わが国法人税の経済分析 : 税負担に関する公平性
について
著者
林田 吉恵
学位名
博士(経済学)
学位授与機関
関西学院大学
学位授与番号
34504甲第484号
URL
http://hdl.handle.net/10236/12598
わが国法人税の経済分析
-税負担に関する公平性について-
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目次
目 次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 序 章・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 第 1 章 わが 国の法人 税改革と企業 の税負担 -課税ベース の拡大に よる税負担率 の格差の 検証 - 1 本章の問題意識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 2 1 9 9 8 年 度 ( 平 成 1 0 年 度 ) 法 人 税 制 改 革 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1 2 3 企業の税負担率の考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 4 利益指標として「税引前利益と引当金」を用いた推計結果 4.1 日経財務データと分析方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 4.2 財務省型実効税率と日経財務データから求めた税負担率の推移・・ 20 5 業種間での税負担率について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 5.1 日経財務データを使った各年度の税負担率・・・・・・・・・・・・ 21 5 . 2 1 9 9 8 年 度 税 制 改 正 以 降 の 税 率 と 引 当 金 経 過 措 置 の 影 響 ( 仮 想 税 負 担 率 ) ・ ・ ・ ・ 2 5 5 . 3 租 税 特 別 措 置 と 繰 越 欠 損 金 の 影 響 ・・・・・・・・・・・ 2 7 6 む す び ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 2 8 補論 1 1 税負担率の考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 1.1 税制改革前の課税ベース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 1.2 税制改革後の課税ベース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 第 2 章 わが 国非営利 法人の課税改 革につい て -公益法人税 制の現状 と問題点- 1 本章の問題意識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 2 公益法人とは 2.1 公益法人の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 322 2.2 公益法人の定性的議論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 3 公益法人税制 3.1 公益法人と課税(公益法人非営利課税の根拠)・・・・・・・・・・ 35 3.2 現行の公益法人税制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 3.3 新たな公益法人税制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 4 公益法人の実態検証と課税問題 4.1 公益法人課税の問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 4.2 公益法人の実態検証・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39 4.2.1 規模別でみた公益法人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40 4.2.2 赤字法人・黒字法人比率・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 4.2.3 補助金の有無で見た公益法人・・・・・・・・・・・・・・・・ 47 4.2.4 指定寄付金の指定の有無・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 4.2.5 特定公益増進法人の認定・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 4.2.6 役員報酬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52 5 むすび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 第 3 章 わが 国法人企 業の税負担 -中小法人と 大法人の 限界実効税率 の比較を 中心に- 1 本章の問題意識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 2 中小法人と大法人税制の違い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63 3 理論的フレームワーク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66 4 分析データ・分析結果 4.1 推計データ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 70 4.2 分析結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 74 5 むすび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76 第 4 章 キャ ッシュ・ フロー法人税 の研究 - 税率の試算と 業種間の 税負担率- 1 本章の問題意識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78 2 キャッシュ・フロー法人税 2.1 キャッシュ・フロー法人税とその仕組み・・・・・・・・・・・・・ 79
3 2.2 キャッシュ・フロー法人税の中立性・・・・・・・・・・・・・・・ 79 2.3 キャッシュ・フロー法人税と現行法人税の課税ベースの違い・・・・ 82 3 キャッシュ・フロー法人税の考え方と計測方法 3.1 先行研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 3.2 計測方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86 4 分析結果 4.1 税率の計算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87 4.2 業種ごとの税負担率の違いについて・・・・・・・・・・・・・・・ 92 5 むすび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100 付表 1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 101 第 5 章 わが 国法人 税 負担の計測 -GKS 実効税率を用い て- 1 本章の問題意識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 104 2 先行研究と GKS 実効税率 2.1 先行研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 105 2.2 GKS 実効税率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 106 2.3 GKS 実効税率の符号条件について・・・・・・・・・・・・・・・・ 108 3 分析方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 109 4 計測結果 4.1 年度ごとの GKS 実効税率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112 4.2 業種別 GKS 実効税率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115 5 むすび・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 117 補論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 119 終章・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 122 参考文献・資 料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 128
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序章
