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雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

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Academic year: 2021

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(1)

濃度の分散を用いた特徴解析に基づく画像のセグメ ンテーションに関する研究

著者 杉山 岳弘

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 19

ページ 227‑229

発行年 1998‑03‑30

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1580

(2)

氏名・(本

  

  

  

(岐阜県)

学位 の種類

 

 

 (工

学)

学位記番号

  

工博甲第

 149 

号 学位授与の日付

  

平 成

9年

3月 22日 学位授与の要件

  

学位規程第5条1項該当 研究科導攻の名称

  

電子科学研究科

 

電子応用工学

学位論文題目

  

濃度の分散 を用いた特徴解析に基づ く画像のセグメンテー ションに関する研究

論 文 審 査 委 員   (委員長)

教 授 竹 内 康 博

 

教 授 水 野 忠 則 教 授 中 谷 広 正

 

教 授 阿 部 圭 一 助毅

 

山 口 高 平

論 文 内 容 の 要 旨

本論文では、画像認識の初期処理における基本的な問題である、画像のセグメンテーション問題に 対 して考察する。画像のセグメンテーションは、大 きく三つの問題、三値化、エ ッジ検出、領域分割 に分類で きる。 これ らの問題に共通 して、エ ッジと領域 に関する特徴量が利用 されている。そ して、

どちらか一つの特徴 を使用 した手法、 もしくは、それら二つの特徴を組み合わせた手法がそれぞれ提 案 されている。具体的にどのような特徴 を使用するかは、結果に大 きく影響するため重要な問題であ る。

ここでは最初に、画像のセグメンテーションの問題に対 して、「画像は複数の連結 した領域で構成さ れてお り、各領域内部の濃度値は、ある平均 と分散 を持 ったガウス分布に従う」として、画像のモデル 化 を行 う。そ して、このモデルにおけるエ ッジと領域に対 して、分散をもとに解析 し、それぞれにつ いて新 しい特徴量 を導 く。

まず、エ ッジに関 しては、領域の境界の接線に垂直な方向の断面、すなわち、1次元における単一の ステ ップ・エ ッジに対 して、ある窓内部における分散の解析を行 う。そして、エ ッジの高さを計算す るための一つの式 を導 く。この式はある窓の内部における全体の分散 と窓の中心に対 して両側の各領 域内の分散 とを計算することでエ ッジの高 さを求めることがで きる。さらに、この式 より、エ ッジの 特徴量 を構成する要素には高 さのほかに信頼度があるべ きことを示す。エ ッジの信頼度は、「高さは小 さいが雑音の影響が少ないエ ッジ」と、「高 さは大 きいが雑音の影響が多いエ ッジ」とを区別するための

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特徴量である。

そ して、エ ッジの特徴量 を利用 して、エ ッジ検出手法 を提案する。 まず、重み関数 を導入すること により窓を一般化 して、エ ッジ特徴抽出器 を提案する。我々は、この抽出器が理論的に1次元における エ ッジの正確 な位置、エ ッジの高 さ、信頼度を計算で きることを証明する。 これによると、この重み 関数が、中心か ら対称、0ま たは正の値、正規化 されている、 とい う三つの条件 を満た してさえいれ ば、各領域の雑音の分散にかかわらず、エ ッジの位置 と高 さを正確 に求めることがで きる。実験では 重み関数 としてガウス関数を選んだ。 このエ ッジの特徴抽出器によるエ ッジの出力はエ ッジの位置で 鋭いピークを持つ。そ して、1次元の人工的なエ ッジに適用 してCamyの特徴抽出器 と比較 した。

次 に、エ ッジ・ベ ク トルの考 えを用いることによって1次元エ ッジ特徴抽出器 を2次元 に拡張する。

エ ッジ・ベク トル とは、エ ッジの高 さがベク トルの大 きさを、エ ッジの方向がベク トルの方向を表す ようなベ ク トルである。まず、2次 元 におけるエ ッジ高 さ関数が、すべての方向の1次元におけるエ ッ ジ高 さ関数のベ ク トル和 によって表わされると仮定する。そ して、このベ ク トル和が、エ ッジ・ベ ク トルを正 しく計算で きることを証明する。 このエ ッジ・ベ ク トル抽出器は、ある点におけるエ ッジの 高 さは、画像上のすべての濃度の重み付けされたベク トルの和によつて計算で きることを表 している。

