ペスタロッチー主義の音楽教育
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(2) ペスタロ.ッチー主義 の. 音楽教育. 学校教育研究科. 教科領域教育専攻芸術系. M86314J千種民江. plv.
(3) 序 長年の教師生活〔高等学校、短大、大学〕を通じて、私はいつも 疑問に思い、なおかつ、それをなんとかしなければなちないと思い 続けてきたことがあった.それは生徒達のソルフェージュの力の不. 足であった。小学校入学以来、中学校卒業まで延べ9年間、毎週音. 楽の授業を受け、高等学校へ入学した時点ではその10年目を迎え る生徒達であったにもかかわらず、彼等のほとんどは楽譜を見てす ぐに歌うことが出来なかった。たとえそれが簡単な階名唱であって も。しかし一方で彼等は、流行歌やフォークソングをなかなか上手 に歌ったし、なおかつ、とても好きであった。そして高校入試の勉 強をしてきたせいか、音楽理論も良く知っていた。二分音符やト音 記号や、クレシェンドや、その上、増四度音程や減五度音程に到る まで彼等の頭の中には暗記した沢山の音楽理論が詰め込まれていた。 では何故彼等は易しいソルフェー一・ジュが出来ないのだろう。私は. 不思議に思い、彼等を長い間じっくりと観察した。. 彼等は歌うことは歌うこと、理論は理論というふうに両者を別々 に切り離して学んでいた。ト音譜表の〈ド〉やくラ〉を見て言葉と して言うことは出来るが、メロディー一として適切な音高で歌うこと. が出来ない、その上それちの音にリズムが付加されている場合には なおさち正しく歌うことができないという状態であった。「音符は 声を出して読むものではなく、歌うものですよ」と私は何度彼等に. v 2 .一.
(4) 言ったかわからない。〈ド〉という音符が目に入って次に〈ラ〉と いう音符が目に入った時、〈ド〉、〈ラ〉、と言うだけでは意味が ない。〈朝〉という言葉をばらばらにくあ〉、〈さ〉と言えば〈朝〉. という意味が無くなるのと同じように。〈ド〉からくラ〉への音の 巾と長さを正しく計りながら歌ってこそ初めて音楽になるのである。. しかもこの作業は音楽教育の最も根本的な初歩の段階で訓練されな ければならないことなのである。何故なら、子供の心理学的な発達 の面かち考えて、小さな単純な音列の練習は、そのような単純さの 繰り返しを楽しむことの出来る年齢において成されるべきであるか ら。幼児期から小学校の低学年の聞に、7つの音の二二と、たとえ それがどんなに小さく分割されようとも、確実な時の刻みを感じる ことの出来る感覚が子供のうちに授けちれているなちば、高校生に なった時の彼等はどんなに楽しく歌い、音楽の時間を待ち望むこと であろうか。. 他の教科に比べて音楽の領域では一つの系統立った教授の過程と 発達の段階がはっきりされていない。それが芸術という教科の特殊 性によるものだと簡単に済まされてしまって良いものだろうか。. 幼稚園から義務教育終了までの約10年間の連続した教育を、そう いう理由だけで片付けてしまって良いものだろうか。しかもその. 10年間というのは人間の諸能力が最も発達する最も大切な時期な. のである。そして週2,3時間ずつ、連続10年の間、否応なしに. 一3 一一.
(5) 自己訓練の出来るチャンスというのは、彼等の一生を通じてみても 二度とない極めて貴重なものである。. そこで私は考えた。我が国の学校音楽教育が何を基盤に成り立ち、. どう発展してきたかを探ることが先決なのではないかと。そうする ことによってこの教科の立ち遅れの原因を突き止め、それに対する 新たな対策を考え出す必要があるのではないかと。. 我が国の学校音楽教育は、明治初期に発足した音楽取調掛に端を 発する。そこには当時、アメリカ留学を終えて帰国した伊澤修二や、. 彼の招きで来日したL.W.メーソンによってペスタロッチー主義 の音楽教育がアメリカ経由でもたらされたと言:われている。. だが、ベスタロッチー主義の音楽教育が一体どういうものであった のかは、我が国では未だ明確にされていない。そこで本研究ではこ のべスタロッチー主義の音楽教育を、その原点に遡って追究してみ たい。何故ならその内容を明らかにすること自体、次の問題として、. それがどのように我が国の音楽教育に取り入れられ、発展させちれ ていったかということの出発点となり得るから。. 一4一.
(6) 目次 序. 2. 第一章ペスタロッチーの教育思想 第一節教育全般に関して. 7. 第二節ペスタロッチーの音楽教育思想. 18 23. 第二章プファイファーとネーゲリーの音楽教育思想 第三章ネーゲリーの行なった ペスタロッチー主義の唱歌教授法. 30. 第一節一般的な音指導. 〔1〕リズムの原理論 〔2〕メロディーの原理論 〔3〕ダイナミックの原理論 〔4〕音の要素の方法的結合. 〔5〕記述法. 32 41 55 60 66. 第二節特別な音指導. 〔1〕歌唱音と用語の方法的結合 〔2〕言葉の重みと音の重みの方法的結合. 〔3〕音楽と詩歌の基本的な結合 (4〕音楽芸術作品実施の為の初歩的な指導. b5 一b. 73 78 82 87.
(7) 第四章ペスタロッチー主義の音楽教育理念 第一節ネーゲリーの唱歌教授法の分析と一考察. 95. 第二節ネーゲリーによる ペスタロッチー主義の音楽教育理念. 104. 結び. 114. 参考文献,資料. 117. 一6一.
(8) 第一章. ペスタロッチー一の教育思想 第一一節 教育全般に関して 「玉座の上にあっても木の葉の屋根の蔭に住まっても同じ人間、 Cl). その本質からみた人間、そは何であるか」これは1780年に発表 されたペスタロッチーの『隠者の夕暮れ』の冒頭の一句である。. ペスタロッチP・・一34歳、彼の教育の最初の仕事として情熱的に取り. 組んだはずの貧民学校が経営上の理由で解散のやむなきに到ったこ の時、廃虚と化したノイホープの荒野にたたずみ、なおも不屈の精 神と強烈な人類愛をもってこの書を著した。. この句に明らかなように、人間の絶対平等性、言い換えると、人 間尊重の精神こそペスタロッチーの教育学の真髄であり、その点で はく人間は造物主の手から出るときは、すべて善である〉と考えた ルソーの教育思想にも通じる。. ペスタロッチーはまず、〈人間の本質を成すもの、人間になくて はならないもの、人間を高めるもの〉を明ちかにして、人間をく心 の奥底において満足させること〉が人類を救済する第一条件であり、. そのく奥底において満足させる心理〉この〈心理への道〉を彼の本 性の奥底に見出だすべきであると考えた。そして、それが即ち自然 t の道でありく人が自然の秩序にしたがって真理を研究するならば、 人は彼の置かれている立場に対して、または、彼の人生の行路に. 一7一.