2011 年度(平成 23 年度)決算に おける日 本の国税収入 は 45 兆 1,754 億円で あったが、そ のうち法 人税は 9 兆 3,514 億円 であり、全体 の 20.7%を占めてい る。この税収 規模は所 得税 13 兆 4,762 億円 、消費税 10 兆 1,946 億円に次いで 大きい。先進国の 法人 税の比重(国税)を 見 ると、アメリカ は 15.9%、イギリ スは 11.3%、ドイツ は 2.6%、フランス は 14.5%となっており 、 日本において 法人税の役割 がいかに 大きいかがわ かる。 現在、法人 税に関す る最大の課題 の一つは 、国際的に高 くなって いる日本の 税率を引き下 げであろ う1。高い法 人税率が日 本企業の投資 を阻害し 、国際競 争 力を弱めてい るとされ るからである 。しかし 、法人税の負 担は税率 のみで決ま るわけではな く、税率 が適用される 課税ベー スにも大きく 依存する のであり、 法人税の制度 設計にお いては課税ベ ース を含 めた検討が必 要である 。上述した ように、日本では 法人 税が大きな比 重を占め ているだけに 、「公平 」、「中立 」、 「簡素」とい う租税原 則に照らして 望まし税 制を構築する ことが経 済と財政に とって重要な 政策課題 であり、これ までにも 法人税は大き な制度改 革を経験し てきた。 戦後から高 度経済成 長期、安定成 長期にか けての法人税 改革の歴 史は税率の 引き上げの歴 史であっ た。その後、 経済のグ ローバル化と それにと もなって各 国が税率を引 き下げて きたこと、経 済の成熟 化によって日 本企業の 活力が衰え を見せ始めた ことなど から、法人税 の税率は 引き 下げられ ていく。 しかし、そ の中で特筆す べき制度 改革は、法人 税率を引 下げと、課税 ベースの 拡大が同時 に行われ た 1998 年度 (平成 10 年度) の改 正である。 その背景には 、当時の 法人税の実態 を踏まえ て政府税制調 査会の法 人課税小 1 2012 年度 (平成 24 年 度 ) 法 人 税 率 は 25.5% で あ る が 、 平 成 24 年 4 月 1 日から 平成 27 年 3 月 31 日ま での期間内に 最初に開 始する事 業年 度から同 日以後 3 年 を経過する日 までの期 間内の日の属 する事業 年度について は、基準 法人税額の 10% の 復 興 特 別 法 人 税 が 課 さ れ る 。 平 成 23 年 度 ま で は 法 人 税 率 は 30%であっ た。2013 月 1 月現 在 、日本の財務 省型実効 税率 35.64%、アメリ カ(カルフォ ルニア州)40.75%、フランス 33.33%、ド イツ(全ドイ ツ平均) 29.55%、中国 25.00% 、 韓 国 ( ソ ウ ル ) 24.20% 、 イ ギ リ ス 24.00% 、 シ ン ガ ポ ー ル 17.00%と なっている。5 委員会報告( 平成 8 年 )が指摘した 次の課題 が存在する。 第一に、 企業間・産 業間に中立的 で経済活 動に対する歪 みができ る限り少ない ものとす る。第二 に、 税負担の公平 や、税制 の透明性が求 められる 。第三に、退 職金制度 等の日本的 制度の法人課 税への取 り入れを見直 すべきで あり、最後に 、租税回 避への的確 な対処をして いかなく てはならない 。 このように「 課税ベー スを拡大しつ つ法人税 率を引下げる 」ことに よってよ り多くの企業 が公平に 法人税を負担 し、その 結果として法 人税が企 業や投資活 動に及ぼす歪 みを小さ くするという 中立性の 改善が期待さ れたので ある。 以上のよう な改革が なされてきた のである が、法人税に ついては 負担の実態 について十分 な検証が なされていな いのが実 情である。現 在、税率 引下げの要 望が経済界を 中心に出 されているが 、法人税 法上の税率は 同じであ っても、課 税ベースの範 囲や租税 特別措置など の利用状 況によって、 税負担率 が異なる場 合があり得る 。税制が 特定の企業や 産業を優 遇したり、逆 に厳しく 課税ベース を算定する等 、差別的 に課税したり すること で税負担には 格差が生 まれること になる。 本論文の第一 の目的は 法人税の負担 をとくに 公平性に着目 して検証 すること である。あら ゆる税は 最終的には個 人に帰着 する。法人が 納税義務 者であり、 利 潤 で 負 担 す る こ と が 想 定 さ れ て い る 直 接 企 業 税 で あ る 法 人 税 も 例 外 で は な い。法人税を 個人所得 税の前取りと みなす「 法人擬制説」 の立場を 取る場合に は、個人ベー スでの公 平性が問題と されるだ ろう。また、 法人税が 転嫁される とすれば、最 終的な 帰 着を考慮して 公平性を とらえる必要 があると いう主張も ある。しかし 、先の政 府税調法人課 税小委員 会報告にもあ るように 、現実の法 人税問題は企 業への負 担という視点 で議論さ れている。本 論文でも この立場を 取ることとす る。した がって、法人 税負担に おける公平性 とは企業 間の税負担 (率)に差が 存在しな いことと考え る。企業 間に税負担格 差が存在 するなら公 平性を阻害し 、そのこ とが投資にお ける中立 性を阻害する ことにな る。 本論文の第二 の目的は 中立性を改善 するため の法人税負担 のあり方 を提示す ることである 。法人税 の負担格差は 企業間・ 産業間 の投資 選択の中 立性を歪め るが、同時に 、法人税 の設計次第で 、設備投 資をはじめと した事業 活動を歪め るとも言われ ているか らである。
6 このように本 論文は法 人税の負担に 焦点を当 てるが、そこ で問題と なってく るのが法人企 業の税負 担について、 どのよう な尺度で捉え れば良い のかという ことである。 法人の「 税負担」を表 す指標 に は様々なもの があり、 「税負担」 として適当な ものを見 出すことは容 易ではな い。 「財務省型実 効税率」 は、国税であ る法人税 と地方税であ る事業税 (道府県 税)および住 民税法人 税割(道府県 民税と市 町村税)とを 考慮にい れて 税負担 の指標を考え ようとす るものである 。しかし これは課税ベ ースを所 与のものと しており、表 面税率を 足しあわせ、 事業税に ついて若干の 調整を加 えただけの ものであるこ とから企 業の実質的な 税負担と するには適当 とはいえ ない。ま た、 法人税には軽 減税率が 設定されてい るが、「 財務省型実効 税率」で は最高税率 しか考慮され ていない 。地方税(法 人住民税 、事業税)の 負担の扱 いについて も、標準税率を 使用し ているが、多く の地方 自治体では超 過課税を 行っており 、 実際の税負担 は「財務 省型実効税率 」よりも 高いと考えら れる。 次の税負担の 指標とし て 、所得に対 する税額 の割合という 平均概念 がある。 それは、法人 税収の法 人所得に占め る割合 で あるが、 マク ロ経済指 標 では、分 母の法人所得 は、赤字 法人の欠損額 と黒字法 人の所得額と が通算さ れた結果で あるため、赤 字申告法 人が多いほど 分母は小 さくなり、 こ の指標の 数値が大き くなる。また、いわ ゆ る「経済的所得2」を推 計し、これに対 する法 人課税の税 負担率を分析 した実証 研究が行われ ているが 、「税法上の 課税所得 」と「経済 的所得」が乖 離するた め、必ずしも 確定的な 結論は得られ ていない 。 次の指標とし て、 企業 の投資決定の 分析に際 しては、 追加 的な投 資 1 単位に 対してどの程 度税金を 負うかという 「限界概 念」を用いる 方法が多 く採用され てきた。理論 的にみる と「限界実効 税率」は 優れているが 、実証研 究において は税制の細部 まで分析 に採り入れ難 く、また モデル上強い 仮定を置 かざるを得 ないという問 題もあり 、推計に困難 が伴う。 つまり、「限 界実効税 率」は多く の単純化され た仮定を 必要とする。 例えば、 債権者が税の 位置づけ をどう考え ているか、企 業の資金 調達ポリシー 、企業の 資産購入の意 思決定、 資産価格に 2 「 経 済 的 所 得 」 と は 「 期 中 の 期 待 収 入 + 期 末 の 資 本 財 価 値 - 期 首 の 資 本 財 価 値 」 も し く は 、「 期 中 の 収 入 か ら 資 本 減 耗( 経 済 的 減 価 償 却 )を 控 除 し た も の と し て定 義 さ れ る 。 辻 山 (1991)
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おいてのイン フレの影 響、利子率、 経済的な 減価償却率な どを含む 多くの仮定 がある。さら に「限界 実効税率」の 実証の体 系はあまりに も広すぎ て複雑であ り、そのなか で法人税 システムを捉 えること ができない。
