている。 オマーンでの操業 2015年第3四半期における Oman ペレットプラント の生産量は2.3Mt となり、定期修理による停止のため 同年前期比3.0% 減となった。Oman は第3四半期ベー スで過去最多を記録した。 Samarco 社 2015年第3四半期の Samarco 社に帰属する生産量は 3.6Mt となり、2015年第3四半期のペレット生産の稼 働率が拡大したために、同年前期とは同量、前年同期 比7.4% 増となった。 Samarco 社 2015年第3四半期の Samarco 社のペレットフィード 生産(ほぼ Samarco 社のペレット生産専用)は操業の 好調により3.9Mt となり、同年前期比6.0% 増、前年 同期比3.3% 増となった。 ※冒頭に記したとおり、これら Samarco からの生産物を11月5 日以降、同社(および BHP)は一気に失うことになる。 (562)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 16 ニッケル 2015年第3四半期のニッケル生産量は、Sudbury 及 び Thompson の計画的停止にもかかわらず71,600t と なり、同年前期比6.7% 増となった。これは2015年第2 四 半 期 に 行 わ れ た 計 画 保 守 点 検 後 の Sudbury、 Indonesia 及び New Caledonia での生産が好調だった ためである。 カナダ 2015年第3四半期の Sudbury 鉱山における生産量は 18,300t に 達 し、 同 年 前 期 比56.8% 増 と なった。2015 年第2四半期では、マット処理時に機械室で発生した 火災事故の際、在庫の引き出しで対応した。2015年8 月 に Sudbury の 坑 外 プ ラ ン ト に て 計 画 保 守 点 検 が あったため、当期の生産量は前年同期比18.6% 減と なっている。 SAG ミルの再建、硫酸プラントのオーバーホール、 AER プロジェクトの実施準備及び Copper Cliff Nickel Refinery の周辺機器の改良に関する主要作業は完了し た。 2015年第3四半期の Thompson 鉱山における生産量 は4,900t に 達 し、 同 年 前 期 比29.6% 減、 前 年 同 期 比 3.7% 減となった。Thompson(ミル、製錬所および製 錬設備)では2015年8月に、従来のスキップホイスト の交換などの包括的な計画保守点検が行われた。 マンガン 2015年 第2四 半 期 以 降、 当 社 は Minas Gerais (Barbacena プラントおよび Ouro Preto プラント)の 合金鉄プラントを閉鎖している。これは既存のエネル ギー供給契約が終了してエネルギーコストが増大した ため、操業における経済性が損なわれたためである。 当社の Morro da Mina におけるマンガン鉱石の生産 も休止している。 マンガン鉱石 2015年第3四半期の Carajás Azul におけるマンガ ン鉱の生産量は468kt となり、同年前期に行われた定 期修理が終了したため、同年前期比35.2% 増となっ た。 2015年第3四半期の Urucum 鉱山からの生産量は 177kt となり、地下鉱山へのアクセスのために行われ た定期修理により、同年前期比15.0% 減となった。 マンガン合金 マ ン ガ ン 合 金 の 生 産 量 は21kt と な り、Minas Gerais 州におけるマンガン合金プラントの停止により 同年前期比31.6% 減となった。 当期におけるマンガン合金生産量の内訳は、フェ ロシリコマンガン(FeSiMn)が5,500t、高炭素フェロ マンガン(FeMnHC)が10,900t、中炭素フェロマンガ ン(FeMnMC)が4,800t となっている。 (563)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 17 銅 2015年 第3四 半 期 で の 銅 生 産 量 は99,300t と な り、 Sudbury での計画保守点検の結果、同年前期比及び前 年同期比ともに5.3% 減となった。 ブラジル 2015年第3四半期の Sossego 鉱山の銅精鉱生産量は、 25,300t と同年前期比12.7% 減、前年同期比16.7%減と なっている。2015年7月に一次クラッシャーの計画保 守点検があったためである。 2015年第3四半期の Salobo 鉱山における銅精鉱生産 量 は、 現 在 Salobo に お け る ラ ン プ アップ の た め 40,100t となった。7月及び8月には想定通りにランプ アップできなかったものの、9月には稼働率が90% を 超えたため持ち直すことができた。