(9) 対して要するままに真理を見出だす〉ことが出来るとした。つまり、 真理の探究とは、我の内面を探ることであり、それは言い換えると、. 我の真を知ることにほかならない。この内面を探って真理に到る法 則が、自然の道であり、同時に教育の道である。. 要するにペスタロッチーの教育原理は、自然の道に従うことであっ て、この道に従って真理に到達すれば、人は安らぎの平和を獲得し、. これによって最も身近なことく日常茶飯事〉に関して導きの星を得 るとともに、その上に生命の支えを見出だすことが出来る。. 導きの星、即ち、日常茶飯事を立派に処理するよう練成された能力 の上にこそ、人間の知恵は立ち、その知恵は真理の如何なる方向へ も向けることが出来るために、力、感情、応用となって現われる。 そしてそれらはすべて、人類の浄福の源とも成りうるのである。. ところで、何故〈人間の中における人間の道〉とも言うべき〈自 然の道〉が、生涯を貫くペスタロッチーの教育学の根本原理となっ たのかを探ってみる必要がある。. ヨハン.ハインリッヒ,ペスタロツチーは1746年にチュ’一’リッ ヒに生まれた。彼の青年時代はフランス革命の予兆の時代にあたり、 その後半生は革命の動と反動の混乱期に重なっていた。丁度その頃、. スイスでは二世紀前の宗教改革に次ぐ混乱の時期にあり、各地で宗 教的対立が目立ってきていた。折から押し寄せてきた紡績、織物工 業は農村マニュファクチュアの形で急速に広がり、貧しい農民は. 一一一 8一.
(10) 当時の人口増加とも相まって工場労働にその収入源を求めなければ ならなかった。そうした状況の下で、より技術的な仕事をするため には、また、より多くの収益をあげるためには、より多くの教育が 必要となってくることから、市民の教育需要も次第に高まり、公立 の民衆学校が各地に発展しつつあった。がしかし、そこで行なわれ た教授内容といえば、旧態依然とした教義問答の暗唱や賛美歌など を読ませて歌わせるといった一般にマンネリ化したものであった。. 真の具体的内容を持たない単なる言語教授に堕したこのような教授 は、子供の世界や立場をまったく無視していたのである。. ペスタロッチーは嘆いた。「我が大陸のキリスト教国民がこれほ どまでに堕落しなければならなかったのは、人が一世紀以上も前か らその下級学校において、人間の精神に空虚な言葉を与えることに 重きを置き、それが自然の印象そのものに対する注意力を奪ったば かりでなく、人間のこれらの印象に対する内的感受性までも破壊し cxJ たからだ」と。彼は考えた。基礎なき秩序なきバラバラの教授によ る当時の学校教育が、大衆にとって何の役にも立たないどころか、. 大部分の人を無気力にしてしまう。この害毒を癒すことこそ焦眉急 なことではないのかと。しかもそのためには「自然が広い範囲に雑 然とした関係のまま我々の眼前に撒き散らしているものを、より狭 い区域の中に規則正しく配列して寄せ集め、それちを一定の関連に 従って、また、事物をますます多数に接続的に正しく表象しえる. 一一 9一.
(11) 〈g) ような関連に従って我々の五感に近付ける」というく人為の術〉が. 必要である。言い換えれば、相互に入り乱れ混沌とした直蔵をく個 別的〉に明示し、〈様々に変化する相〉において眺めさせ、次にそ れらを〈他の知識〉と結合させる。即ち、我々の認識はく混沌とし たもの〉→〈明確なもの〉→〈明晰なもの〉という順序によって、. 感覚的な直感かち明晰な概念にまで高めるべき永遠の法則に、あら ゆる教授の機械的な形式を従わせる以外にないと考えた。彼の言う 〈永還の法則〉に従った教授法とはどのようなものであろうか。 1>教授の基礎は直観である。 2>学習の時期は判断や批判の時期ではない。. 3>教授は最も単純な要素から出発し、児童の発達に応じて心理 学的な順序で行なわれなくてはならない。. 4>教材は児童がそれを完全に自分のものとするまで個々に留め るべきである。...完成と完全の感情は内面の力を強める が、混乱と不完全の感情は測り知れない欠陥を招く。 5>教授はあくまで児童の自己活動に訴えられるべきである。. 6>教授はあくまで児童の個性を尊重する限りにおいてのみ真実 となりうる。. 7>基礎教育の主要目的は知識や技能ではなく精神力の発展であ る。即ち、わずかな事を根本的に教えることが人間の力を陶 冶し強化する。. 一一 1 O一.
(12) 8>知識には能力が、認識には技能が結びつかなくてはならない。 9>教師はすべての行動においてく愛〉を琴調とすべきである。 10>教授は教育の目的に従属しなくてはなちない。即ち、教授は. 心術の醇化ないし善への意志の強化を目的とし、内的富を生 産し、全人間を向上させてその生活と活動に高い霊感を与え なければならない。 ペス三田ッチーの教育が・・一一一般に〈愛〉の教育と呼ばれる所以につ. いて考えてみる必要がある。彼の長い生涯の出発点ともなった前述 のノイホープの貧民学校における経験は〈貧しい労働者に価値ある 生活をさせることの出来る手段と方法〉を如何にして見出だすかと いう課題をベスタロッチーに与えた。そこで彼は教育が工業に結び ついてより多くの収益をあげることの為だけでなく、およそすべて 彼らの人間的な諸能力を平等に調和的に発達させるものでなければ なちないと考えた。そして「民衆の貧困と堕落の源泉は無教養にあ る、即ち、無教養な者は単なる本能ないし動物的利己心に支配され、. その生活は全く道徳的な中心もなければ、なんら高い使命によって 導かれもしない粗野な人間である。故に彼らの学校を真実の陶冶の 場所に変え、そこで神が人間性のうちに与えたもうた道徳的、精神 的、身体二二力が発展され、それによって人間が安心して満足する 生活を成しうるようになる。要するに人間が自身で自ちを救うこと (“?. を学ぶことの出来る場所にしなければならない」と友人ゲスナーに. ・一 1 1 ・一.
(13) 宛てた書簡にしたためている。また、「奴隷の息子に宿る魂、人間 の完全な充実を等しく憧れる魂、この世紀はもはやそれを見もしな ければ感じもしないようになったのか。貧困に悩み、見捨てられた 不幸な子供達は決して傲慢な市民を富ませる運動の歯車を駆り立て (5). るために生まれてきたのではない」と憤った。彼の施設の根本精神. は常に労働と学習、生活と教育の一体感に置かれ、その守護神は 〈父の心〉からのく愛〉であった。彼はこの〈父の心〉からの愛に. よって頭と手の訓練とともに子供達の心の教育をも実践しようと試 みた。〈心の秩序はその人間に内的平静をもたらし、内的平静は満 足と独立と自由を作り出す〉という信念のもとに、彼は〈父の心〉. に護ちれることよって子供達が家庭の幸福を知り、日々のパンと安 息を与えてくれる神を知ってくれることを望んだ。そしてこの家庭 の幸福のある場所、つまり〈秩序ある暖かな居間の教育〉をこそ教 育の場の手本とし、学校教育における基本的精神をこれに従わせる べきだと考えたのである。. ここで、ベスタロッチー自身〈私の思想の全体系の要石〉と呼ん だ部分について触れないわけにはゆかない。彼は道徳と宗教の教育. の基礎が〈母と子の関係〉に見出だせると説く。F私が神を信ずる ということ、また、私が神を愛する時、私が神を信頼する時、私が 神に感謝する時、私が神に帰依する時、自分を神の腕に委ねて自ち (s) 浄福を感ずるということ、このことはそもそもどうして起こるのか. ”p 1 2 ’一.