最 後に 新 し い税 負 担 の 尺 度と し て 、キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー法 人 税 を取 り入 れ た 計測方法、GKS(Gordon= Kalambokidis= Slemrod.)実効税率である 。 GKS 実効税 率とは、限 界実効税 率 の税の歪みの 部分を 、現行税制下で の税額と キャッシュ・ フロー税制下 での税額 との差に替え ることに よって定義し ており、 限界実効税 率と平均実効 税率それ ぞれの長所を 取り入れ た計測方法と されてい る。このよ うに法人税の 税負担の 指標はいくつ かあるが 、いずれも一 長一短が あり、どの 指標が最適で あるかを 判断すること は難しい 。そこで本論 文では、 平均実効税 率、限界実効税 率、GKS 実効税率の それぞ れの計測方法 によって 税負担を推計 し、企業の規 模間・業 種間の法人税 負担に格 差があるのか を検証す ることによ って、公平性 の面から 見た法人税の 課題を浮 かび上がらせ ることと した。これ が本論文の第 一の特徴 である。 本 論文 の 第 二の 特 徴 は 、 「日 経 財 務デ ー タ 」 と いう ミ クロ デ ー タを 用い て 法 人税負担を分 析するこ とである 。法人税 の負 担は税率と課 税ベース の積 であり 、 ミクロデータ における 税額は、これ ら 2 つの 要素を考慮し たものに なることか ら、税負担の 検証に力 を発揮する。 また、ミ クロデータを 用いるこ とで黒字法 人に的を絞っ た負担の 計測が可能と なる。 企 業レベルでの 負担の公 平性に関す る議論の歴史 は古く、 とくに、課税 ベースや 租税特別措置 の差によ って、大企 業は中小企業 に比べて 優遇されてい るとする 研究結果が示 された。 しかし、過 去の研究は所 得や税額 に関して集計 データを 用いているた め、とく に所得に関 しては赤字法 人の所得 が相殺され、 マクロの 所得額が過小 に算定さ れるという 欠点があった 。 第 三の 特 徴 は税 負 担 に 影 響を 及 ぼ す課 税 ベ ー ス を詳 細 に実 証 分 析に 取り 入 れ たことである 。法人税 法上の所得と 企業会計 上の所得との 間には、 「益金・損 金の算入・不 算入」に よって乖離が 存在し、 そのことが企 業間や業 種間に税負 担の差を生む 要因とな っている。ま た、法人 税法上の所得 の取り扱 いに企業規 模間に差が存 在するな ら、税負担格 差が報じ ることになる 。このよ うに、法人 税の負担を検 証する際 には、課税ベ ースの把 握が重要なポ イントと なる。
8 本論文の構成 は以下の 通りである。 第 1 章で は、法人税を 企業の純 利益を縮 減するものと して捉え 、業種 などの 企業属性 と収益縮減の 程度との 関連を検証 するために、 税率と課 税ベースとい う 2 つの 要因を考慮し た税負担 率がを財務 データを使い て推計す る。推計の目 的は法人 税の公平性や 中立性の 検証である から、「経済的所 得」として「税引前 利益+ 引当金」を用い、1966 年度から 2007 年度の長期間 にわたっ て、業種別に 平均実効 税率を算出す る。その うえで、 業種別税負担 率の格差 が税率、課税 ベース、 税額控除や繰 越欠損金 など租税 特別措置であ るいずれ の要因によっ て生じて いるのかを検 証する。 ミクロデー タを用いて平 均税負担 率の業種間格 差を長期 間で分析をし ている先 行研究はな い。 第 2 章では、公 益法人 を取り上げる。近年公 益法人の行う 事業内容 が拡大し 、 かつ多様化し てきてお り、一般法人 が行う事 業内容と大き な違いが なくなって きているので はないか など、公益法 人税制に ついて改革の 必要性が 問われてい るが、その実 態につい て分析してい る先行研 究はない。公 益法人に ついて何が 問 題 な の か 、 現 状 の 公 益 法 人 の 実 態 が ど の よ う に な っ て い る の か を 『 平 成 17 年度公益法人 概況調査 』の公益法人 デー タ 25,317 件を使って客観 的に考察し 、 一般法人と公 益法人と の間にの公平 性を確保 するために は どのよう な改革の必 要性があるの かを検討 する。 第 3 章で は、中小法 人と大法人の ように企 業規模の違い が税負担 率にどのよ う な 影 響 を 与 え る の か を 見 る 。 そ の 際 、 税 制 の 細 部 ま で モ デ ル に 組 み 込 め る King=Fullerton 限 界 実 効 税 率 の 理 論 的 フ レ ー ム ワ ー ク を 採 用 し 、 そ こ に 、 日 本 の税制を取り 込み、日 本型モデルを 構築する 。 これまで日本 において 、限界実効税 率の先行 研究は多数あ るが、財 務省型実 効税率をモデ ルに取り 入れただけで 、法人企 業の規模の違 いや税制 を考慮した 先行研究はな い。 大法人と中小 法人では 、法人税率、 交際費の 課 税ベース算 入金額、 留保金課 税など、様々 な税制上 の違いがあり 、限界実 効税率は同じ ではない 。そこで中 小法人と大法 人の規模 の違いや税制 上の違い を明示的に組 み込んだ 日本型限界 実効税率モデ ルを構築 する。そして 、このよ うな税制の違 いが、実 際に中小法 人、大法人の 限界実効 税率に差を存 在させる のか、どのよ うな理論 的動きをす
9 るかを考察す る。 第 4 章で は、『ミー ド報告』の企 業の投資 に対して中立 的で、個 人所得と法 人税の間で生 じる二重 課税を排除で きる税制 として提唱さ れた、キ ャッシュ・ フロー法人税 を、実際 の財務データ を使って 計測し、 現行 の課税ベ ースからキ ャッシュ・フ ロー課税 ベースに変更 した際に 、業種間の税 負担率は どのように なるのかを検 証する。 現行の法人 税収をキ ャッシュ・フ ロー法人 税によって徴 収すると した場合、 キャッシュ・ フロー課 税ベースが赤 字の場合 の還付する税 を考慮し なければ、 正確な税率を 計測する ことはできな い。また キャッシュ・フ ロー課 税ベースは 、 投資を実施し た年度に 一括して資金 流出とす るため、年度 ごとの変 動は大きく なるため、現 行の法人 税からキャッ シュ・フ ロー法人税に 置き換え た時の税率 を単年度で試 算するの ではなく、長 期の累積 額で推 計しな ければな らない。 先行研究で は、キャ ッシュ・フロー 法人税 率を 10 年間の累 積額 で推計してお り、キャッシ ュ・フロ ー課税ベース が赤字で ある法人に対 する税の 還付を考慮 していない。本 論文で は、10 年間の累積額 ではキャッシ ュ・フロ ー法人税の変 動をつかみき れていな い可能性があ るため、1987 年度から 2008 年度の 22 年間 を、2008 年度の現在 価値に換算し て累積額 でキャッシュ・フ ロー 法人税率を推 計し、キャッ シュ・フ ロー課税ベー スが赤字 の場合の還付 する税金 も考慮した 税率を推計す る。そし て、試算した キャッシ ュ・フロー税 率で、個 別企業のキ ャッシュ・フ ロー税額 を業種ごとに 合算して 税負担率を推 計し、キ ャッシュ・ フロー法人税 を導入す れば、そのよ うな業種 間の税負担率 が増減さ れるのかを 検証する。 第 5 章では、 キャ ッシュ ・フロ ー税 制を 使った 新しい 計測 方法 である GKS 実効税率(Gordon= Kalambokidis= Slemrod.)を推計し、業 種間の負 担率の格差 を検証する。GKS 実効 税率は、限界実 効税率 と平均実効税 率の両者 の長所を取 り入れた最善 の推計方 法とされてお り、実際 の税制の下で 集められ た税額と、 投資や貯蓄に 対して中 立で歪み のな いキャッ シュ・フロー 法人税が 集めるであ ろう税額の差 が、税の 歪みであると する考え 方を取り入れ ている。 つまりこの 差が現行税制 の歪みで あると考えら る。先行 研究では、GKS 実効税 率モデルの 理論的動きを 検証して いるだけで、 実際のデ ータを使った 実証分析 はされてい
10 ない。 そこでまず 、年度 ご との GKS 実効税率を 計測し、そ の格差の 要 因が何によっ て影響を受け ているの かを考察する 。次に業 種別でその負 担の格差 の要因が何 なのかを考察 する。そ の際に、GKS 実効税 率はキャッシ ュ。フ ロ ー課税ベース を使うので、 単年度で はなく、長期 の累 積額 で比較する必 要があり 、ここでは 第 4 章での計 測結果を 使って推計す る。 最後に終章 では、上 記の検証から 得られた 結果を踏まえ て、法人 課税の公平 性の観点から 、業種間 ・規模間の税 負担率の 格差や公益法 人につい てまとめる とともに、政 策的意味 合いを明らか にする。
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第1章 わが国の法人税改革と企業の税負担
-課税ベースの拡大による税負担率の格差の検証-
1 本 章 の 問 題 意 識 租 税 は 国 民 か ら 強 制 的 に 獲 得 さ れ る た め 、そ の 負 担 配 分 は 恣 意 的 で は な く 、何 ら か の 国 民 的 合 意 に 基 づ い た も の で な け れ ば な ら な い 。課 税 の あ る べ き 姿 や 、ど の よ う な 税 制 が 望 ま し い か を 判 断 す る 基 準 と な る の が「 公 平・中 立・簡 素 」で あ る 租 税 原 則 で あ る 。 わ が 国 の 法 人 所 得 税 の 議 論 の 中 に 、産 業 間・企 業 間 で の 税 負 担 率 の 格 差 が 問 題 と さ れ る の は 、法 人 税 負 担 率 の 格 差 が 企 業 を 差 別 的 に 扱 う こ と で 、企 業 行 動 に 歪 みを 与 え る 可 能 性 が あ る か ら で あ る 。法 人 税 法 上 の 税 率 は 同 じ で あ っ て も 、特 別 租 税 措 置 な ど の 利 用 状 況 に よ っ て 、税 負 担 率 が 異 な る 場 合 が あ り 得 る 。税 制 が 特 定 の 企業 や 産 業 を 優 遇 し た り 、逆 に 厳 し く 課 税 ベ ー ス を 算 定 す る こ と に よ っ て 、企 業・産 業 間 で 税 負 担 率 が 異 な る と す れ ば 、企 業 活 動 に 対 し て 中 立 的 で は な く 、効 率 的 な 資 源 配 分 を 歪 め る 可 能 性 が 出 て く る 。