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二探触子法による欠陥像の再構成

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Academic year: 2022

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(1)CS6-054. 二探触子法による欠陥像の再構成 東北大学大学院 東北大学大学院. 学生員 正 員. 中畑和之 北原道弘. はじめに 欠陥から散乱された超音波を用いて,この散乱波 が有する情報をもとに構造部材内部に存在する欠陥 像の再構成を試みる.本研究ではボルン近似とキル ヒホフ近似に基づく線形化逆散乱解析法 を,送信 探触子と受信探触子を分けて配置する二探触子法へ 拡張を試みた.ここでは二探触子法による逆散乱解 析の定式化を要約し,境界要素法による散乱波形デー タを用いた欠陥像の再構成を報告する.. 線形化逆散乱解析法 超音波の送信 等方均質な2次元無限弾性領域 内に空洞欠陥 が存在する場合を考える.図 に示すように,欠陥 の近傍の点 から十分離れている点 から欠陥 に向けて超音波を送信し,欠陥によって散乱された を観測点 で受信する二探触子法を考える. 波動 ここでは,欠陥への入射波は次のような平面縦波で あると仮定する.. ここで, は振幅, は変位の偏向方向を表す単位 ベクトル, は入射波の波数, は入射波の進行方 向を表す単位ベクトルである. 点から超音波を送信 するので, を送信点 に向く単位ベクトルとすれ となる. ば, 散乱波の積分表現と等価散乱源 領域 内の点 縦波散乱振幅. における欠陥 からの散乱波の は次のように積分表現できる.. ここで, , は座標原点から観測点 に は散乱体(欠 向く単位ベクトルである.また, 陥)を2次波源と見なしたときの等価な物体力に対 応しており,等価散乱源と呼ぶ.この等価散乱源は, 領域型と境界型のどちらでも定式化が可能であり,そ れぞれの具体的な形は次のようになる.. 図. 内部欠陥位置と超音波の送受信. 式 において, は母材側と欠陥部分の弾性定 は散乱体 の 数の差, は密度の差であり, において, 領域内部に分布する特性関数である.式 は欠陥 から母材 内に向いた単位ベクト は欠陥の境界 上においてのみ値を ルであり, を等価散 有する特異関数である.上記の積分表現 乱源中に含まれる特性関数 か特異関数 について 解くことができれば,欠陥形状の推定が可能である. ボルン逆解析 等価散乱源 は あるいは のみならず,変位 も含んでいるため適当な近似を導入して線形化する. で置き換えたもので ボルン近似は変位 を入射波 を採用する ある.このとき,領域型の等価散乱源 は次のようになる. と,式. さて, は と置いたときの 空 間におけるフーリエ変換像であることから,次のよ うに求められる.. キーワード:超音波,二探触子法,形状再構成,ボルン逆解析,キルヒホフ逆解析 〒. 仙台市青葉区荒巻字青葉. -362-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) CS6-054. キルヒホフ逆解析 キルヒホフ近似は,境界上の を入射波と反射波 の和で置き換えたものであり,境界型の等価散乱源 を採用して式 を線形化する.キルヒホフ近似 が高周波近似であることを考慮し,積分の主要項を なる条件を満足する停留点 法線 が からの寄与として評価する. と,次式を得る. 図. 欠陥形状の再構成 1点入射多点計測. 図. 欠陥形状の再構成 4点入射多点計測. ここで, は自由表面における縦波 縦波の反射係 は散乱振 数を表している.これより,特異関数 のフーリエ逆変換として次のように書ける. 幅. 数値解析による欠陥像の再構成 図 に欠陥と超音波送受信のための探触子の配置 を示す.欠陥モデルとして,円形キャビティとクラッ クの複合モデルを想定した.一つの送信探触子に対 おきに多点配置し,形状再構 して受信探触子は は,境界要素法を用いて 成に必要な遠方散乱波 の範囲で作成した. 無次元化波数 図 は,超音波を一点で入射し,散乱波を片側多 点で受信した場合の再構成結果である.片側の計測 波形だけでは再構成像は不鮮明であるものの,送受 信が行われた側の欠陥形状は確認できる.. 図 は一点入射多点計測を おきに計4側面か 行い,各々の送信側面で多点受信をした場合の再構 成図を画像合成した結果である.この結果は,一探 触子法のボルン逆解析とキルヒホフ逆解析の再現特 性 と同様な傾向を示しており,各方向の再構成像 を合成することで二探触子法においてもボルン逆解 析は欠陥内部像,キルヒホフ逆解析は欠陥境界像の 再構成が可能であることを示している.. 結論 ボルン逆解析は欠陥内部を再構成し,キルヒホフ 逆解析は欠陥境界を再現することが二探触子法によ る逆散乱解析でも明らかになった.一探触子法に比 べ再生感度の低下が見られるが,一探触子法で得ら れる後方散乱波よりも,二探触子法で計測される任 意方向の散乱振幅が平均的に小さいことが影響して いると考えられる.. 参考文献 北原道弘 中畑和之 廣瀬壮一 線形化逆散乱解析法の欠陥 位置と形状再構成能に関する一検討 応用力学論文集. 図. 欠陥および探触子の配置. -363-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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