(14) 」と自身に問いかけ、「愛と信頼と感謝の感情および従順の能力は、. 私がそれらを神に捧げることが出来る前に、まず私の心の内に発展 していなければならない。即ち、神を愛し、神に感謝し、神を信じ、 神に従順になるところまで向上しうる前に、まずもって人間を愛し、. 人間に感謝し、人間に従順でなければなちない。目に見える兄弟を 愛さない者がどうして目に見えない天の父を愛するだろう。人間を 愛する感情および人間らしい従順を育む能力は一体どのようにして 現われて来るのか。私はそれが主として、幼子と母の関係から生じ ‘吻. てくることを知る」と。母は子供を育み、護り、慈しみ、喜ばせず にはおかない。すると子供は喜び、愛の芽が子供の心に成長する。. 母は子供にとって不快なもの、恐怖、驚きを遠ざけ、子供をしっか りと胸に抱いて微笑む。すると子供は安心してその済んだ自で母の 微笑に報い、信頼の芽が子供の心に成長する。母は子供が飢じい時、 かわいた時に飲ませ満たしてやる。すると子供は満足し感謝する。 が、従順は熟練であるかちしてその芽を育むためにはく人為の術〉. によらなければならない。従順には欲望が先立ち、その欲望を忍耐 することにより従順の芽が成長する。このように従順と愛、感謝と 信頼が融合して〈やさしい母に逆らってはいけない〉という良心の 芽が成長し、一方〈母は自分の為にのみこの世にあるのではない〉. という義務と権利の最初の芽が生じ始めるのである。それから、や がて子供が母の手から離れようとする時、母は語る。「子供よ、. 一13 一一.
(15) お前にもう私が要らなくなる時、お前を胸に抱いて下さる方は神で す。私がもうお前に喜びと幸福を与えることが出来なくなる時、お 前にそれを与えて下さる方は神で側そこで子供の胸の内には自分 自身を越えて向上しようとする信仰心が湧いてくる。即ち、母のた めに良い行ないをすることから、神のために良い行ないをすること へと変わってゆく。子供のこの自我の力の最初の目覚めを、神への 信仰心によって芽生えたばかりの道徳感情に結びつけることこそ母 の成さねばならないく高き人間の術〉なのである。母は子供の心に 愛と感謝と信頼と従順を維持させるために、世界の新たな現象の刺 激が、ただ、これらの感情と結びついてのみ子供の感覚に触れるこ とが出来るように、あちん限りの力でこの〈高き人間の術〉を行使 しなければならない。教授を一面において、曖昧な直観から明言な 概念に我々の精神を向上させる自然の法則と調和させ、他面におい て内的な感情〈道徳感情〉と調和させなければならないという原則 に、我々が人類の教育を従わせることが人類の術の一般的課題であ るとするなちば、母の役割りはまさしくその出発点における永遠の 要石であろう。. この節の最後に、ルソーの影響と教育史上におけるペスタロッチ. ーの意義について考える。ペスタmッチーはその若き日に、チュー リッヒの青年愛国団の一員として歴史や教育、政治や経済について 考え、仲間達と議論した.. 一一 1 4 一一.
(16) ちなみに、この愛国団の教師は、ジュネーヴの哲人、ジャン.ジャッ ク.ルソ■・一・であった。彼は晩年の著『白鳥の歌』の中でその頃の事. をこう述べている。「ルソーの『エミール』が世に出るや否や、私 の極めて非実際的な空想精神は、この同じように非実際的な空想の 書から強い感動を受けた。私は母の居間に住み、並びに私が通学し た教室で受けた教育と、ルソーが『エミール』の教育として要求し、. また強要さえしている教育を比較してみた。そうした時、世界のあ らゆる階層の家庭教育も私には全く奇形であるかのように見えた。. その憐れむべき状態に対する一般的な救済手段は、ルソーの高い理 (9? 念に求めることが出来、また、求めなければなちないと思った」 この様にペスタロツチーは、最初全くルソーに傾倒し、〈ペス三 山ッチーはルソー以外の教育書を研究しなかった〉と言われたほど にルソーの影響を強くうけていた。しかし後には次第にルソーから 離れていった、と言うよりも、ルソーの精神を内に保持しながらも ペスタロッチー独自の理論と方法を見出だしていったのである。. 彼はルソーの『エミール』に擬して3歳6ヶ月の愛児ヤーコプの育 児日記をつけた。その中で「真理は一面的ではない。自由は善であ るが従順も善である。我々はルソーが分離したものを結合しなけれ ばならない。人類を堕落させる不当な抑制の惨めさを確信するのあ ({ o). まり、彼は自由の限界を見出だしえなかったのだ」述べ、さらに 「常に子供に正しい道を示し、あとは子供の自由にさせるがよい。. 一15一.
(17) 子供が正しい道をはずれて泥沼へ落ち込む時に彼を救い出して、無 節制な自由に従って行動した結果が彼に不愉快をもたらしたことを 直接経験させるべきである。即ち、事物の自然性における結果と忠 告とが一致していることを子供が体験し感じれば、彼は必要に応じ て自由の抑制にも束縛を感じなくなり、従ってここに従順が成立す (1り. る」と述べて、社会生活に必要な技能や習慣を学ぶためには、無節 制な自由放任は抑制され、限界づ一けちれなければなちないことを主. 張した。つまり、ルソーが束縛のない放任の自由〈孤立した立場か らの自由〉を頭の中で考えて提案したのに対し、ペス二藍ッチーは 限界と制約の付された自由〈社会の一員としての立場からの自由〉. を主張し、自己の体験と教育の実践を通して自由の概念と、義務や 服従の概念とを結合させたのである。この相違は、ルソーが抽象的 な人間性一般に関する教育を説いたのに対し、ペス二色ッチーは常 に具体的な人間性の教育を考えたことに依る。それ故、教育史上に おけるペスタロッチーの働きは、ルソーの夢を実行し、実証し、そ うすることによってルソーの予言を人間の実生活に結合させて一層 よりよく発展させ、そして後の人が安心して教育の道に進んで行く ことが出来るような基礎を築いたことである.後にモ,餓ま、彼の 著『ペスタロツチー伝』の申で述べている。「この序説を読んだ人. は、なんとまあ今日の民衆学校の状況が60年前とは全く違ってい ることだろう、と言わざるをえないだろう。今日ではどの村にも. ”一 1 6 一一.
(18) 市立の校舎が建っている。そこには特別の学校(師範学校)で専門 職としての教職のために養成された教師がまちかまえている。どん な子供も極貧の子供でも規則正しい学校教育を欠いてはいない。ど の子供も例外なしに、生活上必要な読み書き計算の能力を得ている。. 自分の郷土の歴史についても知っている。彼らはそれによって罪は 人を堕落させ、知恵と徳は人を偉大にするものであることを知って いる。芸術の領域も全く閉じられてはいない。子供の魂は愛すべき メロディーによって楽しくされ、高尚にされている。それは学校生 活を友情に富んだ共同生活に高める。そして、子供の目と手は一方 で美しい造形を知ったり模したりして訓練させられる。教授はそれ がすべての精神的諸能力の調和的発達のための立派な訓練となる様 に施されている。一一一一く中省略)一一一この様な学校と貧民教 育の世界での変化はペスタロッチーの功績である。彼は熱烈な人間 愛と不断の人間浄化と民衆教化のための努力によって学校に新しい 息吹を吹き込み、その情熱でもって幾千の人の心を燃え立たせた。 教育という仕事の偉大さと尊さを世界中に知らせたのは彼であり、. 理想主義的高揚を学校にもたちしたのは彼である。同時に教育学を 人間性についての聖なる法則に基づく不変の原理をもって科学にま Ci2) で高めたのもペスタロッチーに他ならない」L。. 一1 7 一一一.
