香川大学農学部紀要 第50号 1∼108,1987
東洋系シンビジウムの繁殖に関する研究
長 谷 川
咤Studies on the Propagation of OrientalCymbidium
Atsushi HAsEGAWA
緒 言 謝 辞 l 1 2 2 7 8 9 4 5 6 6 6 6 7 ︵U O 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 第1車 種子発芽 第1節 種子に対する温度処理が発芽に及ぼす影響 第2節 Conditioned medium による発芽促進効果について 第3節 種子発芽に及ぼす植物生長調節物質の影響 第4節 種子発芽に及ぼす酵素の影響 第5節 考 察 第6節 摘 要 第2牽 栄養繁殖におけるライゾ・−ム形成 第1節 血 uか0 培養におけるライゾ・−ム形成 第1項 茎頂培養におけるライブ・−ム形成 1.培養開始時期および培地がシュ:/ランのライゾ・−・ム形成に及ぼす影響 2.シュソランのライゾ・−ム形成に対する暗培養の効果 3.ライゾー・ム形成に及ぼす液体静置培養の影響 4カソランのわ uか0 苗の茎頂からのライゾー・ム形成 5カソランの成株からのライブ、−ム形成 6カソランの成株からのライブ・−ム形成に及ぼす植物生長調節物質と 液体振とう培養の影響 3 3 6 7 7 8 0 2 2 5 5 6 6 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3 7考 察 8..摘 要 第2項 偽球茎培養によるライゾー・ム形成 1.カソラソの玩=元汁0苗の偽球茎培養 2春季におけるシュンランの偽球茎培養 3..TTC反応による偽球茎の活性の判定 410月におけるシ㌧Lソランの偽球茎培養 5.11月におけるシュンランの偽球茎培養6考 察
7摘 要
第2節 血8血におけるシュンランの偽球茎からのライブ・−・ム形成 第1項 植物生長調節物質のラノリンべ・−・スト処理の影響第2項 旧茎からの器官形成に及ぼす植物生長調節物質の水溶液処理の影響 37 42 42 43 亜 44 45 49 50 51 51 53 56 58 58 59 59 59 64 64 70 79 81 81 釘 犯 93 94 97 鮎 l 第3項 偽球茎に形成されたライゾ・−ムのわびか0系への導入 第4項 考 察 第5項 摘 要 第3章 無菌発芽および茎頂培養により得られたライゾームの形態の比較 第1節 種子および茎頂からのライゾ・−ム形成 第2節 考 察 第3節 摘 要 第4章/〃 y/打0 におけるライゾームの増殖とライゾ「ムからのシュート形成 第1節 ライゾ・−・ムの増殖 第1項 カソランのライブ・−・ムの生長に及ぼす天然物質と培養中の光の影響 第2項 カソラソおよびイッケイキュウカのライタームの生長に及ぼす天然物質の影響 第3項 ライゾ・−・ムの生長に及ぼすジャギイモ培地の影響 第4項 ライゾ・−ムの増殖に及ぼす液体静置培養の影響 第5項 考 察 第6項 摘 要 第2節 ライゾ、−・ムからの器官形成 第1項 植物生長調節物質の影響 第2項 変温処理の影響 第3項 カソランのシュート形成に及ぼす温度とBAの影響 第4項 イッケイキュウカのライゾー・ムからの器官形成 第5項 摘 要 第5章 斑入り品種の茎頂培養苗における斑の発現 第1節 シュソランの斑入り品種 第2節 キンリョウへソの斑入り品種 第3節 考 察 第4節 摘 要 総 括 引用文献 Sum汁Iary
−1一 緒 ランの種子繁殖および組織培養による栄養繁殖の研究の発展に伴い,多くのランが大魚に生産され,ごく−・般 的に観賞されるようになってきた1・これらほ,普通洋ランと呼ばれるものであり,主に,アジア,中南米の低緯 度地帯に自生するラソ,あるいは,それらから育種されたランである..一・方,中国や日本では,非常に古くから 一・部の階層の人々の間で,中国,日本,台湾,韓国などに自生する地生シ∵/ビジウムを主とするランが観賞され てきた(72,170)・これらのランが,明治以降日本に入ってきた洋ラソと区別され,東洋ラソとして呼ばれること が一・般化したのほ昭和20年(1945)以降のことである(135)・東洋ランには,シナシュンラソ(チエウゴクシュ ンラン)Gymbidium jbrrestiiRolfe,イッケイキュウカCym.jaberiRolfe,ホウサイランq′m.Sinense Willd,カソランq′m・hanT・an Makino,シュンラン(=・ホソシヱ・ソラン)qym.goeringii(Reichb…fiL) Reiehb.fil.,スルガランq′m.e俗びb肋m(L.)SWいなどの他生種や,半着生種のキソリョウへソq′m.pαm肋m, 着生種のへツカランqγm.血γαnαm Reichb.Ⅲ.のようなシンビジウムのほかに,セッコク(チョウセイラ ン)βe花dr・0桝五mmO花i材brme(Linnaeus)SwaTtZや,フウラソ(■7ウキラン)∧屯q/菖ne£わノbヱcαね(Thun− berg)Huなどが含まれる. 東洋ランには−・般に小型のものが多いが,花や菓の均整美が優れ,香りの良いものが多く,葉や花に斑模様が はいるもの(柄物と呼ばれる)があり,その種類が多様であるなどの高い観賞価値をもっている.また,低温や 乾燥に強く,栽培しやすいなどの長所をもち,最近でほ洋ランとの交雑育種も行われている(60).しかし,東 洋ランは洋ランに比べ大葬化しておらず,現在でも−・部の趣味者の間で観賞されているにすぎない.その理崩は, 花が小さく,色彩的にも地味であり,量感に乏しい東洋ラン自体の特色にもよるが,古くから独特の生産,販売 方式をとってきている東洋ランの業界にも一・困があると考えられる.また,大きな原因として,洋ランに比べて 研究者数が絶対的に不足していることがあげられる.研究者が目を向けなかった主な理由としては,東洋ラソの 種子繁殖および組織培養による栄養繁殖が,洋ラソに比べて困難であり,繁殖速度が緩慢であることがあげられ よう.日本でのこの分野における研究として,上田・鳥潟(152−160),王・鳥潟(100,101),Kano(56−59), 渾(120−122),加古(53),田原(137),島崎・上本(124,162)などがある.近年,韓国(65,80)ばかりでな く中国(148)でも束洋ランの研究が行われだし,これまでは省みられることが少なかった,歴史的に古く,そし て世界に誇れる文化をもつ東洋ランの生産や利用がより発展することが期待される.本研究は,東洋ランの中心 をなす地生シンビジウムの繁殖について,主に茎頂培養による栄養繁殖の面から究明するとともに,茎頂培養以 外の方法による繁殖法についても調べ,併せて形態学・組織学的な検討も行った.なお,本研究では特にことわ らない限り,東洋系シンビジウムを地生シンビジウムの意で用いた. 謝 辞 本論文の作成にあたり,京都大学教授浅平端博士の終始懇篤なご指導とご校閲を賜った.また,研究の遂行上 絶えず有益な助言とご指導を賜った香川大学教授五井正憲博士,岡山大学教授小西闘義博士に対し,深く感謝の 意を表する.さらに,前香川大学教授庵原遜博士,香川大学教授井上宏博士,岡谷利一博士,同藤日章涜博士, 同助教授何森健博士よりご鞭撞を賜った.香川大学教授佐藤優行博士には酵素を供与して頂き,熊本県立農業大 学校教授鶴田喜久雄氏には多くのご助言を頂いた.また,寿楽園の平見和士氏および徳田智氏,常盤園の松村繁 三郎氏にほ植物材料の便宜を頂いた.研究の遂行にあたり,花弁園芸学研究室専攻生各位の多大の援助を得た. ここに,これらの方々にたいして謹んで感謝の意を表する.なお,本研究ほ元香川大学教授(故)狩野邦雄博士の ご指導のもとに始めたものである.