税 制 は 企 業 の 自 由 な 選 択 を 歪 め ず 、な お か つ 公 平 で な け れ ば な ら な い 。 法 人 税 の 負 担 を 計 測 す る に は 税 率 だ け で な く 、課 税 ベ ー ス の 大 き さ に も 左 右 さ れ る 。し た が っ て 、課 税 ベ ー ス に 関 し て 企 業 間 に 差 が あ る 場 合 に は 、法 人 税 負 担 に格 差 が 生 じ る 。 課 税 ベ ー ス の 見 直 し は 、1965 年度(昭和 40 年度)に行なわれた法 人 税 法 の 全 般 的 な 整 備 以 来 行 な わ れ て い な か っ た が 、1998 年度(平成 10 年度) 税 制 改 正 に お い て 課 税 ベ ー ス と 税 率 の 両 面 に わ た る 法 人 税 改 革 が 行 な わ れ た 。そ の 内 容 は 、 経 済 活 動 に 対 す る 法 人 税 の 中 立 性 を 高 め る こ と に よ り 企 業 の 競 争 力 を 維 持・確 保 す る 観 点 か ら 、「 課 税 ベ ー ス を 拡 大 し つ つ 、税 率 を 引 下 げ る 」と い う も の で あ っ た 。し か し 、は た し て 課 税 ベ ー ス の 拡 大 と い う 税 制 改 正 に よ っ て 、こ の 改 革 は 、 企 業 ・ 産 業 の 法 人 税 負 担 格 差 に ど の よ う な 影 響 を 与 え た の だ ろ う か 。 そ こ で 本 章 で は 、1998 年度税制改正での経過措置もなくなり、企業の行動も調 整 さ れ た 今 、1998 年度税制改正による税負担率 を税率と課税ベースの両方を取り 入 れ た 平 均 概 念 で 推 計 し 、業 種 間 で の 税 負 担 の 格 差 が ど の よ う に 変 化 し た の か を 検 証 す る 。そ の 際 に 、法 人 税 負 担 率 を「 経 済 的 所 得 」に 対 す る「 法 人 税 額 」と し 、推12 計 方 法 に 経 済 的 概 念 に 税 法 や 企 業 会 計 の 考 え 方 を 取 り 入 れ る 。ま た マ ク ロ ベ ー ス に よ り 税 負 担 率 で は 、赤 字 法 人 の 欠 損 額 に よ っ て 税 引 前 利 益 が 通 算 さ れ て し ま い 、税 負 担 率 が 高 く 計 測 さ れ る と い う 問 題 が あ る 。本 章 で は 、日 経 財 務 デ ー タ を 使 用 する こ と に よ り 、ミ ク ロ ベ ー ス か ら 分 析 で き る た め 、赤 字 法 人 の 欠 損 額 も 取 り 除 き 、そ の 上 で 税 法 を 取 り 入 れ た 課 税 ベ ー ス の 計 測 と 税 率 の 2 つ の 要 因 を 考 慮 し た 法 人 税 負 担 率 を 推 計 す る 。 2 1 9 9 8 年 度 ( 平 成 1 0 年 度 ) 法 人 税 制 改 革 わ が 国 の 法 人 所 得 税 は 、社 会 経 済 構 造 の 変 化 や 国 際 競 争 力 な ど の 観 点 か ら 、税 率 引 下 げ の 必 要 性 が 指 摘 さ れ て い た 中 で 、 1987 年から 1990 年までに 42%→40%→ 37.5% と 税 率 の 引 下 げ が 行 わ れ て き た も の の 、課 税 ベ ー ス に 関 す る 抜 本 的 改 革 は 手 つ か ず で あ っ た3( 図 1-1)。しかし 1998 年度税制改正において、社 会共通の費用 を 賄 う た め の 負 担 は 、 で き る だ け 国 民 が 広 く 公 平 に 分 か ち 合 う こ と が 望 ま し い こ と 、ま た 透 明 性 の 高 い 法 人 税 制 を 構 築 す る べ き で あ る 、と い っ た 公 正・中 立・簡 素 の 租 税 原 則 の 基 本 に 基 づ い て 、課 税 ベ ー ス を 見 直 す こ と が 、企 業 活 力 の 発 揮 や 新 規 企 業・産 業 の 創 出 、資 源 配 分 の 変 更 を 通 じ た 経 済 全 体 の 効 率 の 向 上 な ど 、経 済 社 会 構 造 の 改 革 に 資 す る と 考 え ら れ 、1965 年度以来、法人所得税の課税ベースの大幅 な 見 直 し と 法 人 税 の 基 本 税 率 の 引 下 げ が 併 せ て 行 わ れ た 。 課 税 ベ ー ス 適 正 化 の 重 要 な ポ イ ン ト は 、課 税 ベ ー ス を 広 げ る た め の 引 当 金 関 係 の 縮 減・廃 止 で あ る 。貸 倒 引 当 金 制 度 に つ い て は 法 定 繰 入 率 の 廃 止 、賞 与 引 当 金 制度 は 廃 止 、 退 職 給 与 引 当 金 制 度 に つ い て は 累 積 限 度 額 を 期 末 要 支 給 額 の 20%に引下 げ 、 製 品 保 証 等 引 当 金 制 度 は 廃 止 、 特 別 修 繕 引 当 金 制 度 は 繰 入 限 度 額 を 従 来 の 4 分 の 3 とし、特別修繕準備金に改めるといったもので、1998 年 4 月 1 日以降に開 始 す る 事 業 年 度 よ り 適 用 す る 。 3平成 24 年度(2012)現在の法人税 率は 25.5%である。平 成 24 年 4 月 1 日から 平成 27 年 3 月 31 日ま での期間内に 最初に開 始する事業年 度から同 日以後 3 年 を経過する日 までの期 間内の日の属 する事業 年度について は、基準 法人税額の 10% の 復 興 特 別 法 人 税 が 課 さ れ る 。平 成 23 年 度 迄 の 法 人 税 率 は 30%であった。
13 図 1-1 わ が 国 の 法 人 実 効 税 率 と 法 人 税 収 の 推 移 出 所 ) 『 財 政 金 融 統 計 月 報 ( 租 税 特 集 ) 』 各 年 度 よ り 作 成 。 1998 年度税制改正の主な内容としては、以下のような点が上げられる。 ○ 法 人 税 率 の 引 下 げ ( 現 行 ) ( 改 正 後 ) 普 通 法 人 37.5 % 34.5 % 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 28 % 25 % 公 益 法 人 等 、 協 同 組 合 な ど の 軽 減 税 率 27 % 25 % ○ 法 人 税 の 課 税 ベ ー ス の 適 正 化 ・ 引 当 金 ① 貸 倒 引 当 金 制 度 に つ い て 、中 小 法 人 を 除 き 法 定 繰 入 率 を 廃 止 。中 小 法 人 に つ い て は 、 特 例 制 度 の 適 用 期 限 を 3 年間延長する。 ② 賞 与 引 当 金 制 度 に つ い て は 廃 止 す る 。 ③ 退 職 給 与 引 当 金 制 度 に つ い て は 累 積 限 度 額 を 期 末 要 支 給 額 の 20%(現行 40% ) に 引 き 下 げ る 。
14 ④ 製 品 保 証 等 引 当 金 制 度 に つ い て は 廃 止 す る 。 ⑤ 特 別 修 繕 引 当 金 制 度 に つ い て は 、繰 入 限 度 額 を 現 行 の4 分の 3 とする等 の 見 直 し を 行 っ た う え 、 特 別 修 繕 準 備 金 に 改 め る 。 (注)① か ら ⑤ ま で の 改 正 は 平 成10 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度につ い て 適 用 す る ・ 減 価 償 却 ① 建 物 の 償 却 方 法 は 定 額 法 と す る 。 ② 建 物 の 耐 用 年 数 を お お む ね10%から 20%程度短縮し最長でも 50 年とする。 ③ 少 額 減 価 償 却 資 産 の 取 得 価 額 基 準 を 20 万円未満から 10 万円未満に引下げ る 。 ④ 機 械 装 置 等 に 認 め ら れ て い る 初 年 度 2 分の 1 簡便償却制度を廃止 する。 (注)① の 改 正 は 平 成 10 年 4 月 1 日以降に取得する資産について、②から④ま で の 改 正 は 、平 成 10 年 4 月 1 日以降に開始する事業年度についてそれぞ れ適 用 す る 。 ・ そ の 他 ① 上 場 有 価 証 券 の 評 価 に つ い て は 、 切 放 し 低 価 法 を 廃 止 す る 。 ② 工 事 期 間 が 2 年以上で、請負金額が 50 億円以上の長期請負工事について は 、 工 事 進 行 基 準 で 計 算 す る 。 ③ 割 賦 販 売 等 に 係 る 商 品 の 販 売 収 益 等 に つ い て は 、 賦 払 期 間 が 2 年 以 上 で あ る こ と 等 所 定 の 要 件 を 満 た す 場 合 を 除 き 、 割 賦 基 準 に よ り 収 益 及 び 費 用 の 額 を 計 算 す る 選 択 制 度 を 廃 止 す る 。 ④ 中 小 企 業 の 交 際 費 に つ い て は 、 定 額 控 除 枠 の 交 際 費 の 損 金 不 算 入 割 合 を 20% ( 現 行 10% ) に 引 き 上 げ る 。 ⑤ 役 員 の 親 族 で あ る 使 用 人 に 対 す る 過 大 な 給 与 を 損 金 の 額 に 算 入 し な い 。 ⑥ 法 人 が 子 会 社 を 設 立 す る た め に 現 物 出 資 す る 場 合 の 課 税 の 特 例 に つ い て 、 土 地 等 を 現 物 出 資 す る 場 合 の 制 限 措 置 ( 課 税 繰 延 べ 割 合 を 80%に制限等) を 廃 止 す る と と も に 、 国 内 資 産 を 現 物 出 資 し て 外 国 子 会 社 を 設 立 す る 場 合 を 課 税 の 特 例 の 対 象 外 と す る 。 ⑦ 受 取 配 当 等 の 益 金 不 算 入 の 対 象 か ら 、信 託 財 産 の 75%超を外国証券等で運 用 す る 証 券 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 金 を 除 外 す る 。