(19) 第二節ペス夘ッチーの音轍育思想. (i3). 音楽伝記作家F.J.フェティスは、ペスタロッチーが音楽教育. の特別なシステムの権威ではないけれど、音楽の学習を普遍的にす ることを追究した人達の第一に位置づけられなければならないと主 張した。周知のとうりペスタロッチーは、ルソーが執筆のかたわら 音楽を独学で研究して彼独自の音楽理論を生み出したり、一方で生 活のために音楽の個人教授をしていたことと比較すれば、同じく自 然に従った教育論を主張し、種々の教科においてそれを実践してい ながら、音楽の領域においてだけは何ら具体的な仕事を残していな い。ただ、数多くの教育に関する彼の著作の中にその理念を少しば かり見出だすことが出来るだけである、彼はその箸『メトード』に おいて、「自然はすべての術を指導する二つの一般的な手段を持っ ている。その手段の働きはすべての個々の手段に先立つか、少なく ともそれと並行しなくてはならない。二つの一般的な手段というの は唱歌と美の感情である。..謡で母親は乳のみ児を寝かす、けれ ども私達はこの場合にも、いつもの様に自然に則らない。子供はま. だ一年も経たないのに母の謡は早くも止み、総じて乳を離れたばか りの子供にとって、母はもはや母ではなく、母はただ物狂わしい 重荷を負いすぎた一人の婦人にすぎない。ああ、かくある事の痛ま しさよ。国民の賎が家において優しい子守歌かち神を寿ぐ聖歌にま. で高められる国歌の系列を、乳呑み児のための子守歌に結び付ける. 一18一一.
(20) ところまで、幾千年忌術が、かつて一度も私達を導かなかったこと こそ驚くほかはない。しかし私はこの欠陥を補うことが出来ない。 私はただそれを指摘するだけ,9’1)と述べ、ここでもやはり幼子幽. する母の在り方を重要視している。また、ペスタロッチーは子供の 教育において音楽の果すべき目的を、他の教科のそれと区別して、. 別の角度から眺めようとした。『ゲルトルートは如何にしてその子 を教うるか』の中にもその考えがほのかに示されている。「そもそ も歌というものは曖味な直観から明晰な概念に達する手段とはみな し難く、他の見地から他の目的のため発展させられなければなちな い技術と考えちれる。唱歌の教授は一般的な原理に従って最も単純 なものから始めてこれを完成すべきであり、また、一つのものが完 成してかち別の新たな訓練へと極めてゆっくりと進むべきであって、. 基礎のないぎこちなさのために力の基礎そのものを本質的に停滞さ (t5’). せたり、混乱させたりしてはならない」と。. ペス詞曲ッチーが音楽の教育的価値について高い評価を保持して いたということは、彼の学園の生徒達のプログラムにおいても見出 (t6}. すことできる。J.ラムザウアー(彼はブルクドルフの最初のペス 国画ッチー学園の生徒であった)は当時のインフォーマルなレクリ エーショナルな唱歌の楽しみと、それによる調和の精神について語っ. ている。「その時はペスタロッチーのフォーマルスクールかち40 人やそこちの少年少女が参加するためにやって来ていた。. 一19一.
(21) ブース〈唱歌教師〉は子供達を二人つつ手をつながせて城のあちこ ちを歩かせながら、彼らに好きなように歌わせた。子供達は実にど こででも、戸外を散歩しながらでも歌い、そして夜には城の庭にそ “ 7L2. の声を大きくこだまさせて歌った」と。. R.ド.ガ鯉彼はイヴェルドンのペスタ。ッチー学園の生徒で あった〉も、子供達が常に一緒に歌唱に加わった楽しみと喜びにつ いて、「その歌唱は学園での誰の生活の中でも非常に大きな部分を 占めてい鯉と語っている. さて、ベスタロッチーはその晩年に彼の股肱として働き、後に祖 国〈英〉へ帰ってベスタロッチー運動の有力な指導者となった で2ρ). J.P,グリーヴズに宛て三十四通の書簡を送った。その第二十三. 信において彼は「私は丁度この話題について語っているのであるか ら、この機会を逸せずに道徳教育の最も有効な援助となるものの一 つについて話しておきたい。私が音楽を意味していることは君も承 知であろう。君はこの教科についての私の感情を知っておられるば かりでなく、我々の学校で収められた非常に満足すべき結果につい ても観察してこられた。趣味と判断力をもって音楽の最も高い原理 を最も単純な要素に還元した畏友ネーゲリーの努力は、他の案によ. れば多くの時間と努力を要するに違いないところの熟練に子供達を 導きえたのである。しかし私が教育の望ましい成果として述べたい と思うのは、この種の熟練ではないのである。精神の最も良い印象. 一2 O 一一b.
(22) に対して準備し、または、調和させるような点において、私が常に 最も有力であると観察してきたのは、感情に及ぼす音楽の顕著で最 も有効な影響である。高級な奏楽のいみじき調和や技巧に富んだ演 奏の優雅さは、なるほど、耳の肥えた鑑賞家にたいしては満足を与 えるものであるかも知れない。しかし、あらゆる人類の心臓に対し て話しかけるものは、単純で巧みのない歌曲の魅力である。太古以 来、我が祖国の河谷に響き渡っていた我が国民的歌曲は、我々の歴 史の最も輝かしい頁と、家庭生活の最も親愛な場面との階層をもっ て満たされているのである。しかし、音楽の教育上における効果は 常に国民的な感情を生動させるということだけに留まるものではな い。それは更に深く進む。もし正しい精神のうちに培われるならば、. それはあらゆる悪い、あらゆる狭い感情と、あらゆる偏狭な、あら ゆる低級な嗜好と人道にふさわしくないあらゆる情緒を根絶させる ものである。一一一中略一一一音楽における快活高雅な性格は保存 に値するだけの重要さを持つものであるがこれを保存してきた家庭 と学校とは終始一貫して、道徳感情の、したがってまた、幸福の場 面と関係して来たのである。そしてこのような場面は、かの音楽と いう芸術の本質的な価値に対して疑問の余地をなくしているもので あって、それが軽視されてきたのは野蛮と堕落の時代においてだけ であった。一一一中略一一一民衆の精神の上にまでも音楽の影響を 普及させるためには音楽が便宜的に教育に与えられているという. 一2 1 一一.
(23) ような一般的な状況に対して、より一層多くの時間と努力を必要と すぎ!と溢れんばかりの牒をもって語った.この内容かちは、彼 が人間の感情の育成のための最も優れた手段の一つとして音楽を高 く評価し、かつ、それが単純な伝統的な形によって家庭で保存され、. 教授されるべきであり、その延長線上に学校での音楽教育がもたち されるべきである、まさにそうすることによって、彼は子供の精神 の高揚と浄化を可能にせしめんことを強く望んでいた、ということ が察せちれる。このことは大きな〈父の心〉によって秩序正しく護 られ、優しい〈母の心〉によって暖かく満たされた〈居間の教育〉 を教育の場の手本としたペス湯口ッチー一の根本精神に一致する。. 〈愛と秩序と従順〉を土台として、古くかち伝わる単純な国民の歌. を手段として、子供の、いや、人々の心を明るく高雅に鼓舞するこ とこそ音楽の教育における真の目的であるとした精神に他なちない。. 一22一.
(24) 第二章. プファイファとネーゲリーの 音楽教育思想 (2Z). バーバリアン出身のM.T.プファイファーはもともとアールガウ. 州政府の書記官であったが、ペスタロッチtsの著作と彼のブルグド ルフにおける実験的な教育を知ったことに刺激されて、レンッブル グに彼自身の学校を設立した。そこで彼は、ペスタロッチーかち承 認のスタンプを受取り、ペスタロッチー主義という形容詞を得た音 楽教育のメトードを経験的に発展させた。彼の創案した教授細目は、. 第一に〈子供が理解しなければならない或表象に出くわす前に、特 別な音楽現象に熟知させられているべきであること〉、第二にく子 供が音楽の記号を勉強させられる前に、それが最も簡単な構成に分 析されていなければならないということ〉であった。そこで、子供 の自然はリズムによって直接的に訴えられるという理由かち、且つ、 それがペスタロッチーの教育の基礎である数の概念に適合している. という理由から、リズムの要素が第一に学ばれる。次にメロディー の要素が、第三にダイナミックの要素が、そして最後に〈音の科学〉. という名称のもとに、これら三つのセクションが調和され、その方 法が結合されて学ばれる。プファイファーはこのメトードにおいて ペスタロッチーの指図を出来るかぎり果そうとした。. 一一 2 3 ’b.