Salobo は第4四半 期において100% で稼働可能となる見通しである。 カナダ Sudbury の銅生産量は19,000t に達し、2015年8月に 行われた計画保守点検のため、同年前期比15.4% 減、 前年同期比38.5% 減となった。 Voisey s Bay における銅精鉱生産量は、2015年第2 四半期でのミルの計画保守点検後7,800t に達し、同年 前期比32.3% 増、前年同期比5.8% 増となった。 ザンビア Lubambe社はランプアップ中で、100%ベースの銅精 鉱で6,000tを産出している(持分生産2,400t)。Lubambe 社の公称生産能力は年間45,000tである。 2015年第3四半期の Voisey s Bay 鉱山における生産 量は9,600t に達し、2015年8月に行われた Sudbury 及 び Thompson の製錬所の計画保守点検のため、同年前 期比36.7% 減となった。 2015年第3四半期での Long Harbour 処理プラント における最終製品ニッケルは3,600t に達した。プラン トへは現在 PTVI マットと Voisey s Bay 精鉱を混合し て処理しているが、2015年末からは Voisey s Bay 精 鉱のみを処理する予定である。 インドネシア(PTVI) 2015年第3四半期の Sorowako における当社インド ネシア操業からのニッケル総生産量は22,100t となり、 同年前期比15.0% 増、前年同期比でも14.7% 増となっ た。2015年上半期に PTVI では電気炉1、2、および4 の大規模な保守点検が実施され、当期までにはすべて の電気炉がフル操業となっている。 PTVI の最終製品であるニッケルの生産量は19,800t に達した、2015年上半期に行われた定期修理が終わ り、マット稼働率が回復したことにより、同年前期比 47.9% 増となっている。 ニューカレドニア(VNC) 2015年第3四半期の VNC における NiO および NHC の生産量は7,900t の新記録となった。2015年第2四半 期の操業停止の間、第4フィルタおよび2つ目の再設 計済み流動焙焼炉を稼働させたため当期は好調であっ た。VNC は第4四半期の操業において、公称処理能力 の75%で稼働可能となる見通しである。 ブラジル Onça Puma での生産量は5,900t に達し、第3四半期 ベースで最多、同年前期とは同量となった。 (564)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 18 貴金属 プラチナの生産量は29koz、パラジウムの生産量は 56koz であり、同年前期比はぞれぞれ38.1% 減及び 48.8% 減となった。これは Sudbury での計画保守点検 によるものである。 2015年第3四半期の金生産量は、Salobo での生産向 上により100koz となり、第3四半期ベースで過去最多 となった。 コバルト、PGM、金・銀(銅およびニッケルの副 産物) コバルト 2015年度第3四半期のコバルト生産量は1,171t とな り、第3四半期ベースで過去最多を記録し、同年前期 比4.4% 増となった。主に VNC における生産性の向上 と、2015年第2四半期でのマット処理プラントの停止 による Sudbury の在庫処理によるものである。 (565)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 19 石炭 2015年 第3四 半 期 に お け る 石 炭 の 生 産 量 は、 Integra Coal 及び Isaac Plains 鉱山の操業停止の影響 もあり2.1Mt となり、同年前期比2.0% 増、前年同期 比12.3% 減となった。 豪州 2015年第3四半期での Carborough Downs 鉱山の生 産量は730kt に達し、第3四半期ベースで過去最多、 前年同期比17.8% 増となったが、同年前期比では1.6% 減となった。 Integra Coal 鉱山は2014年第2四半期に保守点検期 間に入った。そのため2014年第3四半期の間、石炭の 産出が終わるまで細々と露天採鉱が継続された。 ※ 冒頭の通り、ほぼアイドリング状態のままGlencoreとBloomfield の連合に売却された。 Isaac Plains 鉱山も同様に2014年第2四半期に保守 点検期間に入った。そのため2014年第4四半期の間、 石炭の産出が終わるまで露天採鉱が継続された。 ※同上。売却価格は「1A$」であった。 モザンビーク 2015年第3四半期でのモザンビークにおける生産量 は1.322Mt となり、2015年7月に行われた2週間に亘 るプラント停止にもかかわらず、同年前期に比べ高い 値となった。