新学習指導要領の理念を踏まえた学校づくり
著者 鹿児島大学教育学部附属小学校
ファイル(説明) 研究同人 複式教育 特別活動
総合的な学習の時間 外国語活動
道徳 体育科 家庭科 図画工作科 音楽科 生活科 理科 算数科 社会科 国語科
研究の成果と課題
−学校づくりの構想
−子どもの育成 研究主題設定の立場 ...
URL http://hdl.handle.net/10232/14945
. 本校の研究の歩みと課題
/
・
これまでの歩み子どもたちが表現への意欲を高めて いけるように,各過程に鑑賞活動を設 定し,自分の表現へのこだわりを友達 と交流させながら資質・能力を関連さ せて表現させてきた
。
・ 課 題
・
工作 (っくりたいものをつくる) 領域以外の題材についての検証・
発達の段階に応じた「こだわり」を伝え合う方法の明確化
E J i l ! 長官 ・ ・ l J J
│ 図画工作科
研究の概要
. 改訂のポイント
・
目標の改善表現及び鑑賞の活動において,児童 の感覚や感じ方などを一層重視するこ
とを明確にするために「感性を働かせ ながら」という文言が付け加えられた0
・ O
内容の改善表現領域の内容構成の改善
O
鑑賞領域の内容構成の改善O
共通事項の新設O
言語活動の充実O
材料や用具の取扱いや鑑賞指導に おける美術館等との連携•
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. 新カリキュラム創造ヘ向けての研究の方向・研究計画
・ 研 究 の 方 向 ・ 研 究 計 画
O
言語活動の充実 │年次 │ 充実の視点 │ 実 践 題 材 の 制 │共通事項O
体験活動の充実 い年州日配O
伝統 ・文化に関する教育の充実 卜‑11‑ H
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共通事項に沿った指導の具体化 ピ空白U L
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. 本年度の研究の重点 │
表現へのこだわりをはぐくむ言語活動の充実
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図 2
( 1
表現へのこだわりとは学習指導要領が改訂され,図画工作科の目標に,
I
感性を働かせながらJ
とい う文言が 付け加えられた。
これは,造形活動全体を通して これまで以上に感覚や感じ方,表現の 思いなど,自分の感性を働かせていくことの重要 ~ /'1性を示しているO
感性を働かせることについては,図 lのように 考えるO 子どもたちは,見たり ,つくったり,考
えたりする中で,視覚や触覚など様々な感覚を働 かせながら,形や色などをとらえているO その際,
自分のイメージと形や色などの見るポイント (図
2
参照)を関係付けていくことになるOこのように,これまで以上に感性を 【図 1 「感性を働かせながら
J
とは】働かせていくことは,自分らしい表現 をしていくことにつながり ,表現への こだわりをより大切にしていくことに なると考えるD
題材の学習肉容を構成する要素の中でも,特に,その目標にかか わるものを,色,形,材質,仕組み目思い・願いといった造形要素 でまとめたもの。(平成18年度本校研究誌より)
今回,学習指導要領が改訂され.新たに示された『共通事項』と も大きく関わっていると考える。
以上のことを踏まえて,これまでと らえていた「表現へのこだわり j を, さらに分析した結果,新たに次のよう
段ボールの質 重企主主主主主1 L主つくる。
自分のイメージ に 合 っ た 監
ι
盤盛してつくる。
【図2 見るポイン卜】
にと らえ直した
。
‑ 表現へのこだわりとは
感性を働かせながら,見るポイントとイメージを関係付け,それを自覚し,もち 続けていくことである。
表現へのこだわりは,自分のイメ ージに合うように,
をたくさん見つけていく 「広がり
J
と,見るポイ形,色,材質などの見るポイント
ントを意図的に生かしていく 「深ま り」の