ー2−
第1章 種 子 発 芽
自然状態ではランの種子発芽は,菌との共生により行われる(16,39).一・方,ラソ種子の人為的な無菌発芽は, Knudson(67)以来の多くの研究成果をもとに,非常に多くの種あるいは交雑種で可能になっている.しかし, 現在でも無菌発芽に成功していない種や発芽が困難な種がある.発芽が困難な種子では玩=正行0での共生発芽の 研究も行われている(1,15,23,24,39,40). 東洋系シソビジウムには,無菌発芽の困難なものが多く,たとえ発芽しても発芽に要する日数が非常に長くか かるものや,発芽が不揃いなものが多い.このことは繁殖上あるいは育種上の大きな障害となっており,東洋系 (地生)シンビジウムが洋種系・ンソビジウムのように−・般に普及しない1要因になっていると考えられる.近年 になり,東洋系シンビジウムの育種に関心がもたれ,交雑種子の発芽についての研究も行われている(97)が, 発芽条件については,まだ不明な点が多い. 本章でほ,東洋系シンビジウムの代表的な種であるシュンラン(ニホンシュンラソ)qymわid如m goeringi孟Reichenbach fil.とシナシェ.ソラソ(チエ.ウゴクシュ:/ラン)CγTnbidiuTn foT・reStiiRolfeの‘宋梅’の自
家受粉種子せ材料とし,いくつかの処理がそれらの種子発芽に及ぼす影響について検討した.
第1節 種子に対する温度処理が発芽に及ぼす影響(実験1)
種子発芽には一・定期間の低温を経験することが必要な植物が多くあり,特に,温帯あるいほ寒帯地方に自生す る植物では広く認められている.q押r如d払mαCα払わの種子は室内の温度で培養液に15あるいは40日間浸潰 することで発芽し(57),OrCゐ£s mor・わでは種子を液体窒素で凍結処理することにより胚の出現率がたかまる (108).一・方,北欧および北アメリカ産のラン種子では低温処理は不必要である(81)とされている.しかし, 温帯産のシンビジウムでほ,種子発芽に対する低温の影響については明らかにされていない.本実験では,種々 の温度処理が発芽にどのような影響を及ぼすかについて検討した.Tablel.Composition$ Of Vacin and Went medium and Hyponex medium used for the
experiments of seed grermination..
Vacin and Went medium(164) Hyponex medium(55)
Hyponex(N:P:K=6い5:6:19)3(g) 200(mg) 525 250 250 500 28 75 20(g) 10(g) 1000(ml) 5.0−5.2 Ca3(PO4)2 KNO3 KH2PO4 Mg・SO4・・7H20 (NH4)2SO4 FeSO4・7H20損
MnSO4・4H20
SucrOSe Agar☆☆ Water pH Bacto tryptone Sucrose AgaI・普☆ WateT pH 2 20 10 1000(ml) 5.0界:Fe2(C4H406)2・・2H20in the originalmedium was exchanged for FeSO4・7H201
一3−
Table2.Experimentaldesign of Experimentl.
Abbreviation of treatments
Species Liquidmedium Duration(weeks)
0 〇 10 15 20 25(℃) 1 g■HlrO g■Hl−5 gHl−10 g・H卜15 gHl−20 gHl−25 Hyponex 2 g・H2−O gH2−5 gH2−10 gH2−15 g・H2−20 gH2−25 4 gH4−O gH4−5 gH4−10 gH4−15 gH4−20 g・H4−25 Cγmわ王dよ比m gOerエ71g乙乙 gWl−O gWl−5 gWl−10 gWl−15 gWl−20 gWl−25 gW2−O gW2−5 gW2−10 gW2−15 gW2,20 gW2−25
gW4−O gW4−5 gW4−10 gW4−15 gW4−20 gW4−25
Disti11ed wat,er fHl−O fHl−5 fH2−O fH2−5 rH4−0 壬H4−5 fWl−O fWl−5 fW2−O rW2−5 董W4−O fW4−5 fHl−10 fH2−10 rH4−10 fWl−10 rW2−10 fW4−10 rHl−15 rH2−15 fH4−15 fWl−15 fW2−15 fW4−15 fHl−20 fH2−20 fH4−20 fWl−20 rW2−20 fW4−20 rHl−25 fH2−25 托王4−25 fWl−25 fW2−25 rW4−25 Hyponex q′mわよdium /brreぶ〔££ Distiued water 材料および方法 自家受粉後1983年12月25日に採種し,−25℃で貯蔵しておいたシュンラソおよびシナシュ.ソランの種子を Wilson液(168)ご殺菌後,蒸留水あるいはTablelに示した寒天を除いたHyponex培地のシンビジウム用培地 (55,150)を10ml入れた,底面の長さが120mmで直径が18mmのL型試験管に播種した.播種後MONOD−5 塾振とう培養器に試験管を設置し,10−12rpmの速度で,0,5,10,15,20,25℃の温度条件下でそれぞれ1,2,4 週間培養した.これを前培養とし,設定した実験区をTable2に示した.前培養後,Hyponex培地を50ml注 入した250mlのプラスチック製培養器(Falcon社製)に移植し,25℃で培養した.なお,種子数は両種とも各 区まちまちであるが1000−2000の範囲であった.全期間を通じて暗条件下で培養した. 結 果 4週間の前培養が終了した時点における胚の発達状態について,各処理につき30種子を任意に選び,顕微鏡下 で観察した結果をTable3に示した.胚の発達ほ4週間の前培養期間では,培養液あるいは温度により大きな影 響を受けなかった. 寒天培地に移植し25℃で培養を開始した後のシュンランの発芽について,1,2,3,4,10か月後に調査した結果 をTable4に示した.シュ.ソランでは2ないし4週間前培養した種子で3か月後から発芽が認められ,1週間前 培養では4か月後から発芽が認められた.しかし,発芽率は非常に低く,また,前培養温度の影響も一・定せず, 前培養の培重液の影響も認められなかった.10か月後の発芽率をみると,最高は蒸留水を用い20℃で2週間前培 養した区の11%であり,最低ほ蒸留水を用い15℃で1週間前培養した区の0一.34%であった.この時の発芽率は前 培養温度が0℃で培養液間に5%水準で有意差が認められた以外は,前増発の培養液,温度,処理期間の違いに よる有意差ほ認められなかった. シナシュンラソについての結果はTable5に示した.シナシュンランではシュンラソと異なり1か月後に発芽 が認められた.10か月後の発芽率は30%を超す区がいくつかあり,最低でも6%以上であった.前培養温度20℃ においては,1または2週間の前培掛こ比べ4週間で発芽率に有意差(5%水準)が認められた以外は,前培養 の溶液,温度,処理期間の速いによる有意差は認められなかった.−4−
Table3小 Effect of medium and temper・ature Of preculture on development of embryoin Cγmbidium goeringiiand(プγmbidiuTn fbrrestii.