(25) しかしそのメトードは、教科書の形に作成されていなかったために 出版されなかった。が、幸いなことに、それが当時チューリッヒで 音楽出版を営んでいたネーゲリーの目に止まったのである。(彼は 出版業を経営する前に小学校で音楽の教師をしていた〕 ネーゲリ蛾そのメトードを,プファイファー‘こよって考案され た音楽教育のペスタロッチー主義のメトード』と題して出版した。. その上すでに彼はベートーヴェンのいくつかの作品、その他の出版 によって確実な評価を得ていた為に、この〈学校音楽〉に関する書 も成功し、それはスイスとドイツにおいて広く普及した。. 彼は全体の題目を「訓練的なこと」と「人間的なこと」という二 つの表題に大別した。その第一セクションにおいてネーゲリtsは、 リズム的要素に関してはプファイファーのメトードを詳細に叙述し、. メロディー的要素に関しては彼独自の方法を述べた。即ち、スケー ルそれ自身の組立を教える伝統的な方法は基礎的ではなく、次の四 つの理由で反対の余地があるとした。. 1>二つのテトラコード結合としての長調スケーールの基本構造が 失われる。. 2>二つのテトラコード結合はその後で教えられるべきである。. 3>慣習は適当な数〔7音の代わりに8音〕から作ちれてしまつ ている。. 4>中央Cのように低い音の上でスケールを歌い始めることを. 一24一.
(26) 子供に要求するのは心理学的に望ましくない。 それ故にスケールは二つのテトラコードの結合として導入され、そ. のテトラコード的な組立を理解させたうえで、その範囲を7音に制 限した。そして、オクターヴの真ん中における自然のより歌い易い 場所に、主音が現われるようにした。. プファイファーのメトードの第一セクションを要約して彼は述べ た。「我々の音楽教授の新しいメトードは実に自然の道であり、真 のペスタロッチー主義である。つまりそれは、第一にリズムを取り 扱うというユニークな考え、第二に二つの構成要素、即ち、リズム. とメ。デ,一を一緒にもたらすことであ劉と測こ、音楽糖の 位置づけに対する次のような見解を示した。音楽を学ぶことは、複 雑な記号の意味を把握するために視覚を必要とする。また、歌唱に ついては声の器官のコントロールを、楽器を奏することについては 手の正当な筋肉のコントロールを判断するべき力を必要とする。. つまり見、聴き、感じるところのものが即座に考えられなければな らない。音楽を学ぶことが感覚にそれほど大きな要求を作るという 事実は、カリキュラムの中にその包括を正当化する為に十分である。. それ故、音楽はすべての他の芸術を越えて教育の中に位置づけちれ るべきである。. その第三セクションにおいては、コーラスで歌うことが個人と社 会との関係をもたらすということに触れた。コー一..ラスの練習に. 一一 2 5 ・一.
(27) おいて、個人は彼自身の個性を合唱の中に溶け込ませることによっ て、彼自身と歌い手全体の共同体とを同一一話する。そこでは完全に. 〈社会的〉な経験に対する実際の義務が、単に一つの国民において だけでなく、全ヨ・一・nッパを通じて必然的に存在する。即ち、言葉. と音楽の密接な結合は、人間親交の最も力強い完全な手段となる、. と主張した。実に音楽家の間に、音楽の社会的価値についてのべス タロッチーの意見を広めたこのネーゲリーの主張は、その後記ヨー ロッパ各地〔スイス、ドイツ、フランス、イギリス、そしてスコッ トランド〕に注目すべき広がりを促した。そして巨大な大衆の支え によって一躍した唱歌の授業は、美学的な考慮よりもむしろ社会的 な考慮によって、より多く動機づけられていた。. ペスタロッチー主義のメトードに同調した多くの好意的な受け入. れに対して、ネーゲリーは1810年に、音楽的な基礎の複雑性を すべてペスタロッチーの方法に相応しく分析しようという試みから、. 250ページにわたって詳細を論じ、楽譜を包含したテキストを公 刊した。それには『プファイファーによって教育学的に基礎付けち れ、ネーゲリ“・inによって組織的に完成されたペスタロッチー主義の. 法則に基づく唱歌教授法sという長いタイトルがつけられた。. 更に、二年後ネーゲリーは、その内容を徹底的に縮め、約50ペ ージにまとめた『シンギングコース』を発刊し、学校と公の唱歌授 業の使用のために壁図表のシリーズを補った。. ・一 2 6 一一.
(28) この短い出版物はペスタロッチー主義の音楽教育のさらに大きい一 般的な広がりを奨励した。それはスイスの国境を越えてドイツ、ロ シア、フランス、そして一人の媒介を通して遠くアメリカ合衆国に まで及んだ。. 一一 27一.
(29) 注 〔1〕ペス直面ッチー著「隠者の夕暮れ」〔1780〕. 長田新訳〔ペスタロッチー全集1〕平凡社S.34p.369 〔2〕ペスタロッチ旧著「ゲルトルートは如何にしてその子を. 教うるか」〔1801〕 長田新訳〔ペスタロッチー全集8)平凡社S.35p.136 〔3〕前掲書p.90 〔4〕長田新著「ペスタロッチーの生涯と思想」. 〔ペスタロッチー全集1〕平凡社S.34 p.65. 〔5〕ペスタロッチー著「ノイホーフだより」〔1778〕. 長田新訳〔ペスタロッチー全集1〕平凡社S.34p.271. 〔6〕前掲書〔2〕p.204 〔7〕前掲書〔2〕p、205 〔8〕前掲書〔2〕p.208 (9〕ペスタロッチー著「白鳥の歌」〔1825〕. 佐藤正夫訳〔ペスタロッチー全集12〕平凡社p.197 〔10〕ペス必聴ッチー一著「育児日記」〔1774〕. 佐藤守訳〔ペスタロッチー全集1平凡社〕S.34 p.235 〔11〕前掲書 p 236 〔12〕梅根悟監修「世界教育史大系13]イタリア,スイス教育史. 講談社S.53 p.360. 一28一.
(30) 〔13〕Francois Joseph Fetis l784−1871ベルギー. 〔14〕ペス濠州ッチー一著「メトーデ」〔1800〕. 長田新訳〔ペスタロッチー全集8〕平凡社S.35p.237 〔15〕前掲書〔2〕 p.112 〔16〕Johan Ramsauer 1790−1848スイス. 〔彼は後にペスタロッチー学園の教師となった〕 (17) Bernarr Rainbow fThe land without musicJ Novello and camp any 1 9 6 7 p.6 9. 〔18〕Roger de Guimps 1812−1894フランス. 〔彼は後にペスタロッチーの伝記作家となった〕. 〔19〕前掲書〔17〕 p.69 〔20〕James Pierpoint Greaves 1778−1842イギリス. 〔彼はクランデイーの幼児貧民学校で1年間ペスタロッチー の助力者として働いた〕. 〔21〕ペスタロッチー著「幼児教育の書簡」〔1819〕. 皇至道訳〔ペス三山ッチー全集13〕平凡社S.35p.232 〔22〕Michae1 Traugot Pfeiffer 1771−1849 ドイツ. 〔23〕Hans Georg Nageli 1773−1836スイス. 〔24〕前掲書〔17〕 p.74 〔25〕Heinrich Morf 1818−1899スイス. 〔彼は全四巻三千頁の「ペスタロッチー伝」を書いた〕. 一一 2 9 ・一一.