9月の生産量は0.537Mt であり、これは Coal Handling Processing Plant(CHPP)における生 産性の向上を反映したものである。モザンビークにお ける原料炭の生産量は0.914Mt となった。 Moatize 石炭プロジェクトにおける第1フェーズの ランプアップは、鉱山の公称能力の年間11Mt に到達 できないが、これは鉄道・港湾などの物流インフラが ボトルネックとなっているためである。 鉄 道 の グ リーン フィール ド セ ク ション は 完 了 し、 主となるブラウンフィールドセクション(セクション 7)は86% の進捗で、2015年12月には完了する見込み である。Nacala Logistics Corridor (NLC)は既に 2,760ワゴンを出荷し、石炭150kt を港に下ろした。7 月19日にナカラ港で崩落した港湾設備は2016年4月に 修復する見込みであり、ランプアップに影響を与える ことはない。ランプアップにより、物流のボトルネッ クは次第に解消される見込みである。 (566)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 20 肥料原料(カリウム、リン) カリウム 2015年第3四半期のカリウム化合物生産量は、同年 前期に行われた調整作業の後、125,000t と同年前期比 11.7% 増となった。前年同期比は10.9% 減となったが、 これは①施設の稼働率の低下と②鉱山の低品質化によ るものである。 リン 2015年第3四半期のリン生産量は1.0Mt となり、同 年前期比11.4% 減、前年同期比17.6% 減となった。こ れは① Guará での生産停止を受け、Araxá のリン生産 が滞ったこと、② SSP の供給バランスをとるために、 Patos de Minas Unit での生産を停止したことによる も の で あ る。 Bayóvar で の 生 産 量 は 同 年 前 期 比 5.3% 減、前年同期比1.5% 減となり、プラント施設の 稼働性の低下によるものである。 2015年第3四半期の MAP(リン酸モノアンモニウ ム)の生産量は、リン酸不足もあり全体で242,000t と 同年前期比15.5% 減、前年同期比2.1%減となってい る。 2015年第3四半期の TSP(重過リン酸石灰)の生産 量は、リン酸プラントを優先させるための定期メンテ ナ ン ス の 影 響 に よ り、189,000t と 同 年 前 期 比21.0% 減、前年同期比16.1%減となっている。 2015年第3四半期の SSP(過リン酸石灰)の生産量 は、主に Catalão と Uberaba での稼働率向上により合 計495,000t となり、同年前期比5.3% 増となった。前 年同期比では6.8% 減となり、これは SSP の供給バラ ンスを調整するために、Araxá の生産を停止したため である。 2015年第3四半期の DCP(リン酸二カルシウム)の 生産量は、同年前期に Cajati で行われた定期メンテナ ン ス の 後、 合 計130,000t と な り、 同 年 前 期 比53.7% 増。前年同期比6.9% 増となった。 (567)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 21 ハイライト ߥ 2015年第3四半期における生産量は、前年同期比 2% 増となり、同年前期比3% 増となった。 ߥ Kumba の 鉄 鉱 石 生 産 量 は、12% 減 の11.4Mt と なった。これは、Sishen のブレンディングに使用 するため、一時的に高品質な鉄鉱石不足に陥った ことと、より低コストで採鉱を進めるためのスケ ジュール調整によるものである。ߥ Minas Rio の鉄鉱石生産量は2.9Mt(wet basis) となり、操業のランプアップにより、同年前期比 60% 増となった。
ߥ 輸出用原料炭の生産量は8% 増の5.5Mt となり、 2014年12月より定期修理がなされている Peace River Coal での生産ロスを補う形で、Grasstree での生産性の向上を反映するものとなった。 ߥ 輸出用一般炭の生産量はほぼ変わらず8.8Mt とな り、Cerrejón での生産によって南アフリカの低 い生産量が補われる形となった。 ߥ 銅の生産量は1% 増となったが、一方で全体の生 産量は3% 減の171,000t となった。これは、9月1 日付の Norte 社の売却に影響を受けた結果であ る。 ߥ ニッケルの生産量は、Barro Alto 電気炉の再建に より36% 減の6,800t となった。両電気炉の再建は 予定より早く、かつ低コストで完了し、Furnace 2は生産能力を調整中、Furnace 1は現在ランプ アップ中である。 ߥ プラチナの生産量(金属精鉱として表記)は14% 増 の614,300oz と なった。 こ れ は Rustenburg、 Amandelbult 及び Union 鉱山が、前年同期のスト ライキから生産量を標準レベルに戻すために、ラ ンプアップをしているためである。 ߥ ダイアモンドの生産量は27% 減の6.9Mct となっ たが、これは最近の流通量を考慮し、生産量を減 らしたためである。
