情報系大学生に対する自発的成長を促す

Download (0)

Loading.... (view fulltext now)

Full text

(1)

- 109 -

人間科学研究 Vol. 27, Supplement(2014)

修士論文要旨

1.問題と目的

 独立行政法人情報処理推進機構(2013)に よれば,情報系大学生は社会から専門知識以 外に多くのスキルを求められている.(IPA 2013).そこで本研究では,情報系大学生に焦 点を置き,社会人として必要な幅広いキャリ アスキルを形成できる望ましいキャリア教育 の あ り 方 を 明 ら か に す る た め に, ワ ー ク ショップ(以下,WS)を実施し,学生の自 発的成長が起こりやすい学習形態とその効果 を検討することを目的とした.

2.大学生のキャリア教育に関する先行研究  先行研究からキャリア教育に必要な構成要 素を抽出した.上位5要素は1)自己理解力,

2)主体性,3)チームワーク力,4)コミュニ ケーション力,5)課題解決能力であった.ま た,各省庁で提唱されたキャリアに関する主

要能力論をカード化し,整理して分類した(図1).ここか ら学生が社会から求められているスキルには,基礎能力,認 知能力,対人能力,ソーシャルスキルといった構成要素が 全て含まれることが明らかになった.

3.ワークショップの実施 3.1 事前調査1・2

 本WSを受講する学生の所属する情報系学部の教員15名 に先述のキャリア教育に必要な構成要素の上位5要素を提 示し,重要と考える項目に優先順位をつけてもらった結果,

「主体性」と「問題解決力」が上位に挙がった(事前調査 1).次に学生に事前インタビューを行い,多くの学生がコ ミュニケーション力を擁する活動が「苦手」ということが 分かった(事前調査2).

 そこで本研究のWSでは事前調査1の結果から1)「主体 性」,2)「課題解決能力」,事前調査2の結果から3)コミュ ニケーション力」,4)「チームワーク力」,事前調査1の自 由記述から教員から要望の高かった5)「課題発見力」,全て の基盤となる6)「自己理解力」の6つの力を伸ばすことに ポイントを置いた.

3.2 ワークショップのデザイン

 研究協力者は私立大学情報系研究室の学生・院生14名を 対象に4時間半のWSを実施し,学生が自分自身の持つスキ ルや表現方法の特徴に気づくことができるデザインとした.

3.3 ワークショップの評価方法

WSの評価は1)プレテストと2)ポストテスト(質問紙調 査),3)WSのプロセスに関する評価(ビデオ映像の分析),

4)事後アンケート(自由記述式質問紙)を実施した.

3.4 結果と考察

 学生間の発話を分析した結果,課題からずれても自分た ちの好きな方向に進もうとしているグループが多く見られ た.本WSは1回限りであったが,事後アンケートにおい て9割の学生が自己のキャリアスキルの不十分さを見直す ことができたとする見解が多く見られた.

4.総合考察

 本研究は学生の自発的成長を促すことを目的としたWS の検討を行った.適度な難易度の双方向的な環境(WS)を 提供すると,限られた時間であっても学生の自己理解(自 己客観視)がスムーズに行われることが推察された.

情報系大学生に対する自発的成長を促す

キャリア教育のためのワークショップデザインの検討

A Study on the design of a Career EducationWorkshop to Encourage Spontaneous Growth ofUniversity Students in the Computer Science Major

鈴木 範子(Noriko Suzuki)  指導:野嶋 栄一郎

図1 大学生に求められるキャリアスキル

Figure

Updating...

References

Related subjects :