高橋脚の省力化施工への取り組み
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(2) I‑159. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 4.型枠施工について 本橋の主塔は変断面であり,傾斜角を持っている.また,斜張橋の斜材のケーシングパイプが躯体より突出 してくるので,リフトごとに大きな加工変更が発生する.これを施工するに当たって,以下のような工夫を用 い,省力化施工を行った. 1)加工の簡易化,高所での重量物の作業を減らすために木製型枠を使用した.また,縦端太材について も軽量の木製のトラス材を使用した. 2)変断面による加工変更が容易なスライド式の横端太材を使用した. 3)型枠の傾斜方向への倒れを防止するために,前述の仮設鉄骨を補強し利用した. 4)過密鉄筋内での作業を少なくするために太径のセパレータを使用して本数を減らし,簡便化させた. 5)後に述べるクライミングフォームは足場上での加工変更が可能であり,これを行うことにより稼働率 を上げた. 5.足場について 本橋主塔部は急速施工を目的としてクライミングフォームを使用した.これは,アンカーによって躯体に固 定される足場で,レールを介して油圧ジャッキで上昇・下降が可能である.特徴は以下のとおり. 1)通常,昇降以外の足場を必要としない.. 型枠. 型枠. 2)型枠の着脱・加工を足場上で行うことが出来る. 3)足場を一面もしくは二面ずつ上昇させることが出. コンクリート打設用 鉄筋・型枠組立用 鉄骨架設用. 施工リフト. 来る.. 5段 目作業床. 床. 床. ストロング バック. 床. 床. 4段 目作業床 型枠組立用. 型枠 サポート. 4)木製部材を多く使用しているために軽量である.. (プッシュ・プルサポート). 床. 5)傾斜,変断面に対して柔軟に対応できる. 主塔施工における型枠および足場の改善を行った結果,. 床. 3段 目作業床 型枠組立 ・調整用 資材取込用. クライミング シュー ブレース. クライミング ジャッキ. (コンプレッションブレース). 総足場で 13 日サイクルを予定していたものが,サイクル当. プラ ットフ ォーム ビーム. たり2日の工程短縮が図られた(稼働) .また,海沿いの強. シリンディングピース. バーチカルストラット. 床. 床. 床. クライミングレール ディスタンスピース. 6.まとめ. 図− 2. 本稿に紹介した他にも様々な形の高層構造物が. クライミングフォーム概念図. あるが,施工の流れの基本は鉄筋・型枠・コン クリート・足場である.これを工種毎もしくは 包括的にいかに省力化して施工するかが重要な ポイントである. 将来的には,構造提案型の発注が増加してい くものと考えられるが,その場合でもこのポイ ントを念頭においた提案が肝要かと思われる. 今回報告しただけでなく,今後も研究を重ね て省力化を図っていく所存であるが,高層構造 物の施工に当たって参考にして頂ければ幸いで ある. 写真− 2. ‑318‑. 2段 目作業床 ジャッキ操作用 躯体仕上げ用 電気系統用. クライミング シュー 床. 風下での作業であったにも関わらず稼働率を下げることな く作業が可能であった.. クロスビーム. 主塔施工状況. 1段 目作業床 躯体仕上げ用 足場通路用.
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鉄筋 SD345 内空高:H=5.7m 内空幅:B=6.0m 頂版厚:0.45m 側壁厚:0.40m 底版厚:0.45m