(31) 第三章ネーゲリーの行なった ペスタロッチー主義の唱歌教授法 〔1810年に公刊されたテキストによって〕. ネーゲリーはこのテキストの最初に「教師のための一般的基準」と 題する導入部を置いた。そこではペスタロッチー主義の精神と方法 とが唱歌授業の在り方を通して端的に述べられている。一例を取り 上げると. 1〕〈唱歌〉の時間について 少くとも週に三回が望ましい。特に火、木、土曜日が最適でしか. も毎土曜日の最後の15分間にその週の総括を行なう。〈何故なら 記憶した事柄を保持させるためと必要事項を繰り返し暗しょうさせ るために). 〈唱歌〉の時間帯は朝早すぎても夕方遅すぎてもいけない。また、. 食事の前後、前の時閲に会話によって疲れた時と動きによって興奮 させられた時も良くない。. 一コマの時間配分はより重要であり、前の練習が困難でなければ. 5分間の休息を挟んだ二等分の、困難な場合は4分間の休息を挟ん だ三等分の運行が望ましい。. 2〕〈唱歌〉の前準備. 生徒の年齢は3才一12才〔とくに10才が最適〕で男女混合が. ’一. Re 一一.
(32) 望ましい。胸部疾患、目立って息が短くて弱い子供、訂正不可能な 発音の子供、連続した発音に際して痙攣性である子供は排除したほ うが良い。. 彼は本文を「一般的な音指導」と「特別な音指導」と称する二つ の大きなセクションに分け、第・一のセクションにおいて音楽理論に. おける基本的な教授と訓練を、ペスタロッチーの方法に従って会話 形式で叙述し、第ニセクションにおいて言葉と音楽の関係、一声歌 唱及び二声、三声歌唱の実施に際しての組立と方法を同形式で述べ ている。また、最後に補遺を付し、ここで彼はこのテキストの全体 的な反省を行なうとともに、彼独自の音楽教育理念を、否、ペスタ ロッチー主義の音楽教育理念を少なからず表明している。本章では 二つのセクションの大要を第一節、第二節としてまとめてみたい。. 一一. @3/ 一.
(33) 第一一節 一般的な音指導 〔1〕リズムの原理論 ’皆さん、これから歌の勉強をはじめましょう。真直に立って胸を ゆったりさせて、頭を後ろへ反ちさないで’と呼びかけて始まる。 〈1,前準備〉 *姿勢. 歌う時は足をそろえないで前後に少し開き、目と頭を教師の方 へ向けて体を斜めにしない。 *合図. 教師は幾分ゆっくりと手を上にあげて〔子供はその瞬間に息を 吸う〕しばし止め〔子供の熟考のため〕、すばやく打ち下ろす。 〔子供はその瞬間に母音aを発する。次に教師の手が上がると. 二二に再び息を吸い、指示された高さで再びaを繰り返す〕 *口の形. 小指のてっぺんに前歯をのせた高さにまで、充分に口を開いて. aを歌い、満足のいくまで繰り返し練習する。音を消す場合に は唇を自然に合せて沈黙する。 〈2,呼吸〉. 教師の合図に合せて下打でaを歌い上打で沈黙する〔号体型で四つ. づつ、停止時間も含めて2秒歌って2秒黙る〕これを何度も繰り返 し練習することによって子供は、同じ長さの「歌うこと」と. 一92一.
(34) 「黙ること」で時間の配分が成立することに気づく。このことが唱. 歌法の第一歩である。次に教師は、a>故意に合図を速くする。. b>一息で多くの音を歌わせる。c>4音おきに息を吸わせ、苦し くない子供には6音おきに、苦しい子供には3音おきに吸わせる。 a>により、速い音列で一回毎にブレスすることは不可能であるこ と、b>により、息がなくなるに従って音が弱まることから、息の 保持が怠ちれると歌唱の他の規則に対して誤りが生じること、c> により、個々の子供に自身の息の長さを認識させることが出来る。 〈3,三種類の音符と休符〉. 緬はまずモデラートのテンポ 1>」ユ」昌ユ轟3n. によって1>をaで歌わせる・『2>」3Jぎ1∼」∼ 続いて2>をその倍の速さで 3>♪γ♪γ♪ソ♪γ 同様に歌わせた後で言う。 千才τよ二千 よ丁 ;千L “もっと速い音列を作りましょう“3>を2>の倍の速さで歌わせ る。S一これまでに何種類の音を歌いましたかe“三種類““そうで す。これちを我々はゆっくりの音、中間の音、速い音と名付けます。 これらの音を記憶するための記号は何種類必要ですか““三種類“. 教師は黒板に」を書く。“このような記号を音符と名付けます。そ してこれは、ゆっくりした音を意味するのでゆっくり音符と称しま す・彼は更に♪,♪を書き、それちが中間の音と速い音を意味する のでそれぞれ中間の音符、速い音符と称することを知らせる。. 一一. R3 一一.
(35) 緬は続いて黒板にJr♪,Pを横一列に並べて書き、まず順副こ それらの名称と意味を問い、続いて順不同に間う。答えがスラスラ と出るようになるまで繰り返す。次に三種類の音符を縦に並べて書. き・説明するe“二つの輔のJ J. 灘難;ll獺♪♪ ♪♪♪ PPPP 音符は一つの中間の音符と同じ. に長く続く。更に、一つの申間の音符と二つの速い音符は一つのゆっ くり音符と同じに長く続きます“. “歌うための記号があるように沈黙のための記号もあります。そ れらは休符と呼ばれます一一と言って教師は三種類の音符に相応する. 休符の意味と名称を、音符と同じ方法で理解させる。そして問う。. :三論1綴算群e,9,Y “二番目““速い休符は“一1三番目““そうです。次の練習をしま. 一尋一. ≠二. 3>長♪7♪7♪¥♪ブ♪¥♪ヂ ’P工芋工下LTL下払丁二丁よ. ♪T. ︾7上. bノτ. L. ﹂7二. 2. D’マ. 7. >. bノ丁. 日7二. b〆千. ∼くエ. 、ノ. ー. ー0で. しよう“彼は通常の半分の速さで練習列を実施する。.
(36) 〈4」に拍子〉 」1’ここになにが見えますb)“ “二つのゆっくり音符“ “最初の音符の下に何が見えますか“’シラブルの ゆ. La““第二の音符の下には’“母音のa“. ↓」彼は各々を2秒つつ続けて歌わせる.そして言う. a£tx. “今度は一番目と二番目の音符を続けて歌います1一. 彼は続けて言う 。’今、君達が続けて歌ったように音が長く続かな. ければならない時、一つの記号が必要です・彼は黒板に」を書く. ’この記号を二区分音符と名付けます。これまでに何種類の音符 を学びましたか““四種類““それちは何と称しますか““二区分 音符、ゆっくり音符、中間の音符、速い音符“. ’我々は今かち一つのゆっくり音符の時の長さを一つの時と名付け. ます。一つの二区分音符は2とき続く、一つのゆっくり音符は1と i 一 S一 L−L 」 一 di. 一t一 hL 一一 t. き続く、一つの中間の音符は7とき続く、一つの速い音符はT とき続く“ ここで教師の手の決まった動きによって1ときを示す ことが常とされる。今後は黒板の上での上下打を普通のタクト振り. でもって交換すべきである。. ・音符の最も傍に何が見えますが国ISD卿21 ’棒““どれ位のときがその棒の問. に含まれていますか“e2とき““二つの棒によって囲まれた音符 または休符を1タクトと名付けます。すべての芸術音楽はこの様な. 一3ズー一.