4 . Anglo American/
2015年 Q3(7月∼9月)生産レポート
出所 : Anglo American, Production Report for the Q3 ended 30 September, 2015 (2015/10/22発表) JOGMEC からのコメント 投機筋の思惑も重なった面も否めないが、Glencore に次ぐ株価の下落率を見せ市場を驚かせた。理由はメ ジャーの中でも小振りななかで比較的良質(低コスト 等)な資産があまりないことが挙げられよう。
2015年9月にはチリの Anglo American Norte の権 益売却を完了した。さらに2015年通期と2016年は無
配とし Anglo American Sur やブラジルのアセット (燐酸とニオブ権益)の売却を進めることを表明。更 なる体制強化のため①2017年の投資額は2.5B US$ と、 14年と比べて5割以上削減 ②3.7∼4.7BUS$ の減損見 込み ③6部門体制⇒3部門体制へとするなどを公表し た(12月)。 (568)
レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 22 鉄鉱石・マンガン Kumba 鉄鉱石 Kumba 鉄鉱石の生産量は、12% 減の11.4Mt となっ た。Sishen は17% 減の7.7Mt の生産となったが、これ は、ブレンディングに使用するために一時的に高品質 な鉄鉱石不足に陥ったことと、より低コストで採鉱を 進めるためのスケジュール調整によるものである。 Kolomela では、3つのピットのうち1つの延期など を含めた採鉱計画の見直しを始めた。効率性と生産量 の面では引き続き好調であり、当期では3.3Mt となっ た。 輸出販売量は、鉄道及び港の運行パフォーマンス が向上した結果、9% 増の9.8Mt となった。製品在庫 は2014年9月30日 時 点 の6.5Mt と 比 較 し、4.7Mt と なった。 Q4においては操業パフォーマンスの向上が期待で きるものの、2015年度の Sishen の生産量は、約31Mt に見直す(以前の方針では33Mt)。採鉱廃棄物は現 在、230Mt であるが、残りの2015年度及び2016年度 に高品質な鉄鉱石を十分に確保するため、現状を維持 する予定である(以前の方針では200Mt)。 本年の Kolomela の生産量は12Mt までに見直された (以前の方針では11Mt)。また、選鉱のフィードの処 理量を上昇させるため、廃滓が44∼45Mt へ増加した (前回の計画では35∼38Mt と発表)。 2015年の Kumba における総生産量の計画は、約 43Mt に見直された(前回の計画では44Mt との発表で あった)。 鉄鉱石(ブラジル) Minas-Rio のランプアップは順調に進んでおり、第 3四半期には前期比60% 増となる2.9Mt (wet basis) を生産し勢いを示している。鉱山、パイプライン、及 びフィルタリングプラントの生産は計画どおり進んで いるが、第3四半期の生産量は水質問題の影響(干ば つと、浅いピットでのブレンディング作業が制限され た結果)により、予想よりもわずかに減少した。 上記の結果、Minas Rio における本年の生産計画 は、 以 前 の11∼14Mt(wet basis)か ら、 約10Mt (wet basis)へ減少した。 マンガン鉱石 第3四半期のマンガン鉱石の生産量は7% 増となり、 Australian operations に強く影響を受けた。South African operations における生産量は、市況により溶 鉱炉を閉鎖している Metalloys の需要に合わせ、低く 調整した。 マンガン合金 マンガン合金の生産量は前年同期比36% 減となっ たが、これは前述の Metalloys の影響である。 (569)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 23 石炭 豪州/カナダ 輸出用の原料炭の生産量は8% 増の5.5Mt となった。 