2
面の 様相があると考える (図3
参照)0例えば,
6
年生の絵に表す題材では,図4
のよ うに,色や形などの見るポイン トをたくさん見っ けながら表現していく中で,もっと「迫ってくる ように表したい」という思いから「線の傾き」を 選択し,見るポイン トを意図的に生かしていく姿 が見られるであろうO子どもたちは,初めから表現へのこだわ りを明確にもっているわけではない。図
4
のように,見るポイン トをたくさん見つけ たり,見るポイントを意図的に生かしたりしていくことを繰り返すことで,表現への こだわりをはぐくむことができると考えるO
‑64‑
【図3 表現へのこだわりの様相】
【見るポイント]色・形・奥行き・線の太さ・線の傾き・ 配置・重なり・バランス・ i'l淡など
① かきたいことは 決まったぞ。
② もっと迫って くるように表し たいな。
③ 見るポイントの
「線の傾き」に気 を付けて.斜めの 線を入れた構図に
しようo
【図4 こだわりをもって表現する子ども】
[ 2
表現へのこだわりをはぐくむ言語活動の充実とは表現へのこだわりをはぐくむためには,前述したとおり,感性を働かせながら, 見るポ イン トをたくさん見つけたり,意図的に生かしたりしていくことが大切であるO その際, 言語活動を通して,自分自身を見つめたり, 他者と交流したりすることで,見るポイン ト は一層自覚化されて表現へのこだわりがはぐくまれていくと考えるD そのプロセスを示し たものカミ図
5
であるO このようなプロセ│
作品 自分スを繰り返していくことで,子どもの思考 11①感じる
凶 ②去す‑
下 寺 11 (受信)
r " '
1 考える が練り上げられ,自分の表現への」たわり│ 1 2 J
1伝五)
をはぐくんでいくことになると考えるO そ
‑ ‑
こで,表現へのこだわりをはぐくむ言語活動を次のようにとらえた
。
【図5
表現へのこだわりをはぐくむ言語活動のプロセス】表現へのこだわりをはぐくむ言語活動とは
作品から感じたことを基に,表したり考えたりし,自分や友達,社会に伝えると いう過程を通して,表現へのこだわりを広げたり,深めたりすることである。
•
や図
7
(対他者)のように,図 中 の① ② ③は図
5
と対応(
対自分)図
6
表現へのこだわりをはぐくむ言語活動は,およそ二通りに分けることができるO ※
たくさんゴールを決めそうな サッカー選手をつくりたいな。
匪霊盟mr=‑
空 を 飛 ぶ ゾ ウ に し た い け れ ど.形をどうしょうかな(①)。
背中に羽をつけよう。耳も大き くするといいな(盈)。
空が飛べそうだな(③)。もっと空 がとベそうな感じにしたいな。
匡翠盃l1li
このように,自分の作品や友達との言語活動を繰り返すことで,
表現へのこだわりがはぐく まれてくると考えるO
以上のことを踏まえ,発達の段階に応じた各学習過程での表現へのこだわりの様相を表 lのように考えるO
【表 1 導入
対他者(友達など)との言語活動例】
思考が練り上げられ,
【図7 対自分(作品など)との言語活動例】
【図6
低学年は,こだわりの広 がりを重点的に行う。中間 鑑賞活動は,特に設定はし ない。題材終末鑑賞活動で は,言語活動を通して,こ だわりを深めていけるよ うにする。
発達の段階に応じた各学習過程での表現へのこだわりの様相】
表現
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終末鑑賞活動│く 間 付 〈 何 気 吋 活 動 ) 三極
U K 脈 問 )
広がり
ー ・ ー
副主
中学年は,中間鑑賞活動を設定し.言語活動を通し て,こだわりを広げるだけ でなく,こだわりを深めて いけるようにする。
高学年は,表現の過程に 入ったら,中間鑑賞活動を しなくても,自ら進んで言 語活動を行い,自分の中に 深いこだわりがもてるよ うにする。
学習過程
即 時 u
附 + 骨
広がり
. . . .
口 口
低学年
l 事 l 申
↓ 署 長
↓ 事 ト ↓ 帯
同 争
時 山 岳
広がり
. . . .