そ して、複数のエ ッジが近 くに存在 している場合に対 して、我々のエ ッジ特徴抽出器の解析を行い、

エ ッジ高 さ関数は各々のエ ッジ高 さ関数の和によって表 されることを示す。 この解析 をもとに、正 し い位置においてエ ッジを検出するための条件を明らかにする。この条件は、2つのエ ッジの高 さと、ガ ウス型の重み関数の標準偏差 と、エ ッジ間の距離 との関係の不等式で表 される。 この不等式を用いる ことによつて、高 さの大 きいエ ッジと小 さいエ ッジの高 さの比 とその間の距離か ら、標準偏差の入る べ き値の区間を知ることがで きる。 さらに、この条件 と信頼度を用いて、信頼のおける位置でエ ッジ

を検出する手法 を提案する。

最終的に提案 されたエ ッジ検出手法 とCannyの エ ッジ検出器 とを実際の2次 元画像 に適用 して比較 し、本手法の方がエ ッジの位置 と検出能力 においてより優れた結果 を与えることを示す。

また、領域に関 しては、一つ もしくは二つの領域 に対 して、領域内部における濃度値の分散の解析 を行 う。そ して、領域内部の濃度値 における一様性 には、均一性(濃度値が どの程度似ているか)、 質性(分散が どの程度似 ているか)、 同質性(平均および分散が どの程度似ているか)の三つの特徴量が あることを導 く。

そ して、領域分割問題 に関 して、エ ッジと領域の特徴量 を利用することを試みる。ここでは、領域 分割手法 として、「領域情報 とエ ッジ情報 を組み合わせた領域分割手法」を用いる。 この手法は、「境界 である」(エッジ情報)と「一様である」(領域情報)という述語を組み合わせて、画像 を確実に一様である とい う領域 とそ うでない領域 とに分割する手法である。そ して、この手法における、それぞれの述語 に対 して、本論文で得 られる領域 とエ ッジの特徴量 を適用する。

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

本論文には、種々の画像処理・画像認識の基礎 となる画像のセグメンテーション手法に関する研究 成果が述べ られている。

初めに、第1章において、主 として汎用的な画像認識の実現 という立場からセグメンテーション問題 の重要性 と位置づけが述べ られている。

第2章 では、この問題 にたいする従来の研究が概観 され、その不十分な点が指摘 されている。

第3章 では、濃淡画像の一つのモデルを提出 してそのモデルに基づいて解析 を行い、エ ッジ(濃淡の 急激 に変化する箇所)お よび領域(濃度が一様 と見 なせる部分)を抽出するための特徴量 を提案 してい る。特 に、エ ッジにたい してエ ッジ強度のほかに「信頼度」を考 えるべ きことと、領域にたいする「均質 性」と「同質性」を区別すべ きことは新 しい主張である。

第4章 が本論文の中核 をなす章であって、前章の解析 に基づいて具体的なエ ッジ抽出オペ レータと エ ッジ抽出法 を提案 している。まず、エッジの1次元断面における、提案 したエ ッジ抽出オペ レータの 振舞いを解析 している。特 に、複数のエ ッジが近接 して存在する場合 について、エッジ位置が正 しく 求め られるための条件やその とき求め られるエ ッジ高さの誤差 を明 らかにしている。次に、このエ ッ ジ抽出オペ レータを2次元画像に適用するために、ベク トル・エ ッジ・ォペ レータの概念を新たに提案

している。 これによって、エ ッジの方向ごとに回転 したオペ レータを用意することなく、2回の2重積 分 によってエ ッジの方向 と高 さを正確に求めることができることを証明 している。同 じベク トル化の 手法力℃almyの 等方型エ ッジ抽出オペ レータにたい しても適用で きることも指摘 している。

提案 したエ ッジ抽出オペ レータを用いて人工画像および実画像 におけるエ ッジ抽出実験 を行い、

Camyのオペ レータよりもエ ッジの抽出位置力

'正

確であること、信頼度 を併用することによリエ ッジの 高 さは低いが雑音の少ないエ ッジをも抽出できることが示 されている。

第5章 では、3章で論 じられた領域にたいする特徴量 とエ ッジにたいする特徴量を相補的に用いた領 域分割手法 を提案 し、実験 を行っている。このアプローチはまだ十分完成 したものとは言えないが、

領域 とエ ッジにたいする統一的な特徴量の使用 という点で有望な試みである。

第6章 は結論 と今後の展望 に充てられている。

以上のように、本論文は画像認識の基本的な課題であるセグメンテーション問題にたい して、統一 的なモデルの枠組みから取 り組んでお り、実用的にも従来評価の高いcamyのエ ッジ抽出オペ レータを 上回る性能のエ ッジ抽出手法 を考案 している。これは汎用的な画像認識技術の進展に大 きく貢献する 成果であ り、博士(工)の学位 を授与するに十分であると認定する。

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参照

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