15 ・ 経 過 措 置 ① 貸倒引当金 表 1-1 貸 倒 引 当 金 繰 入 率 ② 賞 与 引 当 金 経 過 措 置 と し て 現 行 法( 暦 年 基 準 ま た は 支 給 対 象 期 間 基 準 )に よ る「 損 金 算 入 限 度 額 」に 対 し て 、次 の 比 率 を 乗 じ た 金 額 に つ い て は 、賞 与 引 当 金 を 認 め る こ と にな っ た 。 (法 令 附 則 6) 平 成10 年度……5/6 平成 13 年度……2/6 平 成11 年度……4/6 平成 14 年度……1/6 平 成12 年度……3/6 平成 15 年度以降廃止 ③ 退 職 給 与 引 当 金 経 過 措 置 と し て 、平 成10 年度は 37%、平成 11 年度は 33%、平成 12 年度は 30%、 平 成 13 年度は 27%、平成 14 年度は 23%とする。(法令附則 12) ④ 製 品 保 証 等 引 当 金 経 過 措 置 と し て 現 行 法( 暦 年 基 準 ま た は 支 給 対 象 期 間 基 準 )に よ る「 損 金 算 入 限 度 額 」 に 対 し て 、 平 成10 年度……5/6 平成 13 年度……2/6 平 成11 年度……4/6 平成 14 年度……1/6 平 成12 年度……3/6 平成 15 年度以降廃止 と さ れ た 。 業種 現行 平成10年度 平成11年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 そ 卸・小売業 10.0 8.0 6.5 5.0 3.0 1.5 れ 製造業 8.0 6.5 5.0 4.0 2.5 1.0 以 金融保険業 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 後 割賦販売業 13.0 10.5 8.5 6.5 4.0 2.0 廃 その他 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 止 平成10年度から平成14年度の間は、実績率に代えてこの繰入率を適用することができる。 (法令附則9)
16 3 企 業 の 税 負 担 率 の 考 え 方 前 述 し た よ う に 、1998 年度の法人税改革は、広く、薄くの観点より「課税ベー ス を 拡 大 し つ つ 税 率 を 引 き 下 げ る 」 と い う 基 本 方 針 に 沿 っ て 行 わ れ た 。 課 税 ベ ー ス の 拡 大 に よ り 、課 税 所 得 の あ る 企 業 の 範 囲 が 広 く な り 、税 負 担 が よ り 多 く の 企 業 間 で 分 担 さ れ る こ と に な る( 例 え ば 、現 行 の 課 税 ベ ー ス で は 赤 字 法 人で あ っ て も 、 課 税 ベ ー ス を 拡 大 す れ ば 黒 字 法 人 に な る 可 能 性 も 考 え ら れ る ) 。 法 人 税 の 税 負 担 の 水 準 を 比 較 す る 際 に は 、税 率 だ け で な く 、課 税 ベ ー ス の 内 容も み て 両 者 あ わ せ て 判 断 す る 必 要 が あ り 、法 人 の 税 負 担 を 表 す 指 標 と し て 適 当 な も の を 見 出 す こ と は 容 易 で は な い 。本 稿 で は 、法 人 税 を 限 界 的 な 投 資 に 対 す る コ ス ト 要 因 と し て 捉 え る の で は な く 、む し ろ 企 業 の 純 利 益 を 縮 減 の 程 度 と の 関 連 を 検 証 す る た め に 、 税 率 と 課 税 ベ ー ス と い う 2 つの要因を考慮した企業の税負担率を推計す る 。企 業 の 税 負 担 と は 、「 経 済 的 所 得 」に 対 し て ど れ だ け の 負 担 が あ る の か 、と 考 え る 。「 経 済 的 所 得 」と は 、正 味 資 産 の 実 質 価 値 の 変 化 額 を 表 し て い る 。「 税 引 前 利 益 」 を 「 経 済 的 所 得 」 に よ り 近 付 け る た め に 「 引 当 金 」 を 加 え 、 「 税 引 前 利 益 」 +「 引 当 金 」に 対 す る「 法 人 税 、住 民 税 お よ び 事 業 税 」は ど れ だ け を 占 め る の か を 税 負 担 率 と し て 考 え る4。 (1) 引 当 金*= 「 貸 倒 引 当 金 」 + 「 貸 倒 引 当 金 ・ 投 資 損 失 引 当 金 」 + 「 賞 与 引 当 金 ・ 未 払 賞 与 」 + 「 そ の 他 短 期 引 当 金 」 + 「 退 職 給 付 引 当 金 ( 退 職 給 与 引 当 金 ) 」 + 「 役 員 退 職 慰 労 引 当 金 」 + 「 そ の 他 長 期 引 当 金 」 こ こ で の 計 測 は 平 均 税 負 担 率 と い う こ と に な る が 、 こ の 計 測 方 法 を 用 い る こ と に よ っ て 、税 法 を 取 り 入 れ た 税 負 担 率 が 計 測 で き 、資 本 コ ス ト の 計 測 に つ き ま とう 4 補論参照。
17 多 く の 仮 定 を 除 去 で き る と い う メ リ ッ ト を 持 っ て い る 。さ ら に 、ミ ク ロ デ ー タ を 利 用 す る こ と に よ っ て 、従 来 の マ ク ロ デ ー タ で は 不 可 能 で あ っ た 赤 字 法 人 の 除 去 や 法 人 企 業 を 業 種 ご と ・ 規 模 別 に 分 け て の 分 析 が で き る 。 本 章 で 用 い る 日 経 財 務 デ ー タ に つ い て 整 理 し て お く と 、収 録 会 社 は 、東 京 ・大 阪・ 名 古 屋 な ど 全 国 6 証券 取引所の上場会社、店 頭登録会社、及び非上 場有価証券報告 書 提 出 会 社 ( 銀 行 ・証 券 ・保 険 会 社 は 除 く ) の 4,943 社(2008 年度)であ る。 ただし、 い わ ゆ る 大 企 業 の み で あ り 、 金 融 業 は 入 っ て い な い と い う 制 約 が あ る 。 4 利 益 指 標 と し て 「 税 引 前 利 益 と 引 当 金 」 を 用 い た 推 計 結 果 4.1 日 経 財 務 デ ー タ と 分 析 方 法 本 章 で は 、日 経 財 務 デ ー タ の 勘 定 科 目 よ り 、「 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 」、「 法 人 税 、 住 民 税 お よ び 事 業 税 」 、 「 資 本 金 」 、 「 貸 倒 引 当 金5」 、 「 貸 倒 引 当 金 、 投 資 損 失 引 当 金6」、「 賞 与 引 当 金・未 払 賞 与 」 、「 そ の 他 短 期 引 当 金7」、「 退 職 給 付 引 当 金( 退 職 給 与 引 当 金 )8」、「 役 員 退 職 慰 労 引 当 金 」、「 そ の 他 長 期 引 当 金9」 「 償 却 対 象 有 形 固 定 資 産 」、「 建 物・構 築 物 」、「 機 械 装 置 及 び 運 搬 具 」、「 工 具 ・ 器 具 及 び 備 品 」、「 リ ー ス 資 産( 有 形 固 定 資 産 )」、「 そ の 他 償 却 対 象 有 形 固 定資 産 」 の 勘 定 科 目 を 使 用 し た 。 本 章 で 採 用 し た 税 負 担 率 の 分 母 を 構 成 す る 「 引 当 金 」 は 、 ス ト ッ ク 項 目 で あ り 、 本 来 な ら ば 、「 貸 倒 引 当 金 繰 入 額 」や「 貸 倒 引 当 金 戻 入 額 」、「 退 職 給 付 費 用 」等 の フ ロ ー 項 目 を 使 用 し な け れ ば な ら な い 。し か し 、日 経 財 務 デ ー タ か ら は そ の よう な デ ー タ を 入 手 す る こ と が で き な い た め 、引 当 金 の 取 り 扱 い に つ い て は 以 下 の よ う に 考 え る 。 5 「 流 動 資 産 」 の 控 除 科 目 と し て 記 載 さ れ て い る も の 。 6 「 投 資 そ の 他 の 資 産 」 の 控 除 科 目 と し て 記 載 さ れ て い る も の 。 債 権 償 却 特 別 勘定を含む。 7 賞 与 引 当 金 以 外 で 流 動 負 債 に 属 す る 引 当 金 。 製 品 保 証 引 当 金 、 売 上 割 戻 引 当 金、返品調整 引当金、 工事補償引当 金、修繕 引当金、景品 費 引当金 、アフター サービス費引 当金、保 証債務損失引 当金等。 8 2000 年 4 月 1 日 以 降 開 始 の 決 算 期 は 新 年 金 会 計 移 行 に 伴 い 、退 職 給 付 引 当 金 を収録。それ以 前は、退職給与引当 金、年金 引当金、調整年 金掛金 引当金。2000 年 3 月より前 は役員分 を含む。 税法では、「 退職給付 引当金」は「 退職給与 引当金」であ る。 9 退 職 給 付 引 当 金 、 役 員 慰 労 退 職 引 当 金 以 外 の 固 定 負 債 に 属 す る 引 当 金 。