(37) タクトによって整理されている。“この例はいくつのタクトに整理. されていますか““4タクド“各々のタクトの中にいくつの時が 含まれていますカジ“2時““そうです。これらのタクトを2時拍 と名付けます。棒はタクト棒と名付けます“ここで四種類の音符の 練習が2拍子で行なわれる。. a>J」IJnlJV21,>J DJI♪朋iJ∼i b>J nV “ 1 IRI e> MbyU 7PI PvDIJ 1. ・>3μ叩↓り∼ff>;γ♪1♪¥♪洲♪幻剛1 り.と三拍子> 〈5,. 教師は左図を黒板に書き、子供達に前述の方法で 」). 」を中断なしに3に齢させて歌うことを要求 ム㌧ ec した後で言う。s一一つの音符を3とき続けなければ 」り. 工久 一 ならない時、ゆっくり音符の代わりに2区分音符の 後に一つの点を付ける■t彼は黒板にA.を書く。■■この点はその決. まった価値の半分までその音符を延長します。この音符を一点2区 分音符と名付けます。“どの位の時をこの音符は続けなければなり. ませんか““3とき““音楽においては3とき続く音符が現われる ような時、3とき続くタクトも存在します。それを3時拍と名付け ます。そして、このタクトは3つの手の動きで示されます、即ち、 下打と上打の間に後打が入ります“彼はこのタクト振りを実施する。. そして3拍子の練習を行なう。常に2拍子を間に挿入しながら。. 一」>K一.
(38) a>より川JJV ?l c>JIJIJ川RJIb.1 b>)∼川≧」1川」・ld>」」」I」 )V」」I」21. 〈6,」.と混合拍子〉. “. “ここに何が見えますか““右側に一つの点を 持ったゆっくりおんぶ““これは一点ゆっくり音符 と称し、3つの中間の音符と同じに長く続きます“. .D,P,1) 」,. 彼は次を書く。“今度は何が見えますか““3つの 中間の音符と一つの一点ゆっくり音符““私の最. 初の打で3っの♪を歌い、次の打で」.を保持しなさい・この時. 教鰯上下打の各々に3っの♪の価値を与えながち振る.これを 数回繰り返した後で課題練習を行なう。. a>∫刀川州如月ル71C伽」.IM川ノ.ノ川.∼71 b>v,」川)3Dl ,rTJ 」 PV.e,f d>).JM灯1川∫刀〃り,Srl. e>」.∫刀IJ DMI∫刑Dlユ♪」 91. 一37’.
(39) 〈6,0 と四拍子>. 」3 これまでと同様に獅は左図‘こよって4ときを意味 (7ca a する記号とその名称、即ち、4区分音符、及び4と. 」? きの音符の現hnるタクト、即ち、4時拍を理解さ. da一せた上で言うeV4時拍は下打、前打、後打、上打 o. 千&分誉符 によって示されます“彼は4時拍のタクト振りを実. 施する。そしてこれまでの総括を行なう。e私はいま、これまでの 名称と新しい名称を一緒に並べて置きます。これちの新しい名称は 最も慣用的です。今後我々は新しい名称を使用します“ 〔古名〕. 〔時〕. 4時. 2区分音符. 2時. 中間の音符. 1時 士時. 速い音符. 事時. ゆっくり音符. O∂’bθ♪σ. 4区分音符. 〔記号〕. 〔新名〕. 完全音符. を音符 ↓・音符 命. ÷音符. 壱音符. “これまでに何種類の音符を学びましたか““5種類““君達は何 種類の休符を知っていますか““3種類““各々の音符に対して同. じ時間の休符があります.。に対する休符の記号は・ur、」に { 対する休符の記号は一しです。新しい名称は完全休符、z休符です。. 一Sg一.
(40) oぐ一r). 」(具) 3 ,1(∼♪ 」 2 ノ .b,,)) 2 P ) )P ) 隔P♪♪月=アラ月=アう,r=」=[ 教師は言う。“私の後をつけて唱えなさい。完全音符の半分は. f音符・去音符の半分は麺符・÷舗の半分はナ音符・ ÷音符の半分は吉音符“短い沈黙の後で問答・職つの去舗 が完全音符に対していますか一2・・幾つの圭音符が完全舗 に対していますか 4 幾つの÷音符が完全音符に対してい ますか““8 幾つの÷,9符が完全音符に対していますが “16“次に任意の混合順序で問答が行なわれる。 “音符や休符の慣用的な名称を学んだようにタクトの慣用的な. 名称も学びまし・う・君達が最初に学んだ偶数タクFlま÷拍子と. 称する・何故なら二つのナ舗またはそれと同じ価値の音叡は 休符が二本の拍棒の申に閉じ込められているから。そのようなタク. トから成る一つの楽曲に際しては前方に数字の÷を置くことを常. とする・磁タクトはi拍子と称し・混合タクトは÷拍子と称 する。各々のタクトは時の増加によって倍することが可能です。. 一3クー.
(41) 偶数拍子(静子〕の拡大として÷拍子があります・これは本. 来土拍子と記される代籾にラテン大文字。を用いる.土拍子. 奪暴臓糠謙条…薪 1>1。IJJJIJ刀刀ヲ招引♪7・ll ・g l1. 2>1餌刀∫刀:刀リ刀ノ刀IA“口。1]. 3>リノ」∼u∫刀∼り刀ラハi。I1. 4>IJ JnVgJ川D刀aim刀ノ洲 5>1而♪ケ7万ガ♪7,lf刀γ∬ワγfノ川。li “拍子が拡大されると同様に縮小されることもある。例えば左図、 縮小. 勘鰭 . 拡大. 2 ユ. 三 ←T一→ア B 3 . B 8. ;手:写. l6. これらの拡大された拍子に. おいては、更に長い時の音符 が必要となる’ここでスラー による音符の連結が行なわれ るがそれに関しては省略する。. 〈7,三連符〉. 1ときを二等分することが出来たように三等分することも出来る。. しかし壷音符の記号は存在しないし・三分割された下墨単独. で現繍ることはないので、3つをまとめて』♪2勲はpsifと y3ノ. 一40一.
(42) 記し三連符と称する。次の練習をしましよう“三連符の練習に際し て教師は、子供達が均等な時分割〔三等分)を行なっているかどう かに綿密な注意を払わなければなちない。. 分cl壕切り母川切膨面・一 l1. 2>c抑の1用ノ川月聖理IJ副1. 3>葦r3柳劇」則月u∼∼ll 以上の他に、さちに分割され緒符〔六連符、壷音符、その他〕や 拡大、縮小された拍子についての教授が行なわれるが、ここでは 省略する。. 〔2〕メロディーの原理論 く1,音声テスト〉. メロディv一の教授に先立って前述〔唱歌の前準備〕した身体的機構. 的な事象の他に、その原因が喉または聴覚にあると思われる誤りを 発見するために、また、同質、同能力による子供の等級〔クラス〕 分けの実施のために個々についてテストを行なう。それによって子 供の音域、胸声と頭声の優劣、響きの強弱、種々の誤り〔金切り声、. あいまいさ、揺れる声、鼻声、精神的なはにかみ、内気、等)が明 らかにされ、教師は正規の唱歌時間以外に個々に、または小グルー プにて指導し、誤りを正していく必要がある。でなければ、. 一¢/一.
(43) それらの誤りのためにメロディーコースの練習は妨害され混乱させ られるかち。. 音声テスト終了後、子供達の配置が熟慮されなければならない。. 弱い響きの子供は強い響きを、揺れる音を持つ子供は定着した音を 自分の傍に聴き、前列の子供は後列を聴くが、後列の子供は前列を 聴かない故に、卓越した子供が最後列に来るように配置されること が望ましい。. 〈2,音の高低〉. ’これまでは長短だけで音を区別することを学んだが、今度は高低 でも音を区別することを学びます“教師は二つの音〔g, a〕を 歌う。“私が今歌った二つの音のどちらが低いですか““最初“. 次に彼はピアノで3つの音を前弾きし〔三音の問に短い休止を置い て〕、子供達に一音つつ二二させる。一一一一一 “麿,三,玉“. “二番目は一番目より高いですか、低いですか““高い“ “三番目は二番目より高いですか、低いですか““高い“. “少なくとも3つ以上の音が続いて現われる時、常に一つの音が他 よりも高く、更にもう一つの音がそれよりも重ねて高いならば、そ れらを上行音列と称します“同様に下行音列についても説明がなさ れた後で、教師と子供達は、更に4つの音を続けて歌う。. g,a,h,c 今、幾つの音を歌いましたカゴ 4っ“ “上行音列ですか、下行音列ですか”上行音列“. 一 g2一.