Size of embryo(pm)
Species Medium Temperature(℃)
Length Width 300‥8 101.7 3042 99.2 306.7 105 8 3017 101 7 2975 893 一昔 _J終 2883 96 7 273 3 95 8 292。5 100 0 301.7 103 3 302 5 99。2 288.3 110 0 2933 100 8 299.2 1017 一汁 一一光 2958 101 7 307。5 104 2 3125 1092 275 8 98 3 3017 101 7 2950 95 8 3067 95 8 2766 9ノ42 2833 91.7 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 Hyponex Cヽ・mむ適宜川I gOer乙几g乙乙 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 Disti11ed Water 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 Hyponex q′m血道如m /or・reぶ亡ii 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 Distilled Water
Data were recorded frIOm30 seeds a董ter preculturein shakedliquid medium for 4 weeks
ー5−
TablelいEffect of medium and temperature of preculture on seed ger・mination
in q′mわid£ぴm gOer£7喀i王.
Preculture Rate of seed germination(%)
Medium
Duration Temperature
(weeks) (℃)
Months after・SOWlng Of seeds on Hyponex medium
1 2 3 4 10 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 2 2 0 0 0 0 0 0 0 L 2 1 2 6 9 2 0 7 6 1 5 5 4 1 7 2 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 8 1 0 0 0 0 0 0 8 1 0 0 0 0 0 0 1] l l 1 3 3 0 3 3 0 8 4 3 4 8 2 7 8 Ⅹ e n O p VJ H 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 5 0 5 3 8 1 0 0 0 0 0 0 3 4 1 5 2 5 0 0 0 0 0 0 ■1 1⊥ ワひ ▲4 ∩︶ ∩∠ 6 2 4 1 5 2 8 2 7 4 6 2 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 6 9 0 4 6 5 1 5 4 3 7 5 2 1⊥ 3 0 1 1 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 Distilled WateI 0.29 1一91 0 1.51 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 3 3 0 ︵‖U O O O O 5 3 3 3 2 0 0 0 0 0 0 1 2 5 1 3 3 3 2
−6−
Table5・Effect of medium and temperature of preculture on seed germinationin
Cγmわidfひm/brr・eぶと££.
Precultur・e
Rate of seed germination
Medium
Duration Temperatur・e
(weeks) (℃)
Months after・SOWlngOf seed on Hyponex medium
1 2 3 4 10 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 6 7 9 1 9 5 3 1 0 6 0 ■⊥ 1⊥ りん ■l 一l 3 73 1.56 2け30 3 87 4 69 2 96 354 13.80 2.20 7.61 2.63 6.86 482 8∴70 587 13,07 423 955 247 13.93 3 94 11.41 4.23 16.78 3.81 8.82 459 8 20 5.13 897 256 14 63 600 16 40 591 12“22 579 13 00 2.53 31 70 840 12 41 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 1.02 1 45 020 1.00 2 60 0.27 0“82 3 00 0。71 1.13 2 47 0.98 328 3.93 1.10 293 4り03 e n O p Vノ H Ⅹ 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 0.37 183 2 56 0.59 2…05 5“56 0 2一.36 3.15 0,.09 1.68 3 74 1.15 3 25 0.08 0 0 0 0。29 0い09 0.15 0 0 0..07 0.14 0 1。15 2.07 516 6.87 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 5 7 8 2 5 7 0 7 4 6 6 0 ■13 1 5 0 1エ 2.18 355 10“09 377 612 12 72 3,70 3 95 15.05 9.25 1074 11“89 2.61 305 6 45 294 445 7 92 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 1.31 1..38 1.51 2.18 0..65 2..62 0“91 2,.02 123 3い08 1.79 2.33 1“61 3.21 390 4.18 2,71 4“07 4り95 6 16 5 79 7.73 2.01 282 363 12‥05 4.54 12..40 4.72 13..01 4り04 8‖01 431 8,.27 4 65 30.05 670 22 50 781 16 45 678 30.17 860 21.63 1438 31 33 503 1832 Distilled Water 0 5 0 5 0 5 1 1 2 2 7 2 5 0 1 6 0 3 5 0 0 1山 ■12.1 1小
−7一 第2節 Conditioned mediumによる発芽促進効果について(実験2) 増殖が困難な単細胞や遊離細胞からのカルス増殖において,すでに使用された培地を新培地に加えて培養する と良い結果が得られることがある.この場合,先に培養に使用されていた培地は,培養体によってコソディショ 1=・ソグ(conditioning)されていた培地であることからconditioned mediumと呼ばれ,培養細胞から培地中 に細胞分裂を促す物質が分泌されるものと考えられている(38).本実験ではこの点に注目し,発芽が困難で不 揃いなシュソランおよびシナシュンランと,その他いくつかの種もあわせて,種子発芽に対する conditioned mediumの効果について検討した. 材料および方法 (1)材 料 材料には以下の種子を用いた.
シュニ/ラン:GymbidiuTn gOeriTtgiiReichenbach fil小(1984年10月25日採種) シナシ ュンラソ:勒mわi肋m/brre8££よRolre(1984年1d月25日採種) カソラン:勒mわ孟di㍑mたα托rαn Makino(1984年10月25日採種)
シラン:Bletilla striata(Thunb…)Reichenbach fil.(1983年9月11日採種) クマガイソウ:Cypr如dium jαpOnicuTn Thunberg(1979年10月採種)
(2)方 法
a.Conditioned mediumの作製
Vacin and Went培地(164)を修正した培地(培地組成をTablelに示した.以下これをVW培地とする)
から寒天を除いた液体培地のpHを5‖0−5..2に調整し,L型試験管(底面120×直径18mm)に10ml分注した.ク リーソベンチ内で,Willson液で殺菌したシラン種子を25本のL型試験管に播種した.これを播種しない20本の L塑試験管と一・緒に,MONOD−5型振とう培養器に設置し,25℃,16時間照明(Biolux,NEC製,約1000lx) の条件下で,1984年10月1日から2か月間12Tpmの速度で振とう培養した. シラン種子を播種した試験管から液体培地を乾熱殺菌済みのろ紙でろ過し,さらにミリポアフィルターー(0.45 〟m)でろ過除菌した.この培地を殺菌済みの15本のL型試験管に8mlずつ分注した.残余の培地ほ,ろ紙で滅 しとったシラソのプロトコ・−・ムを乳鉢ですり潰してとった汁液と混合し,ろ紙で2回ろ過した後,ミリポアフィ ルター・でろ過除菌し,10本の試験管に8mlずつ分注した. 以上の方法で準備した培地を以下のように表示した. A培地:シラン種子を播種せずに,2か月間振とうしたVW液体培地 B培地:シランを2か月培養後ろ過した液体培地 C培地:シランを2か月培養後ろ過した液体培地にプロトコーム汁液を混合した培地 b… Conditioned mediumによる前培養 上記5種類の種子をそれぞれ4本のA培地,3本のB培地及び2本のC培地に播種した.播種後,1984年12月 3日から2か月間振とう培養した. c.寒天培地への移植 1985年2月2日に,前培養した種子あるいはプロトコー・ムを殺菌済みのろ紙で滅し取り,100mlユーレソマイ ヤー・フラスコ中の30mlVW固形培地に移植した.穴をあけ,もめん綿を詰めたゴム栓で栓をしたのち/くラフィ ルムでシールし,シランのみは25℃,16時間照明条件下で,その他は25℃,暗条件下で培養した.