18 「 貸 倒 引 当 金 」、「 貸 倒 引 当 金・投 資 損 失 引 当 金 」、「 賞 与 引 当 金・未 払 賞 与 」、 「 そ の 他 短 期 引 当 金 」に つ い て は 、現 実 的 に ほ と ん ど 戻 入 れ が な い と 考 え て 、期 末 残 高 を 用 い て 推 計 す る 。「 退 職 給 付 引 当 金( 退 職 給 与 引 当 金 )」、「 役 員 退 職 慰 労 引 当 金 」、「 そ の 他 長 期 引 当 金 」に つ い て は 、毎 期 毎 期 積 み 上 げ て い く 性 質 が 強 い で の 、 「 当 期 末 残 高 - 前 期 末 残 高 」 ( た だ し > 0)を用いる。このようにして作成 し た デ ー タ を こ こ で は「 引 当 金 」、日 経 財 務 デ ー タ か ら 推 計 し た 税 負 担 率 を 以 下 で は 「 税 負 担 率 」 と 呼 ぶ 。 本 章 で の 計 測 期 間 は 、1965 年から 200810年 で あ る 。推 計 の 対 象 業 種 は 、製 造 業 、 水 産 業 、鉱 業 、建 設 業 、商 社・小 売 業 、そ の 他 金 融 、不 動 産 業 、海 運・空 運・陸 運 ・ 運 輸 ・ 倉 庫 、 通 信 、 電 力 ・ ガ ス 、 サ ー ビ ス 業 の 11 業種である。 図 1-2 は、1966 年から 2008 年までの日経財務 データの黒字法人と赤 字法人11の 会 社 数 と 赤 字 会 社 比 率 を 表 し た も の で あ る 。1997 年度から 2001 年を頂点に赤字会 社 比 率 が 大 き く な り 、 そ れ 以 降 下 降 し て い る が 2007 年度からまた増加している。 図 1-3 は、法人税収と 日経財務データ収録会 社の法人税収を表して いる12。そ れ ら の 動 き は 連 動 し て お り 、 1970 年中盤までは、法人税収全体に対す る日経財務デ ー タ 収 録 会 社 の 法 人 税 収 は 50%以下であったが、近年日経財務デー タ収録 会社の 法 人 税 収 は 、 全 体 の 法 人 税 収 の 50%以上を占めていることがわかる 。 2007 年 度 の 申 告 会 社 数 2,647,369 社 ( う ち 欠 損 法 人 1,812,336 社 )13の う ち 日 経 財 務 デ ー タ の 収 録 会 社 は 3,965 社(うち赤字 法人 765 社)で、全体 の 0.15%の会社 数 で あ る の に 対 し 、法 人 税 収 で は 14,314,773 百万円14に 対 し 、日 経 財 務 デ ー タ で は 7,754,715 百 万 円 で 、全 体 の 54.17% を 占 め て い る こ と か ら 、法 人 税 収 の 主 要 部 分 を 表 し て い る と 言 え る 。 10 2008 年 度 の 日 経 財 務 デ ー タ は 、 ま だ 決 算 が 確 定 し て い な い 企 業 が あ る た め 、 今回の分析で は 2007 年度までのデ ータを使 用している。 11 こ こ で の 赤 字 法 人 と は 、「 税 金 等 調 整 前 当 期 純 利 益 」が マ イ ナ ス で あ る 会 社 のことである 。 12 日 経 財 務 デ ー タ の 法 人 税 収 に つ い て は 、赤 字 会 社 は 省 い て い る( 赤 字 会 社 で あるが、法人 税額が記 載されている 場合もあ る)。 13 『 税 務 統 計 か ら み た 法 人 企 業 の 実 態 』 よ り 。 14 『 税 務 統 計 か ら み た 法 人 企 業 の 実 態 』 よ り 。
19 図 1-2 赤 字 法 人 ・ 黒 字 法 人 数 と 赤 字 法 人 比 率 出 所 ) 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 図 1-3 わ が 国 の 法 人 税 収 と 日 経 財 務 デ ー タ 収 録 会 社 の 法 人 税 収 出 所 )『 税 務 統 計 か ら 見 た 法 人 企 業 の 実 態 』( 各 年 度 )、日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 黒字会社数 赤字会社 赤字会社比率 会社数 赤字会社比率 0 2000000 4000000 6000000 8000000 10000000 12000000 14000000 16000000 18000000 20000000 1966 1967 1968 1969 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 法人税収(百万円) 国税法人税収(百万円) 百万円
20 4.2 財 務 省 型 実 効 税 率 と 日 経 財 務 デ ー タ か ら 求 め た 税 負 担 率 の 推 移 図 1-4 は財務省型実効税率15、日 経 財 務 デ ー タ よ り 赤 字 法 人 を 除 外 し 、各 企 業 ご と に 税 負 担 率 を 推 計 し 、 そ れ ら を 平 均 し た も の と 、 そ の 変 動 係 数 で あ る 。 財 務 省 型 実 効 税 率 は 税 率 だ け を 考 慮 し た も の で あ る が 、税 負 担 率 は 、税 率 と 課 税 ベ ー ス の 両 方 を 考 慮 し た も の で あ る 。税 引 前 利 益 と 申 告 所 得 が 同 じ で あ れ ば 、税 負 担 率 は 財 務 省 型 実 効 税 率 と 同 じ に な る 。す な わ ち 、財 務 省 型 実 効 税 率 と 税 負 担 率 の差 は 、税 引 前 利 益 と 申 告 所 得 と の 差 で あ る 。実 際 の 税 負 担 率 は 、財 務 省 型 実 効 税 率よ り も 低 い こ と が 見 て 取 れ る 。変 動 係 数 は 、 ほ ぼ 安 定 的 に 推 移 し て い た が 、 2000 年度から 2003 年度に かけて大きく 変動して おり、企 業間での 税負 担率格差が拡 大していたこ とがわか る。 2000 年度以降を見ると、日経財務データの税負担率が徐々に小さくなってきて い る 。 財 務 省 型 実 効 税 率 が 1997 年度 49.99%、1998 年度 46.37%、1999 年度以 降 は 40.87%と徐々に税率が下がってきているのに対し、日経財務データの税負担 率 は 、1997 年度 29.61%、1998 年度は 31.2549%、1999 年度は 31.2569%、2000 年 度 32.86%と、財務省型実効税率とは違う動きをしている。 こ こ で の 変 動 係 数 は 、各 年 度 の 全 企 業 の 税 負 担 率 か ら 計 測 し た も の で あ る 。2000 年 度 か ら 2003 年度を頂点に変動係数は 0.56 から 0.92 と高くなっており、その後 0.67 か ら 0.68 に と ど ま っ て い る が 、 90 年 代 と 比 べ る と 格 差 が 大 き い の が わ か る 。 5 業 種 間 で の 税 負 担 率 の 格 差 に つ い て 次 に 、 1998 年度税制改革で業種間の税負担率 格差はどのようになっ たのかを見 る 。図 1-5 は、日経財務データより各年度で赤字法人を除 外し、全企業を「製造業」、 「 水 産 」、「 鉱 業 」、「 建 設 」、「 商 社・小 売 業 」、「 そ の 他 金 融 」、「 不 動 産 」、 「 海 運・空 運・陸 運・運 輸・倉 庫 」、「 通 信 」、「 電 力・ガ ス 」、「 サ ー ビ ス 」の 11 業 種 に わ け て 、 そ れ ぞ れ 企 業 ご と に 税 負 担 率 を 推 計 し 、 そ れ ら を 各 業 種 ご と で 平 均 し た 税 負 担 率 を レ ー ダ ー チ ャ ー ト で 表 し た も の で あ る 。 レ ー ダ ー チ ャ ー ト で は 、多 角 形 が い び つ に な る と 業 種 間 で の 税 負 担 率 の 歪 み が あ り 、多 角 形 が 大 き くな る と 税 負 担 率 が 高 く な る と 考 え ら れ る 。 15 財 務 省 型 実 効 税 率 = {法 人 税 率 ×( 1+ 都 道 府 県 住 民 税 率 + 市 町 村 民 税 率 )+ 事業税}/(1+事業 税 率)
21 図 1-4 財 務 省 型 実 効 税 率 と 平 均 税 負 担 率 の 推 移 出 所 ) 『 財 政 金 融 統 計 月 報 ( 租 税 特 集 ) 』 各 年 度 、 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 本 章 で は 、第 一 に 日 経 財 務 デ ー タ の 実 績 値 を 使 っ て 企 業 の 税 負 担 率 を 推 計 し 、第 二 に 、 税 制 の 影 響 だ け を み る た め に 2007 年度 のデータを使い仮想税 負担率を計測 し 、最 後 に 企 業 の 税 負 担 率 と 仮 想 税 負 担 率 を 比 べ 、税 率 と 引 当 金 等 の 経 過 措 置 以外 の 特 殊 要 因 が 税 負 担 率 に 与 え た 影 響 を み る16。 5.1 日 経 財 務 デ ー タ を 使 っ た 各 年 度 の 税 負 担 率 税 制 改 正 前 の 1997 年度と、税制改正後の 2001 年度の 2 時点間の業種別税負担 率 比 較 す る と 、 2001 年度の税負担率格差がわ ずかに改善されたとい う結果がでた が 、 2007 年度は、ますます業種間の税負担率 の乖離が大きくなって いることが見 て 取 れ る 。変 動 係 数17で 表 す と 、1997 年度 0.18、2001 年度 0.21、2007 年度 0.31 と、 16 税 制 の 影 響 と は 、 税 率 と 引 当 金 等 の 経 過 措 置 で あ る 。 17 こ こ で の 変 動 係 数 は 図 4 の 変 動 係 数 と は 違 い 、業 種 毎 の 平 均 税 負 担 率 間 の 変 動係数を計測 している 。つまり 11 業種 の平 均税負担率の 変動係数 である。