これは Capcoal の underground Grasstree operation に よる生産と Grosvenor の石炭開発によるものであり、 2014年12月の Peace River Coal の修理とメンテナン スによる影響(2014年第3四半期の生産量は0.4Mt)、 及 び 設 備 デ ザ イ ン 修 正 の た め 当 期 に 行 わ れ た Moranbah へのロングウォールの移行を相殺する形と なった。 豪 州 の 一 般 炭 の 生 産 量 は13% 減 の1.4Mt と な り、 Drayton 鉱山の採鉱終了に伴う生産量の減少に影響を 受けた。 南アフリカ 輸出用一般炭の生産量は2% 減の4.9Mtとなった。新 規貯鉱体制への移行、及び Goedehoep のうち1セク ションの計画閉鎖に伴うMafube の低い生産量は、全オ ペレーションにおける生産性の向上、とりわけ Zibulo (10% 増)とGreenside(6%増)に一部相殺された。 Eskom の生産量は、主に Eskom からの需要減退に より15% 増の6.8Mt となった。 国内の一般炭(Non-Eskom)の生産量は、Lsibonelo の安全面における停止により7% 減の1.7Mt となった。 コロンビア Cerrejón の生産量は7% 増の2.5Mt となったが、前 年同期に比べて生産性が向上したことと、天候の影響 によるものである。 ◆ 生産方針 本年の生産方針は変わらず、輸出用の原料炭では 20∼21Mt、輸出用の一般炭では南アフリカとコロン ビアから28∼30Mt となる見込み。 (570)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 24 銅 銅の生産量は3% 減の171,100t となったが、これは 9月1日付の Norte 社の売却に影響を受けた結果であ る。Norte 社以外の銅生産量は1% 増となった。 Los Bronces の生産量は3% 増の98,600t となった。 7月と8月の間、水不足問題を相殺するために高品位 鉱が使用された。9月中、プラントの生産は好調で あった。水不足の問題に影響を受けた分、及び対策を 含めた現在までのロス分は約18,000t である。尚、第3 四半期の後半は降水量が多かったため、2015年にお いて水不足の問題は起きないであろうと予想してい る。 Collahuasi の持分生産量は10% 減の43,500t となっ た。これは主に、3つの小型 SAG ライン(合計で約 40% の生産能力)のうち2つに対する定期修理の影響 であり、以前より述べていた振動と構造問題が検知さ れたことによる。プラントの操業回数は2015年 Q4に は増加する見込みであり、今後主要な定期修理は行わ れない。 2015年9月、Collahuasi は単独で硫化物の余剰生産 に焦点を当て、高コストの酸化物の生産を削減するこ とを公表した。ランプダウンは2015年10月1日より 徐々に開始する。 El Soldado の生産量は、高品質の鉄鉱石により64% 増の11,000t となった。 ◆ 生産方針 Norte 社の売り上げ(約37,000t のインパクト)及び 前述の Collahuasi(44% のシェアで約3,000t のインパ クト)の変更により、本年の生産計画は680,000t∼ 710,000t に 修 正 さ れ た(以 前 の 方 針 で は720,000t∼ 750,000t)。 年間の Norte 社の売り上げによるインパクトは約 110,000t であり、Collahuasi の酸化物の生産削減によ るインパクトは、約10,000t である(44% のシェア)。 (571)レポート
資源メジャーの最新生産動向 ︵2 01 5 年 7 ∼ 9 月 ︶ 2016.1 金属資源レポート 25 ニオブニオブの生産量は、Boa Vista Fresh Rock (BVFR) のランプアップにより50% 増の1,800t となった。尚、 BVFR が2016年の半ば(以前は2017年としていた)に 公称生産能力に達した時点で、設備容量による生産量 は6,800t/ 年に増加する見込みである。 ニッケル ニッケルの生産量は、Barro Altoの電気炉の再建の ため36% 減の6,800tとなった。第二電気炉の再建は予 定より早く完了し、2015年4月に最初のメタルが注が れ、現在は公称生産能力に到達している。2015年9月に は第一電気炉が再建され、予定よりも早く最初のメタ ルが注がれた。また、現在はランプアップ中であり、 公称生産量は2015年末に達成できる見込みである。こ れら電気炉の再建は、後述の予算で完了する予定。 Codemin の生産量は13% 減の2,100t、定期修理のタ イミングのずれの影響が出たもの。 ◆ 生産方針 年 間 の 生 産 計 画 は28,000t∼30,000t へ 変 更 さ れ た (以前の方針では25,000t∼30,000t)。 6.0% 0% (572)