−8一 括 果 Table6に示したように,培東関始後2か月目の観察では,いずれの培地においても発芽に大きな差は認めら れなかった.シュソランとカソランほほとんど発芽しなかった.シナシュンランはB培地で発芽数とライゾ・−・ム の生長がやや良好であった.シラソはA培地でB,C培地よりも1週間ほど早く発芽したが,移植後4週目のプ ロトコ・−・ムの発達は培地間で差が認められず,その後のシュ・−トの生長もほぼ同じであった.クマガイソウでは 胚が発達した種子は1つもなかった.
Table6.Effect of conditioned medium on seed g・er・mination and development of embryo in severalterrestrial orchids.
No..of rhiz;OmeS
Conditioned Rate of germinated
medium界 seed(%)
Rateofshoot−developed
r・hizomeorprotocoTm(%)Species
〈5mm 〉5mmand/orramified 10 0 03 0 0 0 q′mわid山m A goerIJ砂乙 B C q′m勃恵山m A ノbrr・eざとii B C q′mわidi払m A ゐα托rαれ B C 月ge££∼Jα A ぶ£「孟α亡α B C q)prわe(プ孟びm A ノqpOrlまcぴm B C 73 8 100 18 130,0 19.0 4 0 960 15.0 0 0 0 0 0.3 0 0 0 0 0 50.3 一槍昇 一一汁非 21.0 −☆# −一汁井 19.0 −■紺 −☆溶 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ︵首一打 a 2 3 3Seeds were preculturedin the conditioned media for2monthsin the dark at12rpm・then
they werIe tranSferred to Vacin and Went agar medium,and cultured for2months at25℃・
,*Conditioned medium:Liquid Vacin and Went(VW)medium shaked for 2 months without
seeds of Blelilla str・iata(A),filteredliquid VW medium shaked for・2months with the seeds
(B),filteredliquid VW medium mixed with pressed juice of protocorm of Bletilla stT’iata・
キ瀞:Blelilla striata does not form】血izo工ne.
第3節 種子発芽に及ぼす植物生長調節物質の影響(実験3)
ランの種子発芽に.対し植物生長調節物質の効果が認められる場合があるが,その効果はランの種掛こよって異 なる、NAAは多くの種に対して効果があり(134),IAAはq′mbidiuTn maSteT・Sii(106)に,IBAは 劫a一 班ogJo亡ぬp∼わα亡αの発芽と実生の生長に効果がある(92).GαSかOdiαe払£αは種子のⅩOH処理と培地への GA添加で種子発芽が高まり(65),同様に,GAの効果は他の種でも認められている(118).また,BAはCb− ule.ya auraTuiacaの発芽に影響する(105).本実験でほ,東洋系シンビジウムの種子発芽に対するBA,NAA,
−9− 材料および方法 実験2で使用した種子と同じシュンランおよびシナ・シ ュンランの種子を用い,次の方法により播種した. a.種子の植物生長調節物質処理方法 BA(ペソジルアデニン),NAA(ナ17クレソ酢酸),GA(ジべt/リソ酸),ABA(アブシジン酸)および Ethr・el(ェスレル)の各0.01,0.1,1,10,100ppm水溶液と,対照区として蒸留水の合計26区を設定した.なお, BA,ABAはNaOH+湯煎で溶解し,NAAはユタノ1−ルで,GAはHCIで溶解したのら水を加え所定感度にし た.これらの溶液はメソプレ・−ソフ万ルタ・−・(東洋ろ紙製,DISMIC−25:0.20〝m)でろ過除菌し,乾熱殺菌 したL型試験管に10ml注入した.播種後試験管をMONOD−5型振とう培養器に設置し,25℃,暗条件下で1985 年2月10日から1週間,12−15工・pmの速度で培養した. b.寒天培地への移植 VW固形培地を50ml分注した250mlのプラスチック製培養器(Falcon社製)に,滅菌済み.の蒸留水を2ml分 注して培地表面を濡らし,乾熟殺菌済みのろ紙で濾し取った種子を移植した.25℃,暗条件下で6か月間培養し, その間定期的に発芽程度,ライゾ・−・ムの発達状態について調査した.なお,播種数は,実体顕微鏡下で3回計数 し,その平均値から求めた. 結 果 1週間の植物生長調節物質溶液による処理で,一・部の溶液に着色が認められた.特に,BAlOOppmのシ.1ソ ラン種子で黄色となり,ABAlOOppm のシュンラン種子でもやや黄色となった.これに対し,シナシュンラン ではBA,NAA,ABAの各100ppm溶液で僅かに黄色となったが,他の濃度では着色は観察されなかった.シ ュソランでは播種後6か月日に調査したところ(Table7),BAの100ppm種子処理ではまったく発芽が認めら れず,他の濃度でほ発芽に大差はなかった.NAA処理でほBAとは逝に100ppmで発芽が促進され,他の濃度 では大差がなかった.GA処理では0.01ppmが他の濃度に比べてややよかった.ABA処理では高濃度で発芽が抑 制される傾向があり,100ppmでは完全に抑制された.Ethr・el処理では低濃度の0.01ppmと高濃度の100ppm で発芽率が低く,特に.100ppmでは発芽はまったく認められなかった.対照区との比較では,NAAlOOppmで 明らかに発芽促進効果が認められ,BA,ABAおよびEthrelの100ppmでは抑制作用が認められた. 一・方,シナシュンランではTable8に示したように,BA処理では0.01ppmと100ppmで発芽率が非常に低く, NAA処理とGA処理では各濃度間に大きな差が認められなかった.ABA処理では0.01ppmで発芽率が低く, 他の濃度ではほとんど差が認められなかった.Ethrel処理では高濃度で発芽率が低下し,特に100ppmでは発芽 はまpたく認められなかった.対照区との比較では,いずれの植物生長調節物質も発芽促進効果がなく,むしろ BAlOOppm,EthrellOおよび100ppmでは抑制効果が認められた. ライゾームの生長状態についてはシュソランでほはとんど差が認められなかったが,シナシュ:/ランでは対照 区が一番良く,次いで100ppmを除くBAの各濃度処理が良好であった.