22 大 き く な っ て い る 。2001 年度の変動係数が大 きくなっているのは、「その他金融」 と 「 電 力 ・ ガ ス 」 の 業 種 別 平 均 税 負 担 率 が 原 因 と 考 え ら れ 、 1997 年度と比べてレ ー ダ ー チ ャ ー ト の 円 が 外 側 に あ る の は 、前 述 し た よ う に 、税 率 は 低 く な っ た が 、課 税 ベ ー ス が そ れ 以 上 に 大 き く な っ た た め と 考 え ら れ る 。 次 に 、 税 制 改 正 が あ っ た 年 度 の 業 種 別 税 負 担 率 の レ ー ダ ー チ ャ ー ト を 見 て み よ う 。 全 部 を ひ と つ の レ ー ダ ー チ ャ ー ト に 入 れ る と わ か り に く い た め 、 1969 年度か ら 1983 年度(図 1-6) 、1986 年度から 2007 年度(図 1-7)と二つ に分けて表して い る 。こ れ ら の 年 度 は 、税 制 改 正 が 行 わ れ 、そ の 影 響 が 十 分 に 行 き 渡 っ た と 考 えら れ る 、 次 の 税 制 改 正 の 前 の 年 度 を 使 っ て い る 。 法 人 税 率 が 、 1966 年度 35%、1970 年 度 36.75%、1974 年度 40%、1981 年度 42%に引上げられている 影響を表して い る の が 図 1-6 であるが、1970 年度から 1974 年度に 3.25%の税率引上げが、税負担 率 を 重 く す る 影 響 を 与 え て い る こ と が わ か る 。 1984 年度の 43.3%を ピークに、税 率 は 、1988 年度 42%、1989 年度 40%、1990 年度 37.5%1998 年度 34.5%、1999 年 度 30%と税率は引下げ られているが、図 1-7 より税負担率も小さく なってきてい る こ と が わ か る 。 図 1-5 業 種 別 税 負 担 率 出 所 ) 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 全業種 製造業 水産 鉱業 建設 商社・小売業 その他金融 不動産 海運・空運・陸運・運輸・倉庫 通信 電力・ガス サービス 1997 2001 2007
23 図 1-6 業 種 別 税 負 担 率 ( 1967,1973,1980,1983) 出 所 ) 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 図 1-7 業 種 別 税 負 担 率 ( 1986,1988,1997,2007) 出 所 ) 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 全業種 製造業 水産 鉱業 建設 商社・小売業 その他金融 不動産 海運・空運・陸運・運輸・倉庫 通信 電力・ガス サービス 1969 1973 1980 1983 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5 全業種 製造業 水産 鉱業 建設 商社・小売業 その他金融 不動産 海運・空運・陸運・運輸・倉庫 通信 電力・ガス サービス 1986 1988 1997 2007
24 次 に 図 1-8 のレーダーチャートは、1980 年度、1983 年度、1986 年度、1989 年度 を 取 り 出 し た も の で あ る 。1974 年度所得税の 大幅減税のため法人税 率が 36.75%か ら 40%に、1981 年度には財政再建に資するた めに 42%に引上げられ、1984 年度は 所 得 税 減 税 に 伴 う 税 源 確 保 の た め 法 人 税 率 が 43.3%になり、1987 年度には暫定税 率 の 期 限 切 れ の た め 42%と改革があり、それ らの効果が出たであろ う増税または 減 税 の 前 年 度 を 取 り 上 げ て い る 。1980 年度、1983 年度、1986 年度、1989 年度の業 種 別 税 負 担 率 は 他 の 年 度 と 比 べ て 、業 種 別 税 負 担 率 の 業 種 間 の 動 き が 同 じ よ う な レ ー ダ ー チ ャ ー ト に な っ て い る 。所 得 税 減 税 の た め の 財 源 確 保 の た め の 増 税 や 財 政 再 建 の た め の 増 税 が 業 種 別 税 負 担 率 に は あ ま り 影 響 を 及 ぼ さ な か っ た こ と が わ か る 。 表 1-2 は、業種別税負担率とその変動係数である。ここでの変動係数は、業種別 ご と に 平 均 化 し た 税 負 担 率 の 変 動 係 数 で あ る 。1980 年度で 0.17、1988 年度が 0.15、 1997 年 度 が 0.19 と 小 さ い が 、近 年 2005 年 度 と 2007 年 度 は 0.24、0.31 と 業 種 別 税 負 担 率 が 大 き く 変 動 し て い る こ と が わ か る 。こ れ は 業 種 別 ご と の 税 負 担 率 の 格 差 が 大 き く な っ て き て い る と い う こ と で あ る 。 図 1-8 業 種 別 税 負 担 率 ( 1980,1983,1986,1989) 出 所 ) 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 0.5 全業種 製造業 水産 鉱業 建設 商社・小売業 その他金融 不動産 海運・空運・陸運・運輸・倉庫 通信 電力・ガス サービス 1980 1983 1986 1989
25 表 1-2 業 種 別 税 負 担 率 と 変 動 係 数 出 所 ) 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 5 . 2 1 9 9 8 年 度 税 制 改 正 以 降 の 税 率 と 引 当 金 経 過 措 置 の 影 響 ( 仮 想 税 負 担 率 ) 上 記 で 見 て き た 業 種 別 税 負 担 率 は 、 企 業 の 実 際 の 「 税 引 前 利 益 + 引 当 金 」 に 対 す る 企 業 の 「 法 人 税 、 住 民 税 お よ び 事 業 税 」 の 数 値 を 使 っ て 計 測 し た 税 負 担 率 で あ る 。 こ こ に は 、 税 率 と 課 税 ベ ー ス の 他 に 税 額 控 除 な ど の 租 税 特 別 措 置 や 繰 越 欠 損 金 の 影 響 が 含 ま れ て い る 。 そ こ で 、1 9 9 8 年 度 の 税 制 と そ の 経 過 措 置 を 見 る た め に 、 税 制 の 影 響 だ け を 取 り だ し 、 そ れ 以 外 の 影 響 を 取 り 除 か な け れ ば な ら な い 。2 0 0 7 年 度 の 日 経 財 務 デ ー タ を 使 い 、 そ れ ら に 税 制 と 経 過 措 置 を 使 っ て 「 法 人 税 額 」を 推 計 し 、 仮 想 業 種 別 税 負 担 率 を 計 測 し た の が 図 1 - 9 で あ る 。 仮 想 1 9 9 7 ( 2 0 0 7 ) は 、 2 0 0 7 年 度 の デ ー タ を 使 っ て 1 9 9 7 年 度 の 税 制 で あ れ ば 、 法 人 税 額 が ど の よ う に な る か を 推 計 し た も の で あ る 。 同 じ よ う に 、 仮 想 1 9 9 8 ( 2 0 0 7 ) は 2 0 0 7 年 度 の デ ー タ を 使 っ て 、 1 9 9 8 年 度 の 税 制 で 課 税 ベ ー ス や 法 人 税 額 を 推 計 し た も の で あ る 。 な お 、 経 過 措 置 に つ い て は 2 で 記 述 し た 通 り で 、 貸 倒 引 当 金 に つ い て は 一 般 債 権 に 繰 入 率 を 適 用 し て 業 種 別 に 求 め 、 賞 与 引 当 金 、 退 職 給
業種名 製造業 水産
鉱業
建設
商社・
小売業
その他
金融
不動産
海運・
空運・
陸運・
運輸・
倉庫
通信
電力・
ガス
サービ
ス
変動係
数
1969
0.25
0.23
0.35
0.35
0.22
0.26
0.33
0.21
0.22
0.25
0.34 0.21
1973
0.25
0.17
0.27
0.33
0.26
0.24
0.32
0.21
0.29
0.17
0.32 0.22
1980
0.32
0.27
0.41
0.38
0.33
0.26
0.44
0.35
0.41
0.42
0.42 0.17
1983
0.33
0.17
0.35
0.38
0.36
0.32
0.39
0.3
0.42
0.45
0.42 0.22
1986
0.33
0.24
0.36
0.43
0.37
0.30
0.50
0.33
0.38
0.48
0.44 0.21
1988
0.36
0.31
0.33
0.43
0.40
0.34
0.49
0.33
0.36
0.44
0.43 0.15
1997
0.27
0.27
0.23
0.28
0.32
0.23
0.36
0.27
0.38
0.37
0.36 0.19
2005
0.25
0.23
0.22
0.18
0.31
0.16
0.37
0.31
0.29
0.30
0.33 0.24
2007
