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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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Academic year: 2021

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R‐2Rラダー型ディジタル・アナログ変換器に関す る研究

著者 王 雷

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 24

ページ 73‑75

発行年 2003‑03‑28

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1435

(2)

氏名 。

(本

籍 )           (中

)

学位 の種 類    博      (工   学

)

学位 記 番 号    工博 甲第   219   号 学位授与の日付    平成 13年 9月 21日 学位授与の要件    学位規程第 5条 第 1項 該当 研究科 ・ 専攻の名称    電子科学研究科   電子応用工学

学位論文題目   R¨ 2Rラ ダー型ディジタル・ アナログ変換器に関する研究

(R‐

2R Ladder Digital・

to‐

Analog Converters)

(委

員長

)

論 文 審 査 委 員   教 授 川 人 祥 二   教 授 浅 井 秀 樹

教 授 藤 安     助教授 村 上 健 司 教 授   渡 邊 健 蔵

論 文 内 容 の 要 旨

アナログ・ディジタル混在応用指向型集積回路 (ASIC)に おいて最 も重要な素子はシステムの精度 を左右するアナログ 0デ イジタル (AD)変 換器 とデイジタル・アナログ (DA)変 換器である。システム の小型化、消費電力、経済性などの理由でアナログ・デイジタル混在 ASICを cMosプ ロセスで製 造す ることは最適である。それに対応 した D/A変 換器 を設計す ることも求め られる。本論文では

MOSト ランジスタの電流分割原理 と電圧制御電流源 (VCCC)の 特性 を用いた高速、低消費電力の電 流モー ド DA変 換器、及びその基本である通常の抵抗 を用いた

R‐

2Rラ ダー DA変 換器に関する研究

成果 をまとめた ものであ り、全 5章 から成 る。

第 1章 では研究の背景、目的 と論文の構成 を述べている。まず、 DA変 換器は 2進 表現 された n

ビットのデイジタル信号 とアナログ基準値 との乗算を行 う乗算器であることを示 した。 DA変 換器は 量子化基準 によって電圧モー ド構成、電流モー ド構成、電荷モー ド構成 に分類することがで きる。

最 も簡潔な抵抗列による電圧モー ド DA変 換器から 2進 荷重電流源方式スイッチ ド0キ ャパ シタ DA

変換器 まで、それぞれ構成が異なる DA変 換器の長所 と短所 を比較 して

R‐

2R梯 子

(ラ

ダー )型 DA変

換器力Ⅵヽ 型集積化 に適 しているとの結論 を得た。又、 DA変 換器の特性を評価するために性能基準 を 紹介 した。

第 2章 では、まず通常の抵抗 を用いた R‑2R梯 子型 DA変 換器の消費電力 について検証 し、電流 モー ド構成は本質的に最 も低消費電力の

R‐

2Rラ ダー DA変 換器であ り、低消費電力動作 には最 も

‑73‑

(3)

適 していることを証明 した。次 に、

R‐

2Rの 抵抗不整合 による DA変 換器の積分非直線性 (INL)を 求 めた。解析 により、抵抗の不整合 εが ε <2 nで ぁれば nビ ットの精度を得 られることを判明 した。

又、ラダーの各抵抗値 を外部端子での電圧、電流 を測定することによって評価する新 しい方法を説明 した。更 に、 R‑2R DA変 換器の INLの 誤差要因である抵抗の不整合、スイッチのオン抵抗、及び ラダーから出力端子 までの配線抵抗 による積分非直線性 (INL)を 解析 とシミュレーションによって求 め、それぞれの INLパ ターンの顕著な特徴 を明 らかにした。抵抗不整合 による INLパ ター ンはメ ジャーキャリーに対 し反対称 になるのに対 し、スイッチオン抵抗 による INLパ ターンは対称 になり、

一方、配線抵抗 による INLは 対称性 を持たず、その最大点が最下位 ビット(LSB)側 にシフ トするこ とを示 した。配線抵抗 ROutと ラダー抵抗 Rの 比 (ROut/R)が 大 きくなるほど INLが 大 きくな り、配線

抵抗同士の比 (RttROut)力 Ⅵヽさくなるにつれて INLの 最大点は LSB側 ヘシフ トすることも示 した。

最後 に、 INLの 最大値が lLSBと なる時の い

tと

Rou1/Rの 関係 とそれぞれの抵抗の値 を決める方 法 も示 して、■ビッ トの分解能を得 るために配線抵抗 はラダー抵抗の 2 n以 下でなければならない

ことを示 した。

第 3章 では、まず、 MOSト ランジスタ電流分割原理 を説明 した。その原理 を CMOSラ ダー DA

変換器に応用することによって、 MOSト ランジスタのモビイリテイとボディ効果による影響 を取 り 除かれた。次 に、線型領域に動作 している時の MOSト ランジスタの最大の ドレイン電流 を求め、 ト ランジスタのアスペク ト比の条件 を明らかにした。大 きなアスペク ト比を用いることによって等価抵 抗力Ⅵヽさくな り、 DA変 換器の消費電力 を節約で き、 DA変 換器 を減衰器や乗算器に応用 した際の高 周波歪みが減少で きること力群