第4節 種子発芽に及ぼす酵素の影響(実験4)
植物の種子の発芽に酵素が関与するこが明らかにされている.ランの実生からは培地中に酵素が分泌され,実 生の発達段階で分泌された酵素の活性が異なることも明らかにされている(3,4).しかし,ラン種子の発芽に対 する酵素の影響について検討された報告はない.発芽に効果があると期待される酵素として考えられるものは, 細胞壁,細胞膜等の分解に関与する加水分解酵素である.加水分解酵素としては多くの酵素が存在しているので,10 ︵翌u〇1一両⊂t∈J註 pむむS ︼○ ¢︼d再 のq⊃しのの⊂⊃ Nく○く⊃ ▼・→N Ln の▼→mの q⊃寸の寸⊂> ⊂〉P− L⊂〉LC く⊃ p一寸q⊃ ト⊂> の∽のの∽ ▼→寸 トのしつ CO⊂⊃く〇てr⊂〉 1ポ0〇くカ▼→くっ く>⊂〉く⊃⊂〉⊂⊃ ⊂〉く⊃⊂⊃く=〉−− −→く⊃ ⊂⊃く⊃ ⊂〉 ⊂> −→〈=‥⊃くっ くっくっく⊃、・→ く⊃ ∽卜.〇 ∽︿よ▼N▲∈bh−uOぷヨ眉h亀ち芯管領む皇ち蔓岩OU巴d SpおS pβd仁一琶hむぴ .p溜−︷∈空 旨\p弓q已昌居 ︵翌日○牒⊇∵め ﹂ヨ居︶む已○点上再⋮寸 ・・左二王■⋮ニ≒一=・こ ∵\二三一−=主てこきニ=ここごこ≡こ三て曇︰り1=トニ三こ‡ぎ茸・長一・l妄⋮三て亡二・〒===三⋮=こいご=羊立三−て・ p3重層己訣ふ Sp¢¢∽−〇.〇N ・忠言§品亡鳥篭琶ふ︶ 月已○芋雲牒已h&p①む由叩.⊂O ShO葛ln餌巴雲き○−如召dtd−○ぢ岩国.ト心lqdト 匂1N寸∽く⊃ ト,→く♪く♪(治 めと−▼→ ト⊂〉 ∝〉く⊃○つ∝〉⊂> ∝〉くD寸⊂⊃⊂〉 ,.},.」,.→ ▼イ ,→,・→ N N ▼→ ▼・」▼・{ ▼・−1(\】▼・」 ▼・−l▼−■ N 寸一 ⊂) ⊂〉⊂〉く⊃⊂⊃⊂> ⊂〉⊂⊃⊂〉⊂〉くっ くっく⊃⊂>⊂⊃く⊃ ⊂>⊂〉⊂)く⊃⊂) ⊂⊃⊂⊃⊂⊃くっく⊃ く⊃ ⊂I⊂〉⊂〉(=〉く⊃ ⊂〉く⊃⊂〉⊂⊃くっ くっく⊃⊂⊃⊂⊃く⊃ ⊂‥⊃⊂〉く⊃⊂⊃ ⊂)く=〉く⊃⊂⊃く= Sp岩S−〇.dZ *uO焉雲百日①餌−○の乱d責 ▼→ く⊃⊂〉▼−1▼− ⊂) ⊂〉▼→⊂⊃⊂)∽ ′N−くっくっく⊃ ⊂⊃⊂⊃く=⊂)⊂⊃ N▼→⊂=⊃⊂〉 N の の 寸Nの寸⊂〉 トくっく♪く♪∽ ∽くD、→ぐ−⊂) CO⊂〉のCO⊂〉 q⊃Ln・寸ト⊂=〇 _ ▼■,_,・→−叫 ,・→,→ N N ▼→ ▼■▼→ †→N▼→ −→−{N Ln q〇」nののLn −→・→ぐ→しっm のくb甘くつの ⊂〉寸∝〉のくロ トのの卜寸 くっ {」の■トJU⊃くN (カく♪CO∝〉の ト⊂⊃のmの のののの寸 ▼→のN⊂⊃ ▼→ ▼−▼→ −→ †→ ▼→ ▼→ ▼→ 、・→▼・→ ′ N ∞ト勺一ヒーCO Oぐ勺寸てr▼→ ぐQ mのト○ ▼→q⊃トmの 寸∝〉勺tく⊃∝〉 ト N q⊃⊂)ト∝〉 −→<刀トー▼寸∝〉 ヒーLわ・寸トの め⊂>のNの のぐコ▼→▼→く〇 ト ト寸O Cb¢ 一∝‥♪○〇ト ⊂⊃寸寸り∽ の∞トトの COト∽く〇○ ▼→ ▼→N N▼→− N▼→▼→▼→▼→ N▼→†→▼→一 ▼→−→−→▼→†→ ▼−■←■▼−l−■くト ,→ ∝〉一寸▼→のの ∞寸ぐ勺uつN Nの勺t勺1の の⊂⊃∝〉⊂⊃uつ のトーイトN の ∽の寸寸一 のq>トの寸 トく〇めNの のN∞mq⊃ −ぐつ∽∽ト ○〇 くカ¢−→⊂⊃卜 一の卜の∞ −の∽∞くD くっのの⊂0の ○くかく♪ト○ ▼→ ▼}N N N▼→ N▼→▼→▼→▼→ N−→▼→▼→、→ N▼→†→▼→▼→ N−=→{N 00t Ot t 1.〇 一〇.〇 〇〇l 01 − 1.〇 ニ弼∴関 00T Ot ︷ 1.〇 l〇.〇 〇〇t Ot l T.〇 l〇.〇 〇〇− ○︻ l ︻.〇 −〇.〇 h且冠き p¢l1−儀一C ︵∈dd︶ 仁○づd↑一己むUGOU t¢hぷ一国 虻田< <司N 亘ロ
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ー14一 発芽への影響を検討するには,純粋な酵素よりも各種の酵素活性を持つものを使用することが有効であノると予想 される. 材料および方法 供試したシュンラソおよびシナシュソランの種子は,実験2および3で用いたものと同じ種子である. a.酵素処理 本実験でほ,一・般に多糖分解酵素として工業的に利用されている3種を用いた.これらはペクチン,セルロ・−・ ズ,へミセルロトーズ,デソプソ等を加水分解する活性を含んでいる. スピタ・−ゼPK:Bacterialα−amylase,長瀬産業KK製 Fill :果汁清澄酵素剤,丸金醤油KK製 サナクタ・−ゼ末:耐酸性消化酵素剤,明治製薬KK製 各酵素の0.1,1,10,100,1000ppm水溶液と,対照区としての蒸留水の合計16区を設定した.メソプレソフィ ルタIP・(東洋ろ紙KK,DISMIC−25:0.20pm)でろ過除菌した酵素溶液を,乾熟殺菌済みのL型試験管に8ml 分注し,播種後1週間振とう培養した.培養方法および培養条件は実験3に準じた. bり 寒天培地への移植 VW培地を50mi分注した250mlのプラスチック製培養器(Falcon社製)に滅菌した蒸留水を2mi注入して培地 表面を濡らし,乾熱殺菌済みのろ紙で濾し取った種子を移植した.培養条件および調査方法は実験3に準じた. 結 果 6か月後の調査結果でほ,シュンランの発芽ほ酵素により影響されず,すべての区において発芽率に差は認め られなかった(Table9).一・方,シナシュンランでほ,サナクタ・−ゼ末では各濃度間に発芽率にほとんど差が認 められず,スピクタ・−ゼPK,Fi11でも明確な差が認められなかったが,酵素間で比較した場合,全体的にみる とFillで発芽率が高い傾向が認められた. ライブ・−・ムの生長についてみると,シュンランではいずれの区においても差がなく,シナシュ∵/ランの場合は, 対照区および1000ppm以外のサナクタ1−ゼ末を処理した区で良好であった(TablelO)・ 第5節 考 シュソランとシナシ ュソランの発芽に対し,温度処理あるいはconditioned mediumの効果は認められなか った.ラン種子の人為発芽の古典的研究では,OrCゐねやqpみγrγ5の偽球茎を乾燥したサレップ(salep)が培 地成分として使用された(79)ように,母植物の汁液あるいは抽出液を加えた培地での発芽が試みられている・ Vα乃dαでは,完熟種子からの水抽出物を培地に添加しても発芽抑制はおこらない(109)とされている・シラン 種子培養によるCOnditioned mediumの影響について調べた実験2では,シランの発芽が抑制された.その原 因として,COnditioned mediumの作製時に,シラン種子から発芽抑制物質が溶出したためか,あるいは発芽 に必要な物質が消耗されたためと考えられる. 植物生長調節物質の種子発芽に対する影響は,その種類とランの種炉によって異なる.同じシンビジウムでも, 勒mわ£血m mαd払研ではNAAが発芽を幾分促進した(134)という報告があるが,シソビジウムの交配種で はNAAは0.1ppmでも発芽を抑制した(149)という報告もある・実験3では,lyエソランの種子発芽に対し, NAAlOOppmの前培糞で促進効果が認められたが,シナシ ュンラソではすべての植物生長調節物質で効果が認 められなかった.