0.23
0.22
0.14
0.17
0.29
0.14
0.38
0.25
0.24
0.24
0.32 0.31
26 与 引 当 金 は 年 度 に よ っ て 違 う が 、 全 業 種 同 じ 繰 入 率 で 求 め た 。 1 9 9 7 年 度 は 引 当 金 制 度 が ま だ あ り 、 税 率 は こ の 中 で 一 番 高 い た め 、 業 種 ご と の 税 負 担 率 は 大 き く な り 、 ま た 業 種 間 の 格 差 も 大 き い 。1 9 9 8 年 度 は 税 率 が 下 が り 、 引 当 金 等 の 制 度 が 段 階 的 に 縮 減 さ れ た た め 、 1 9 9 7 年 度 よ り 税 負 担 率 が 下 が り 、 業 種 間 格 差 も 小 さ く な っ て い る 。 2 0 0 2 年 度 は 、税 率 が 下 が り 、引 当 金 の 経 過 措 置 も ほ ぼ 無 く な っ た た め 、 税 負 担 率 が 下 が り 業 種 間 格 差 も 小 さ く な り 、 レ ー ダ ー チ ャ ー ト も 円 に 近 く な っ て い る 。 図 1 - 9 の 2 0 0 7 年 度 は 、引 当 金 制 度 が な く な り 、税 引 前 利 益 + 引 当 金 = 課 税 ベ ー ス の 理 論 値 と な り 、 財 務 省 型 実 効 税 率 で 業 種 間 の 税 負 担 率 に は 中 立 的 と な っ て い る 。 図 1 - 9 仮 想 業 種 別 税 負 担 率 出 所 ) 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 0.3 0.32 0.34 0.36 0.38 0.4 0.42 0.44 0.46 0.48 0.5 製造業 水産 鉱業 建設 商社・小売業 その他金融 不動産 海運・空運・陸運・運輸・倉庫 通信 電力・ガス サービス 仮想1997(2007) 仮想1998(2007) 仮想2002(2007) 仮想2007(2007)
27 5 . 3 租 税 特 別 措 置 と 繰 越 欠 損 金 の 影 響 図 1 - 1 0 は 、 日 経 財 務 デ ー タ か ら 求 め た 2 0 0 7 年 度 税 負 担 率 と 、 2 0 0 7 年 度 デ ー タ を 使 っ た 理 論 値 の 比 較 で あ る 。 こ の レ ー ダ ー チ ャ ー ト の 差 は 、 税 額 控 除 や 早 期 減 価 償 却 等 の 租 税 特 別 措 置 や 繰 越 欠 損 金 の 差 で あ る 。 業 種 に よ っ て そ の 影 響 は 異 な り 、 税 負 担 率 の 差 が 出 て い る 。 法 人 税 制 と し て は 、1 9 9 8 年 度 前 の 税 制 と 比 べ て 、 よ り 中 立 的 に な っ て い る 。 本 来 な ら 業 種 間 の 税 負 担 率 に 格 差 が な く 公 平 に な る は ず が 、 図 1 - 1 0 を 見 る と サ ー ビ ス 、 不 動 産 の 税 負 担 率 は 他 の 業 種 と 比 べ て 高 く 、 鉱 業 、 建 設 、 そ の 他 金 融 は 税 負 担 率 が 低 く な っ て い る 。 こ の 原 因 と し て は 、 租 税 特 別 措 置 等 の 影 響 に よ っ て 、 業 種 間 の 税 負 担 率 の 格 差 が で て い る と 考 え ら れ る 。 図 1 - 1 0 業 種 別 租 税 特 別 措 置 と 繰 越 欠 損 金 出 所 ) 日 経 財 務 デ ー タ よ り 作 成 。 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 製造業 水産 鉱業 建設 商社・小売業 その他金融 不動産 海運・空運・陸運・運輸・倉庫 通信 電力・ガス サービス 仮想2007(2007) 2007
28 6 む す び 企 業 の 行 動 を 歪 め な い と い う 中 立 性 の 原 則 か ら す れ ば 、法 人 税 は 業 種 間 、規 模間 で の 税 負 担 率 の 格 差 は で き る か ぎ り 小 さ い 方 が よ い 。わ が 国 に お け る 最 近 の 法 人 税 改 革 に お い て も 、産 業 間・企 業 間 に 中 立 的 で 経 済 活 動 に 対 す る 歪 み を で き る 限 り少 な く す る 方 向 で 課 税 ベ ー ス を 拡 大 し つ つ 、税 率 を 引 下 げ る と い う 基 本 的 な 方 向 に 沿 っ て 改 正 が 行 わ れ て い る 。 企 業 の 税 負 担 を 考 え る 場 合 、税 率 の み で は な く 課 税 ベ ー ス の 拡 大 も 考 慮 し な く て は な ら な い 。本 章 で は 、企 業 の 利 益 を「 経 済 的 所 得 」=「 税 引 前 利 益 」+「 引 当 金 」 と し 、そ れ に 対 し て「 法 人 税 、住 民 税 及 び 事 業 税 」が ど の 程 度 の 負 担 と な っ て いる か を 推 計 し 、ま た 、「 広 く 、薄 く 」の 観 点 か ら 、課 税 ベ ー ス を 拡 大 し つ つ 税 率 を 引 下 げ る と い う 1998 年度法人税改正によって法人税負担がどのように変化したか を 、 日 経 財 務 デ ー タ を 用 い て 検 証 し た 。 日 経 財 務 デ ー タ か ら 求 め た 税 負 担 率 を 時 系 列 で 見 る と 、1998 年度税 制 改 革 の 効 果 が 税 負 担 率 の 低 下 に よ っ て 表 れ て い る 。税 率 が 下 が っ た に も か か わ ら ず 、1999 年度 2000 年度に税負担率はわずかに上昇したが、それは 税率引下げに よ る 減 税 効 果 よ り も 課 税 ベ ー ス 拡 大 の 増 税 効 果 が 上 回 っ た こ と を 示 し て い る 。し か し そ れ 以 降 は 税 負 担 率 は 下 が っ て い る 。こ れ は 、税 率 引 き 下 げ の 影 響 だ と 考 え られ る 。企 業 の 税 負 担 率 と 財 務 省 型 実 効 税 率 と 比 べ る と 、企 業 の 税 負 担 率 の 方 が 低 く計 測 さ れ て い る こ と が わ か る 。 業 種 別 で み る と 、1998 年度税制改正以降税率の引下げと共に業種 ごとの税負担 率 も 低 く な っ て き て い る 。し か し 業 種 間 で の 税 負 担 率 格 差 は 大 き く な っ て き て い る こ と が わ か っ た 。1980 年度、1983 年度、1986 年度、1989 年度の業種 別税負担率は、 税 率 が 40% ~43.3%の 間で 変 化 して い る にも かか わ ら ず、 業 種 間の 動き が 同 じ よ う な レ ー ダ ー チ ャ ー ト に な っ て い る こ と が わ か っ た 。 仮 想 税 負 担 率 は 、 税 制 ( 税 率 と 課 税 ベ ー ス ) の 影 響 だ け を 見 た も の で あ る 。2 0 0 7 年 度 の デ ー タ を 使 っ て 、 そ こ に 1 9 9 7 年 度 、 1 9 9 8 年 度 、 2 0 0 2 年 度 の 税 率 と 引 当 金 の 経 過 措 置 を 使 っ て 推 計 し た も の で あ る 。 1 9 9 7 年 度 は 引 当 金 制 度 が ま だ あ り 、税 率 は こ の 比 較 し た 年 度 の 中 で 一 番 高 い た め 、 業 種 ご と の 税 負 担 率 は 大 き く な っ て お り 、 ま た 業 種 間 の 格 差 も 大 き い 。1 9 9 8 年 度 は 税 率 が 下 が り 、 引 当 金 等 の 制 度 が 段 階 的 に
29 縮 減 さ れ た た め 課 税 ベ ー ス が 広 が り 、1 9 9 7 年 度 よ り 税 負 担 率 は 下 が り 、業 種 間 格 差 も 小 さ く な っ て い る 。2 0 0 2 年 度 は 、更 に 税 率 が 下 が り 、 引 当 金 の 経 過 措 置 も ほ ぼ 無 く な っ た た め 課 税 ベ ー ス が さ ら に 拡 大 さ れ 、 税 負 担 率 は 下 が り 業 種 間 格 差 の 変 動 も 小 さ く な り 、 レ ー ダ ー チ ャ ー ト も 円 に 近 く な っ て い る 。 す な わ ち 、 課 税 ベ ー ス の 拡 大 に よ っ て 、 法 人 税 の 公 平 性 は 達 成 さ れ つ つ あ る と 言 え る 。 次 に 2 0 0 7 年 度 の 企 業 の 業 種 別 税 負 担 率 と 仮 想 税 負 担 率 、 つ ま り 、 業 種 間 で 課 税 ベ ー ス に 歪 み が な い 、 財 務 省 型 実 効 税 率 = 税 負 担 率 と い う 状 態 と を 比 べ る と 、 2 0 0 7 年 度 の 業 種 別 税 負 担 率 は 仮 想 税 負 担 率 よ り 小 さ く な っ て い る が 、 業 種 間 で ま だ 格 差 が あ る こ と が わ か っ た 。 こ の 格 差 の 原 因 は 、 税 額 控 除 や 繰 越 欠 損 金 な ど の 租 税 特 別 措 置 に よ る 特 殊 要 因 に あ り 、 そ の た め に 業 種 別 税 負 担 率 が 歪 め ら れ て い る こ と が わ か っ た 。
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