Jっ

た。

試作 された CMOSラ ダー DA変 換器のシミュレーシ ョン結果 と実験結果から第 2章 で述べた

R‐

2Rラ ダー DA変 換器の特性評価方法を用いてその特性を検証 した。モンテカルロ解析 によって 8ビ ッ トの分解能を得 るために抵抗の不整合 εが c<0.4%と なる必要があることを示 した。実験結果 とシ ミュレーシ ョン結果 との比較か ら、抵抗の不整合の他 に、 CMOSプ ロセスで集積化 した場合 にアル ミ配線 による配線抵抗が INLに とって最大の誤差原因であることを示 した。又、 CMOSラ ダー DA

変換器の INLが lLSBで ある結果 を得た。 これらの結果は CMOSラ ダー変換器の設計基準 を与え ている。

第 4章 では、 CMOS DA変 換器のシナプス加重用乗算器及び減衰器 としての応用 を示 した。ま ず、ニューロン、ニューラルネットワーク、及びニユーラルネットワークの学習アルゴリズムを説明 して、提案 した DA変 換器をニューロンのシナプス加重用乗算器 として用いる時、デイジタル信号 でシナプスの重みを調整するので、コンピュータを用いた人エニューラルネットワークの学習に適 し ていることを説明 した。また、 DA変 換器の出力を受けるために必要な電流モー ド低入カインピーダ ンスカレン ト 0コ ンベアを説明 した。次 に、提案 した CMOS DA変 換器の ‑3dB遮 断周波数 は

224MH zで 高調波歪み (THD)は 約

0。

1%で あることから、 この変換器はデイジタル制御減衰器 とし て応用で きることを説明 した。

第 5章 では本論文の結論 を述べた。

‑74‑

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

高速デイジタル・アナログ (DA)変 換 には電流セグメン ト方式 と

R‐

2Rラ ダー方式が主に用いられ ている。特 に後者は低消費電力で素子数 も少な く CMOSプ ロセスによる高密度実装に適 している。

本論文 はこの観点か ら行 った

R‐

2Rラ ダー型 DA変 換器 に関する研究成果 をまとめた ものであ り、

全 5章 か ら成 る。

第 1章 は序論で、 DA変 換の諸方式 とその特徴 を述べ、本研究の意義 と目的を明らかにしている。

第 2章 では

R…

2Rラ ダー型 DA変 換器の動作解析 と特性評価法 を述べている。先ず、基準源 として電 圧 を用いる方式 と電流を用いる方式を比較 し、電流モー ド構成が消費電力の面から有利 となることを 示 している。次 に、ラダー抵抗の不整合、スイッチのオン抵抗、及びラダーから出力端子 までの配線 抵抗の 3つ の誤差要因による積分非直線性誤差 い吼 )を 解析 とシュミレーションによって求め、入力 デイジタル値 に対する INLパ ターンがメジャーキャリーに対 してそれぞれ反対称、対称、非対称 に なることを示す と共に、 nビ ットの分解能を得るためには抵抗不整合及び配線抵抗 rラ ダー抵抗 Rの

比 r/Rは いずれ も

2‐

n以 下でなければならないことを明らかにしている。又、ラダーの入出力端子の 電圧・電流測定によってラダーの各抵抗 を求める方法 を提案 し、 4ビ ットラダーにこの方法 を適用

してその有効性 を立証 している。

第 3章 では

0。

m CMOSプ ロセスで試作 した 8ビ ット

R‐

2Rラ ダー型 DA変 換器の特性 を述べてい る。試作 DA変 換器では抵抗 Rの 代わ りに線型領域で動作する nMOsト ランジスタでグラーを構成 し、基準源カウ561LAの 定電流源である。 トランジスタの等価抵抗が理論値 と一致することを確認 し た後、 INLを 測定 し、そのパ ターンがメジャーキャリーに対 して非対称であることか ら INLの 主要 因は配線抵抗であるとし、最適合シミュレーシ ョンによって配線抵抗 rは 約10Ω であると評価 して いる。配線抵抗 を抽出 した後のラダー自体の INLは 1.2 LSBで ある。 この結果は、電圧・電流測定 か ら得 られたラダー等価抵抗の不整合0.45%に よる INLと 極めて良 く一致 している。第 4章 では、

開発 した DA変 換器の 2つ の応用 を述べている。 1つ はアナログ多層ニューラルネットヮークのシ ナプスヘの応用であ り、他の 1つ はディジタル制御可変減衰器 としての応用である。いずれの応用 において も、アナログ帯域幅は約 220ML、 全高調波歪みは

0。

1%以 下の性能が得 られることを実験 と シミュレーシ ョンによって明らかにしている。第 5章 は結論であ り、研究成果をまとめると共に今 後の課題 と展望 を述べている。

電流モー ド

R‐

2Rラ ダー型 DA変 換器 を cMosプ ロセスで構築する際の設計基準 を与えると共に その特性評価方法を提案 し、その有効性 を立証 している本論文は、工学的に極めて有用であ り、博士

(工 学 )の 学位 を授与するにふさわ しい内容であると認める。

‑75‑

参照

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