鉄道における石積擁壁の実態に関する基礎調査
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(2) IV-323. 3.関東大地震の被災状況 関東大地震による鉄道の主な被害3). 表1. 石積擁壁の安定性が問題となるのは、主として地震時である。. 線. 空積. 被害状況 崩壊:約 670 ㎡ 孕み出し:数箇所 山崩れで 崩壊:約 1,000 ㎡ 崩壊:崩壊 6 箇所 孕み出し 崩壊:約 4,000 ㎡ 崩壊:約 600 ㎡ 崩壊:数箇所 崩壊:約 800 ㎡. のある路線の石積擁壁が崩壊した状況であるが、その奥には崩壊. 空積. 上部崩壊、孕み出し. していない石積擁壁を確認することができる。これは、単に石積. 練積. 変状なし. 空積. ほとんど全壊. 練積. 傾斜、亀裂. そこで、大正 12 年 9 月 1 日に発生したマグニチュード約 8 の関. 名. 背面構造形式. 東大地震を一つの例として石積擁壁の被害の実態を調べた。表 1. 山手線. 空積練積共. は鉄道における石積擁壁の被害のうち主なものを背面の構造形. 中央線. 空積練積共. 式に着目し、まとめたものである。この結果、熱海線の 2 箇所に. 東海道線. おいて、空積に対して練積の被害が小さいという安定性に関する 重要な知見を得た。また、崩壊した石積に隣接する箇所では崩壊 に至らなかった事例があったことが明らかになった。図 4 は都内. 貨物線. 空積練積共. 横浜線. 空積. 横須賀線. 熱海線. 擁壁の背面構造の違いだけでなく、背後の地山の状態も安定性を. 空積. 支配している素因の一つであることを示唆している。なお、図 5. 空積練積共. は崩壊に至らなかった石積擁壁の現在の様子である。このことは、. 山崩れで上部崩壊. あの大地震にも耐えた石積擁壁が存在しており、尚かつ現在に至っているという貴重な事実である。. 図 4 石積擁壁の崩壊状況4). 図 5 崩壊に至らなかった石積擁壁(現在) 25. 4.現状の実態把握. 高さの程度が高くなるに従って、空積の占める割合が低く、逆 に練積が占める割合が高くなている。構造形式を高さの程度で 使い分けている点では、既に過去において安定性に関する理念 が存在していたと言えよう。. 練積:80%. 15 10 5 0. ~ 1 ~ 2 ~ 3 ~ 4 ~ 5 ~ 6 ~ 7 ~ 8 ~9 ~ 1 ~0 11 ~ 12 ~ 13. 積擁壁の高さ別、背面の構造形式別の頻度分布を示している。. 空積:20%. 20 箇所数. 都内のある路線を対象に現状の実態を調査した。図 6 は、石. 高さ(m). 図 6 高さ別・背面構造別頻度分布. 5.まとめ. 本研究において過去の災害事例、現状の実態把握をした結果、石積擁壁の安定性を評価するための重要な要 素の姿がわずかではあるが見えてきた。それは、大きく分けて構造形式、高さ、そして地盤条件であり、その 兼ね合いが深く関係しているということである。今後、これらの結果を基礎として、石積擁壁の安定性に関す る検討を進める予定である。 【参考文献】1)窪田. 祐:石垣と石積壁,学芸出版社. 平成 4 年 2)大久保森造・大久保森一:石積の秘法とその解説,理工図. 書,1994 年 3)土木学会:復刻版 大正十二年関東大地震震害調査報告 全 5 巻,昭和 59 年. 4)野田正穂・原田勝正・青木栄一・. 及川慶喜:大正期鉄道資料,第Ⅱ期,第1巻,国有鉄道震災誌,日本経済評論社,1990 年. -647-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).
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