口 口
中学年
問 + 骨
広がり
. . 辛
口 口
高学年
phu Fhu
図 4
( 3
表現へのこだわりをはぐくむ言語活動の充実の具体化これまで述べてきたことを基にした,発達の段階に応じた表現へのこだわりをはぐくむ 言語活動の具体化については 次のとおりであるO
Eg~ヨ
( 第2学 年 立 体 圃
『ふしぎな生きもの」 且
① 感じたことを話したり.友人の話を聞いたりするなどして,形や色.表し方 の面白さ,材料などの感じに気付く活動
② 感じたことを話したり.友達の話を聞いたりして自分の表現につなげる活動
③ 対自分を中心とした言語活動
もっと動き をつけて.ふし ぎな生きもの の様子がよく 分かるように
しよう。
ヨ
...OI!E 量盃ヨ
i[rZJ241r
① 感じたことや思ったことを話したり,友人と話し合ったりするなどして,
いろいろな表し方や材料による感じの違いなどが分かる活動
② 感じたよさなどを理由付けて説明し合い,認め合う活動
③ 対友達を重視した言語活動
表現天百~f=Ðりを雇11漂語る;-.価指劃一(調}
│ i
喪現へのこだわり{倒)I
造形的な知覚に関する共通事項 形,色,組合せなどの感じ もっと広がりのある
感じにしたいな。
① 感じたことや思ったことを話したり.友人と話し合ったりするなどして, 表し方の変化,表現の意図や特徴などをとらえる活動
② 見るポイントをイメージと関連付けて説明し合い,批評し合う活動
③ 対友達を重視した言語活動(題材によっては対社会の言語活動も行う)
友達l立。モ ダンテクニツ クや材料での 表し方を工夫 していたな。
ぼくは,環境問題の 深刻さを表すために, 暗い色を使っていきた
もっと色の明 暗や配色にこだ わって,思いが 伝わるようにし よう。
※ ①②③については,次の観点を示しているD
① 解説の
B
鑑賞(1)イ「言語活動」 ②言語活動の方法 ③言語活動の対象phu nhU
[ 4
実 践〔第4学年「心の中のたからもの( 1 )
実践のポイント構成を練る段階で 言語活動のプロセス 「感じる→表 す ・考える→伝える」を取り入れ,思いを基に見るポイ
ントをたくさん見つけたり 意図的に生かしたりして表 現へのこだわりがはぐくまれる子どもの姿を追った
。
( 2 )
実践の内容黒と白で
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(絵))J
完成作品
イメージ
自分と弟の大きさのバランスを考えなが ら,赤ちゃんを実物よりも大きくかこう。
喜びが伝わるように,
近付けて重ねよう。
よ間み質てて
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主 国
泣いて
なるほど。
家族を加えるともっと喜びが伝わって思いに 合うな。
でも
泣いているよりは笑っている方が赤ちゃんの かわいさが伝わりそうだな。
(対話をしている様子 〉
イメージ
自分と弟の大きさのバランスを考えなが ら,赤ちゃんを実物よりも大きくかこう。
赤ちゃんがもっと目立つように,
ちゃんの後ろにかこう。
告 E
(Æ: tJ~) )
かわいさを伝えるために,泣いているとこ ろじゃなくて笑っているところをかこう。
や んや
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に置 赤い うを
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な 因 子 みなる んで様 族んい
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みて
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思考を練
考 察
他者との言語活動を通して,見るポイントとイメージを関係付けながら,
り上げ,表現へのこだわりをはぐくむ子どもの姿が見られた
。
‑67‑ (3)
図 6
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【ワークシート】 【子どもの様子】
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研 究 の 成 果 と 課 題本年度の研究の成果と課題は,次のとおりであるD
(1) 研究の成果
O
表現へのこだわりをはぐくむ言語活動を明らかにし,発達の段階に応じて整理し て示すことで,系統的なつながりを意識して指導することができ,こだわりをも っ て表現に取り組む子どもの姿が以前より多く見られるようになってきた。O
工作だけでなく絵や立体の領域においても検証し, 言語活動を通して,表現への こだわりを広げたり深めたりしながら 自分の表現へのこだわりをはぐくんでいく 子どもの姿を見取ることができた。(2) 研究の課題
O
子どもたちの中には 一人一人の課題に応じた言語活動が展開できなかったため に,表現へのこだわりを最後までもつことができなかった子どももいたので,表現 へのこだわりをはぐくむ言語活動の学習指導について,今後さ らに具体化を図って いく必要があるOO
全ての子どもがこだわりをも って表現に取り組めるようにするために, 言語活動 以外の充実の視点についても検証していく O その際 領域を広げて取り組んでいき たいと考えるO{
主な参考文献1
0文部科学省 「学習指導要領解説 図画工作編」
O
大泉義一編著 「小学校教育課程講座図画工作J 0
高木展郎編集 「各 教 科等における言語活動の充実」(平成20年 日本文教出版) (2008年 ぎょ うせい) (2008年 教育開発研究所) oo FhU