ー15一 第4節の実験条件下では,発芽の過程に.おいて多糖類の加水分解酵素ほ決定的な効果を示さなかった.さらに 多種摂の酵素,各種条件で実験を行う必要があるが,種子外からの加水分解酵零よりも,むLろ種子内部に起こ る酵素の活性化が発芽時期を決定することも考えられる. 実験ごとに培養期間が異なるため直接比較はできないが,最高発芽率についてみた場合,植物生長調節物質溶 液による前培養においては,シュンランとシナシュンランではそれぞれ1.5%と17…7%であり,また,酵素溶液に よる前培養においては,それぞれ0.4%と10.8%であった.しかし,これらの処理において対腰区と比較しても明 瞭な発芽促進効果ほ認められず,むしろ高濃度では抑制された.従・つて,本章で試みたいくつかの方法では,・シ ュンランあるいはシナシュソランの種子発芽を本質的に改善することほ出来ないものと考えられる. 難発芽の1つの原周として−,qmむi血me乃ざ拘g£αmでほ種皮の肥厚が考えられている(148)が,軸ゐ如ed血m では種皮には原因がないことが確かめられている(127).難発芽種子の場合,実際的には未熟種子を播種するこ とにより発芽率を高めることが可能である(10,11,12,81,83)が,完熟種子を使用せねばならない場合もある. シュンランやシナ・ンユ.ソランの種子は,本実験の結果のように,率は低いが発芽しうる.これらの種の種子形成 ほ容易であり,一・果中の種子数もかなり多い.従って,実用的には発芽率が10%もあれば,ほとんど問題ほない と考えられ,発芽率の向上を図る必要ほあるものの,むしろ低率でも確実な発芽法を確立するのが先決であると 思われる.その方法としては,種子を水に浸す方法(56),KCI溶液による処理(93),KOH水溶液による予措 (53)や密栓(57)の使用などが考えられよう.
第6節 摘
要 シ・ユ・ソランとシナシェ・ソランの種子発芽の促進を目的として,種子に対する温度,植物生長調節物質および酵 素処理の影響,並びにconditioned mediumでの発芽について’調べた. 1.蒸留水またほHyponex−シンビジウム用培地から寒天を除いた液体培地に播種し,0,5,10,15,20,25℃の温 度条件下で1,2,4週間,10−12rpmで振とう培養(前培養)してからシソビジウム用Hyponex培地に移植した 場合,両種とも発芽に対する前培養の温度,期間および培養液の影響は認められなかった. 2.・シラン種子をVacin・Went培地から寒天を除いた液体培地に播種し,25℃,16時間照明条件下で2か月間, 12rpmで振とう培養してconditioned mediumを作り,そのろ液,プロトコーIム汁液を加えたろ液およびVa− Cin・Went液体培地に播種して2か月間振とう培養したのら,寒天培地に移植した場合,シュンランほどの培地 でもほとんど発芽せず,シナシュンランではろ液培地で発芽とライゾ・−ムの初期生長は僅かに良かった. 3・BA,NAA,GA,ABAおよびEthrelの0,0.01,0.1,1,10,100ppm溶液で種子を1週間振とう培養し,Va− Cin・Went培地に移植した場合,シヱ.ソラソではNAAlOOppmで発芽促進が認められたが,シナシュ.ソランで は,それらの効果は認められず,むしろ高濃度では発芽が抑制された. 4.0,0.1,1,10,100,10∞ppmのスビタt−ゼPK,F軋 サナククーゼ末の酵素溶液で種子を1週間振とう培養 し,Vacin・Went培地に移植した場合,発芽に対するこれらの酵素の促進効果は認められなかった.−16−
第2章 栄養繁殖におけるライゾ1−ム形成
植物を栄養繁殖する方法として,組織培糞がますます重要になってきている.ラン塀は主に茎頂培養により繁 殖されるが,それ以外の器官や組織,そして細胞の培養によっても繁殖されている.着生シンビジウムに比べ, 地生シンビジウムの栄養繁殖についての研究ほ非常におくれて−いるが,これまでに報嘗されたところでは,地生 シソビジウムの茎頂を培養した場合,種子の場合と同様に,ライブ仙ムが形成されることがいくつかの種で明ら かにされている(58.161).このライゾーー・ム形成は,着生種におけるプロトコ・−・ム状球体(PLB)の形成に比べは るかに困難である.本章では,地生シンビジウムの栄養繁殖法を確立する第一・段階として,茎頂からのライゾー ム形成について検討するとともに,一つの栄養繁殖法として考えられる加∴最打0での偽球茎培養によるライゾ 1−・ム形成について検討した.さらにわ びか0以外での偽球茎からの器官形成に対する植物生長調節物質の影響 についても調べた. 第1節/〃 山打0培養におけるライゾーム形成 東洋系シンビジウムは他の植物と比べ繁殖速度が緩慢であるが,培養環境が制御しやすいわuか0培養でほ, より高い繁殖効率が期待できる.本節でほ玩′ 漬か0培養における茎頂および偽球茎からのライゾ・−ム形成につ いて検討した. 第1項 茎頂培養におけるライゾーム形成 日本に自生する地生シンビジウムのうちで最も重要なシ/ユニ/ランとカソランを用い,茎頂培養によるライゾ・一 ムの形成に関与するいくつかの要因について検討した. 1.培養開始時期および培地がシュンランのライゾーム形成に及ぼす影響(実験1) 組織培養においては,培養開始時期が結果に影響する場合がある.自生のシュソランは,前年に伸長したシェ ・−十の基部にある腋芽が5月はじめごろから新芽として伸長しほじめ,5月末ごろから地上に出現する(香川県 での場合).新芽ほその後生長をつづけるが,冬期間は生長を停止し,春の訪れとともに生長を再開して5月頃 に完成する.シュンランの茎頂を培養する場合,一L般に最も新しいシ㌧ユ山一トの腋芽を切り取り植え付ける.とこ ろが,上述のように,時期によりシュ・−トひいてほ腋芽の充実度が異なるため,それによ・つてライブ・−ム形成率 に差が生じることが考えられる.そこで先ず,充実度の異なる腋芽を得る方法として,異なる季節に茎頂培養を 開始し,それぞれのライブーム形成率の差を調べた.般初に,茎頂を増養する時期と培地がシュンランのライブ ・−・ムの形成率に及ほす影響について検討した. 材料および方法 1971年6月から1972年10月にかけて2か月ごとに,香川県三木町内の雑木林の林床からシュンランの新茎を採 取し,外側の2∼4枚のしょう菓(袴)を取り除き,発根している場合はその板および普通菓の薬身を切りすて, 菓鞘に包まれた偽球茎のみに粗調整した.その偽球茎を水洗したのち,表面殺菌のため70%ユタノ・−ルに30∼60 秒間浸潰し,さらに7%次亜塩素酸カルシウム溶液の上澄液に10分間浸潰した.それを滅菌水で3回洗浄後,実 体顕微鏡下で新茎のうちで投も充実した腋芽(通常,下から1∼3節目の腋芽)を1芽選び,1∼2mmの大き さに切り取り,培地に植えつけた.外植体数は1培地当り30∼40とし,培地の乾燥を防く小ために密栓とした.培−17一
地ほMurashige一Skoog・培地(91)(以下MS培地と略記),Linsmaier”Skoog・培地(82)(以下RM培地 と略記)にNAAlppm,Kinetin O小1ppmを添加した培地と,Kyoto solution(150)のシンビジウム用培地