(44) “そう、上行音列です。4つの音からなるこのような上行音列は、 自己の命名を持っています。その名はテトラコードと言います。. 長さの異なる音に対してそれぞれの記号があったように、高さの異 なる音に対しても、それぞれに適した記号と名称がある。そして、. この記号も音符と名付けちれます。しかし、リズムの音符の価値は その姿や形によって表されたが、メ◎ディーのそれは黒板や紙の上 の配置によって表される。その位置を確実に認めうるように、横に 長い線を引き、音符はこの線の真ん申および上下に配置される。. 今、我々が歌った4つの音はこのように置かれます“ 彼は二本線を引き、その上にテトラコードを書く。. “一番下の線を第一線と称します。どこに 一一一. ∴鼈黶D1一. →⊥焉u一最初の音符がありますか““第一線に“ 汁’3集 “二番目の音符は“ “第一線の上に“ “三番目の音符は“ “第二線に’ “では、このテトラコ・一.一ドの練習をしましよう“ 彼は最初の音を. 4つの音のそれぞれの高さで前うたいする。子供達は母音aで上行、 下行のテトラコードを与えられた高さの開始音によって歌う。. その際、確実なタクト分節法は避けられなければならない。何故な ら子供の注意力を上下タクトの動きに分散させないために。 楽器〔ピアノまたはファイアーオルガン)は不可欠ではないが、 あったほうが良い。但し、前弾きにのみ用いられる。. ’一 43 一一.
(45) 〈3,順次進行と三度、四度の跳躍進行>. 1 ユ 3 奇 “この前に我々は順番に並んだ4つの音を 一.d“ntsV:一一. ●→蘇一 上行または下行序列において歌った。今度は. 9ahcあるいは上にあるいは下に4つの音の順番な しに歌います“ 教師はテトラコードを書き、各々の音符に数字を. 付ける。“一番低い音符の上に1、2番目に2、3番目に3、4番 目に4が見えるでしょう。私が棒で4つの数字のひとつを示すとき、 その数字に相当する音符の音を歌いなさい“ 子供達は示された数. 字に対応する音符の音をLaで歌う。〔何故なら母音aで歌った場 合、彼等は音と音とを互いに引っ張りあってメロディー的に不潔に なりやすいから〕 “私の棒に合せて歌いなさい“ 彼は練習列に. 従って数字を示す。但し、これちの練習列は教師のメモとして用い られ、子供達は示された数字に対応する音を歌うことを常とする。 1> 1. 2. 1..2.3. 2..3. 4. 3..4 / 4. 3. 4..3. 2. 3..2. 1. 2..1.. 2> 1. 2. 3. 2, L.2. 3. 4. 3. 2. / 4. 3. 2. 3. 4..3. 2. 1. 2. 3.. 3> 1. 2,L2. 3..2. 3. 2. 3.4. / 4. 3. 4. 3. 2..3. 2. 3. 2. 1.. 4> 2. L2. 3. 2. 3. 4../ 3. 4. 3. 2. 3. 2.L. 5> 3. 4. 3. 2..2. 3. 2. 1..2. / 2. 1. 2, 3..3. 2. 3. 4..3.. 教師は一つの数字を1秒つつ保ち、2点の箇所でしばし休む。そし て棒の前の音と終始音を少し長めに保つ。〔フレーズの終始感を感 じさせるために〉. 一q穿一.
(46) この前我々は常に一つの音かちその隣の音. IL 3 e ≠±=へ上下に進行した・そのような進行を順次進 6 a 丑 じ 行と名付け、各々の階段に音符がある状態を. 一度と名付ける。だから最も低い1の数字を持った音符を第一段に 置き、数字2を持った音符を第二段に置くのを常とする。今度は 一段または二段飛ぼう。即ち、最初の音符から第三段目に、そして 第四段目に飛ぼう。私の棒に合せて歌いなさい’ 1> 1. 2. 3. 1. 3..2. 3. 4. 2. 4./ 4. 3. 2. 4. 2..3. 2. L 3. 1.. 2> 1. 3. 2. 4./ 4. 2. 3. 1.. 3> 1. 2. 1. 3. 1. 4../ 4. 3. 4. 2. 4. L. 4> 4. 1, 4. 2. 4. 3. 4,/ 1, 4, 1. 3. 1. 2. 1.. 5> 1. 2. 1, 3. 4. 3. 2. 3. 2. 4, / 4, 3. 4. 2. 1. 2. 3. 2. 3. 1. ’今、君達が歌ったような一段または二段飛んだ進行を跳躍進行と 名付ける。一つの音から他の音までの進行を正確に、認識するため. に適当な命名をしたい。上方または下方への順次進行を2度音程の 進行と称する。1,3のように一一・■つの階段を中継する進行を3度音. 程の、1,4のように二つの階段を中継するものを4度音程の進行 と称する“ 教師は三種類の進行を前うたいする。但し、常に一回 に一進行だけで。そして問う。’私は何を歌いましたか“ ’3度. 上向’または’4度上向’ 彼は子供達が容易に3度、4度を区別 するまで練習させる。. 一ge夕・・一.
(47) 〈4,七つの音の練習〉. ここで初めて7つの音が歌われる。教師は異なった音高の二つの テトラコードの組み合わせ〔一つのテトラコードの最後の音がもう 一つのテトラコードの最初の音となるような〕によって、七つの音. から成る音列を黒板に書き、各音符の上に1かち7の数字を置く。 1 ; 3 4 S b Z. …謹謹≡至≡i圭…菱≡茎≡≡圭. ヨ冗xTE9ξ子 一9zc究τiε了. 彼は、1かち7までの音を各々2秒つつ保たせながち順番に歌わせ る。子供達がそれらを清らかに歌うようになったら、前回と同様に 順次進行の練習かち始め、次に跳躍進行の練習に進む。その際、音. 列の中心点を数字の4〔c〕の場所に置き、常にそこから歌い始め て歌い終わるようにする。 〔順次進行の練習〕 1> 4, 3. 2. 1. 2. 3. 4./ 4. 5. 6. 7. 6. 5. 4.. 2> 4. 3. 2. 3. 4. 5. 6. 5. 4./ 4. 5. 6. 5. 4. 3. 2. 3. 4.. 3 〉 4一 5・ 6・ 7・ 6・ 5・ 4・ 3・ 2・ 1・ 2e 3・ 4・ /4・ 3・ 2一 1・ 2・ 3・ 4・ 5・ 6・ 7・ 6・ 5・ 4・. 〔跳躍進行の練習、但し、3度と4度の跳躍まで〕 1 〉 4. 3. 4. 2. 4. 1. 4. 2. 4. 3. 4. /4. 5. 4. 6. 4. 7. 4. 6. 4. 5. 4.. 2> 4. 6. 5. 4. 3. 5, 4. 3, 4./ 4. 2, 3. 4. 5. 3. 4. 5. 4.. 3> 4. 1. 2. 3. 4. 5. 3. 5. 4./ 4. 7. 6. 5. 4. 3. 5. 3. 4.. ・一. @fc 6 一.
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