を修正し,b当り,Hyponex(N:P:K=6.5:6:19)3g−,Bacto−Tryptonelg,InositelOOmg,Thiaminl・HClO.4 mgとした培地(以下H培地と略記)の3種塀とした.いずれの培地もしょ糖および寒天の最ほβ当りそれぞれ 30g・および10gとした.pHをMS培地およびRM培地では5.7−5.8,H培地では5.0・・5.1に調整したのち120mmX
12…5mmの試験管に8ml分注し,1.1kg/cnfで15分間殺菌した.培養は25℃定温,植物育成用ランプ(Biolux,
NEC)による16時間照明(約5001Ⅹ)の条件下で行った.以下,この培養条件を明条件と略述する. 結 果 ライブ・−ムはどの季節に植え付けた茎頂からも形成された(Fig.1).ライゾt−ムが形成されるまでの日数ほ, 一般に60∼90日,遅い場合ほ120日であった.ライゾ・−ム形成率は茎頂の植え付け時期および培地の種類によっ て異なった.すなわち,培地組成がほとんど同じであるMSおよびRM培地では,ライブ・−・ム形成率はほぼ同様 な変化を示し,4月の培養で最も高く,採取する腋 芽が新茎として伸長しほじめる6月の培養では低か 100 Medium O M S ロ R M ▲ Hyponex O \○\○、。/
ったが,6月以後は時期が遅くなるはど,徐々に高 くなった.冊・方,H培地では,ライブ・一ム形成率は 6月に最も高く80%であり,他の時期ほ50%以下で あった. 1972年4月26日と6月21日に培養して形成された ライゾ仙ムについて調査した結果,MS培地および RM培地で形成されたライブ・−ムに比べ,H培地で 形成されたライゾ・−ムがやや大きい傾向が認められ た(TAblell,Fig\.2).しかし,培養日数の経過と ともに,H培地では褐変死するライゾームが多くな った. 以上の結果より,以後の茎頂培養にほ,ライゾ・−・ ムが周年にわたり比較的高率で形成され,培地調合 のより簡単なRM培地を主として使用することにし 80 60 ︵邑二石t葛∈hOJ む己○恩j銘 40 1971 1972 6…15 8.1510い1312一.202い24 4.26 6…218…2510.21 Date of explanting of shoot tipFig.1.Seasonalchang・eSOfrhi2;Omeformation in shoot tip culture of qγmbidium
gOerlJlg乙乙●
Data were r・eCOrded180days after the explantation of shoot t,ip
た. また,ライゾームが形成されるまでに長期間かかることから生じる培地の乾燥を防く−ため,以後の茎頂培養で も密栓を用いた. 2‖ シュンランのライゾーム形成に対する暗培養の効果(実験2) 一腰に,ランの茎頂培養は明条件で行われ,本章の実験1でも,明条件下におけるライゾ・−・ムの形成について 検討した.しかし,シュンラソは地生種であり,種子発芽には陪条件が好適であるとの報告がある(37).そこで 茎頂からのライゾ・−ム形成に及ばす暗培養の効果について検討した. 材料および方法 50%遮光の無加温ハウス内で養成したシ㌧1ンラソの新茎を1983年6月1日に採取し,充実した腋芽を1∼2mm の大きさに切り取り,1培地に25個植え付けた,培地はNAAlppm,Kinetin O.1ppmを添加したRM培地と
ー18−
Fig・2・Rhizome development of CγmbidiuTngOeTmgl−in shoot tip
Cu址ure.Shoot tip culture wasinitiated onJune21,1972and the photogTaPh was taken on March5,1973after・258days culture.
Fig.,3。Rhizomes of CγTnbidiuTngOeringiiformedin shoot tipculture under thelight and dark conditions.Shoot−tip culture was initiated onJunel,1983.and the photogr・aph was taken on October・7,1983 after128 days culture.
19 ︵如∈︶ ︵∈已︶ ︵已ヨヒ︶ 貴官豪 h礫岩妻H卓ぎ3 hむq百nN ︵如日︶ む∈ON3h葛▼ 甚句牒き む弓ONlぷ再 〇.の¢ 冗 ∴モ舗 N.N寸 寸.¢の ∞.瓜寸 ¢.∞寸 ・已○づ嘩∈ト○︼む己○鳶ぷト宍∴温点b已∵琶遥ぷ管長︶ 繁︰賀ヨnU dぷ盲○甥穿てnp S∽呂宅凛−○︼Uむー岩.Nl¢lqdト .3沙hでむ○軸∈3唱ぶ∈ふ︺︼○巴nゴnU dt︸]ち○甥雇已○︷葛∈hO︼¢已ON一月h已○百n竃¢已−○ぢひー︼国.コ¢tqdト ︵∈∈︶ 聖ヒ○虻上h ︼O h黒石貞コぷR ︵d\q︶ ︵誉已O一馬∈hよ む己○思ぷh−○ む霊威 の.N り.N ∽.N ∽.の ト.N ∞.N ︵∈2︶ 心己ONぷh JO ︵q︶ p聖点こnS S盲由一dポひ pむ百hO︼ −¢已ON3hち.〇N S召dtd率U Jb.〇N の.寸t め.〓 −.−t 〇.Ct の.Nt の.NT .曾︸ぢ○甥叫○ 妙曇慧ld宏 .dt︼盲○霊︸○ 瞥召還d盟 霊地宕J ∽む己ONヱh竃.〇N .dt︼ 盲○占S葛 餌已t盲dtd崇:ぷーhβ罵 のヨGO∈ 寸p名↑OU巴 巴むき d葛口 盲dld星 寸.t ∽.一 寸.− 寸一 一.1 卜.− 遥ア屋焉 ∽きp ∞∽N p名hOU巴 巴¢きd葛q⋮q 父ち hβ葛 Shdp 等N p¢phO崇と︻ む白だ芦、雫罵バー⋮d p¢︸東口一己d一己OU ∽盲由一d霊葛.〇N 百n竃ひ一言 賢妻長d粥むー○ む扇C ︵d︶ ∽盲jd霊 ︼〇.〇N Nト巴.忘上呂nb q d Nト巴.盟二宅d< 已○叫ゴp□OU 芸餌コ
−20− し,150mm x20mmの試験管に8ml分注して使用した.茎頂を植え付けたのち,25℃定温の前実験と同じ明条 件(明区)と暗条件(暗区)で培養した. 結 果 培養開始後4か月日の結果をTable12とFig.3に示す.植え.付け後ライゾー・ム形成が確認されるまでの日数 ほ,暗区で30∼45日,明区で60∼90日となった.暗区では明区に比べライゾーム形成率が高く,形成されたライ ゾ・−ムの生長も優れ,生体垂は9.4倍であった.また培養開始時期がおなじ6月であり,明培養条件で行った実 験1のRM培地に形成されたライゾー・ムに比べると,本実験の暗区のライブ−・ムは培養期間がはぼ半分であった にもかかわらず,生体塞が大きかったことからも明らかなように,ライゾ・−・ムを形成する地生シンビジウムの茎 頂培養にほ暗培養が効果的であると考えられる. 3.ライゾーム形成に及ぼす液体静置培養の影響(実験3) プロトコ・一ムを形成する種でほ,しばしば液体培地が使用されろ(2,115,169)が,ライゾ、−・ムを形成する種で ほその効果が確認されていない.ここでほ茎頂からのライゾ・−・ム形成に対する液体静置培養の影響庭ついて検討 した. 材料および方法 1985年5月13∼14日に,50%遮光の無加湿ハウスで栽培し養成したシュ.ソランから新茎を採取し,腋芽を1−2 mmの大きさに切り取り,NAAIppm,Kinetin O;1ppmを添加し,寒天を除いたRM液体培地を10ml分注し た150mm x20mmの試験管に1芽ずつ植え付け,0,2,4,16週間静置培養した.外植体数ほ各培養期間当り25 とし,25℃,暗条件で培養した.液体静置培養後,寒天10g/必を加え.た同組成の固体培地に移植した.なお,毎 週1回の調査時に液体静置培養の試験管を手で軽く振り,液体培地への酸素の供給をはかった. 結 果 茎頂培養開始後16週間目の調査結果をTable13に示す.ライゾ・−・ム形成率は液体静置培養期間が長くなるに つれて明らかに低下した.対照区.で76%と最も高く,全培養期間を液体静置培養とした16週間区では,明確にラ イゾームと判別できるものほ形成されず,わずかに3外植体が伸長したのみであった.これらの外植体ほ,りん 片薬に包まれた状態で伸長したが,固体培地に移植すれば,正常なライゾームに発達したと考えられる.形成さ れたライゾ、−ムの長さや生体垂ほ,各区間に有意点差は認められず,本実験の結果からは,シュソランの茎頂培 義におけるライゾー・ム形成に対し,液体静置培義の効果ほないと判断できる.移植の労力を考慮すると,少なく ともシュンランの茎頂培養では,最初から固体培地で培養するのが有利であると考えられる. 4“カンランのノ〃 山打0苗の茎頂からのライゾーム形成(実験4) これまでの報告では,カノラソの茎頂培養は非常に困難であるとされている(153,161).成株を材料とするに 先立ち,玩し高け0で生長中の苗を用い,茎頂培養によるライゾ・−・ム形成の可能性について,培地組成との関係か ら検討した. 材料および方法 1976年7月5日に,1968年以来継代培養を続けている種子由来のライブ・一ムから形成され,i托 Uか0で生長中 の,普通薬の数が2∼・3で最大薬長が5へ・10cmの苗を取り出し,その大きめの腋芽を1∼2個選び,1∼・2mm の大きさに切り取り,RM培地の無機成分濃度を変更した10種類の培地(Table14)に直ちに植え付けた.培養 ほ25℃,16時間照明の条件で行った.
−21一 緒 黒 埼養開始後5か月日の結果をTable14に示す.カソランの£花Uかd苛の腋芽を培養するとライゾーー・ムが形 成されたが,その形成率は低かった.ライゾ・−・ム形成は培地により差があり,培地の無機成分濃度が最も低い10 分の1の希釈培地で外植体の生存率が最も高く,ライブー・ム形成率も高かった.しかし,これらのライゾ・−・ムほ いずれも他の培地のライゾ・−・Åに比べて小さかった.また,BAの濃度が高まるにつれて外植体の生存率が低下 し,NAAIppm,BAlOppm,AdeninelOppmと植物生長調節物質を最も多く添加した培地(H区)では, すべての外植体が褐変死した.ライゾーム形成に対するAdenineの密接的効果は認められなかったが,Adenine を添加したF,G,Ⅰ区のいくつかの外植体が肥大し,1∼3個の突起を発生した(Fig.4).これらの調査後に, 植物生長調節物質を除いた培地に移絶したところ,F,Ⅰ区.のそれぞれ1つの外植体からライブ・−・ムが形成された. 以上のように,これまでは茎頂培養が不可能とされていたカソランでも,£花Uか0萌から外植体を得た場合に は,ライゾ・−ムが形成されることが明らかとなった.
Fig.4…A shoot tip,Which was excised from plantletof CyTnbidium hanran
grOWninuitro,formedthreeprotuberancesonGmedium,COntaining lppm NAA,5ppm BA andlO ppm Adenine.The photograph was
taken 5months after the explantation of shoot tip
5“カンランの成妹からのライゾーム形成(実験5)
カソランのわびか0商の茎頂培養には,無機成分濃度が低い培地が適することが明らかとなった.ここでは 成株からのライゾ・−ム形成の可能性について,培地の渡度とココナッツ・ウオーク・−の影響の点から検討した.
−22一 材料及び方法 1983年6月10∼13日に,カソラソの成株の新茎を採取し,前述のように調整と殺菌を行ったのち,すべての肢 芽と頂芽を1∼1.8mmの大きさに切り取り,培地に植え付けた.培地はRM培地を基本とし,無枚成分を1/1, 1/2,1/5,1/10に索釈した培地と,これにココナッツ・ウォ・−メトー (CW)を10%(Ⅴ/v)加える培地の合計8培地 を設定した.それらの培地にはNAAlppm,Kinetin O…1ppmを添加し,150mmx20mmの試験管に8ml 分注した.なお,CW添加培地ではInositeとThiamin・HClを除いた.1培地当りの外植体数は20∼35とし, 25℃,暗条件で培養を行い,培養後6か月目と13か月日に調査を行った. 結 果 ライブ・−・ムほ植え付け後30∼90日目に形成され始めた.6か月日のライゾ・−・ム形成率(非汚染外植体に対する ライゾ・−ム形成外植体の割合)は,Fig.5に示すように1/1および1/2RMではCWの添加の有無にかかわら ずほぼ同率であった.これに対し,1/5RMではCWの添加によりライブ1−・ム形成率が著しく高まった.しかし, 無機成分濃度が最も低い1/10RMではCWの効果は認められなかった. 13か月日のライゾ・−ム形成率は,CW無添加の場合,どの濃度の培地でもはぼ20%で,きわめて低かった.−・ 方,CWを添加すると,無機成分濃度が低い培地ほどライゾ・−ム形成率は高まった. 形成されたライゾー・ムの大きさについてみ.ると(Fig.6),ライゾ・−ムの直径は,無機成分濃度およびCWの添 加の有無に関らずはぼ同じであった.これに対し,ライゾ−ムの長さはCW無添加培地では明瞭な傾向は認めら れなかったが,CW添加培地では,無機成分濃度が低いほど短い傾向が認められた. 以上の結果より,ライゾー・ム形成率および形成されたライゾ・−ムの大きさの両面から判断すれば,カソラソの 茎頂培養の培地としてほ,RM培地の無機成分濃度を1/5とし,CWを加えた培地が適していると考えられる・ 60 ● CWwasadded O CWwasnotadded − LengthofThizome − ̄ DiameteIOfIhi2;Ome O ● CWwasadded O CWwasnotadded _ / 20 0 1 ︵∈己︶¢百ONぷトーO h名賀岩石p喜:宣ぎ3 − AfteI −−A董teI・6 ︵邑二岩l葛∈hO︼ む已○思ぷ再
\ ●
●⊥○ \ ▲_/。
\ \○ 〆′\
● \.〇 20 0−・・−○ \ \ \ \ ● i=−・d=さニ=∫=み・・○嶋;こニ♀ \ 0−−−−0 0 RMl/2RM l/5RM l/10RM
Fig。6。Effect of concentration of nutrients and COCOnut Water(CW)in the medium on
thedevelopmentofrhizomeofCγTnbidium
ゐα花rα几
Data were recorded13months after the explantation of shoot tip.
RM
l/2RM l/5RM l/10RM
Fig。5..Effect of concentration of nutrients and coconut water(CW)in the medium on therhi2:OmeformationinshoottlPCulture Ortheinatureplantof qγmわよd払mゐα花rα花.